JP2000328132A - 溶鋼に鉛を添加するための添加剤 - Google Patents

溶鋼に鉛を添加するための添加剤

Info

Publication number
JP2000328132A
JP2000328132A JP11139234A JP13923499A JP2000328132A JP 2000328132 A JP2000328132 A JP 2000328132A JP 11139234 A JP11139234 A JP 11139234A JP 13923499 A JP13923499 A JP 13923499A JP 2000328132 A JP2000328132 A JP 2000328132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
additive
molten steel
steel
calcium aluminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11139234A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukiko Namari
由紀子 鉛
Yasunori Komatsu
靖範 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAMARIICHI KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
NAMARIICHI KAGAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NAMARIICHI KAGAKU KOGYO KK filed Critical NAMARIICHI KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP11139234A priority Critical patent/JP2000328132A/ja
Publication of JP2000328132A publication Critical patent/JP2000328132A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶鋼への鉛添加の歩留りを上げ、鋼中での鉛の
均一分散および鋼の清浄度を改善し、連続鋳造時のノズ
ル閉塞防止を可能にする添加剤の提供。 【解決手段】(1)粉粒状の鉛源と生石灰とを必須成分と
する添加剤インジェクション用添加剤。(2)鋼製の外皮
の中に粉粒状の鉛源と蛍石とを必須成分とする粉粒状混
合物が充填されているワイヤ添加剤。(3)粉粒状の鉛源
とカルシウムアルミネートとを必須成分とする投入添加
剤。いずれも適当な副成分を配合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛(Pb)を含有
し、被切削性に優れる鋼、即ち「鉛快削鋼」を製造する
ための鉛添加剤に関する。本発明の添加剤は、粉粒状の
ままでインジェクション法によって溶鋼に添加するも
の、鋼製の外皮に包んでワイヤ状に成形して溶鋼に添加
するもの、および溶鋼中に投入して添加するものに分け
られる。いずれの場合も、鉛の添加歩留まりの向上と添
加した鉛の分散を均一にするという効果が得られる。
【0002】
【従来の技術】およそ0.05〜0.4%(この明細書におい
ては、特に断らない限り、%は重量%を意味する)の鉛
を含む鋼は、鉛快削鋼と呼ばれ、機械構造部品の素材と
して賞用されている。鋼中の鉛は、切削屑を分断して小
片化する作用を持ち、切削作業を容易にして切削工具の
寿命を延長する。また、切削後の製品の表面状態の改善
にも寄与する。しかも、上記含有量程度の鉛は、鋼中で
微細均一に分散している限り、鋼の機械的性質を劣化さ
せることがない。
【0003】鉛快削鋼は、一般には精錬した溶鋼に鉛源
(金属鉛、またはPbO、Pb2O等の酸化物)を添加するこ
とによって製造される。その添加は、取鍋や連続鋳造機
のタンディッシュ等に収容された溶鋼に対して行われ
る。添加方法としては、投入法のほかに、キャリアガス
を用いて吹き込むインジェクション法、添加剤をワイヤ
にして装入するワイヤ法等がある。
【0004】鉛快削鋼の製造において、最も重要なこと
は鋼中に鉛を均一に分散させること、および鉛の添加歩
留まりを上げることである。
【0005】鉛の溶鋼に対する溶解度は小さく、しかも
鉛の比重は鋼の比重の約1.6倍である。従って、例えば
取鍋中の溶鋼に単に投入しただけでは、鉛は取鍋の底部
に沈降してしまう。そのような溶鋼を鋳込んだ場合、鋳
込み開始からの時間差によって鋳片中に鉛含有量の異な
る部分や鉛が大きな粒状になって偏析した部分ができて
しまう。このような鋳片から製造した鋼材には、鉛の偏
析によって機械的性質にバラツキが生じ、被切削性のみ
ならず強度、靱性等の安定性に欠けるものとなる。
【0006】鉛の添加歩留まりの向上は、単に原料の原
単位を下げて製造コストを低減するために必要なだけで
なく、添加作業の際に発生する有害な鉛のヒュームを減
らすためにも必要である。
【0007】上記の均一分散あるいは歩留まり向上を目
的として、鉛添加法に関する下記のような提案がなされ
ている。
【0008】特開昭59-56562号公報に開示される方法 これは、不活性ガスの吹込みによって溶鋼を攪拌しなが
ら所定の速度で鉛を添加する、というものである。
【0009】特開平4-308021号公報に開示される方法 これは、添加する鉛含有物質の平均粒径と添加時の溶鋼
の攪拌力とを特定したものである。
【0010】特開昭64-39345号公報に開示される方法 この方法では、鉛を不活性ガスとともに吹込み、併せて
カルシウム系化合物(具体的にはCa-Si)を線状体(ワ
イヤ)として溶鋼中に送給するという。
【0011】特開平1-162716号公報に開示される方法 これは、鉛源と溶鋼温度でCO2を発生する物質(例えばC
aCO3)を含む充填物を金属外皮中に入れたワイヤを用い
る鉛の添加方法である。
【0012】近年、鋼材はその大部分が連続鋳造法で製
造されている。連続鋳造法では、溶鋼を連続鋳造機の鋳
型に注入する際に浸漬ノズルが使用されるが、そのノズ
ルが酸化アルミニウム(Al2O3)系の酸化物によって閉
塞するという現象がしばしば見られる。このノズル閉塞
は、連続鋳造作業の中断というきわめて深刻な事態を招
く。従って、鉛快削鋼の溶製においても、単に鉛の均一
分散を図るだけでなく、上記のノズル閉塞を生じさせな
いことをも考慮するのが望ましい。
【0013】前記の方法では、鉛源の添加と同時に、
またはその後で、カルシウム化合物を添加して、酸化ア
ルミニウムを酸化カルシウムとの低融点複合酸化物に変
え、ノズル閉塞を防止することも意図している。しかし
ながら、この方法では、鉛はインジェクション法で添加
し、カルシウム化合物はワイヤ法で添加するとしている
ので、添加剤も添加装置も別々の2種類が必要である。
【0014】前記の特開平1-162716号公報には、鉛の
添加方法だけでなく添加剤(ワイヤ)の発明も記載され
ている。そのワイヤに充填されるのは、溶鋼温度でCO2
を発生する石灰質物質を必須成分とするものである。そ
の物質の例として、石灰石(CaCO3)、ドロマイト(CaC
O3・MgCO3)およびジアミド石灰が示されている。そし
て、これらの物質が溶鋼中で分解して発生するCO2の気
泡が、溶鋼に乱流を生じさせて鉛の均一分散を促進する
というのである。しかし、前記のCO2を発生する分解反
応は大きな吸熱反応であり、溶鋼温度を低下させるとい
う難点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、鉛快
削鋼の製造において、溶鋼への鉛の添加を高い歩留まり
で行い、かつ鋼中での鉛の均一分散を可能にすること、
および清浄度が高く連続鋳造時のノズル閉塞のおそれの
ない鉛快削鋼を溶製することにある。本発明の具体的な
目的は、鉛快削鋼の製造において採用される鉛の添加方
法に応じ、上記の課題を解決するのに最も有利な添加剤
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決する手段】本発明の添加剤は、下記の3種
である。
【0017】(1) インジェクション法によって溶鋼に
鉛を添加するための添加剤(以下「インジェクション添
加剤」という) これは、粉粒状の鉛源と生石灰とを必須成分とする添加
剤である。鉛源としては、金属鉛(Pb)、PbO、PbO2
ほか、特に高硫黄鉛快削鋼を製造する場合にはPbSも使
用できる。インジェクション用添加剤は、これらの鉛源
と生石灰だけから成るものでもよいが、さらに、次の副
成分として、蛍石、カルシウムアルミネート、およびCa
-Si合金からなる群の中の1種以上の粉粒体を含有して
いてもよい。
【0018】(2) ワイヤ法によって溶鋼に鉛を添加す
るための添加剤(以下「ワイヤ添加剤」という) これは、鋼製の外皮の中に粉粒状の鉛源と蛍石とを必須
成分とする粉粒状混合物が充填されているものである。
この充填物は、鉛源(その具体例は上記のとおり)と蛍
石のみから成る場合と、さらに、副成分として、生石
灰、カルシウムアルミネートおよびCa-Si合金からなる
群の中の1種以上の粉粒体を含む場合とがある。
【0019】(3) 溶鋼中に投入することによって溶鋼
に鉛を添加するための添加剤(以下「投入添加剤とい
う」) これは、粉粒状の鉛源とカルシウムアルミネートとを必
須成分とすることを特徴とする添加剤である。鉛源の種
類は前記のとおりである。この添加剤は、上記の必須成
分のみから成るものでもよいが、副成分として、生石
灰、蛍石、およびCa-Si合金からなる群の中の少なくと
も一つの粉粒体を含むのが望ましい。
【0020】なお、この添加剤は、鉛源とカルシウムア
ルミネート(または更に前記副成分)の粉粒体の混合物
でもよいが、下記のような複合層状粉粒体とするのが望
ましい。
【0021】即ち、鉛源を核とし、その外周にカルシウ
ムアルミネートまたはこれと前記副成分との混合粉末を
被覆したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】(1)インジェクション添加剤つい
て インジェクション法の概要を図1に示す。この方法は、
図示のように、取鍋1内に収容した溶鋼2に、ホッパー
3内に収容された添加剤4をランス5を通じて添加する
方法である。ランス5は溶鋼中に浸漬されている。添加
剤3は、例えばアルゴンガスのような不活性の搬送ガス
6とともに、このランスの先端から溶鋼2の中に吹き込
まれる。搬送ガスは溶鋼の攪拌にも役立ち、添加剤の均
一混合を促進する。なお、図示していないが、取鍋底部
から攪拌用ガスを吹き込んで溶鋼攪拌を促進するしても
よい。また、取鍋には、ガス回収装置および集塵機に連
結したカバー12を付けるのが望ましい。
【0023】本発明のインジェクション用添加剤には、
鉛源のほかに生石灰(CaO)が必須である。生石灰は、
その潤滑作用によって添加剤の流動性を改善し、インジ
ェクションの際に添加剤の搬送を円滑にする。また、溶
鋼中ではアルミナ(Al2O3)系の酸化物を低融点の複合酸
化物に変えて、アルミナに起因する連続鋳造時の浸漬ノ
ズルの閉塞防止に寄与する。
【0024】上記のような作用を確実にするために、生
石灰は、およそ2mm以下の粒径のものを添加剤総量の3
〜30重量%配合するのが望ましい。なお、鉛源は、でき
るだけ細粒であることが望ましく、例えば粒径300μm
以下のような微粒粉が推奨される。
【0025】生石灰の粉粒体として、粒子の流動性改善
と吸湿防止のために粒子表面をステアリン酸やシリコー
ン樹脂等で被覆したものも市販されている。このような
生石灰粉は、本発明の添加剤の成分としてきわめて好ま
しい。
【0026】インジェクション添加剤は、上記の鉛源と
生石灰のみからなるものでもよいが、副成分として、蛍
石(CaF2)、カルシウムアルミネート、およびCa-Si合
金からなる群の中の少なくとも一つの粉粒体を含むこと
ができる。
【0027】蛍石は、局部的に溶鋼の表面張力を小さく
して濡れ性を上げる表面活性剤としての作用を持ち、溶
鋼中での鉛の分散を促進し、その凝集を防止する。ま
た、生石灰の滓化を促進し、溶鋼の清浄化にも寄与す
る。
【0028】カルシウムアルミネートは、CaOとAl2O3
低融点共晶化合物である。これは融点が約1380℃以下と
低くて滓化しやすいので溶鋼の清浄化に役立ち、また前
記のノズル閉塞防止にも寄与する。
【0029】Ca-Si合金は、生石灰(CaO)の作用を補完
する。そのほか、溶鋼温度での高い蒸気圧による攪拌の
補助、アルミナの低融点化によるノズル閉塞の防止、鋼
中の硫化物系介在物の形態制御等の効果もある。
【0030】上記の副成分は、1種類または2種類以上
を併せて使用できるが、その配合量は添加剤総量の30重
量%以下とすべきである。なお、粉粒体の粒度は生石灰
と同程度でよい。
【0031】(2)ワイヤ添加剤について 図2は、ワイヤ添加法を説明する図である。この方法で
は、リール7に巻かれたワイヤ状の添加剤8を、曲り取
りの矯正機を兼ねた送給装置9を通じて溶鋼2の中に強
制的に押し込む。このとき、取鍋底部から攪拌ガス(例
えばアルゴンのような不活性ガス)10を吹き込んで溶鋼
の攪拌を促す。この場合も取鍋にはカバー12を設けるの
が望ましい。
【0032】添加剤(ワイヤ)8は、図3にその断面形
状のいくつかを示すように、鋼製の外皮8-1の中に粉粒
状の充填物8-2が包み込まれているものである。なお。
この外皮は、溶鋼の所定深さまで達したときに溶解して
内部の充填物を溶鋼中に拡散させる。従って、その材質
は鋼に悪影響を及ぼす成分を含有せず、ワイヤへの成形
加工が容易なものであればよい。一般には軟鋼(低炭素
鋼)が使用される。その外皮の厚さも、添加条件に応じ
て適宜定めればよい。
【0033】ワイヤ添加剤の充填物としては、粉粒状の
鉛源と蛍石とを必須成分とするものを用いる。蛍石は、
前記のように、溶鋼の濡れ性を上げて溶鋼中での鉛の分
散を促進し、かつ、溶鋼の清浄化にも役立つ。この蛍石
も、5mm以下程度のものを充填物総量の3〜30重量%程
度配合すればよい。
【0034】ワイヤ添加剤の充填物の必須成分として、
特に蛍石を選んだのは、蛍石の粉粒体は流動性に優れ、
ワイヤ製造時の充填作業が円滑にできるからである。ま
た、蛍石には吸湿性がないので、ワイヤ製造時に大気に
曝されても吸湿して鉛源に悪影響を及ぼすこともない。
その上、蛍石には前記のように溶鋼中での鉛の分散を促
進する効果、溶鋼の清浄化効果がある。
【0035】ワイヤ添加剤では、溶鋼に添加する際の粉
粒体自体の搬送性は問題にならないから、前記のインジ
ェクション用添加剤のように、生石灰を含有する必要は
ない。しかし、生石灰は下記の成分とともに、あるいは
単独で、副成分として用いることができる。生石灰(Ca
O)の作用効果は前記のとおりである。その潤滑作用
は、ワイヤ製造時の充填剤の送給を円滑にするのにも役
立つ。
【0036】充填材に配合できる副成分としては、生石
灰のほかに、カルシウムアルミネート、およびCa−Si合
金がある。これらの作用効果および望ましい粒度、配合
量等は、前記のとおりである。
【0037】(3) 投入用添加剤について 図3は、粉粒状の添加剤を溶鋼に投入する添加法を説明
するための図である。この場合は、例えば取鍋1の底部
からの不活性ガス吹込みのような溶鋼攪拌が必須であ
る。図示のように、溶鋼2の上のスラグ6を耐火物製の
円筒11で排除して溶鋼表面を露出させておき、その位置
に添加剤4を投入する。添加剤はその重力で溶鋼中に沈
下するが、その際に取鍋底部の設けたノズルからアルゴ
ンガスのような攪拌ガス10を吹き込んで溶鋼を攪拌し、
添加剤の均一分散を促す。このときも取鍋にはカバー12
を取り付けて、攪拌ガスおよび鉛蒸気の回収、集塵を行
うのが望ましい。
【0038】この投入用添加剤では、鉛源とともにカル
シウムアルミネートが必須である。投入法の場合は、イ
ンジェクション法やワイヤ法のように溶鋼の深いところ
まで添加剤を強制的に送り込むことができないので、鉛
源とともに添加する鋼の清浄化成分は滓化の早いもので
なければならない。前記のように、カルシウムアルミネ
ートは、CaOとAl2O3の低融点共晶化合物であり、いわば
既に滓化しているものである。従って、これを鉛源とと
もに添加すれば、鉛の分散促進と溶鋼の清浄化に役立
ち、またノズル閉塞防止にも役立つ。
【0039】なお、この投入用添加剤は、単に鉛源とカ
ルシウムアルミネートの粉粒体を混合したものでもよい
が、前記のように、鉛源の核の外周面をカルシウムアル
ミネート粉で被覆した複合層状の粉粒とするのが望まし
い。例えば、粒径2〜4mm程度の鉛源の外周に、厚さ0.
1〜0.5mm程度の被覆層を設ければよい。このような被覆
層は、カルシウムアルミネートに適当なバインダーを混
合した粉末を鉛源の外周にコーティングすることによっ
て容易に製造することができる。
【0040】上記のような複合層状添加剤であれば、融
点の低い鉛が比較的高融点の被覆層で覆われているの
で、これを溶鋼中に添加したときに鉛がすぐに(溶鋼の
表面近くで)溶けてヒュームとなって気散することがな
く、溶鋼の深いところで溶解することになって、添加歩
留りも向上する。
【0041】この投入用添加剤には、副成分として、生
石灰、蛍石およびCa-Si合金からなる群の中の少なくと
も一つの粉粒体を配合することができる。これらの作用
効果および配合量等は、前記のインジェクション用添加
剤におけると同じである。なお、これらの副成分も複合
層粉粒体として、前記カルシウムアルミネートと混合し
て、または別の層として、鉛源の核の外周にコーティン
グしてもよい。
【0042】
【実施例】表1に示す目標成分の2種類の鉛快削鋼を溶
製した。鋼Aは鉛快削鋼、鋼Bは硫黄−鉛快削鋼であ
る。使用した添加剤を表2に示す。表2の添加剤1〜3
は、鉛源として、PbOの粉粒体(300μm以上が0.1重量
%以下のもの)を使用し、表示の各成分(いずれも粒度
は1mm以下)を配合したインジェクション用添加剤であ
る。
【0043】添加剤4〜6は、厚さ0.4mmのJIS SPCC-SD
(炭素鋼冷延鋼板)を外皮として、表示の成分の充填物
を内蔵したワイヤ添加剤である。充填物の鉛源は、PbO
とした。その粒度および他の成分の粒度は前記の添加剤
1と同じである。ワイヤは図3の(c)に示す断面形状(1
6.5mm×6.1mm)のものである。
【0044】添加剤7〜9は、投入用添加剤で、表示の
鉛源(粒径3mmのPbO)の外周をカルシウムアルミネー
ト、またはそれと生石灰との混合粉末の被覆層(0.2mm
厚)でコーティングしたものである。
【0045】なお、表2の添加剤10は、比較のために用
いた鉛源(粒径1mmのPb)単独の投入剤である。
【0046】上記の添加剤を使用し、下記のそれぞれの
方法で鉛添加を行った。
【0047】(1)インジェクション法 図1に示したような装置を使用し、表1の鋼Aおよび鋼
B用の溶鋼80トンに添加剤1〜3を用いて鉛添加を行っ
た。溶鋼温度は、鋼Aで1618℃、鋼Bで1625℃とした。
インジェクションは、搬送ガスをアルゴンとし、鉛源の
添加速度を100kg/minとして実施した。
【0048】(2)ワイヤ法 図2に示したような装置を使用し、表1の鋼Aおよび鋼
B用の溶鋼80トン(温度はそれぞれ1610℃と1617℃)に
添加剤4〜6を用いて鉛添加を行った。このとき取鍋底
部から攪拌用ガス(アルゴン)を吹き込み、鉛源の添加
速度は100kg/minとした。
【0049】(3)投入法 図3に示したような装置を使用し、表1の鋼Aおよび鋼
B用の溶鋼80トン(温度はそれぞれ1605℃、1610℃)に
添加剤7〜10を用いて鉛添加を行った。このとき取鍋
底部から攪拌用ガス(アルゴン)を吹き込み、鉛源の添
加速度は100kg/minとした。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】上記の各方法で得られた鉛快削鋼を連続鋳
造してブルームとし、鉛の添加歩留りおよび鋳造時のノ
ズル閉塞の発生状況を調べた。表3および表4に鋼Aお
よび鋼Bについての調査結果をそれぞれ示す。鉛の添加
歩留りは、下記の式で算出した。
【0053】鉛歩留り(%)=(溶鋼中の鉛の総量/添
加した鉛の総量)×100 ノズル閉塞発生頻度とは、1チャージの連続鋳造中にノ
ズル閉塞が発生して何らかの対策(例えば、ノズルへの
アルゴンガスの吹込み)を講じる必要のあった回数であ
る。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】表3および表4に示すとおり、本発明の添
加剤を使用した試験では、どの添加方法でも70%を超え
る高い鉛添加歩留りになっている。また、連続鋳造時の
ノズル閉塞の発生もほとんどない。なお、試験No.10お
よびNo.20では、鉛源単独の添加を行ったために、添加
歩留りが低く、ノズル閉塞の回数も多くなった。
【0057】さらに、鋳造したブルームの顕微鏡観察に
よって鉛の分散状態および鋼の清浄度を調べたところ、
試験No.1〜9および11〜19は、いずれも試験No.10また
は20に大きく勝るものであった。
【0058】
【発明の効果】実施例にも示したように、本発明の添加
剤を用いれば、高い歩留りで鉛の添加を行うことができ
る。しかも、鉛添加後の溶鋼は、清浄性に優れ、連続鋳
造時のノズル閉塞のおそれもない、また得られた鋼中の
鉛の分散は微細均一である。本発明は、良質の鉛快削鋼
の製造に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】インジェクション法による溶鋼への鉛添加を説
明する図である。
【図2】ワイヤ法による溶鋼への鉛添加を説明する図で
ある。
【図3】ワイヤ添加剤の断面形状の例を示す図である。
【図4】投入法による溶鋼への鉛添加を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1.取鍋、 2.溶鋼、 3.ホッパー、 4.添加剤、 5.ラ
ンス、 6.スラグ、7.リール、 8.ワイヤ状添加剤、
8-1.ワイヤの外皮、 8-2.ワイヤの充填物、9.送給装
置、 10.攪拌ガス、 11.耐火物円筒、 12.取鍋の
カバー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インジェクション法によって溶鋼に鉛を添
    加するための添加剤であって、粉粒状の鉛源と生石灰と
    を必須成分とすることを特徴とする添加剤。
  2. 【請求項2】副成分として、蛍石、カルシウムアルミネ
    ートおよびCa-Si合金からなる群の中の少なくとも一つ
    の粉粒体を含む請求項1の添加剤。
  3. 【請求項3】ワイヤ法によって溶鋼に鉛を添加するため
    の添加剤であって、鋼製の外皮の中に粉粒状の鉛源と蛍
    石とを必須成分とする粉粒状混合物が充填されているこ
    とを特徴とする添加剤。
  4. 【請求項4】粉粒状混合物が副成分として、生石灰、カ
    ルシウムアルミネートおよびCa-Si合金からなる群の中
    の少なくとも一つの粉粒体を含む請求項3の添加剤。
  5. 【請求項5】溶鋼中に投入することによって溶鋼に鉛を
    添加するための添加剤であって、粉粒状の鉛源とカルシ
    ウムアルミネートとを必須成分とすることを特徴とする
    添加剤。
  6. 【請求項6】副成分として、生石灰、蛍石およびCa-Si
    合金からなる群の中の少なくとも一つの粉粒体を含む請
    求項5の添加剤。
  7. 【請求項7】鉛源を核とし、その外周面がカルシウムア
    ルミネートまたはカルシウムアルミネートと請求項6に
    記載の副成分とで被覆された粉粒体である請求項5また
    は請求項6に記載の添加剤。
JP11139234A 1999-05-19 1999-05-19 溶鋼に鉛を添加するための添加剤 Pending JP2000328132A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11139234A JP2000328132A (ja) 1999-05-19 1999-05-19 溶鋼に鉛を添加するための添加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11139234A JP2000328132A (ja) 1999-05-19 1999-05-19 溶鋼に鉛を添加するための添加剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000328132A true JP2000328132A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15240611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11139234A Pending JP2000328132A (ja) 1999-05-19 1999-05-19 溶鋼に鉛を添加するための添加剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000328132A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009062567A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉛含有鋼の製造方法
JP2010506042A (ja) * 2006-10-03 2010-02-25 アフィヴァル コアードワイヤーを溶融金属浴中に導入する方法及び装置
JP2010529297A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 アフィヴァル 鉛及び/又は鉛合金を含む溶鋼浴処理用の新規な添加剤
CN104874779A (zh) * 2015-04-22 2015-09-02 钢铁研究总院 一种低沸点稀贵金属的中间包合金化设备及方法
CN115198050A (zh) * 2022-06-22 2022-10-18 攀钢集团西昌钢钒有限公司 一种环保用钢、铁水罐烟尘覆盖剂发射装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010506042A (ja) * 2006-10-03 2010-02-25 アフィヴァル コアードワイヤーを溶融金属浴中に導入する方法及び装置
JP2010529297A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 アフィヴァル 鉛及び/又は鉛合金を含む溶鋼浴処理用の新規な添加剤
JP2009062567A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉛含有鋼の製造方法
CN104874779A (zh) * 2015-04-22 2015-09-02 钢铁研究总院 一种低沸点稀贵金属的中间包合金化设备及方法
CN115198050A (zh) * 2022-06-22 2022-10-18 攀钢集团西昌钢钒有限公司 一种环保用钢、铁水罐烟尘覆盖剂发射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU579275B2 (en) Magnesium calcium oxide composite
KR101366720B1 (ko) 용선의 탈황 방법
JP5045031B2 (ja) 溶銑の脱硫剤及び脱硫処理方法
JP5074064B2 (ja) 脱硫剤の製造方法
SE459339B (sv) Raffineringsmedel foer metall samt foerfarande foer dess framstaellning
JP4936787B2 (ja) 含Cr溶銑の脱硫精錬剤および脱硫方法
JP5341235B2 (ja) 脱硫剤及び溶融鉄の脱硫処理方法
JP2000328132A (ja) 溶鋼に鉛を添加するための添加剤
JP5074063B2 (ja) 脱硫剤及び溶融鉄の脱硫処理方法
JP4927467B2 (ja) CaO系脱硫剤及び溶鉄の脱硫処理方法
JP3978355B2 (ja) 溶銑の脱硫剤および脱硫方法
JP5066923B2 (ja) 溶銑の脱硫処理方法
JP5458499B2 (ja) 溶銑の脱硫処理方法
JP5930726B2 (ja) 精錬剤
EP0891431B1 (fr) Melange desulfurant a base de carbure de calcium
JP3588918B2 (ja) 溶銑の脱硫方法および脱硫剤
JP2019189893A (ja) 溶銑の脱硫処理方法
RU2304623C1 (ru) Способ легирования стали марганцем
JPH07188728A (ja) 溶鋼の脱硫剤
JP2000290718A (ja) 複合造滓材
JPH0125363B2 (ja)
JP2003160808A (ja) アルミドロス成形品およびその製造方法
JP6126355B2 (ja) 溶銑の脱硫処理方法
JP2001064715A (ja) 溶銑の脱硫剤とその使用方法
JP2008031538A (ja) CaO系脱硫剤の製造方法