JP4327934B2 - 印字装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印字装置に係り、特に糸付き単葉タグ(以下、タグと称す)にバーコード等の印字データを印字するタグプリンタの印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料品や装飾品には、一般に値札又はファッション札として糸付き単葉タグが取り付けられている。糸付き単葉タグは、糸によって衣料品等に吊り下げられ、その表面にはバーコードや値段等の情報が印字されている。
【0003】
このようなタグは、タグプリンタによって一枚ずつ印字されている。タグプリンタは、多数枚の積層されたタグを順に繰り出して印字装置まで移送し、印字装置で印字する。
【0004】
印字装置の印字ヘッドが固定されたヘッドフレームは、カーボンリボンを交換する作業性を考慮して、プラテンローラと分離し、プラテンローラに対して開閉するように揺動自在に支持されている。印字の際にはヘッドフレームを閉じる方向に揺動し、カーボンリボン交換時にはヘッドフレームを開く方向に揺動する。
【0005】
しかし、このような回動自在に支持されたヘッドフレームでは、印字の際にヘッドフレームの先端部の印字ヘッドがプラテンローラから持ち上がってしまい印字バランス不良を引き起こす。このため、従来の印字装置では、片持ち式のヘッドフレームだと印字ヘッドが均一にプラテンローラに押圧できないため、印字の際に降ろしたヘッドフレームをプラテンローラ側にレバーで固定しており、この固定操作を作業員が手動で行なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の印字装置では、カーボンリボンを交換する際にレバーを手動で開きヘッドフレームを解除し、交換が終了するとレバーを手動で閉じヘッドフレームを固定しなくてはならず、作業効率が悪いという欠点があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、作業効率の良い印字装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、先端部に印字ヘッドが固定されたヘッドフレームの基端部を上部フレームの回動軸に回動自在に支持すると共に、該回動軸を中心に前記ヘッドフレームを揺動手段で揺動させることにより、前記印字ヘッドの下方に対向配置されたプラテンローラに対して前記印字ヘッドを開閉する印字装置において、前記上部フレームに上端部が回動自在に支持された状態で垂下されると共にその下端部にフック部を有するレバーと、前記プラテンローラを回動自在に支持する下部フレームに設けられ、前記レバーのフック部に係合する係合ピンと、前記ヘッドフレームに設けられ、前記印字ヘッドを開く方向に前記ヘッドフレームを揺動させると、前記レバーを上向きに回動させて前記レバーのフック部と前記係合ピンとの係合を解除すると共に、前記印字ヘッドを閉じる方向に前記ヘッドフレームを揺動させると、前記レバーを自重で下向きに回動させて前記レバーのフック部と前記係合ピンとを係合させるロック用ピンと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、カーボンリボンを交換する際には、印字ヘッドを開く方向にヘッドフレームを揺動させる。ヘッドフレームの揺動によってロック用ピンがレバーを押し上げながら上向きに回動させレバーのフック部と係合ピンとの係合を解除する。カーボンリボンを交換が終了したら、印字ヘッドを閉じる方向にヘッドフレームを揺動させる。ヘッドフレームの揺動によってロック用ピンがレバーを自重で下向きに回動させレバーのフック部と係合ピンと係合させる。このように、本発明は印字ヘッドを開くと自動的にヘッドフレームが下部フレームから解除され、印字ヘッドを閉じると自動的にヘッドフレームが下部フレームに固定される。このため手動で固定・解除する手間が省け作業性がよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る印字装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0011】
図1は、本発明の印字装置を適用したタグプリンタ10の全体構成を示す斜視図である。図中、タグ30の幅方向をX軸方向、ピッチ(長さ)方向をY軸方向とする。
【0012】
同図に示すように、タグプリンタ10は、主として、ホッパー装置12、ゲート部材14、タグ繰り出し装置16、第1の移送装置18、印字装置22及び制御装置24から構成される。
【0013】
多数枚のタグ30、30、…は、ゲート部材14とホッパー装置12との間に積層され、該ホッパー装置12によってその姿勢が正確に揃えられて保持される。
【0014】
ホッパー装置12は、ホッパー本体32と一対のタグガイド34、36とから構成され、ホッパー本体32は、プリンタ本体10Aにスライド自在に支持され、X軸方向にスライド可能である。タグガイド34は、このホッパー本体32に固定され、タグガイド36は、ホッパー本体32にスライド自在に支持され、図1のY軸方向にスライドすることができる。また、タグガイド34、36はそれぞれL字状に形成され、積層されたタグ30の2つのコーナー部に係合するように構成される。これにより、ホッパー本体32をX軸方向のゲート部材14側にスライドさせるとともに、タグガイド36をY軸方向にスライドさせてタグガイド34、36間を狭めると、積層されたタグ30のX軸方向及びY軸方向を正確に揃えることができる。
【0015】
このように保持されたタグ30は、最下部のタグ30から順にタグ繰り出し装置16によって繰り出され、第1の移送装置18まで移送される。
【0016】
タグ繰り出し装置16は、タグ30の下面を吸着する3個の吸着パッド38A、38B、38Cと、該吸着パッド38A〜38Cを支持するブラケット(図示せず)とから構成される。3個の吸着パッド38A〜38Cは、Y軸方向に並設され、手前側の2個の吸着パッド38A、38Bが前記ブラケットに固定される。また、奥側の吸着パッド38Cは、Y軸方向にスライドできるようにブラケットに支持される。この吸着パッド38Cは、タグ30のY軸方向の長さ(ピッチ)に応じて位置調整され、タグ30の端部を吸着するように設定される。これにより、吸着パッド38A〜38Cは、タグ30を確実に吸着することができる。また、前記ブラケットは、降下しながらX軸方向を第1の移送装置18側にスライドできるように構成される。これにより、タグ繰り出し装置16を駆動すると、最下部のタグ30は吸着パッド38A〜38Cによって吸着され、ブラケットをスライドさせることによりゲート部材14の下方をくぐって第1の移送装置18まで移送される。ゲート部材14は、複数のタグ30が繰り出されるのを防止し、これにより、第1の移送装置18には、一枚のタグ30のみが移送される。そして、第1の移送装置18に移送されたタグ30は、前記吸着パッド38A〜38Cの吸着力を解除することにより、第1の移送装置18に受け取られる。
【0017】
第1の移送装置18は図示しないベルトコンベアを備えており、受け取ったタグ30をベルトコンベア上で印字装置22に移送する。
【0018】
印字装置22は移送されたタグ30に印字を行い、主として、印字ヘッド72及びプラテンローラ74から構成される。
【0019】
図2は印字装置22の構成を示す側面図であり、図3は上面図である。これらの図に示すように、プラテンローラ74は下部フレーム78の上端部に回動自在に支持される。印字ヘッド72はヘッドフレーム76の先端部下側に固定され、ヘッドフレーム76はヘッド軸80を支点として上部フレームを主として構成するサイドフレーム82と前記ゲート部材14とに揺動自在に支持されている。
【0020】
前記サイドフレーム82と前記ゲート部材14とには複数のガイドローラ92、92、…が回転自在に支持されると共に、ヘッドフレーム76の印字ヘッド72近傍にはガイドローラ94が回転自在に支持される。カーボンリボン96は図示しない供給リールからガイドローラ92にガイドされて印字ヘッド72とプラテンローラ74との間に搬送され、ガイドローラ94、92にガイドされて図示しない巻取リールに搬送される。
【0021】
前記ヘッド軸80にはヘッド軸プーリ84が同軸上に前記ゲート部材14内に設けられ、ヘッド軸プーリ84はベルト86を介してモータプーリ88に接続される。モータプーリ88には図示しないステッピングモータが接続され、ステッピングモータの駆動によってベルト86が図上矢印両方向に走行する。ベルト86にはテンションプーリ90が係合してテンションが付与され、ベルト86の走行によってヘッドフレーム76が揺動し、印字ヘッド72がプラテンローラ74に対して開閉する。即ち、ベルト86が矢印右方向に走行すると印字ヘッド72が閉じて印字を行い、ベルト86が矢印左方向に走行すると印字ヘッド72が開く。
【0022】
前記サイドフレーム82にはレバー98がピン100を支点として回動自在に支持され、レバー98の先端部には凹状のフック部98Aが形成される。前記下部フレーム78には係合ピン102が支持され、前記フック部98Aが係合ピン102に係合しヘッドフレーム76が固定される。
【0023】
また、前記ヘッドフレーム76の中央部にはロック用ピン104が支持されている。
【0024】
次に、上記の如く構成されたタグプリンタ10における印字装置22の作用について説明する。
【0025】
カーボンリボン96を交換する際には、図4に示す印字ヘッド72が閉じた状態から、ヘッドフレーム76を反時計方向に揺動させ印字ヘッド72を開ける。ヘッドフレーム76の揺動によってロック用ピン104がレバー98の下縁に当接する。これによって、レバー98のフック部98Aが係合ピン102から外れ、図5に示すように、ロック用ピン104がレバー98を押し上げて時計方向に回動させる。このように印字ヘッド72が開いた状態でカーボンリボン96を交換する。
【0026】
カーボンリボン96の交換が終了したら、ヘッドフレーム76を時計方向に揺動させ印字ヘッド72を閉じる。ヘッドフレーム76の揺動によってロック用ピン104の下降と共にレバー98が反時計方向に自重で回動し、図4に示すようにフック部98Aがポスト102に係合する。このように、本発明では印字ヘッド72を開けると自動的にヘッドフレーム76が下部フレーム78から解除され、印字ヘッド72を閉じると自動的にヘッドフレーム76が下部フレーム78に固定される。このため手動で固定・解除する手間が省け作業性がよい。
【0027】
また、タグ30を印字ヘッド72とプラテンローラ74との間に移送する際には、図4に示す印字ヘッド72が閉じた状態から、図6に示すようにヘッドフレーム76をロック用ピン104がレバー98の下縁に当接しない程度に反時計方向に揺動させ、印字ヘッド72をタグ30に接触しない位置まで上昇させる。タグ30が印字ヘッド72とプラテンローラ74との間に移送されたら、ヘッドフレーム76を時計方向に揺動させて印字ヘッド72を閉じて、印字を行なう。
【0028】
尚、本実施の形態では本発明の印字装置をタグプリンタに適用した例で説明したが、帯状台紙ラベル等を印字するプリンタも適用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る印字装置によれば、印字ヘッドを開くとレバーのフック部が係合ピンから外れ自動的にヘッドフレームが下部フレームから解除され、印字ヘッドを閉じるとレバーのフック部が係合ピンに係合し自動的にヘッドフレームが下部フレームに固定される。このため手動で固定・解除する手間が省け作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印字装置が適用されたタグプリンタの全体構成を示す斜視図
【図2】印字装置の構成を示す側面図
【図3】印字装置の構成を示す上面図
【図4】印字ヘッドが閉じた状態を示す説明図
【図5】印字ヘッドが開いた状態を示す説明図
【図6】印字ヘッドがタグに接触しない位置まで上昇した状態を示す説明図
【符号の説明】
10…タグプリンタ
12…ホッパー装置
16…タグ繰り出し装置
30…タグ
72…印字ヘッド
74…プラテンローラ
76…ヘッドフレーム
78…下部フレーム
98…レバー
98A…フック部
102…係合ピン
104…ロック用ピン

Claims (1)

  1. 先端部に印字ヘッドが固定されたヘッドフレームの基端部を上部フレームの回動軸に回動自在に支持すると共に、該回動軸を中心に前記ヘッドフレームを揺動手段で揺動させることにより、前記印字ヘッドの下方に対向配置されたプラテンローラに対して前記印字ヘッドを開閉する印字装置において、
    前記上部フレームに上端部が回動自在に支持された状態で垂下されると共にその下端部にフック部を有するレバーと、
    前記プラテンローラを回動自在に支持する下部フレームに設けられ、前記レバーのフック部に係合する係合ピンと、
    前記ヘッドフレームに設けられ、前記印字ヘッドを開く方向に前記ヘッドフレームを揺動させると、前記レバーを上向きに回動させて前記レバーのフック部と前記係合ピンとの係合を解除すると共に、前記印字ヘッドを閉じる方向に前記ヘッドフレームを揺動させると、前記レバーを自重で下向きに回動させて前記レバーのフック部と前記係合ピンとを係合させるロック用ピンと、
    を備えたことを特徴とする印字装置。
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