JP4178569B2 - 溶銑の脱硫方法および溶銑の脱硫剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は溶銑の脱硫方法および溶銑の脱硫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銑の炉外脱硫には、安価なCaOを主成分とする脱硫剤、例えば、95wt%CaO‐5wt%CaF2が広く使用されている。一方、溶銑の脱硫剤として金属Mgも知られている。金属Mgは、溶銑中のSと容易に反応してMgSを生成するが、沸点が1107℃と低いので、1250〜1500℃の溶銑中では激しく気化し、Mgを単独で用いると溶銑を飛散させるとともに、Mg蒸気が十分脱硫に寄与せずに大気中に放散されることになる。
【0003】
このため、特開平7−179919号公報に開示されているように、金属MgをCaOで希釈して10〜30wt%のMg濃度に調整した混合粉末を搬送ガスとともに溶銑中に吹き込む方法が一般的である。この場合、次に示す(1)式のMgによる脱硫反応および(2)式のCaOによる脱硫反応が並行して進む。
〔Mg〕+〔S〕→(MgS) (1)
(CaO)+〔S〕→(CaS)+〔O〕 (2)
【0004】
すなわち、Mg蒸気は溶銑に溶解してマグネシウム〔Mg〕となり、溶銑に溶解した硫黄〔S〕と反応して(MgS)を生成し、溶銑中に懸濁あるいは溶銑浴面に浮上する。一方、脱硫剤の(CaO)は溶銑に溶解した硫黄〔S〕と反応して(CaS)を生成し、溶銑中に懸濁あるいは溶銑浴面に浮上する。ここで、副生する酸素は溶銑に溶解して〔O〕となるが、溶銑中のCと反応してCOガスとなって散逸する。
【0005】
上記(1)式のMg脱硫は(2)式のCaO脱硫に比べて脱硫速度が大きくMg‐CaO全体の脱硫速度はCaO単独の場合に比べて著しく大きくなる。すなわち、Mg‐CaO吹き込みによる脱硫法を適用すると、少ない脱硫剤原単位で短時間に所望の到達〔S〕を得ることができる。その結果、スラグ発生量が減る利点があり、また、スラグに混入する地金も減少するので、鉄歩留まりの向上が期待できる。また、処理時間が短いので処理時の溶銑温度の低下が小さいという利点もある。
【0006】
このように数多くの利点があるにもかかわらず、Mg脱硫は主流とはなっていない。これは原料の金属Mgが高価なために安価なCaOを主成分とする脱硫剤を上回るメリットが見い出だせないからである。
【0007】
これに対して、特開昭52−50917号公報には、MgOとAlの反応によってMg蒸気Mg(g)を発生させる脱硫方法に関し、反応を促進するに足る熱量を発生する発熱剤をMgOとAlに加えて溶銑に供給する方法が開示されている。ちなみに、この引例では、次の反応を利用している。
3MgO+2Al→3Mg(g)+Al2O3 (3)
この方法によれば、金属Mgに比べて比較的安価なMgOとAlを主原料とするので、上述のMg脱硫の採算性の不利を軽減できる可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開昭52−50917号公報に開示された技術においては、MgOとAlの反応によってMg蒸気を発生させる(3)式の反応は単に溶銑温度に相当する1250〜1450℃に加熱しただけでは起こらず、1500℃以上を要するとし、前述したように発熱剤を添加している。その実施例においては、平均100メッシュの粒度に揃えたMgO、AlおよびFe3O4の補助酸化物(発熱剤)を十分混合し、平均2mmの粒度のセミペレットに造粒して脱硫剤を得たことが記載され、補助酸化物XOはAlと(4)式のように反応してその際出る高熱により未反応のAlとMgOが反応し、(3)式に従ってMg蒸気を生成させることが可能になると記載されている。
3XO+2Al→3X+Al2O3 (4)
【0009】
しかしながら、この技術においては、Alは(3)式のMg蒸気の生成以外に、脱硫に直接寄与しないXの生成に消費されるため、経済性を損なってしまう。したがって、この脱硫方法は実用化に至っていない。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Mgを用いて安価に脱硫することができる溶銑の脱硫方法およびこれに適した溶銑の脱硫剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
Mg蒸気は上記(3)式に従って1500℃以上で発生するという特開昭52‐50917号公報の認識とは異なり、MgOとAlからMg蒸気を生成する反応は原料を適正に調整すれば、以下の(5)式に従って900℃から起こすことができる。すなわち、MgOとAlが反応してMg蒸気が発生し、マグネシア・アルミナ・スピネル(MgO・Al2O3)が残留する。
4MgO+2Al→3Mg(g)+MgO・Al2O3 (5)
しかし、MgO中のMgは全量Mgに転化することはできず、1/4はMgO・Al2O3の生成に消費される。
【0012】
本発明者等は、MgOからMg蒸気を効率よく生成させるべく鋭意研究を重ねた結果、AlとMgOとCaOを特定の割合で混合して、不活性雰囲気で加熱すると、MgOのMg蒸気に転化する割合が高くなるという知見を得た。すなわち、MgOとAlにCaOを添加することによってMgO・Al2O3の生成が抑制され、MgOはMg蒸気の生成に有効に使われることを見出したのである。
【0013】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、第1に、AlとMgOとCaOを含み、Al/MgOを質量比で0.340〜1.335、CaO/MgOを質量比で0.3〜1.5の範囲とし、MgO、Al、CaOを合計で50質量%以上含む脱硫剤を溶銑に接触させることにより、溶銑中でAlとMgOとCaOを反応させて、CaOとAl2O3からなる複合酸化物とMg蒸気とを生成させ、このMg蒸気を、溶銑中に溶解したSと反応させて、MgSを生成、析出させることを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
【0015】
本発明は、第2に、溶銑に接触させて溶銑を脱硫する溶銑の脱硫剤であって、Al/MgOを質量比で0.340〜1.335、CaO/MgOを質量比で0.3〜1.5の範囲とし、MgO、Al、CaOを合計で50質量%以上含むことを特徴とする溶銑の脱硫剤を提供するものである。
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
この発明で対象とする溶銑は、高炉、溶融還元炉等で製造されるものであって、通常、4.2〜4.5質量%C、0.2〜0.8質量%Si、0.15〜0.8質量%Mn、0.10〜0.15質量%P、0.02〜0.06質量%S諸成分を含有する。この溶銑に直接脱硫処理を施すこと、脱珪処理、脱燐処理あるいは脱炭処理を施してから脱硫処理を施すこと、または、脱燐処理と脱硫処理を同時に実施することが知られており、本発明では、溶銑鍋あるいはトピードカーに収納された溶銑を対象とする。インジェクションランスを通じて脱硫剤を搬送ガスとともに吹き込んでもよい。インペラー攪拌により脱硫剤を溶銑中に巻き込む方式としてもよい。また、脱硫剤を予め溶銑鍋に入れておいて受銑により脱硫反応を起こさせてもよい。
【0017】
Al源粉末とMgO源粉末の粒径は両者の反応性を支配する重要な因子である。粉砕粉は一般的に粉砕が進むほど粒子形状が単純になり球に近づく傾向があることが知られている。一方、Al源粉末内部のAlは溶融と昇温により膨張し、この膨張により表面のアルミナ皮膜には引張応力が働くが、粒子形状が球に近いほどアルミナ皮膜は変形が困難であり応力を緩和することができず、このため破裂し易くなる。すなわち、Al源粉末は細かいほどアルミナ皮膜が壊れやすく、Al融液が外部に漏れて外部のMgOと反応し易くなる。したがって、Al源粉末は細かい方が好ましい。具体的には32メッシュの篩通過粉、すなわち、粒径0.5mm以下の粉末を適用することによってAlの反応率を上げることができる。
【0018】
MgO源粉末も細かいほどAl融液との接触面積が増加するので反応が進みやすくなる。従って、MgO源粉末は細かい方が好ましい。具体的には100メッシュの篩通過粉、すなわち粒径0.15mm以下の粉末を適用することによってMgOの反応率を上げることができる。さらに好ましくは200メッシュの篩通過粉、すなわち、粒径0.074mm以下の粉末を適用する。
【0019】
本発明において適用される脱硫剤はMgOとAlとCaOを含むことに特徴がある。CaOを添加するとMg蒸気は(5)式に代わって以下の(6)〜(9)式に従って生成するようになる。
6MgO+4Al+4CaO→6Mg(g)+(CaO・2Al2O3) (6)
3MgO+2Al+CaO→3Mg(g)+(CaO・Al2O3) (7)
21MgO+14Al+12CaO→21Mg(g)+(12CaO・7Al2O3) (8)
3MgO+2Al+3CaO→3Mg(g)+(3CaO・Al2O3) (9)
【0020】
上記(5)式では出発物質のMgOの一部がMgO・Al2O3の生成に消費されるので、MgOのMg蒸気に転化する割合が最大でも75%に抑えられる。これに対して、(6)〜(9)式ではMgOに代わってCaOがAl2O3と複合酸化物を生成するので、MgOを全量Mg蒸気に転化させることも可能となる。CaOはMgOに比べて安価であるから、より安価なCaOの添加によりMgOとAl2O3の反応を抑制することができ、より安価にMg蒸気を得ることができるのである。
【0021】
脱硫剤中のMgO、Al、CaO濃度は、(6)〜(9)式のいずれかによって効率良くMg蒸気を発生させるために、Al/MgOを質量比で0.340〜1.335、CaO/MgOを質量比で0.3〜1.5の範囲とすることが好ましい。Al/MgOの質量比が0.340未満だと、Alの不足のためMgOが未反応のまま残留する割合が増加するので好ましくない。Al/MgOの質量比が1.335を超えると、Alが未反応のまま残留する割合が増加するので好ましくない。また、CaO/MgOの質量比が0.3未満だとCaOの不足のため、CaOとAl2O3の複合酸化物の生成が不十分となり、このため(5)式の反応を抑制できず、MgOのMg蒸気への転化率が低下する。CaO/MgOの質量比が1.5を超えると、MgOの濃度が低下して脱硫剤単位質量あたりのMg発生量が低下する欠点が顕著となるので好ましくない。
【0022】
また、脱硫剤中のMgO、Al、CaOを合計で50質量%以上とすることが好ましい。これらが50質量%未満ではMgO、Al、CaOの接触が不十分となり反応が十分進行せず、これらの出発物質が未反応のまま残留するからである。
【0023】
MgO源は特に制限されるものではない。MgO源としては、ブルーサイト(Mg(OH)2)やマグネサイト(MgCO3)等を熱分解して得られる天然マグネシア、海水から得られる海水マグネシアを好適に用いることができる。
【0024】
CaO源も特に制限されるものではない。CaO源としては、カルサイト(CaCO3)を熱分解して得られる生石灰(CaO)や、ドロマイト(MgCO3・CaCO3)を熱分解したものを好適に用いることができる。ドロマイトを用いる場合には、これによって、MgO源とCaO源を兼ねることができる。
【0025】
Al源も特に制限されるものではない。Al源としては、アルミニウム融液をガスでアトマイズして得られるアトマイズ粉末、アルミニウム合金を研磨、切削する際に発生する粉末、アルミニウムスクラップを溶解再生するときに発生するアルミニウムドロス粉末等を好適に用いることができる。
【0026】
また、MgO、Al、CaOの他に、炭酸ソーダ(Na2CO3)、カルシウムカーバイド(CaC2)等の脱硫性物質、CaF2、CaCl2、NaCl、KCl等の脱硫を促進する融点降下剤を加えてもよい。
【0027】
前記原料粉末は、必要に応じて造粒して用いてもよい。この際の成形バインダーは常温から溶銑温度に到るまで強度を維持できるものでなければならない。フェノール樹脂、フラン樹脂、コールタールピッチ、糖蜜等のカーボン系バインダー、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等の酸化物系バインダー等を適用することができる。
【0028】
造粒の際の成形方法には特に制限はなく、ペレタイザー等の転動造粒、タブレットマシーン、ブリケッテイングマシーン等の圧縮成形、押し出し成形、噴霧乾燥造粒等公知の方法を適用することができ、これらから脱硫剤の使用方法に合わせて選択される。例えばインジェクションには気流輸送に適した直径2mm以下の小粒を成形する噴霧乾燥造粒、インペラー攪拌には粒径5〜50mmの大粒を成形する圧縮成形が適している。
【0029】
本発明では、上述したように、MgO、Al、CaOが50質量%以上が好ましく、結果として、MgO源、Al源、CaO源に不可避的に含まれる不純物、必要に応じて加える脱硫性物質、融点硬化剤、成形バインダー等は、脱硫剤の50質量%未満とすることが好ましい。これは、これらが50質量%以上になると、上記(6)〜(9)式に従って発生するMg蒸気の量が投入量に対して相対的に不十分となるからである。
【0030】
従来技術の金属Mg脱硫ではMgが爆発的に蒸発するのに対して、(6)〜(9)式の反応によるMg蒸気の発生は緩やかである。このため、脱硫剤から発生可能なMg蒸気を脱硫に有効に利用するには、溶銑中における脱硫剤の滞留時間の短いインジョクション法よりも脱硫剤を繰り返し溶銑中に巻き込ませ接触時間を長く取ることができるインペラー攪拌法のほうがより適している。
【0031】
すなわち、インペラー攪拌で溶銑浴中央部に生じた渦流陥没部に、本発明で適用される上記MgO−Al−CaO系脱硫剤を巻き込ませると脱硫剤からMg蒸気の発生がなくなるまで溶銑と接触させることができ、脱硫剤から発生可能なMg蒸気を脱硫に利用する有効利用率を高めることができるのである。溶銑鍋に受銑前に予め上記脱硫剤を入れておく方法は、滞留時間の確保が容易なことから、さらに適している。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に用いられる脱硫剤の製造工程を示す模式図である。図1に示すように、脱硫剤を製造するための設備はプラネタリーミキサー1とブリケッティングマシーン2とからなる。まず、プラネタリーミキサー1に所定量のアルミニウムドロス粉末3と天然マグネシア粉末4と生石灰粉末5を供給して所定時間混合する。そこへ、ミキサーを運転しながら成形バインダー6(軟ピッチ、軟化点40℃)を少しずつ間欠的に供給する。成形バインダー6の供給が終了したら所定時間混合して混合物を得る。混合物をブリケッティングマシーン2の供給ホッパーに装入し、回転する双ロールに混合物を供給して加圧成形してブリケット7を得る。
【0033】
次に、このような脱硫剤を用いてインペラー撹拌によって溶銑を脱硫する実施形態について図2に従って説明する。
台車11に搭載された溶銑鍋12に溶銑13が収納されている。収納された溶銑13は、例えば、その量が230t、温度が1350℃、含まれるS量が0.03質量%である。この溶銑鍋12を、インペラー撹拌式脱硫装置14が所定の位置になるように配置する。
【0034】
インペラー攪拌式脱硫装置14は、油圧モーター15、油圧モーター15により回転できる4枚羽根のインペラー16、バグフィルター(図示せず)に接続される排気口17を備えており、その他、図示してはいないが、秤量ホッパー、これに収納された脱硫剤を切り出すロータリーフィーダーを備えている。
【0035】
このようなインペラー攪拌式脱硫装置においては、まず、インペラー16を下降させて溶銑に浸漬し、油圧モーター15を駆動させてインペラー16を回転させる。並行してバグフィルター後の排風機(図示せず)を運転して発生ダストを吸引する。回転数が上がり定常回転数の130rpmに達したらロータリーフィーダーを駆動させて所定量の脱硫剤を60t/hrの速度で溶銑に供給する。供給終了後、15min経過したら油圧モーター15の回転数を減らす。スラグが浮上して溶銑浴面を覆いスラグが静止した時点で溶銑の脱硫処理は終了となる。
【0036】
次に、上記脱硫剤を溶銑鍋へ底置して溶銑を脱硫する実施形態について図3〜5に従って説明する。
図3に示すように、台車21に搭載された溶銑鍋22に、25kg単位で袋詰めした、アルミニウムドロス粉末、天然マグネシア、生石灰の混合原料を底部全体に行き渡るように、例えば350kg投入して脱硫剤層23を形成する。次いで、その上に市中発生鉄スクラップ24を、例えば500kg投入する。この台車21を高炉の受銑位置に配してから出銑し、傾注樋25を介して溶銑26を溶銑鍋22で受け始める。溶銑26はスクラップ24に衝突して横に広がる。
【0037】
その後、図4に示すように、溶銑レベルの上昇に伴って、スクラップ24の溶融が進行する。同時に脱硫剤23に含まれるAlの溶融も進行し、溶融Alによりブリケットの形状は崩れ、脱硫剤層として一体化が進行する。
【0038】
そして、図5に示すように、スクラップ24は消失し、溶銑26が直接、脱硫剤層23と接触するようになる。脱硫剤層23からはMgが発生し、溶銑中のSと反応してMgSとなる。溶銑の脱硫剤層23への浸透によりCaOとAl2O3の複合酸化物は溶銑26中へ浮上する。CaOとAl2O3の複合酸化物とMgSは浮上して浴面にスラグ層27を形成する。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図6に示す黒鉛坩堝31を使用して脱硫実験を実施した。黒鉛坩堝31は黒鉛容器32と黒鉛蓋33とからなる。黒鉛蓋33の内径は40mm、深さは60mmである。まず、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0質量%MgO、3.2質量%CaO、1.0質量%SiO2、0.4質量%Fe2O3、0.1質量%Al2O3)32.6g、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1質量%Al、4.3質量%Si、2.5質量%NaCl)56.5g、100メッシュの篩を通過した生石灰粉末(98質量%CaO)10.9gを、メノウ乳鉢に入れてメノウ棒でメノウ乳鉢に押し広げる操作を繰り返して色班がなくなるまで混合した。
【0040】
この際の配合比は、Al/MgOの質量比で0.992、CaO/MgOの質量比で0.403であり、AlとCaOとMgOの合計量は71.1質量%である。この混合原料から510mgを秤量して黒鉛容器32に入れスパチュラーで底部に広げて押し固めた。その上に、直径約35mmの丸棒状の銑鉄(4.36質量%C、0.34質量%Si、0.23質量%Mn、0.034質量%S)342gを置いて黒鉛蓋33で蓋をした。
【0041】
この黒鉛坩堝31を電気抵抗式加熱炉に装入し、ロータリーポンプで排気してアルゴンガスと置換後、10℃/minの昇温速度で1400℃まで昇温し、1400℃で1hr保持してから放冷し、溶銑の脱硫を行った。
【0042】
常温まで冷却後、黒鉛坩堝31を取り出したところ、銑鉄34は図6に示すように坩堝全体に広がっていた。この銑鉄34を坩堝容器32を切断して取り出した。銑鉄34の下部には粉末35が残存していた。銑鉄34の表面には脱硫生成物のMgSと思われる黒色の付着物があった。銑鉄34の含有Sは0.003質量%であった。したがって、脱硫率は91%と高いことが確認された。底部残留粉末35をX線回折により分析したところCaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3およびAlの存在が確認され(7)、(8)式の反応が生じたことが確認された。
【0043】
表1に示すように、本実施例によれば、MgOとAlに安価なCaOを加えた脱硫剤を1.5mg/g(銑鉄)使用し、これらの反応によりMg蒸気を発生させてこのMg蒸気により銑鉄中のSを90%以上除去することができた。この結果は安価なCaOを添加せず、したがってMgOの使用量の多い以下の比較例1の結果と同等である。
【0044】
(比較例1)
生石灰を添加せずに天然マグネシウムとアルミニウムドロスを原料としてMg蒸気を発生させて溶銑の脱硫を行った。まず、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0質量%MgO、1.0質量%SiO2、0.4質量%Fe2O3、0.1質量%Al2O3)43.5g、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1質量%Al、4.3質量%Si、2.5質量%NaCl)56.5gをメノウ乳鉢に入れてメノウ棒でメノウ乳鉢に押し広げる操作を繰り返して色班がなくなるまで混合した。
【0045】
この際の配合比はAl/MgOの質量比で0.743、CaO/MgOの質量比で0.0であり、AlとCaOとMgOの合計量は70.4質量%である。この混合原料から507mgを秤量して図6に示す黒鉛容器32に入れスパチュラーで底部に広げて押し固めた。その上に、直径35mmの丸棒状の銑鉄(4.36質量%C、0.34質量%Si、0.23質量%Mn、0.034質量%S)338gを置いて黒鉛蓋33で蓋をした。
【0046】
この黒鉛坩堝31を電気抵抗式加熱炉に装入し、ロータリーポンプで排気してアルゴンガスと置換後、10℃/minの昇温速度で1400℃まで昇温し、1400℃で1hr保持してから放冷し、溶銑の脱硫を行った。
【0047】
常温まで冷却後黒鉛坩堝31を取り出したところ、銑鉄34は図6に示すように坩堝全体に広がっていた。この銑鉄34を坩堝容器32を切断して取り出した。銑鉄34の下部には粉末35が残存していた。銑鉄34の表面には脱硫生成物のMgSと思われる黒色の付着物があった。銑鉄34の含有Sは0.003質量%であった。したがって、脱硫剤は91%と高いことが確認された。底部残留粉末35をX線回折により分析したところMgO・Al2O3、Alの存在が確認され(6)式の反応が生じたことが確認された。
【0048】
表1に示すように、MaOとAlからなる脱硫剤を1.5mg/g(銑鉄)使用し、これらの反応によりMg蒸気を発生させてこのMg蒸気により銑鉄中のSを90%以上除去することができた。
【0049】
(実施例2)
実施例2は、アルミニウムドロス粉末と天然マグネシウム粉末と生石灰粉末を成形したブリケットによりインペラー攪拌式脱硫装置で溶銑の脱硫を実施した実施例である。図2に示すインペラー攪拌式脱硫装置を使用して溶銑脱硫を実施した。結果を表2に示す。
【0050】
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1質量%Al、4.3質量%Si、2.5質量%NaCl)565kg、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0質量%MgO、3.2質量%CaO、1.0質量%SiO2、0.4質量%Fe2O3、0.1質量%Al2O3)326kg、生石灰粉末(98質量%CaO)109kg、軟ピッチ100kgを図1のフローに従って成形し、概略寸法25mm×25mm×15mmのブリケットを得た。ブリケットの組成は51.4質量%アルミニウムドロス、29.6質量%天然マグネシア、9.9質量%生石灰、軟ピッチ9.1質量%であり、Al/MgOの質量比は0.992、CaO/MgOの質量比は0.403、原料粉中のAlとCaOとMgOの合計は64.6質量%であった。
【0051】
次に前記の手順に従って脱硫を実施した。脱硫条件および脱硫結果は表2に示す通りである。溶銑処理用は230t、温度1340℃、処理前Sは0.031質量%である。この溶銑を撹拌してインペラー回転数130rpmに到達したら、脱硫剤886kgを供給して15min回転数維持後減速した。この操作により溶銑中のSは脱硫前の0.032質量%から0.003質量%に低下し、91%の脱硫率が得られた。
【0052】
脱硫剤の使用量は溶銑1tあたり3.85kgである。通常CaO系脱硫剤では7〜10kgを消費するが、これと比べて本発明になるMgOーCaOーAl系脱硫剤の使用量は著しく少ないことがわかる。
【0053】
(実施例3)
実施例3では、図3〜5に示したように、空の溶銑鍋の底に予め本発明になる脱硫剤を入れて受銑、脱硫した。
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1質量%Al、4.3質量%Si、2.5質量NaCl)384kg、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0質量%MgO、3.2質量%CaO、1.0質量%SiO2、0.4質量%Fe2O3、0.1質量%Al2O3)462kg、生石灰粉末(98質量%CaO)154kg、軟ピッチ100kgを図1のフローに従って成形し、概略寸法25mm×25mm×15mmのブリケットを得た。ブリケットの組成は34.9質量%アルミニウムドロス、42.0質量%天然マグネシア、14.0質量%生石灰、軟ピッチ9.1質量%であり、Al/MgOの質量比は0.476、CaO/MgOの質量比は0.402、原料粉中のAlとCaOとMgOの合計は71.7質量%であった。
【0054】
この脱硫剤ブリケット417kgを溶銑鍋に装入して底部全体に広げ、軟ピッチを分解させて炭化させ、底面に焼き付かせた。その上に、冷銑500kgを装入した。
【0055】
次に、この溶銑鍋に高炉の鋳床から溶銑230tを受けた。受銑に要した時間は20min、受銑終了後溶銑の上に浮上したスラグを除去するまでに要した時間は50minであった。この間に進行した脱硫の条件および脱硫結果は表2に示す通りである。受銑開始時の初期溶銑温度は1470℃、溶銑中のSは0.028質量%であった。脱硫後のSは0.002質量%であり、93%の脱硫率が得られたことが確認された。
【0056】
脱硫剤の使用量は溶銑1tあたり1.65kgである。通常CaO系脱硫剤では7〜10kgを消費するが、これと比べて本発明に係るMgO−CaO−Al系脱硫剤の使用量は著しく少ないことがわかる。
【0057】
(比較例2)
ここでは、従来と同様、95質量%CaO−5質量%CaF2脱硫剤を用い、インペラー式溶銑脱硫装置で溶銑を脱硫した。その結果、表3に示すように、脱硫剤消費量8.1kg/t(銑鉄)脱硫率93%が得られた。この脱硫率は実施例2、3で得られた脱硫率と同等であるが、脱硫剤消費量は2倍以上と多かった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、AlとMgOとCaOの反応によってMg蒸気を発生させ、溶銑脱硫を行うが、その発生は穏やかなので溶銑との接触が良好でMg蒸気の脱硫への利用効率が高く、少ない脱硫剤消費量で高い脱硫率を得ることができ、また、安価なCaOの添加によりMgOの使用量を低減できるので、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる脱硫剤の製造工程を示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態に係る溶銑の脱硫方法の実施状態を説明するための図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る溶銑の脱硫方法の実施状態を説明するための図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る溶銑の脱硫方法の実施状態を説明するための図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る溶銑の脱硫方法の実施状態を説明するための図。
【図6】本発明の実施例1の脱硫実験を説明するための図。
【符号の説明】
1……プラネタリーミキサー
2……ブリケッティングマシーン
3……アルミニウムドロス粉末
4……マグネシア粉末
5……生石灰粉末
6……バインダー
7……ブリケット
12、22……溶銑鍋
13、26……溶銑
14……インペラー攪拌式脱硫装置
16……インペラー
23……脱硫剤層
24……スクラップ
Claims (2)
- AlとMgOとCaOを含み、Al/MgOを質量比で0.340〜1.335、CaO/MgOを質量比で0.3〜1.5の範囲とし、MgO、Al、CaOを合計で50質量%以上含む脱硫剤を溶銑に接触させることにより、溶銑中でAlとMgOとCaOを反応させて、CaOとAl2O3からなる複合酸化物とMg蒸気とを生成させ、このMg蒸気を、溶銑中に溶解したSと反応させて、MgSを生成、析出させることを特徴とする溶銑の脱硫方法。
- 溶銑に接触させて溶銑を脱硫する溶銑の脱硫剤であって、Al/MgOを質量比で0.340〜1.335、CaO/MgOを質量比で0.3〜1.5の範囲とし、MgO、Al、CaOを合計で50質量%以上含むことを特徴とする溶銑の脱硫剤。
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