JP4178649B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房用の燃焼器と冷房用の冷媒回路とより構成される空気調和装置に関し、冷媒に燃焼性の物質を使用する際の冷媒漏れによる弊害の防止策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プロパンガスや灯油などを燃料とする暖房炉等の燃焼器で空気を暖め、暖めた空気を室内に供給する暖房法(furnace heating)が知られており、特に寒冷地では一般的である。また、この種の暖房を行う一方、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備え、冷却した冷風を室内に供給して冷房を行う空気調和装置が知られている。
【0003】
図6及び図7に示すように、この種の空気調和装置は、ブロア(31)と燃焼器(50)と冷媒回路(41)の蒸発器(42)とをケーシング(11)に収納して成る室内ユニット(10)を備えている。ケーシング(11)には吸気口(12)が形成されると共に、その上部に空調ダクト(13)が接続されている。また、ケーシング(11)の内部には、吸気口(12)及び空調ダクト(13)に連通する空気通路(14)が形成されている。この空気通路(14)には吸気口(12)側から順に、ブロア(31)と燃焼器(50)と蒸発器(42)とが配置されている。そして、吸気口(12)から吸い込まれた室内空気は、燃焼器(50)で加熱され、又は蒸発器(42)で冷却された後に空調ダクト(13)から室内に供給される。
【0004】
上記蒸発器(42)は、室外ユニット(40)と連絡配管(43)で接続されている。この室内ユニット(10)には、図示しないが、冷媒回路(41)の圧縮機や凝縮器等が収納されている。
【0005】
上記燃焼器(50)は、図7及び図8に示すように、下部ヘッダ(52)と、該下部ヘッダ(52)から湾曲しつつ上方に延びる複数の熱交換通路(54)と、各熱交換通路(54)の上部に位置する上部ヘッダ(55)とより成る本体部(51)を備えている。下部ヘッダ(52)の側方には導入口(53)が形成され、室内ユニット(10)底部の取入口(15)からの空気が導入口(53)から本体部(51)内に入る。導入口(53)にはガスバーナ(57)が設けられている。また、ガスバーナ(57)の前方には点火装置(58)が設けられている。各上部ヘッダ(55)の側面には、排気口(56)が形成されている。そして、導入口(53)から本体部(51)に入った空気は、ガスバーナ(57)からの燃料ガスの燃焼によって高温の燃焼ガスとなり、熱交換通路(54)を流れて本体部(51)の外側の室内空気を暖めた後に、排気口(56)から排出される。上部ヘッダ(55)側には燃焼器用のブロア(32)が設けられ、燃焼ガスを吸引する。本体部(51)から出た燃焼ガスは、排気ダクト(25)を通じて室外に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、空調機や冷凍機器の冷媒として用いられていたCFC物質はオゾン層を破壊するため、オゾン層を破壊しない代替冷媒への転換が図られている。この様な代替冷媒としては、HFC物質であるR32やR152a等が知られている。しかし、これらの物質は弱いながらも燃焼性を有する。このため、上述のような燃焼器(50)と冷媒回路(41)を組み合わせた空気調和装置の冷媒としてこれらの物質を使用すると、万一冷媒回路(41)から冷媒が漏れると点火の際などに冷媒に引火するおそれがあり、火災等の原因となるという問題があった。
【0007】
一方、R32を含む混合冷媒であるR407CやR410Aなどが提案されている。これらの混合冷媒は、燃焼抑制作用のあるR125を含むため、R32単体のように燃焼性はない。しかしながら、R125を混合することによって、地球温暖化係数GWP(対CO2比)が比較的高くなっている。具体的に、各冷媒のGWPは、R407Cが1530、R410Aが1730、R404Aが3260、R22が1500などとなっている。これに対してR32やR152aは、分子中に水素を比較的多く含むため、大気中で分解されやすくてGWPも低い。このため、GWPを考慮すると、R32等を単独で冷媒として使用するのが望ましい。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼器(50)と冷媒回路(41)を有する空気調和装置において、燃焼性を有する物質を冷媒に用いた場合であっても、冷媒漏れに起因する火災等の事故を確実に防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、漏洩した冷媒が燃焼器(50)内に流入するのを防止すること、又は漏洩した冷媒に着火してもその火炎が室内に広がるのを防止し、これによって火災等の事故を防止するものである。
【0010】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、燃焼器(50)で室内空気を加熱して暖房を行う暖房運転と、閉回路の冷媒回路(41)内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷房運転とを行う空気調和装置を対象としている。そして、上記冷媒回路(41)の冷媒を燃焼性の物質で構成する一方、燃料の消炎距離よりも大きく且つ冷媒の消炎距離未満に設定された開口である消炎孔(61)が形成され、燃焼器(50)の点火装置(58)の周囲を囲む消炎部材(60)を設けるものである。
【0011】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、燃焼器(50)で室内空気を加熱して暖房を行う暖房運転と、閉回路の冷媒回路(41)内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷房運転とを行う空気調和装置を対象としている。そして、上記冷媒回路(41)の冷媒を燃焼性の物質で構成する一方、冷媒の消炎距離未満に設定された開口である消炎孔(61)が形成されて上記燃焼器(50)の周囲を囲む消炎部材(60)を設けるものである。
【0012】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、空気通路(14)を区画形成し、該空気通路(14)には燃焼器(50)と冷媒回路(41)の蒸発器(42)とを配置するものである。
【0013】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、冷媒をR32とするものである。
【0014】
−作用−
上記第1又は第2の解決手段では、暖房時には、燃焼器(50)内の高温の燃焼ガスによって室内空気を加熱し、これによって暖房を行う。一方、冷房時には、冷媒回路(41)内で冷媒が循環して冷凍サイクル動作を行い、冷媒との熱交換によって室内空気を冷却し、これによって冷房を行う。
【0015】
そして、上記第1の解決手段では、室内空気を燃焼器( 50 )内に導くようにしているため、冷媒漏れの際には漏洩した冷媒が燃焼器( 50 )内に流入するおそれがある。一方、点火装置(58)の周囲には、所定の消炎孔(61)を有する消炎部材(60)が設けられている。この消炎孔(61)は、冷媒の消炎距離未満に設定されている。従って、点火装置(58)が燃料に点火する際に燃焼器(50)内の冷媒に着火しても、火炎は消炎孔(61)を通る際に消えて室内には広がらない。尚、上記消炎孔(61)は、燃料の消炎距離よりも大きく設定されている。このため、例えばプロパンガスや灯油等の燃料の火炎は消炎孔(61)を通過しても消えず、燃料は燃焼器(50)内で燃焼する。
【0016】
また、上記第2の解決手段では、冷媒回路(41)から漏れた冷媒が燃焼器(50)の周囲に滞留するおそれがある。このため、燃焼器(50)が高温となると、燃焼器(50)の周囲の冷媒に着火する可能性も皆無ではない。一方、燃焼器(50)の周囲には、所定の消炎孔(61)を有する消炎部材(60)が設けられている。この消炎孔(61)は、冷媒の消炎距離未満に設定されている。従って、高温の燃焼器(50)と接触して冷媒に着火しても、火炎は消炎孔(61)を通る際に消えて室内には広がらない。
【0017】
また、上記第3の解決手段では、空気通路(14)内を空気が流れる。そして、冷房運転時には蒸発器(42)によって冷却された空気を室内に供給し、暖房運転時には燃焼器(50)によって加熱された空気を室内に供給する。
【0018】
また、上記第4の解決手段では、弱いながら燃焼性を有するもののGWPの低いR32を単独で冷媒として使用される。
【0019】
【発明の効果】
上記第1,第2の各解決手段によれば、冷媒回路(41)から漏れた冷媒に着火した場合であっても、消炎部材(60)によって火炎が室内に広がるのを防止することができ、火災等の事故を確実に防止することができる。
【0020】
従って、本発明によれば、燃焼器(50)と冷媒回路(41)を有する空気調和装置において燃焼性を有する物質を冷媒として用いた場合であっても、漏洩した冷媒による火災等の事故を確実に防止することができる。
【0021】
また、上記第3の解決手段によれば、具体的に空気通路(14)に燃焼器(50)と蒸発器(42)との双方を配置して空気調和装置が構成できる。
【0022】
また、上記第4の解決手段によれば、微燃性を有するがGWPの低いR32を冷媒として使用できる。このため、地球温暖化を抑制して地球環境の悪化を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、参考技術と本発明の実施形態とを、図面に基づいて詳細に説明する。尚、従来と同様の部分には、同一の符号を付して説明する。
【0024】
《参考技術1》
図1に示すように、参考技術1の空気調和装置は、ブロア(31)と燃焼器(50)と冷媒回路(41)の蒸発器(42)とをケーシング(11)に収納して成る室内ユニット(10)を備えている。このケーシング(11)には吸気口(12)が形成されると共に、その上部に空調ダクト(13)が接続されている。また、ケーシング(11)の内部には、吸気口(12)及び空調ダクト(13)に連通する空気通路(14)が形成されている。この空気通路(14)には吸気口(12)側から順に、ブロア(31)と燃焼器(50)と蒸発器(42)とが配置されている。
【0025】
吸気口(12)から吸い込まれた室内空気は、燃焼器(50)で加熱され、又は蒸発器(42)で冷却された後に空調ダクト(13)に流れる。この空調ダクト(13)は、他端側で分岐して各部屋に開口している(図6参照)。そして、空調ダクト(13)に流れた空気が各部屋に供給され、暖房又は冷房が行われる。
【0026】
冷媒回路(41)は、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、上記蒸発器(42)とを配管で接続して成る閉回路である。この冷媒回路(41)には、R32が冷媒として充填されている。冷媒回路(41)の蒸発器(42)は、室外ユニット(40)と連絡配管(43)で接続されている。この室内ユニット(10)には、冷媒回路(41)の圧縮機や凝縮器等が収納されている。尚、圧縮機、凝縮器及び膨張弁の図示は省略する。
【0027】
上記燃焼器(50)は、従来のものと同様に構成されている(図8参照)。具体的には、下部ヘッダ(52)と、該下部ヘッダ(52)から湾曲しつつ上方に延びる複数の熱交換通路(54)と、各熱交換通路(54)の上部に位置する上部ヘッダ(55)とより成る本体部(51)を備えている。下部ヘッダ(52)の側面には導入口(53)が形成され、この導入口(53)から本体部(51)内に燃焼用の空気が導入される。導入口(53)にはガスバーナ(57)が設けられている。また、ガスバーナ(57)の前方には点火装置(58)が設けられている。この点火装置(58)は、放電の火花によってガスバーナ(57)から噴出する燃料ガスに点火する。各上部ヘッダ(55)の側面には、排気口(56)が形成されている。そして、下部ヘッダ(52)の導入口(53)から本体部(51)に入った空気は、燃料ガスの燃焼によって高温の燃焼ガスとなり、熱交換通路(54)内を流れた後に上部ヘッダ(55)の排気口(56)から排出される。燃焼ガスは、熱交換通路(54)を流れる際に本体部(51)の外側の室内空気と熱交換し、該室内空気を暖める。
【0028】
上記室内ユニット(10)には、給排気ダクト(21)が接続されている。この給排気ダクト(21)は、二重管状に形成され、内部に給気通路(22)と排気通路(23)とが形成されている。また、給排気ダクト(21)は壁(70)を貫通して室外まで伸び、給気通路(22)及び排気通路(23)は一端で室外に連通している。給気通路(22)は、他端が上記本体部(51)の導入口(53)に接続され、室外から燃焼用の空気を本体部(51)に供給して、供給手段を構成している。排気通路(23)は、他端が上記本体部(51)の排気口(56)に接続され、本体部(51)内の燃焼ガスを室外に排気する。尚、排気通路(23)の他端は、燃焼器用のブロア(32)を介して上記本体部(51)に接続されている。この燃焼器用のブロア(32)によって燃焼ガスが吸引され、排気通路(23)から室外に排気されると共に、室外からは上記本体部(51)内に外気が供給される。
【0029】
−運転動作−
先ず、冷房運転時の動作を説明する。冷房運転時には、圧縮機を運転して冷媒回路(41)内で冷媒を循環させ、冷凍サイクル動作を行う。一方、ブロア(31)を運転して室内空気を吸気口(12)から吸引し、吸引した室内空気が空気通路(14)を流れる。そして、空気通路(14)の室内空気と冷媒回路(41)の冷媒とが蒸発器(42)で熱交換し、冷媒が蒸発し、室内空気が冷却されて低温の調和空気となる。その後、この調和空気は、空調ダクト(13)を通じて室内に供給され、冷房が行われる。
【0030】
次に、暖房運転時の動作を説明する。暖房運転時には、冷房運転時と同様にブロア(31)を運転し、吸引された室内空気が空気通路(14)を流れる。一方、燃焼器用のブロア(32)を運転し、給排気ダクト(21)の給気通路(22)を通じて燃焼器(50)の本体部(51)内に外気を供給する。ガスバーナ(57)からは燃料ガスが噴射され、点火装置(58)によって点火されて燃焼する。高温の燃焼ガスは本体部(51)の下部ヘッダ(52)から熱交換通路(54)に流れ、上部ヘッダ(55)から給排気ダクト(21)の排気通路(23)を通って室外に排気される。高温の燃焼ガスは、熱交換通路(54)を流れる間に空気通路(14)の室内空気と熱交換を行う。これによって該室内空気が加熱されて高温の調和空気となる。その後、この調和空気は、空調ダクト(13)を通じて室内に供給され、暖房が行われる。
【0031】
ここで、冷媒回路(41)の蒸発器(42)や連絡配管(43)等から冷媒漏れが生じると、室内空気に冷媒が混入する。この冷媒はR32であって空気よりも密度が大きいため、漏洩した冷媒は、主に室内の下部に滞留する。このため、従来のように燃焼器(50)に室内空気を供給する構成とすると(図7参照)、停止中に漏洩した冷媒が燃焼器(50)の本体部(51)内に流入するおそれがある。そして、この状態で暖房運転を行うために点火装置(58)でガスバーナ(57)からの燃料ガスに点火すると本体部(51)内の冷媒にも着火し、火炎が漏洩した冷媒に伝わって室内に広がり、火災等の事故を招くおそれがある。
【0032】
これに対し、本参考技術では、燃焼器(50)の本体部(51)には給排気ダクト(21)を通じて外気を直接供給している。このため、冷媒漏れが生じて室内空気に冷媒が混入しても、この冷媒は本体部(51)内には流入しない。
【0033】
−参考技術1の効果−
本参考技術によれば、冷媒回路(41)から漏れた冷媒が燃焼器(50)の本体部(51)内に流入するのを阻止することができる。このため、ガスバーナ(57)に点火する際に本体部(51)内の冷媒に着火するのを防止することができ、火炎が室内に広がって火災等の事故に至るのを防ぐことができる。この結果、本参考技術のような燃焼器(50)と冷媒回路(41)を有する空気調和装置において、冷媒回路(41)の冷媒に燃焼性を有する物質を用いた場合であっても、冷媒漏れに起因する火災等の事故を確実に防止することができる。
【0034】
また、本参考技術では、冷媒回路(41)の冷媒にR32を用いている。このR32は、R407CやR410A等の代替冷媒に比して比較的GWPが低い。従って、このGWPの低いR32を冷媒として用いることによって、オゾン層の破壊を防止しつつ地球温暖化をも抑制して地球環境への悪影響を抑制することができる。
【0035】
《参考技術2》
参考技術2は、燃焼器(50)の本体部(51)に給排気するための構成を変更したものであって、その他の構成は上記参考技術1と同様である。以下、参考技術1と異なる部分について説明する。
【0036】
図2に示すように、本参考技術の室内ユニット(10)には、給気ダクト(24)と排気ダクト(25)とが接続されている。給気ダクト(24)は、一端が本体部(51)の導入口(53)に接続される一方、他端が空気通路(14)における蒸発器(42)の下流、即ち該蒸発器(42)の上方に開口している。そして、この給気ダクト(24)は、空気通路(14)における蒸発器(42)の上方の空気を本体部(51)内に供給し、供給手段を構成している。排気ダクト(25)は、壁(70)を貫通して室外まで伸びて一端で室外に連通する一方、他端が燃焼器用のブロア(32)を介して本体部(51)の排気口(56)に接続され、本体部(51)内の燃焼ガスを室外に排気する。
【0037】
−運転動作−
冷房運転時には、上記参考技術1と同様に動作して冷房を行う。つまり、蒸発器(42)で冷媒回路(41)の冷媒と室内空気とが熱交換し、冷却された空気を空調ダクト(13)から室内に供給する。
【0038】
暖房運転時には、燃焼器(50)の燃焼ガスと室内空気とが熱交換し、加熱された空気を空調ダクト(13)から室内に供給して暖房を行う。この点は、上記参考技術1と同様である。その際、燃焼器(50)の本体部(51)には、空気通路(14)における蒸発器(42)の上方の空気が給気ダクト(24)を通じて供給される。
【0039】
ここで、上述のように、冷媒であるR32は空気よりも密度が大きく、冷媒回路(41)から漏れた冷媒は、冷媒回路(41)、即ち蒸発器(42)や連絡配管(43)よりも下方に滞留する。このため、冷媒漏れが生じた場合であっても、蒸発器(42)の上方には冷媒は存在しない。これに対し、本参考技術では、給気ダクト(24)を通じて蒸発器(42)の上方の空気を燃焼器(50)の本体部(51)に供給する。従って、冷媒漏れの際にも本体部(51)内に冷媒は流入しない。
【0040】
また、室内空気に漏洩した冷媒が混入していると、ブロア(31)によって吸引された室内空気と共に漏洩した冷媒が空気通路(14)を流れるおそれがある。しかしながら、冷媒は多量の室内空気とともに流れるため、空気通路(14)内では冷媒濃度が冷媒の燃焼可能な濃度(R32の場合は13%程度)に達することはない。従って、運転中に空気通路(14)の空気を燃焼器(50)に供給しても、この空気に含まれる冷媒に着火することはない。
【0041】
そして、本参考技術によれば、安全性を確保しつつGWPの低いR32を冷媒として用いることができ、上記参考技術1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
《参考技術3》
参考技術3は、上記参考技術2において給気ダクト(24)を省略し、従来と同様にケーシング(11)の取入口(15)から室内空気を燃焼用の空気として取り入れると共に、消炎部材(60)を設けるものである。
【0043】
図3に示すように、室内ユニット(10)のケーシング(11)には底部に取入口(15)が形成され、該取入口(15)から室内空気を取り入れて燃焼器(50)の本体部(51)に供給する。燃焼器(50)の本体部(51)には、導入口(53)を覆うように消炎部材(60)が設けられている。また、ガスバーナ(57)及び点火装置(58)は、消炎部材(60)の内側に設けられている。
【0044】
上記消炎部材(60)は、金網状やハニカムコア状に形成されて多数の消炎孔(61)を備えている。消炎部材(60)の消炎孔(61)は、その開口がR32の消炎距離である7mm未満に設定されている。具体的に、消炎部材(60)を金網状とした場合、網目の間隔が7mm未満に設定される。そして、取入口(15)から取り入れられた室内空気は、全てこの消炎部材(60)の消炎孔(61)を通って本体部(51)内に供給される。
【0045】
−運転動作−
冷房運転時には、上記参考技術2と同様に動作して冷房を行う。つまり、蒸発器(42)で冷媒回路(41)の冷媒と室内空気とが熱交換し、冷却された空気を空調ダクト(13)から室内に供給する。
【0046】
暖房運転時には、燃焼器(50)の燃焼ガスと室内空気とが熱交換し、加熱された空気を空調ダクト(13)から室内に供給して暖房を行う。この点は、上記参考技術2と同様である。その際、燃焼器(50)の本体部(51)には、取入口(15)から取り入れられた室内空気が消炎部材(60)の消炎孔(61)を通って本体部(51)内に供給される。
【0047】
ここで、冷媒回路(41)の蒸発器(42)や連絡配管(43)等から冷媒漏れが生じると、室内空気に冷媒が混入する。この冷媒はR32であって空気よりも密度が大きいため、漏洩した冷媒は、主に室内の下部に滞留する。このため、本参考技術では、漏洩した冷媒が、取入口(15)を通って燃焼器(50)の本体部(51)内に流入するおそれがある。そして、ガスバーナ(57)からの燃料ガスに点火すると、本体部(51)内の冷媒にも着火するおそれがある。
【0048】
これに対し、本参考技術では、消炎部材(60)を設けている。従って、本体部(51)内で冷媒に着火しても、火炎が消炎部材(60)の消炎孔(61)を通過する際に消える。このため、例え本体部(51)内で冷媒に着火しても火炎が室内に広がることはない。
【0049】
−参考技術3の効果−
本参考技術によれば、冷媒回路(41)から漏れた冷媒に着火した場合であっても、消炎部材(60)によって火炎が燃焼器(50)から室内に広がるのを防止することができ、火災等の事故を確実に防止することができる。この結果、本参考技術のような燃焼器(50)と冷媒回路(41)を有する空気調和装置において、冷媒回路(41)の冷媒に燃焼性を有する物質を用いた場合であっても、冷媒漏れに起因する火災等の事故を確実に防止することができる。
【0050】
また、本参考技術によれば、GWPの低いR32を冷媒として用いることによって、上記参考技術1と同様に、オゾン層の破壊を防止しつつ地球温暖化をも抑制して地球環境への悪影響を抑制することができる。
【0051】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1は、上記参考技術3において、消炎部材(60)の配置を変更したものである。
【0052】
図4に示すように、本実施形態の消炎部材(60)は、点火装置(58)を囲むように設けられている。この消炎部材(60)は、上記参考技術3と同様に、R32の消炎距離未満に設定された多数の消炎孔(61)を備えている。ただし、本実施形態の消炎孔(61)は、燃料の消炎距離よりも大きくなるように設定されている。例えば、プロパンを燃料とした場合、この消炎孔(61)は、プロパンの消炎距離である1.7mmよりも大きくなるように設定される。これは、本実施形態では燃料も火炎も消炎孔(61)を通ることとなるため、消炎孔(61)を通る際に燃料の火炎が消えるのを防ぐためである。
【0053】
−運転動作−
本実施形態では、上記参考技術3と同様にして冷房運転と暖房運転とを行う。また、本実施形態においても、上記参考技術3と同様に、漏洩した冷媒が取入口(15)を通って燃焼器(50)の本体部(51)内に流入するおそれがある。そして、点火装置(58)がガスバーナ(57)からの燃料ガスに点火する際に、本体部(51)内の冷媒に着火するおそれがある。
【0054】
これに対し、本実施形態では、点火装置(58)の周囲に消炎部材(60)を設けている。このため、冷媒の火炎は消炎部材(60)の消炎孔(61)を通る際に消え、室内に広がることはない。この時、燃料ガスの火炎は消炎孔(61)を通っても消えず、継続して燃焼が行われる。また、暖房運転継続中は、常に取入口(15)から本体部(51)内に向かって空気が流れているため、この空気の流れに抗して冷媒の火炎が室内に広がることはない。
【0055】
そして、本実施形態によれば、安全性を確保しつつGWPの低いR32を冷媒として用いることができ、上記参考技術3と同様の効果を得ることができる。
【0056】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記参考技術3において、消炎部材(60)の配置を変更したものである。
【0057】
図5に示すように、本実施形態の消炎部材(60)は、燃焼器(50)の本体部(51)を囲むように設けられている。この消炎部材(60)は、上記参考技術3と同様に、R32の消炎距離未満に設定された多数の消炎孔(61)を備えている。
【0058】
−運転動作−
本実施形態では、上記参考技術3と同様にして冷房運転と暖房運転とを行う。ここで、蒸発器(42)から冷媒が漏れた場合、空気通路(14)内に多量の冷媒が滞留するおそれがある。この様な状態で燃料を燃焼させると、燃焼器(50)の本体部(51)が高温となり、この本体部(51)と接触する冷媒に着火するおそれがある。これに対し、本実施形態では、燃焼器(50)の周囲に消炎部材(60)を設けている。このため、冷媒の火炎は消炎部材(60)の消炎孔(61)を通る際に消え、室内に広がることはない。
【0059】
そして、本実施形態によれば、安全性を確保しつつGWPの低いR32を冷媒として用いることができ、上記参考技術3と同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明のその他の実施の形態】
上記の各実施形態では、冷媒回路(41)の冷媒としてR32を用いるようにしたが、これに代えて、R152aを用いてもよく、また、R32又はR152aを含む混合冷媒を用いてもよく、更には、プロパン、ブタン、イソブタン等の可燃性の冷媒を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考技術1の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図2】 参考技術2の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図3】 参考技術3の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図4】 実施形態1の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図5】 実施形態2の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図6】 従来の空気調和装置の全体構成図である。
【図7】 従来の空気調和装置の要部の概略構成図である。
【図8】 従来の空気調和装置に用いられる燃焼器の概略斜視図である。
【符号の説明】
(14) 空気通路
(21) 給排気ダクト(供給手段)
(24) 給気ダクト (供給手段)
(41) 冷媒回路
(42) 蒸発器
(50) 燃焼器
(58) 点火装置
(60) 消炎部材
(61) 消炎孔
Claims (4)
- 燃焼器(50)で室内空気を加熱して暖房を行う暖房運転と、閉回路の冷媒回路(41)内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷房運転とを行う空気調和装置であって、
上記冷媒回路(41)の冷媒が燃焼性の物質で構成される一方、
燃料の消炎距離よりも大きく且つ冷媒の消炎距離未満に設定された開口である消炎孔(61)が形成され、燃焼器(50)の点火装置(58)の周囲を囲む消炎部材(60)を備えている空気調和装置。 - 燃焼器(50)で室内空気を加熱して暖房を行う暖房運転と、閉回路の冷媒回路(41)内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷房運転とを行う空気調和装置であって、
上記冷媒回路(41)の冷媒が燃焼性の物質で構成される一方、
冷媒の消炎距離未満に設定された開口である消炎孔(61)が形成されて上記燃焼器(50)の周囲を囲む消炎部材(60)を備えている空気調和装置。 - 請求項1又は2に記載の空気調和装置において、
空気通路(14)が区画形成され、該空気通路(14)には燃焼器(50)と冷媒回路(41)の蒸発器(42)とが配置されている空気調和装置。 - 請求項1又は2に記載の空気調和装置において、
冷媒がR32である空気調和装置。
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