JP2016207262A - 磁気リードスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 多方向の磁界に対して反応できる磁気リードスイッチを提供する。
【解決手段】 基板2上に第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xが設けられている。それぞれのスイッチ構造部10y,10xは、第1の支持部5aと梁部7aと可動電極部7bおよび固定電極部6bを有しているが、第1の支持部は共通となっており、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとが連続している。Y方向の外部磁界Byが作用すると、第1のスイッチ構造部10yの可動電極部7bと固定電極部6bとが接触し、X方向の外部磁界Bxが作用すると、第2のスイッチ構造部10xの可動電極部7bと固定電極部6bとが接触する。
【選択図】図1
【解決手段】 基板2上に第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xが設けられている。それぞれのスイッチ構造部10y,10xは、第1の支持部5aと梁部7aと可動電極部7bおよび固定電極部6bを有しているが、第1の支持部は共通となっており、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとが連続している。Y方向の外部磁界Byが作用すると、第1のスイッチ構造部10yの可動電極部7bと固定電極部6bとが接触し、X方向の外部磁界Bxが作用すると、第2のスイッチ構造部10xの可動電極部7bと固定電極部6bとが接触する。
【選択図】図1
Description
本発明は、固定電極部と可動電極部とが対向し、外部磁界で磁化された可動電極部が固定電極部に接触する磁気リードスイッチに関する。
特許文献1に磁気リードスイッチとして機能する機構デバイスが記載されている。
特許文献1に記載された機構デバイスは、基板の上に下部電極と上部電極が固定されている。下部電極には下部電極磁性材料が設けられ、上部電極から延び出る梁の先部に梁部磁性材料が設けられて、梁部磁性材料が下部電極磁性材料の上方に隙間を介して対向している。外部磁界が与えられると、梁部磁性材料と下部電極磁性材料とが磁化されて互いに吸引されて接触し、下部電極と上部電極との間に電流が流れる。前記機構デバイスでは、上部電極と梁が金で形成されている。
特許文献1に記載された機構デバイスは、基板の上に下部電極と上部電極が固定されている。下部電極には下部電極磁性材料が設けられ、上部電極から延び出る梁の先部に梁部磁性材料が設けられて、梁部磁性材料が下部電極磁性材料の上方に隙間を介して対向している。外部磁界が与えられると、梁部磁性材料と下部電極磁性材料とが磁化されて互いに吸引されて接触し、下部電極と上部電極との間に電流が流れる。前記機構デバイスでは、上部電極と梁が金で形成されている。
特許文献1に記載された機構デバイスは、いずれも基板上に、1組の上部電極と下部電極が対向して設けられて、一方向からの磁界に反応しやすい構造である。そのため、多方向からの磁界に反応しやすくさせるためには、複数の機構デバイスを向きを変えて並べて使用することが必要になり、装置内での機構デバイスの配置スペースが広く必要になる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、共通の基板上に複数組のスイッチ構造部を設けることによって、多方向の磁界に対して反応しやすい構造とした磁気リードスイッチを提供することを目的としている。
本発明は、基板上に、磁性材料を有する可動電極部と、磁性材料を有する固定電極部とが対向している磁気リードスイッチにおいて、
支持部と、前記支持部から延びる梁部と前記梁部の先部に設けられた前記可動電極部と前記固定電極部を1つの組とするスイッチ構造部が複数組設けられ、
少なくとも2組の前記スイッチ構造部で、前記可動電極部と前記固定電極部との対向方向が互いに相違しており、
複数組の前記スイッチ構造部の前記支持部および前記固定電極部が、共通の前記基板の上に固定されていることを特徴とする
ものである。
支持部と、前記支持部から延びる梁部と前記梁部の先部に設けられた前記可動電極部と前記固定電極部を1つの組とするスイッチ構造部が複数組設けられ、
少なくとも2組の前記スイッチ構造部で、前記可動電極部と前記固定電極部との対向方向が互いに相違しており、
複数組の前記スイッチ構造部の前記支持部および前記固定電極部が、共通の前記基板の上に固定されていることを特徴とする
ものである。
本発明の磁気リードスイッチは、例えば、少なくとも2組の前記スイッチ構造部では、前記可動電極部と前記固定電極部との対向方向が、互いに直交している。
本発明の磁気リードスイッチは、少なくとも2組の前記スイッチ構造部は、前記支持部が共通に形成されているものが好ましく、さらに前記支持部が、2組の前記スイッチ構造部の共通電極部となっていることが好ましい。
本発明の磁気リードスイッチは、前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部が、シリコン層と前記磁性材料層とが重ねられて形成されているものである。
または、前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部が、前記磁性材料のメッキ層で形成されているものである。
本発明の磁気リードスイッチは、複数組の可動電極部と固定電極部が設けられ、いずれかの組では、可動電極部と固定電極部の対向方向が相違しているため、多方向からの磁界に対して動作しやすくなる。
また、複数のスイッチ構造部において梁部の基端部と一体の支持部を共通に使用することで、外部への引き出し配線構造を簡略化できる。
また、複数組のスイッチ構造部をSOI構造とすることで、薄型に構成でき、複数組のスイッチ構造部を同じエッチング工程で同時に形成することができる。さらに複数組のスイッチ構造部で磁性材料層を同時にメッキ工程で形成することで、複数組の可動電極部と固定電極部を備えた磁気リードスイッチを低コストで製造することが可能になる。
図1に第1の実施の形態の磁気リードスイッチ1の基板2上の構造が示されており、図2には、基板2の上にケース8が固定されてパッケージ化された磁気リードスイッチ1の断面構造が示されている。
図1に示すように、磁気リードスイッチ1はほぼ正方形の基板2を有している。基板2はシリコン(Si)基板である。基板2の下面は熱酸化処理されて熱酸化膜である酸化シリコン層(SiO2層)3が形成されている。基板2の上面も熱酸化処理されて酸化シリコン層4が形成されている。下側の酸化シリコン層3は加工されることはないが、上側の酸化シリコン層4は加工されてその一部が除去され、酸化シリコン層4が除去された領域に、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xが設置されている。
図2に示すケース8はシリコン基板を加工することで形成されている。基板2上に第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xが形成された後に、ケース8が被せられ、基板2の表面の酸化シリコン層4とケース8とが接合されパッケージ化される。パッケージの内部空間9には、不活性ガスを介在させることが好ましい。
図1に示すように、第1のスイッチ構造部10yは、Y1方向に向かう外部磁界Byまたはこれとは逆向きのY2方向に向かう外部磁界に反応しやすい構造であり、第2のスイッチ構造部10xは、X1方向に向かう外部磁界Bxまたはこれとは逆向きのX2方向に向かう外部磁界に反応しやすい構造である。
第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xは連結され一体化されて形成されている。第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xは、向きが直交するように形成されているが基本的な構造は互いに同じである。したがって、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとで同じ機能を発揮する部分に同じ符号を付して同じ名称で説明する。
ただし、図4ないし図6では、説明の都合上、第1のスイッチ構造部10yに着目してその構造と製造方法が示されている。ただし、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xは、共通の基板2上で、同じ工程で同時に製造される。
図6(B)に破線で示されているように、第1のスイッチ構造部10yでは、基板2の上側の酸化シリコン層4によって、第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bが形成されている。第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとでは、第1のアンカー層4aが互いに連続して形成されている。ただし、図6(B)では、第1のアンカー層4aとして、第1のスイッチ構造部10yの下側に位置するものだけが示されている。
図1と図6(B)に示すように、第1のスイッチ機構部10yでは、第1のアンカー層4aの上に、第1の固定層5が形成されており、第2のアンカー層4bの上に第2の固定層6が固定されている。第1の固定層5からは、Y1方向へ延び出る可動層7が一体に設けられている。基板2と可動層7との間には、アンカー層(酸化シリコン層4)が設けられておらず、可動層7と基板2との間に隙間が形成されて、可動層7が基板2上で動くことができるようになっている。
第1の固定層5には、第1の支持部5aと磁気吸引部5bとが一体に形成されている。第2の固定層6には、第2の支持部6aと固定電極部6bとが一体に形成されている。可動層7は、第1の支持部5aから延び出る梁部7aと、梁部7aの先部に一体に形成された可動電極部7bを有している。梁部7aは、基板2の表面に沿ってX1方向へ弾性的に撓み変形可能である。可動電極部7bの固定電極部6bとの対向方向であるX方向の幅寸法は、梁部7aのX方向の幅寸法よりも十分に大きく形成されている。
第2のスイッチ構造部10xも、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7とを有している。第1のスイッチ機構部10yと第2のスイッチ機構部10xでは、第1の固定層5が連続しており、第1の支持部5aが共通部分となっている。
第2のスイッチ構造部10xでは、磁気吸引部5bと固定電極部6bとがX方向に細長く形成されている。そして、可動層7の梁部7aと可動電極部7bもX方向に細長く形成されている。第2のスイッチ機構部10xでは、梁部7aが、基板2の表面に沿ってY2方向へ弾性的に撓み変形可能である。
図3の回路図に示すように、第1の固定層5の第1の支持部5aは、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xの双方に共通な共通電極部T1として機能する。第1のスイッチ構造部10yの第2の支持部6aは個別電極部T2として機能し、第2のスイッチ構造部10xの第2の支持部6aは個別電極部T3として機能している。第1のスイッチ構造部10yの可動電極部7bと固定電極部6bとで第1のスイッチ回路S1が構成され、第2のスイッチ構造部10xの可動電極部7bと固定電極部6bとで第2のスイッチ回路S2が構成されている。
基板2の表面2aまたはケース8の天井面の下面に、絶縁層によって基板2やケース8と絶縁された配線層が形成されており、配線層が、前記第1の支持部5aおよび2つの第2の支持部6aに接続されている。そしてこの配線層がパッケージの外部に引き出されている。
図1と図2および図6(A)に示すように、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xでは、共に第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7が、いずれも基板2側からシリコン層(Si層)11と、メッキ下地層12と、メッキ層である磁性材料層13とが積層されて構成されている。磁性材料層13はNiFe合金(ニッケル−鉄合金)であり、メッキ下地層12はNiFeのスパッタ膜である。磁性材料層13とメッキ下地層12は、CoFe合金(コバルトー鉄合金)、CoNiFe(コバルト−ニッケル−鉄合金)など、種々の磁性材料から選択して形成することが可能である。
少なくとも固定電極部6bと可動電極部7bは、シリコン層11が各電極部6b,7bの形状に切り出された後に、その上に前記磁性材料層13が電界メッキ工程で形成される。シリコン層11上に磁性材料層13がメッキ成長していく過程で、固定電極部6bに形成された磁性材料層13の可動電極部7bに対向する側部に、膨らみ部が形成されやすい。同様に、可動電極部7bに形成された磁性材料層13も、固定電極部6bに対向する側部に膨らみ部が形成されやすい。そのため、可動電極部7bが固定電極部6bに向けて動いたときに、磁性材料層13は膨らみ部どうしが当接することになり、固定電極部6bと可動電極部7bとの間に電流通路が形成されやすくなる。
NiFeなどの磁性材料層13は大気に露出していると表面に自然酸化膜が形成されやすく、固定電極部6bと可動電極部7bの安定した電気的接触が得られないおそれがある。そこで、固定電極部6bを形成している磁性材料層13の表面と、可動電極部7bを形成している磁性材料層13の表面に、接触金属層が形成されている。接触金属層は、イリジウム(Ir)やルテニウム(Ru)またはパラジウム(Pd)などの白金族の金属層で形成されている。
次に、前記磁気リードスイッチ1の動作を説明する。
図1に示す磁気リードスイッチ1は、第1のスイッチ構造部10yがY1方向に向く外部磁界Byおよびこれとは逆向きのY2方向に向く外部磁界の双方に反応しやすくなっている。
図1に示す磁気リードスイッチ1は、第1のスイッチ構造部10yがY1方向に向く外部磁界Byおよびこれとは逆向きのY2方向に向く外部磁界の双方に反応しやすくなっている。
Y1方向に向く外部磁界Byは、第1のスイッチ構造部10yの第1の支持部5aの磁性材料層13に引き寄せられ、磁束Φyはその磁性材料層13の内部を通過して、磁気吸引部5bから可動電極部7bを経て固定電極部6bまで導かれる。磁気吸引部5bを形成する磁性材料層13は、Y方向に細長く延びており、磁性材料層13は、形状磁気異方性によりY方向が磁気容易軸となる。そのため、磁気吸引部5bを形成する磁性材料層13と第1の支持部5aを形成する磁性材料層13が磁気誘導層となり、第1の支持部5aに引き寄せられた磁束Φyが、磁気吸引部5b内を経て、固定電極部6bと可動電極部7bとの対向範囲まで効果的に導かれる。
磁束Φyが可動電極部7bと固定電極部6bにおいて互いに対向する磁性材料層13を通過することにより、可動電極部7bの磁性材料層13と固定電極部6bの磁性材料層13は、その対向部が逆の磁気磁極となり、可動電極部7bに固定電極部6bに向かう磁気吸引力Fxが作用する。また、可動電極部7bと磁気吸引部5bとの対向部においても、それぞれの磁性材料層13が逆の磁気極性となるため吸引力を発揮し、可動電極部7bを固定電極部6bに向かわせる磁気吸引力Fxが増強される。この磁気吸引力Fxは、対向する磁性材料層13を通過する前記磁束Φyの密度が高いほど強くなる。
増強された磁気吸引力Fxにより、梁部7aが弾性的に撓み、可動電極部7bが固定電極部6bに接触し、図3に示す第1のスイッチ回路S1がONに切り替わる。
なお、Y2方向に向く外部磁界に対しても、第1のスイッチ構造部10yの第2の支持部6aと固定電極部6bを構成する磁性材料層13が磁気誘導層として機能し、固定電極部6bから可動電極部7bに磁束が誘導されて、可動電極部7bに前記磁気吸引力Fxが作用するようになる。
一方、図1に示す第2のスイッチ構造部10xはX1方向に向く外部磁界Bxとこれとは逆向きのX2方向に向く外部磁界の双方に反応しやすくなっている。
X1方向に向かう外部磁界Bxに対しては、第2のスイッチ構造部10xの第1の支持部5aと磁気吸引部5bの磁性材料層13が磁気誘導層となるため、磁束Φxが磁気吸引部5bから可動電極部7bを経て固定電極部6bに至るように導かれる。よって、可動電極部7bに磁気吸引力Fyが作用し、可動電極部7bが固定電極部6bと磁気吸引部5bに接触して、図3に示す第2のスイッチ回路S2がONに切り替わる。
また、X2方向に向く外部磁界は、第2のスイッチ構造部10xの第2の支持部6aと固定電極部6bが磁気誘導層となって誘導され、磁束が固定電極部6bから可動電極部7bを通過して磁気吸引部5bに導かれる。そして、可動電極部7bに前記磁気吸引力Fyが作用し、可動電極部7bが固定電極部6bと磁気吸引部5bに接触して、図3に示す第2のスイッチ回路S2がONに切り替わる。
前記磁気リードスイッチ1は、SOI構造を使用したものであるため、薄型で小型に形成することができる。第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xのそれぞれが占める領域の面積は、1.5mm×0.5mm以下であり、可動電極部7bの平面形状は300μm×100μm以下である。また、外部磁界Bが作用していないときの可動電極部7bと固定電極部6bの対向ギャップは、20μm以下である。ただし、これら寸法は一例であり、本発明はこれら寸法のものに限定されるものではない。
前記実施の形態の磁気リードスイッチ1は、X方向の外部磁界とY方向の外部磁界の双方に対して敏感に動作できるようになる。よって、方向性にかかわらず外部磁界を敏感に検知したい装置への使用に適したものとなる。
また、スイッチ構造部は2組のみでなく、基板2の表面に3組以上設けてもよい。それぞれの組のスイッチ構造部で、可動電極部7bと固定電極部6bとの対向方向を多方向に向けておくことにより、周囲の外部磁界がどの方向に向くものであっても、敏感に検知できるようになる。
図1に示す磁気リードスイッチ1は、以下の製造方法により、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとを同じ工程で同時に形成することができる。
ただし、図4以下には、説明の都合上、第1のスイッチ構造部10yのみが示されている。
図4(A)(C)(E)(G)と図5(A)(C)(D)(E)は、図6(A)に相当する断面図であり、図4(B)(D)(F)(H)と図5(B)は、図6(B)に相当する平面図である。
図4(A)(B)に基板2が示されている。基板2はシリコン(Si)基板であり、熱酸化処理が行われて、下面に酸化シリコン層(SiO2層)3が形成され、上面に酸化シリコン層4が形成される。なお、熱酸化処理を行わずに、CVD法などによって、基板2の上面にのみ酸化シリコン層(SiO2層)を形成してもよい。
図4(C)(D)の工程では、基板2の上面の酸化シリコン層4をエッチングし、酸化シリコン層4で第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bを残しその周辺の領域の酸化シリコン層4を除去する。なお、第1のスイッチ構造部10yの第1の固定層5の下に形成される第1のアンカー層4aと、第2のスイッチ構造部10xの第1の固定層5の下に形成される第1のアンカー層4aは互いに連続するように形成される。
図4(E)(F)の工程では、第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bにシリコン層11を重ねて固定する。この工程では、図示するシリコン層11よりも厚いシリコンウエハーを重ねる。そして、250℃程度に加熱して基板2とシリコンウエハーとを加圧し、いわゆるヒュージョン(Fusion)接合によって、第1のアンカー層4aおよび第2のアンカー層4bとシリコンウエハーとを接合する。そして、シリコンウエハーの上面を研磨してある程度薄くしたシリコン層11を形成する。
図4(E)(F)で形成された積層体は、一般のSOI基板に相当しており、きわめて薄型に構成することができる。
図4(G)(H)では、シリコン層11の表面にNiFe合金などのメッキ下地層12をスパッタ工程などによって形成する。
図5(A)(B)では、メッキ下地層12の上にレジスト樹脂を塗工し、硬化後に露光現像して、メッキ下地層12の一部を覆うレジスト層21を形成する。図5(B)に示すように、レジスト層21は、図6(B)に示す第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7の形状と同じパターンで形成される。
図5(C)では、イオンミリングによって、レジスト層21で覆われていない領域のメッキ下地層12を除去する。その結果、メッキ下地層12は、シリコン層11の表面において、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7に対応する領域にのみ残される。
図5(D)では、ディープRIEエッチング処理により、レジスト層21とメッキ下地層12で覆われていない部分のシリコン層11を除去する。なお、ここでは、レジスト層21を除去した後に、メッキ下地層12をマスクとして使用し、ディープRIEエッチングによって、メッキ下地層12に覆われていない領域のレジスト層21を除去してもよい。
図5(E)に示すように、レジスト層21を除去すると、第1のアンカー層4aの上に、第1の固定層5と可動層7の形状をしたシリコン層11とメッキ下地層12が残り、第2のアンカー層4bの上に、第2の固定層6の形状をしたシリコン層11とメッキ下地層12が残る。
その後に、図6(A)に示すように、メッキ下地層12を電極として使用し、電気メッキ工程によって磁性材料層13を形成する。磁性材料層13は、例えばNiFe合金層である。さらに、連続メッキによって、磁性材料層13の表面に、金の層とイリジウム層やルテニウム層を連続して積層し、接触金属層を形成する。
以上の工程により、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xの双方において、第1のアンカー層4aの上に固定された第1の固定層5と、これに連続する可動層7、および第2のアンカー層4b上に固定された第2の固定層6が、シリコン層11とメッキ下地層12および磁性材料層13の3層構造で形成される。そして、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとで、第1の支持部5aが共通して使用される。
図8(A)は本発明の第2の実施の形態の磁気リードスイッチを構成する第1のスイッチ構造部10yの断面図であり、(B)は平面図である。(A)は(B)のX−X線での断面図である。
第2の実施の形態は、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xの基本的な構造が図1と図6に示す第1の実施の形態と同じであるが、各部を構成する材料が相違している。
図8に示すように、第1のスイッチ構造部10y(および第2のスイッチ構造部10x)では、第1の実施の形態と同様に、基板2の表面に第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bが形成されている。第1のアンカー層4aの上に第1の固定層5が固定され、第2のアンカー層4bの上に第2の固定層6が固定されている。そして、第1の固定層5から可動層7が一体に延びて形成されている。
第1の固定層5によって第1の支持部5aと磁気吸引部5bが形成され、第2の固定層6によって第2の支持部6aと固定電極部6bが形成されている。可動層7によって、第1の支持部5aから延び出る梁部7aとその先部の可動電極部7bが形成されている。梁部7aおよび可動電極部7bと基板2の表面2aとの間にはアンカー層が設けられておらず、基板2の上で梁部7aと可動電極部7bが自由に動くことができる。
この実施の形態は、基板2がシリコン基板に限られず、ガラス基板やガラスエポキシ基板などで構成することが可能である。第1のアンカー層4aと第2のアンカー層4bは導電性材料で形成されている。図8に示すように、第2の実施の形態では、アンカー層4a,4bが、密着層25とその上のメッキ下地層26とで構成されている。メッキ下地層26は銅(Cu)層であり、密着層25はCuNi合金層(銅―ニッケル合金層)で形成されている。銅層とCuNi合金層は共に導電性であり、エッチングレートがほぼ等しい。CuNi合金層の密着層25を設けることにより、銅層のメッキ下地層26を基板2の表面に強固に固着することができる。
図8(A)に示すように、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7は磁性材料層13で形成されている。よって、第1の支持部5aと磁気吸引部5b、第2の支持部6aと固定電極部6b、および梁部7aと可動電極部7bは磁性材料層13で形成されている。ただし、磁性材料層13の表面などに、腐食などを抑制するための保護層などが設けられていてもよい。
図8に示す第1のスイッチ構造部10y(および第2のスイッチ構造部10x)の動作と特性は、第1の実施の形態の磁気リードスイッチ1とほぼ同じである。
この磁気リードスイッチは、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7が導電性の磁性材料で形成され、さらにアンカー層4a,4bも導電層である。そのため、第1のアンカー層4aの下側と第2のアンカー層4bの下側で、基板2にスルーホールを形成し、それぞれのスルーホール内に導電材料を充填し、基板2の下面2bにそれぞれのスルーホールに接続された接続端子部を形成することが可能である。端子部は1つの共通端子部と2つの個別端子部とで構成される。共通端子部はスルーホールを経て共通の第1の支持部5aに導通される。一方の個別端子部はスルーホールを経て第1のスイッチ構造部10yの第2の支持部6aに導通される。他方の個別端子部はスルーホールを経て第2のスイッチ構造部10xの第2の支持部6aに導通される。
第2の実施の形態の磁気リードスイッチでも、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xが同じ工程で同時に形成される。
ただし、図7以下では、第1のスイッチ構造部10yの部分のみが図示されている。
ただし、図7以下では、第1のスイッチ構造部10yの部分のみが図示されている。
図7(A)(C)(E)(F)は、図8Aと同じ断面図であり、図7(B)(D)は、図8(B)と同じ平面図である。
図7(A)(B)では、基板2の表面に密着層25とメッキ下地層26をスパッタ工程やCVD工程などで積層する。
図7(C)(D)では、メッキ下地層26の上にレジスト樹脂が塗工され、露光現像工程により、メッキ下地層26上にレジスト層21が部分的に形成される。図7(D)に示すように、レジスト層21は、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7を形成する領域を除いて、これら各領域の外側に形成される。さらに、可動電極部7bを形成する領域の中央部にもレジスト層21が残される。
図7(E)では、レジスト層21が形成されていない領域で、メッキ下地層26を電極として、その上に電界メッキ工程で磁性材料層13が形成される。磁性材料層13の材質は、第1の実施の形態と同様にNiFe合金などである。
図7(F)ではレジスト層21が除去される。その結果、メッキ下地層26の上に、磁性材料層13によって第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7の形状が形成される。図7(D)において、可動電極部7bが形成される領域の中央部にレジスト層21が部分的に形成されているため、図8(B)に示すように、磁性材料層13では、可動電極部7bとなる部分の中央部に開口部7cが形成される。
図7(F)の状態のものをウエットエッチング工程に移行し、銅層であるメッキ下地層26とCuNi膜である密着層25を選択的にエッチングする。このエッチング工程のエッチャントには過硫酸アンモニウムなどが使用される。メッキ下地層26と密着層25はエッチングレートがほぼ等しいため、ほぼ同時に除去されていく。メッキ下地層26と密着層25は、最初に磁性材料層13で覆われていない領域で除去され、エッチングが進むにつれて、磁性材料層13と基板2との間においても除去されていく。
可動層7の梁部7aは幅寸法が小さいために、梁部7aと基板2との間のメッキ下地層26と密着層25は除去される。可動電極部7bにおいても中央に開口部7cが形成されているため、可動電極部7bと基板2との間のメッキ下地層26と密着層25も除去される。ただし、図8(B)に示すように、第1の支持部5aおよび磁気吸引部5bと、第2の支持部6aおよび固定電極部6bは幅寸法が大きいため、その下側にメッキ下地層26と密着層25が残され、これが第1のアンカー層4aおよび第2のアンカー層4bとなる。
以上の工程で、図8(A)(B)に示すように、第1の固定層5と第2の固定層6および可動層7が磁性材料層13によって形成される。このとき、第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xとで、第1のアンカー層4aと第1の固定層5とが連続して形成される。
磁性材料層13を形成した後に、固定電極部6bの少なくとも可動電極部7bに対向する対向側面と、可動電極部7bの少なくとも固定電極部6bに対向する対向側面に、前記接触金属層を形成する。
図9には、本発明の第3の実施の形態の磁気リードスイッチ101の平面図が示されている。
図9に示す第1のスイッチ構造部10yと第2のスイッチ構造部10xでは、第1の支持部5aが共通に使用されているが、いずれも磁気吸引部5bが形成されておらず、梁部7aの先端部に形成された可動電極部7bが固定電極部6bにのみ対向している。
この実施の形態も、各層がシリコン層11とメッキ下地層12および磁性材料層13の3層構造であり、または磁性材料層13のみで形成されている。
1,101 磁気リードスイッチ
2 基板
4 酸化シリコン層
4a 第1のアンカー層
4b 第2のアンカー層
5 第1の固定層
5a 第1の支持部
5b 磁気吸引部
6 第2の固定層
6a 第2の支持部
6b 固定電極部
7 可動層
7a 梁部
7b 可動電極部
10y 第1のスイッチ構造部
10x 第2のスイッチ構造部
11 シリコン層
12 メッキ下地層
13 磁性材料層
21 レジスト層
25 密着層
26 メッキ下地層
2 基板
4 酸化シリコン層
4a 第1のアンカー層
4b 第2のアンカー層
5 第1の固定層
5a 第1の支持部
5b 磁気吸引部
6 第2の固定層
6a 第2の支持部
6b 固定電極部
7 可動層
7a 梁部
7b 可動電極部
10y 第1のスイッチ構造部
10x 第2のスイッチ構造部
11 シリコン層
12 メッキ下地層
13 磁性材料層
21 レジスト層
25 密着層
26 メッキ下地層
Claims (6)
- 基板上に、磁性材料を有する可動電極部と、磁性材料を有する固定電極部とが対向している磁気リードスイッチにおいて、
支持部と、前記支持部から延びる梁部と前記梁部の先部に設けられた前記可動電極部と前記固定電極部を1つの組とするスイッチ構造部が複数組設けられ、
少なくとも2組の前記スイッチ構造部で、前記可動電極部と前記固定電極部との対向方向が互いに相違しており、
複数組の前記スイッチ構造部の前記支持部および前記固定電極部が、共通の前記基板の上に固定されていることを特徴とする磁気リードスイッチ。 - 少なくとも2組の前記スイッチ構造部では、前記可動電極部と前記固定電極部との対向方向が、互いに直交している請求項1記載の磁気リードスイッチ。
- 少なくとも2組の前記スイッチ構造部は、前記支持部が共通に形成されている請求項1または2記載の磁気リードスイッチ。
- 前記支持部が、2組の前記スイッチ構造部の共通電極部となっている請求項3記載の磁気リードスイッチ。
- 前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部は、シリコン層と前記磁性材料層とが重ねられて形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気リードスイッチ。
- 前記支持部と前記梁部と前記可動電極部および前記固定電極部は、前記磁性材料のメッキ層で形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気リードスイッチ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2015
- 2015-04-15 JP JP2015083036A patent/JP2016207262A/ja not_active Withdrawn
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