JP2016177991A - 磁気リードスイッチの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メッキ工程とエッチング工程とによって、薄型で小型の磁気リードスイッチを製造する製造方法を提供する。
【解決手段】 基板2の上に導電層20を形成し、その上に電界メッキにより第1の固定層5と可動層7および第2の固定層6を形成する。このとき、梁部7aと可動電極部7bのX方向の幅寸法を、第1の支持部5aと磁気吸引部5bおよび第2の支持部6aと固定電極部6bのX方向の幅寸法よりも小さくする。エッチング工程で導電層20を除去すると、梁部7aと可動電極部7bの下側の導電層が除去され、第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bが残される。
【選択図】図3
【解決手段】 基板2の上に導電層20を形成し、その上に電界メッキにより第1の固定層5と可動層7および第2の固定層6を形成する。このとき、梁部7aと可動電極部7bのX方向の幅寸法を、第1の支持部5aと磁気吸引部5bおよび第2の支持部6aと固定電極部6bのX方向の幅寸法よりも小さくする。エッチング工程で導電層20を除去すると、梁部7aと可動電極部7bの下側の導電層が除去され、第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bが残される。
【選択図】図3
Description
本発明は、固定電極部と可動電極部とが対向し、外部磁界で磁化された可動電極部が固定電極部に接触する磁気リードスイッチの製造方法に関する。
特許文献1と2には、磁気リードスイッチとして機能する機構デバイスが記載されている。
特許文献1に記載された機構デバイスは、基板の上に下部電極と上部電極が固定されている。下部電極には下部電極磁性材料が設けられ、上部電極から延び出る梁の先部に梁部磁性材料が設けられて、梁部磁性材料が下部電極磁性材料の上方に隙間を介して対向している。外部磁界が与えられると、梁部磁性材料と下部電極磁性材料とが磁化されて互いに吸引されて接触し、下部電極と上部電極との間に電流が流れる。前記機構デバイスでは、上部電極と梁が金で形成されている。
特許文献1に記載された機構デバイスの製造方法は、基板上に下部電極磁性材料とこれを保護する金の保護層を形成した後に、保護層の上に犠牲層を形成する。その後、基板上に上部電極層を形成するとともに、前記犠牲層の上に上部電極層と連続する梁を形成して、梁の先部の上に梁部磁性材料を形成し、その後に犠牲層を除去する。
特許文献2に記載された機構デバイスは、基板の上に第1の銅箔と第2の銅箔が設けられ、第1の銅箔から片持ち梁部が延び出て、片持ち梁部の先部に上部電極が設けられている。前記片持ち梁部は金で形成され、前記上部電極は、磁性体であるニッケル層とその表面を覆う金で構成されている。下部電極は、前記第2の銅箔が金で覆われて形成されており、上部電極と下部電極が上下に対向している。
この機構デバイスは、基板の下方に配置された磁石から磁場が発生すると、この磁場に上部電極が引き付けられ、上部電極が下部電極に接触して、両電極間に電流が流れる。
特許文献2に記載された機構デバイスの製造方法は、特許文献1の記載とほぼ同じであり、第2の銅箔の上に犠牲層を形成し、その上に片持ち梁部と上部電極を形成してから、犠牲層を除去している。
特許文献1と特許文献2に記載された機構デバイスは、いずれも上部電極に磁性材料が設けられているが、この磁性材料を支持する梁部が金で形成されている。しかし、金は軟質な材料であり剛性がきわめて低く、磁性材料を有する比較的質量の大きい上部電極を金で動作自在に支持するのは困難である。特に、特許文献1と特許文献2では、いずれも上部電極が上下に動くものであり、上下に動く上部電極を金の梁部で安定して支えることは難しい。
また、特許文献1と特許文献2に記載された機構デバイスの製造方法は、いずれも下部電極を形成した後に犠牲層を形成し、犠牲層の上に梁部と上部電極を形成した後に犠牲層を除去しているため、犠牲層の除去の工程が煩雑である。また、他の層を残したまま犠牲層のみを除去するためには、犠牲層の厚さや幅寸法に制限が与えられることになり、機構デバイスの設計の自由度が狭められることになる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、可動電極部を支持する梁部の剛性を高めて、安定した動作を実現できる磁気リードスイッチの製造方法を提供することを目的としている。
また本発明は、平面的に配列された支持部と梁部と固定電極部および固定電極部を同時に形成することができ、薄型の磁気リードスイッチを少ない工程で製造できる製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、支持部と、前記支持部から延びる梁部と、前記梁部の先部に設けられた可動電極部と、前記可動電極部に対向する固定電極部とを有する磁気リードスイッチの製造方法において、
(1)基板の表面に導電層を形成する工程と、
(2)前記導電層の表面に、前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部となる磁性材料層を形成する工程と、
(3)前記導電層をエッチング処理で除去する工程と、を有しており、
前記(2)の工程では、同じ方向での幅寸法が、前記支持部および前記固定電極部よりも前記梁部および前記可動電極部が小さくなるように形成し、
前記(3)の工程では、前記梁部および前記可動電極部と前記基板との間の前記導電層を除去して、前記梁部と前記可動電極部を前記基板上で動けるようにし、前記支持部および前記固定電極部と前記基板との間では、前記導電層を一部残して、前記支持部を前記基板に固定する第1のアンカー層と、前記固定電極部を前記基板に固定する第2のアンカー層とを形成することを特徴とするものである。
(1)基板の表面に導電層を形成する工程と、
(2)前記導電層の表面に、前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部となる磁性材料層を形成する工程と、
(3)前記導電層をエッチング処理で除去する工程と、を有しており、
前記(2)の工程では、同じ方向での幅寸法が、前記支持部および前記固定電極部よりも前記梁部および前記可動電極部が小さくなるように形成し、
前記(3)の工程では、前記梁部および前記可動電極部と前記基板との間の前記導電層を除去して、前記梁部と前記可動電極部を前記基板上で動けるようにし、前記支持部および前記固定電極部と前記基板との間では、前記導電層を一部残して、前記支持部を前記基板に固定する第1のアンカー層と、前記固定電極部を前記基板に固定する第2のアンカー層とを形成することを特徴とするものである。
本発明の磁気リードスイッチの製造方法は、支持部と梁部と可動電極部および固定電極部を形成する工程と、その後に導電層をエッチングする工程とによって、比較的少ない工程で製造することができる。また、梁部は磁性材料層で形成されるため、従来技術の金に比べて剛性を高くでき、可動電極部の支持強度を高めることができる。また、支持部と梁部と可動電極部および固定電極部を平面に展開できるため、薄型に構成することが可能になる。
本発明の磁気リードスイッチの製造方法は、前記(2)の工程では、前記導電層の上にレジスト層を形成し、レジスト層で覆われていない領域に電界メッキを施して前記磁性材料層を形成することが好ましい。
この場合には、前記(3)の工程で、前記レジスト層を除去した後に、前記エッチング処理を行う。
本発明の磁気リードスイッチの製造方法は、前記(2)の工程では、前記可動電極部となる前記磁性材料層に開口部を形成することが好ましい。
本発明の磁気リードスイッチの製造方法は、前記導電層は、前記基板の表面に形成された密着層を有する多層構造であるものが好ましい。
さらに本発明の磁気リードスイッチの製造方法は、前記(3)の後の工程で、前記固定電極部の少なくとも前記可動電極部に対向する表面と、前記可動電極部の少なくとも前記固定電極部に対向する表面に、接触金属層を形成することが好ましい。
また本発明の磁気リードスイッチの製造方法では、前記基板に複数のスルーホールを形成し、それぞれの前記スルーホールの内部に形成された導電性材料を前記第1のアンカー部と前記第2のアンカー部に個別に導通させることが可能である。
本発明は、メッキ工程とエッチング工程などの比較的少ない工程で磁気リードスイッチを製造することができ、支持部と梁部と可動電極部および固定電極部を同じ工程で同時に形成することも可能である。梁部は磁性材料層で形成されるため、従来技術の金に比べて剛性を高くでき、可動電極部の支持強度を高めることができる。また、支持部と梁部と可動電極部および固定電極部を平面に展開できるため、薄型に構成することが可能になる。
図1と図3に基づいて本発明の第1の実施の形態の磁気リードスイッチ1の構造とその動作を説明する。図3(A)は、図3(B)をA−A線で切断した断面図である。
磁気リードスイッチ1は基板2を有している。基板2は、ガラス基板やガラスエポキシ基板などである。あるいはシリコン(Si)基板を使用することも可能である。図3(A)に示すように、基板2の表面に導電層20が形成されている。導電層20は、密着層21とその上のメッキ下地層22とで構成されている。メッキ下地層22は銅(Cu)層であり、密着層21はFeNi合金層である。密着層21を設けることにより、メッキ下地層22が基板2の表面に強固に固定される。密着層21とメッキ下地層22はスパッタ工程やCVD工程などで形成される。
図3(B)において破線で示されているように、前記導電層20によって第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bが形成されている。図1と図3(B)に示すように、第1のアンカー層4aの上には、第1の固定層5が固定されており、第2のアンカー層4bの上に第2の固定層6が固定されている。第1の固定層5からは、Y1方向へ延び出る可動層7が一体に設けられている。基板2と可動層7との間には、アンカー層(導電層20)が設けられておらず、可動層7と基板2との間に隙間が形成されて、可動層7が基板2上で動くことができるようになっている。
第1の固定層5には、第1の支持部5aと磁気吸引部5bとが一体に形成されている。第2の固定層6には、第2の支持部6aと固定電極部6bとが一体に形成されている。可動層7は、第1の支持部5aから延び出る梁部7aと、梁部7aの先部に一体に形成された可動電極部7bを有している。梁部7aは、基板2の表面に沿うX方向へ弾性的に撓み変形可能である。また、可動電極部7bには、X方向の幅寸法を実質的に減少させるための開口部7cが上下に貫通して形成されている。
図1と図3(A)に示すように、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7は、いずれも磁性材料層13で形成されている。磁性材料層13は電界メッキ工程で形成されている。磁性材料層13はNiFe合金(ニッケル−鉄合金)である。磁性材料層13は、CoFe合金(コバルトー鉄合金)やCoNiFe(コバルト−ニッケル−鉄合金)など、種々の軟磁性材料から選択して形成することが可能である。
NiFeなどの磁性材料は大気に露出していると表面に自然酸化膜が形成されやすく、固定電極部6bと可動電極部7bの安定した電気的接触が得られないおそれがある。そこで、固定電極部6bを形成している磁性材料層13の表面のうちの少なくとも可動電極部7bに対向する部分は接触金属層で被覆されている。また、可動電極部7bにおいても磁性材料層13の表面のうちの少なくとも固定電極部6bに対向する部分が接触金属層で覆われている。
接触金属層14は、イリジウム(Ir)やルテニウム(Ru)またはパラジウム(Pd)などの白金族の金属層で形成されている。酸化しづらく、機械的強度の高い白金族を固定電極部6bと可動電極部7bの表面に形成することで、電極部間の接触と導通を安定させることができる。接触金属層14は磁性材料層13の成形時に連続してメッキ工程で形成される。あるいは、接触金属層14がスパッタ工程などで形成されてもよい。なお、白金族をメッキ工程で形成する場合には、その応力を緩和するバッファー層として磁性材料層13と接触金属層14との間に金(Au)の下地層を形成することが好ましい。
この磁気リードスイッチ1は、Y1方向の外部磁場に敏感に反応しやすくなっている。
この磁気リードスイッチ1は、Y1方向の外部磁場に敏感に反応しやすくなっている。
図1に示すように、Y1方向に向く外部磁界Bは、第1の支持部5aを形成している磁性材料層13に引き寄せられ、磁束Φはその磁性材料層13の内部を通過して、磁気吸引部5bから可動電極部7bを経て固定電極部6bまで導かれる。
磁気吸引部5bを形成する磁性材料層13は、固定電極部6bと可動電極部7bとの対向範囲W1よりもY2側においてY方向に細長く延びており、さらに、磁気吸引部5bと可動電極部7bとの対向範囲W2よりもY2方向へ長く延びている。第1の固定層5と第2の固定層6をY方向に細長く形成することで、磁性材料層13は、磁気異方性によりY方向が磁気容易軸となる。
そのため、磁気吸引部5bを形成する磁性材料層13とさらに第1の支持部5aを形成する磁性材料層13が磁気誘導層となり、第1の支持部5aに引き寄せられた磁束Φが、磁気吸引部5b内を経て、固定電極部6bと可動電極部7bとの対向範囲W1まで効果的に導かれる。磁気誘導層としての機能はY1方向に向く外部磁界とY2方向に向く外部磁界の双方に対して発揮できる。
この磁束Φが可動電極部7bと固定電極部6bにおいて互いに対向する磁性材料層層13を通過することにより、可動電極部7bの磁性材料層13と固定電極部6bの磁性材料層13は、その対向部が逆の磁気磁極となり、可動電極部7bに固定電極部6bに向かう磁気吸引力Fが作用する。また、可動電極部7bと磁気吸引部5bとの対向部においても、それぞれの磁性材料層13が逆の磁気極性となるため吸引力を発揮し、可動電極部7bを固定電極部6bに向かわせる磁気吸引力Fが増強される。この磁気吸引力Fは、対向する磁性材料層13を通過する前記磁束Φの密度が高いほど強くなる。
このように増強された磁気吸引力Fにより、梁部7aが弾性的に撓み、可動電極部7bが固定電極部6bに接触する。
基板2には、第1のアンカー層4aに通じるスルーホールと第2のアンカー層4bに通じるスルーホールが形成されて、各スルーホール内に導電性材料が充填されている。前記スルーホール内の導電性材料と第1のアンカー層4aおよび第2のアンカー層4bを介して、第1の固定層5と第2の固定層6が回路に接続されており、可動電極部7bと固定電極部6bとが接触すると、第1の固定層5と第2の固定層6との間に電流が流れ、スイッチがONとなる。
なお、図1と図3(B)に示すように、磁気吸引部5bと固定電極部6bとの対向間隔の最小値よりも、磁気吸引部5bと可動電極部7bとの対向間隔の最小値の方が小さいことが好ましい。同様に、磁気吸引部5bと固定電極部6bとの対向間隔の最小値よりも、固定電極部6bと可動電極部7bとの対向間隔の最小値の方が小さいことが好ましい。これにより、磁気吸引部5b内を通過する磁束Φが固定電極部6bよりも可動電極部7bに導かれやすくなり、磁束Φが磁気吸引力Fに寄与しやすくなる。これはY2方向に向く磁束Φが、固定電極部6bから可動電極部7bに向かうときも同じである。
この磁気リードスイッチ1は、磁気吸引部5bならびに第1の支持部5aを形成する磁性材料層13が磁気誘導層として機能しているため、Y1方向に向く外部磁界Bが、第1の支持部5aに引き寄せられ、さらに磁気吸引部5bに導かれて、可動電極部7bを構成する磁性材料層13と固定電極部6bを構成する磁性材料層13に効果的に与えられる。よって、可動電極部7bと固定電極部6bに与えられる磁束Φの密度を高くでき、外部磁界Bが比較的小さくても動作できるようになり、動作感度を高くできる。また、可動電極部7bが固定電極部6bと磁気吸引部5bの双方に対向しているため、固定電極部6bと磁気吸引部5bの双方で可動電極部7bを動作させるための磁気吸引力Fが発揮されるため、動作速度が速くなり動作応答性が良好になる。
図1と図3(B)に示すように、この磁気リードスイッチ1では、固定電極部6bが、可動電極部7bとの対向範囲W1よりもY1側に細長く延びており、固定電極部6bを形成する磁性材料層13と第2の支持部6aを形成する磁性材料層13も磁気誘導層として機能している。よって、Y2方向に向く磁界も、第2の支持部6aに引き寄せられ、Y方向に細長く形成された固定電極部6bの磁性材料層13を通過して、可動電極部7bに効果的に導かれるようになる。よって、Y2方向に向く磁界に対しても、高い感度で動作できるようになる。
図4ないし図6には、本発明の他の実施の形態の磁気リードスイッチが平面図で示されている。図4ないし図6の実施の形態において、前記第1の実施の形態の磁気リードスイッチ1と同じ機能を発揮する要素には同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
図4に示す本発明の第2の実施の形態の磁気リードスイッチ1Aは、第1の支持部5aから梁部7aが延びて、梁部7aの先部に可動電極部7bが設けられている。第1の支持部5aと梁部7aおよび可動電極部7bは、磁性材料層13とで構成されている。第1の支持部5aは、基板2上においてアンカー層4aを介して固定されているが、梁部7aと可動電極部7bは、基板2の上で拘束されておらず、自由に動くことができる。
磁気吸引部5bは、第1の支持部5aと分離して形成されており、導電層20で形成されたアンカー層上に固定されている。第1の支持部5aと磁気吸引部5bと固定電極部6bはY方向に並んでいる。固定電極部6bも磁性材料層13で形成されており、磁気吸引部5bと固定電極部6bはY方向へ細長く形成されている。そして、可動電極部7bが固定電極部6bと磁気吸引部5bの双方に対向している。
第2の実施の形態の磁気リードスイッチ1Aは、磁気吸引部5bと第1の支持部5aが、固定電極部6bと可動電極部7bとの対向範囲W1よりもY2側に位置する磁気誘導層となっているため、Y1方向に向く外部磁界Bに対して良好な感度を持つようになる。
Y1方向へ向く外部磁界Bは、第1の支持部5aを構成する磁性材料層13に引き寄せられ、磁気吸引部5bを構成する磁性材料層13で導かれて、可動電極部7bから固定電極部6bに与えられる。磁気吸引部5bと第1の支持部5aが磁気誘導層として機能しているため、可動電極部7bに導かれる磁束Φの密度を高くでき、外部磁界Bが比較的弱くても感度良く動作できるようになる。また、可動電極部7bが磁気吸引部5bと固定電極部6bの双方に対向しているため、磁気吸引力Fが大きく、動作速度を速くでき、動作応答性に優れたものとなる。
また、固定電極部6bは、前記対向範囲W1よりもY1側に細長く延びているため、固定電極部6bを形成する磁性材料層13が磁気誘導層として機能できるようになる。よって、Y2方向に向かう外部磁界Bも、対向範囲W1の領域に効果的に導かれ、Y2方向に向かう外部磁界Bに対してもある程度高い感度を得ることができる。
図5に示す本発明の第3の実施の形態の磁気リードスイッチ1Bは、図4に示す磁気リードスイッチ1Aから磁気吸引部5bを除去したものに相当している。
この磁気リードスイッチ1Bは、可動電極部7bと固定電極部6bの対向範囲W1よりも磁界の上流側であるY2側に磁性材料層13を有する第1の支持部5aが設けられ、この磁性材料層13が磁気誘導層として機能している。そのため、Y1方向へ向かう磁束が第1の支持部5aで引き寄せられて、磁界Bが、可動電極部7bと固定電極部6bとの対向部に効果的に導かれる。
この磁気リードスイッチ1Bは、磁気吸引部5bが存在していないため、可動電極部7bの磁性材料層13と固定電極部6bと磁性材料層13との対向部の磁極のみによって、可動電極部7bに磁気吸引力Fが作用する。動作応答性は第1の実施の形態および第2の実施の形態よりもやや劣るので、比較的大きな外部磁界を検知するのに適している。
図6に示す第4の実施の形態の磁気リードスイッチ1Cは、図5に示す磁気リードスイッチ1Bに設けられているのと同じ第1の支持部5aが、可動電極部7bとY方向に並ぶ位置に設けられている。この磁気リードスイッチ1Cにおいても、第1の支持部5aに設けられた磁性材料層13が磁気誘導層として機能し外部磁界Bが引き寄せられて、可動電極部7bと固定電極部6bとの対向範囲W1に磁束を効果的に与えることが可能になる。
図5に示す磁気リードスイッチ1Bと図6に示す磁気リードスイッチ1Cは、いずれも固定電極部6bを形成する磁性材料層13が対向範囲W1よりもY1方向に細長く延びているため、この磁性材料層13が磁気誘導層として機能し、Y2方向へ向かう外部磁界Bにも反応できるようになる。
前記各実施の形態の磁気リードスイッチ1,1A,1B,1Cは、基板2上に導電層20と磁性材料層13が積層されたほぼ3層構造であるため、薄型で小型に形成することができる。第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7を含む領域の面積は、1.5mm×0.5mm以下であり、可動電極部7bの平面形状は300μm×100μm以下である。また、外部磁界Bが作用していないときの可動電極部7bと固定電極部6bの対向ギャップは、20μm以下である。ただし、これら寸法は一例であり、本発明はこれら寸法のものに限定されるものではない。
次に、本発明の第1の実施の形態の磁気リードスイッチ1の製造方法を図2に基づいて説明する。
図2(A)(C)(E)(F)は、図3Aと同じ断面図であり、図2(B)(D)は、図3(B)と同じ平面図である。
図2(A)(B)では、基板2の表面に、導電層20を構成する密着層21とメッキ下地層22をスパッタ工程やCVD工程などで積層する。
図2(C)(D)では、メッキ下地層22の上にレジスト樹脂が塗工され、露光現像工程により、メッキ下地層22上にレジスト層25が部分的に形成される。図2(D)に示すように、レジスト層25は、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7を形成する領域を除いて、これら各領域の外側に形成される。さらに、可動電極部7bを形成する領域の中央部にもレジスト層25が残される。
図2(E)では、レジスト層25が形成されていない領域で、メッキ下地層22を電極として、その上に電界メッキ工程で磁性材料層13が形成される。磁性材料層13の材質は、NiFe合金などである。
図2(F)ではレジスト層25が除去される。その結果、メッキ下地層22の上に、磁性材料層13によって第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7の形状が形成される。図2(D)において、可動電極部7bが形成される領域の中央部にレジスト層25が部分的に形成されているため、図3(B)に示すように、磁性材料層13では、可動電極部7bとなる部分の中央部に開口部7cが形成される。
図2(F)の状態のものをウエットエッチング工程に移行し、銅層であるメッキ下地層22とCuNi膜である密着層21を選択的にエッチングする。このエッチング工程のエッチャントには過硫酸アンモニウムなどが使用される。メッキ下地層22と密着層21はエッチングレートがほぼ等しいため、ほぼ同時に除去されていく。メッキ下地層22と密着層21は、最初に磁性材料層13で覆われていない領域で除去され、エッチングが進むにつれて、磁性材料層13と基板2との間においても除去されていく。
可動層7の梁部7aは幅寸法が小さいために、梁部7aと基板2との間のメッキ下地層22と密着層21は除去される。可動電極部7bにおいても中央に開口部7が形成されてX方向の幅寸法が実質的に小さいため、可動電極部7bと基板2との間のメッキ下地層22と密着層21も除去される。ただし、図3(B)に示すように、第1の支持部5aおよび磁気吸引部5bと、第2の支持部6aおよび固定電極部6bはX方向の幅寸法が大きいため、その下側にメッキ下地層22と密着層21が残され、これが第1のアンカー層4aおよび第2のアンカー層4bとなる。
以上の製造工程では、電界メッキによって、第1の支持部5aと磁気吸引部5b、第2の支持部6aと固定電極部6b、および梁部7aと可動電極部7bを同時に形成することができる。
また、第1の支持部5aと磁気吸引部5bのX方向の幅寸法よりも、梁部7aと可動電極部7bのX方向の幅寸法を実質的に小さくし、第2の支持部6aと固定電極部6bのX方向の幅寸法よりも、梁部7aと可動電極部7bのX方向の幅寸法を実質的に小さくすることによって、同じエッチング工程において、梁部7aおよび可動電極部7bと基板2との間の導電層20を除去し、第1の支持部5aと磁気吸引部5bの下に第1のアンカー層4aを形成し、第2の支持部6aと固定電極部6bの下に第2のアンカー部4bを形成することが可能になる。
さらに、図3(A)(B)のように、磁性材料層13で、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7が形成された後に、固定電極部6bの少なくとも可動電極部7bに対向する対向側面と、可動電極部7bの少なくとも固定電極部6bに対向する対向側面に、前記接触金属層を形成する。
1,1A,1B 磁気リードスイッチ
2 基板
4a 第1のアンカー層
4b 第2のアンカー層
5 第1の固定層
5a 第1の支持部
5b 磁気吸引部
6 第2の固定層
6a 第2の支持部
6b 固定電極部
7 可動層
7a 梁部
7b 可動電極部
13 磁性材料層
20 導電層
21 密着層
22 メッキ下地層
25 レジスト層
2 基板
4a 第1のアンカー層
4b 第2のアンカー層
5 第1の固定層
5a 第1の支持部
5b 磁気吸引部
6 第2の固定層
6a 第2の支持部
6b 固定電極部
7 可動層
7a 梁部
7b 可動電極部
13 磁性材料層
20 導電層
21 密着層
22 メッキ下地層
25 レジスト層
Claims (7)
- 支持部と、前記支持部から延びる梁部と、前記梁部の先部に設けられた可動電極部と、前記可動電極部に対向する固定電極部とを有する磁気リードスイッチの製造方法において、
(1)基板の表面に導電層を形成する工程と、
(2)前記導電層の表面に、前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部となる磁性材料層を形成する工程と、
(3)前記導電層をエッチング処理で除去する工程と、を有しており、
前記(2)の工程では、同じ方向での幅寸法が、前記支持部および前記固定電極部よりも前記梁部および前記可動電極部が小さくなるように形成し、
前記(3)の工程では、前記梁部および前記可動電極部と前記基板との間の前記導電層を除去して、前記梁部と前記可動電極部を前記基板上で動けるようにし、前記支持部および前記固定電極部と前記基板との間では、前記導電層を一部残して、前記支持部を前記基板に固定する第1のアンカー層と、前記固定電極部を前記基板に固定する第2のアンカー層とを形成することを特徴とする磁気リードスイッチの製造方法。 - 前記(2)の工程では、前記導電層の上にレジスト層を形成し、レジスト層で覆われていない領域に電界メッキを施して前記磁性材料層を形成する請求項1記載の磁気リードスイッチの製造方法。
- 前記(3)の工程では、前記レジスト層を除去した後に、前記エッチング処理を行う請求項2記載の磁気リードスイッチの製造方法。
- 前記(2)の工程では、前記可動電極部となる前記磁性材料層に開口部を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気リードスイッチの製造方法。
- 前記導電層は、前記基板の表面に形成された密着層を有する多層構造である請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気リードスイッチの製造方法。
- 前記(3)の後の工程で、前記固定電極部の少なくとも前記可動電極部に対向する表面と、前記可動電極部の少なくとも前記固定電極部に対向する表面に、接触金属層を形成する請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気リードスイッチの製造方法。
- 前記基板に複数のスルーホールを形成し、それぞれの前記スルーホールの内部に形成された導電性材料を前記第1のアンカー部と前記第2のアンカー部に個別に導通させる請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気リードスイッチの製造方法。
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-
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