JP4292532B2 - 機構デバイスの製造方法、機構デバイスおよびマイクロリードスイッチ - Google Patents

機構デバイスの製造方法、機構デバイスおよびマイクロリードスイッチ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシン技術を用いて、片持ち梁構造を有する機構デバイスを製造するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の片持ち梁構造は例えばリードスイッチに利用されている。
図12は従来のリードスイッチの構造を示す概略断面図である。
リードスイッチ500は、金、ロジウムなどの接点材がリード先端部にメッキされた一対のリード片501をガラス管502内で、ある空隙を持たせ対向させ、該リード片501をガラス管502内に不活性ガスととも封入した構造を有している。リード片501は磁性材料で構成され、プレス加工によって扁平状に成形されており、その一端がガラス管502の封着部分に支持されて片持ち梁構造を成している。
【0003】
このように構成されたリードスイッチ500は、リードスイッチ500を動作させるのに十分な磁力(例ではマグネット503の接近)が付加されると、その磁力が磁性材料で構成されたリード片501に作用して両リード片501が互いに引き寄せられて接触し、前記磁力が消去されると、リード片501自身の弾性によって非接触に戻ることにより開閉動作を行うようになっている。ここでは常開タイプリードスイッチについて述べたが、接点の構造により、常閉タイプリードスイッチ、切り換え型リードスイッチなどもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のリードスイッチ500では、リード片501のプレス寸法的な限界やガラス管封着部長さの確保などの製造上の問題により、サイズ的に限界があり、現状ではガラス管長5mm程度が量産できる最小のサイズとされており、更なる小型化を行うことが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、マイクロマシン技術を用いることにより小型に構成でき、また、スイッチやセンサなどに応用してこれらの小型化にも貢献できる片持ち梁構造を有する機構デバイスの製造方法、機構デバイス、マイクロリードスイッチ及び静電駆動型スイッチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る機構デバイスの製造方法は、基板上に第1の磁性層を形成し、第1の磁性層の表面全体を覆うように第1の導電層を形成して第1の磁性層と第1の導電層とを含む下部電極を形成する下部電極形成工程と、基板、下部電極上に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、基板および犠牲層上に、基板上面に底面が接触する基部と、基部に支持され、外部磁界が与えられた際に、下部電極との電気的接触を確保できる梁部とを有し、金で構成された片持ち梁状の構造層を形成する構造層形成工程と、構造層の梁部上の一部に、外部磁界によって第1の磁性層とともに磁化する第2の磁性層を含む磁性体部を形成する磁性体部形成工程と、犠牲層と、下部電極および基部を除く銅箔とを除去する最終エッチング工程とを有し、第1の磁性層、第1の導電層、犠牲層、構造層および第2の磁性層のそれぞれは、フォトレジスト膜をパターニングして開口パターンを形成するフォトリソグラフィ工程と、開口パターン部分に電解メッキにより所定の層を積層する電解メッキ工程と、フォトレジスト膜を除去するフォトレジスト膜除去工程とによって完成されたものであり、電解メッキ工程は、各開口パターン部分のうち、第1の磁性層、犠牲層、および第2の磁性層に対応する開口パターンには、第1の電解メッキにより所定の層を積層し、第1の導電層および構造層に対応する開口パターンには、第2の電解メッキにより所定の層を積層する工程であるものである。
【0007】
本発明においては、フォトリソグラフィ法と電解メッキ法を用いて、片持ち梁構造を有する機構デバイスを製造する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態の片持ち梁構造を有する機構デバイスの断面図で、ここではマイクロリードスイッチとしての機構デバイスの断面図を示している。なお、本明細書において機構デバイスとは、少なくとも片持ち梁構造を有するものであり、以下に詳述するその他の構成を備えることにより構成された図1に示したようなマイクロリードスイッチも機構デバイスに含まれることとする。
【0009】
機構デバイス(図1では具体的にはマイクロリードスイッチ)100は、基板1と、下部電極2と、上部電極3とを備えている。
【0010】
基板1は、ガラスエポキシ樹脂で構成された絶縁基板11上に、導電性材料としての銅箔12が貼着されたいわゆるプリント基板で、銅箔12は不要な部分が除去されて配線パターン化されており、その配線パターン上に下部電極2、上部電極3が電気的に接続されている。
【0011】
下部電極2は、磁性層としてのニッケル層21の表面全体を導電層22で覆った構成を有している。ニッケル層21および導電層22はそれぞれ以下に詳述する半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)および電解メッキ法を用いて形成されており、導電層22は金(接点材料)で構成されている。ここで、金は、腐食に強いことから、金でニッケル層21を覆うことによりニッケル層21の酸化を防止でき、また、導電層22自身の酸化も防止できて、接触抵抗の上昇が防止されて初期の導電性を維持でき、接点性能の安定化を図ることが可能となっている。また、この導電層22を構成する材料には、本発明の機構デバイス(マイクロリードスイッチ)100の製造時の最終工程(後述する)におけるウェットエッチングの際に、ニッケル層21が浸食されないように保護する役割も必要とされていることから、その面からも、最終工程のウェットエッチングで用いるエッチング液(ここでは塩化第二鉄)に対して耐エッチング性を有する金が用いられている。
【0012】
上部電極3は、フォトリソグラフィ法および電解メッキ法を用いてそれぞれ形成された片持ち梁構造部31と、磁性体部32とを有している。片持ち梁構造部31は、銅箔12上にその底面が接触する基部31aと、該基部31aに支持された梁部31bとで構成され、耐エッチング性を有する導電性材料である金(接点材料)で構成されている。ここで、接点材料として金を用いることにより、上述したように接点性能安定化を図ることが可能となる。また、金は硬度が低く柔軟性のある材料であることから、片持ち梁構造部31を金で構成することにより、以下に詳述するが、梁部31bを磁力によって下部電極2側に引き寄せる際に、微少な磁力でも動作することが可能となり、よって、高感度のマイクロリードスイッチ100を構成することが可能となる。
【0013】
磁性体部32は、磁性層としてのニッケル層32aの表面全体を耐エッチング層32bで覆った構成となっている。このニッケル層32aおよび耐エッチング層32bはそれぞれフォトリソグラフィ法および電解メッキ法を用いて形成されており、該耐エッチング層32bは金で構成されている。耐エッチング層32bに金を用いることにより、上述したようにニッケル層32aの酸化を防止でき、また、マイクロリードスイッチ100の製造時の最終工程(後述する)におけるウェットエッチングに際し、ニッケル層32aがエッチングされないように保護することができる。
【0014】
このように構成された上部電極3は、下部電極2との電気的接触が成されるように、梁部31bが磁力によって下方に撓んだ場合に、梁部31bの先端部が下部電極2と接するような配置および寸法で基板1上に形成されている。
【0015】
なお、本実施形態においてマイクロリードスイッチ100としての機構デバイスの各部の寸法は以下の通りである。すなわち、基板1は、長さ2cm,幅1.5cmで、銅箔部分の厚みが9μm、下部電極2の長さ,幅,厚みはそれぞれ1300μm,900μm,11μm(この厚みは銅箔の厚み9μmを含むもので、その他の内訳はニッケル層21の厚み1μm、導電層22の厚み1μm)、片持ち梁構造部31の梁部31bの長さ,幅,厚みはそれぞれ1000μm,150μm,1μm、基部31aの長さ,幅,厚みはそれぞれ1000μm,800μm,10μm(この厚みは銅箔の厚み9μmを含むもので、金で構成されている部分が1μmである)。磁性体部32の長さ,幅,厚みはそれぞれ700μm,60μm,12μm(ニッケル層32aの厚み10μm、耐エッチング層32bの厚み2μm)である。
【0016】
図2は、図1に示す機構デバイスのマイクロリードスイッチとしての動作説明図である。
図2において、41は、梁部31bとの磁性間距離を十分狭くするために下部電極2の真下に設置された電磁石である。この電磁石41に電圧を印加することにより磁界42が発生し、この磁界42によって上部電極3のニッケル層32a及び下部電極2のニッケル層21が磁化して上部電極3側のニッケル層32a及び下部電極2側のニッケル層21間に磁気吸引力が生じる。これにより、上部電極3の梁部31bが下部電極2側に引き寄せられ、梁部31bの先端部が下部電極2に接触してスイッチONする。そして、電磁石41への電圧の印加を停止すると、磁界42が消滅し、ニッケルは残留磁化率が低いことから、磁界42の消滅によってニッケル層32a、21間の磁気吸引力も消滅する。すると、梁部31bは自身の弾性力によって非接触に戻りスイッチOFFとなる。上記の寸法で構成した本実施の形態のマイクロリードスイッチ100では、電磁石41から7mT(テスラメータにより測定)の磁力でスイッチとして動作することが確認された。以下にその実験結果を示す。
【0017】
図3は、コイル波形に対するマイクロリードスイッチの動作波形を示す図である。
ここでは、電磁石41に100Vの電圧を印加し、図示しないトランジスタを使用してゲートに図示しない発信機から信号(10Hz)を入力して磁界42をON、OFFさせたときのマイクロリードスイッチ100の動作波形を示している。なお、マイクロリードスイッチ100には1Vの電圧を印加している。図3より、磁界42のON・OFFにより、マイクロリードスイッチ100も同様の時間でON・OFFしていることが示されている。この実験により、マイクロリードスイッチ100としての動作が確認できた。
【0018】
次に、図1に示した機構デバイスの製造方法について説明する。本発明は、マイクロマシン技術を用いて製造することに特徴を有するものであり、マイクロマシン技術には、IC、LSIなどの製作で用いられる半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)および電解メッキ法を使用する。以下、その製造方法について詳細に説明する。
【0019】
図4〜図6は、それぞれ本発明の一実施の形態の機構デバイスの製造方法の説明図である。以下、各図を順に説明する。
【0020】
図4(a)〜(f)は下部電極の製造過程を示す図である。
まず、(a)基板1の表面にフォトレジスト膜51を塗布し、フォトレジスト膜51をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜51に下部電極2のニッケル層形成用の開口パターン61を形成する(フォトリソグラフィ工程)。そして、(b)この開口パターン61部分に電解メッキ装置によりニッケル21を積層して(電解メッキ工程)、(c)フォトレジスト膜51を除去して(フォトレジスト膜除去工程)基板1上にニッケル層21を形成する。
【0021】
ついで、(d)基板1の表面にフォトレジスト膜52を塗布し、フォトレジスト膜52をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜52に下部電極2(図1参照)の導電層形成用の開口パターン62を形成する。そして、(e)この開口パターン62部分に電解メッキ装置により金22を積層し、(f)フォトレジスト膜52を除去して、ニッケル層21の表面全体を金22で覆った下部電極2を形成する。
【0022】
図5及び図6は上部電極の製造過程を示す図である。
まず、図5(a)下部電極2を含む基板1上にフォトレジスト膜53を塗布し、フォトレジスト膜53をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜53に犠牲層形成用の開口パターン63を形成する(フォトリソグラフィ工程)。そして、(b)この開口パターン63部分に電解メッキ装置によりニッケル71を積層して(電解メッキ工程)、(c)フォトレジスト膜53を除去して(フォトレジスト膜除去工程)、基板1および下部電極2上に犠牲層71を形成する。
【0023】
ついで、同様に(d)下部電極2および犠牲層71を含む基板1上にフォトレジスト膜54を塗布し、フォトレジスト膜54をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜54に片持ち梁状の構造層(図1参照)を構成する構造層形成用の開口パターン64を形成する(フォトリソグラフィ工程)。そして、(e)この開口パターン64部分に電解メッキ装置により金31を積層して(電解メッキ工程)、(f)フォトレジスト膜54を除去して(フォトレジスト膜除去工程)、基板1および犠牲層71上に構造層31を形成する。
【0024】
そして、図6(a)下部電極2、犠牲層71および構造層31を含む基板1上にフォトレジスト膜55を塗布し、フォトレジスト膜55をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜55に上部電極3(図1参照)の磁性層形成用の開口パターン65を形成する(フォトリソグラフィ工程)。そして、(b)この開口パターン65部分に電解メッキ装置によりニッケル32aを積層して(電解メッキ工程)、(c)フォトレジスト膜55を除去して(フォトレジスト膜除去工程)、基板1上にニッケル層32aを形成する。
【0025】
ついで、(d)下部電極2、犠牲層71、構造層31およびニッケル層32aを含む基板1上にフォトレジスト膜56を塗布し、フォトレジスト膜56をマスクアライナーで露光し、現像液で現像して、フォトレジスト膜56に耐エッチング層形成用の開口パターン66を形成する(フォトリソグラフィ工程)。そして、(e)この開口パターン66部分に電解メッキ装置により金32bを積層して(電解メッキ工程)、(f)フォトレジスト膜56を除去して(フォトレジスト膜除去工程)基板1上にニッケル層32aの表面全体を金32bで覆った構成の磁性体部32を形成する。
【0026】
そして、最終工程として塩化第二鉄をエッチング液として用いてウェットエッチングを行うことにより、犠牲層71と、基板1において不要な銅箔12部分とが選択的に除去される。その結果、図1に示したようなマイクロリードスイッチ100が製作される。
【0027】
以上のように本実施の形態によれば、半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)、電解メッキ法といったマイクロマシン技術を用いることにより、数ミクロン単位まで小型に構成できる片持ち梁構造を有する機構デバイスを得ることが可能となる。
【0028】
また、この機構デバイスにおいて、片持ち梁構造部31に磁性体部32を形成すると共に、基板1上に磁性層を有する下部電極2を形成することで、図3の実験結果に示したように、磁力によって動作するマイクロリードスイッチ100を構成することができる。また、このマイクロリードスイッチ100の製造は、上述したようにマイクロマシン技術を用いていることから、従来のリードスイッチよりも小型に構成することができる。
【0029】
また、片持ち梁構造部31を金で構成しているため、上述したように微少な磁力にでも動作することのできる感度の高いマイクロリードスイッチ100を構成できる。
【0030】
また、従来のリードスイッチに比べてリード片の加工などが必要無く、半導体プロセス(フォトリソグラフィ)と電解メッキだけで製造できるため、基板1上での製作が可能となり、よって、マイクロ単位まで設計値を小さくすることで一基板上に複数(数十個、数百個など)の機構デバイスを製作することができ、大量生産も可能となる。
【0031】
また、この大量生産に際し、上記のフォトリソグラフィ工程において、基板1上に所定層用の開口パターンを適宜離間して複数形成し、各開口パターン部分に電解メッキを行い、その後、フォトレジスト膜を除去して所定層を形成する作業を繰り返すことにより、複数の機構デバイスを同時に製作でき、製造時間を短時間化することが可能となる。このように、集積化し、大量生産することで生産コスト削減にも寄与できる。
【0032】
また、マイクロリードスイッチ100の製造に際し、化学的蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)や物理的蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)(スパッタリング法、蒸着法)など、時間のかかる製造プロセスがないため、製造時間を短縮できる。
【0033】
ところで、現在、マイクロマシンの製作はシリコン基板上で行われるのが一般的であるが、本発明の片持ち梁構造を備えた機構デバイス(マイクロリードスイッチ)100は、プリント基板上で製作するため、基板材料の面でも、シリコン基板に比べてコスト削減が期待できる。
【0034】
また、プリント基板は、シリコン基板を用いる場合に必要となる電気炉熱酸化法による絶縁層(酸化膜)の形成工程が不要であるため、製造コストを低減でき、またこの絶縁層の形成は時間の掛かるプロセスであることから、このプロセスが不要となることにより製造時間短縮にも寄与できる。
【0035】
なお、本実施の形態では、片持ち梁構造を有する機構デバイスにおいて、片持ち梁構造部31に磁性体部32を形成すると共に、基板1上に磁性層を有する下部電極2を形成することでマイクロリードスイッチ100を構成する場合について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、片持ち梁構造を有する機構デバイスは、以下のような各種スイッチや、各種センサにも利用できる。
【0036】
<応用例1>
図7は、片持ち梁構造を有する機構デバイスを利用した静電駆動型スイッチの断面図である。なお、図7において図1と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図7において、81は基板1上に形成された吸引電極、82は基板1上において吸引電極81から離間し、且つ吸引電極81よりも上面が若干高く形成された下部電極である。また、片持ち梁構造部31は、梁部31bが前記吸引電極81および前記下部電極82の上方に位置するように基板1上に形成されている。なお、図7(a)は下部電極82を外側に、(b)は下部電極82を内側に形成した場合を示している。なお、吸引電極81および下部電極82はそれぞれその上面が基板1に平行に形成されている。
【0037】
以上の構成(a)(b)それぞれの静電駆動型スイッチ200において、片持ち梁構造部31と、吸引電極81との間に電圧を印加すると、静電引力が発生し、梁部31bが吸引電極81側に引き寄せられて梁部31bの先端部が下部電極82に接触してスイッチONし、電圧印加を停止すると、静電引力が消滅して梁部31bの弾性力により非接触に戻りスイッチOFFとなる。このように、片持ち梁構造を有する機構デバイスは静電駆動型スイッチにも適用できる。
【0038】
<応用例2>
図8は、図7の構成を光センサーとして利用した場合を示す図である。
図8において、91はレーザ光、92は複数の受光素子がマトリックス状に配置された受光面である。光センサー300は、静電駆動型スイッチ200の梁部31bにレーザ光91を照射し、その反射光を受光面92で受光する動作を行う。ここで、静電引力を利用して梁部31bを撓ませ、その状態でレーザ光を梁部31bに向けて照射すると、撓ませない場合と比較して反射角が変化し、よって光路が変化して受光面92において反射光を受光する受光素子が変化する。この仕組みを利用して光センサー300として利用するものである。このように光センサー300として利用する場合の梁部31bには、上述したように導電性、耐エッチング性を有することに加えて、反射率の高い材料で構成されるのが好ましい。なお、ここでは、図7に示した静電駆動型スイッチ200を光センサー300に適用した場合を例示したが、図1の構成を適用してももちろんよい。
【0039】
<応用例3>
図9は、図1の構成を衝撃センサとして利用した場合を示す図である。
図9において、93はマグネットで、このマグネット93が何らかの衝撃によりマイクロリードスイッチ100側に接近すると、マイクロリードスイッチ100に磁界が通過する。これにより、上部電極3の梁部31bが下部電極2側に引き寄せられ、梁部31bの先端部が下部電極2に接触してスイッチONする。そして、マグネット93が離間すると、マイクロリードスイッチ100に磁束が通過しなくなるため、梁部31bは自身の弾性力によって非接触に戻りスイッチOFFとなる。このように、マイクロリードスイッチ100を衝撃センサ400としても利用できる。なお、梁部31bの先端部が、マグネット93が離間した状態において下部電極2に接触したノーマリON、下部電極2から離間したノーマリOFFの何れの形態でも利用できる。
【0040】
このように構成された衝撃センサ400は、マイクロマシンのため、狭い場所にも配置でき、また、小さな衝撃でも動作することのできる高感度なものとなる。なお、図9に示したマグネット93の配置位置は一例であり、マイクロリードスイッチ100を動作させることが可能な場所であれば、マイクロリードスイッチ100の上でも横でも良く、設置場所は特に制限はない。
【0041】
なお、基板1上にフォトリソグラフィ工程と、電解メッキ工程と、フォトレジスト膜除去工程とを行って所望の層を形成することを繰り返すことによって、上述の片持ち梁構造以外にも、図10に示すような両持ち梁構造や、図11に示すような2重片持ち梁構造も製作できる。ここで、図11は、下部電極94に対向する上部電極95を両持ち梁構造とした場合、図12は下部電極96および上部電極97のそれぞれを片持ち梁構造に構成し、それぞれの梁部98の先端部分がオーバーラップするように僅かに離間して対向配置した2重片持ち梁構造とした場合を示したものである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、フォトリソグラフィ法と電解メッキ法を用いて、片持ち梁構造を有する小型の機構デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の片持ち梁構造を有する機構デバイスの断面図である。
【図2】図1に示す機構デバイスのマイクロリードスイッチとしての動作説明図である。
【図3】コイル波形に対するマイクロリードスイッチの動作波形を示す図である。
【図4】下部電極の製造過程を示す図である。
【図5】上部電極の製造過程を示す図(その1)である。
【図6】上部電極の製造過程を示す図(その2)である。
【図7】機構デバイスを利用した静電駆動型スイッチの断面図である。
【図8】図7の構成を光センサーとして利用した場合を示す図である。
【図9】図1の構成を衝撃センサとして利用した場合を示す図である。
【図10】両持ち梁構造を示す図である。
【図11】2重片持ち梁構造を示す図である。
【図12】従来のリードスイッチの構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部電極
3 上部電極
11 絶縁基板
12 銅箔
21 ニッケル層(第1の磁性層)
22 導電層(第1の導電層)
31 片持ち梁構造部(構造層)
31a 基部
31b 梁部
32 磁性体部
32a ニッケル層(第2の磁性層)
32b 耐エッチング層
42 磁界
51〜56 フォトレジスト膜
61〜66 開口パターン
71 犠牲層
81 吸引電極
82 下部電極
100 機構デバイス
200 静電駆動型スイッチ

Claims (9)

  1. 基板上に第1の磁性層を形成し、該第1の磁性層の表面全体を覆うように第1の導電層を形成して前記第1の磁性層と前記第1の導電層とを含む下部電極を形成する下部電極形成工程と、
    前記基板、前記下部電極上に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
    前記基板および前記犠牲層上に、前記基板上面に底面が接触する基部と、該基部に支持され、外部磁界が与えられた際に、前記下部電極との電気的接触を確保できる梁部とを有し、金で構成された片持ち梁状の構造層を形成する構造層形成工程と、
    前記構造層の前記梁部上の一部に、外部磁界によって前記第1の磁性層とともに磁化する第2の磁性層を含む磁性体部を形成する磁性体部形成工程と、
    前記犠牲層と、前記下部電極および前記基部を除く銅箔とを除去する最終エッチング工程とを有し、
    前記第1の磁性層、前記第1の導電層、前記犠牲層、前記構造層および前記第2の磁性層のそれぞれは、
    フォトレジスト膜をパターニングして開口パターンを形成するフォトリソグラフィ工程と、該開口パターン部分に電解メッキにより所定の層を積層する電解メッキ工程と、前記フォトレジスト膜を除去するフォトレジスト膜除去工程とによって完成されたものであり、
    前記電解メッキ工程は、前記各開口パターン部分のうち、前記第1の磁性層、前記犠牲層、および前記第2の磁性層に対応する開口パターンには、第1の電解メッキにより所定の層を積層し、前記第1の導電層および前記構造層に対応する開口パターンには、第2の電解メッキにより所定の層を積層する工程であることを特徴とする機構デバイスの製造方法。
  2. 前記第2の磁性層の表面全体を覆う耐エッチング層を形成する工程を更に含み、前記第1の導電層、前記構造層および前記耐エッチング層のそれぞれは、前記犠牲層を除去する際の最終エッチングに用いるエッチング液に対して耐エッチング性を有する材料で構成され、前記犠牲層の除去は、ウェットエッチングにより行うことを特徴とする請求項1記載の機構デバイスの製造方法。
  3. 前記耐エッチング性を有する材料は金であることを特徴とする請求項2記載の機構デバイスの製造方法。
  4. 前記第1の磁性層及び前記第2の磁性層のそれぞれをニッケルで構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の機構デバイスの製造方法。
  5. 前記基板は、絶縁基板上に導電層で配線パターンが設けられた構成であり、前記犠牲層をエッチングにより除去する際、前記犠牲層の底面に接触した前記基板の導電層部分を含む不要な導電層部分も除去されること特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の機構デバイスの製造方法。
  6. 前記絶縁基板はガラスエポキシ樹脂で構成され、前記導電層は銅箔で構成されてなることを特徴とする請求項5記載の機構デバイスの製造方法。
  7. 前記基板上に複数の機構デバイスを同時に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の機構デバイスの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項の何れかに記載の機構デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とする機構デバイス。
  9. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の機構デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とするマイクロリードスイッチ。
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