JP4180847B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性および耐水性に優れたポリウレタン水性分散体系接着剤組成物(以下単に「ポリウレタン水性接着剤組成物」と称する)に係わり、さらに詳しくは特に耐光性に優れたポリウレタン水性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のポリウレタン水性接着剤組成物の主剤は、ポリウレタンを多種の乳化剤の存在下で水中に強制分散させたものか、あるいはポリウレタン中にポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレンエーテルセグメントなどの親水性セグメントを導入して自己乳化性を与えることで作成されている。また、硬化剤成分となるポリイソシアネートも同様である。
【0003】
一般的に、自己乳化型ポリウレタンを含む接着剤組成物は、乳化剤を使用する強制分散型の接着剤組成物に比較して耐水性などに優れるが、親水性成分としてポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレンエーテルセグメントが含まれるために、その耐水性や耐熱性、特に耐光性は従来の非水分散性ポリウレタン系接着剤組成物と比較してかなり劣っている。
【0004】
また、ポリウレタン中に導入される親水性セグメントとしてカルボキシル基を有するジオールを使用する場合、多くの場合は、中和剤としてアンモニアやトリエチルアミンなどのアミン系化合物が使用されるが、このアミン系化合物は揮発性が高いために、接着剤組成物が高温に曝されると、ガスの発生による接着層の発泡やアミン臭気が発生するという問題を起こし、さらには接着剤組成物の光劣化を促進するという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題のために、従来のポリウレタン水性接着剤組成物は、耐熱性、耐水性、特に耐光性の要求される用途、例えば、長時間蛍光灯の光に曝される自動販売機の展示見本や、高温と強い光に曝される照明シェード、高温と熱水に曝される電子レンジ加熱食品包材などに使用される接着剤組成物として使用することが困難であった。
従って本発明の目的は、耐熱性および耐水性に優れたポリウレタン水性接着剤組成物、特に耐光性に優れたポリウレタン水性接着剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、ポリエステルポリオールセグメントと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートセグメントと、ジメチロールアルキル酸セグメントとを有するカルボキシル基含有ポリウレタンであって、該カルボキシル基がリチウムと塩を形成して水に分散しているポリウレタン水性分散体からなる主剤と、硬化剤とを含有し、該硬化剤が、分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有せず、有機溶剤を含有せずかつイソシアヌレート環を有する数平均分子量800以下のポリイソシアネートであり、上記主剤と硬化剤とが機械的分散装置によって混合されていることを特徴とする接着剤組成物を提供する。
【0007】
また、本発明は、上記ポリウレタンの数平均分子量が、5,000〜50,000である接着剤組成物、およびポリウレタンが、炭素数2〜9の直鎖アルキル基がエステル結合を介して結合しているモノマー成分が全モノマー成分の70モル%以上を占め、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオールセグメントを70重量%以上含有し、かつ分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有しない前記の接着剤組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、前記ジメチロールアルキル酸セグメントが、炭素数2〜6のジメチロールアルキル酸からなり、ポリウレタン1kg当たり0.1〜0.5モルの割合で含有されている前記の接着剤組成物を提供する。
【0009】
本発明者らは、ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレンエーテルセグメントや、アンモニア系およびアミン系化合物を中和剤として使用しないポリウレタン水分散体を主剤とするポリウレタン水性接着剤組成物について鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタン中にポリアルキレンエーテルセグメントを実質的に導入しない場合であっても、一定量のカルボキシル基を有するジオールセグメントを含有し、かつそのカルボキシル基をリチウム塩とすることによって、得られるポリウレタン水分散体が十分な乳化安定性を有し、かつ特定の硬化剤と混合することによって耐熱性、耐水性および耐光性に優れたポリウレタン水性接着剤組成物が得られることを見出した。
【0010】
また、ポリウレタンの合成に使用するポリエステルポリオールが、炭素数2〜9の直鎖アルキル基がエステル結合を介して結合する全モノマー成分の70モル%以上を占め、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオールセグメントを70重量%以上含有し、かつイソシアネートとして芳香族系ではない脂肪族または脂環族ジイソシアネートを用いることで、特に優れた耐光性を発揮するポリウレタン水性接着剤組成物が得られることを見出した。
【0011】
さらに、硬化剤成分にポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレンエーテルセグメントを含まないことによる水への分散安定性の低下は、低分子量(数平均分子量800以下)のイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートを使用することで、前記主剤との混合時に機械的分散装置を用いることで、主剤のポリウレタン水分散体の分散力によって、実用上十分な硬化剤の分散安定性が得られることを見出した。
【0012】
本発明者らはかかる知見に基づき、耐熱性、耐水性、および特に耐光性に優れた接着剤組成物の提供を実現した。すなわち、本発明の接着剤組成物は、100℃を超える使用条件であっても揮発性アミンによる接着層の発泡や異臭の発生の心配がなく、かつ同時に十分な耐熱性、耐水性、および特に優れた耐光性を有する接着剤組成物である。
【0013】
従って、本発明の接着剤組成物は、各種用途に有用であるとともに、特に自動販売機用の展示見本、照明シェード、電子レンジ加熱食品包材などに使用される接着剤組成物として好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。
本発明で使用する主剤であるポリウレタンの合成に使用するポリエステルポリオールは、炭素数2〜9の直鎖アルキル基がエステル結合を介して結合しており、該ポリオールが全モノマー成分の70モル%以上を占め、数平均分子量が1,000〜5,000であることが好ましい。
【0015】
具体的には炭素数2〜9の直鎖アルキル基がエステル結合を介して結合しているモノマー成分とは、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの2塩基酸およびそれらの酸無水物と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの直鎖状脂肪族ジオール、およびラクトンに代表される側鎖の無い環状エステルなどを原料としているという意味である。
【0016】
従って、上記ポリエステルポリオールとは、上記モノマー由来の成分の炭素鎖セグメントが、他のモノマー由来成分の炭素鎖セグメントを含めた全炭素鎖セグメントに対して70モル%以上を占めるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールなどである。
【0017】
分岐を含む炭素鎖セグメントやエーテル結合を含むセグメントは、得られるポリウレタンの柔軟性を向上させるなどの効果をもたらす意味では有用であるが、耐光性などの耐久性能とは二律背反の関係にある。従って、耐光性などの耐久性能を特徴とする本発明では、前記特定のポリエステルポリオールは、ポリウレタンの原料として用いる全ポリエステルポリオールの70モル%を下回らない範囲であることが必要である。
【0018】
また、上記ポリエステルポリオールは、その数平均分子量が1,000〜5,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満であると得られるポリウレタンのウレタン結合濃度が増して接着剤組成物として必要とされる柔軟性が得られ難くなり、一方、数平均分子量が5,000を超えると得られるポリウレタンに必要量のジメチロールアルキル酸を安定して含有させることが困難になる。なお、上記ポリエステルポリオールは、分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを実質的に含有しないことが好ましく、これらのポリアルキレンエーテルセグメントが実質的な量で含まれると、最終的に得られる本発明の接着剤組成物の耐光性、耐熱性および耐水性が低下する。
【0019】
本発明の接着剤組成物における主剤であるポリウレタンは、上記ポリエステルポリオールと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートと、ジメチロールアルキル酸とを必須成分として合成される。合成方法自体はプレポリマー法、一括反応方法など、従来公知の方法および条件でよいが、プレポリマー法が好ましい。
【0020】
本発明で使用する脂肪族または脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなど、およびこれらを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体、ビュレット体、ウレチジオン体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
【0021】
本発明で使用するカルボキシル基含有ジオールとは、炭素数2〜6のジメチロールアルキル酸であり、具体的には、ジメチロールエタン酸、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸およびジメチロールヘキサン酸などが挙げられる。
【0022】
本発明の主剤を構成する必須成分は以上の通りであり、例えば、前記ポリエステルポリオールと、炭素数2〜6のジメチロールアルキル酸と、前記ジイソシアネートとを、イソシアネート当量過剰で反応させ、末端にイソシアネート基を有し、かつ分子中にペンダントカルボキシル基を有するウレタンプレポリマーを合成し、該プレポリマーをエチレンジアミンなどの鎖伸長剤で鎖伸長するとともに、カルボキシル基をリチウム塩とし、さらに前記イソシアネート化合物と反応させて数平均分子量が5,000〜50,000のポリウレタンとする。好ましくはこれらの後半の反応を水中で行なうことによってポリウレタン水性分散体が得られる。上記分子量が5,000未満では、接着剤組成物とした時の接着強度が十分とはいえず、一方、50,000を超えると接着剤組成物とした時の初期粘着性が低下し、接着作業性が悪くなることがある。
【0023】
本発明においてカルボキシル基をリチウム塩とする塩基としては、例えば、金属リチウム、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムなどが挙げられる。該カルボキシル基は、ポリウレタン中において、ポリウレタン1kg当たり0.1〜0.5モルの範囲になるように、ポリウレタン合成時に前記ジメチロールアルキル酸を使用することが好ましい。カルボキシル基の量が上記範囲未満では、ポリウレタン水性分散体の分散安定性が不足し、一方、カルボキシル基の量が上記範囲を超えると、最終的に得られる接着剤組成物の耐水性が低下する。
【0024】
本発明において主剤が含有してはならない分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントとは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールに代表されるポリアルキレンエーテルからなるセグメントである。
【0025】
より具体的には、低分子ポリオールやグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、また、シュークローズ、グルコース、フラクトースなどのシュガー系アルコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミンなどのような活性水素基を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド(以下EOと称する)、プロピレンオキサイド(以下POと称する)、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド、メチルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテルモノマーの単品または混合物から公知の方法により付加重合することで得られるポリアルキレンエーテルからなるセグメントである。
【0026】
通常、これらのポリアルキレンエーテルセグメントは、各種のポリウレタンの水分散体を得ようとする場合に、20重量%以下程度の量で、分散剤成分として、あるいは被分散成分に自己分散性を与える目的で、ポリウレタン中にブロックまたはグラフト重合させられる。これらのセグメントが主剤に含まれると、その分散体は格段に分散安定性を増し、かなり長期に保存することが容易になる。しかしながら、その水に対する親和性が強すぎるため、最終的に得られる接着剤組成物の耐水性の劣化を招きやすく、また、本質的にエーテル結合は酸化されやすく、特に紫外線などによる劣化が著しいために、耐熱性や耐光性を要求される用途には適用が困難である。
【0027】
従って、耐水性、耐熱性、耐光性などの耐久性能を特徴とする本発明の接着剤組成物では、分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを、分散剤成分としても、また、自己分散のためのセグメントとしても、ポリウレタン水性分散体からなる主剤およびポリイソシアネートからなる硬化剤には実質的に含有させないことが必要である。
【0028】
本発明において硬化剤として使用するポリイソシアネートとは、分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有せず、かつ有機溶剤を含有せず、かつイソシアヌレート環を有する数平均分子量800以下のポリイソシアネートである。具体的には、前記脂肪族または脂環族ジイソシアネートからなる三量体などの多価イソシアヌレート体および分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有しないこれらの多価イソシアヌレート体の変成体である。
【0029】
本発明の接着剤組成物は、前記主剤と上記硬化剤とを混合して得られる。混合方法としては、両者を均一に混合できる方法であれば何れの方法でもよいが、強力な混合作用を有する機械的分散装置、例えば、ディゾルバーなどを使用することが好ましい。主剤と硬化剤との混合比は、固形分比で主剤100重量部当たり、硬化剤0.5〜20重量部の範囲が好ましい。このようにして得られる本発明の接着剤組成物は水性分散体であり、その固形分濃度は約20〜50重量%程度が好ましい。
【0030】
本発明を制限するものではないが、さらに本発明の接着剤組成物の耐光性を良好ならしめる目的で、該接着剤組成物中に光安定剤および/または紫外線吸収剤などを含有させてもよい。その場合は、ヒンダードアミン系光安定剤および/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、上記接着剤組成物に0.01〜5重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0031】
また、本発明の接着剤組成物の粘度調整などの目的で、該接着剤組成物を水などで希釈することもできる。この場合、水と相溶しない有機溶剤は使用できない。また、水と相溶する有機溶剤であってもポリウレタン分散体の安定性などに悪影響を与える有機溶剤は使用すべきではない。
【0032】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
1,6−ヘキサンジオール660部、1,9−ノナンジオール912部、コハク酸590部、アゼライン酸940部からなるポリエステルジオール(分子量2,000)[a−1]1,000部、ジメチロールブタン酸61部、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)393部をアセトン364部の存在下、75℃で8時間反応させてNCO含有率2.31%、カルボキシル基含有量0.34モル/kg(プレポリマー樹脂)のウレタンプレポリマー[a−2]を得た。
【0033】
このウレタンプレポリマー[a−2]100部に、水267部、水酸化リチウム0.495部、エチレンジアミン2.3部を加え、末端アミノ基型ポリウレタン水性分散体[a−3]を得た。
【0034】
その後、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート6.7部を加え、さらに減圧してアセトンを除去し、不揮発分35%のポリウレタン水性分散体[a−4](カルボキシル基含有量0.31モル/kgポリウレタン)を得た。
【0035】
このポリウレタン水性分散体[a−4]100部を主剤とし、コロネートHX[ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート、数平均分子量約700:日本ポリウレタン製]5部を硬化剤として、両者を分散装置(ホモジナイザー)にて5分間分散混合し、本発明の接着剤組成物[A]を得た。
【0036】
比較例1
実施例1で使用したポリエステルジオール[a−1]1,000部、ジメチロールブタン酸122部、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)545部をアセトン417部の存在下、75℃で8時間反応させてNCO含有率2.33%、カルボキシル基含有量0.6モル/kg(プレポリマー樹脂)のウレタンプレポリマー[b−1]を得た。
【0037】
このウレタンプレポリマー[b−1]100部に、水267部、水酸化リチウム0.846部、エチレンジアミン2.9部を加え、末端アミノ基型ポリウレタン水性分散体[b−2]を得た。
【0038】
その後、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート6.7部を加え、さらに減圧してアセトンを除去し、不揮発分35%のポリウレタン水性分散体[b−3](カルボキシル基含有量0.55モル/kgポリウレタン)を得た。以下実施例1と同様にして、接着剤組成物[B]を得た。
【0039】
比較例2
実施例1のポリエステルジオール[a−1]1,000部のところを、3−メチル−1,5−ペンタンジオール660部、1,9−ノナンジオール912部、コハク酸590部およびアゼライン酸940部からなるポリエステルジオール[f−1]1,000部(分子量2,000)とし、以下実施例1と同様にして、接着剤組成物[C]を得た。
【0040】
比較例3
実施例1で使用したポリエステルジオール[a−1]1,000部、ジメチロールブタン酸61部、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)375部をアセトン359部の存在下、75℃で8時間反応させてNCO含有率2.31%、カルボキシル基含有量0.350モル/kg(プレポリマー樹脂)のウレタンプレポリマー[g−1]を得た。以下実施例1と同様にして、接着剤組成物[D]を得た。
【0041】
比較例4
実施例1で使用したウレタンプレポリマー[a−2]100部に水267部、水酸化ナトリウム0.825部、エチレンジアミン2.3部を加えたが、樹脂分が分離沈降した。従って、評価し得る接着剤組成物[E]は得られなかった。
【0042】
比較例5
実施例1で使用したウレタンプレポリマー[a−2]100部に、水267部、トリエチルアミン2.08部、エチレンジアミン2.3部を加え、末端アミノ基型ポリウレタン水性分散体[i−1]を得た。以下実施例1と同様にして、接着剤組成物[F]を得た。
【0043】
比較例6
実施例1で使用したポリウレタン水性分散体[a−3]100部を主剤として、デュラネート24A−100[ヘキサンジイソシアネートのビウレット体、数平均分子量約650:旭化成製]5部を硬化剤として、両者を分散装置(ホモジナイザー)にて5分間分散混合し、接着剤組成物[G]を得た。
【0044】
比較例7
実施例1で使用したポリウレタン水性分散体[a−3]100部を主剤として、コロネートHX100部とニューコール806[ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ポリエチレンエーテルセグメント分子量約1,200):日本乳化剤(株)製]10部を80℃で8時間反応させた末端イソシアネート性生成物[k−1]5部を硬化剤として、両者を分散装置(ホモジナイザー)にて5分間分散混合し、接着剤組成物[H]を得た。
【0045】
比較例8
実施例1で使用したポリウレタン水性分散体[a−3]100部を主剤として、コロネートHX100部とエチレングリコール4.4部を80℃で8時間反応させて得られた末端イソシアネート性生成物[l−1](数平均分子量1,500)5部を硬化剤として、両者を分散装置(ホモジナイザー)にて5分間分散混合したが、両者は十分に混合分散せず、接着剤組成物[I]は得られなかった。
【0046】
[耐熱水性試験方法]
前記実施例1および比較例1〜8の接着剤組成物A〜Iを、厚み15μmのナイロンフイルムに固形分塗工量で5g/m2の割合で塗布し、水分を蒸発させた後、その面に厚み60μmのレトルト用ポリプロピレンフイルムを常法により貼り合せ、40℃で96時間熟成してレトルト食品用積層シートを作成した。この包材で常法により作成した袋に水を真空充填した後密封した後、120℃で30分間加圧加熱殺菌処理した後の積層シートの外観、積層シートの剥離や浮きの有無を観察した。
○:積層シートに浮きや剥離が認められない。
△:積層シートの一部に浮きや剥離が認められる。
×:積層シートの全体に浮きや剥離が認められる。
【0047】
[耐熱性試験方法(強度)]
上記積層シートを100℃のオーブン中で1,000時間加熱し、加熱前後の接着強度の変化を調べた。
○:殆ど強度の変化なし。
△:やや強度が低下した。
×:著しく強度が低下した。
[耐熱性試験方法(臭気)]
上記積層シートを刻んで三角フラスコに入れ密栓した後、500Wの電子レンジで2分間加熱した場合の臭気の発生を調べた。
○:アミン臭気の発生は認められない。
△:僅かにアミン臭気の発生が認められる。
×:強くアミン臭気の発生が認められる。
【0048】
[耐光性試験方法]
前記実施例および比較例の接着剤組成物を、厚み50μmのアクリルフイルムに固形分塗工量で5g/m2の割合で塗布し、水分を蒸発させた後、その面に同じアクリルフイルムを常法により貼り合せ、40℃で96時間熟成して積層フイルムを得た。この積層フイルムにキセノンランプを200時間照射し、照射前後の接着強度の変化を調べた。また、同時に照射前後の変色の度合いも調べた。
接着強度
○:殆ど強度の変化なし。
△:やや強度が低下した。
×:著しく強度が著しく低下した。
変色
○:殆ど変色が認められない。
△:やや変色が認められる。
×:著しい変色が認められる。
【0049】
【0050】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、特に耐光性に優れたポリウレタン水性接着剤組成物が提供される。本発明の接着剤組成物は、各種用途に有用であるとともに、特に自動販売機用の展示見本、照明シェード、電子レンジ加熱食品包材などに使用される接着剤組成物として好適である。
Claims (4)
- ポリエステルポリオールセグメントと、脂肪族または脂環族ジイソシアネートセグメントと、ジメチロールアルキル酸セグメントとを有するカルボキシル基含有ポリウレタンであって、該カルボキシル基がリチウムと塩を形成して水に分散しているポリウレタン水性分散体からなる主剤と、硬化剤とを含有し、該硬化剤が、分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有せず、有機溶剤を含有せずかつイソシアヌレート環を有する数平均分子量800以下のポリイソシアネートであり、上記主剤と硬化剤とが機械的分散装置によって混合されていることを特徴とする接着剤組成物。
- ポリウレタンの数平均分子量が、5,000〜50,000である請求項1に記載の接着剤組成物。
- ポリウレタンが、炭素数2〜9の直鎖アルキル基がエステル結合を介して結合しているモノマー成分が全モノマー成分の70モル%以上を占め、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオールセグメントを70重量%以上含有し、かつ分子量200以上のポリアルキレンエーテルセグメントを含有しない請求項1に記載の接着剤組成物。
- ジメチロールアルキル酸セグメントが、炭素数2〜6のジメチロールアルキル酸からなり、ポリウレタン1kg当たり0.1〜0.5モルの割合で含有されている請求項1に記載の接着剤組成物。
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