JP4179636B2 - 歯科用重合性組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、光重合および化学重合のいずれの方法でも重合し、重合前後の色調変化が小さく、硬化物の色調安定性に優れ、表面硬化性に優れ、しかも重合時間の短い、新規な歯科用重合性組成物に関する。
本発明の歯科用重合性組成物は前記した優れた特性を活かして、歯科用の接着剤、合着材、コンポジットレジン、表面処理剤、オペークプライマーなどとして有効に用いることができる。
技術背景
近年、重合性樹脂材料は、随意に所望の形態にすることができるという優れた操作性、天然の組織とそっくりに修復し得る良好な審美性、高強度などの特性から、歯科用重合性組成物として歯科治療全般に広く使用されるに至っている。
特に、1959年に頒布された米国特許第3,066,112号明細書によって、多官能アクリル系重合性樹脂のウ蝕治療への応用が提案されて以来、常温で化学重合し得る材料が歯科治療の分野で多数実用化されてきた。その後、化学重合型の材料の進歩と並行して、ベンゾインメチルエーテル等を使用する紫外線重合型の歯科用材料が提案された(特開昭47−247号公報等)。
さらに、カンファーキノンを使用する光線重合型の歯科用材料の提案(特開昭48−49875号公報)など、種々の重合方式を採用した製品が多数開発されてきた。
以後、歯科用充填剤としてはカンファーキノンを配合した光重合型材料が一般に使用されている。
また、金属製クラウンやインレー、アンレーの合着等のような、光を照射しても有効量の光が到達しない用途には化学重合型の歯科用材料が使用されている。
さらに、特開昭60−32810号公報には、α−ジケトン化合物の1種であるカンファーキノン、有機過酸化物およびアミンからなる触媒系を含有する歯科用組成物が記載されていて、この歯科用組成物を用いると表面での未重合層厚みが少なくなることが記載されている。
また、特開昭60−89407号公報には、前記と同様の組成を有する触媒系を含有する歯科用組成物が非常に深い硬化深度を達成できることが記載されている。
カンファーキノン、有機過酸化物およびアミンからなる触媒系を含有するこれらの歯科用組成物は、化学重合性と光重合性の両方の機能を有する。このような組成物は、修復物等の表面に対しては光重合の機能により容易に高い重合率にまで重合を進めることが出来、そして重合に必要な光が十分到達できない深い部位でも化学重合させ得る点が評価されて、歯科用の接着剤や合着材に広く使用されてきた。
しかしながら、カンファーキノンはそれ自身が鮮黄色の色調を持ち、これを配合した重合性組成物は歯科用材料としては不適当な黄色の色調を有する。さらに、カンファーキノンを含有する重合性組成物は、光の照射によりその鮮黄色が退色し、重合前後で色調が大きく変化する。近年、歯科治療における患者の審美的要求は大きく高まっており、鮮黄色の色調および重合前後での色調変化は好ましくないとされている。
また、化学重合性組成物に広く用いられているベンゾイルパーオキサイド重合開始剤と第3級アミン類などの還元剤の組み合わせは、それらを含有する組成物から得られる硬化物の色が熱水に晒されると変化し易く、色調安定性の点で問題がある。
上記の問題を解決する目的で、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイドを含有する歯科用組成物が提案されている(特公平6−55654号公報)。しかし、アシルホスフィンオキサイドを光重合開始剤として含有する光重合性組成物から得られる重合硬化物は、色調安定性の点では優れているものの、カンファーキノンを含有する重合性組成物に比較して硬化深度が浅いために、深部での硬化が十分に行われないという欠点がある。
また、歯科用材料に用いる重合性単量体の一部として、重合可能な不飽和基と共に酸性基を有する酸性単量体を使用して、歯質と重合性組成物との親和性を向上させ、歯質と硬化物との間の接着強度を高める技術も実用化されつつある。しかしながら、酸性単量体の使用は前記のような利点がある一方で、それを含有する重合性組成物を歯質に付与して重合させたときに、未重合層厚さが大きくなり、硬化物の硬度が不十分になる恐れがある。
さらに、臨床的には治療時間の短いほど患者の負担が少なくなるので、重合速度が高くて短時間で硬化する歯科用材料が求められている。
したがって、本発明の目的は、それ自体で歯科用材料として適した色調を有し、重合前後(硬化前後)での色調の変化が小さく、硬化深度が大きくて深部でも十分な硬度および強度を有する硬化物を生成することのできる歯科用重合性組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記した特性を有すると共に、表面における未重合層厚さが小さくて硬度の大きな硬化物を生成することができ、重合速度が大きくて短時間で硬化させることができ、しかも歯質との接着性に優れる、歯科用の重合性組成物を提供することである。
発明の開示
本発明者らが上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、重合可能なオレフィン性不飽和基を有する単量体を含有する重合性組成物において、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイドを、化学重合開始剤として有機過酸化物を、還元剤として第3級アミン並びに芳香族スルフィン酸および/またはその塩を組み合わせて用いると、それにより得られる重合性組成物が、光重合および化学重合のいずれの方式でも優れた硬化性能を示すこと、歯科用に適した色調を有していること、重合前後(硬化前後)での色調変化が小さいこと、耐光性に優れ褪色が小さいことを見いだした。
さらに、本発明者らは、その重合性組成物が、表面での未重合層厚さが小さくて硬度の高い硬化物を生成すること、硬化深度が大きくて深部でも十分な硬度および強度を有する硬化物になること、暗所での耐熱水変着色性に優れていて口窩中で熱水に晒されても変着色しにくいことを見い出した。
また、本発明者らは、前記した重合性組成物において、その重合性単量体の一部として、重合可能なオレフィン性不飽和基と共に酸性基を有する単量体を用いると、前記した種々の優れた特性を維持しながら、歯質との接着強度がより向上することを見い出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
本発明者らの見い出した前記の重合性組成物が、前記の優れた諸特性を有する理由は明確ではないが、該重合性組成物で(b)成分として用いるアシルホスフィンオキサイドの量子収率が高いために、照射表面に極めて多くのラジカルが発生し、その重合熱および表面の高濃度ラジカルによって有機過酸化物の誘発分解が働いた結果によるものと推測される。
したがって、本発明は、重合可能なオレフィン性不飽和基を有する単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)、並びに芳香族スルフィン酸および/またはその塩(e)を含有することを特徴とする歯科用重合性組成物である。
そして、本発明では、単量体(a)の一部として、重合可能なオレフィン性不飽和基と酸性基を有する単量体を含有している前記の歯科用重合性組成物を好ましい態様として包含する。
発明を実施するための形態
本発明で用いる単量体(a)は、重合可能なオレフィン性不飽和基を有する単量体であればいずれも使用できる。そのうちでも、単量体(a)としては、重合操作の簡便性および生体に対する安全性の点から、(メタ)アクリレート系単量体が好ましく用いられる。
本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリレート系単量体は、単官能の(メタ)アクリレート系単量体であっても、多官能の(メタ)アクリレート系単量体であってもいずれでもよい。
単官能の(メタ)アクリレート系単量体としては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜12のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸の炭素数6〜12の芳香族基を含むエステルが好ましく用いられ、エステルを形成しているアルキル基や芳香族基は水酸基などの置換基やエーテル結合などを有していてもよい。
単官能の(メタ)アクリレート系単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、多官能の(メタ)アクリレート系単量体の好ましい例としては、炭素数が2〜20のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、前記したアルキレングリコールオリゴマーのジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAから誘導されるジ(メタ)アクリレート、3官能以上の多価(メタ)アクリレート等であり、さらに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート2モルとジイソシアネート1モルとの反応生成物であるウレタン(メタ)アクリル酸エステル類(例えば特公昭55−33687号公報や特開昭56−152408号公報に開示される多官能型のウレタンモノマー等)などを挙げることができる。
より具体的には、多官能の(メタ)アクリレートの例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAグリシジルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAグリシジルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキサ−3,14−ジオキソ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチルシクロヘキサンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチルシクロヘキサンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応生成物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物等を挙げることができる。
本発明の歯科用重合性組成物は、前記した(メタ)アクリレート系単量体の1種または2種以上を含有していることができる。そのうちでも、本発明の歯科用重合性組成物は、単官能の(メタ)アクリレート系単量体の少なくとも1種と多官能の(メタ)アクリレート系単量体の少なくとも1種を含有していることが、取り扱い性、硬化性、得られる硬化物の物性などの点から好ましい。
また、本発明の歯科用重合性組成物を、歯科用の接着剤や合着材等として使用する場合には、単量体(a)の一部として、歯質や金属との接着促進効果を有する強極性モノマー、特に重合可能なオレフィン性不飽和基と共に酸性基を有する単量体(以下「酸性単量体」という)を含有していることが好ましい。
本発明の歯科用重合性組成物が酸性単量体を含有する場合は、単量体(a)の全重量に基づいて酸性単量体の含有量が1〜70重量%であることが好ましく、5〜50重量%であることがより好ましい。酸性単量体の含有量が70重量%を超えると硬化不良になり易い。
酸性単量体の有する酸性基の例としては、下記に示すようなリン酸、ジホスフェートまたはそれらの誘導体に由来する基、
Figure 0004179636
カルボキシル基(−COOH)、カルボハライド基(−COZ)(式中Zはハロゲン原子を示す)、カルボン酸無水物基などを挙げることができる。
前記した酸性基を有する酸性単量体の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 0004179636
Figure 0004179636
Figure 0004179636
Figure 0004179636
本発明では、単量体(a)の一部として、上記した酸性単量体の1種または2種以上を、酸性基を持たない上記した(メタ)アクリレート系の1種または2種以上と共に用いることができる。
本発明で用いるアシルホスフィンオキサイド(b)は、主に光重合開始剤として作用し、光照射により歯科用重合性組成物中の単量体(a)の重合を開始させる。
本発明で用いるアシルホスフィンオキサイド(b)としては、光を照射したときに単量体(a)の重合を開始させ得るアシルホスフィンオキサイドであればいずれも使用でき、そのうちでも、下記の一般式(I)で表されるアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004179636
[式中、R1はアルキル基またはアリール基、R2はアルキル基、アリール基または式−OR3で表される基(式中R3はアルキル基またはアリール基を示す)を示し、Acはアシル基を示す。]
そのうちでも、本発明ではアシルホスフィンオキサイド(b)として、上記した一般式(I)において、R1とR2が置換されていてもよいフェニル基であり且つAcが置換されていてもよいベンゾイル基である(置換)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、R1が置換されていてもよいフェニル基であり、R2が式−OR3で表される基であり、且つAcが置換されていてもよいベンゾイル基であるベンゾイルフェニルホスフィン酸エステルがが好ましく用いられる。
本発明で好ましく用い得るベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよびベンゾイルフェニルホスフィン酸エステルの具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸フェニルエステル等を挙げることができ、これらの化合物の1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、本発明ではアシルホスフィンオキサイド(b)として、下記の化学式(II)で表される2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよび/または化学式(III)で表される2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸アルキルエステルが、安定性の点から特に好ましく用いられる。
Figure 0004179636
歯科用重合性組成物におけるアシルホスフィンオキサイド(b)の含有量は、歯科用重合性組成物の光感度を適度に調節する点から、単量体(a)の重量に基づいて、0.05〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
また、本発明で使用する有機過酸化物(c)は、熱またはレドックス反応によって単量体(a)の重合を開始し得る有機過酸化物であればいずれでもよく、そのうちでもジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物が好ましく用いられる。ジアシルパーオキサイド類の具体例としてはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等を挙げることができる。また、パーオキシエステル類の具体例としてはt−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。ジアルキルパーオキサイド類の具体例としてはジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等を挙ることができる。また、パーオキシケタール類の具体例としては1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。そして、ケトンパーオキサイド類の具体例としてはメチルエチルケトンパーオキサイド等を、またハイドロパーオキサイド類の具体例としてはt−ブチルハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。これらの有機過酸化物は1種類のみを用いてもまたは2種以上を用いてもよい。
本発明の歯科用重合性組成物における有機過酸化物(c)の含有量は、歯科用重合性組成物に適度な重合速度を与えるために、単量体(a)の重量に基づいて、0.05〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
また、本発明で用いる第3級アミン(d)は主として還元剤として働く。第3級アミン(d)としては、アシルホスフィンオキサイド(b)および有機過酸化物(c)の存在下に、芳香族スルフィン酸またはその塩と共に還元剤として働く第3級アミン(d)であればいずれでもよく、芳香族第3級アミンおよび/または脂肪族第3級アミンのいずれであってもよい。芳香族第3級アミン(d)の具体例としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジt−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジi−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジt−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル等を挙げることができる。また、脂肪族第3級アミン(d)の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート等を挙げることができる。
本発明では、これらの第3級アミンの1種または2種以上を用いることができる。
本発明の歯科用重合性組成物における第3級アミン(d)の含有量は、適度な重合速度を与え、且つ変色を抑制する点から、単量体(a)の重量に基づいて、0.05〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
また、本発明で用いる芳香族スルフィン酸またはその塩(e)(以下「芳香族スルフィン酸(塩)(e)」という)は、主として還元剤として働く。芳香族スルフィン酸(塩)(e)としては、アシルホスフィンオキサイド(b)および有機過酸化物(c)の存在下に、第3級アミン(d)と共に還元剤として働く芳香族スルフィン酸(塩)であればいずれでもよく、芳香族スルフィン酸(塩)の具体例としては、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等を挙げることができる。本発明の歯科用重合性組成物では、これらの芳香族スルフィン酸(塩)の1種または2種以上を用いることができる。
本発明の歯科用重合性組成物における芳香族スルフィン酸(塩)(e)の含有量は、適度な重合速度を与える点から、単量体(a)の重量に基づいて、0.05〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
本発明の歯科用重合性組成物は、単量体(a)と共に、上記したアシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有することが必要である。
歯科用重合性組成物がアシルホスフィンオキサイド(b)を含有せず、その代わりにカンファーキノンを含有する場合は、該組成物より得られる硬化物の表面未重合層厚さが大きくなって硬度が低下し、硬化物の耐光性が低下し、重合前後の色調変化が大きくなる。また、歯科用重合性組成物が第3級アミン(d)を含有しない場合は、組成物を硬化したときの硬化深度が浅くなる。また、歯科用重合性組成物が芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有しない場合は、該組成物より得られる硬化物の表面未重合層厚さが大きくなって硬度が低下し、耐光性が低下し、しかも重合前後の色調変化が大きくなる。
本発明の歯科用重合性組成物は、保存時や流通時などの使用前の段階では、組成物の安定性などの点から、有機過酸化物(c)を第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)と分離した状態にして、多分割式の包装形態にしておくのがよい。その際の包装形態としては、例えば、(i)単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)および有機過酸化物(c)を混合して第1包装とし、第3級アミン(d)と芳香族スルフィン酸(塩)(e)を混合して第2包装とする2分割式の包装;(ii)単量体(a)の一部とアシルホスフィンオキサイド(b)および有機過酸化物(c)を混合して第1包装とし、単量体(a)の残りの部分と第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を混合して第2包装とする2分割式の包装;(iii)単量体(a)と有機過酸化物(c)を混合して第1包装とし、アシルホスフィンオキサイド(b)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を混合して第2包装とする2分割式の包装;(iv)単量体(a)の一部とアシルホスフィンオキサイド(b)および有機過酸化物(c)を混合して第1包装とし、単量体(a)の一部と第3級アミン(d)を混合して第2包装とし、単量体(a)の残りの部分と芳香族スルフィン酸(塩)(e)を混合して第3包装とする3分割式の包装などを挙げることができる。
本発明の歯科用重合性組成物は、上記した成分と共に、必要に応じて充填剤を含有していてもよい。特に、本発明の歯科用重合性組成物が、歯科用の合着材またはコンポジットレジンである場合は、充填剤を含有することが硬化物の強度の点から好ましい。
歯科用重合性組成物における充填剤の含有量は、単量体(a):充填剤=100:0〜10:90(重量比)であることが好ましい。特に、本発明の歯科用重合性組成物が合着材またはコンポジットレジンである場合は、単量体(a):充填剤=80:20〜10:90(重量比)の範囲で充填剤を含有していることが好ましく、また接着剤である場合は70:30〜100:0(重量比)の範囲で充填剤を含有していることが好ましい。
充填剤は、無機充填剤、有機充填剤、無機・有機複合充填剤、または無機充填剤と有機充填剤の併用などのいずれであってもよい。
無機充填剤の例としてはソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミナムボロシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、結晶石英、溶融シリカ、合成シリカ、アルミナシリケート、無定形シリカ、ガラスセラミックまたはこれらの混合物等を挙げることができる。
無機充填剤の粒径は特に制限されないが、一般に150μm以下であることが均一混合性などの点から好ましく、100μm以下であることがより好ましい。必要に応じて、粒径の異なる無機充填剤を数種類混合して用いてもよい。
無機充填剤は単量体(a)や重合後の硬化物などとの親和性を向上させるために表面処理をしておくことが好ましい。表面処理剤としては、従来公知のシラン系化合物(シラン系カップリング剤)などを用いることができ、具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
有機充填剤としては、有機重合体粉末などを挙げることができ、例えば、単量体(a)を予め重合して得られた重合体の粉末などを用いることができる。
また、無機充填剤の分散下に重合性単量体を重合して得られる複合粉末を充填剤として用いてもよい。
また、フッ素徐放性充填剤、例えば特開平10−36116号公報などに記載されているようなポリシロキサン被覆金属フッ化物などを本発明の歯科用重合性組成物に含有させてもよく、その場合は虫歯の予防効果を有する歯科用重合性組成物を得ることができる。
本発明の歯科用光重合性組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤を含有することができる。溶剤の具体例としては、水、エタノール、i−プロパノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができ、これらの溶剤の1種のみを用いてもまたは2種以上を用いてもよい。
本発明の重合性組成物は、レジンセメント、レジン強化型グラスアイオノマーセメントなど歯科用の合着材;充填修復材、支台築造材、シーラント(小窩裂溝充填剤)などの歯科用コンポジットレジンおよび歯科用コンポマー;歯質用ボンデイング剤、歯科矯正器具用の接着剤などの歯科用接着剤;歯面処理剤(プライマー);オペークプライマーなどの種々の歯科用途に有効に用いることができる。
本発明の歯科用重合性組成物をコンポジットレジンとして用いる場合は、硬化深度が大きいため、深い窩洞でも一括充填が可能となり、深部においても硬度の高い硬化物を与え、しかも変色が少なく審美性を保つ効果が大きい。
また、本発明の歯科用重合性組成物を歯科用の合着材として用いる場合は、表面硬化性が大きいのでセメントラインの摩耗を防くことができ、しかも変色が少ないので審美性を保つ効果が大きい。
本発明の歯科用重合性組成物を歯科用接着剤として用いる場合は、重合速度が大きいので接着操作が簡便になり、コンポジットレジンなどの他の修復材料を用いての処理が容易になる。
また、本発明の歯科用重合性組成物を歯面処理剤(プライマー)として用いる場合は、歯質に浸透した組成物の硬化性に優れるため、接着力が改善される。
さらに、本発明の重合性組成物は、必要に応じて、歯科用途以外の、一般工業用のコーティング剤、接着剤、充填剤等として用いることもできる。
実施例
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合性組成物または重合後の硬化物の物性の測定は次のようにして行った。
(1)表面未重合層厚さ:
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し混和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径10mm、厚さ1mmのテフロン製の型に充填し、表面を平滑にした後、歯科用光線照射器(モリタ製作所製「ライテルII」)にて20秒間照射した。照射後に、表面の未重合部分を拭き取り、その前後の重量変化より未重合層部分の厚さを算出した。
(2)ブリネル硬度:
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し練和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径10mm、厚さ5mmの金型に充填した後、ガラス板で圧接し、37℃の暗所に30分間放置して化学重合硬化物を製造した。得られた硬化物のガラス圧接面についてミクロブリネル硬さ試験器(森試験機製作所製)を用いて表面のブリネル硬度を計測した。
(3)硬化深度:
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し練和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径4mm、高さ12mmの金型に充填した後、カバーガラスで被覆し、その上から歯科用光線照射器(モリタ製作所製「ライテルII」)で20秒間照射した。照射直後に硬化物を金型から取り出し、未重合部分をワイパーで拭き取り、硬化物の高さをノギスで計測して硬化深度とした。
(4)耐光性(ΔE1):
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し練和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径20mm、厚さ1mmの金型に充填し、歯科用光線照射器(モリタ東京製作所製「α−ライトII」)で5分間光照射して重合硬化物を製造した。該重合硬化物の半分をアルミホイルで被覆し、37℃の水中にて150000ルクスの光を24時間照射した。非照射面(アルミホイル被覆面)および照射面の色調を色差計(日本電色製「Σ90」)を用いて、L*a*b*表色系で測定して、両者の色差(ΔE1)を、式:ΔE1=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2により求めて、耐光性の指標とした。
(5)重合前後の色調変化(ΔE2):
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し練和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径20mm、厚さ1mmの金型に充填して、その色調を色差計(日本電色製「Σ90」)を用いて、L*a*b*表色系で計測した。次に、歯科用重合器(モリタ東京製作所製「α−ライトII」)で5分間照射し、それにより得られた硬化物の色調を同様にして計測し、重合前後の色調変化を式:ΔE2=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2から求めた。
(6)暗所熱水耐変着色性(ΔE3):
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取し練和してそれぞれの歯科用重合性組成物を調製し、それを直径20mm、厚さ1mmの金型に充填して、37℃の暗所に30分間放置して重合させて硬化物を製造した。それにより得られた硬化物の色調を色差計(日本電色製「Σ90」)を用いて、L*a*b*表色系による色度にて計測した。次に、その硬化物を70℃の熱水(精製水)中に入れて暗所で1週間浸漬した後、水中から取り出して、その色調を同様にして測定し、熱水に浸漬する前後の色調変化を式:ΔE3=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2として求めた。
(7)光重合時間:
以下の実施例または比較例における組成物Aと組成物Bを等量秤取して練和した後、直ちに熱電対の先端を混和物(歯科用重合性組成物)中に挿入し、歯科用光線照射器(モリタ製作所製「ライテルII」)で光照射した。熱電対で測定した重合熱の温度が最高になるまでに要した時間を光重合時間とした。
《実施例1〜3および比較例1〜2》
(i) 単量体(a)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(以下「Bis−GMA」と略記することがある)、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下「TEGDMA」と略記することがある)、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(以下「MDP」と略記することがある)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下「HEMA」と略記することがある)を使用し、さらにアシルホスフィンオキサイド(b)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステルを、有機過酸化物(c)としてベンゾイルパーオキサイドを、第3級アミン(d)としてN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン(以下「ジエタノール−p−トルイジン」と略記することがある)を、芳香族スルフィン酸(塩)(e)としてベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、カンファーキノン、石英粉末およびポリシロキンサンで被覆したフッ化ナトリウムと共に下記の表1に示す量で用いて、下記の表1の組成物Aと組成物Bとからなる2分割式の歯科用重合性組成物をそれぞれ調製した。
(ii) 上記(i)で調製した歯科用重合性組成物を用いて、上記した方法で歯科用重合性組成物から得られた硬化物の表面未重合層厚さ、ブリネル硬度および耐光性を測定したところ、下記の表1に示すとおりの結果であった。
Figure 0004179636
上記の表1の結果から、単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有する実施例1〜3の歯科用重合性組成物は、表面未重合層厚さが小さく表面硬化性に優れ、ブリネル硬度が高く化学硬化性に優れ、しかもΔE1の値が小さくて耐光性に優れていることがわかる。
一方、アシルホスフィンオキサイド(b)を含有しない比較例1の歯科用重合性組成物、およびは、表面未重合層厚さが実施例1〜3に比べて大きくて表面硬化性に劣っていること、しかもΔE1の値も実施例1〜3に比べて大きく、耐光性の点でも劣っていることがわかる。
また、芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有しない比較的2の歯科用重合性組成物は、表面未重合層厚さが実施例1〜3に比べて大幅に厚くなっており、表面硬化性に大きく劣っていること、ブリネル硬度が実施例1〜3に比べて大幅に低く化学硬化性に劣っていること、しかもΔE1の値も実施例1〜3に比べて大きく耐光性の点でも劣っていることがわかる。
《実施例4〜6および比較例3〜4》
(i) 単量体(a)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bis−GMA)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)を使用し、さらにアシルホスフィンオキサイド(b)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステルを、有機過酸化物(c)としてベンゾイルパーオキサイドを、第3級アミン(d)としてジエタノール−p−トルイジンまたは4−ジメチルアミノ安息香酸エチルを、芳香族スルフィン酸(塩)(e)としてベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、カンファーキノン、石英粉末およびバリウムガラスと共に下記の表2に示す割合で用いて、下記の表2の組成物Aと組成物Bとからなる2分割式の歯科用重合性組成物をそれぞれ調製した。
(ii) 上記(i)で調製した歯科用重合性組成物を用いて、上記した方法で硬化深度および重合前後の色調変化(ΔE2)を測定したところ下記の表2に示すとおりであった。
Figure 0004179636
上記の表2の結果から、単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有する実施例4〜6の歯科用重合性組成物は、硬化深度が大きくて光重合能が高く、しかも重合前後の色調変化(ΔE2)の値が小さく、色調の点でも優れていることがわかる。
一方、アシルホスフィンオキサイド(b)の代わりにカンファーキノンを含有する比較例3の歯科用重合性組成物は、実施例4〜6の歯科用重合性組成物に比べて、硬化深度が小さくて光重合能が低いこと、しかも重合前後の色調変化(ΔE2)の値が大きく重合前後で色調が大幅に変化してしまうことがわかる。
また、第3級アミン(d)を含有しない比較例4の歯科用重合性組成物は、実施例4〜6の歯科用重合性組成物に比べて、硬化深度が大幅に小さく、光重合能が実施例4〜6に比べて極めて劣っていること、しかも重合前後の色調変化(ΔE2)の値が大きくて重合前後での色調の変化が大きいことがわかる。
《実施例7〜8および比較例5》
(i) 単量体(a)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bis−GMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を使用し、さらにアシルホスフィンオキサイド(b)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステルを、有機過酸化物(c)としてベンゾイルパーオキサイドを、第3級アミン(d)としてジエタノール−p−トルイジンを、芳香族スルフィン酸(塩)(e)としてベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、カンファーキノン、コロイダルシリカと共に下記の表3に示す量で用いて、下記の表3の組成物Aと組成物Bとからなる2分割式の歯科用重合性組成物をそれぞれ調製した。
(ii) 上記(i)で調製した歯科用重合性組成物を用いて、上記した方法でその光重合時間を測定したところ下記の表3に示すとおりであった。
Figure 0004179636
上記の表3の結果から、単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル)、有機過酸化物(c)(ベンゾイルパーオキサイド)、第3級アミン(d)(ジエタノール−p−トルイジン)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)(ベンゼンスルフィン酸ナトリウム)を含有する実施例7および8の歯科用重合性組成物は、光重合時間が短く、短時間の光照射によって重合硬化させ得ることがわかる。
一方、アシルホスフィンオキサイド(b)の代わりにカンファーキノンを含有する比較例5の歯科用重合性組成物は、実施例7および8に比べて光重合時間が長く、光照射をした場合に重合硬化に長い時間を要することがわかる。
《実施例9〜10および比較例6》
(i) 単量体(a)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bis−GMA)及びトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)を用い、更にアシルホスフィンオキサイド(b)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド又は2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステルを、有機過酸化物(c)としてベンゾイルパーオキサイドを、第3級アミン(d)としてジエタノール−p−トルイジンを、芳香族スルフィン酸(塩)(e)としてベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、カンファーキノン及び石英粉末と共に下記の表4に示す割合で用いて、下記の表4の組成物Aと組成物Bとからなる2分割式の歯科用重合性組成物の各々を調製した。
(ii) 上記(i)で調製した歯科用重合性組成物を用いて、上記した方法でブリネル硬度および硬化深度を測定したところ下記の表4に示すとおりであった。
Figure 0004179636
上記の表4の結果から、単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有する実施例9および10の歯科用重合性組成物は、第3級アミン(d)を含有しない比較例6の歯科用重合性組成物に比べて、ブリネル硬度が大きくて化学硬化能に優れており、しかも硬化深度が大きくて光重合性にも優れていることがわかる。
《実施例11〜12および比較例7》
(i) 単量体(a)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bis−GMA)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)を使用し、さらにアシルホスフィンオキサイド(b)として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステルを、有機過酸化物(c)としてベンゾイルパーオキサイドを、第3級アミン(d)としてジエタノール−p−トルイジンを、芳香族スルフィン酸(塩)(e)としてベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、カンファーキノンと共に下記の表5に示す割合で用いて、下記の表5の組成物Aと組成物Bとからなる2分割式の歯科用重合性組成物をそれぞれ調製した。
(ii) 上記(i)で調製した歯科用重合性組成物を用いて、上記した方法で耐光性(ΔE1)、重合前後の色調変化(ΔE2)および暗所熱水耐変着色性(ΔE3)を測定したところ、下記の表5に示すとおりであった。
Figure 0004179636
上記の表5の結果から、単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸(塩)(e)を含有する実施例11および12の歯科用重合性組成物は、アシルホスフィンオキサイド(b)を含有しない比較例7の歯科用重合性組成物に比べて、耐光性(ΔE1)の値が極めて小さく、耐光性に優れていること、重合前後の色調変化(ΔE2)の値が極めて小さくて色調が良好であること、しかも暗所熱水耐変着色性(ΔE3)の値が小さくて暗所で熱水中においても変色や着色が少ないことがわかる。
産業上の利用可能性
本発明の歯科用重合性組成物は、光重合および化学重合のいずれの方式でも優れた硬化性能を有する。
しかも、本発明の歯科用重合性組成物は、それ自体で歯科用に適した色調を有しており、さらに重合前後(硬化前後)での色調変化が小さく、耐光性に優れ、褪色が小さい。
そして、本発明の歯科用重合性組成物は、表面の未重合層厚さが小さくて硬度の高い硬化物を生成することができ、さらに硬化深度が大きくて深部でも十分な硬度および強度を有する硬化物を生成することができる。
また、本発明の歯科用重合性組成物は、暗所での耐熱水変着色性に優れていて口窩中で熱水に晒されても変色および着色しにくい。
さらに、本発明の歯科用重合性組成物は歯質や金属などとの接着性に優れており、特に単量体(a)の一部として酸性基を有する酸性単量体と用いる場合は、接着性が一層良好である。
したがって、本発明の重合性組成物は、上記した優れた特性を活かして、レジンセメント、レジン強化型グラスアイオノマーセメントなど歯科用の合着材;充填修復材、支台築造材、シーラント(小窩裂溝充填剤)などの歯科用コンポジットレジンおよび歯科用コンポマー;歯質用ボンデイング剤、歯科矯正器具用の接着剤などの歯科用接着剤;歯面処理剤(プライマー);オペークプライマーなどの種々の歯科用途に有効に用いることができる。
特に、本発明の歯科用重合性組成物をコンポジットレジンとして用いる場合は、硬化深度が大きいため、深い窩洞でも一括充填が可能となり、深部においても硬度の高い硬化物を与え、しかも変色が少なく審美性を保つ効果が大きい。
そして、本発明の歯科用重合性組成物を歯科用の合着材として用いる場合は、表面硬化性が大きいのでセメントラインの摩耗を防くことができ、しかも変色が少ないので審美性を保つ効果が大きい。
また、本発明の歯科用重合性組成物を歯科用接着剤として用いる場合は、重合速度が大きいので接着操作が簡便になり、しかもコンポジットレジンなどの他の修復材料の処理が容易になる。
さらに、本発明の歯科用重合性組成物を歯面処理剤(プライマー)として用いる場合は、歯質に浸透した組成物の硬化性に優れるため、接着力が改善されるという効果がある。

Claims (8)

  1. 重合可能なオレフィン性不飽和基を有する単量体(a)、アシルホスフィンオキサイド(b)、有機過酸化物(c)、第3級アミン(d)、並びに芳香族スルフィン酸および/またはその塩(e)を含有することを特徴とする歯科用重合性組成物。
  2. 単量体(a)の一部として、重合可能なオレフィン性不飽和基と酸性基を有する単量体を含有している請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  3. 有機過酸化物(c)が、第3級アミン(d)および芳香族スルフィン酸またはその塩(e)と分割して包装されている請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  4. 単量体(a)の重量に基づいて、アシルホスフィンオキサイド(b)を0.05〜20重量%、有機過酸化物(c)を0.05〜20重量%、第3級アミン(d)を0.05〜10重量%、および芳香族スルフィン酸および/またはその塩(e)を0.05〜10重量%の範囲で含有する請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  5. アシルホスフィンオキサイド(b)が、置換されていてもよいベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよび/または置換されていてもよいベンゾイルフェニルホスフィン酸エステルであり、有機過酸化物(c)がジアシルパーオキサイドである請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  6. アシルホスフィンオキサイド(b)が2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよび/または2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸アルキルエステルであり、有機過酸化物(c)がベンゾイルパーオキサイドである請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  7. 単量体(a)が、(メタ)アクリレート系単量体である請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
  8. 充填剤を、単量体(a):充填剤=99.9:0.1〜10:90の重量比で含有する請求の範囲第1項記載の歯科用重合性組成物。
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