JP2628593B2 - 製鋼還元スラグの崩壊風化防止用改質剤及び製鋼還元スラグの崩壊風化防止方法 - Google Patents

製鋼還元スラグの崩壊風化防止用改質剤及び製鋼還元スラグの崩壊風化防止方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気炉、転炉等による製鋼過程で発生するス
ラグ、特に電気炉の還元期スラグの崩壊風化防止方法に
関する。
〔従来の技術〕
一般に製鋼過程で発生するスラグ、特に電気炉の還元
期スラグ(以下単に製鋼スラグという)は、大気中に放
置しておくと速やかに崩壊風化し、生成した微粉が飛散
して粉塵公害を惹起すると共にスラグの運搬時の取扱い
も困難となるため、その早急な解決が望まれている。
従来、かかる製鋼スラグが大気中で崩壊風化する原因
は、主としてスラグ中に比較的多量に含まれる未反応の
遊離生石灰(以下、F.CaOという)に基因するものとさ
れている。すなわち、遊離の生石灰は空気中で水分およ
びスラグ冷却時の散水による水と反応して発熱膨脹しな
がら消石灰(以下、Ca(OH)という)を生成し、又、
F.CaOおよびCa(OH)は空気中から炭酸ガス(以下、C
O2という)を吸収して炭酸カルシウム(以下、CaCO3
いう)に変化するので、これらの消石灰あるいは炭酸カ
ルシウムなどの微粉末が粉塵の原因となる。
又、スラグ中に含有されるケイ酸二石灰(以下、2CaO
・SiO2という)も急冷等による冷却条件によって、比容
積の大きいγ−2CaO・SiO2に変化することもスラグの崩
壊風化を助長する原因の一つと考えられている。
従来、かかるスラグの崩壊と粉塵の発生を防止する方
法としては、スラグにその溶融温度よりも低温で溶融す
る粘板岩あるいは頁岩をスラグ中のF.CaOおよびγ−2Ca
O・SiO2を実質的に消失させるに必要な量だけ投入し、
外部より焼成する方法(特公昭57−2767号公報)が知ら
れている。
しかし、この方法では粘板岩あるいは頁岩等の添加剤
の費用のほかに、焼成のための熱源コストが嵩み、コス
ト高となる欠点がある。
本発明は、かかる従来法の欠点を改良するために、ス
ラグに対してアルミ灰,酸化鉄及びシリカからなる配合
組成物を添加して溶融固化する方法を発明し、特許出願
している(特開昭61−295263号)。しかし、この方法で
得た改質スラグでも、高温高湿等の厳しい保存環境にお
ける崩壊防止には満足ではなかった。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明は従来法のかかる欠点に着目してなされたもの
で、産業廃棄物として安価に入手し得る改質剤及び改質
剤に配合される化合物相互の化学反応により発生する反
応熱を巧みに利用することによって、低コストで迅速、
確実に製鋼スラグを安定固化し、崩壊風化を防止する改
良方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明はアルミ灰などの金属アルミニウム
を含むアルミニウムの酸化物,鉄酸化物,含酸素硼素化
合物及びケイ素酸化物含有鉱物を配合してなる製鋼スラ
グの崩壊風化防止用改質剤、及び製鋼スラグと前記の改
質剤とを、溶融反応させたのち固化することを要旨とす
る製鋼スラグの崩壊風化防止方法である。
本発明において製鋼スラグの改質剤として添加される
配合組成物は、金属アルミニウムを含有するアルミニウ
ムの酸化物,鉄酸化物,含酸素硼素化合物およびケイ素
酸化物含有鉱物の4種からなるが、これらは何れも品質
や純度に特に制限はなく、たとえば産業廃棄物として発
生するものをそのまま利用することができる。すなわ
ち、金属アルミニウムを含有するアルミニウムの酸化物
としては、たとえば金属アルミニウムの精錬時あるいは
アルミ屑等から金属アルミニウムを再生する際に、溶融
アルミニウムの表面に生成するいわゆるアルミ灰が用い
られるが、その組成の一例を第1表に示した。
このアルミ灰はその組成中に含まれる金属アルミニウ
ム(以下、M・Alという)が、他の配合物である酸化鉄
と反応して、いわゆるテルミット反応に基づいて生成す
る高い反応熱を得るために利用されるほか、製鋼スラグ
中の遊離生石灰がアルミ灰中のアルミナ(以下、Al2O3
という)と反応して安定な化合物を生成させるために利
用される。従って、アルミ灰中のM・Alの含有量は約30
〜35%(本明細書において%は特記しない限り重量%を
表わす。)であることが望ましい。
又、鉄酸化物は主として上記したM・Alとのテルミッ
ト反応に利用されるほか、遊離生石灰との反応により安
定な化合物を生成させるために利用されるもので、その
形態はFe2O3、Fe3O4、FeOのいずれであっても差支えな
い。かかる鉄酸化物としては、鉄鋼製品の製造時、例え
ば連続鋳造や、鋼塊、鋼片などの圧延、鍛造時の工程で
発生する酸化鉄を主成分とするいわゆる製鋼スケールを
使用することができる。第2表に製鋼スケールの組成の
一例を示した。
また、含酸素硼素化合物としては、硼酸や硼酸化合物
たとえば硼砂などの硼酸化合物を利用することができ
る。
更にケイ素酸化物としては、珪砂等をほか廃棄物とさ
れる鋳物砂や川砂等を利用することができるが、鋳物砂
の組成の一例を第3表に示した。
以上の金属アルミニウムを含有するアルミニウムの酸
化物,鉄酸化物,含酸素硼素化合物及びケイ素酸化物含
有鉱物からなる本発明の改質剤の配合割合はたとえば第
4表に示す範囲内にあることが好ましい。
第4表の配合割合からなる改質剤の製鋼スラグに対す
る添加割合は、製鋼スラグの遊離生石灰の含有量等によ
っても異なるが、溶融スラグとの反応を円滑に進行させ
る上から約6〜8%であることが望ましい。
かかる本発明の改質剤は、製鋼スラグであればどのよ
うな種類の鋼を生産する過程で生成するものに対して
も、同様に適用できる。
また、本発明の改質剤と製鋼スラグとを反応させるに
当っては、たとえは滓鍋の底にあらかじめ改質剤をバラ
状あるいは適宜の包装のまま敷いておき、これに溶融ス
ラグを注入するなどの方法を用いてもよいが、溶融スラ
グを収容した滓鍋に粒状または粉状の改質剤を空気また
は窒素などのキャリヤガスと共にランス管を通して吹き
込む方法が良い結果を与える。すなわち、改質剤をキャ
リヤガスと共に吹き込むことにより溶融スラグに接触さ
せると、これらは厳しく反応し、発熱発泡して対流撹拌
がおこり、短時間で均一な改質スラグが極めて効率よく
生成する。
このようにして得た改質スラグは、固化後極めて安定
で崩壊風化に耐える。
〔実施例1〕 以下に本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明す
る。
添付の図面において1は滓鍋であり、その上部に改質
剤の圧送用ランス管3及び排ガス用煙突4を装備した蓋
2が冠着される。5は滓鍋1の側壁上部に設けられたフ
ック掛用柱、6は溶融スラグである。
かかる構造の滓鍋1に、第5表の組成を有する製鋼ス
ラグ8tを装填し、蓋をしたのち、第6表の組成を有する
改質剤650kgをランス管3から空気圧3〜5kg/cm2で送入
した。送入には約5分間を要した。
滓鍋1内の溶融スラグの温度は1200〜1350℃であっ
た。スラグは吹込まれた改質剤と速かに反応して1520℃
に達して溶融沸騰した。反応終了後放冷してスラグを固
化させた。
以上の方法で固化されたスラグは、湿度80%の大気中
に30日間以上放置しても崩壊は全く生じないことが確認
された。
又、処理後の固化スラグの組成は第7表のとおりであ
って、スラグ崩壊原因の主因とされるF.CaOは消滅して
いた。
〔実施例2〕 滓鍋内にあらかじめ実施例1と同じ改質剤650kgを敷
いておき、これに溶融した製鋼スラグ8tを注入したのち
両者を反応させた。
反応は実施例1に比較して緩慢で時間も長くかかった
が、ガスによる撹拌を充分に行ったのち得られた固化ス
ラグの性状は実施例1の固化スラグと殆んど同様であっ
た。
〔実施例3〕 実施例1と同様にして滓鍋に製鋼スラグ8tを装填し、
第8表の組成を有する改質剤650kgを同様に空気で送入
した。
処理後の固化スラグの組成は第9表のとおりであり、
F.CaOは検出されなかった。
本例の固化スラグは、実施例1および実施例2で得た
固化スラグにくらべて、より耐風化性が良好であるのみ
ならず、硬度も高いものであった。
〔比較例〕
改質剤として、第10表の組成を有するもの(特開昭61
−295263号の改質剤)を使用したほかは実施例1と同様
にして、製鋼スラグの改質を行なった。
得られた固化スラグの組成は第11表のとおりであり、
小量のF.CaOが残存していた。かかる改質スラグは実施
例1の改質スラグに比較して僅かながら表面の風化が進
み易く、これは前記のF.CaOの含量の差によるものと考
えられる。
〔作 用〕 このように、スラグ中に存在して崩壊風化の主原因と
される遊離生石灰が、改質剤中のシリカ、酸化アルミニ
ウムあるいは酸化鉄と反応して安定なβ−2CaO・SiO2
3CaO・Al2O3、3CaO・Fe2O3等に夫々改質されると共に、
処理前のスラグ中に不安定な状態として存在するγ−2C
aO・SiO2も、加熱溶融により安定なβ−2CaO・SiO2に改
質されて、スラグの崩壊風化が防止される。
又、このようなスラグの改質反応は、改質剤中に配合
されたアルミ灰中の金属アルミニウムと、スケール中の
酸化鉄との間の次式に示されるようなテルミット反応に
伴なって発生する高い反応熱により促進されるから、反
応が迅速かつ均一に行なわれる。
2Al+Fe2O3→2Fe+Al2O3+QKcal そして、含酸素硼素化合物が共存することにより、こ
のような改質反応が更に促進され、またその一部は恐ら
くホウケイ酸カルシウム等複合酸化物となってスラグの
崩壊風化防止に寄与するものと推察される。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明は、スラグの崩壊
風化の主原因とされる遊離生石灰を安定固化させるため
に必要な化合物及びこれら化合物との反応に必要な熱源
として、産業廃棄物として処理されていた物質が活用で
きるから、極めて安価なコストで実施できるのみなら
ず、産業廃棄物の有効利用にも貢献するものである。
又、反応に必要な熱源は改質剤中の化合物相互の反応熱
であることと、含酸素硼素化合物の存在とか相俟って、
生石灰と改質剤との反応が迅速かつ均一に進行し、スラ
グの安定固化処理を短時間で確実に実施できる等の利点
が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施装置の一例を示す概略縦断面図であ
る。 1……滓鍋、2……蓋、3……ランス管、4……排ガス
用煙突、6……溶融スラグ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属アルミニウムを含有するアルミニウム
    の酸化物、鉄酸化物、含酸素硼素化合物及びケイ素酸化
    物含有鉱物を配合してなる製鋼還元スラグの崩壊風化防
    止用改質剤。
  2. 【請求項2】アルミ灰、酸化鉄、硼酸化合物及び砂を配
    合してなる請求項1に記載の製鋼還元スラグの崩壊風化
    防止用改質剤。
  3. 【請求項3】製鋼スラグと請求項1又は2の改質剤とを
    溶融反応させたのち固化することを特徴とする製鋼還元
    スラグの崩壊風化防止方法。
  4. 【請求項4】溶融状態の製鋼スラグを収容した容器内に
    改質剤を添加するか、又は改質剤を収容した容器内に溶
    融状態の製鋼スラグを添加する、請求項3に記載の製鋼
    還元スラグの崩壊風化防止方法。
  5. 【請求項5】改質剤をキャリヤガスと共に圧送入する、
    請求項4に記載の製鋼還元スラグの崩壊風化防止方法。
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