JPH06330128A - 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法 - Google Patents
溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法Info
- Publication number
- JPH06330128A JPH06330128A JP11476093A JP11476093A JPH06330128A JP H06330128 A JPH06330128 A JP H06330128A JP 11476093 A JP11476093 A JP 11476093A JP 11476093 A JP11476093 A JP 11476093A JP H06330128 A JPH06330128 A JP H06330128A
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- Japan
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- desulfurizing
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- desulfurization
- magnesium
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】主成分として、金属マグネシウムをそのままの
形態で使用する溶銑の脱硫剤を開発し、その脱硫剤を用
いた脱硫方法を提供する。 【構成】重量%で5〜50%の金属マグネシウムと、2
0〜80%の酸化カルシウムと、5〜30%の金属アル
ミニウムとからなる脱硫剤及びこの脱硫剤を搬送ガスと
共に溶銑中に吹き込むことを特徴とした溶銑の脱硫方法
である。
形態で使用する溶銑の脱硫剤を開発し、その脱硫剤を用
いた脱硫方法を提供する。 【構成】重量%で5〜50%の金属マグネシウムと、2
0〜80%の酸化カルシウムと、5〜30%の金属アル
ミニウムとからなる脱硫剤及びこの脱硫剤を搬送ガスと
共に溶銑中に吹き込むことを特徴とした溶銑の脱硫方法
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属マグネシウムを基
本成分とする溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法に
関するものである。
本成分とする溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶銑の脱硫剤として、ソーダ灰、
カルシウムカーバイド、金属マグネシウム等が一般に知
られている。しかし、ソーダ灰は精錬容器(転炉、取
鍋、トピードカー、鋳床樋等)耐火物の侵食や発煙生じ
る問題がある。カルシウムカーバイドは、水分と反応し
て引火性のガスを発生するため危険であり、安全上その
取扱いや保管に注意を要する。また、前記の引火性ガス
は悪臭を発生するため作業環境や公害防止上好ましくな
い。金属マグネシウムは高い脱硫能を有し、ソーダ灰や
カルシウムカーバイドに見られる発煙や引火性ガスの発
生はないが、高価であるため、他の脱硫剤に比べて経済
的に劣る。また、金属マグネシウム単体では爆発的に反
応が起こるため操業上好ましくない。そこで例えば、住
友金属、27(1975)、P207に示されているよ
うマグネシウムを多孔質のコークスに含浸させたもの
(Mg−Coke)が用いられている。しかしながら、
このような方法では脱硫時間が長くなり、次工程にガス
バプリングによる介在物浮上工程が必要であるため経済
的でない。また、特公昭56−37283号公報に示さ
れるように通気性耐火物中にマグネシウムを封入したも
のや特開昭51−54015号公報に示されるような海
綿鉄にマグネシウムを含浸させたもの、特公昭54−1
9365に示されるようなマグネシウム−アルミニウム
合金の使用が公知である。しかし、これらの脱硫剤も製
造工程が繁雑となり、コストが高い欠点がある。
カルシウムカーバイド、金属マグネシウム等が一般に知
られている。しかし、ソーダ灰は精錬容器(転炉、取
鍋、トピードカー、鋳床樋等)耐火物の侵食や発煙生じ
る問題がある。カルシウムカーバイドは、水分と反応し
て引火性のガスを発生するため危険であり、安全上その
取扱いや保管に注意を要する。また、前記の引火性ガス
は悪臭を発生するため作業環境や公害防止上好ましくな
い。金属マグネシウムは高い脱硫能を有し、ソーダ灰や
カルシウムカーバイドに見られる発煙や引火性ガスの発
生はないが、高価であるため、他の脱硫剤に比べて経済
的に劣る。また、金属マグネシウム単体では爆発的に反
応が起こるため操業上好ましくない。そこで例えば、住
友金属、27(1975)、P207に示されているよ
うマグネシウムを多孔質のコークスに含浸させたもの
(Mg−Coke)が用いられている。しかしながら、
このような方法では脱硫時間が長くなり、次工程にガス
バプリングによる介在物浮上工程が必要であるため経済
的でない。また、特公昭56−37283号公報に示さ
れるように通気性耐火物中にマグネシウムを封入したも
のや特開昭51−54015号公報に示されるような海
綿鉄にマグネシウムを含浸させたもの、特公昭54−1
9365に示されるようなマグネシウム−アルミニウム
合金の使用が公知である。しかし、これらの脱硫剤も製
造工程が繁雑となり、コストが高い欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶銑の脱硫剤に関する
前記のような問題点を解消するために、脱硫反応が低温
程有利であり、脱硫反応効率の高い金属マグネシウムを
そのままの形態で、主成分とした脱硫剤を提供し、さら
には、その脱硫剤を用いた溶銑の脱硫方法を提供するこ
とを目的とする。
前記のような問題点を解消するために、脱硫反応が低温
程有利であり、脱硫反応効率の高い金属マグネシウムを
そのままの形態で、主成分とした脱硫剤を提供し、さら
には、その脱硫剤を用いた溶銑の脱硫方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、5〜50重量
%の金属マグネシウムに酸化カルシウムを20〜80重
量%、金属アルミニウムを5〜30重量%の範囲で混合
した脱硫剤であり、この脱硫剤を搬送ガスと共に溶銑中
に吹き込むことを特徴とする溶銑の脱硫方法である。
%の金属マグネシウムに酸化カルシウムを20〜80重
量%、金属アルミニウムを5〜30重量%の範囲で混合
した脱硫剤であり、この脱硫剤を搬送ガスと共に溶銑中
に吹き込むことを特徴とする溶銑の脱硫方法である。
【0005】
【作用】本発明の脱硫剤では、金属マグネシウムに金属
アルミニウムを添加したことにより脱硫に寄与せずに系
外へ逃げるマグネシウムの割合が減少し、このため脱硫
反応効率が上昇するようになった。すなわち、金属アル
ミニウムは融点が低く、通常溶銑脱硫を行う温度におい
ては液体状態であるため、溶銑の温度で気体となる金属
マグネシウムの急激な気化を抑制し、脱硫反応効率を向
上させる。また、金属マグネシウムの酸化による損失を
少なくする。
アルミニウムを添加したことにより脱硫に寄与せずに系
外へ逃げるマグネシウムの割合が減少し、このため脱硫
反応効率が上昇するようになった。すなわち、金属アル
ミニウムは融点が低く、通常溶銑脱硫を行う温度におい
ては液体状態であるため、溶銑の温度で気体となる金属
マグネシウムの急激な気化を抑制し、脱硫反応効率を向
上させる。また、金属マグネシウムの酸化による損失を
少なくする。
【0006】金属アルミニウムの配合割合が少なく、5
重量%未満では上記効果が見られなくなるし、30重量
%より多くなると以下で述べる酸化カルシウムの効果を
阻害するため、配合割合を5〜30重量%に限定した。
一方、金属マグネシウムの配合割合を限定するのは金属
マグネシウムが5重量%未満では脱硫能が不十分であ
り、50重量%を越えると脱硫能は十分に有するが、金
属マグネシウム単位重量当たりの脱硫反応効率が低下す
るためである。
重量%未満では上記効果が見られなくなるし、30重量
%より多くなると以下で述べる酸化カルシウムの効果を
阻害するため、配合割合を5〜30重量%に限定した。
一方、金属マグネシウムの配合割合を限定するのは金属
マグネシウムが5重量%未満では脱硫能が不十分であ
り、50重量%を越えると脱硫能は十分に有するが、金
属マグネシウム単位重量当たりの脱硫反応効率が低下す
るためである。
【0007】金属マグネシウムによる脱硫反応は、溶銑
中の硫黄と金属マグネシウムが反応し、次の(1)式の
ようにMgSが生成する。 Mg+S→MgS …(1) 酸化カルシウムはこのとき硫化マグネシウムの核生成サ
イトとなる。また、(1)式により生成した硫化マグネ
シウムは大気中やスラグ中の酸素と反応して次の(2)
式により MgS+(O)→MgO+S …(2) 復硫が生じるのを防ぐために酸化カルシウムの添加が必
要である。また、吹き込みランスの温度上昇によるラン
スの閉塞防止の役割もしている。
中の硫黄と金属マグネシウムが反応し、次の(1)式の
ようにMgSが生成する。 Mg+S→MgS …(1) 酸化カルシウムはこのとき硫化マグネシウムの核生成サ
イトとなる。また、(1)式により生成した硫化マグネ
シウムは大気中やスラグ中の酸素と反応して次の(2)
式により MgS+(O)→MgO+S …(2) 復硫が生じるのを防ぐために酸化カルシウムの添加が必
要である。また、吹き込みランスの温度上昇によるラン
スの閉塞防止の役割もしている。
【0008】酸化カルシウムの配合割合を限定するのは
20重量%未満では上記効果が薄く脱硫反応効率が悪く
なるためであり、80重量%を越えると脱硫能が不十分
となるためである。なお、搬送ガスとしては、不活性ガ
ス(窒素、アルゴン等)を用いる。
20重量%未満では上記効果が薄く脱硫反応効率が悪く
なるためであり、80重量%を越えると脱硫能が不十分
となるためである。なお、搬送ガスとしては、不活性ガ
ス(窒素、アルゴン等)を用いる。
【0009】
【実施例】硫黄含有量が0.03重量%の溶銑50kg
を高周波溶解炉に1300℃で保持し本発明の脱硫剤1
(金属マグネシウム20重量%+酸化カルシウム65重
量%+アルミニウム15重量%)及び比較例の脱硫剤2
(金属マグネシウム20重量%+酸化カルシウム80重
量%)を、搬送ガスとしてアルゴンをランスを介して、
吹き込んだ場合の脱硫曲線を図1に示す。また、金属マ
グネシウム、酸化カルシウム、金属アルミニウムを表示
の配合で混合したものを脱硫剤として用いた場合の脱硫
反応効率を表1に示す。
を高周波溶解炉に1300℃で保持し本発明の脱硫剤1
(金属マグネシウム20重量%+酸化カルシウム65重
量%+アルミニウム15重量%)及び比較例の脱硫剤2
(金属マグネシウム20重量%+酸化カルシウム80重
量%)を、搬送ガスとしてアルゴンをランスを介して、
吹き込んだ場合の脱硫曲線を図1に示す。また、金属マ
グネシウム、酸化カルシウム、金属アルミニウムを表示
の配合で混合したものを脱硫剤として用いた場合の脱硫
反応効率を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】図1から金属アルミニウム添加により脱硫
が大幅に促進されることがわかる。また表1から本発明
の配合割合の脱硫剤を用いることにより飛躍的に脱硫反
応効率が向上することがわかる。
が大幅に促進されることがわかる。また表1から本発明
の配合割合の脱硫剤を用いることにより飛躍的に脱硫反
応効率が向上することがわかる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明の脱硫剤を用
いることにより高脱硫率が得られると共に、高脱硫反応
効率を得ることができる。
いることにより高脱硫率が得られると共に、高脱硫反応
効率を得ることができる。
【図1】溶銑脱硫時の溶銑中の硫黄の濃度の時間による
推移を示す線図である。
推移を示す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で5〜50%の金属マグネシウム
と、20〜80%の粒状酸化カルシウムと、5〜30%
の金属アルミニウムとからなる脱硫剤。 - 【請求項2】 重量%で5〜50%の金属マグネシウム
と、20〜80%の酸化カルシウムと、5〜30%の金
属アルミニウムとからなる脱硫剤を、搬送ガスと共に溶
銑中に吹き込むことを特徴とする溶銑の脱硫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11476093A JPH06330128A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11476093A JPH06330128A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330128A true JPH06330128A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14646005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11476093A Withdrawn JPH06330128A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06330128A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08319510A (ja) * | 1995-05-24 | 1996-12-03 | Shinko Flex:Kk | 鉄鋼精錬用脱硫剤 |
JP2007254843A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Jfe Steel Kk | 溶銑の脱硫処理方法 |
WO2010026775A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑の脱硫方法 |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP11476093A patent/JPH06330128A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08319510A (ja) * | 1995-05-24 | 1996-12-03 | Shinko Flex:Kk | 鉄鋼精錬用脱硫剤 |
JP2007254843A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Jfe Steel Kk | 溶銑の脱硫処理方法 |
WO2010026775A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑の脱硫方法 |
JP2010059518A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Nippon Steel Corp | 溶銑の脱硫方法 |
JP4445564B2 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-04-07 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑の脱硫方法 |
CN102144038A (zh) * | 2008-09-05 | 2011-08-03 | 新日本制铁株式会社 | 铁液的脱硫方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000801 |