JP3296969B2 - スタッカ - Google Patents

スタッカ

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JP3296969B2
JP3296969B2 JP11729196A JP11729196A JP3296969B2 JP 3296969 B2 JP3296969 B2 JP 3296969B2 JP 11729196 A JP11729196 A JP 11729196A JP 11729196 A JP11729196 A JP 11729196A JP 3296969 B2 JP3296969 B2 JP 3296969B2
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源治 押野
勝彦 小幡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送り込まれた紙
片をその先端をストッパに当接させて順次下側から積層
してスタックするスタッカに関し、複写機,プリンタ,
発券機,カード発行機等に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等から送出される紙片
を受け入れてスタックするスタッカとして、底板及び側
板とその底板上に立設されて紙片送り込み方向の奥行を
限定するストッパとからなる紙受けと、該紙受け内へ上
記底板の上面に沿って紙片を送り込む紙搬送手段とを備
え、該手段によって送り込まれた紙片をその先端を上記
ストッパに当接させて順次下側から積層してスタックす
るスタッカがある。
【0003】この種のスタッカとしては、例えば、米国
特許第4,943,043号,同第4,968,022号,
同第4,968,023号の各明細書に記載されているよ
うなものがある。そのスタッカは、紙受けであるホッパ
の奥行を限定するストッパの下面にのこぎり状の歯が形
成されており、底板の上面にも同様な歯が形成されてい
て、それらの歯と歯がかみ合ってストッパが底板上で所
要の位置に固定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このような構造のスタッカでは、ホッパ内にスタックさ
れる紙を押える紙押え(重り)がホッパの入口側にしか
ないので、長くて巻き癖のある紙片をスタックするよう
なときに、その紙片の先がストッパに突き当った後上方
にカールしてスタック不能になってしまうことがあっ
た。
【0005】さらに、スタックした紙片の下側に新たな
紙片を送り込む搬送手段として、紙受けの入口付近に2
個のローラが設けられているだけなので、、プリンタか
ら送出された紙片は、これらのローラによって底板をこ
するように送り込まれてストッパに当接する。そのた
め、積み上げられた紙片が多くなるとその紙片の重みで
底板との接触抵抗が増加し、その抵抗に抗して新たな紙
片を先端がストッパに当接するまで送り込むのが困難に
なり、最終的にスタック不能になることがある。
【0006】また、このようにスタックされた紙片の下
側にローラによって新たな用紙を差し込むように送り込
むのでは、特に腰の弱い薄い紙や布等はスタック出来な
いという問題がある。さらに、スタックされた紙片をホ
ッパから取り出す際に、紙押えを持ち上げにくく、紙片
の取り出し操作性がよくないという問題もあった。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】そしてまた、紙押えが所定の高さまで上昇
した時にそれを検知して紙片の受け入れを停止させる信
号を発生するスタックフルセンサ(スイッチ)が設けら
れているが、その取付位置が固定されているので、スタ
ックフルの高さを調整することができないという問題も
あった。
【0011】この発明は、このような従来のスタッカに
おける種々の問題を解消しようとするものであり、紙片
の厚さ及び長さに関係なくスタックでき、特に、長くて
巻き癖があるような紙片でも確実にスタック出来るよう
にし、且つスタックされた紙片を容易に取り出せるよう
にすることを目的とする。
【0012】また、スタックフルセンサが紙押えの上昇
を検知して紙片の受け入れを停止させる信号を発生する
スタックフルの高さを任意に設定できるようにすること
も目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、底板及び側板とその底板上に立設されて
奥行を限定するストッパとからなる紙受けと、該紙受け
内へ上記底板の上面に沿って紙片を送り込む紙搬送手段
とを備え、該手段によって送り込まれた紙片をその先端
を上記ストッパに当接させて順次下側から積層してスタ
ックするスタッカを、次のように構成したものである。
【0014】上記紙片の搬送方向に直交する方向に延び
る本体部と、該本体部から上記側板に沿って延びる延長
部とを有し、上記紙受けの底板上にスタックされる紙片
をその搬送方向及び該搬送方向に直交する方向に沿って
上面側から押える紙押えを、上記側板に昇降自在に設け
る。
【0015】また、上記紙押えを手動で昇降させるとき
に使用する指掛けを、上記紙押えの紙片を押える部分か
ら指を掛けるための隙間をとった位置に設けるとよい。
その指掛けは、上記紙押えから略L字状に折り曲げて形
成することができる。
【0016】
【0017】
【0018】さらにまた、このようなスタッカにおい
て、上記紙押えが予め設定された高さまで上昇した時に
それを検知して紙片の受け入れを停止させる信号を発生
するスタックフルセンサを上記側板に昇降可能に支持さ
せて設けると共に、その側板に上記スタックフルセンサ
を任意の高さで固定するセンサ固定手段を設けるとよ
い。
【0019】
【作用】このように構成したこの発明によるスタッカ
は、上記搬送手段によって、紙片を底板の上面に沿って
紙受け内へ確実に送り込んでスタックさせ、その際、紙
受けの底板上にスタックされる紙片を、側板に昇降自在
に設けた紙押えによって紙片の搬送方向及びそれに直交
する方向に沿って上面側から押えることにより、紙片の
厚さや長さに関係なく、長くて巻き癖のある紙片でも、
その前端部が捲れ上がることがなく確実にスタックでき
る。
【0020】また、上記紙押えに指掛けを設ければ、紙
受けにスタックされた紙片を取り出す際に、その指掛け
に指を掛けて紙押えを容易に持ち上げることができるの
で、紙片の取り出しを操作性よく行うことができる。
【0021】
【0022】
【0023】また、昇降及び任意の高さで固定可能にス
タックフルセンサを設ければ、上記紙押えが予め設定さ
れた高さまで上昇したときにスタックフルセンサがそれ
を検知して紙片の受け入れを停止させる信号を発生する
ので、紙片のスタツクを停止させる高さを任意に変更す
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。図1はこの発明の一実
施形態であるスタッカをプリンタに取り付けた状態の概
略構成を示す側面図である。但し、スタッカSを取り付
けるプリンタPはその要部のみを示している。
【0025】まず、プリンタPについて説明すると、サ
ーマルヘッド11を備えており、このサーマルヘッド1
1が熱転写リボン13を介してロール紙15をプラテン
17に押し付けながら印字する。そのロール紙15は図
示しない位置でロール状に巻かれており、プラテン17
の回転によってそこから引き出されて図で左方へ搬送さ
れ、その紙面に画像が記録される。
【0026】一方、熱転写リボン13は供給ボビン19
から繰り出され、印字後、剥離プレート21によってロ
ール紙15から分離され、巻取ボビン23に巻き取られ
る。そして、画像を転写されたロール紙15はカッタ2
5によって所定の長さに切断され、紙片27となってス
タッカSへ送られる。
【0027】スタッカSは、図1及び図2に示すよう
に、互いに間隔を置いて平行に立設された一対の側板2
9,30(図1は手前側の側板30を除去して示してい
る)と、それらに直交し且つ図1に示されるように紙片
搬送方向に幾分下がり勾配で傾斜して配設された底板3
1と、その底板31上に立設されて奥行を限定するスト
ッパ33とによって紙受け35を構成している。
【0028】なお、一方の側板29は底板31の上方に
紙片の最大スタック高さ以上の高さで延びているが、他
方の側板30は底板の下側にのみ設けられており、紙受
け35の図1で手前側(図2で左側)は開放されてい
る。この紙受け35内へ底板31の上面に沿って紙片2
7を送り込む紙搬送手段(後述する)を備え、該手段に
よって送り込まれた紙片27を、先端を揃えるためにス
トッパ33の紙片当接面33aに当接させて順次下側か
ら積層してスタックするようになっている。
【0029】このストッパ33は樹脂等によるモールド
成形品であり、その紙片当接面33aは、図2〜図4に
明示されるように、底板31の上面に垂直な方向に延び
且つ幅方向に間隔を置いて平行に多数形成されたリブ状
部の各前端縁によって形成される。
【0030】底板31は鉄板等の強磁性体で形成され、
紙片27の受入れ方向に沿って図2及び図4に示すよう
に溝37が形成されており、ストッパ33の底面にはこ
の溝37に係合する突起39を設けている(図3,図4
参照)。さらに、このストッパ33内の下部には、図
2,図3に破線で示すように磁極片43aを備えたマグ
ネット43が固定されている。
【0031】底板31には、溝37に平行にもう1つの
溝200が側板30より外側に形成されており、底板3
1の下面側に配設されたストッパの位置決め部材201
にカシメられたピン202,202がその溝200内で
スライドし、その位置決め部材201に、底板31の上
面側から溝200を通してねじ込むようにツマミ203
が取り付けられている。このツマミ203を締め込むこ
とにより、位置決め部材201とツマミ203に底板3
1が挾み込まれ、位置決め部材201が底板31に固定
される。
【0032】この位置決め部材201は、側板30と底
板31の間に形成された図示しないスリットを通して側
板30の内側へ延び、その先端部には上方に折曲って溝
37に嵌入するフック201aが形成され、溝37から
図3に示すように底板31の上面に突き出ており、スト
ッパ33の底面に設けられて溝37に嵌入する突起39
に当接する。
【0033】図3のマグネット43の磁極片43aと底
板31の吸着力は、ストッパ33を底板31の溝37に
沿って紙片搬送方向の前後にスライド可能な程度の強さ
になるように設定する。 また、溝200の一側縁に沿
って、底板31上にスタック可能な紙片の搬送方向の長
さあるいは紙サイズを示す目盛を付設している。
【0034】そこで、ツマミ203を緩めて位置決め部
材201と共に溝200に沿って移動させ、スタックす
る紙片の長さに対応する目盛にツマミ203の中心を合
わせてツマミ203を締めれば、位置決め部材201及
びそのフック201aが所要の位置に固定される。
【0035】その後、ストッパ33を底板31に吸着さ
せてその突起39を溝37に嵌入させた状態で紙片搬送
方向に沿って移動させ、突起39がフック201aに当
接した所で止めれば、ストッパ33の紙片当接面33a
の紙片搬送方向及びそれに直交する方向(以下「幅方
向」ともいう)の両位置が決まり、その位置に固定され
る。このようにして、紙受け35の奥行きを無段階に調
節することができる。
【0036】この場合、底板31の溝37とストッパ3
3の突起39を係合させると、ストッパ33の上記幅方
向の位置が規制されるので好ましいが、必須の要件では
ない。例えば、ストッパ33又はそれと一体の部材を、
常に側板29(側板30を底板31の上方にも着脱ある
いは開閉可能に設けた場合はその側板でもよい)に当接
させるようにすれば、それによって上記幅方向の位置は
規制されることになる。
【0037】またこのストッパ33は、図3においてス
トッパ33の後下端部33cを支点にしてストッパ33
の上方を左に傾けるように回転させれば、マグネット4
3と底板31との吸着力に抗して容易に底板31から取
り外すことができる。さらに、底板31には図2に明示
されるように紙片の受入れ方向に沿って3本の細長いス
リット孔55が形成されており、その各スリット孔55
に沿って搬送ベルト57が設けられている。
【0038】その3本の搬送ベルト57は、図1に示す
ようにそれぞれ共通の軸59上に固着されたプーリ60
と軸61上に固着されたプーリ62の間に、各搬送面5
7aが底板31の上面より若干突出するように懸回され
ており、駆動モータ63によって図1において反時計回
り(矢示方向)に駆動される。
【0039】この各搬送ベルト57の直前には、巻き込
みローラ65とピンチローラ67が配設され、両ローラ
65,67の間にプリンタPから送り出される紙片27
を挾んで紙受け35内へ送り込む。巻き込みローラ65
はアイドルギア69によって駆動され、このアイドルギ
アは搬送ベルト57のプーリ軸59に固定された図示し
ないギアによって駆動されるようになっている。
【0040】このスタッカでは、プーリ60の軸59に
固設された図示しないギヤによってアイドルギア69を
介して巻き込みローラ65を駆動するようにしている
が、巻き込みローラ65をアイドルギア69を介さずに
タイミングベルト等で直接駆動してもよい。あるいは、
搬送ベルト57を巻き込みローラ65の位置迄延ばし
て、直接紙片27を巻き込み搬送するようにしてもよ
い。
【0041】これらによって前述した紙搬送手段を構成
している。なお、底板31の前縁には図1に示すよう
に、巻き込みローラ65とピンチローラ67との間に挾
まれて送られてくる紙片27を円滑に受容するためにガ
イド板71が設けられている。また、ストッパ33の下
端には、図1〜図4に示すように一対の突片80が搬送
ベルト57の搬送面57aより上方に突出せずにその搬
送面57aに平行に延びるように設けられている。
【0042】このように、ストッパ33が底板31にマ
グネット43により吸着されている時に、突片80が搬
送ベルト57の搬送面57aより下側に位置するように
したのは、搬送ベルト57によって搬送される紙片27
がこの突片に当ることなく、その上側に送り込まれるよ
うにするためである。
【0043】したがって、この実施形態によればプリン
タPから送り出された紙片27は、巻き込みローラ65
とピンチローラ67との間に挾まれ、紙受け35内にス
タックされた紙片27があるときはその最も下側に差し
込まれ、搬送ベルト57によって底板31の上面から僅
かに浮いた状態で、前端がストッパ33の紙片当接面3
3aに突き当るまで搬送される。こうして、紙受け35
にはプリンタから送り出された紙片27が順次下側から
積層されて(後から送り出されたものほど下になって重
なって)スタックされる。
【0044】そして、図1で手前側から片手でストッパ
33を持ち上げると、紙受け35内にたまった紙片27
の前端部はストッパ33の下部の突片80の上に載って
いるため一緒に持ち上がるので、スタックされた紙片2
7の上部をもう一方の手で上から軽く押えながら、スト
ッパ33をスタッカSより取り出せば、スタックされた
紙片27はばらばらになることなく、印字された順番通
りに全て取り出すことが出来る。
【0045】紙片27の搬送方向の長さが比較的長い場
合や、腰の弱い紙の場合でも、ストッパ33を少し持ち
上げて、その突片80によって底板31から持ち上げら
れた最下層の紙片の下側に手を差し込んでから、ストッ
パ33を抜き取ってどかせば、スタックされた全ての紙
片を一度に取り出すことができる。
【0046】次に、このスタッカに設けられている紙押
え及びスタックフルセンサ等について、図1,図2,図
5及び図6を参照して説明する。なお、図5及び図6は
スタッカSの紙受け35内に紙片が一杯になったときの
状態を示している。このスタッカSには、その紙受け3
5の底板31上にスタックされる紙片27をその搬送方
向及びそれに直交する方向(幅方向)に沿って上面側か
ら押える紙押え75を、側板29に昇降自在に設けてい
る。
【0047】この紙押え75は金属板等によって形成さ
れた一種の重りであり、紙片の搬送方向に直交する方向
(幅方向)に延びる本体部75aと、この本体部75a
から側板29に沿って紙片の搬送方向に延びる断面L字
状の延長部75bと、側板29に底板31に対して垂直
な方向に形成されたスリット73を通して外部へ突出す
る腕片75cとを有している。
【0048】そして、この紙押え75の延長部75bの
略中央部に、図5に示すように上下方向に間隔を置いて
2個のボールベアリング103a,103aを軸支し、
側板29に底板31に対して垂直な方向に第1の案内溝
100を形成して、その案内溝100に2個のボールベ
アリング103a,103aを転動自在に嵌入させてい
る。
【0049】また、腕片75cの端部付近にも、図6に
示すように上下方向に間隔を置いて2個のボールベアリ
ング103b,103bを軸支している。一方、側板2
9の外側にその側板29に対して垂直に案内板104を
固設し、その案内板104に底板31に対して垂直な方
向に第2の案内溝101を形成して、その案内溝101
に2個のボールベアリング103b,103bを転動自
在に嵌入させている。
【0050】このようにして、紙押え75が一方の側板
29の中央部に形成された案内溝100と側板29の外
面に取付けられた案内板104に形成された案内溝10
1に沿って、4個のボールベアリング103a,103
bの転動によりスムーズに昇降するように取り付けられ
ている。
【0051】そのため、案内溝100,101と紙押え
75の間には転がり接触による非常に小さな抵抗が生じ
るだけなので、紙片27の上方へのカール位置が紙片2
7と紙押え75の延長部75bとの接触面のどの位置に
なっても、また紙幅が拡くなって紙押え75の本体部7
5aにその支持部からかなり離れた位置で紙片27が当
接するようになっても、紙押え75はスムーズに上昇す
る。
【0052】また、この紙押え75は図6に示すよう
に、側板29の外側に突出する腕部75cとスタッカS
の底板31の延設部(図示せず)との間に引張りスプリ
ング102を係着しており、紙受け35内にスタックさ
れた紙片27の搬送方向の全体を自重及びこのスプリン
グ102の付勢力によって強制的に押えることにより、
スタックされた紙片27が振動によって手前側及び巻き
込みローラ65側にずれるのを防止する。
【0053】そして、紙片27がスタックされるに従っ
てその厚みによって押し上げられて上昇する。なお、図
5に明示するように、この紙押え75の本体部75aの
紙片受け入れ側の部分(図5で右側の部分)は、最初に
送り込まれる紙片の先端が乗り上げないように上方に折
り曲げられている。このようにして、スタックされる紙
片27の幅方向に沿って紙押え75の本体部75aによ
って押えると共に、その搬送方向に沿っても延長部75
bによって押えるので、ロール状に巻かれてカール癖が
ついたような紙片が送り込まれても、常に正しくスタッ
クすることができる。
【0054】ここで、図2,図5及び図6を参照してス
タックフルセンサ等について説明する。側板29のスリ
ット73の上部外側に、図2及び図6に示すようにブラ
ケット81が止めねじ93によって取り付け支持されて
おり、そのブラケット81に発光部83aと受光部83
bとを対向させて配置したフォトインタラプタ等のスタ
ックフルセンサ83が取り付けられている。
【0055】一方、紙押え75には側板29の外側に突
出する腕部75cの先端を直角に折り曲げてシャッタ8
5を設けている。そして、紙受け35内にスタックされ
る紙片27が増えるに従って紙押え75が上昇され、や
がてシャッタ85がスタックフルセンサ83の発光部8
3aと受光部83bの間に入り込む。それによって、ス
タックフルセンサ83はスタックフル信号を出力し、そ
の信号をプリンタPへ送って印字動作を停止させる。そ
の後、駆動モータ63を停止させてスタック動作を停止
させる。
【0056】また、ブラケット81はスリツト73に沿
って上下に移動させることができ、指で回動操作可能な
大きさを有し外周面に滑り止め用のローレットが施され
た止めねじ93(センサ固定手段)によって任意の位置
で固定することができるようになっている。したがっ
て、ブラケット81及びスタックフルセンサ83の高さ
を任意に変えることにより、スタックフルの検出高さを
自由に調節することができる。
【0057】さらに、図6に示すようにブラケット81
には磁極片87aを有するマグネット87が固定されて
おり、紙押え75の腕部75cにはその磁極片87aに
吸着される吸着片89を形成している。なお、紙押え7
5が鉄板等の磁性金属板で形成されている場合には、こ
のようにその吸着片89を一体に形成することができる
が、そうでない場合には、腕部75cに磁性材による吸
着片89を取り付ければよい。
【0058】また、この紙押え75の上側には、紙押え
75を手動で昇降させるときに使用するための、指で持
ち上げ易い形状の指掛け91が、紙押え75の紙片を押
える部分である本体部75aから、図5及び図6に明示
されているように指を掛けるための隙間をとった位置に
設けられている。この指掛け91は、紙押え75に一体
に形成してもよいし、別部材で作成したものを紙押え7
5に取り付けてもよい。このようにすれば、スタックさ
れた紙片27の束を紙受け35から取り出す時には、指
掛け91に指を掛けて紙押え75を持ち上げ、吸着片8
9をマグネット87の磁極片87aに吸着させると、手
を離しても紙押え75が下降しないようになる。
【0059】そして、紙片27の上部を手で上から軽く
押えながらストッパ33をスタッカSより取り出せば、
ストッパ33の下部の突片80上に載った紙片27がば
らばらになることなく、それらを印字された順番通りに
全て取り出すことが出来る。この場合、スタックフルを
検知した状態では、紙押え75の吸着片89が未だマグ
ネット87の磁極片87aに吸着されていない位置関
係、つまりシャッタ85を上下方向に長く形成しておい
て、スタックフルを検知した後に上述したように紙押え
75をさらに持ち上げた時に吸着片89がマグネット8
7の磁極片87aに吸着されるような位置関係に設定す
ると、紙片27の取り出し作業がやり易くなる。
【0060】なお、スタッカを用いない場合、例えば連
続した糊付ラベル紙をカットしないで印字するような場
合に、このマグネット87によって、紙押え75が邪魔
にならないよう持ち上げておくこともできる。ところ
で、上述した指掛け91の下側には隙間があって指を入
れることができるので、紙押えを持ち上げるときに、指
にこの指掛け91を載せて引き上げるようにしてもよい
し、指掛け91を指先で下から押し上げるようにしても
よく、勿論この指掛け91を指で摘んで持ち上げてもよ
い。 このように、この指掛け91は指を差し入れる方向
の自由度が増すため、スタックされた紙片を取り出す際
に、他方の手の動きの邪魔になるようなことがなくな
り、紙押えの昇降操作が楽になるばかりか、紙片の取り
出しの操作性も向上する。 また、この指掛け91は、図
5に示すように紙押え75からその板材を略L字状に折
り曲げて形成することができ、それによって紙押え75
の強度が増すと共に、指掛け91に指を掛ける際に、そ
の折り曲げ部に指の腹や側部を添えることができ、一層
楽に紙押え75を持ち上げることができる。
【0061】次に、この発明の他の実施の形態を図7〜
図10によって説明する。これらの図において、図1〜
図6と対応する部分には同一の符号を付してあり、それ
らの説明は省略する。
【0062】このスタッカの底板131も鉄板等の強磁
性体で製作され、図7,図9に示されるように紙片27
の受け入れ方向に沿って2条のV字溝137,137が
形成されている。一方、このスタッカのストッパ133
は、紙片当接面133aが底板131の上面に対して垂
直な平面であり、その底面には底板131のV字溝13
7,137にそれぞれ係合するV字状の突起139,1
39が設られている(図9参照)。
【0063】さらに、このストッパ133内の下部に
は、図8及び図9に破線で示すようにマグネットホルダ
41が上下に移動できるように支持されており、そのマ
グネットホルダ41の下面に、2個のマグネット43,
43が固定されている。43aは各マグネット43の磁
極片である。そして、このストッパ133には各マグネ
ット43を上位置と下位置の2つの位置に切り換える切
換機構47が組込まれている。
【0064】すなわち、このストッパ133には軸49
が回動自在に支持され、この軸に一対のカム51が固着
されており、その各カム51は各マグネットホルダ41
の内面に摺接している。軸49の一端には外部から操作
可能なレバー53が固定されている。そして、各マグネ
ットホルダ41はストッパ133内に固設されたL型部
材44との間に係着した圧縮スプリング45の付勢力に
よって常時カム51のカム面に押圧係合されている。
【0065】カム51は軸49に対して偏心した円柱状
をなしており、レバー53が図8に実線で示す回動位置
にあるときには、各マグネットホルダ41をスプリング
45の付勢力によって下降させ、各マグネット43は底
板131に接近する下位置となるため、鉄板製の底板1
31に吸着してストッパ133を底板131に固定させ
る。
【0066】レバー53を図8に仮想線で示す上向位置
まで回動させると、各カム51が回動して各マグネット
ホルダ41を押し上げ、各マグネット43が底板131
から離れて仮想線で示す上位置になるため底板131と
の吸着が解かれ、ストッパ133がV字溝137に沿っ
て移動自在になる。この時も、V字溝137,137と
V字状の突起139,139との係合により、ストッパ
133の幅方向の位置は規制される。
【0067】したがって、紙受け35の奥行を調節する
ときは、レバー53を上位置に切り換えて各マグネット
43を底板131から離し、ストッパ133を底板のV
字溝137に沿って移動させて、スタックさせる紙片の
長さに応じた適当な位置まで動かした後、レバー53を
図8に実線で示す横位置に戻せば、各マグネット43が
底板131に吸着してストッパ133は底板131に位
置決め固定される。そのため、スタックする紙片の搬送
方向の長さに応じて、紙受け35の奥行きを容易に且つ
無段階で正確に調節することができる。
【0068】なお、V字溝137に代えて底板131上
に突条を形成し、ストッパ133の底面にその突条に係
合する凹部を形成するようにしてもよい。そして、この
スタッカSの紙受け35内にスタックされた紙片27
は、ストッパ133のレバー53を図8に仮想線で示す
ように上方へ回動して、マグネット43による底板13
1に対する吸着を解除することにより、ストッパ133
と共に容易に取り出せる。
【0069】スタックされた紙片がタグ紙のように比較
的短かくて腰が強い場合には、図10に示すように、紙
片27を突片80と後述する第2の紙押え77で挾持し
た状態で、ストッパ133と共に容易に取り出すことが
できる。ところで、このストッパ133にも紙押え77
が設けられている。すなわち、ストッパ133の図9で
右側の面に、図8に破線で示すように紙片当接面133
aに平行に上下方向に延びる案内溝79が形成されてお
り、この案内溝79に沿って紙押え77が紙片当接面1
33a上を自在に昇降できるように取り付けられてい
る。
【0070】以下の説明において、この紙押え77を第
2の紙押えと称し、前述の実施例と同様に側板29に昇
降自在に取り付けられた紙押え75を第1の紙押えと称
す。第2の紙押え77も金属板等によって形成された一
種の重りであり、紙受け35内にスタックされた紙片2
7の前端部を上面側から自重で押える。また、この第2
の紙押え77は、紙片当接面133aに沿って昇降する
断面L字状の本体部に、図7及び図9に示すようにスト
ッパ133の側面から突出する舌片77aを備えてい
る。そして、この舌片77aは第1の紙押え75の延長
部75bの上に自重で載置される。
【0071】したがって、第1の紙押え75が昇降する
と第2の紙押え77もそれに連動して一体的に昇降す
る。そして、この第2の紙押え77は、例えばロール状
にまかれてカール癖がついた紙片27が送り込まれたよ
うな場合に、その前端部が上方にカールして飛び出すの
を防止する。
【0072】なお、図8に示されるように、案内溝79
は底板131まで達しておらず、それによって第2の紙
押え77の下降位置を規制し、紙押え77が底板131
から所定の高さhまでしか下がらないようにしている。
これは、プリンタPからスタッカSに最初の紙片27が
送られてきたとき、カール癖により紙片27が紙押え7
7上に乗り上げるのを防止するためである。そして、紙
受け35内に紙片27が順次スタックされ、その厚みが
h以上になると、第2の紙押え77は第1の紙押えの延
長部75bにより押し上げられて上昇する。
【0073】このスタッカにも、図7に示すように前述
のスタッカと同様なスタックフルセンサ83やマグネッ
ト87が設けられているが、この第2の紙押え77があ
る場合には、第1の紙押え75の吸着片89がマグネッ
ト87の磁極片87aに吸着されるとスタックフル検知
となるように、シャッタ85とセンサ83の位置関係を
設定する。
【0074】そして、スタックフル検知後にスタックさ
れた紙片27の束を紙受け35から取り出す場合には、
第2の紙押え77の上部を手で上から軽く押えながら、
ストッパ133をスタッカSより取り出せば、ストッパ
133の下部の突片80上に載った紙片27がばらばら
になることなく、それを印字された順番通りに全て取り
出すことが出来る(第10図参照)。
【0075】この時、第2の紙押え77は、その舌片7
7aが第1の紙押え75の延長部75bの上に自重で載
置されているだけなので、取り出し作業時にマグネット
87によって吸着されて下降しない第1の紙押え75が
邪魔になることはない。勿論この状態では、シャッタ8
5がスタックフルセンサ83の光路を遮っているので、
スタックフル信号が出ているためスタック動作及び印字
動作は停止している。したがって、スタックされた紙の
取り出しを容易に行なうことができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
るスタッカは、搬送手段によって、紙片を底板の上面に
沿って紙受け内へ確実に送り込んでスタックさせ、その
際、側板に昇降自在に設けられた紙押えによって、紙受
けの底板上にスタックされる紙片をその搬送方向及びそ
れに直交する方向に沿って上面側から押えるので、紙片
の厚さや長さに関係なく、長くて巻き癖のあるような紙
片でも確実にスタックできる。
【0077】また、上記紙押えに指掛けを設ければ、紙
受けにスタックされた紙片を取り出す際に、その指掛け
に指を掛けて紙押えを容易に持ち上げることができるの
で、紙片の取り出しを操作性よく行うことができる。
らに、スタックフルセンサの固定位置を任意に調整する
ことにより、そのスタックフルセンサが紙押えの上昇を
検知して紙片の受入れを停止させるスタックフル信号を
発生するスタック高さを任意に設定することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のスタッカをプリンタに
取り付けた状態の概略構成を細部は省略して示す側面図
である。
【図2】図1に示したスタッカの平面図である。
【図3】図1に示したストッパの側面図である。
【図4】同じくそのストッパの正面図である。
【図5】図1における紙押え75がスタックフルセンサ
に検知される位置まで上昇した状態を示す要部拡大図で
ある。
【図6】図5の矢示VI方向から見た図である。
【図7】この発明の他の実施形態を示すスタッカの平面
図である。
【図8】図7に示したストッパの側面図である。
【図9】同じくそのストッパの正面図である。
【図10】同じくそのストッパをスタックされた紙片と
共に取り出した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
S:スタッカ P:プリンタ 11:サーマルヘッド 13:熱転写リボン 15:ロール紙 17:プラテン 25:カッタ 27:紙片 29,30:側板 31:底板 33:ストッパ 35:紙受け 37:溝 39:突起 41:マグネットホルダ 43:マグネット 53:レバー 55:スリッツト孔 57:搬送ベルト 60,62:プーリ 63:駆動モータ 65:巻き込みローラ 67:ピンチローラ 73:スリット 75:第1の紙押え 77:第2の紙押え 79:案内溝 80:突片 81:ブラケット 83:スタックフルセンサ 85:シャッタ 87:マグネット 89:吸着片 91:指掛け 93:止めねじ 100:案内溝 103a,103b:ボールベアリング 104:案内板 200:溝 201:ストッパの位置決め部材 202:ピン 203:ツマミ 131:底板 133:ストッパ 137:V字溝 139:V字状の突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−74863(JP,A) 特開 昭58−157669(JP,A) 実開 昭59−140251(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 31/34 B65H 29/18 B65H 31/20 G03G 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板及び側板とその底板上に立設されて
    紙片送り込み方向の奥行を限定するストッパとからなる
    紙受けと、該紙受け内へ前記底板の上面に沿って紙片を
    送り込む紙搬送手段とを備え、該手段によって順次送り
    込まれる紙片をそれぞれ先端を前記ストッパに当接させ
    て下側から積層してスタックするスタッカにおいて、 前記紙片の搬送方向に直交する方向に延びる本体部と、
    該本体部から前記側板に沿って延びる延長部とを有し、
    前記紙受けの底板上にスタックされる紙片をその搬送方
    向及び該搬送方向に直交する方向に沿って上面側から押
    える紙押えを、前記側板に昇降自在に設けたことを特徴
    とするスタッカ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスタッカにおいて、前記
    紙押えを手動で昇降させるときに使用する指掛けを、前
    記紙押えの紙片を押える部分から指を掛けるための隙間
    をとった位置に設けたことを特徴とするスタッカ。
  3. 【請求項3】 請求項記載のスタッカにおいて、前記
    指掛けは、前記紙押えから略L字状に折れ曲がっている
    ことを特徴とするスタッカ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    スタッカにおいて、 前記紙押えが予め設定された高さまで上昇した時にそれ
    を検知して紙片の受け入れを停止させる信号を発生する
    スタックフルセンサを前記側板に昇降可能に支持させて
    設けると共に、該側板に前記スタックフルセンサを任意
    の高さで固定するセンサ固定手段を設けたことを特徴と
    するスタッカ。
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