JP2000251137A - 自動販売機の冷却装置 - Google Patents

自動販売機の冷却装置

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JP2000251137A
JP2000251137A JP11050032A JP5003299A JP2000251137A JP 2000251137 A JP2000251137 A JP 2000251137A JP 11050032 A JP11050032 A JP 11050032A JP 5003299 A JP5003299 A JP 5003299A JP 2000251137 A JP2000251137 A JP 2000251137A
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Japan
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refrigerant
product storage
vending machine
refrigerant circuit
storage room
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JP11050032A
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English (en)
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Ryuzo Fujimoto
龍三 藤本
Kenjiro Tomaru
健二郎 都丸
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動販売機の冷媒回路において冷媒として地
球温暖化影響の小さいハイドロカーボンを用いるととも
に商品収納室内の漏洩による燃焼を防止する。 【解決手段】 冷媒としてハイドロカーボンと、ハイド
ロカーボンのより低い蒸発温度を有する不燃性ハイドロ
フルオロカーボンとを混合し、ハイドロフルオロカーボ
ンの量を、最も容積の小さい商品収納室1Bの空気量に
対する冷媒の燃焼範囲の下限値未満に設定する。これに
より、冷媒回路の破損等冷媒が大気に放出された場合の
地球温暖化に対する影響は極めて小さくなり、また、冷
媒回路から商品収納室内1Bにハイドロカーボンガス全
量が漏洩、充満した場合でも、空気との燃焼下限にいた
らないので収納室内が燃焼範囲にはいるまでハイドロカ
ーボンガスの濃度が上昇することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は商品収納室を冷却ま
たは加温して商品を販売するようにした自動販売機の冷
却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題の高まりにより、な
かでも地球温暖化を防止する技術への要請が急務となっ
てきている。
【0003】従来の、コールドモードとホットモードと
を切り替え可能な多室の商品収納室を持ったホットアン
ドコールドタイプの自動販売機の冷却装置としては、特
開平6−60262号公報に開示されている。
【0004】以下、従来の自動販売機の冷却装置を図面
を参照しながら説明する。
【0005】図18は従来の自動販売機のブロック図で
ある。1は自動販売機の本体キャビネット、商品収納室
1Aは冷却モード専用で冷却器2Aが設置され、また商
品収納室1Bは冷却モードと加温モード兼用で冷却器2
Bとヒータ3とが設置されている。冷却器1Aおよび1
Bは共通の1台の圧縮機4から個別に冷媒を供給されて
おり、冷却器2Aは電磁弁を介することなく直接に、ま
た冷却器2Bは電磁弁5を介してそれぞれ冷媒配管6で
圧縮機4と接続されている(簡単のため凝縮器、膨張弁
などは省略してある。商品収納室1A及び1Bにはサー
ミスタからなる室温センサ7および8がそれぞれ設置さ
れ、制御部9はこれらの温度信号に基づいて圧縮機4お
よび電磁弁5をオンオフ制御する。ここで、制御部9内
には冷却器2A、2Bをオンオフ制御するための上限温
度および下限温度が入力記憶されている。商品収納室1
Bには冷却と加温を切り替えるスイッチ10が設けら
れ、これをON側にするとヒータ3の通電回路が形成さ
れる。
【0006】以上のように構成された自動販売機の冷却
装置について、以下にその動作を説明する。
【0007】スイッチ10が冷却側で、商品収納室1
A、商品収納室1Bともに冷却設定の場合、電磁弁5を
開にし、圧縮機4を動作させる。これにより、冷却器2
A及び2Bの双方に冷媒が供給され、商品収納室1Aお
よび1Bの冷却が行われる。その後、商品収納室1Bが
下限温度以下になれば電磁弁5を閉じ、商品収納室1A
も下限温度以下になると圧縮機4を停止する。このよう
にして商品収納室1A、商品収納室1Bを下限温度から
上限温度の範囲の冷却温度に保つ。
【0008】次にスイッチ10が加温側で、商品収納室
1Aが冷却設定、商品収納室1Bが加温設定の場合、電
磁弁5を閉にして冷却器2Bへの冷媒の供給を停止す
る。ヒータ3に通電され、加温の上限温度になれば通電
停止する。
【0009】また、冷媒にはハイドロクロロフルオロカ
ーボン(以下HCFCと呼ぶ。)や、ハイドロフルオロ
カーボン(以下HFCと呼ぶ。)などのフロンが用いら
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、冷媒としてHCFCやHFC等のフロン
が用いられており、冷媒配管6等から自動販売機の外
側、特に外気に漏洩した場合、フロンは地球温暖化係数
が高いので、地球温暖化を促進してしまうといった環境
面で課題を有していた。そこで、フロンに代替する地球
温暖化係数が低い冷媒としてハイドロカーボンを用いる
ことが考えられるが、安全性を確保する観点からみれば
多くの問題点が残されている。まず、冷媒配管6等から
ハイドロカーボンが商品収納室1Aや商品収納室1Bに
漏洩した場合に、滞留して空気と混合し、漏洩が続く
と、空気に対する混合比率が高まる。ハイドロカーボン
と空気との混合物は、ある混合比率の範囲で燃焼性を有
しているために、やがて、混合比率が燃焼の下限値を上
回り、このときヒータ3等の着火源があって、ヒータ3
に通電された場合に、空気とハイドロカーボンとの混合
物が着火し燃焼してしまう恐れがあるといった課題を有
していた。このために商品収納室1Aや商品収納室1B
を難燃性の材料で構成することが考えられるが、コスト
上昇となる上、商品収納室1A、1B内の商品が燃焼に
さらされて、商品価値がなくなってしまうといった問題
は避けられない。
【0011】また、ヒータ等の着火源を商品収納室1A
または1Bの室外に設けるといった方法が考えられる
が、加温された空気を循環させるダクトを別に設ける必
要があって構成が複雑化し、適当ではない。
【0012】さらに、商品収納室1Aや商品収納室1B
の扉(図示せず)開閉等に伴う火花や静電気の発生を完
全に防止することはできず、一端商品収納室1A、1B
に漏洩した冷媒の燃焼を完全に防止できないといった課
題を有していた。
【0013】本発明は上記の課題を解決するもので、冷
媒として地球温暖化に与える影響が小さいものを用いる
とともに、冷媒が冷却器、配管等から漏洩した場合でも
着火することを防止して、地球温暖化防止に優れ、かつ
安全性に優れた信頼性の高い自動販売機の冷却装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、加温モー
ドと冷却モードとに切り替え可能な複数の商品収納室の
各々に設けられた冷却器とを順次環状に配管接続して冷
媒回路を構成するとともに、冷媒としてハイドロカーボ
ンと、前記ハイドロカーボンの蒸発温度より低い蒸発温
度を有するHFCとを混合し、HFCの量を、最も容積
の小さい商品収納室の空気量に対する冷媒の燃焼範囲の
下限値未満に設定するよう構成した自動販売機の冷却装
置である。
【0015】これにより、冷媒として地球温暖化係数の
小さなハイドロカーボンガスを混合することで、冷媒回
路のサービス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破
損等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に対する
影響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。
【0016】また、冷媒回路が破損して、最も容量の小
さな商品収納室内にハイドロカーボンガスの全量が漏
洩、充満した場合でも、空気との燃焼下限にいたらない
ので収納室内が燃焼範囲にはいるまでハイドロカーボン
ガスの濃度が上昇することはなく、従って着火源があっ
ても着火することはない。さらに蒸発温度の低いHFC
の圧力が高いので、漏洩はHFCのほうから進み、その
圧力により空気を商品収納室外へ隙間等から押し出すの
で、さらに燃焼しにくくなる。
【0017】さらに蒸発温度の低いHFCのほうが商品
を低温にする能力が大きいので、必要な冷媒量を少なく
することができるといった効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、加温モードと冷
却モードとに切り替え可能な複数の商品収納室の各々に
設けられた冷却器とを順次環状に配管接続して冷媒回路
を構成するとともに、冷媒としてハイドロカーボンと、
前記ハイドロカーボンの蒸発温度より低い蒸発温度を有
するHFCとを混合し、HFCの量を、最も容積の小さ
い商品収納室の空気量に対する冷媒の燃焼範囲の下限値
未満に設定するよう構成したのである。
【0019】これにより、冷媒として地球温暖化係数の
小さなハイドロカーボンガスを混合することで、冷媒回
路のサービス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破
損等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に対する
影響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。
また、冷媒回路が破損して、最も容量の小さな商品収納
室内にハイドロカーボンガスの全量が漏洩、充満した場
合でも、空気との燃焼下限にいたらないので収納室内が
燃焼範囲にはいるまでハイドロカーボンガスの濃度が上
昇することはなく、従って着火源があっても着火するこ
とはない。さらに蒸発温度の低いHFCの圧力が高いの
で、漏洩はHFCのほうから進み、その圧力により空気
を商品収納室外へ隙間等から押し出すので、さらに燃焼
しにくくなる。さらに蒸発温度の低いHFCのほうが商
品を低温にする能力が大きいので、必要な冷媒量を少な
くすることができる。
【0020】請求項2に記載の発明は、圧縮機と、凝縮
器と、絞り装置と、加温モードと冷却モードとに切り替
え可能な複数の商品収納室の各々に設けられた冷却器と
を順次環状に配管接続して冷媒回路を構成するととも
に、冷媒としてハイドロカーボンを用い、前記商品収納
室内に漏洩したハイドロカーボンを検知するガス検知手
段と、前記商品収納室から大気へ排気する排気装置と、
前記ガス検知手段の検知に応じて前記排気装置を作動さ
せる制御手段とから構成したのである。
【0021】これにより、冷媒として地球温暖化係数の
小さなハイドロカーボンガスを混合することで、冷媒回
路のサービス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破
損等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に対する
影響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。
また、冷媒回路が破損して、最も容量の小さな商品収納
室内にハイドロカーボンガスの全量が漏洩、充満した場
合でも、ハイドロカーボンガスを直接検知することによ
り、強制的に大気中に排気されるため、冷媒回路に封入
されたハイドロカーボンの量が多くても、商品収納室内
のハイドロカーボンガス濃度が燃焼範囲に入るまで上昇
することはなく、ヒーター等の着火源があっても着火す
ることはない。従って冷媒全量がハイドロカーボンであ
っても安全に自動販売機を運転できる。
【0022】請求項3に記載の発明は、自動販売機の電
源の投入の有無に係わりなく、常にガス検知手段と、排
気装置と、前記ガス検知手段の検知に応じて前記排気装
置を作動させる制御手段とに通電さる第2の電源とから
構成したことにより、自動販売機への電源投入がなくて
も、常にガス検知と、ガス検知した場合のハイドロカー
ボンガスの大気への排気は可能となるので、運搬時や保
管時など、長期にわたって自販機本体への通電がない場
合にも、冷媒回路からのハイドロカーボンガスの漏洩を
生じた場合に大気に排出できて商品収納室内で燃焼を起
こしてしまうことはなく、ハイドロカーボンガスを封入
した自動販売機を安全に保管あるいは運搬することがで
きる。従って自動販売機が実際に運転されて販売状態に
あるのみならず、本体への通電がいかなる状態でも、ハ
イドロカーボン漏洩による商品収納室内の燃焼を事前に
防止できる。
【0023】請求項4に記載の発明は、ガス検知手段に
よりガス検知すると、商品収納室内にある電気部品の通
電を停止するように制御する制御手段とから構成した自
動販売機の冷却装置である。
【0024】これにより、商品収納室内にハイドロカー
ボンガスが漏洩した際に、漏洩した箇所や、漏洩量の大
小や、漏洩量の時間的変化や、漏洩するガス流速によ
り、商品収納室内に、部分的やあるいは過渡的に、ハイ
ドロカーボンガスと空気との混合濃度に高い部分を生じ
ても、電気部品の通電を停止することにより、着火源を
なくすことができ、着火してしまうことを確実に防止す
ることができる。
【0025】請求項5に記載の発明は、冷媒としてハイ
ドロカーボンを用い、圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と
冷却器とを順次環状に配管接続して構成した第1の冷媒
回路を構成するとともに、前記冷却器で冷却された不燃
性を有する第2の冷媒を循環させて複数の商品収納室の
室内を冷却するよう第2の冷媒回路を構成し、前記第1
の冷媒回路は前記商品収納室の室外で大気に開放して位
置するよう構成した自動販売機の冷却装置である。
【0026】これにより、冷媒として地球温暖化係数の
小さなハイドロカーボンガスを使用することで、冷媒回
路のサービス時や、万が一の事故等による第1の冷媒回
路の破損等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に
対する影響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与で
きる。また、商品収納室内は不燃性の冷媒で冷却してい
ることから、第2の冷媒回路が破損しても、商品収納室
内で着火を引き起こすことはない。さらに冷媒回路が2
つに分離されていることから、例えば圧縮機のメンテナ
ンスなど1部の冷媒回路のサービスの場合も冷媒回路全
体を真空引きしたりする必要がなく簡単に行える。ま
た、第2の冷媒回路の冷媒は、圧縮機の運転状態に直接
影響されないので、圧力変動が少なく、安定した冷却性
能を得ることができる。
【0027】請求項6に記載の発明は、圧縮機の停止に
より冷媒回路を複数の区分に遮断する遮断弁と、各区分
に保持できる冷媒量をその区分から冷媒が漏洩した場合
に充満する空間の空気との混合における燃焼範囲の下限
値未満に設定するよう構成したのである。
【0028】これにより、遮断弁が遮断すると冷媒回路
が複数に区分され、遮断中に冷媒回路に破損が生じた場
合には、破損個所の区分内の冷媒のみが漏洩し、他の箇
所の冷媒が漏洩することはない。漏洩した場合には充満
する空間の空気との混合における燃焼範囲の下限値未満
になるので燃焼を防げる。
【0029】従って、すべての商品収納室が加温モード
にあるなど長期に圧縮機が運転されない場合に、冷媒ガ
ス漏洩を生じた場合にも、封入量の一部が漏洩するにと
どまるので、地球温暖化に対する影響を極めて小さくす
ることができる。
【0030】請求項7に記載の発明は、圧縮機が運転中
に冷媒回路の低圧側となるの冷媒圧力を検知する圧力検
知手段と、前記圧力検知手段が検出した圧力に応じて前
記圧縮機の運転を停止するよう制御する制御手段とから
構成した自動販売機の冷却装置である。
【0031】これにより、例えば冷媒回路に破損を生じ
た箇所が圧縮機の運転中に低圧側となる部分が運転状態
により大気圧より低くなる場合には、空気が冷媒回路に
入ってくるが、これを検知して圧縮機の運転を停止する
ことで、冷媒回路内の圧力は大気圧以上に上昇するの
で、冷媒回路内に空気が流入することがなくなり、従っ
て、冷媒回路内でハイドロカーボンと空気が混合して、
燃焼するといった恐れがない。
【0032】請求項8に記載の発明は、凝縮器の出口部
から前記蒸発器の出口にいたるまでの冷媒回路の配管を
2重管とし、前記2重管の内管と外管とのあいだに冷媒
を流すよう構成した自動販売機の冷却装置である。
【0033】これにより、圧縮機の運転中に存在できる
液冷媒は2重管の内管と外管とのあいだの空間の量とな
るので、必要なハイドロカーボンの冷媒量が低減でき
る。ハイドロカーボンは比重が大きく、単位重量あたり
の冷却能力が大きいので余分な重量を低減することとな
り、また、熱伝達表面積は外管の内表面積であり、しか
も流速は増大するので、冷却能力が低下することはな
い。従って冷却能力を減少させることなく、冷媒量を減
少でき地球温暖化防止効果をさらに高めることができ
る。
【0034】請求項9に記載の発明は、加温モードにあ
る商品収納室の室外部分の冷媒回路に冷媒を閉じこめる
よう構成した自動販売機の冷却装置である。
【0035】これにより、ある商品収納室において冷却
モードから加温モードに設定を変えて加温モードの商品
収納室の数を増やした場合に、加温モード商品にある商
品収納室から冷媒を排除することで、長期にわたって加
温モードにある室内部分の冷媒配管に破損を生じた場合
にでも室内に冷媒が漏洩するのを防ぐことができるう
え、このときも冷却モードの冷却能力を損なうことはな
いので、加温モードの商品の販売の機会を失うことなく
安全に自動販売機を運転することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明による自動販売機の冷却装置の
実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、
従来と同一構成については同一符号を付して詳細な説明
を省略する。
【0037】(実施例1)図1は本発明の実施例1によ
る自動販売機の冷却装置の冷媒回路図である。
【0038】図1において、1A、1B、1Cは商品収
納室で冷却モードと加温モード兼用である。また商品収
納室1Bの容積が最も小さい。5A、5B、5Cは絞り
装置で、キャピラリや電動膨張弁で構成される。6Aは
冷媒回路を構成する配管で、配管6A内を冷媒が流通す
る。11は凝縮器で圧縮機4と絞り装置5A、5B、5
Cとのあいだに配管接続されているとともに、2A、2
B、2Cは各々冷却器で、2Aは絞り装置5Aと、2B
は電動膨張弁5Bと、2Cは絞り装置5Cと各々配管6
Aで接続されて冷媒回路を形成している。
【0039】また、冷却器2A、2B、2Cは各々商品
収納室1A、1B、1C内に各々設置されている。3
A、3B、3Cは加温モードが選択された商品収納室1
A、1B、1C各々を加温するための商品加温器であ
る。12はキャビネット1の置かれている外気温度や周
囲温度を検出する外気温度検出手段でサーミスタなどの
温度検出素子で構成される。12Aは制御手段で外気温
度検出手段12等の出力に基づいて圧縮機4を運転停止
制御したり絞り装置5A、5B、5Cを開閉制御する。
冷媒回路には冷媒としてハイドロカーボン(イソブタン
やプロパン)と、ハイドロカーボンの蒸発温度より低い
蒸発温度を有し、かつ不燃性であるHFC(HFC12
5など)を混合して封入している。
【0040】混合するHFCの量を、最も容積の小さい
商品収納室1Bに存在できる空気量に対する燃焼範囲の
下限値未満に設定している。ここで商品収納室1Bの容
積が2m3とし、ハイドロカーボンとしてイソブタンを
用いた場合に、商品収納室1A、1B、1Cが同時に冷
却できる冷媒量が200グラムであると、イソブタンと
空気の混合物が燃焼する場合のイソブタン重量の下限値
は約85グラムとなるので、イソブタンを80グラム、
HFCを120グラムとしている。
【0041】上記構成においてその動作を説明する。本
実施例では商品収納室1Bと商品収納室1Cともに冷却
モードに設定されている場合について説明する。
【0042】冷媒は圧縮機4の運転、停止や、絞り装置
5A、5B、5Cの開閉状態にかかわらず、冷媒回路全
体に存在する。ここで、冷媒回路の一部、例えば冷却器
2Bに何かの外力が加わって配管が破損した場合に、冷
媒としてのハイドロカーボンは商品収納室2B内に漏洩
する。漏洩する量は最大で封入量の200グラムになる
が、そのうちハイドロカーボンとしての漏洩量は最大8
5グラムであり、商品収納室1Bに存在する空気量と混
合した場合にでも濃度は燃焼域の下限値を下回る。
【0043】さらに不燃であるHFCが同時に漏洩して
いるので、さらに燃焼域の下限値自体が上昇するので、
漏洩冷媒と空気との混合物は、燃焼する下限値からさら
に小さくなる。
【0044】また蒸発温度の低いHFCの圧力が高いの
で、漏洩はHFCのほうから進み、その圧力により空気
を商品収納室1Bの外へ隙間等から押し出すので燃焼域
の下限値自体が上昇して燃焼しにくくなる。
【0045】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば、圧縮機4と、凝縮器11と、絞り装置5
A、5B、5Cと、加温モードと冷却モードとに切り替
え可能な複数の商品収納室1A、1B、1Cの各々に設
けられた冷却器2A、2B、2Cとを順次環状に配管5
Aで接続して冷媒回路を構成するとともに、冷媒として
ハイドロカーボンと、前記ハイドロカーボンの蒸発温度
より低い蒸発温度を有する不燃性のHFCとを混合し、
HFCの量を、最も容積の小さい商品収納室1Bの空気
量に対する冷媒の燃焼範囲の下限値未満に設定するよう
構成したので、冷媒として地球温暖化係数の小さなハイ
ドロカーボンガスを混合することで、冷媒回路のサービ
ス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破損等冷媒が
大気に放出された場合の地球温暖化に対する影響は極め
て小さくなり、地球環境向上に寄与できる。
【0046】また、冷媒回路が破損して、最も容量の小
さな商品収納室内1Bにハイドロカーボンガスの全量が
漏洩、充満した場合でも、空気との燃焼下限にいたらな
いので商品収納室1B内が燃焼範囲にはいるまでハイド
ロカーボンガスの濃度が上昇することはなく、従ってヒ
ータ3B等の着火源があっても着火することはない。さ
らに蒸発温度の低いHFCの圧力が高いので、漏洩はH
FCのほうから進み、その圧力により空気を商品収納室
1Bの外へ隙間等から押し出すので、さらに燃焼しにく
くなる。さらに蒸発温度の低いHFCのほうが商品を低
温にする能力が大きいので、必要な冷媒量を少なくする
ことができるといった効果が得られる。
【0047】本実施例では商品収納室1A、1B、1C
とも冷却モードにしたが、加温モードがあるなど別の組
み合わせでも、冷媒漏洩を生じても燃焼することはなく
同様の効果が得られる。
【0048】(実施例2)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例2について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例1と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。図2は本発明の実施
例2による自動販売機の冷媒回路ブロック図である。図
3は同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系の構成を
示すブロック図である。図4は同実施例の自動販売機の
冷却装置の動作を示すフローチャートである。
【0049】図2において、13A、13B、13Cは
冷媒を検出するガス検知手段でプロパン、イソブタンや
エタンなどのハイドロカーボンガスを検知するための検
出素子等で構成される。またガス検知手段13A、13
B、13Cは各々商品収納室1A、1B、1C内に設置
され、ガス検知手段13Aは商品収納室1A内でのガス
を検知し、ガス検知手段19Bは商品収納室1B内での
ガスを検知し、ガス検知手段19Cは商品収納室1C内
でのガスを検知する。
【0050】14A、14B、14Cは排気装置で、作
動させると各々商品収納室1A、1B、1C内から商品
収納室外の大気中へ排気を行う。排気装置14A、14
B、14Cは、例えば排気用ダクトとファン(図示せ
ず。)から構成される。制御手段12Bは、ガス検知手
段13A、13B、13Cの出力結果に基づき、ガスの
発生が検知されると、検知された商品収納室1Aまたは
1Bまたは1Cの排気装置14Aまたは14B、14C
を作動する。
【0051】図3は同実施例における自動販売機の冷却
装置の制御系の構成を示すブロック図である。図3にお
いて、制御手段12Bは、ガス検出手段13A、13
B、13Cの出力するハイドロカーボンガス濃度の値
と、あらかじめ記憶されている値との比較結果に基づい
て排気装置14A、14B、14Cの作動や停止を制御
する。
【0052】上記構成においてその動作を説明する。本
実施例では商品収納室1Bの排気装置13Bの動作につ
いて説明する。図4は同実施例の自動販売機の冷却装置
の動作を示すフローチャートである。
【0053】圧縮機4の運転中や停止中に、圧縮機4や
絞り装置5A、5B、5Cの作動状態あるいは商品収納
室1A、1B、1Cが冷却モードあるいは加温モードで
あるにかかわらず、例えば冷媒回路の一部が破損するな
どして商品収納室1A内に冷媒のハイドロカーボンが漏
洩したとする。
【0054】すると、ステップ1でガス検知手段13B
が検知したガス濃度が所定値T1より高ければステップ
2へ移行し、制御手段12Bは排気装置14Bを作動さ
せて商品収納室1B内のハイドロカーボンの排気を開始
し、ステップ3に移行する。ステップ1でガス検知手段
13Bの検知したガス濃度が所定値T1未満であればそ
のまま再度ステップ1に戻る。
【0055】ステップ3でガス検知手段13Bの検知し
たガス濃度が所定値T2未満であればステップ4へ移行
し、制御手段12Bは排気装置1を停止させて商品収納
室1B内のハイドロカーボンの排気を終了し、ステップ
3に移行する。ステップ3でガス検知手段13Bの検知
したガス濃度が所定値T2より高ければ再度ステップ2
に戻って排気装置14Bを作動したままにする。ここで
は排気装置14Bについて説明したが、ガス検知手段1
3Aまたは13Cがガス検知した場合も同様に、各々排
気装置14Aまたは14Cが作動する。
【0056】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば、圧縮機4と、凝縮器11と、絞り装置5
A、5B、5Cと、加温モードと冷却モードとに切り替
え可能な複数の商品収納室1A、1B、1Cの各々に設
けられた冷却器2A、2B、2Cとを順次環状に配管接
続して冷媒回路を構成するとともに、冷媒としてハイド
ロカーボンを用い、前記商品収納室内1Aに漏洩したハ
イドロカーボンを検知するガス検知手段13A、13
B、13Cと、前記商品収納室1A、1B、1C各々か
ら大気へ排気する排気装置14A、14B、14Cと、
前記ガス検知手段13A、13B、13Cの検知に応じ
て前記排気装置14A、14B、14Cを作動させる制
御手段12Bとから構成したことにより、冷媒回路のサ
ービス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破損等冷
媒が大気に放出された場合の地球温暖化に対する影響は
極めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。
【0057】また、冷媒回路が破損して、商品収納室1
A、1B、1C内にハイドロカーボンガスの全量が漏
洩、充満した場合でも、ハイドロカーボンガスを直接検
知して排気装置14Aまたは14Bまたは14Cによ
り、強制的に大気中に排気されるため、冷媒回路に封入
されたハイドロカーボンの量が多くても、商品収納室1
A、1B、1C内のハイドロカーボンガス濃度が燃焼範
囲にはいるまで上昇することはなく、ヒータ3A、3
B、3C等の着火源があっても着火することはない。従
って冷媒全量がハイドロカーボンであっても安全に自動
販売機を運転できる。
【0058】(実施例3)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例3について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例2と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。図5は本発明の実施
例3による自動販売機の冷却装置の冷媒回路図である。
【0059】14Dは、ガス検知手段13A、13B、
13Cと、排気装置14A、14B、14Cと、前記ガ
ス検知手段13A、13B、13Cの検知に応じて排気
装置14A、14B、14Cを作動させる制御手段12
Cとに通電する電源である。
【0060】電源14Dは、電池、あるいは蓄電池で構
成されており、常に制御手段12Cに通電されて、制御
手段12Cを作動させている。また、制御手段12Bの
出力に応じて運転する排気装置14A、14B、14C
や、ガス検知手段13A、13B、13Cの電源にもな
っており、すなわち24時間、ガス検知手段13A、1
3B、13Cは、ガス検知可能であり、検知結果を制御
手段12Cに出力すつことができかつ、排気装置14
A、14B、14Cは、制御手段12Cの出力に応じて
排気運転、停止をすることができる。
【0061】上記構成においてその動作を説明する。本
実施例では排気装置14Bの動作について説明するが動
作は実施例3と異なる部分のみ説明する。自動販売機の
運転中、あるいは停止中、運搬中など、本体の電源投入
の有無にかかわらず、圧縮機4や絞り装置5A、5B、
5Cの作動状態あるいは商品収納室1A、1B、1Cが
冷却モードあるいは加温モードであるにかかわらず、例
えば冷媒回路の一部が破損するなどして商品収納室1B
内に冷媒のハイドロカーボンが漏洩したとする。
【0062】すると、常にガス検知手段13Bは作動し
ているのでの検知したガス濃度が所定値T1より高けれ
ば、制御手段12Cは排気装置14Bを作動させて商品
収納室1B内のハイドロカーボンの排気を開始し、ガス
検知手段13Bの検知したガス濃度が所定値T2未満に
なれば、制御手段12Cは排気装置14Bを停止させて
商品収納室1B内のハイドロカーボンの排気を終了す
る。
【0063】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば自動販売機の電源の投入の有無に係わりな
く、ガス検知手段13A、13B、13Cと、排気装置
14A、14B、14Cと、ガス検知手段13A、13
B、13Cの検知に応じて排気装置14A、14B、1
4Cを作動させる制御手段12Bとを作動させる電源1
4Dとから構成したことにより、自動販売機への電源投
入がなくても、常にガス検知と、ガス検知した場合のハ
イドロカーボンガスの大気への排気は可能となるので、
運搬時や保管時など、長期にわたって自販機本体への通
電がない場合にも、冷媒回路からのハイドロカーボンガ
スの漏洩を生じた場合に大気に排出できて商品収納室1
A、1B、1C内で燃焼を起こしてしまうことはなく、
ハイドロカーボンガスを封入した自動販売機を安全に保
管あるいは運搬することができる。従って自動販売機が
実際に運転されて販売状態にあるのみならず、本体への
通電がいかなる状態でも、ハイドロカーボン漏洩による
商品収納室内の燃焼を事前に防止できる。
【0064】(実施例4)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例4について、図面を参照しながら
説明する。なお、冷媒回路は実施例2と同一構成であり
説明を省略する。
【0065】図6は同実施例の自動販売機の冷却装置の
制御系の構成を示すブロック図である。図7は同実施例
の自動販売機の冷却装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【0066】制御手段12C’は、ガス検知手段13
A、13B、13Cの出力結果に基づき、ガスの発生が
検知されると、検知された商品収納室1Aまたは1Bま
たは1Cの排気装置14Aまたは14B、14Cを作動
する。図3は同実施例における自動販売機の冷却装置の
制御系の構成を示すブロック図である。図3において、
制御手段12C’は、ガス検出手段13A、13B、1
3Cの出力するハイドロカーボンガス濃度の値と、あら
かじめ記憶されている値との比較結果に基づいて排気装
置14A、14B、14C、ヒータ3A、3B、3Cの
作動や停止を制御する。
【0067】上記構成においてその動作を説明する。本
実施例では商品収納室1Bの排気装置14Bとヒータ3
Bの動作について説明する。図6は同実施例の自動販売
機の冷却装置の動作を示すフローチャートである。
【0068】圧縮機4の運転中や停止中に、圧縮機4や
絞り装置5A、5B、5Cの作動状態あるいは商品収納
室1A、1B、1Cが冷却モードあるいは加温モードで
あるにかかわらず、例えば冷媒回路の一部が破損するな
どして商品収納室1B内に冷媒のハイドロカーボンが漏
洩したとする。
【0069】すると、ステップ5でガス検知手段13B
が検知したガス濃度が所定値T1より高ければステップ
6へ移行し、制御手段12C’は排気装置14Bを作動
させて商品収納室1B内のハイドロカーボンの排気を開
始し、ステップ7に移行する。ステップ7でヒータ3B
への通電を停止する。ステップ5でガス検知手段13B
の検知したガス濃度が所定値T1未満であればそのまま
再度ステップ1に戻る。
【0070】ステップ8でガス検知手段13Bの検知し
たガス濃度が所定値T2未満であればステップ9へ移行
し、制御手段12C’は排気装置14Bを停止させて商
品収納室1B内のハイドロカーボンの排気を終了し、ス
テップ5に移行する。ステップ8でガス検知手段13B
の検知したガス濃度が所定値T2より高ければ再度ステ
ップ6に戻って排気装置14Bを作動したままにする。
ここでは排気装置14Bについて説明したが、ガス検知
手段13Aまたは13Cがガス検知した場合も同様に、
各々排気装置14Aまたは14Cが作動する。
【0071】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によればガス検知手段13Bによりガス検知する
と、商品収納室内1Bにある電気部品であるヒータ3B
の通電を停止するように制御する制御手段12C’とか
ら構成したことにより、冷媒回路のサービス時や、万が
一の事故等による冷媒回路の破損等冷媒が大気に放出さ
れた場合の地球温暖化に対する影響は極めて小さくな
り、地球環境向上に寄与できる。また、冷媒回路が破損
して、商品収納室1A、1B、1C内にハイドロカーボ
ンガスの全量が漏洩、充満した場合でも、ハイドロカー
ボンガスを直接検知して排気装置14Aまたは14Bま
たは14Cにより、強制的に大気中に排気されるため、
冷媒回路に封入されたハイドロカーボンの量が多くて
も、商品収納室1A、1B、1C内のハイドロカーボン
ガス濃度が燃焼範囲にはいるまで上昇することはなく、
ヒータ3A、3B、3C等の着火源があっても着火する
ことはない。従って冷媒全量がハイドロカーボンであっ
ても安全に自動販売機を運転できる。
【0072】さらに商品収納室内にハイドロカーボンガ
スが漏洩した際に、漏洩した箇所や、漏洩量の大小や、
漏洩量の時間的変化や、漏洩するガス流速により、商品
収納室内1A、1B、1Cに、部分的やあるいは過渡的
に、ハイドロカーボンガスと空気との混合濃度に高い部
分を生じても、電気部品であるヒータ1A、1B、1C
の通電を停止することにより、着火源をなくすことがで
き、着火してしまうことを確実に防止することができ
る。
【0073】(実施例5)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例5について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例1と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】図8は本発明の実施例5による自動販売機
の冷却装置の冷媒回路図である。
【0075】図8において4は圧縮機、11Bは凝縮
器、5C’は絞り装置、2Dは冷却器であって、順次環
状に配管接続して第1の冷媒回路を構成している。2E
は、冷却器2Dと熱交換を行う熱交換器で、15は熱交
換器2Eで冷却された冷媒を循環させるためのポンプで
ある。2F、2G、2Hは熱交換器2Eで冷却されてポ
ンプ15で循環させた冷媒を空気と熱交換させるための
第2の冷却器で、各々商品収納室1A、1B、1Cを冷
却する。
【0076】5D、5E、5Fはポンプ15で供給され
る冷媒を冷却器2F、2G、2Hへ各々供給と供給停止
を切り替えるための開閉弁である。そしてポンプ15
と、熱交換器2Eと、開閉弁5D、5E、5Fは順次環
状に配管接続して第2の冷媒回路を構成しており、制御
手段12Dにより開閉制御される。また、第1の冷媒回
路は商品収納室1A、1B、1Cの外にあって大気に開
放されて設置してある。第1の冷媒回路にはハイドロカ
ーボンガスが封入してあり、第2の冷媒回路にはブライ
ンなど、不燃性の第2の冷媒が封入されている。
【0077】上記構成においてその動作を説明する。
【0078】商品収納室1A、商品収納室1Bが冷却モ
ードの場合について説明する。絞り装置5C’を開に
し、圧縮機4を動作させる。これにより、冷却器2Dに
冷媒が供給される。同時に開閉弁5D、5Eを開にし、
ポンプ15を作動させると、熱交換器2Eで冷却器2D
商品収納室1Aおよび1Bの冷却が行われる。
【0079】その後、商品収納室1Aが下限温度以下に
なれば開閉弁5Dを閉じ、商品収納室1Bも下限温度以
下になると開閉弁5Eを閉じる。ポンプ15を停止する
とともに圧縮機4を停止する。このようにして商品収納
室1A、商品収納室1Bを下限温度から上限温度の範囲
の冷却温度に保つ。加温モードの商品収納室1Cは、開
閉弁5Gを閉にして第2冷却器2Hへの冷媒の供給を停
止する。ヒータ3に通電され、加温の上限温度になれば
通電停止する。
【0080】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば、冷媒としてハイドロカーボンを用い、圧
縮機4と、凝縮器11と、絞り装置5C’と冷却器2D
とを順次環状に配管接続して構成した第1の冷媒回路を
構成するとともに、前記冷却器で2D冷却された不燃性
を有する第2の冷媒を循環させて複数の商品収納室1
A、1B内を冷却するよう第2の冷媒回路を構成し、前
記第1の冷媒回路は大気に開放した前記商品収納室1
A、1B、1Cの室外に位置するよう構成したことによ
り、冷媒として地球温暖化係数の小さなハイドロカーボ
ンガスを使用することで、冷媒回路のサービス時や、万
が一の事故等による第1の冷媒回路の破損等冷媒が大気
に放出された場合の地球温暖化に対する影響は極めて小
さくなり、地球環境向上に寄与できる。
【0081】また、商品収納室1A、1B、1Cは不燃
性の冷媒で冷却していることから、第2の冷媒回路が破
損しても、商品収納室1A、1B、1C内で着火を引き
起こすことはない。さらに冷媒回路が2つに分離されて
いることから、例えば圧縮機4、絞り装置5C’のメン
テナンスなど1部の冷媒回路のサービスの場合も冷媒回
路全体を真空引きしたりする必要がなく簡単に行える。
また、第2の冷媒回路の冷媒は、圧縮機4、絞り装置5
C’の運転状態に直接影響されないので、圧力変動が少
なく、安定した冷却性能を得ることができる。
【0082】(実施例6)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例6について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例1と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。図9は同実施例の自
動販売機の冷却装置の冷媒回路図である。
【0083】図9において16A、16Bは遮断弁で、
通電すると開き、通電を停止すると閉じて冷媒回路をそ
の前後で遮断する。簡単には電磁開閉弁や電動膨張弁で
もよい。遮断弁16Aは冷却器2Cと圧縮機4とのあい
だの冷媒回路に設け、16Bは圧縮機4と凝縮器11と
の間に設けてある。遮断弁16A、16Bとも絞り装置
5A、5B、5Cと同じく制御手段12D’により開閉
制御される。絞り装置5A、5B、5Cも無通電時には
閉止する。
【0084】絞り装置5A、5B、5Cと遮断弁16
A、16Bが同時に閉止されると、冷媒回路は、絞り装
置5Cから遮断弁16Aまでの区分(以下、区分1と呼
ぶ。)遮断弁16Aから遮断弁16Bまで部の区分(以
下、区分2と呼ぶ)と、遮断弁16Bから絞り装置5
A、5B、5Cまでの区分(以下、区分3と呼ぶ)、以
上の残りの区分(以下、区分4と呼ぶ)の3つの冷媒回
路に分割される。
【0085】また区分1に保持できる冷媒量は、その区
分から冷媒が漏洩した場合に充満する商品収納室1Cの
空間の空気との混合における燃焼範囲の下限値未満であ
り、区分2から区分4までも同様にその区分から冷媒が
漏洩した場合に充満する空間の空気との混合における燃
焼範囲の下限値未満である。以上絞り装置5A、5B、
5Cを遮断弁として用いたが、別に同数の遮断弁を絞り
装置5A、5B、5Cに隣接した冷媒回路に設けても同
じである。
【0086】上記構成においてその動作を説明する。
【0087】自動販売機に電源が入っていない場合など
圧縮機4停止中、遮断弁16A、16Bに通電されず遮
断される。すると冷媒回路内の冷媒は各区分1から区分
4までに分割されて各々が閉じこめられる。従って仮に
区分1の冷媒回路が外力等により破損した場合に、区分
1にある冷媒が漏洩し、漏洩する最大量は区分内がすべ
て液状態の冷媒と仮定した場合の量であるが、区分1内
に保持できる冷媒量は漏洩したときに充満する容積の空
気量の混合の下限値以下であるので燃焼することはな
く、他の区分にある冷媒まで漏洩しない。つまり、自販
機が電源を投入されずに梱包状態で長期間保管されたり
した場合、冷媒回路に破損を生じてハイドロカーボンガ
スが漏洩しても、燃焼することはない。
【0088】従って、すべての商品収納室1A、1B、
1Cが加温モードにあるなど長期に圧縮機が運転されな
い場合に、冷媒ガス漏洩を生じた場合にも、封入量の一
部が漏洩するにとどまるので、地球温暖化に対する影響
を極めて小さくすることができる。
【0089】(実施例7)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例7について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例1と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。図10は本発明の実
施例6による自動販売機の冷却装置の冷媒回路図であ
る。図11は同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系
の構成を示すブロック図である。図12は同実施例の自
動販売機の冷却装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【0090】図10において、17は冷媒の圧力を検出
する圧力検知手段でダイヤフラムなどの圧力検出素子で
構成される。また圧力検知手段17の位置は冷却器2C
出口部14から圧縮機吸入管15までの間にあって、圧
縮機4が運転中の冷媒回路の低圧側圧力を検知する。1
2Eは制御手段で圧力検知手段17の出力に基づいて圧
縮機4の運転、停止や絞り装置5A、5B、5Cを開閉
制御する。
【0091】図11は同実施例における自動販売機の冷
却装置の制御系の構成を示すブロック図である。図11
において制御手段12Eは圧力検知手段17の出力する
配管内の冷媒圧力と、あらかじめ記憶されている値との
比較結果に基づいて圧縮機4の作動停止を制御する。
【0092】上記構成においてその動作を説明する。図
12は同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【0093】本実施例では商品収納室1A、1B、1C
ともに冷却モードに設定されている場合について説明す
る。図12は同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を
示すフローチャートである。ステップ10で圧力検出手
段17の検出した圧力が制御手段15に設定記憶した大
気圧の所定値P1より低いとステップ11へ移行し、ス
テップ11で圧縮機4を停止する。ステップ10で圧力
検出手段17の検出した圧力が制御手段12Eに設定記
憶した大気圧の所定値P1より高ければそのまま再度ス
テップ10に戻る。ステップ11で圧縮機4を停止した
のち、ステップ12へ移行する。ステップ12で圧力検
出手段17の検出した圧力が制御手段12Eに設定記憶
した大気圧の所定値P2より低いとステップ13に移行
する。ステップ13で圧縮機4が運転必要なモードであ
ればステップ14へ移行し、ステップ14で圧縮機4を
運転してステップ10にもどる。
【0094】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば、圧縮機4が運転中に冷媒回路の低圧側と
なる冷媒圧力を検知する圧力検知手段17と、圧力検知
手段17が検出した圧力に応じて前記圧縮機4の運転を
停止するよう制御する制御手段12Eとから構成したこ
とにより、冷媒回路の低圧側が大気圧より低いことが検
出されると圧縮機4が停止し、圧縮機4の停止に伴って
冷媒回路の高圧側は圧力が低下し、低圧側は上昇して、
やがて冷媒回路内の圧力は大気圧より上昇する。上昇に
伴って、破損した箇所から外に冷媒は放出され、冷媒回
路内に空気が入ってくることがなく、冷媒回路内でハイ
ドロカーボンと空気が混合することにより燃焼を引き起
こすことを防げる効果がある。
【0095】(実施例8)以下、本発明による自動販売
機の冷却装置の実施例8について、図面を参照しながら
説明する。なお、実施例1と同一構成については同一符
号を付して詳細な説明を省略する。図13は本発明の実
施例8による自動販売機の冷却装置の冷媒回路図であ
る。図14は図13におけるA−A部の断面拡大図であ
る。
【0096】以下、本発明による自動販売機の冷却装置
の実施例8について、図面を参照しながら説明する。な
お、実施例1と同一構成については同一符号を付して詳
細な説明を省略する。
【0097】図13において20は凝縮器の出口部11
Cから蒸発器の入口部2G、2H、にいたるまでの冷媒
回路の配管であり、2重管としてある。
【0098】図14は図13におけるA−A部、つまり
2重管の断面拡大図である。18Aは2重管の外管、1
8Bは2重管の内管であり、冷媒はあいだの18Cを流
す。
【0099】内管18Bの内側を中空でもよい。
【0100】上記構成においてその動作を説明する。商
品収納室1Aまたは、1Bが冷却モードである場合につ
いて説明する。圧縮機4が運転中、絞り装置5A、5B
は開いており、絞り装置5Cが閉じていると冷媒は11
で凝縮されて、凝縮器出口部11Cから各々冷却器入口
部2Gと、冷却器入口部2Eと、絞り装置5Cまでのあ
いだが液状態になる。このとき液冷媒は2重管となって
いる配管の、内管18Bと18Cとの間の空間18Cに
なる。従って外管18Aだけより冷媒液量は少なくな
る。
【0101】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば凝縮器出口部11Cから蒸発器入口部2
G、2Hにいたるまでの冷媒回路の配管を2重管とし、
前記2重管の内管18Bと外管18Aとのあいだに冷媒
を流すよう構成したことにより、圧縮機4の運転中に存
在できる液冷媒は2重管の内管と外管とのあいだの空間
の量となるので、必要なハイドロカーボンの冷媒量が低
減できる。
【0102】ハイドロカーボンは比重が大きく、単位重
量あたりの冷却能力が大きいので余分な重量を低減する
こととなり、また、熱伝達表面積は外管18Aの内表面
積であり、しかも流速は増大するので、冷却能力が低下
することはない。従って冷却能力を減少させることな
く、冷媒量を減少でき地球温暖化防止効果をさらに高め
ることができる。
【0103】(実施例9)図15は本発明の実施例9に
よる自動販売機の冷却装置の冷媒回路図である。図16
は同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系の構成を示
すブロック図である。図17は同実施例の自動販売機の
冷却装置の動作を示すフローチャートである。
【0104】図14において、5F、5G、5Hは絞り
装置で、各々凝縮器11と冷却器2A、冷却器2B、冷
却器2Cの入り口との間でかつ商品冷却室の外に設置し
て、閉じると外から各々商品収納室1A、1B、1Cへ
の冷媒の流入を阻止する。
【0105】18A、18B、18Cは開閉弁で、各々
冷却器2A、冷却器2B、冷却器2Cの出口と圧縮機4
との間でかつ商品収納室1A、1B、1Cの外に設置し
て、閉じると圧縮機4ら各々商品収納室1A、1B、1
Cへの冷媒の流入を阻止する。
【0106】図15は同実施例における自動販売機の冷
却装置の制御系の構成を示すブロック図である。図にお
いて12Gは制御手段で、加温モードと冷却モードとの
切り替え情報を出力する冷却加温モード設定手段12J
や外気温度検知手段12等からの出力により、(第1の
実施例同様)圧縮機4の運転停止制御やヒータ3A、3
B、3Cを加温制御したり、絞り装置5A、5B、5C
の絞りをあらかじめ設定記憶したステップ数開閉制御し
たり開閉弁18A、18B、18Cを開閉する。また時
間の経過を計数するタイマ機能も有している。
【0107】上記構成においてその動作を説明する。本
実施例では商品収納室1Aが冷却モードから加温モード
に変更された場合について説明する。
【0108】図17は同実施例の自動販売機の冷却装置
の動作を示すフローチャートである。ステップ15で商
品収納室1Aの設定が冷却モードから加温モードに変更
されるとステップ16移行する。ステップ16で圧縮機
4が運転中であればステップ13へ移行し、ステップ1
6で圧縮機4が停止中であればステップ17で圧縮機4
を運転してステップ18へ移行する。ステップ18で絞
り装置5Aを閉じてステップ19に移行する。すると絞
り装置5Aから冷却器2Aをへて開閉弁16Aにいたる
までの配管中の冷媒、つまり商品収納室1Aの室内にあ
る冷媒回路冷媒は圧縮機4のほうへ排除される。ステッ
プ19でタイマ機能により所定時間経過するとステップ
20で開閉弁6Aを閉じて、ステップ21へ移行する。
ステップ21で圧縮機4を停止する。ステップ10でモ
ード変更がなければそのまま再度ステップ15へ戻る。
【0109】以上のように本実施例の自動販売機の冷却
装置によれば、加温モードにある商品収納室1Aの室内
にある冷媒回路から冷媒を排除するよう構成したことに
より、ある商品収納室1Aにおいて冷却モードから加温
モードに設定を変えて加温モードの商品収納室の数を増
やした場合に、加温モード商品にある商品収納室1Aか
ら冷媒を排除することで、長期にわたって加温モードに
ある商品収納室1A内部分の冷媒配管に破損を生じた場
合にでも室内に冷媒が漏洩するのを防ぐことができるう
え、このときも冷却モードの冷却能力を損なうことはな
いので、加温モードの商品の販売の機会を失うことなく
安全に自動販売機を運転することができる。
【0110】本実施例では商品収納室1Aが冷却モード
から加温モードに設定を変更する場合について述べた
が、商品収納室1B、1Cについても同様である。
【0111】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係わる本発明の自動販売機の冷却装置は、圧縮機
と、凝縮器と、絞り装置と、加温モードと冷却モードと
に切り替え可能な複数の商品収納室の各々に設けられた
冷却器とを順次環状に配管接続して冷媒回路を構成する
とともに、冷媒としてハイドロカーボンと、前記ハイド
ロカーボンの蒸発温度より低い蒸発温度を有するHFC
とを混合し、HFCの量を、最も容積の小さい商品収納
室の空気量に対する冷媒の燃焼範囲の下限値未満に設定
するよう構成したので、冷媒として地球温暖化係数の小
さなハイドロカーボンガスを混合することで、冷媒回路
のサービス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破損
等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に対する影
響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。ま
た、冷媒回路が破損して、最も容量の小さな商品収納室
内にハイドロカーボンガスの全量が漏洩、充満した場合
でも、空気との燃焼下限にいたらないので収納室内が燃
焼範囲にはいるまでハイドロカーボンガスの濃度が上昇
することはない。さらに蒸発温度の低いHFCの圧力が
高いので、漏洩はHFCのほうから進み、その圧力によ
り空気を商品収納室外へ隙間等から押し出すので、さら
に燃焼しにくくなる。さらに蒸発温度の低いHFCのほ
うが商品を低温にする能力が大きいので、必要な冷媒量
を少なくすることができる。
【0112】請求項2に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、加温モー
ドと冷却モードとに切り替え可能な複数の商品収納室の
各々に設けられた冷却器とを順次環状に配管接続して冷
媒回路を構成するとともに、冷媒としてハイドロカーボ
ンを用い、前記商品収納室内に漏洩したハイドロカーボ
ンを検知するガス検知手段と、前記商品収納室から大気
へ排気する排気装置と、前記ガス検知手段の検知に応じ
て前記排気装置を作動させる制御手段とから構成したの
で、これにより、冷媒として地球温暖化係数の小さなハ
イドロカーボンガスを混合することで、冷媒回路のサー
ビス時や、万が一の事故等による冷媒回路の破損等冷媒
が大気に放出された場合の地球温暖化に対する影響は極
めて小さくなり、地球環境向上に寄与できる。また、冷
媒回路が破損して、最も容量の小さな商品収納室内にハ
イドロカーボンガスの全量が漏洩、充満した場合でも、
ハイドロカーボンガスを直接検知することにより、強制
的に大気中に排気されるため、冷媒回路に封入されたハ
イドロカーボンの量が多くても、商品収納室内のハイド
ロカーボンガス濃度が燃焼範囲にはいるまで上昇するこ
とはない。従って冷媒全量がハイドロカーボンであって
も安全に自動販売機を運転できる。
【0113】請求項3に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、自動販売機の電源の投入の有無に係わりな
く、常にガス検知手段と、排気装置と、前記ガス検知手
段の検知に応じて前記排気装置を作動させる制御手段と
に通電する電源とから構成したことにより、自動販売機
への電源投入がなくても、常にガス検知と、ガス検知し
た場合のハイドロカーボンガスの大気への排気は可能と
なるので、運搬時や保管時など、長期にわたって自販機
本体への通電がない場合にも、冷媒回路からのハイドロ
カーボンガスの漏洩を生じた場合に大気に排出できて商
品収納室内で燃焼を起こしてしまうことはなく、ハイド
ロカーボンガスを封入した自動販売機を安全に保管ある
いは運搬することができる。従って自動販売機が実際に
運転されて販売状態にあるのみならず、本体への通電が
いかなる状態でも、ハイドロカーボン漏洩による商品収
納室内の燃焼を事前に防止できる。
【0114】請求項4に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、ガス検知手段によりガス検知すると、商品収
納室内にある電気部品の通電を停止するように制御する
制御手段とから構成したことにより、商品収納室内にハ
イドロカーボンガスが漏洩した際に、漏洩した箇所や、
漏洩量の大小や、漏洩量の時間的変化や、漏洩するガス
流速により、商品収納室内に、部分的やあるいは過渡的
に、ハイドロカーボンガスと空気との混合濃度に高い部
分を生じても、電気部品の通電を停止することにより、
着火源をなくすことができる。
【0115】請求項5に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、冷媒としてハイドロカーボンを用い、圧縮機
と、凝縮器と、絞り装置と冷却器とを順次環状に配管接
続して構成した第1の冷媒回路を構成するとともに、前
記冷却器で冷却された不燃性を有する第2の冷媒を循環
させて複数の商品収納室の室内を冷却するよう第2の冷
媒回路を構成し、前記第1の冷媒回路は前記商品収納室
の室外で大気に開放して位置するよう構成した自動販売
機の冷却装置である。
【0116】これにより、冷媒として地球温暖化係数の
小さなハイドロカーボンガスを使用することで、冷媒回
路のサービス時や、万が一の事故等による第1の冷媒回
路の破損等冷媒が大気に放出された場合の地球温暖化に
対する影響は極めて小さくなり、地球環境向上に寄与で
きる。また、商品収納室内は不燃性の冷媒で冷却してい
ることから、第2の冷媒回路が破損しても、商品収納室
内で着火を引き起こすことはない。さらに冷媒回路が2
つに分離されていることから、例えば圧縮機のメンテナ
ンスなど1部の冷媒回路のサービスの場合も冷媒回路全
体を真空引きしたりする必要がなく簡単に行える。ま
た、第2の冷媒回路の冷媒は、圧縮機の運転状態に直接
影響されないので、圧力変動が少なく、安定した冷却性
能を得ることができる。
【0117】請求項6に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、圧縮機の停止により冷媒回路を複数の区分に
遮断する遮断弁と、各区分に保持できる冷媒量をその区
分から冷媒が漏洩した場合に充満する空間の空気との混
合における燃焼範囲の下限値未満に設定するよう構成し
たことにより、遮断弁が遮断すると冷媒回路が複数に区
分され、遮断中に冷媒回路に破損が生じた場合には、破
損個所の区分内の冷媒のみが漏洩し、他の箇所の冷媒が
漏洩することはない。漏洩した場合には充満する空間の
空気との混合における燃焼範囲の下限値未満になるので
燃焼を防げる効果があるのだ。従って、すべての商品収
納室が加温モードにあるなど長期に圧縮機が運転されな
い場合に、冷媒ガス漏洩を生じた場合にも、封入量の一
部が漏洩するにとどまるので、地球温暖化に対する影響
を極めて小さくすることができる。
【0118】請求項7に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は、圧縮機が運転中に冷媒回路の低圧側となるの
冷媒圧力を検知する圧力検知手段と、前記圧力検知手段
が検出した圧力に応じて前記圧縮機の運転を停止するよ
う制御する制御手段とから構成したことにより、例えば
冷媒回路に破損を生じた箇所が圧縮機の運転中に低圧側
となる部分が運転状態により大気圧より低くなる場合に
は、空気が冷媒回路に入ってくるが、これを検知して圧
縮機の運転を停止することで、冷媒回路内の圧力は大気
圧以上に上昇するので、冷媒回路内に空気が流入するこ
とがなくなり、従って、冷媒回路内でハイドロカーボン
と空気が混合して、燃焼するといった恐れがない。
【0119】請求項8に係わる本発明の自動販売機の冷
却装置は凝縮器の出口部から前記蒸発器の出口にいたる
までの冷媒回路の配管を2重管とし、前記2重管の内管
と外管とのあいだに冷媒を流すよう構成したことによ
り、圧縮機の運転中に存在できる液冷媒は2重管の内管
と外管とのあいだの空間の量となるので、必要なハイド
ロカーボンの冷媒量が低減できる。ハイドロカーボンは
比重が大きく、単位重量あたりの冷却能力が大きいので
余分な重量を低減することとなり、また、熱伝達表面積
は外管の内表面積であり、しかも流速は増大するので、
冷却能力が低下することはない。従って冷却能力を減少
させることなく、冷媒量を減少でき地球温暖化防止効果
をさらに高めることができる。
【0120】請求項9に係わる本発明自動販売機の冷却
装置は、加温モードにある商品収納室の室外部分の冷媒
回路に冷媒を閉じこめるよう構成したことにより、ある
商品収納室において冷却モードから加温モードに設定を
変えて加温モードの商品収納室の数を増やした場合に、
加温モード商品にある商品収納室から冷媒を排除するこ
とで、長期にわたって加温モードにある室内部分の冷媒
配管に破損を生じた場合にでも室内に冷媒が漏洩するの
を防ぐことができるうえ、このときも冷却モードの冷却
能力を損なうことはないので、加温モードの商品の販売
の機会を失うことなく安全に自動販売機を運転すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による自動販売機の冷却装置
の冷媒回路図
【図2】本発明の実施例2による自動販売機の冷却装置
の冷媒回路図
【図3】同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系の構
成を示すブロック図
【図4】同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を示す
フローチャート
【図5】本発明の実施例3による自動販売機の冷却装置
の冷媒回路図
【図6】本発明の実施例4の自動販売機の冷却装置の制
御系の構成を示すブロック図
【図7】同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を示す
フローチャート
【図8】本発明の実施例5による自動販売機の冷却装置
の冷媒回路図
【図9】本発明の実施例6による自動販売機の冷却装置
の冷媒回路図
【図10】本発明の実施例7による自動販売機の冷却装
置の冷媒回路図
【図11】同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系の
構成を示すブロック図
【図12】同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を示
すフローチャート
【図13】本発明の実施例8による自動販売機の冷却装
置の冷媒回路図
【図14】図13におけるA−A部断面図
【図15】本発明の実施例9による自動販売機の冷却装
置の冷媒回路図
【図16】同実施例の自動販売機の冷却装置の制御系の
構成を示すブロック図
【図17】同実施例の自動販売機の冷却装置の動作を示
すフローチャート
【図18】従来の自動販売機の冷却装置を示すブロック
【符号の説明】
1A,1B,1C 商品収納室 2A,2B,2C 冷却器 3A,3B 商品加温器 4 圧縮機 5A,5B,5C 絞り装置 11 凝縮器 12A,12B,12C,12D,12E 制御手段 13A,13B,13C ガス検知手段 14A,14B,14C 排気装置 17 圧力検知手段 18 2重管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E044 AA01 CB05 CC08 CC10 DB16 DD10 FB11 3L045 AA02 AA03 BA01 CA02 DA02 EA02 GA07 HA03 HA07 JA13 JA14 LA05 LA09 LA13 LA17 MA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、加温
    モードと冷却モードとに切り替え可能な複数の商品収納
    室の各々に設けられた冷却器とを順次環状に配管接続し
    て冷媒回路を構成するとともに、冷媒としてハイドロカ
    ーボンと、前記ハイドロカーボンの蒸発温度より低い蒸
    発温度を有する不燃性のハイドロフルオロカーボンとを
    混合し、ハイドロフルオロカーボンの量を、最も容積の
    小さい商品収納室の空気量に対する冷媒の燃焼範囲の下
    限値未満に設定するよう構成した自動販売機の冷却装
    置。
  2. 【請求項2】 圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、加温
    モードと冷却モードとに切り替え可能な複数の商品収納
    室の各々に設けられた冷却器とを順次環状に配管接続し
    て冷媒回路を構成するとともに、冷媒としてハイドロカ
    ーボンを用い、前記商品収納室内に漏洩したハイドロカ
    ーボンを検知するガス検知手段と、前記商品収納室から
    大気へ排気する排気装置と、前記ガス検知手段の検知に
    応じて前記排気装置を作動させる制御手段とから構成し
    た自動販売機の冷却装置。
  3. 【請求項3】 自動販売機の電源の投入の有無に係わり
    なく、ガス検知手段と、排気装置と、前記ガス検知手段
    の検知に応じて前記排気装置を作動させる制御手段とを
    作動させる第2の電源とから構成した請求項2記載の自
    動販売機の冷却装置。
  4. 【請求項4】 ガス検知手段によりガス検知すると、商
    品収納室内にある電気部品の通電を停止するように制御
    する制御手段とから構成した請求項2または3記載の自
    動販売機の冷却装置。
  5. 【請求項5】 冷媒としてハイドロカーボンを用い、圧
    縮機と、凝縮器と、絞り装置と冷却器とを順次環状に配
    管接続して構成した第1の冷媒回路を構成するととも
    に、前記冷却器で冷却された不燃性を有する第2の冷媒
    を循環させて複数の商品収納室の室内を冷却するよう第
    2の冷媒回路を構成し、前記第1の冷媒回路は、前記商
    品収納室の室外で、大気に開放して位置するよう構成し
    た自動販売機の冷却装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機の停止により前記冷媒回路を複数
    の区分に遮断する遮断弁と、各区分に保持できる冷媒量
    を、その区分から冷媒が漏洩した場合に充満する空間の
    空気との混合における燃焼範囲の下限値未満に設定する
    よう構成した請求項1または請求項2または請求項4自
    動販売機の冷却装置。
  7. 【請求項7】 圧縮機が運転中に冷媒回路の低圧側とな
    る冷媒圧力を検知する圧力検知手段と、前記圧力検知手
    段が検出した圧力に応じて前記圧縮機の運転を停止する
    よう制御する制御手段とから構成した請求項1または請
    求項2または請求項3または請求項5または請求項6に
    記載の自動販売機の冷却装置。
  8. 【請求項8】 凝縮器の出口部から前記蒸発器の入口部
    にいたるまでの冷媒回路の配管を2重管とし、前記2重
    管の内管と外管とのあいだに冷媒を流すよう構成した請
    求項1から請求項7のいずれか一つに記載の自動販売機
    の冷却装置。
  9. 【請求項9】 加温モードにある商品収納室の室内にあ
    る冷媒回路から冷媒を排除するよう構成した請求項1か
    ら請求項7のいずれか一つに記載の自動販売機の冷却装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113574334A (zh) * 2019-03-15 2021-10-29 三菱重工制冷空调系统株式会社 车辆用空调系统及车辆用空调系统的控制方法
WO2022018803A1 (ja) * 2020-07-20 2022-01-27 三菱電機株式会社 冷熱源ユニットおよび冷凍サイクル装置

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CN113574334A (zh) * 2019-03-15 2021-10-29 三菱重工制冷空调系统株式会社 车辆用空调系统及车辆用空调系统的控制方法
WO2022018803A1 (ja) * 2020-07-20 2022-01-27 三菱電機株式会社 冷熱源ユニットおよび冷凍サイクル装置
JP7337278B2 (ja) 2020-07-20 2023-09-01 三菱電機株式会社 冷熱源ユニットおよび冷凍サイクル装置

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