JP4178726B2 - 紙幣処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、釣銭払出し機などに使用される紙幣処理装置であって、収納している紙幣の精査時に誤った計数が発生するのを防止する紙幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアなどにおいてPOS(販売時点情報管理)システムなどの上位装置に接続され、受け取った紙幣を釣銭として再利用することができる紙幣処理機(釣銭払出し機)が硬貨処理機とともに導入されている。
【0003】
ここで、紙幣処理機とは、概略的には投入された紙幣を、機械的に取りこみ、紙幣収納庫に積載収納し、その入金情報を外部の上位装置に送信したり、外部の上位装置からの釣銭払い出し要求に応じて紙幣収納庫から該当する金額の紙幣を釣銭として払い出す機能を持つものである。このような紙幣処理機の導入目的は、金銭の払い出しと収納作業を自動化し、レジ担当者の現金取り扱いの負担を軽減しつつ、精算業務の効率を上げることおよび違算を防止することにある。
【0004】
図7は、従来の金銭処理装置の外観を示す斜視図である。図8は、図7に示した紙幣処理機の内部構成を示す断面図である。図9は、図7に示した紙幣処理機の紙幣搬送機構を示す構成図である。この金銭処理装置10は、正面右側に配置した紙幣処理機51と、左側に配置した硬貨処理機52とが一体に形成されたものであり、紙幣処理機51側では紙幣Gを入金するための入金口11と、紙幣処理機51から紙幣が釣銭として払い出される出金口12と、釣銭として利用されない高額紙幣を収納する紙幣回収庫13とを備えている。一方、硬貨処理機52は、硬貨を投入するための入金口14と、硬貨処理機52から硬貨が釣銭として払い出される出金口15と、操作表示部16とを備えている。なお、以下の説明では硬貨処理機52の説明は省略し、紙幣処理機51に関してのみ説明する。
【0005】
図8に示したように、紙幣処理機51の入金口11付近には、紙幣Gの投入を検出する投入検知センサ21が設けられ、その下流の紙幣搬送路36には、入金ゲート22および入金判別センサ23が設けられている。この紙幣搬送路36の先には、紙幣受入口24を介して紙幣収納庫26が設けられている。この紙幣搬送路36は、図9に示すように、複数のローラ41によって構成されている。また、紙幣収納庫26の入口付近には、弾性体で形成した複数の羽42を有する羽車43が設置されている。
【0006】
また、紙幣収納庫26の上部には、紙幣Gを紙幣収納庫26に落とし込むための揺動板44が設けられている。この揺動板44は、先端縁部を折り曲げた板状体で構成されており、その揺動板44に対して独自に揺動可能なフラップ45が設けられている。このフラップ45は、紙幣Gを紙幣受入口24に設けたローラ群(図示省略)によって波形に曲げて搬入することで当該紙幣Gによって上方に持ち上げた姿勢となる。また、紙幣Gがローラ群の拘束から解かれたときに自重によって下方に揺動し、当該紙幣Gを紙幣収納庫26内に落とし込む。
【0007】
また、紙幣Gが繰り出される紙幣収納庫26の下部には、集積された紙幣Gを下から1枚ずつ分離して繰り出す繰り出し部27が設けられている。繰り出し部27は、複数の繰り出しローラ46によって構成されている。また、紙幣Gが繰り出される紙幣収納庫26の払出口の下流には出金判別センサ28が設けられている。また、この払出口下流の繰出通路35は、複数のローラ列47により構成されている。
【0008】
紙幣収納庫26の払出口26aは出金口12および垂直方向に配置された循環通路29に接続されている。循環通路29は、上記同様、複数のローラ列48により形成されており、この循環通路29の下端部には紙幣Gの搬送路を切り換える切換ゲート30が設けられ、その上端部は紙幣収納庫26への紙幣受入口24に接続されている。また、循環通路29の途中には循環通路29の搬送路を紙幣回収庫13の側へ切り換えるための回収ゲート31が設けられている。
【0009】
ここで、出金口12、紙幣回収庫13、紙幣収納庫26および循環通路29は一体になって内部ユニット32を構成しており、この内部ユニット32は、引出し可能な状態で筐体33に収められている。紙幣収納庫26には在高を精査するときに使用される精査紙34が入っている。
【0010】
入金口11は、複数枚の紙幣Gを同時に受け入れることができるような高さの開口部を有し、ここで受け入れた複数の紙幣Gは、束の状態で入金判別センサ23を通り、紙幣収納庫26まで搬送されるようになっている。また、束の状態での紙幣Gの受け入れを可能にするため、入金判別センサ23は入金紙幣の厚さを検出する機能を有している。
【0011】
ここで、通常の取引をおこなう場合の紙幣Gの流れについて説明する。まず、入金口11より1枚以上の紙幣Gが投入されると、投入検知センサ21によって紙幣Gの投入が検出され、入金ゲート22が開き、図示しない投入搬送モータが駆動される。紙幣Gが入金ゲート22を通過すると、入金ゲート22は閉じられる。つぎに、紙幣Gは、入金判別センサ23へ導かれ、ここで金種の判別および真偽の判定がおこなわれる。入金判別センサ23が真券(本物)であると判別できなかった紙幣Gについては、入金口11に戻され、真券または重なり紙幣と判別された紙幣Gは、中に導かれて行き、上部に設けられた紙幣受入口20を通って、紙幣収納庫26に積載収納される。
【0012】
収納された紙幣Gは、図示しない上位制御装置から釣銭の払い出し指示があったとき、または、操作表示部16で回収の操作をしたときには、繰り出し部27により紙幣収納庫26の下から1枚ずつ繰り出され、出金判別センサ28にて金種判別される。ここで、出金すべき紙幣Gと判別されたならば、切換ゲート30が出金口側に切り換えられ、紙幣Gは出金口12へ導かれる。
【0013】
また、繰り出された紙幣Gが出金すべき紙幣と判別されなかった場合には、切換ゲート30は循環通路29側に切り換えられ、循環通路29を経由して再び紙幣収納庫26に積載収納される。なお、繰り出された紙幣Gが釣銭としては使用されない一万円紙幣の場合には、回収ゲート31が紙幣回収庫13の側に切り換えられ、紙幣回収庫13に収納される。
【0014】
つぎに、図10を用いて、精査紙の機能について説明する。紙幣Gの精査は、レジ担当者が交代するときや1日の業務が終了したときなどに、紙幣収納庫26に収容した紙幣Gの金額を確定するためにおこなわれる作業である。上記の通り、入金口11から投入された紙幣Gは、紙幣収納庫26内にストックされており、この紙幣収納庫26に収納された紙幣Gの精査をおこなうにあたっては、上記繰り出し部27によって繰出通路35に紙幣Gを繰り出す。そして、紙幣Gは、繰出通路に設けた出金判別センサ28によりその金種を判別され、循環通路29を通って再び紙幣収納庫26に収納される。
【0015】
ここで、精査の開始基準として、所定位置にマーキング34aを施した精査紙が用いられる。すなわち、精査を開始すると前記紙幣収納庫26から紙幣Gが順次繰り出されるが、このとき判別した金種によっては計数をおこなわず、出金判別センサ28によって精査紙34が検出された直後から計数をおこなうようにする。
【0016】
また、精査紙34は、紙幣同様に循環通路29を通って循環し、紙幣収納庫26に再び収納される。そして、精査紙検出以降の紙幣Gについて計数をおこない、つぎに精査紙34が検出された時点で計数を終了する。これによって、紙幣収納庫26に収容した紙幣Gの精査が完了する。なお、精査時において、混入した商品券や汚れ券などによって金種判別できなかった場合には、これを判別不能件数として計数する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように精査紙34は、紙幣収納庫26に収納した紙幣の金額を計数するために用いるものであるが、紙幣循環中に精査紙34より後順の紙幣Gが当該精査紙34の前に入ってしまうことがある。このような場合、前に入った紙幣分だけ誤った計数がおこなわれることになる。図11を参照して説明すると、紙幣処理機51内において紙幣Gは、多数のローラにより循環させられるため、紙幣収納庫26に収納したとき、全体が湾曲した状態で集積される。
【0018】
このため、紙幣収納庫26と紙幣Gとの間に比較的大きな隙間Sが発生することになり、当該隙間Sに搬送されてきた精査紙34の端縁が入り込んでしまう。この場合、精査紙34の弾性力により、本来自重で下方揺動するフラップ45が上方位置にて支持されてしまい、紙幣収納庫26に落とし込むことが困難になってしまう。そして、精査紙34の後順の紙幣Gが搬入されると、この精査紙34よりも前に入ってしまうから、その分だけ誤って計数することになる。
【0019】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、精査時に誤った計数が発生するのを防止することができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の記載の発明にかかる紙幣処理装置は、入金された紙幣とともに精査紙を収納し、前記精査紙を基準として紙幣および精査紙を循環させて精査をおこなう紙幣処理装置であって、入金口に投入した紙幣および精査の基準とする精査紙を順次積み重ねて収納する収納庫と、集積した紙幣あるいは精査紙を収納庫の下側から繰り出す繰出手段と、任意の紙幣を出金口その他の排出手段に分岐させる手段を含み、前記収納庫から繰り出した紙幣および精査紙を再び収納庫まで循環させる循環手段と、繰出手段の下流に配置され、紙幣および精査紙を検出する検出手段と、収納庫の上部に位置し、揺動することにより紙幣あるいは精査紙の搬送方向の前端付近を押し下げるフラップ手段と、同じく収納庫の上部であって前記フラップ手段の上流に位置し、精査紙あるいは紙幣の搬送方向の中央付近または後端付近を押し下げる補助フラップ手段とを備えたものである。
【0021】
精査をおこなう場合、まず、精査紙とともに収納庫に収納した紙幣を前記繰出手段により繰り出し、循環手段によって循環させる。循環中の紙幣および精査紙は、繰出手段下流に設けた検出手段によって検出される。ここで、紙幣の計数は、精査紙を検出した時点から開始し、当該精査紙が循環して再び検出手段により検出された時点で終了する。紙幣および精査紙の循環中、収納庫まで搬送された精査紙および紙幣は、その上部に設けたフラップ手段によってその前端付近を押し下げられ、収納庫内に落とし込まれる。
【0022】
また、このフラップ手段のみでは、紙幣が湾曲状態で集積されている場合、精査紙よりも後順の紙幣が前に入ってしまうことがあるため、補助フラップ手段により精査紙の後端付近を押し下げるようにする。これによって精査紙が確実に収納庫内に落とし込まれるから、上述の如き問題が解消されて誤りなく精査をおこなうことができる。また、前順の紙幣の前に精査紙が入ってしまうことも防止することができる。なお、前記補助フラップ手段はこのような機能を備えているため、アクチュエータ使用の有無等を問わず、公知の技術から適宜選択して使用することができる。
【0023】
また、請求項2に記載の発明にかかる紙幣処理装置は、上記紙幣処理装置において、さらに、前記補助フラップ手段を、搬送時の精査紙あるいは紙幣による支持により一時的に上位置で保持され、自重によって下がるように、前記収納庫上部にて固定した補助フラップとしたものである。
【0024】
すなわち、前記補助フラップ手段は、一時的に精査紙あるいは紙幣によって補助フラップを押し上げて支持しているが、精査紙あるいは紙幣の支持がなくなったとき(たとえば、精査紙をローラ群によって波形に変形して搬送し、ローラによる拘束が解かれたときや、撓み難い強度を持つ精査紙をそのまま搬送し、ローラによる拘束が解かれたときなど)にその自重で下方に動き、精査紙を押し下げるようにする。このようにすれば、アクチュエータなどを用いることなく、補助フラップ手段を簡単に構成できるから、紙幣処理装置の製造コストを低減することができる。
【0025】
また、上記のような機能を実現するには、たとえば前記補助フラップ手段を、板金状の補助フラップの一端側に回転軸を設けるとともに、この回転軸を前記収納庫の上部であって前記フラップ手段の上流に固定する構成にすればよい(請求項3に記載の発明にかかる)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が適宜設計変更できる要素が含まれるものとする。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる紙幣処理機を示す一部構成図である。図2は、図1に示した紙幣処理機の一部の構成を簡単に示した斜視図である。なお、この紙幣処理機100は、上記従来の紙幣処理機51の改良に関するものであるから、紙幣処理機全体の構成については図8に示した紙幣処理機51と同様である。また、図2において、ローラによって構成した繰出通路35、循環通路29などは概念的に示してある。
【0028】
この紙幣処理機100には、揺動板44の回転軸102を共通の軸として2枚の補助フラップ101が設けられている。この補助フラップ101は、曲げ加工を施した板金製であり、比較的板厚の大きいものにより成形されている。また、この補助フラップ101は、自重によって下方に揺動するようになっており、下方への回転量は、回転軸102に設けた図示しない突起その他の公知の手段によって規制される。
【0029】
なお、この他の構成は、上記従来の紙幣処理機51と同じであるからその説明を省略する。なお、紙幣収納庫26の紙幣受入口24には、紙幣Gあるいは精査紙34を波形に変形させる複数のローラ群49が所定間隔をもって交互に連設されている。
【0030】
また、この補助フラップ101の形状については、同図に示したものに限定されない。たとえば図3(a)に示すように、薄い板金により成形して一部にウエイト103を設置するようにしてもよいし、同図(b)に示すように、両端縁を折り曲げ、この曲げ部104に回転軸102を通すようにしてもよい。また、同図(c)に示すように、コイルバネ105を用いて補助フラップ101を下方に付勢するようにすることもできる。
【0031】
つぎに、図4を参照し、紙幣処理機100の動作について説明する。同図(a)に示すように、紙幣収納庫26から繰り出された精査紙34が循環通路29を通って紙幣収納庫26の紙幣受入口24にくると、ここに配置したローラ群49によって波形に変形させられる。これにより、精査紙34が進行方向に向かって撓み難くなり、この作用で補助フラップ101およびフラップ45とも精査紙34により支持され、揺動板44に沿った状態で保持される。なお、同図において羽車43は省略してあるが、最終的に紙幣収納庫26まで精査紙34を搬送するのは当該羽車43である。
【0032】
なお、紙幣受入口24のローラ群49により精査紙34を波形にすることは、本件発明の必須要件ではない。たとえば精査紙自体にフラップ45および補助フラップ101を保持できる強度があれば、変形させなくても構わないためである。
【0033】
つぎに、同図(b)に示すように、精査紙34が搬送されてローラ群49による拘束から解かれると、精査紙34の波形変形が元通りになる。これにより、同図(c)に示すように、フラップ45および補助フラップ101が自重により下方に揺動し、精査紙34の前端付近および後端付近が下方に押されることになる。この結果、紙幣収納庫26に紙幣Gが湾曲して集積されていた場合でも、精査紙34の先端が紙幣Gと紙幣収納庫26との隙間Sに入り込みにくくなる。また、羽車43の位置を調整することにより羽車43の羽42が精査紙端縁に当たるようにすることも可能である。このようにすれば、確実に精査紙34を落とし込むことができるから、後順の紙幣Gが精査紙34の前に入り難くなる。
【0034】
また、上記構成によって、精査紙34が確実に落とし込まれることにより異常な状態で保持されることがなくなるから、集積ジャムを防止できることがある。なお、補助フラップ101による精査紙34の押さえ位置は、補助フラップ101の長さを変更することにより適宜調整することができる。また、補助フラップ101の重量を調整することにより、精査紙34に加える荷重を適宜調整することができる。また、上記補助フラップ101は、精査紙34のみならず紙幣Gに対しても同様に機能する。
【0035】
つぎに、補助フラップ101の機能は精査紙34の後端付近を下方に押して当該精査紙34を確実に落とし込むことにある。このため、上記のような補助フラップ101と同様の機能を備えた要素であれば代替が可能である。たとえばシリンダーなどのアクチュエータにプッシュロッドを取りつけて精査紙搬送のタイミングに合わせて作動させたり、補助フラップ101の揺動をモータなどによっておこなうことも可能である(図示省略)。特にアクチュエータによって精査紙34を押す構成によれば、ストロークを大きく取れるため精査紙34あるいは紙幣を紙幣収納庫26に確実に落とし込むことができる。
【0036】
なお、このような構成のうち上記実施の形態に示したものは、アクチュエータを用いておらず、変形させた精査紙34の強度と自重によって揺動するようにした構成であるため、構造が簡単で製造コストがかからないといった利点がある。
【0037】
(実施の形態2)
図5は、この発明の実施の形態2にかかる紙幣処理機の揺動板を示す説明図である。この揺動板44は、フラップ45の回転軸201にL字のフック部202を設け、このフック部202の先端を補助フラップ203の回転軸204に設けた鎌形フック205に接触させた構成である。補助フラップ203は、上記実施の形態1とは逆方向に揺動するものであり、精査紙34および紙幣Gの搬送方向に湾曲した形状となっている。また、補助フラップ203の回転軸204は、実施の形態1とは異なり揺動板44上に設けるようにする。
【0038】
つぎに、図6を用いて、この紙幣処理機の動作を説明する。循環通路29から精査紙34が搬送されてくると、精査紙34の先端部が補助フラップ203に当たり、同図(a)に示すように、補助フラップ203が跳ね上がる。この補助フラップ203の跳ね上がりに連動してフラップ45のL字フック202が鎌形フック205に押し下げられ、補助フラップ203の跳ね上がりと連動してフラップ45も跳ね上がる。続いて、精査紙34がローラ群49による拘束から解かれると、同図(b)に示すように、フラップ45が下方に揺動し、これに伴い、L字フック202および鎌形フック205の連動により補助フラップ203も下方に押し下げられる。
【0039】
この結果、精査紙34の前端付近および後端付近が下方に押されることになって、当該精査紙34が紙幣収納庫26に確実に落とし込まれる。なお、この補助フラップ203は、紙幣Gに対しても同様に作用する。このように、補助フラップ203が自重により押し下げられるようにすることで、構成を簡単にして製造コストを低減することができる。
【0040】
なお、上記実施の形態1および2では、補助フラップ101,203を2枚設けた構成を開示したが、これを3枚以上設けるようにしてもよい。また、回転軸102、204をずらして配置することで補助フラップ101,203をずらして設けるようにしてもよい。
【0041】
具体的には、補助フラップ101,203を前方、中央、後方に3箇所、合計6枚設けることにより、精査紙34の前端付近、中央および後端付近を下方に押すようにすることができる(図示省略)。このようにすれば、精査紙34が湾曲した状態であっても確実に精査紙34を紙幣収納庫26に落とし込むことができる。
【0042】
また、上記実施の形態1および2では、精査紙34の前に後順の紙幣Gが入ることを問題としたが、紙幣Gが異常な姿勢で保持され、精査紙34がその紙幣Gの前に入った場合も問題となるが、かかる場合も上記実施の形態1および2の構成によって解決することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の紙幣処理装置によれば、補助フラップ手段を用いることにより、精査時に誤った計数が発生するのを防止することができるようになる。また、補助フラップ手段を、回転軸を中心に揺動する構造にすれば簡単に構成できるから、紙幣処理装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる紙幣処理機を示す一部構成図である。
【図2】図1に示した紙幣処理機の一部の構成を簡単に示した斜視図である。
【図3】補助フラップの変形例を示す説明図である。
【図4】図1に示した紙幣処理機の動作を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる紙幣処理機の揺動板を示す説明図である。
【図6】図5に示した紙幣処理機の動作を示す説明図である。
【図7】従来の紙幣処理機の外観を示す斜視図である。
【図8】図7に示した紙幣処理機の内部構成を示す断面図である。
【図9】図7に示した紙幣処理機の紙幣搬送機構を示す構成図である。
【図10】精査紙の機能を示す説明図である。
【図11】従来の問題点を示すための説明図である。
【符号の説明】
26 紙幣収納庫
26a 払出口
27 繰り出し部
28 出金判別センサ
29 循環通路
34 精査紙
34a マーキング
35 繰出通路
36 紙幣搬送路
43 羽車
44 揺動板
45 フラップ
49 ローラ群
100 紙幣処理機

Claims (3)

  1. 入金された紙幣とともに精査紙を収納し、前記精査紙を基準として紙幣および精査紙を循環させて精査をおこなう紙幣処理装置であって、
    入金口に投入した紙幣および精査の基準とする精査紙を順次積み重ねて収納する収納庫と、
    集積した紙幣あるいは精査紙を収納庫の下側から繰り出す繰出手段と、
    任意の紙幣を出金口その他の排出手段に分岐させる手段を含み、前記収納庫から繰り出した紙幣および精査紙を再び収納庫まで循環させる循環手段と、
    前記繰出手段の下流に配置され、紙幣および精査紙を検出する検出手段と、
    収納庫の上部に位置し、揺動することにより紙幣あるいは精査紙の搬送方向の前端付近を押し下げるフラップ手段と、
    同じく収納庫の上部であって前記フラップ手段の上流に位置し、精査紙あるいは紙幣の搬送方向の中央付近または後端付近を押し下げる補助フラップ手段と、
    を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. さらに、前記補助フラップ手段は、搬送時の精査紙あるいは紙幣による支持により一時的に上位置で保持され、自重によって下がるように、前記収納庫上部にて固定した補助フラップであることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記補助フラップ手段を、板金状の補助フラップの一端側に回転軸を設けるとともに、この回転軸を前記収納庫の上部であって前記フラップ手段の上流に固定することで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の紙幣処理装置。
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