JP4181678B2 - タグプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタグプリンタに係り、特に糸付き単葉タグ(以下、「タグ」と称す)にバーコード等の印字データを印字するタグプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料品や装飾品には、一般に値札又はファッション札としてタグが取り付けられている。タグは、糸によって衣料品等に吊り下げられ、その表面にはバーコードや値段等の情報が印字されている。
【0003】
このようなタグは、タグプリンタによって一枚ずつ印字されている。従来のタグプリンタは、まず、タグを第1の移送手段によってその幅方向に印字部まで移送し、この印字部において第2の移送手段で前記タグの長さ方向に移送しながら印字している。
【0004】
ところで、前記第1の移送手段は、通常、上下一対のローラが用いられ、この上下一対のローラで挟み込むことにより、前記タグをその姿勢を保ったまま移送していた。これにより、前記タグの斜行を防止し、タグの所定の位置に正確に印字していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタグプリンタでは、上下一対のローラで挟み込んで移送した際に、タグの表面にローラの跡が形成されるという欠点があった。特に、タグの裏面にブランド意匠が印刷されている、通称ブランドタグの場合は、ローラの後がタグに形成されることは、問題がある。このように、タグは、外観が重視されることから、移送方法の改善が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、タグを傷つけずに移送し、所定の位置に正確に印字することのできるタグプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、タグを第1の移送手段により印字部まで移送し、第2の移送手段により前記第1の移送手段の移送方向と直交方向に移送しながら、前記印字部で前記タグに印字するタグプリンタにおいて、前記第1の移送手段は、前記第2の移送手段よりも高い位置で前記タグを移送するベルトコンベアと、前記第2の移送手段により前記タグを移送する際に、前記ベルトコンベアを前記タグと非接触となる位置に退避させる退避手段と、を備え、この退避手段は、前記ベルトコンベアの印字部側の端部が揺動するように前記ベルトコンベアを支持する支持機構と、前記ベルトコンベアを駆動する正逆回転可能なモータに設けられた退避用プーリと、前記モータが前記ベルトコンベアを駆動させる側と逆方向に回転した時にのみ前記退避用プーリに回転動力を伝達して前記退避用プーリを所定角度回転させるワンウェイクラッチ機構と、前記退避用プーリの周縁部と前記ベルトコンベアの印字部側の端部との間に連結され、前記退避用プーリの回転に連動して前記ベルトコンベアを下方に揺動させるリンク棒と、前記下方に揺動したベルトコンベアを元の位置に復帰させる復帰手段と、を有したことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、前記タグは、ベルトコンベアによって移送されるので、一対のローラで挟み込んで移送する従来のタグプリンタのように、タグの表面にローラの跡が付くことがない。また、ベルトコンベアは、第2の移送手段よりも高い位置でタグを移送するので、タグは、第2の移送手段に接触することなく、その姿勢を正常に維持したまま前記印字部に移送される。さらに、ベルトコンベアは、第2の移送手段で単葉タグを移送する際に退避手段によって退避するので、タグは、第1の移送手段に接触することなく、その姿勢を正常に維持したまま第2の移送手段によって移送される。したがって、印字部においてタグの所定の位置に正確に印字することができる。
【0009】
また、ベルトコンベアを駆動するモータを、ベルトコンベアの退避手段として使用している。即ち、モータに退避用プーリを設け、この退避用プーリの周端部とベルトコンベアの印字部側の端部とをリンク棒によって連結している。退避用プーリは、ワンウェイクラッチ機構によって、モータがベルトコンベアを駆動させる側と反対方向に回転した時にのみその回転動力が伝達されて回転する。そして、退避用プーリが回転すると、この退避用プーリとリンク棒によって連結されたベルトコンベアの印字部側の端部が揺動し、ベルトコンベアは、タグと非接触となる位置に退避する。このように、請求項2記載の発明によれば、ベルトコンベアを駆動するモータによって、ベルトコンベアを退避させることができる。また、退避手段のための動力源を別途設ける必要がなく、タグプリンタを小型化することができる。
以上
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るタグプリンタの好ましい実施の形態について詳説する。
【0011】
図1は、本発明に係るタグプリンタ10の斜視図である。図中、タグ30の幅方向をX軸方向、長さ方向をY軸方向とする。
【0012】
同図に示すように、本発明のタグプリンタ10は、主として、ホッパー装置12、ゲート部材14、タグ繰り出し装置16、第1の移送装置18、印字装置22及び制御部24から構成される。
【0013】
多数枚のタグ30、30、…は、ゲート部材14とホッパー装置12との間に積層され、該ホッパー装置12によってその姿勢が正確に揃えられて保持される。
【0014】
ホッパー装置12は、ホッパー本体32、一対のタグガイド34及び36から構成され、ホッパー本体32は、プリンタ本体10Aにスライド自在に支持され、図1のX軸方向にスライドすることができる。タグガイド34は、このホッパー本体32に固定され、タグガイド36は、ホッパー本体32にスライド自在に支持され、図1のY軸方向にスライドすることができる。また、タグガイド34及び36はそれぞれL字状に形成され、積層されたタグ30の2つのコーナー部に係合するように構成される。これにより、ホッパー本体32をX軸方向のゲート部材14側にスライドさせるとともに、タグガイド36をY軸方向にスライドさせてタグガイド34、36間を狭めると、積層されたタグ30のX軸方向及びY軸方向を正確に揃えることができる。
【0015】
このように保持されたタグ30は、最下部のタグ30から順にタグ繰り出し装置16によって繰り出され、第1の移送装置18まで移送される。
【0016】
タグ繰り出し装置16は、タグ30の下面を吸着する3個の吸着パッド38A、38B、38Cと、該吸着パッド38A〜38Cを支持するブラケット(図示せず)とから構成される。3個の吸着パッド38A〜38Cは、Y軸方向に並設され、手前側の2個の吸着パッド38A、38Bが前記ブラケットに固定される。また、奥側の吸着パッド38Cは、Y軸方向にスライドできるようにブラケットに支持される。この吸着パッド38Cは、タグ30のY軸方向の長さ(ピッチ)に応じて位置調整され、タグ30の端部を吸着するように設定される。これにより、吸着パッド38A〜38Cは、タグ30を確実に吸着することができる。また、前記ブラケットは、降下しながらX軸方向を第1の移送装置18側にスライドできるように構成される。これにより、タグ繰り出し装置16を駆動すると、最下部のタグ30は吸着パッド38A〜38Cによって吸着され、ブラケットをスライドさせることによりゲート部材14の下方をくぐって第1の移送装置18まで移送される。ゲート部材14は、複数のタグ30が繰り出されるのを防止し、これにより、第1の移送装置18には、一枚のタグ30のみが移送される。そして、第1の移送装置18に移送されたタグ30は、前記吸着パッド38A〜38Cの吸着力を解除することにより、第1の移送装置18に受け取られる。
【0017】
図2及び図3は、第1の移送装置を説明する説明図であり、図2は、図1のA矢視図であり、図3は、図1のB矢視図である。
【0018】
これらの図に示すように、第1の移送装置18は主として、ベルトコンベア40と、該ベルトコンベア40の退避手段とから構成される。前記ベルトコンベア40は、タグ繰り出し装置16側の駆動ローラ44と印字装置22側の従動ローラ46に3本のベルト48、48、48を巻き掛けて構成され、駆動ローラ44は、その回転軸がプリンタ本体10Aに回動自在に支持される。また、前記従動ローラ46は、その回転軸がプリンタ本体10Aに形成された上下方向の長穴10Bに係合される。これにより、前記ベルトコンベア40は、駆動ローラ44を中心に従動ローラ46側が揺動自在になり、図3に示したようにタグ30を水平に移送する移送位置と、図4に示すようにベルトコンベア40での移送終了後のタグ30に非接触となる退避位置との間で揺動することができる。また、前記移送位置のベルトコンベア40は、タグ30の載置面が後述する印字装置22のプラテンローラ74の上端よりも高い位置になるように配設される。これにより、前記ベルトコンベア40で移送されるタグ30が、プラテンローラ74に接触することがない。
【0019】
ベルトコンベア40の下方には、ステッピングモータ42が設置され、その駆動軸には、プーリ50がワンウェイクラッチ52を介して連結される。ワンウェイクラッチ52は、ステッピングモータ42の駆動軸が正回転(図3矢印62方向)に回転した時にのみ、その駆動力をプーリ50に伝達するように構成される。このプーリ50と前記駆動ローラ44の回転軸に取り付けられたプーリ57との間には、タイミングベルト56が巻きかけられる。これにより、プーリ50に伝達された駆動力は、タイミングベルト56を介して駆動ローラ44に伝達され、ベルトコンベア40が駆動して、タグ30を印字装置22方向に移送する。
【0020】
一方、ベルトコンベア40の退避手段は、上述したステッピングモータ42を駆動源として構成されている。即ち、ステッピングモータ42の駆動軸のもう一方の端部には、プーリ58がワンウェイクラッチ60を介して連結されている。ワンウェイクラッチ60は、ステッピングモータ42の駆動軸が逆方向(矢印54方向)に回転した時にのみ、その駆動力をプーリ58に伝達するように構成される。このプーリ58の周縁部には、リンク棒64の一方の端部がピン63によって回転自在に連結される。また、リンク棒64の他方の端部は、ベルトコンベア40の従動ローラ4側にピン65によって回転自在に連結される。したがって、プーリ58を矢印54方向に回転させると、リンク棒64によってプーリ58と連結されたベルトコンベア40の従動ローラ側4が下方に揺動する。これにより、ベルトコンベア40を、第1の移送手段で移送したタグ30と非接触となる退避位置に退避させることができる。
【0021】
また、ベルトコンベア40の従動ローラ46側の下方には、スプリング66、66が設けられ、ベルトコンベア40の印字装置22側を上方に付勢するように設置される。これにより、退避位置に退避したベルトコンベア40は、ステッピングモータ42の逆回転を停止すると、スプリング66の付勢力によって移送位置に復帰することができる。なお、本実施の形態では、復帰手段としてスプリング66を使用したが、これに限定するものではなく、ゴムや板バネ等の弾性体を用いてもよい。
【0022】
また、前記ベルトコンベア40の上方には、上部ガイド部材68が配設され、この上部ガイド部材68によって前記ベルトコンベア40で移送されるタグ30はその上面がガイドされる。
【0023】
また、ベルトコンベア40によるタグ30の移送先には、ガイド板70が設けられている。ガイド板70は、X軸方向にスライド自在に支持され、前記タグ30の幅や印字基準位置に合わせて位置調整される。これにより、ベルトコンベア40によって移送されたタグ30は、その端縁がガイド板70に当接することにより所定の位置に位置決めされる。
【0024】
位置決めされたタグ30は、印字装置22によって印字される。印字装置22は、第2の移送装置20を備えており、主として、印字ヘッド72(図1参照)及びプラテンローラ74から構成される。プラテンローラ74は、ステッピングモータ76により回転し、前記ガイド板70に当接したタグ30をY軸方向に移送する。印字ヘッド72は、図示しないモータにより昇降するように構成され、前記ベルトコンベア40で移送される際のタグ30に接触しない位置(以下、待機位置と称す)まで上昇することができる。また、印字ヘッド72は、下降させることによりタグ30に当接し、タグ30の表面に印字することができる。
【0025】
なお、上述したタグプリンタ10の制御は、制御部24で全て行われる。
【0026】
次に上記の如く構成されたタグプリンタ10の作用について説明する。
【0027】
ゲート部材14とホッパー装置12との間に積層された多数枚のタグ30、30、…は、ホッパー装置12によって位置決めされる。そして、位置決めされたタグ30は、タグ繰り出し装置16によって最下部のものから順に繰り出され、ベルトコンベア40に載置される。
【0028】
ベルトコンベア40に載置されたタグ30は、ベルトコンベア40により印字装置22まで移送される。ベルトコンベア40は、ステッピングモータ42が正回転することにより駆動し、印字装置22で印字されるタグ30よりも高い位置でタグ30を移送する。このとき、印字装置22の印字ヘッド72は、上方の待機位置で待機した状態にある。したがって、タグ30は、プラテンローラ74や印字ヘッド72に接触することなくベルトコンベア40によって移送される。移送されたタグ30は、ガイド板70に当接し、タグ30のX軸方向の移送が終了する。
【0029】
なお、退避手段の構成要素であるプーリ58は、ワンウェイクラッチ60を介してステッピングモータ42に連結されているので、前記ステッピングモータ42を正回転してもその駆動力が伝達されることはなく、ベルトコンベア40は、スプリング66によって移送位置に保たれている。また、タグ繰り出し装置16の吸着パッド38A〜38Cは、ベルトコンベア40でタグ30を移送する間に、積層されたタグ30の下方に戻り、タグ30を吸着して次の繰り出し動作の準備をする。
【0030】
X軸方向の移送が終了した後、まず、ステッピングモータ42を逆回転させることにより、ベルトコンベア40を、図4に示す退避位置に退避させる。このとき、前記ベルトコンベア40の駆動ローラ44は、ワンウェイクラッチ52を介してステッピングモータ42に連結されているので、ステッピングモータ42を逆回転させても前記ベルトコンベア40が駆動することがない。
【0031】
次に、前記待機位置に待機していた印字ヘッド72を下降させ、ステッピングモータ76によりプラテンローラ74を回転させて前記タグ30をY軸方向に移送しながらタグ30の上面に印字する。このとき、前記ベルトコンベア40が退避位置に退避しているので、Y軸方向に移送中のタグ30は、ベルトコンベア40に接触することなく、その姿勢を保ったまま移送される。これにより、タグ30の斜行を防止することができるので、タグ30の所定の位置に正確に印字することができる。
【0032】
このように、本実施の形態のタグプリンタ10では、ベルトコンベア40によってタグ30を印字装置22の印字ヘッド72やプラテンローラ74に接触させずにX軸方向に移送することができるとともに、ベルトコンベア40を退避位置に退避させることによりタグ30をベルトコンベア40に接触させずにY軸方向に移送することができる。即ち、タグ30を、斜行させることなく、その姿勢を維持したまま移送することができるので、タグ30の所定の位置に正確に印字することができる。
【0033】
また、本実施の形態では、タグ30をベルトコンベア40に載置して印字装置22まで移送するので、タグ30の表面を傷付けることがない。
【0034】
また、本実施の形態では、ベルトコンベア40を駆動するステッピングモータ42を逆回転させることにより、ベルトコンベア40を退避位置に退避させるので、ベルトコンベア40を退避させるための動力を別途設ける必要がなく、タグプリンタ10を小型化することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るタグプリンタによれば、タグをベルトコンベアに載置して印字部まで移送するので、タグの表面に傷が付くことがない。また、ベルトコンベアは、第2の移送手段よりも高い位置でタグを移送するとともに、移送した後は第2の移送手段による移送中のタグに非接触となる位置に退避するので、移送中のタグをその姿勢を保ったまま移送することができ、タグの所定の位置に印字することができる。
また、ステッピングモータをベルトコンベアのベルトの駆動と、ベルトコンベアを退避位置に退避させることができ、タグプリンタを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のタグプリンタの主要部を露出させた斜視図
【図2】図1で示した第1の移送装置の側面断面図
【図3】図1で示した第1の移送装置の正面断面図
【図4】図3で示したベルトコンベアの退避方法を説明する説明図
【符号の説明】
10…タグプリンタ
12…ホッパー装置
14…ゲート部材
16…タグ繰り出し装置
18…第1の移送装置
20…第2の移送装置
22…印字装置
40…ベルトコンベア
42…ステッピングモータ
70…ガイド板
74…プラテンローラ

Claims (1)

  1. タグを第1の移送手段により印字部まで移送し、第2の移送手段により前記第1の移送手段の移送方向と直交方向に移送しながら、前記印字部で前記タグに印字するタグプリンタにおいて、
    前記第1の移送手段は、前記第2の移送手段よりも高い位置で前記タグを移送するベルトコンベアと、
    前記第2の移送手段により前記タグを移送する際に、前記ベルトコンベアを前記タグと非接触となる位置に退避させる退避手段と、を備え、
    この退避手段は、
    前記ベルトコンベアの印字部側の端部が揺動するように前記ベルトコンベアを支持する支持機構と、
    前記ベルトコンベアを駆動する正逆回転可能なモータに設けられた退避用プーリと、前記モータが前記ベルトコンベアを駆動させる側と逆方向に回転した時にのみ前記退避用プーリに回転動力を伝達して前記退避用プーリを所定角度回転させるワンウェイクラッチ機構と、
    前記退避用プーリの周縁部と前記ベルトコンベアの印字部側の端部との間に連結され、前記退避用プーリの回転に連動して前記ベルトコンベアを下方に揺動させるリンク棒と、
    前記下方に揺動したベルトコンベアを元の位置に復帰させる復帰手段と、を有したことを特徴とするタグプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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