JP4178750B2 - 配線ダクト用電気接続器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線ダクト用電気接続器に関し、詳しくは、器具の幅を広げることなく配線ダクトの導体に電気接続器の接触突部を電気的に安定して接触させることができるようにしようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気接続器Aaは、図9に実開昭64−7789号に示すように、大略筒状をなし長手方向に延びる導体1aを内方に保持するとともに長手方向に連続する開口部2aを有した配線ダクト3aに取り付けられるものであり、このような電気接続器Aaにおいては、配線ダクト3aの開口部2aから挿入される挿入部6aと、配線ダクト3aの長手方向に延びるとともに一端を固定端、他端を自由端として変位可能なように挿入部の内方に対向配設される一対の板ばね17a、17aと、板ばね17aの自由端側に設けられ板ばね17aの変位により挿入部6aの内外に出没して配線ダクト3aの導体1aに接離する接触突部4aと、配線ダクト3aの開口部2aの縁部に係脱するように挿入部6aに設けられる係止突部5aと、挿入部6aから連設されて配線ダクト3aの外部に露出して電気器具が電気的に接続される接続器具部8aと、導体1aへの接触突部4aの接離を操作可能なように接続器具部8aに設けられる操作部と、操作部の操作に従動して板ばね17aを押圧する押圧子19aとを備えているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の電気接続器Aaにおいては、板ばね17a、17aの自由端に取り付けられている接触突部4a、4aは電気接続器Aaの幅方向に対向して配置されていることから、個々の接触突部4aの突出長さを充分に長くすることができず、その分、接触突部4aの導体1aへの接触圧が低くなり、電気的な接続の信頼性が低下するという問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、器具の幅を広げることなく配線ダクトの導体に電気接続器の接触突部を電気的に安定して接触させることができる配線ダクト用電気接続器を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、大略筒状をなし長手方向に延びる導体1を内方に保持するとともに長手方向に連続する開口部2を有した配線ダクト3に取り付けられる配線ダクト用電気接続器であって、配線ダクト3の開口部2から挿入される挿入部6と、配線ダクト3の長手方向に延びるとともに一端を固定端、他端を自由端として変位可能なように挿入部の内方に対向配設される少なくとも一対の板ばね17、17と、板ばね17の自由端側に設けられ板ばね17の変位により挿入部6の内外に出没して配線ダクト3の導体1に接離する接触突部4と、配線ダクト3の開口部2の縁部に係脱するように挿入部6に設けられる係止突部5と、挿入部6から連設されて配線ダクト3の外部に露出して電気器具が電気的に接続される接続器具部8と、導体1への接触突部4の接離を操作可能なように接続器具部8に設けられる操作部9と、操作部9の操作に従動して板ばね17を押圧する押圧子19とを備えた配線ダクト用電気接続器において、上記対向する板ばね17、17の固定端を配線ダクト3の長手方向において互いに反対側に位置させ、対向する板ばね17、17の自由端を固定端よりも電気接続器Aの幅方向の中心側に位置させて各板ばね17、17を配線ダクト3の長手方向に対して傾けてあることを特徴とするものである。
【0006】
このような構成によれば、板ばね17の各々は、固定端が互いに反対側に位置するとともに自由端側が器具の幅方向の中心側に位置するように傾いていることから、板ばね17の自由端に取り付けた接触突部4を器具の幅方向の中心側に没入させておくことができ、接触突部4の突出長さを長くすることができ、したがって、押圧子19にて板ばね17を押圧して接触突部4を充分に突出させることができ、接触突部4を配線ダクト3の導体1に安定的に接触させることができ、信頼性を高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は取り付け操作前の概略断面図、同図(b)は取り付け操作後の概略断面図である。図2(a)は取り付け状態の概略断面図、同図(b)は底面図である。図3(a)は取り外し操作状態の概略断面図、同図(b)は底面図である。
【0008】
配線ダクト3は、下方が開口した断面略コ字状で両下端にリップ片10、10が形成され、リップ片10、10間に開口部2が全長に形成された大略筒状のものである。配線ダクト3の左右の側壁11、11の内面の中間部に中間片12、12が全長に形成されていてリップ片10と中間片12とに間に係止溝13を形成している。中間片12には全長にわたって導体1を保持させていて導体1の側面が露出している。配線ダクト3は、例えば、天井にビス等にて取り付けられる。
【0009】
電気接続器Aは、例えば、シーリングローゼットのようなコンセントであり、その裏面側に挿入部6が突出して形成されている。挿入部6の幅W1は配線ダクト3の開口部2の幅W2よりもやや小にしていて、挿入部6を開口部2に挿入して電気接続器Aを配線ダクト3の長手方向に移動させることができるようにしている。
【0010】
挿入部6の内部には導電性を備えた一対の板ばね17、17が器具の幅方向に弾性変位自在に保持している。一対の板ばね17、17の固定端は配線ダクト3への取り付け状態において配線ダクト3の長さ方向において互いに反対側になるように保持している。板ばね17の自由端部には導電性を備えた接触突部4を突出させて取り付けている。対向する板ばね17、17は予め曲げられていて自由端を固定端よりも電気接続器Aの幅方向の中心側に位置させてあり、各板ばね17、17を配線ダクト3の長手方向に対して傾けてある。挿入部6の対向する側壁部には通孔18が形成されて接触突部4を挿入部6の外部に突出することができるようにしている。
【0011】
挿入部6には例えば円柱状の回転軸14が回転自在に設けられ、回転軸14に一体的に延出された操作ハンドル15が器具側面に形成した長孔16の範囲内において揺動操作可能に設けられている。回転軸14には略小判型の押圧子19が形成されていて回転軸14の回転とともに押圧子19が回転して対向する一対の板ばね17、17を離間させる方向に揺動させ、接触突部9を通孔18より突出させることができるようにしている。又、回転軸14には係止突部5を取付けていて回転軸14の回転に伴って係止突部5を側部孔20より突出させて係止突部5を配線ダクト3の係止溝13に係止して配線ダクト3に対して電気接続器Aを機械的に位置決めすることができるようにしている。尚、回転軸14の断面形状は押圧子19と同形状のものであってもよいものである。
【0012】
電気接続器Aにおいて、挿入部6とは反対側にコンセント部8を形成している。コンセント部8は円弧状の差込口7、7が対向していて、差込口7の内部に栓刃受け(図示せず)が配置され、栓刃受けに上記板ばね17が電気的につながっている。
【0013】
しかして、図1(a)及び図2に示すように、操作部9としての操作ハンドル15を長孔16の一端側に位置させて係止突部5及び接触突部4を挿入部6内に没入させた状態で、挿入部6を配線ダクト3の開口部2に挿入して電気接続器Aを配線ダクト3の長手方向の任意の位置に移行させるのであり、その後、操作ハンドル15を長孔16に沿って操作させることで、回転軸14を回転させて係止突部5を回転させて係止突部5を配線ダクト3の係止溝13に係止させて電気接続器Aを配線ダクト3に機械的に係止するのであり、又、回転軸14の回転とともに押圧子19を回転させて一対の板ばね17、17を揺動させて接触突部4を側壁部の通孔18より突出させて接触突部4を配線ダクト3の導体1に電気的に接触させるものである。
【0014】
このように、操作部9としての操作ハンドル15を配線ダクト3の長手方向に隣接する電気接続器Aが干渉せず、かつ、差込口7への差し込みプラグの差し込みを阻害しない器具位置、つまり、電気接続器Aの外部側壁22に設けることによって、操作ハンドル15は、隣接の電気接続器Aに干渉されることがなく、差し込みプラグが差込口7に差し込まれていてもこれに阻害されることがなく、電気接続器A…を近接させた状態で取り付けることができるのであり、取り付けのための作業スペース、及び、取り付けスペースも小に抑えることができるのであり、又、操作ハンドル15は、隣接の電気接続器Aに干渉されることがなく、差し込みプラグが差込口7に差し込まれていてもこれに阻害されることがないことから、配線ダクト3の長手方向に近接させて取り付けた電気接続器A…のうち任意のものを隣接のものに干渉されることなく取り外しことができ、取り外しのための作業スペースを小に抑えることができるのである。
【0015】
更に、電気接続器Aを配線ダクト3に取り付けた状態で、操作部9を配線ダクト3の長手方向に沿う器具側面に設けたことから、器具側面に設けた操作部9を容易に操作させることができ、電気接続器Aの取り付け及び取り外しを、一層、容易におこなうことができるものである。
【0016】
しかして、本発明においては、板ばね17の各々は、固定端が互いに反対側に位置するとともに自由端側が器具の幅方向の中心側に位置するように傾いていることから、板ばね17の自由端に取り付けた接触突部4を器具の幅方向の中心側に没入させておくことができ、接触突部4の突出長さを長くすることができ、したがって、押圧子19にて板ばね17を押圧して接触突部4を充分に突出させることができ、接触突部4を配線ダクト3の導体1に安定的に接触させることができ、信頼性を高めることができるものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1においては、大略筒状をなし長手方向に延びる導体を内方に保持するとともに長手方向に連続する開口部を有した配線ダクトに取り付けられる配線ダクト用電気接続器であって、配線ダクトの開口部から挿入される挿入部と、配線ダクトの長手方向に延びるとともに一端を固定端、他端を自由端として変位可能なように挿入部の内方に対向配設される少なくとも一対の板ばねと、板ばねの自由端側に設けられ板ばねの変位により挿入部の内外に出没して配線ダクトの導体に接離する接触突部と、配線ダクトの開口部の縁部に係脱するように挿入部に設けられる係止突部と、挿入部から連設されて配線ダクトの外部に露出して電気器具が電気的に接続される接続器具部と、導体への接触突部の接離を操作可能なように接続器具部に設けられる操作部と、操作部の操作に従動して板ばねを押圧する押圧子とを備えた配線ダクト用電気接続器において、上記対向する板ばねの固定端を配線ダクトの長手方向において互いに反対側に位置させ、対向する板ばねの自由端を固定端よりも電気接続器の幅方向の中心側に位置させて各板ばねを配線ダクトの長手方向に対して傾けてあるから、つまり、板ばねの各々は、固定端が互いに反対側に位置するとともに自由端側が器具の幅方向の中心側に位置するように傾いていることから、板ばねの自由端に取り付けた接触突部を器具の幅方向の中心側に没入させておくことができ、接触突部の突出長さを長くすることができ、したがって、押圧子にて板ばねを押圧して接触突部を充分に突出させることができ、接触突部を配線ダクトの導体に安定的に接触させることができ、信頼性を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は取り付け操作前の概略断面図、(b)は取り付け操作後の概略断面図である。
【図2】同上の取り付け状態を示し、(a)は概略断面図、(b)は底面図である。
【図3】同上の取り外し操作状態を示し、(a)は概略断面図、(b)は底面図である。
【図4】同上の配線ダクトを示し、(a)は長手方向の断面図、(b)は横断面図である。
【図5】同上の作用を示し、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後の説明図である。
【図6】同上の電気接続器を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図7】同上の電気接続器を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図8】同上の取り付け状態の底面図である。
【図9】従来例を示し、(a)は概略水平断面図、(b)は概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 導体
2 開口部
3 配線ダクト
4 接触突部
6 挿入部
8 接続器具部
9 操作部
17 板ばね
19 押圧子

Claims (1)

  1. 大略筒状をなし長手方向に延びる導体を内方に保持するとともに長手方向に連続する開口部を有した配線ダクトに取り付けられる配線ダクト用電気接続器であって、
    配線ダクトの開口部から挿入される挿入部と、配線ダクトの長手方向に延びるとともに一端を固定端、他端を自由端として変位可能なように挿入部の内方に対向配設される少なくとも一対の板ばねと、板ばねの自由端側に設けられ板ばねの変位により挿入部の内外に出没して配線ダクトの導体に接離する接触突部と、配線ダクトの開口部の縁部に係脱するように挿入部に設けられる係止突部と、挿入部から連設されて配線ダクトの外部に露出して電気器具が電気的に接続される接続器具部と、導体への接触突部の接離を操作可能なように接続器具部に設けられる操作部と、操作部の操作に従動して板ばねを押圧する押圧子とを備えた配線ダクト用電気接続器において、
    上記対向する板ばねの固定端を配線ダクトの長手方向において互いに反対側に位置させ、対向する板ばねの自由端を固定端よりも電気接続器の幅方向の中心側に位置させて各板ばねを配線ダクトの長手方向に対して傾けて成ることを特徴とする配線ダクト用電気接続器。
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