JP3588918B2 - 溶銑の脱硫方法および脱硫剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶銑の脱硫方法およびそれに用いられる脱硫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、溶銑の炉外脱硫には安価なCaOを主成分とする脱硫剤が広く使用されており、このような脱硫剤として、例えば、95wt%CaO−5wt%CaF2 がある。
【0003】
一方、溶銑の脱硫剤として金属Mgも知られている。金属Mgは、溶銑中のSと容易に反応してMgSを生成するが、沸点が1107℃と低いので、1250〜1500℃の溶銑中では激しく気化する。したがって、Mgを単独で用いると溶銑を飛散させるとともに、Mg蒸気が十分脱硫に寄与せずに大気中に放散されることになる。このため、特開平7−179919号公報に開示されているように、金属MgをCaOで希釈して10〜30wt%のMg濃度に調製した混合粉末を搬送ガスとともに溶銑中に吹き込む方法が一般的である。この場合、次に示す(1)式のMgによる脱硫反応および(2)式のCaOによる脱硫反応が並行して進む。
【0004】
〔Mg〕+〔S〕→(MgS) (1)
(CaO)+〔S〕→(CaS)+〔O〕 (2)
すなわち、Mg蒸気は溶銑に溶解してマグネシウム〔Mg〕となり、溶銑に溶解した硫黄〔S〕と反応して(MgS)を生成し、溶銑中に懸濁あるいは溶銑浴面に浮上する。一方、脱硫剤の(CaO)は溶銑に溶解した硫黄〔S〕と反応して(CaS)を生成し、溶銑中に懸濁あるいは溶銑浴面に浮上する。ここで、副生する酸素は溶銑に溶解して〔O〕となるが、溶銑中のCと反応してCOガスとなって散逸する。
【0005】
上記(1)式のMg脱硫は(2)式のCaO脱硫に比べて脱硫速度が大きくMg−CaO全体の脱硫速度はCaO単独の場合に比べて著しく大きくなる。すなわち、Mg−CaO吹き込みによる脱硫法を適用すると、少ない脱硫剤原単位で短時間に所望の到達〔S〕が得られる。その結果、スラグ発生量が減る利点があり、また、スラグに混入する地金も減少するので、鉄歩留まりの向上が期待できる。また、処理時間が短いので処理時の溶銑温度の低下が小さい利点もある。
【0006】
しかし、このように数多くの利点があるにもかかわらず、Mg脱硫は主流とはなっていない。これは原料の金属Mgが高価なために安価なCaOを主成分とする脱硫剤を上回るメリットが見い出せないからである。
【0007】
これに対して、特開昭52−50917号公報には、MgOとAlの反応によってMg蒸気Mg(g)を発生させる脱硫方法に関し、反応を促進するに足る熱量を発生する発熱剤をMgOとAlに加えて溶銑に供給する方法を開示している。ちなみに、この従来技術では、次の反応を利用している。
【0008】
3MgO+2Al→3Mg(g)+Al2 O3 (3)
この方法によれば、金属Mgに比べて極めて安価なMgOと比較的安価なAlを主原料とするので、前記のMg脱硫の採算性の不利を軽減できる可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、MgOとAlの反応によってMg蒸気を発生させて溶銑脱硫に供するには溶銑中でMgOとAlとの接触が十分確保されなければならず、溶銑中で両者が分散して接触が妨げられるのを避けるために予備成形が必要である。このような成形体は常温でのハンドリングによって割れたり粉化しないだけでなく、溶銑との接触による急熱で粉化しないことことが要求される。また、この脱硫方法を成功させるには溶銑に懸濁、あるいは溶銑浴面に浮遊している(MgS)が大気から侵入する酸素によって酸化されてSを生成しこれが溶銑へ戻ること、すなわち、復硫を防止する方法の採用が併せて要求される。
【0010】
上述した特開昭52−50917号公報においては、MgOとAlの反応によってMg蒸気を発生させる(3)式の反応は単に溶銑温度に相当する1250〜1450℃に加熱しただけでは起こらず、1500℃以上を要すると記載されており、そのため、この公報では発熱剤を添加している。また、その実施例のなかで、平均100メッシュの粒度に揃えたMgO、AlおよびFe3 O4 の補助酸化物(発熱剤)を十分混合し、平均2mm の粒度のセミペレットに造粒して脱硫剤を得たと述べている。補助酸化物XOはAlと(4)式のように反応してその際に発生する高熱により未反応のAlとMgOが反応し、(3)式に従ってMg蒸気を生成させることが可能になるとしている。
【0011】
3XO+2Al→3X+Al2 O3 (4)
ここで、Alは(3)式のMg蒸気の生成以外に、脱硫に直接寄与しないXの生成に消費される。このAlの消費はこの脱硫方法の経済性を損なうこととなる。以上のようなことから、この脱硫方法はいまだ実用化に至っていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、Mg脱硫を前提とした安価な脱硫方法およびその際に用いられる脱硫剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。
1.Mg蒸気は上記(3)式に従って1500℃以上で発生するという特開昭52−50917号公報の主張とは異なり、MgOとAlからMg蒸気を生成する反応は原料を適正に調製すれば、以下に示す(5)式に従って900℃から生じさせることができる。すなわち、MgOとAlとが反応してMg蒸気が発生し、マグネシア・アルミナ・スピネル(MgO・Al2 O3 )が残留する。
【0013】
4MgO+2Al→3Mg(g)+MgO・Al2 O3 (5)
したがって、発熱剤の添加は必要としない。
2.過剰のAlの添加により大気から侵入してくる酸素をAl2 O3 の形で吸収し、(MgS)の酸化による溶銑への復硫を防止することができる。過剰のAlは脱硫剤中に仕込んでも脱硫剤とは別に溶銑へ供給してもよい。
【0014】
3.アルミニウムドロスは上記(5)式に従う反応を起こすのに好適なAl源である。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたものであり、
第1に、AlとMgOとを含む脱硫剤を溶銑中に加えて、溶銑中でAlとMgOとを反応させてMg蒸気とMgO・Al2 O3 を生成させ、このMg蒸気を溶銑中に溶解したSと反応させてMgSを生成させ、析出させることを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
【0015】
第2に、上記方法において、溶銑中にMgO1kg当たり0.005〜1.0kgの過剰のAlを供給し、この金属Alにより侵入酸素を捕捉してMgSの酸化による復硫を防止することを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
【0016】
第3に、上記いずれかの方法において、前記脱硫剤はさらにアルミナ融点降下物質を含むことを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
第4に、上記第2または第3の方法において、前記アルミナ融点降下物質は、MgCl2 、CaCl2 、KCl、NaCl、CaF2 、KOH、NaOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、KHCO3 、CaOの中から選択されたものであり、該融点降下物質を脱硫剤中のAl1kgに対して0.001〜0.10kg含むことを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
【0017】
第5に、上記いずれかの方法において、溶銑鍋内の溶銑浴面中央部をインペラーを用いて回転撹拌し、上記溶銑浴面中央部に生じた渦流陥没部に前記脱硫剤を巻き込ませて前記溶銑を脱硫することを特徴とする溶銑の脱硫方法を提供するものである。
【0018】
第6に、粒径0.5mm以下のAl源粉末と、粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOとの重量比が0.34〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤を提供するものである。
【0019】
第7に、40wt%以上のAlを含有し、粒径0.5mm以下のアルミニウムドロス粉末と、MgO、Mg(OH)2 、MgCO3 の中から選ばれた粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOの重量比が0.340〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤を提供するものである。
【0020】
第8に、粒径0.5mm以下のAl源粉末と、0.5〜10.0wt%のCaOを含み粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOの重量比が0.340〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤を提供するものである。
【0021】
以下、本発明について具体的に説明する。
この発明で対象とする溶銑は、高炉、溶融還元炉等で製造されるものであって、通常、4.2〜4.5wt%C、0.2〜0.8wt%Si、0.15〜0.8wt%Mn、0.10〜0.15wt%P、0.02〜0.06wt%Sの諸成分を含有する。この溶銑に直接脱硫処理を施すこと、脱珪処理、脱燐処理あるいは脱炭処理を施してから脱硫処理を施すこと、または、脱燐処理と脱硫処理を同時に実施することが知られている。本発明では、溶銑鍋あるいはトピードカーに収納された溶銑に、インジェクションランスを通じてこの発明になる脱硫剤を搬送ガスとともに吹き込んでもよいし、また、インペラー撹拌により脱硫剤を溶銑中に巻き込む方式としてもよい。
【0022】
Al源粉末とMgO源粉末の粒径は両者の反応性を支配する重要な因子である。粉砕粉は一般的に粉砕が進むほど粒子形状が単純になり球に近づく傾向があることが知られている。一方、Al源粉末内部のAlは溶融と昇温により膨張する。膨張により表面のアルミナ皮膜には引張応力が働くが、粒子形状が球に近いほどアルミナ皮膜は変形が困難であり応力を緩和できない。このため破裂し易くなる。すなわち、Al源粉末は細かいほどアルミナ皮膜が壊れやすく、Al融液が外部に漏れて外部のMgOと反応しやすくなる。したがって、Al源粉末は細かい方が好ましくい。具体的には32メッシュの篩通過粉、すなわち、粒径0.5mm以下の粉末を適用することすることによってAlの反応率を上げることができる。
【0023】
MgO源粉末も細かいほどAl融液との接触面積が増加するので反応が進みやすくなる。したがって、MgO源粉末は細かい方が好ましくい。具体的には100メッシュの篩通過粉、すなわち、粒径0.15mm以下の粉末を適用することすることによってMgOの反応率を上げることができる。さらに好ましいのは200メッシュの篩通過粉、すなわち、粒径0.074mm以下の粉末を適用することである。
【0024】
粒径0.5mm以下のAl源粉末と粒径0.15mm以下のMgO源粉末の組み合わせが1250〜1500℃の溶銑温度で(5)式の反応を進行させる条件のひとつである。
【0025】
4MgO+2Al→3Mg(g)+MgO・Al2 O3 (5)
前述した特開昭52−50917号公報ではAl源粉末、MgO源粉末として共に平均100メッシュ(0.15mm)に揃えた粉末を適用しており、MgO源粉末が粗い。MgO源粉末の0.15mmを超える部分はAlとの反応を遅滞させる。このような組み合わせでは、MgOとAlとの反応によってMg蒸気を発生させる反応は溶銑温度に相当する温度に単に加熱しただけでは進行が不十分であり、結局1500℃以上を要することとなるのである。したがって、1250〜1500℃の溶銑中で脱硫剤の温度を1500℃以上に上げるべく発熱剤の添加が必要とされるのである。ちなみに1500℃以上の高温では(5)式ではなく(3)式の反応が優勢となり、Mg蒸気とともにAl2 O3 が生成すると考えられる。
【0026】
3MgO+2Al→3Mg(g)+Al2 O3 (3)
本発明に係る脱硫剤は発熱剤を加えることなく(5)式の反応に従って溶銑温度領域でMg蒸気を発生させることに特徴がある。
【0027】
反応性のよいAl源を選択して粒度を調整する、細かいMgO粉末を選択する、両者を十分混合して良好な接触を確保する、溶銑と接触しても粉化することのない高強度の成形体に加工することによって、(5)式の反応は、1250〜1500℃の溶銑温度でも発熱剤の添加せずに生じさせることができる。
【0028】
Al源粉末の反応性は粉末の表面を覆う酸化膜の特性に支配される。純度の高いAl粉末は強靭なAl2 O3 皮膜で覆われており、内部のAl融液は外部へ吹き出し難く、外部のMgO源粉末との反応は抑制される。高純度のAl源粉末に加えて高純度のMgO源粉末を用いればこの傾向はさらに顕著になる。したがって、前記のAl源粉末とMgO粉末の適正粒度選択に加えて、Al2 O3 皮膜の改質に関する手段を併用することがより好ましい。
【0029】
すなわち、MgCl2 、CaCl2 、KCl、NaCl、CaF2 、KOH、NaOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、KHCO3 、CaOのようにAl2 O3 の融点を降下させる物質を含むAl源粉末を適用するか、あるいはAl源粉末にこれらのアルミナ融点降下物質を加えると、Al源粉末表面のアルミナ皮膜は溶銑温度の温度領域で脆弱となり、内部の溶融Alは容易に外部へ吹き出し(5)式に従ってMgOと活発に反応し、Mg蒸気が発生するのである。この方法によって反応性の悪い高純度のAl源粉末でも同様に溶銑温度領域で反応が可能となる。前記アルミナ融点降下物質は脱硫剤中のAl1kgに対して0.001〜0.10kg含むことが好ましい。これは、0.001kg未満ではAl粉末のアルミナ皮膜を脆弱にすることは困難であり、また、0.10kgを越えるとアルミナ皮膜破壊には過剰となり、不要な成分となるからである。
【0030】
Al源粉末中のAl濃度は40wt%以上とすることが望ましい。これは40wt%未満では脱硫に寄与しない成分が過多となり脱硫剤消費量が増加するからである。
【0031】
アルミニウムドロス粉末はそれ自身で高反応性Alの条件を満足するのでAl源粉末として好適である。アルミニウムドロスは金属Alを主成分とし、そのほかAl2 O3 、AlN、MgO、NaCl、KCl、CaCl2 を含む。また、金属Siを含むものもある。これらのうち、NaCl、KCl、CaCl2 はAl融液を収納するアルミナ皮膜を破れやすくするのでAlの良好な反応性が保証される。
【0032】
アルミニウムドロス粉末は細かい方がよりよいが、前述したように粒径0.5mm以下であればよい。
MgO源粉末はアルミナ皮膜を脆弱にする成分を含んでもよい。例えば0.5〜10.0wt%% のCaOを含むものが好適である。これはCaOはAl源粉末の表面のAl2 O3 と反応して複合酸化物を生成してアルミナ皮膜を脆弱にし内部のAl融液の吹き出しを促進し、MgOとの接触を容易にするからである。このような条件に適合する粉末として天然マグネシアが挙げられる。また、海水マグネシウムであってもよい。例えばNaCl、KClを含む海水マグネシアが好適である。MgO源粉末のMgOの濃度は88wt%以上が好ましい。これは88wt%未満ではMg蒸気発生に寄与しない成分が過多となり好ましくないからである。また、MgO源粉末として900℃までに熱分解してMgOになる各種のMgO前駆体を適用してもよい。例えば、Mg(OH)2 、MgCO3 が挙げられる。ドロマイト(MgCO3 ・CaCO3 )を補助的に添加してもよい。
【0033】
(5)式の反応に必要なAl量は化学量論的にはMgO1kg当たり0.335kgであるが、MgO1kg当たり0.005〜1.0kgの過剰のAlを配合することが好ましい。過剰のAlは脱硫剤中に配合してもよい。または脱硫剤とは別にAlを加えてもよい。このようにしてAlをMgO1kg当たり0.005〜1.0kg過剰に配合することにより、溶銑への復硫を防止できる。すなわち、浴面に浮上した(MgS)が、溶銑浴面で大気中の酸素と接触すると、次の(6)式で示す反応を起こして復硫する。
【0034】
2(MgS)+O2 →2(MgO)+[S] (6)
この反応は、浴面に浮遊する脱硫剤中の過剰Alにより以下の(7)式の反応に従って酸素を捕捉することにより抑制することができる。
【0035】
4Al+3O2 (g)→2(Al2 O3 ) (7)
また、浴中に懸濁した(MgS)が、大気から溶銑中に侵入した酸素[O]と反応すると次の(8)式に示す反応を起こして復硫する。
【0036】
(MgS)+[O]→(MgO)+[S] (8)
この反応は浴面に浮遊する脱硫剤中の過剰Alにより以下の(9)式の反応に従って酸素を捕捉することにより抑制することができる。
【0037】
2Al+3[O]→(Al2 O3 ) (9)
Alは溶銑に溶解しても同様の効果を発揮する。
前記過剰AlがMgO1kg当たり0.005kg未満となると復硫を抑制する効果が不十分となり好ましくない。また、1.0kgを超えるとMgOの量が過少となり脱硫剤原単位が上昇するので好ましくない。このような配合条件は脱硫剤の配合で満足させてもよい。この場合、(5)式に従うAlとMgOの化学量論重量比0.335に過剰Al分を加算してAlとMgOの重量比が0.340〜1.335の範囲にある成形体とする。また、脱硫剤の配合でAlとMgOの化学量論重量比近傍の値を選択し、過剰のAlは別途加えてもよい。この場合には、脱硫剤中のAlとMgOの重量比が0.31以上の成形体とすることが好ましい。これは、0.31未満ではMgOが過多となり、その過多分が未反応のまま残留し、(5)式の反応に効率よく使われないからである。
【0038】
さらに、このような脱硫剤はAl源粉末とMgO 源粉末の合計が90wt%以上となるようにすることが好ましい。90wt%未満ではMg蒸気の発生が過少となり好ましくない。残部は必要に応じて添加するアルミナ融点降下物質、バインダー、その他の脱硫性物質等で構成する。
【0039】
バインダーは常温から溶銑温度に至るまで強度を維持できるものでなければならない。このようなバインダーとしては、フェノール樹脂、フラン樹脂、コールタールピッチ、糖蜜等のカーボン系バインダー、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等の酸化物系バインダーを適用することができる。エチルシリケート、水ガラス等のシリケート系バインダーは生成するSiO2 がAlと反応しAlが消費される欠点があるが、5wt%以下であれば問題はない。Mg(OH)2 −H2 Oのスラリーを予め調製してこれをバインダーとして使用してもよい。この場合、このバインダーは600℃以上で熱分解してMgOに変化するのでMg蒸気発生源としても機能することができる。
【0040】
成形方法には特に制約はない。ペレタイザー等の転動造粒、タブレットマシーン、ブリケッティングマシーン等の圧縮成形、押し出し成形、噴霧乾燥造粒等公知の方法が適用でき、脱硫剤の使用方法に合わせて選択される。例えばインジョクション用には気流輸送に適した直径2mm 以下の小粒を成形する噴霧乾燥造粒、インペラー撹拌用には粒径5〜50mmの大粒を成形する圧縮成形が適している。
【0041】
他の脱硫性物質と組み合わせる場合にはCaO、Na2 CO3 、CaC2 等との組み合わせが考えられる。このうち、CaO、Na2 CO3 はアルミナ融点降下物質としても作用するのでより好ましい。
【0042】
従来技術の金属Mg脱硫ではMgが爆発的に蒸発するのに対して、(5)式の反応によるMg蒸気の発生は緩やかである。このため、脱硫剤から発生可能なMg蒸気を脱硫に有効に利用するには、溶銑中における脱硫剤の滞留時間の短いインジョクション法よりも脱硫剤を繰り返し溶銑中に巻き込ませ接触時間を長く取れるインペラー撹拌法の方がより適している。すなわち、インペラー撹拌で溶銑浴中央部に生じた渦流陥没部にこの発明になる脱硫剤を巻き込ませると、脱硫剤からMg蒸気の発生がなくなるまで溶銑と接触させることができ、脱硫剤から発生可能なMg蒸気を脱硫に利用する有効利用率を高めることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の脱硫剤の製造について説明する。図1に示すように、脱硫剤の製造設備はプラネタリーミキサー1とブリケッティングマシーン2とからなる。まず、プラネタリーミキサー1に所定量のアルミニウムドロス粉末3と天然マグネシア粉末4を供給して所定時間混合する。そこへ、ミキサーを運転しながらバインダー5(レゾール− エチレングリコール溶液)を少しずつ間欠的に供給する。バインダー5の供給が終了したら所定時間混合して混合物を得る。混合物をブリケッティングマシーン2の供給ホッパーに装入し、回転する双ロールに混合物を供給して加圧成形してブリケット6を得る。
【0044】
次に図2に従ってインペラー撹拌による溶銑脱硫について説明する。台車11に搭載された溶銑鍋12に溶銑13が収納されている。収納された溶銑13の量は140t、温度1400℃であり、含まれるSは0.03wt%である。この溶銑鍋12をインペラー撹拌式脱硫装置14が所定の位置に来るように配設する。インペラー撹拌式脱硫装置14は油圧モーター15、油圧モーター15により回転可能な4枚羽根のインペラー16、秤量ホッパー17、これに収納された脱硫剤18を切り出すロータリーフィーダー19、バグフィルターに接続される排気口20が脱硫設備の主な構成要素である。
【0045】
実際に溶銑の脱硫を行う際には、まずインペラー16を下降させて溶銑に浸漬し、油圧モーター15を駆動させてインペラー16を回転させる。並行してバグフィルター後の排風機(図示せず)を運転して発生ダストを吸引する。回転数が上がり定常回転数の130rpmに達したらロータリーフィーダー19を駆動させて所定量の脱硫剤18を40t/Hrの速度で溶銑に供給する。供給終了後15分間経過した後、油圧モーター15の回転数を減らす。スラグが浮上して溶銑浴面を覆いスラグが静止したら溶銑の脱硫処理は終了となる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図3に示す黒鉛坩堝21を使用して脱硫実験を実施した。黒鉛坩堝21は黒鉛容器22と黒鉛蓋23とからなる。黒鉛蓋の内径は40mm、深さは40mmである。
【0047】
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1wt%Al、4.3%Si、2.5wt%NaCl)37.0g、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0wt%MgO、3.2wt%CaO、1.0wt%SiO2 、0.4wt%Fe2 O3 、0.1wt%Al2 O3 )59.3g、アルミナ系バインダー5.0g(乾量基準3.7g)をメノウ乳鉢に入れ、これらをメノウ棒でメノウ乳鉢に押し広げる操作を繰り返して色斑がなくなるまで混合した。この際の配合はAl/MgOの重量比で3.42である。この混合物から10.00gを秤量して黒鉛容器22に装入してスパチュラーで底部に広げて押し固めた。その上に、直径約35mmの丸棒状の銑鉄(4.35wt%C、0.34wt%Si、0.23wt%Mn、0.031wt%S)160.5gを置いて黒鉛蓋23で蓋をした。
【0048】
この黒鉛坩堝21を電気抵抗式加熱炉の中に配置し、その中をロータリーポンプで排気してアルゴンガスと置換後、10℃/minの昇温速度で1400℃まで昇温し、1400℃で1時間保持してから放冷した。
【0049】
常温まで冷却後黒鉛坩堝21を取り出したところ、銑鉄24は図3に示すように坩堝全体に広がっていた。この銑鉄24を坩堝容器22を切断することにより取り出した。銑鉄24の下には粉末状の脱硫剤25が残存していた。脱硫剤25の重量は7.15gであり、2.85gの減量が見られた。銑鉄24の上面には脱硫生成物のMgSと思われる黒色の付着物があった。銑鉄24のSの含有量は0.001wt%以下であった。したがって、脱硫率は97%以上と極めて高いことが確認された。脱硫剤25をX線回折により分析したところMgO・Al2 O3 、Ai、Alの存在が確認され、(5)式の反応が生じたことが確認された。
【0050】
銑鉄厚さは約20mmに過ぎなかったが1400℃の加熱でMgOとAlの反応によりMg蒸気を発生させてこのMg蒸気により銑鉄中のSを除去することができた。
【0051】
なお、この際の脱硫剤の諸条件、銑鉄の使用量および脱硫率などを表1に示す。
(実施例2)
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウム切削粉末(80wt%Al)29.9g、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0wt%MgO、3.2wt%CaO、1.0wt%SiO2 、0.4wt%Fe2 O3 、0.1wt%Al2 O3 )66.4g、アルミナ系バインダー5.0g(乾量基準3.7g)をメノウ乳鉢に入れ、これらをメノウ棒でメノウ乳鉢に押し広げる操作を繰り返して色斑がなくなるまで混合した。この際の配合はAl/MgOの重量比で4.00である。この混合物から2.50gを秤量して図3に示す黒鉛容器22に装入してスパチュラーで底部に広げて押し固めた。その上に、直径約35mmの丸棒状の銑鉄(4.35wt%C、0.34wt%Si、0.23wt%Mn、0.031wt%S)157.6gを置いて黒鉛蓋23で蓋をした。
【0052】
この黒鉛坩堝21を電気抵抗式加熱炉の配設してロータリーポンプで排気してアルゴンガスと置換後、10℃/minの昇温速度で1400℃まで昇温し、1400℃で1hr 保持してから放冷した。
【0053】
常温まで冷却後黒鉛坩堝21を取り出したところ、銑鉄24は図3に示すように坩堝全体に広がっていた。この銑鉄24を坩堝容器22を切断することにより取り出した。銑鉄24の下には粉末状の脱硫剤25が残存していた。脱硫剤25の重量は1.79gであり、0.71gの減量が見られた。銑鉄24の上面には脱硫生成物のMgSと思われる黒色の付着物があった。銑鉄24のSの含有量は0.005wt%であった。したがって、脱硫率は85%であった。脱硫剤25をX線回折により分析したところMgO・Al2 O3 、Si、Alの存在が確認され(5)式の反応が生じたことが確認された。
【0054】
銑鉄厚さは約20mmに過ぎなかったが1400℃の加熱でMgOO とAlの反応によりMg蒸気を発生させてこのMg蒸気により銑鉄中のSを除去することができた。
【0055】
なお、この際の脱硫剤の諸条件、銑鉄の使用量および脱硫率などを表1に示す。
(実施例3)
実施例3は、アルミニウムドロス粉末と天然マグネシウム粉末を成形したブリケットによりインペラー撹拌式脱硫装置で溶銑の脱硫を実施した実施例である。ここでは図2に示すインペラー撹拌式脱硫装置を使用して溶銑脱硫を実施した。
【0056】
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1wt%Al、4.3%Si、2.5wt%NaCl)370g 、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0wt%MgO、3.2wt%CaO、1.0wt%SiO2 、0.4wt%Fe2 O3 、0.1wt%Al2 O3 )593kg、アルミナ系バインダー50kg(乾量基準37kg)を図1のフローに従って成形し、概略寸法25mm×25mm×15mmのブリケットを得た。ブリケットの組成は37.0wt%アルミニウムドロス、59.3wt%天然マグネシア、3.7wt%アルミナ系バインダーであり、Al/MgOの重量比は0.341である。
【0057】
一方、復硫防止剤として前記のアルミニウムドロスで概略寸法25mm×25mm×15mmのブリケットを200kg製造した。
次に前記の手順に従って脱硫を実施した。脱硫条件および脱硫結果は表2に示す通りである。溶銑処理量は144t、温度1340℃、処理前Sは0.031wt%である。この溶銑を撹拌してインペラー回転数130rpmに到達した時点で、まず、復硫防止剤を144kg供給し、ついで脱硫剤360kgを供給して15分間回転数を維持した後減速した。この操作により溶銑中のSは0.002wt%に低下し、94%の脱硫率が得られたことが確認された。
【0058】
脱硫剤と復硫防止剤の使用量は溶銑1tあたりそれぞれ、2.5kgと1.0kg、合計3.5kgである。通常CaO系脱硫剤では7〜10kgを消費するが、これと比べてMgO−Al系脱硫剤の使用量は著しく少ないことがわかる。
(実施例4)
実施例3では、Alを脱硫剤と復硫防止剤に分けて供給した。これに対して本実施例では、過剰のAlをすべて脱硫剤に配合した。なお、両実施例とも各物質の供給量は変わらない。すなわち、総量でAl/MgOの重量比は両者とも0.673である。
【0059】
まず、32メッシュの篩を通過したアルミニウムドロス粉末(52.1wt%Al、4.3%Si、2.5wt%NaCl)544kg、200メッシュの篩を通過した天然マグネシア粉末(91.0wt%MgO、3.2wt%CaO、1.0wt%SiO2 、0.4wt%Fe2 O3 、0.1wt%Al2 O3 )419kg、アルミナ系バインダー50kg(乾量基準37kg)を図1のフローに従って成形し、概略寸法25mm×25mm×15mmのブリケットを得た。ブリケットの組成は54.4wt%アルミニウムドロス、41.9wt%天然マグネシア、3.7wt%アルミナ系バインダーであり、Al/MgOの重量比は0.673である。
【0060】
次に前記の手順に従って脱硫を実施した。脱硫条件および脱硫結果は表2に示す通りである。溶銑処理量は140t、温度1350℃、処理前Sは0.028wt%である。この溶銑を撹拌してインペラー回転数130rpmに到達した時点で、脱硫剤490kgを供給して15分間回転数を維持した後減速した。この操作により溶銑中のSは0.002wt%に低下し、93%の脱硫率が得られたことが確認された。
【0061】
脱硫剤の使用量は溶銑1tあたり3.5kg/tである。通常CaO系脱硫剤では7〜10kgを消費するが、これと比べてMgO−Al系脱硫剤の使用量は著しく少ないことがわかる。なお、実施例3のようにAl源を脱硫剤と復硫防止剤とに分割しても、実施例4のように脱硫剤中に過剰のAlも配合しても同様に良好な結果が得られることが確認された。
【0062】
(比較例1)
比較例1は従来の95wt%CaO−5wt%CaF2 脱硫剤によるインペラー式溶銑脱硫装置での溶銑脱硫に関する。表3に示すように、脱硫剤消費量が銑鉄1t当たり7.6kgで脱硫率94%が得られた。この脱硫率は実施例3、4で得られた脱硫率と同等であるが、脱硫剤消費量はそれらよりも2倍以上であった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、1250〜1500℃の溶銑温度で発熱剤を添加することなくAlとMgOの反応によってMg蒸気を発生させることができ、その発生は穏やかなので溶銑との接触が良好でMg蒸気の脱硫への利用効率が高く、また、Al/MgO比の適正な選択により復硫も防止できるので、少ない脱硫剤消費量で高い脱硫率を得ることができる。したがって、Mg脱硫を前提とした安価な脱硫方法およびその際に用いられる脱硫剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硫剤の製造フローを示す図。
【図2】本発明の脱硫方法を実施するための脱硫設備を示す図。
【図3】実施例1の脱硫実験の概略を示す断面図。
【符号の説明】
1……プラネタリーミキサー
2……ブリケッティングマシーン
3……アルミニウムドロス粉末
4……天然マグネシア粉末
5……バインダー
6……ブリケット
12……溶銑鍋
13……溶銑
14……インペラー式脱硫装置
Claims (8)
- AlとMgOとを含む脱硫剤を溶銑中に加えて、溶銑中でAlとMgOとを反応させてMg蒸気とMgO・Al2 O3 を生成させ、このMg蒸気を溶銑中に溶解したSと反応させてMgSを生成させ、析出させることを特徴とする溶銑の脱硫方法。
- 溶銑中にMgO1kg当たり0.005〜1.0kgの過剰のAlを供給し、この金属Alにより侵入酸素を捕捉してMgSの酸化による復硫を防止することを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
- 前記脱硫剤はさらにアルミナ融点降下物質を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶銑の脱硫方法。
- 前記アルミナ融点降下物質は、MgCl2 、CaCl2 、KCl、NaCl、CaF2 、KOH、NaOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、KHCO3 、CaOの中から選択されたものであり、該融点降下物質を脱硫剤中のAl1kgに対して0.001〜0.10kg含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の溶銑の脱硫方法。
- 溶銑鍋内の溶銑浴面中央部をインペラーを用いて回転撹拌し、上記溶銑浴面中央部に生じた渦流陥没部に前記脱硫剤を巻き込ませて前記溶銑を脱硫することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の溶銑の脱硫方法。
- 粒径0.5mm以下のAl源粉末と、粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOとの重量比が0.34〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤。
- 40wt%以上のAlを含有し、粒径0.5mm以下のアルミニウムドロス粉末と、MgO、Mg(OH)2 、MgCO3 の中から選ばれた粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOの重量比が0.340〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤。
- 粒径0.5mm以下のAl源粉末と、0.5〜10.0wt%のCaOを含み粒径0.15mm以下のMgO源粉末とを合計で90wt%以上含み、AlとMgOの重量比が0.340〜1.335の範囲にある成形体よりなることを特徴とする溶銑の脱硫剤。
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