JP4177134B2 - フレッチング腐食試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄型の端子金具と雌型の端子金具などの試験片を互いに接続した状態で接離させてフレッチング腐食させるフレッチング腐食試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに配索されるワイヤハーネスは、電線とコネクタを備えている。コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングと導電性の端子金具とを備えている。コネクタハウジングは、端子金具を収容する。端子金具は、電線の端部などに取り付けられる。端子金具には、所謂雄型の端子金具(以下単に雄端子と呼ぶ)と、所謂雌型の端子金具(以下単に雌端子と呼ぶ)とが用いられる。
【0003】
雄端子は、帯状又は棒状の電気接触部を備えている。雌端子は、筒状の電気接触部と、電気接触部の内面に雄端子の電気接触部を押し付けるばね片と、を備えている。これらの雄端子と雌端子は、ワイヤハーネスを構成して、自動車に配索される際に、帯状又は棒状の電気接触部が筒状の電気接触部内に挿入されてばね片が帯状又は棒状の電気接触部を筒状の電気接触部の内面に押し付けて、互いに電気的に接続する。
【0004】
このとき、ワイヤハーネスが自動車に配索されると、該自動車の走行中の振動などによって、例えば50μmなどの微少な距離内を帯状又は棒状の電気接触部の長手方向に沿って、雄端子と雌端子とが互いに近づいたり離れたりすることがある。このため、前述した雄端子と雌端子を設計・開発する段階では、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置(例えば、特許文献1参照。)が用いられる。
【0005】
前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置は、前記端子金具を構成する金属からなる試験片を互いに接触した状態で微摺動させて、試験片の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を確認する。こうして、前述した端子金具を設計・開発する段階では、試験片の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を確認することが行われている。このとき、試験片間の電気的な抵抗を測定することにより、前記試験片の評価を行っている。
【0006】
前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を行う際には、前述した試験片よりも実際の雄端子と雌端子を用いることが望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−213792号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した雄端子と雌端子などの試験片を、例えば50μmなどの微少な距離内を接離する際に、従来から用いられてきた試験装置では、試験装置自体の変形によって、雄端子と雌端子などの試験片を所望の微少な距離近づけたり離したりすることが困難であった。この場合、勿論、雄端子と雌端子などの試験片の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験の評価を正確に行うことが困難となる。このように、従来から用いられてきた試験装置では、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことが困難であった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、微摺動摩耗試験を正確に行うことができるフレッチング腐食試験装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1の試験片と第2の試験片とを接続して、これらの第1の試験片と第2の試験片とを互いに接離させる(相対的に移動させる)フレッチング腐食試験装置において、装置本体と、前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、前記第1の固定部を、第1の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記第1の固定部に連結する第1の駆動手段と、前記第1の固定部を、前記第1の周波数より低い第2の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体と前記第1の駆動手段とを連結する第2の駆動手段と、を備え、前記第1の駆動手段は、前記第2の駆動手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から突没自在に設けられかつ前記第1の固定部に取り付けられる円柱状の出力部と、を備え、前記第2の駆動手段は、前記装置本体に取り付けられる第2の本体部と、この第2の本体部に軸芯を中心として回転自在に支持されかつ軸芯を中心として回転することで前記第1の固定部を第2の固定部に接離させるとともに前記軸芯が前記出力部の中心軸と同軸的に配された出力軸と、を備え、前記第1の固定部と第2の固定部は、前記第1の試験片の厚みと幅とを二分しかつ前記第1の固定部と第2の固定部とが互いに接離する方向に沿った中心線が、前記出力部の中心軸と出力軸の軸芯との双方と同軸的となる位置に前記第1の試験片と第2の試験片を取り付けることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1記載のフレッチング腐食試験装置において、前記第1の試験片は、雄型の端子金具と雌型の端子金具とのうち一方の端子金具であり、前記第2の試験片は、雄型の端子金具と雌型の端子金具とのうち他方の端子金具であり、前記雄型の端子金具の第1の電気接触部を前記雌型の端子金具の筒状の第2の電気接触部内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記第1の電気接触部の長手方向に沿ってこれらの端子金具を互いに接離させることを特徴としている。
【0018】
請求項3に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1記載のフレッチング腐食試験装置において、前記第1の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち一方のコネクタであり、前記第2の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち他方のコネクタであり、前記雄型のコネクタを前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に雄型のコネクタを挿入する方向に沿ってこれらのコネクタを互いに接離させることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1の試験片と第2の試験片とを接続して、これらの第1の試験片と第2の試験片とを互いに接離させる(相対的に移動させる)フレッチング腐食試験装置において、前記第1の試験片と第2の試験片とが互いに接続するとこれらを電気的に接続する接点が複数設けられ、これらの接点は直線上に並べられるようになっており、装置本体と、前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、前記第1の固定部を、第1の周波数で前記第2の固定部に接離させるとともに前記第1の固定部に連結する第1の駆動手段と、前記第1の固定部を、前記第1の周波数より低い第2の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体と前記第1の駆動手段とを連結する第2の駆動手段と、を備え、前記第1の駆動手段は、前記第2の駆動手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から突没自在に設けられかつ前記第1の固定部に取り付けられる円柱状の出力部と、を備え、前記第2の駆動手段は、前記装置本体に取り付けられる第2の本体部と、この第2の本体部に軸芯を中心として回転自在に支持されかつ軸芯を中心として回転することで前記第1の固定部を第2の固定部に接離させるとともに前記軸芯が前記出力部の中心軸と同軸的に配された出力軸と、を備え、前記第1の固定部と第2の固定部は、前記第1の試験片と第2の試験片とを接続して形成される複数の接点が並ぶ直線が、前記出力部の中心軸と出力軸の軸芯との双方と平行となる位置に前記第1の試験片と第2の試験片を取り付けることを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項4記載のフレッチング腐食試験装置において、前記第1の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち一方のコネクタであり、前記第2の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち他方のコネクタであり、前記雄型のコネクタを前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に雄型のコネクタを挿入する方向に直交する方向に沿ってこれらのコネクタを互いに接離させることを特徴としている。
【0021】
請求項6に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載のフレッチング腐食試験装置において、前記第1の駆動手段は、圧電振動子であることを特徴としている。
【0022】
請求項7に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1、2または3に記載のフレッチング腐食試験装置において、前記中心線は、前記第1の試験片の厚みと幅との双方を二等分することを特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項4または5に記載のフレッチング腐食試験装置において、前記第1の試験片と第2の試験片とを接続して形成される複数の接点が並ぶ直線が、前記出力部の中心軸と同軸的となることを特徴としている。
【0030】
請求項1に記載した本発明によれば、第1の駆動手段の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯と、が互いに同軸的に配されている。第1の固定部と第2の固定部によって、第1の試験片の中心線と、第1の駆動手段の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯と、が互いに同軸的になる。このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。
【0031】
請求項2に記載した本発明によれば、第1の固定部と第2の固定部によって、雄型の端子金具と雌型の端子金具のうち一方の端子金具の中心線と、第1の駆動手段の本体部から突没自在の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯とが互いに同軸的になる。このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。
【0032】
請求項3に記載した本発明によれば、第1の固定部と第2の固定部によって、雄型のコネクタと雌型のコネクタのうち一方のコネクタの中心線と、第1の駆動手段の本体部から突没自在の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯とが互いに同軸的になる。このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。
【0033】
請求項4に記載した本発明によれば、第1の固定部と第2の固定部によって、複数の接点が並ぶ直線が、第1の駆動手段の本体部から突没自在の出力部の中心軸と第2の駆動手段の出力軸の軸芯との双方と平行になる。このため、第1の試験片と第2の試験片とが接離する際に複数の接点などから第1の試験片即ち第1の固定部に作用する反力の方向が、第1の駆動手段の出力部の中心軸と第2の駆動手段の出力軸の軸芯との双方と平行になる。このため、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。
【0034】
請求項5に記載した本発明によれば、第1の固定部と第2の固定部によって、複数の接点が並ぶ方向と、駆動手段の本体部から突没自在の出力部の中心軸と第2の駆動手段の出力軸の軸芯との双方とが互いに平行になる。このため、雄型のコネクタと雌型のコネクタとが接離する際に複数の接点などから雄型のコネクタ即ち第1の固定部に作用する反力の方向が、出力部の中心軸と出力軸の軸芯との双方と平行になる。このため、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。
【0035】
請求項6に記載した本発明によれば、第1の駆動手段が圧電振動子であるので、1秒間に数回以上、第1の固定部を第2の固定部に接離できる。また、第1の固定部を第2の固定部に接離させる周波数が互いに異なる第1の駆動手段と第2の駆動手段を備えている。このため、第1の駆動手段を用いて第1の固定部を第2の固定部に比較的高速で接離できる。また、第2の駆動手段を用いて第1の固定部を第2の固定部に比較的低速で接離できる。このように、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定部を第2の固定部に接離できる。
【0036】
請求項7に記載した本発明によれば、中心線が、第1の試験片の厚みと幅との双方を二等分している。このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などがより弾性変形しにくくなっている。
【0037】
請求項8に記載した本発明によれば、複数の接点が並ぶ直線が出力部の中心軸と同軸になる。このため、第1の試験片と第2の試験片とを互いに接離する際に、接点から第1の試験片即ち第1の固定部に作用する反力が、出力部の中心軸と同軸になる。このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などがより弾性変形しにくくなっている。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の開示例を図1ないし図13を参照して説明する。
図1などに示す本発明の開示例にかかるフレッチング腐食試験装置1は、図11に示す第1の試験片としての雄型の端子金具(以下雄端子と呼ぶ)2と、図12に示す第2の試験片としての雌型の端子金具(以下雌端子と呼ぶ)3とを取り付ける。これらの端子2,3を互いに接続して、フレッチング腐食試験装置1は、これらの端子2,3を微摺動摩耗(フレッチング腐食)させたときの端子2,3間の電気的な抵抗を測定して、端子2,3の良否を判定する装置である。フレッチング腐食試験装置1は、端子2,3の設計・開発段階において、これらの端子2,3が予め定められた要求を満たしているか否かを判定するために用いられる。
【0039】
前記フレッチング腐食試験装置1は、図13に示すように、雄端子2と雌端子3とを接続させて、雄端子2の後述するタブ4と雌端子3の後述する筒部8の長手方向(端子2,3の長手方向)に沿って、これらの端子2,3を相対的に微少な距離内を移動させて、前述したフレッチング腐食試験を行う。
【0040】
雄端子2は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雄端子2は、図11に示すように、第1の電気接触部としてのタブ4と、電線接続部5と、連結部6と、を一体に備えている。タブ4は、帯状(平板状)に形成されている。タブ4は、帯状に形成されて、雌端子3の後述する筒部8内に挿入されて、該雌端子3と電気的に接続する。
【0041】
電線接続部5は、電線を加締める加締め片7を複数備えている。電線接続部5は、加締め片7が電線を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。連結部6は、筒状に形成されており、タブ4と電線接続部5とを電気的に接続している。雄端子2は、タブ4と連結部6と電線接続部5とがタブ4の長手方向に沿って順に連結している。なお、雄端子2は、本明細書に記した一方の端子金具をなしている。さらに、図11中の矢印T1に沿うタブ4の厚み方向を雄端子2の厚み方向と呼び、図11中の矢印H1に沿うタブ4の幅方向を雄端子2の幅方向と呼ぶ。
【0042】
雌端子3は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雌端子3は、図12に示すように、第2の電気接触部としての筒部8と、ばね片9と、電線接続部10と、を一体に備えている。筒部8は、筒状に形成されている。ばね片9は、帯状に形成されており、筒部8内に曲げられた格好で収容されている。ばね片9は、弾性変形可能である。ばね片9は、筒部8内に侵入した雄端子2のタブ4を筒部8の内面に向かって押す。ばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押して、筒部8は、雄端子2と電気的に接続する。
【0043】
電線接続部10は、電線を加締める加締め片11を複数備えている。電線接続部10は、加締め片11が電線を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。雌端子3は、筒部8と電線接続部10とがばね片9の長手方向に沿って互いに連結している。なお、雌端子3は、本明細書に記した他方の端子金具をなしている。さらに、図12中の矢印T2に沿うばね片9の厚み方向を雌端子3の厚み方向と呼び、図12中の矢印H2に沿うばね片9の幅方向を雌端子3の幅方向と呼ぶ。
【0044】
図13に示すように、タブ4が筒部8内に侵入しかつばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押し付けて、雄端子2と雌端子3とが互いに接続する。このとき、タブ4の長手方向と筒部8の長手方向とが平行となり、タブ4と筒部8との間の接触圧力を正規圧力に保つ。なお、接触圧力とは、タブ4と筒部8との相互間の圧力である。正規圧力とは、雄端子2と、雌端子3との設計時に定められる正常な(正規の)タブ4と筒部8との間の接触圧力である。このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる状態に雄端子2と雌端子3とが嵌合した状態を正規嵌合状態と呼ぶ。この正規嵌合状態では、雄端子2と雌端子3には、タブ4とばね片9以外からは外力が作用していない。フレッチング腐食試験装置1は、前記タブ4及び筒部8の長手方向に沿って雄端子2と雌端子3とを互いに近づけたり離して(即ち接離して)、端子2,3の特にタブ4と筒部8の内面などをフレッチング腐食させる。
【0045】
そして、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の設計の良否を判定する。即ち、フレッチング腐食試験装置1は、タブ4及び筒部8の長手方向に沿って、予め定められた距離内を予め定められた回数、端子2,3を接離(微摺動)させた際の端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の設計の良否を判定する。
【0046】
フレッチング腐食試験装置1は、図1に示すように、装置本体としてのベース12と、駆動手段としての圧電振動子15と、支持テーブル16と、検出手段としての変位センサ13と、支持テーブル16に取り付けられた第1の固定部としての第1の固定具17と、第2の固定部としての第2の固定具18と、測定手段としての測定部19と、制御手段としての制御装置20と、を備えている。
【0047】
ベース12は、フロア上などに設置される。ベース12は、ベース本体14と、第1の固定片21と、第2の固定片22と、を備えている。ベース本体14の上面は水平方向に沿って平坦である。第1の固定片21と第2の固定片22は、ベース本体14の上面に取り付けられている。
【0048】
圧電振動子15は、第1の固定片21と支持テーブル16との間に設けられており、これらと連結している。即ち、圧電振動子15は、支持テーブル16を介してベース12と第1の固定具17とを互いに連結している。
【0049】
圧電振動子15は、図10に示すように、本体部48と、一対の押圧板46と、を備えている。本体部48は、円筒状のケース41と、該ケース41内に収容されるサブアッセンブリ42と、を備えている。サブアッセンブリ42は、圧電素子43と、一対の電極44と、一対の絶縁板45と、を備えている。圧電素子43は、円板状に形成されている。圧電素子43は、例えば、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や水晶などの高剛性でかつ圧電性を有する材料からなる。
【0050】
一対の電極44は、それぞれ円板状に形成されている。一対の電極44は、それぞれ、圧電素子43の両表面に重ねられている。一対の電極44は、圧電素子43と接触しかつこの圧電素子43を互いの間に挟み込んでいる。電極44には、それぞれ、リード線47などが接続している。リード線47は、電源49に接続している。一対の絶縁板45は、それぞれ円板状に形成されている。一対の絶縁板45は、電極44に重ねられている。絶縁板45は、互いの間に電極44を挟み込んでいる。
【0051】
押圧板46は、円板部50と、出力部としての円柱部51とを一体に備えている。円板部50と円柱部51とは互いに同軸的に配されている。円板部50は絶縁板45に重ねられかつケース41内に収容されている。円柱部51は、ケース41外に突出している。一対の押圧板46は、互いの間に絶縁板45を挟み込んでいる。一方の押圧板46の円柱部51は、ベース12の第1の固定片21に連結している。このため、本体部48は、一方の押圧板46の円柱部51を介してベース12の第1の固定片21に取り付けられている。他方の押圧板46の円柱部51は、支持テーブル16に連結している。このため、他方の押圧板46の円柱部51は、支持テーブル16を介して第1の固定具17に取り付けられている(連結している)。また、一対の押圧板46の円板部50と円柱部51とは、互いに同軸となっている。
【0052】
圧電振動子15の圧電素子43は、電源49などによって一対の電極44間に印加されて歪むとともに、絶縁板45などを介して押圧板46を振動させる。圧電素子43は、電源49などによって一対の電極44間に印加されると、押圧板46の円柱部51の中心軸P1(図10中などに一点鎖線で示す)に沿って、所定の周波数で振動する。そして、圧電素子43は、押圧板46の特に円柱部51を本体部48から前記中心軸P1に沿って突没させる。
【0053】
そして、圧電素子43が押圧板46の特に円柱部51を本体部48から前記中心軸P1に沿って突没させることで、圧電振動子15は、支持テーブル16を中心軸P1に沿って(図10中の矢印Kに沿って)振動させる。こうして、圧電振動子15は、支持テーブル16を介して第1の固定具17を第2の固定具18に近づけたり離したり(接離)するとともに、雄端子2を雌端子3に近づけたり離したり(接離)する。
【0054】
前記電源49には、リード線47が接続している。電源49は、インターフェース(図1中にI/Fと示し、以下I/Fと呼ぶ)24を介して、制御装置20に接続している。電源49は、制御装置20からの命令に基づいて、リード線47を介して一対の電極44間に印加する。
【0055】
支持テーブル16には、変位センサ13と第1の固定具17とが取り付けられている。変位センサ13には、アンプ23が接続している。変位センサ13は、圧電振動子15の圧電素子43が支持テーブル16を振動させる際に、該振動に基づく支持テーブル16の変位に関する情報をアンプ23に向かって出力する。アンプ23は、I/F24を介して、制御装置20に接続している。変位センサ13から出力された支持テーブル16の変位に関する情報は、アンプ23で増幅されて制御装置20に入力する。
【0056】
第1の固定具17は、支持テーブル16に取り付けられている。第1の固定具17は、図2に示すように、雄端子2を支持テーブル16に取り付ける。第1の固定具17は、図5に示すように、一対の挟み片28と、一つの取付用ボルト29と、変更手段としての一対の長孔30と、固定手段としての固定部31とを備えている。
【0057】
一対の挟み片28は、支持テーブル16上に重ねられている。一対の挟み片28は、前記圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1に直交しかつ水平方向に沿って互いに並べられており、互いに接離自在に設けられている。一対の挟み片28には、それぞれ、取付用ボルト29が螺合するねじ孔32が設けられている。それぞれの挟み片28に設けられたねじ孔32は、互いに同一線上に配されている。これらのねじ孔32には、取付用ボルト29が螺合する。取付用ボルト29がねじ孔32にねじ込まれる量に応じて、一対の挟み片28が前記ねじ軸55の軸芯に直交しかつ水平方向に沿って互いに接離する。
【0058】
一対の挟み片28は、互いの間に、タブ4の厚み方向T1と一対の挟み片28が互いに接離する方向とが平行になる状態で雄端子2の連結部6を挟む。即ち、一対の挟み片28は、タブ4の長手方向に交差する断面形の長手方向が、鉛直方向に沿う状態で、雄端子2の連結部6を互いの間に挟む。
【0059】
取付用ボルト29は、ねじ孔32に螺合する。取付用ボルト29が、ねじ孔32の奥にねじ込まれるのにしたがって、一つの挟み片28が徐々に互いに近づく。取付用ボルト29が、ねじ孔32からゆるめられるのにしたがって、一対の挟み片28が徐々に互いに離れる。
【0060】
一対の長孔30は、それぞれ、支持テーブル16に挟み片28が重ねられる方向に沿って、挟み片28を貫通している。長孔30の長手方向は、一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿っている。長孔30の内側には、固定部31の後述するボルト34が通される。長孔30は、内側にボルト34が通されることによって、一対の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4の厚み方向に沿って、これらの挟み片28を支持テーブル16に対して移動自在とする。即ち、長孔30は、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を変更可能としている。
【0061】
固定部31は、一対のねじ孔33と、一対のボルト34とを備えている。ねじ孔33は、支持テーブル16の表面に開口している。ねじ孔33は、支持テーブル16に挟み片28が重ねられると、長孔30と連通する。
【0062】
ボルト34は、長孔30を通してねじ孔33に螺合する。ボルト34は、長孔30の長手方向に沿って、長孔30に対して相対的に移動可能である。ボルト34は、ねじ孔33の奥までねじ込まれると、該ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで固定する。ボルト34は、ねじ孔33からゆるめられると、頭34aと支持テーブル16との間に隙間が生じて、挟み片28を互いに接離する方向即ちタブ4の厚み方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在とする。こうして、固定部31は、ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで、該挟み片28を支持テーブル16に固定する。
【0063】
前述した構成によって第1の固定具17は、取付用ボルト29をねじ孔32にねじ込むことによって、一対の挟み片28間に雄端子2を挟む。そして、長孔30内をボルト34が通る位置が調整されて、即ち、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置が調整されて、ボルト34がねじ孔33の奥にねじ込まれる。そして、挟み片28が支持テーブル16に固定される。こうして、第1の固定具17は、雄端子2を支持テーブル16に固定する。
【0064】
また、第1の固定具17は、挟み片28間に挟む雄端子2の中心線P2(図2中などに一点鎖線で示す)が、前記支持テーブル16に連結した圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1と同軸となる位置に配されている。すなわち、中心線P2と中心軸P1とは同一線上に位置している。なお、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二分するとともに雄端子2のタブ4の長手方向に沿っている。即ち、中心線P2は、雄端子2の幅と厚みを二分しているとともに、後述の矢印Sに沿っている。望ましくは、雄端子2の中心線P2は、タブ4の幅と厚みを二等分する。
【0065】
第2の固定具18は、ベース12の第2の固定片22に取り付けられている。第2の固定具18は、雌端子3を取り付ける。第2の固定具18は、第1の固定具17の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4の長手方向に沿って、第1の固定具17と相対している。第2の固定具18は、図2ないし図4に示すように、ベース12の第2の固定片22に取り付けられており、溝35と、一対の押さえ板36と、一対の板ばね37とを備えている。
【0066】
溝35は、ベース12の第2の固定片22の表面から凹に形成されている。溝35は、第1の固定具17の一対の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4と相対する位置に配されている。溝35は、第1の固定具17に取り付けられる雄端子2のタブ4の長手方向に沿って直線状に延びている。溝35は、雌端子3の外形に沿って形成されている。溝35は、ばね片9の厚み方向T2が、第1の固定具17の一対の挟み片28が互いに接離する方向と平行な状態で、内側に雌端子3を収容する。
【0067】
また、ベース12の第2の固定片22の表面には、一対のねじ孔38が設けられている。これらのねじ孔38は、互いの間に、第1の固定具17の挟み片28が互いに接離する方向に沿って溝35を位置させている。
【0068】
一対の押さえ板36は、板状に形成されている。押さえ板36は、ベース12の第2の固定片22に重ねられる。押さえ板36には、長孔39が貫通している。長孔39の長手方向は、第1の固定具17の挟み片28が互いに接離する方向と平行である。長孔39は、押さえ板36がベース12に重ねられると、ねじ孔38と連通する。長孔39内には、ボルト40が通される。ボルト40は、長孔39内を通って、ねじ孔38に螺合する。ボルト40が、長孔39内を通り、かつこれらのボルト40と長孔39とが相対的に移動することにより、押さえ板36は、長孔39の長手方向に沿って移動自在となる。
【0069】
押さえ板36は、長孔39の長手方向に沿って移動して、図3に示す一端部36aが溝35に重なる第1の位置と、図4に示す一端部36aが溝35に重ならなくなる第2の位置とに亘って移動する。
【0070】
ボルト40がねじ孔38の奥までねじ込まれると、該ボルト40の頭40aが押さえ板36と接触して押さえ板36をベース12に向かって押す。そして、ボルト40が押さえ板36を固定する。ボルト40がねじ孔38からゆるめられると、該ボルト40の頭40aと押さえ板36との間に隙間が生じて、押さえ板36を長孔39の長手方向に沿って移動自在とする。
【0071】
また、前記溝35内に雌端子3を収容しかつ第1の位置に位置づけた状態でボルト40などで固定すると、押さえ板36は、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押す。また、前述した第2の位置に押さえ板36を位置づけると、押さえ板36の一端部36a間を通して、溝35に雌端子3を出し入れ自在となる。
【0072】
それぞれの板ばね37は、一端部がベース12に取付られかつ他端部が押さえ板36に重ねられている。板ばね37は、押さえ板36をベース12に向かって押している。板ばね37は、押さえ板36がベース12から不意に脱落することを防止している。
【0073】
前述した構成によって、第2の固定具18は、第2の位置に押さえ板36を位置づけて、溝35内に雌端子3を収容する。第1の位置に押さえ板36を位置づけて、ボルト40をねじ孔38の奥にねじ込んで、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36をベース12に固定する。こうして、第2の固定具18は、雌端子3のばね片9の幅方向に沿って、雌端子3を押さえ板36と溝35の底面35aとの間に挟んで固定する。第2の固定具18は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二分するとともに矢印Sに沿った中心線P4が、前述した中心軸P1と同軸となる位置に雌端子3を取り付ける。こうして、第1の固定具17と第2の固定具18は、中心線P2,P4が、前述した中心軸P1と同軸となる位置に端子2,3を取り付ける。
【0074】
測定部19は、電源ユニット25と、電圧計26とを備えている。電源ユニット25は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電源ユニット25のプラスの端子は、第2の固定具18を介して雌端子3と電気的に接続する。電源ユニット25のマイナスの端子は、第1の固定具17を介して雄端子2と電気的に接続する。電源ユニット25は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第1の固定具17と第2の固定具18とを介して、端子2,3間に所定の電流値で印加する。
【0075】
電圧計26は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電圧計26のプラスの端子は、第2の固定具18を介して雌端子3と電気的に接続する。電圧計26のマイナスの端子は、第1の固定具17を介して雄端子2と電気的に接続する。電圧計26は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第1の固定具17と第2の固定具18とを介して、端子2,3間の電圧を測定する。前述した構成の測定部19は、制御装置20からの命令に基づいて、前記電源ユニット25が端子2,3間に印加するとともに、電圧計26が端子2,3間の電圧を測定する。
【0076】
制御装置20は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータであって、前記電源49とアンプ23と測定部19などと接続して、フレッチング腐食試験装置1全体の制御をつかさどる。制御装置20は、双方向バス27などを介して前記電源ユニット25と電圧計26とに接続している。制御装置20は、双方向バス27などを介してI/F24と接続している。I/F24には、前記電源49と、アンプ23とが接続している。
【0077】
制御装置20は、予め記憶されたプログラムに基づいて、I/F24を介して電源49を圧電振動子15の電極44間に印加させて、支持テーブル16即ち第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる。即ち、第1の固定具17と第2の固定具18は、図1中の矢印Sに沿って、互いに接離する。矢印Sは、第1の固定部17と第2の固定具18とが互いに接離する方向をなしており、雄端子2のタブ4の長手方向即ちタブ4が雌端子3の筒部8内に侵入する方向に沿っている。このため、端子2,3は、タブ4の長手方向に沿って、互いに接離される。なお、このときの振幅は、例えば50μmなどの微少な距離となっている。
【0078】
そして、制御装置20は、アンプ23などを介して変位センサ13から入力する支持テーブル16の変位に関する情報に基づいて、前記電源49の電極44間の印加状況を制御して、圧電振動子15の圧電素子43を予め定められる周波数、振幅などで振動させる。圧電振動子15の振動によって、1回、第1の固定具17が第2の固定具18に接離すると、制御装置20は、前記測定部19の電源ユニット25に端子2,3間に印加させるとともに、電圧計26に端子2,3間の電圧を測定させる。
【0079】
電圧計26から双方向バス27を介して、制御装置20に前記端子2,3間の電圧に応じた信号が伝えられる。制御装置20は、電圧計26からの電圧と、電源ユニット25が印加した電流値とから前記端子2,3間の抵抗値を求める。そして、制御装置20は、再度、圧電振動子15の電極44間に印加して、圧電素子43を振動させるとともに、端子2,3を互いに接離させて、端子2,3間の抵抗値を求める。
【0080】
こうして、制御装置20即ちフレッチング腐食試験装置1は、端子2,3を互いに接離させて、これらの端子2,3間の抵抗を測定する。また、制御装置20は、圧電振動子15の圧電素子43を一回振動させる毎即ち端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良く、複数回端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良い。制御装置20は、フレッチング腐食試験の開始直後には、端子2,3を互いに接離させる毎に測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させるのが望ましく、試験の経過時間とともに端子2,3間の抵抗を測定する間隔(抵抗を測定する間に端子2,3を互いに接離させる回数)を徐々に大きくするのが望ましい。
【0081】
例えば、端子2,3を接離させるのが1回目から10回目では、毎回端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが10回目から100回目では、数回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが100回目から1000回目では、数十回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが1000回目を越えると、100回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。
【0082】
また、前記制御装置20は、前記双方向バス27などを介して周知のプリンタ装置やモニタなどと接続しても良い。この場合、前述した測定結果(端子2,3間の抵抗値)などを、前記プリンタ装置やモニタなどから出力させる。
【0083】
前述した構成のフレッチング腐食試験装置1を用いて、端子2,3の微摺動試験(フレッチング腐食試験)を実施する際には、まず、試験対象物としての端子2,3それぞれを固定具17,18に以下のように取り付ける。まず、端子2,3の取付前では、図6に示すように、第1の固定具17のボルト29,34がゆるめられて、挟み片28が互いに離れているとともに、これらの挟み片28が互いに接離する方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在となっている。また、図4に示すように、第2の固定具18のボルト40がゆるめられて、押さえ板36が第2の位置に位置づけられている。
【0084】
そして、雌端子3の筒部8内に雄端子2のタブ4を挿入して、これらの端子2,3を互いに接続する。図7に示すように、第1の固定具17の一対の挟み片28間に雄端子2を挿入する。さらに、第2の固定具18の溝35内に雌端子3を挿入する。このとき、雄端子2のタブ4の厚み方向T1が一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿いかつ雌端子3のばね片9の厚み方向T2が一対の押さえ板36が互いに接離する方向に沿っている。
【0085】
その後、押さえ板36を第2の位置に位置づけて、ボルト40を若干ねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、第2の固定具18の押さえ板36で雌端子3を仮止めする。図8に示すように、取付用ボルト29をねじ孔32の奥に向かってねじ込んで、挟み片28間に雄端子2を挟む。こうして、挟み片28と雄端子2とを互いに固定する。
【0086】
すると、前記雄端子2のタブ4と雌端子3のばね片9の弾性復元力によって、前述した正規嵌合状態を保つように、挟み片28が支持テーブル16に対して移動する。または、前述した正規嵌合状態となるように、挟み片28を図8中の矢印Yに沿って移動する。このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力は正規圧力に保たれる。したがって、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との接触圧力を正規圧力に保った状態で端子2,3をベース12などに固定する。その後、図9に示すように、ボルト34をねじ孔33の奥に向かってねじ込んで、挟み片28を支持テーブル16に固定する。さらに、図3に示すように、ボルト40をねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36をベース12に固定する。このように、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる位置に、挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を調整した後(位置づけた後)、固定部31により挟み片28を支持テーブル16に固定して、端子2,3をベース12などに固定する。
【0087】
こうして、固定具17,18に端子2,3を固定した後、制御装置20に予め記憶されているパターンにしたがって、圧電振動子15の電極44に印加して、前記端子2,3を例えば50μmの距離接離させる。このときの振動に関する情報に基づいて、電極44に印加する。また、端子2,3が接離した後、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。こうして、所定回数、端子2,3を互いに接離させて、端子2,3間の電気的な抵抗を測定する。
【0088】
開示例によれば、第1の固定具17と第2の固定具18によって、雄端子2の中心線P2と、雌端子3の中心線P4と、圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1と、が互いに同軸的に配されている。このため、電極44間に印加されて押圧板46の円柱部51が本体部48から突没する際に、端子2,3間の摩擦力によって、支持テーブル16、ベース12や第1の固定具17が弾性変形しにくくなる。このため、雄端子2と雌端子3とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
【0089】
固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離させるために、圧電振動子15を用いている。このため、1秒間に数回以上、固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができることにくわえ、比較的高速で雄端子2と雌端子3とを接離でき、該微摺動試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0090】
また、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二等分するのが望ましい。さらに、雌端子3の中心線P4は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二等分するのが望ましい。この場合、固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離させる際に、端子2,3間の摩擦力によって、支持テーブル16、ベース12や第1の固定具17がより弾性変形しにくくなっている。このため、雄端子2と雌端子3とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
【0091】
さらに、タブ4と筒部8との接触圧力を正規圧力に保った状態で、第1の固定具17が雄端子2を支持テーブル16に固定する。そして、微摺動試験を行う。このため、試験開始前に、タブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止できる。
【0092】
雌端子3のばね片9の幅方向に沿って、雌端子3を押さえ板36と溝35の底面35aとの間に挟んで固定する。このため、雌端子3を固定する際の挟む力によって、ばね片9が変形することを防止できる。このため、試験開始前及び試験中のタブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止できる。このため、実際にコネクタハウジング内に収容された状態で雄端子2と雌端子3の微摺動試験を行うことができる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
【0093】
また、第1の固定具17の長孔30が挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を変更可能としている。また、長孔30内をボルト34が通る位置を調整するなどして、タブ4と筒部8との接触圧力が正規圧力となる位置に挟み片28を位置づけて、ボルト34をねじ孔33にねじ込んで、挟み片28を支持テーブル16に固定する。このため、タブ4と筒部8との接触圧力が正規圧力となる位置に端子2,3を確実に固定できる。
【0094】
このため、試験開始前に、タブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止でき、実際にコネクタハウジング内に収容された状態で雄端子2と雌端子3の微摺動試験を行うことができる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
【0095】
次に、本発明の第1の実施形態のフレッチング腐食試験装置を図14を参照して説明する。なお、前述した開示例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0096】
本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、図14に示すように、第1の駆動手段としての前述した圧電振動子15と、第2の駆動手段としてのステッピングモータ53と、これらを連結する連結手段としての連結片54を備えている。圧電振動子15は、電極44間に印加されることにより円柱部51が中心軸P1に沿って本体部48から突没して、第1の周波数で第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。圧電振動子15の一方の押圧板46の円柱部51は、連結片54を介してステッピングモータ53に取り付けられている。
【0097】
ステッピングモータ53は、第2の本体部57と、出力軸としてのねじ軸55とを備えている。ステッピングモータ53は、I/F24などを介して、制御装置20に接続している。第2の本体部57は、ベース12に固定されている。ねじ軸55は、その軸芯P3(図14中に一点鎖線で示す)を中心として、回転自在に第2の本体部57に支持されている。ステッピングモータ53は、連結片54を介して圧電振動子15と、ベース12と、を互いに連結している。ステッピングモータ53は、軸芯P3を中心としてねじ軸55を回転することで、第1の周波数と異なりかつ該第1の周波数より低い第2の周波数で、軸芯P3に沿って、連結片54と支持テーブル16を介して第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。
【0098】
連結片54は、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する方向に沿ってベース12にスライド自在に支持されている。連結片54には、ねじ孔56が設けられている。ねじ孔56には、ねじ軸55がねじ込まれている。また、連結片54には、一方の押圧板46の円柱部51が連結している。連結片54は、押圧板46の円柱部51の中心軸P1と、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸となる状態で、圧電振動子15とステッピングモータ53とを連結する。即ち、中心軸P1と軸芯P3とは、同一線上に位置している。又、連結片54は、ステッピングモータ53が駆動すると、中心軸P1と軸芯P3に沿ってスライドする。
【0099】
また、本実施形態においても、第1の固定具17と第2の固定具18は、挟み片28間に挟む雄端子2の中心線P2と雌端子3の中心線P4が、圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1とねじ軸55の軸芯P3との双方と同軸となる位置に配されている。即ち、中心線P2,P4と中心軸P1と軸芯P3とは、同一線上に位置している。なお、雄端子2の中心線P2は、タブ4の幅と厚みを二分するとともに雄端子2のタブ4の長手方向即ち矢印Sに沿っている。雌端子3の中心線P4は、筒部8の幅と厚みを二分するとともに雄端子2のタブ4の長手方向即ち矢印Sに沿っている。望ましくは、雄端子2の中心線P2は、タブ4の幅と厚みを二等分する。雌端子3の中心線P4は、筒部8の幅と厚みを二等分する。
【0100】
前述した構成によれば、フレッチング腐食試験装置1は,圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方を選択して駆動して、第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。即ち、第1の固定部17と第2の固定具18とを互いに接離して、端子2,3を互いに接離させる。圧電振動子15を用いると、第1の周波数で第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。ステッピングモータ53を用いると、第2の周波数で第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。そして、端子2,3が接離した後、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。
【0101】
本実施形態によれば、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸である。雄端子2の中心線P2と、雌端子3の中心線P3と、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、が互いに同軸となる。
【0102】
このため、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する際に、端子2,3間の摩擦力によって、ベース12、支持テーブル16、第1の固定具17などが弾性変形しにくくなる。このため、雄端子2と雌端子3とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
【0103】
第1の駆動手段として圧電振動子15を用いているので、1秒間に数回以上、第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。したがって、比較的高速で雄端子2と雌端子3とを接離でき、該微摺動試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0104】
また、第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる周波数が互いに異なる圧電振動子15とステッピングモータ53を備えている。圧電振動子15を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的高速で接離できる。また、ステッピングモータ53を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的低速で接離できる。このように、圧電振動子15とステッピングモータ53とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。
【0105】
また、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二等分するのが望ましい。雌端子3の中心線P4は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二等分するのが望ましい。この場合、固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離させる際に、端子2,3間の摩擦力によって、支持テーブル16、ベース12や第1の固定具17がより弾性変形しにくくなっている。このため、雄端子2と雌端子3とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
【0106】
次に、本発明の第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置を図15を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0107】
本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、図15に示すように、変位センサ13の代わりに検出手段としてのレーザ変位計58を備えているとともに、測定手段としての荷重センサ59を備えている。
【0108】
レーザ変位計58は、反射部材60と、発光受光部61とを備えている。反射部材60は、支持テーブル16に取り付けられており、この支持テーブル16から上方に向かって立設している。
【0109】
発光受光部61は、装置本体としてのベース12にステッピングモータ53の第2の本体部57を介して取り付けられている。発光受光部61は、反射部材60に向かってレーザを照射するとともに、この反射部材60が反射したレーザを受光する。発光受光部61は、レーザを照射及び受光して、第1の固定具17の変位量(移動量)即ち雄端子2の変位量(移動量)を測定する。発光受光部61は、アンプ23とI/F24を介して制御装置20に接続している。発光受光部61即ちレーザ変位計58は、前述した第1の固定具17の変位量(移動量)即ち雄端子2の変位量(移動量)を制御装置20に向かって出力する。
【0110】
本実施形態では、第2の固定片22即ち第2の固定具18は、矢印Sに沿って移動自在にベース本体14に支持されている。本実施形態では、第2の固定片22即ち第2の固定具18は、荷重センサ59を介してベース12に取り付けられている。
【0111】
荷重センサ59は、第2の固定片22とベース12との間に設けられており、これらと連結している。荷重センサ59は、例えば、水晶などの圧電素子を備えている。荷重センサ59の圧電素子は、第2の固定片22が矢印Sに沿って移動した際に、第2の固定片22即ち第2の固定具18と雌端子3に作用する荷重(即ちタブ4と筒部8の内面との間に生じる摩擦力、試験片間の摩擦力)に応じた信号をアンプ23とI/F24とを介して制御装置20に向かって出力する。
【0112】
本実施形態の制御装置20には、ステッピングモータ53または圧電振動子15が駆動している間の前記荷重センサ59が測定した荷重値(摩擦力)が、アンプ23とI/F24とを介して入力する。また、ステッピングモータ53または圧電振動子15が駆動している間のレーザ変位計58が測定した支持テーブル16即ち第1の固定具17の変位量(移動量)が、アンプ23とI/F24とを介して入力する。
【0113】
前述した構成によれば、フレッチング腐食試験装置1は,圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方を選択して駆動して、第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。即ち、第1の固定部17と第2の固定具18とを互いに接離して、端子2,3を互いに接離させる。圧電振動子15を用いると、第1の周波数で第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。
【0114】
ステッピングモータ53を用いると、第2の周波数で第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。端子2,3同士を接離させている間の雄端子2の変位量(移動量)をレーザ変位計58で測定するとともに、前述した端子2,3間の摩擦力即ち試験片間の摩擦力を荷重センサ58で測定する。そして、端子2,3が接離した後、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。
【0115】
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様に、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸である。雄端子2の中心線P2と、雌端子3の中心線P3と、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、が互いに同軸となる。
【0116】
このため、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する際に、端子2,3間の摩擦力によって、ベース12、支持テーブル16、第1の固定具17などが弾性変形しにくくなる。このため、雄端子2と雌端子3とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
【0117】
第1の駆動手段として圧電振動子15を用いているので、1秒間に数回以上、第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。したがって、比較的高速で雄端子2と雌端子3とを接離でき、該微摺動試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0118】
また、第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる周波数が互いに異なる圧電振動子15とステッピングモータ53を備えている。圧電振動子15を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的高速で接離できる。また、ステッピングモータ53を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的低速で接離できる。このように、圧電振動子15とステッピングモータ53とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。
【0119】
また、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二等分するのが望ましい。雌端子3の中心線P4は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二等分するのが望ましい。この場合、固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離させる際に、端子2,3間の摩擦力によって、支持テーブル16、ベース12や第1の固定具17がより弾性変形しにくくなっている。このため、雄端子2と雌端子3とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
【0120】
また、前述した開示例及び第1の実施形態では、固定部17,18の位置を調整する機能をベース12及び支持テーブル16に設けていない。このため、微摺動試験中にベース12及び支持テーブル16などが変形することを防止できる。したがって、より一層正確に微摺動試験を行うことができる。
【0121】
さらに、前述した開示例及び第1の実施形態では、第1の固定具17に雄端子2を取り付けて、該雄端子2を雌端子3に対して相対的に移動させている。しかしながら、本発明では、第2の固定具18に雄端子2を取り付け第1の固定具17に雌端子3を取り付けても良いことは勿論である。
【0122】
このとき、第1の固定具17は、雌端子3の中心線P4(図12中などに一点鎖線で示す)を、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と同軸とする。なお、雌端子3の中心線P4とは、ばね片9の幅方向H2と厚み方向T2とに沿って筒部8を二分するとともに雌端子3の筒部8の長手方向に沿っている。雌端子3の中心線P4は、ばね片9の幅方向H2と厚み方向T2とに沿って筒部8を二等分するのが望ましい。更に、前述した実施形態では、雄端子2のタブ4が帯状に形成されている。しかしながら本発明では、タブ4を棒状に形成しても良いことは勿論である。
【0123】
また、本発明では、中心線P2がタブ4即ち雄端子2の厚みと幅とを二等分し、中心線P4が筒部8即ち雌端子3の厚みと幅とを二等分するのが望ましい。この場合、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する際に、ベース12や第1の固定具17などがより弾性変形しにくくなる。このため、端子2,3をより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験をより正確に行うことができる。
【0124】
さらに、前述した開示例、第1及び第2の実施形態において、フレッチング腐食試験装置1は、図16ないし図18に示す雄型のコネクタとしてのホルダ72と、図16ないし図18に示す雌型のコネクタ71(以下単に雌コネクタと呼ぶ)とを接続して、これらを矢印Sに沿って接離させて、後述の端子金具84とFPC74の導体75との間の電気的な抵抗を測定しても良い。フレッチング腐食試験装置1は、ホルダ72と雌コネクタ71の良否を判定しても良い。なお、ホルダ72は、本明細書に記した第1の試験片をなしており、雌コネクタ71は、本明細書に記した第2の試験片をなしている。
【0125】
ホルダ72は、図16ないし図18に示すように、電線としてのフレキシブルプリントサーキット(Flexible Printed Circuit:以下FPCと呼ぶ)74の端部74aを取り付けて、該端部74a即ちFPC74を支持する。
【0126】
FPC74は、フラット回路体をなしている。なお、フラット回路体とは、複数の導体と、該導体を被覆する絶縁性の被覆部と、を備えて扁平な帯状に形成されているものを示す。FPC74は、複数の導体75と、該導体75を被覆する一対の絶縁シート76と、を備えている。導体75は、断面形が矩形状に形成されている。導体75は、一方向に沿って延びている。複数の導体75は、互いに平行である。
【0127】
一対の絶縁シート76は、絶縁性の合成樹脂からなり帯状に形成されている。一対の絶縁シート76は、互いの間に複数の導体75を挟んでこれらの導体75を被覆している。前記端部74aでは、図18などに示すように、一対の絶縁シート76のうち一方が除去されて、導体75が露出している。
【0128】
ホルダ72は、絶縁性の合成樹脂からなり、弾性変形自在である。ホルダ72は、図16ないし図18に示すように、互いに平行な一対の壁77と、これら一対の壁77の一端部を互いに連結する連結壁78と、を一体に備えて、側方からみてコ字状に形成されている。
【0129】
一対の壁77は、それぞれ、平面形状が矩形状に形成されている。一対の壁77は、それぞれ、板状に形成されている。一対の壁77は、互いに間隔をあけて重なっている。一対の壁77は、平面形状が略重なっている。
【0130】
一対の壁77のうち一方の壁77には、嵌合受け部としての一対のロックアーム83が設けられている。ロックアーム83は、ホルダ72の壁77の長手方向即ちFPC74の幅方向の中央に設けられている。ロックアーム83には、雌ハウジング73の後述の係合突起95が嵌合する。
【0131】
他方の壁77の外面77bには、絶縁シート76が重ねられた状態でFPC74の端部74aが取り付けられる。他方の壁77の外面77bには、絶縁シート76が貼り付けられている。こうして、ホルダ72は、FPC74の端部74aを支持する。
【0132】
また、ホルダ72の壁77の連結壁78側の縁部77aには、一対の凹部80が設けられている。これらの凹部80は、互いの間にロックアーム83を位置付けている。さらに、凹部80は、一方の壁77の外面から凹に形成されている。
【0133】
雌コネクタ71は、図18に示すように、筒状の雌型のコネクタハウジング(以下雌ハウジングと呼ぶ)73と、端子金具84とを備えている。コネクタ71は、雌ハウジング73内に端子金具84を収容した状態で、図18に示すように、ホルダ72と嵌合する。
【0134】
雌ハウジング73は、合成樹脂からなる。雌ハウジング73は、扁平な筒状に形成されている。雌ハウジング73は、図18に示すように、端子金具84を収容する端子収容室79と係合突起95とを備えている。端子収容室79は、複数設けられ、それぞれ直線状に延びている。複数の端子収容室79は、互いに平行である。雌ハウジング73は、端子収容室79内に端子金具84を収容することで、端子金具84を複数収容する。端子収容室79は、キャビティをなしている。係合突起95は、雌ハウジング73の外面から突出している。
【0135】
また、雌ハウジング73は、図16ないし図18に示すように、印刷配線板(Printed Circuit board)85に取り付けられる。印刷配線板85は、図16ないし図18に示すように、絶縁性の合成樹脂からなる基板86と、該基板86の表面に形成された導体パターン87と、を備えている。導体パターン87は、例えば銅などの導電性の金属などからなり、かつ薄い膜状に形成されている。導体パターン87は、基板86の表面に貼り付けられている。
【0136】
端子金具84は、図18に示すように、雌ハウジング73の端子収容室79内に収容され、該雌ハウジング73が印刷配線板85に取り付けられると、前記導体パターン87と電気的に接続する。端子金具84は、導電性の板金などからなり、一対の接触片90と連結部88とを一体に備えている。
【0137】
一対の接触片90は、棒状に形成されかつ互いに間隔をあけて平行に配されている。接触片90の一端部は、連結部88に連なっている。一対の接触片90間には、これら接触片90の長手方向に沿う図18などに示す矢印Xに沿って、ホルダ72に端部74aが保持されたFPC74が挿入される。矢印Xは、雌コネクタ71の雌ハウジング73内に雄型のコネクタとしてのホルダ72を挿入する方向をなしている。
【0138】
一対の接触片90のうち図18中上方に位置する一方の接触片90(以下符号90aで示す)は、他方の接触片90(以下符号90bで示す)と相対する表面90c上にFPC74の端部74aを保持したホルダ72を位置付ける。他方の接触片90bの他端部には、ホルダ72の保持されたFPC74の端部74aから露出した導体75と接触する接触突部21が設けられている。接触突部21は、他方の接触片90bから一方の接触片90aに向かって突出している。接触突部21が導体75に接触することで、端子金具84は、FPC74と電気的に接続する。
【0139】
また、他方の接触片90bは、接触突部21が一方の接触片90aに接離する方向に弾性変形自在となっている。なお、接離とは、互いに近づいたり離れたりすることである。接触突部21が一方の接触片90aとの間に挟んだホルダ72に保持されたFPC74と接触すると、他方の接触片90bは、弾性復元力を生じて、FPC74を一方の接触片90aに向かって付勢する。
【0140】
連結部88は、一対の接触片90a,90bの一端部を互いに連結している。連結部88は、雌ハウジング73が印刷配線板85に取り付けられると、前記導体パターン87と電気的に接続する。
【0141】
雌ハウジング73とホルダ72とが互いに嵌合(接続)すると、接触片90bがFPC74の導体75と電気的に接続する。連結部88が印刷配線板85の導体パターン87と電気的に接続する。こうして、端子金具84は、FPC74の導体75と印刷配線板85の導体パターン87とを電気的に接続する。
【0142】
前述した構成の雌コネクタ71は、雌ハウジング73の端子収容室79内に端子金具84を収容した状態で、図17に示すように、雌ハウジング73の開口部とホルダ72の壁77の連結壁78から離れた側の縁部とが相対される。そして、ホルダ72の他方の壁77が雌ハウジング73内に挿入される。その後、雌コネクタ71は、ホルダ72のロックアーム83に雌ハウジング73の係合突起95が嵌合して、図16及び図18に示すように、ホルダ72と嵌合する。このとき、端子金具84は、一対の接触片90a,90b間にホルダ72と該ホルダ72に端部74aが保持されたFPC74とを挟む。
【0143】
そして、接触突部21とFPC74の導体75とが接触して、端子金具84とFPC74の導体75とを電気的に接続する接点C(図18に示す)が複数形成される。これらの接点Cは、前述した矢印Xに対し直交する直線Z(図16中に一点鎖線で示す)上に並んでいる。直線Zは、雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向に直交する方向をなしている。
【0144】
前述したフレッチング腐食試験装置1で、ホルダ72と雌コネクタ71とを取り付けて、これらの良否を判定する際には、前述した矢印Xに沿ってホルダ72と雌コネクタ71とを相対的に移動(これらを接離させる)させることがある。また、前述した直線Zに沿ってホルダ72と雌コネクタ71とを相対的に移動(これらを接離させる)させることがある。
【0145】
ホルダ72と雌コネクタ71とを矢印Xに沿って接離させる際には、図19に示す第1の固定部としての第1の固定具101と、図19に示す第2の固定部としての第2の固定具102とを用いる。なお、図19において、前述した開示例、第1及び第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0146】
第1の固定具101は、支持テーブル16に取り付けられる。第1の固定具101は、図19に示すように、ホルダ72を支持テーブル16に取り付ける。第1の固定具101は、図19に示すように、ボルト103により支持テーブル16に取り付けられる本体部104と、複数の位置決め突起105とを一体に備えている。本体部104即ち第1の固定具101は、ボルト103のねじ込み量を調整することにより、鉛直方向に移動自在に支持テーブル16に支持されている。本体部104即ち第1の固定具101は、ボルト103のねじ込み量を調整することにより、支持テーブル16との間隔を変更可能となっている。
【0147】
位置決め突起105は、本体部104の第2の固定具102寄りに端部に設けられ、本体部104から第2の固定具102に向かって突出している。位置決め突起104は、ホルダ72の凹部80内に侵入して、該ホルダ72を位置決めする。
【0148】
第1の固定具101は、本体部104と支持テーブル16との間にホルダ72を位置付け、位置決め突起104を凹部80内に挿入して、ホルダ72を位置決めする。そして、ボルト103をねじ込むことにより、第1の固定具101は、本体部104と支持テーブル16との間にホルダ72を挟んで、該ホルダ72を位置決めする。こうして、第1の固定具101は、FPC74の長手方向と雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向(図19中の矢印Xで示す)と矢印Sとが互いに平行な状態で、ホルダ72を位置決めする。
【0149】
このとき、第1の固定具101は、本体部104と支持テーブル16との間に挟むホルダ72の中心線P5(図19中などに一点鎖線で示す)が、前記支持テーブル16に連結した圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1と同軸となる位置に配されている。すなわち、中心線P5と中心軸P1とは同一線上に位置している。なお、ホルダ72の中心線P5は、ホルダ72の幅と厚みを二分するとともにFPC74の長手方向に沿っている。即ち、中心線P5は、ホルダ72の幅と厚みを二分しているとともに、矢印S,Xに沿っている。望ましくは、中心線P5は、ホルダ72の幅と厚みを二等分する。なお、ホルダ72の幅とは、FPC74の長手方向に直交しかつFPC74の複数の導体75が互い並ぶ方向のホルダ72の寸法である。ホルダ72の厚みとは、FPC74の長手方向に直交しかつFPC74の表面に直交する方向のホルダ72の寸法である。
【0150】
さらに、前述した第及び第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1に、用いられる際には、第1の固定具101は、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3と、中心線P5が同軸となる位置にホルダ72を位置決めする。すなわち、中心線P5と中心軸P1と軸芯P3は同一線上に位置する。
【0151】
第2の固定具102は、第1の固定具101の本体部104と支持テーブル16との間に挟まれるホルダ102に取り付けられたFPC74の長手方向に沿って、第1の固定具101と相対している。第2の固定具102は、ベース12の第2の固定片22に取り付けられている。第2の固定具102は、雌コネクタ71を取り付ける。第2の固定具102は、図19に示すように、ボルト106により第2の固定片22に取り付けられる本体部107と、挟持部材108とを備えている。本体部107は、平板状に形成されている。
【0152】
挟持部材108は、ボルト109により本体部107に取り付けられる。挟持部材108は、ボルト109のねじ込み量を調整することにより、鉛直方向に移動自在に本体部107に支持されている。挟持部材108は、ボルト109のねじ込み量を調整することにより、本体部107との間隔を変更可能となっている。
【0153】
第2の固定具102は、本体部107と挟持部材109との間に雌コネクタ71が取り付けられた印刷配線板85を位置付けて、雌コネクタ71を位置決めする。そして、ボルト109をねじ込むことにより、第2の固定具102は、本体部107と挟持部材108との間に印刷配線板85を挟んで、雌コネクタ71を位置決めする。こうして、第2の固定具102は、端子金具84の長手方向と雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向(図19中の矢印Xで示す)と矢印Sとが互いに平行な状態で、雌コネクタ71を位置決めする。
【0154】
このとき、第2の固定具102は、本体部107と挟持部材108との間に印刷配線板85を挟んで位置決めした雌コネクタ71の中心線P6(図19中などに一点鎖線で示す)が、前記支持テーブル16に連結した圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1と同軸となる位置に配されている。すなわち、中心線P6と中心軸P1とは同一線上に位置している。なお、雌コネクタ71の中心線P6は、雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の幅と厚みを二分するとともに端子金具84の長手方向に沿っている。即ち、中心線P6は、雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の幅と厚みを二分しているとともに、矢印S,Xに沿っている。
【0155】
望ましくは、雌コネクタ71の中心線P6は、雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の幅と厚みを二等分する。なお、雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の幅とは、端子金具84の長手方向に直交しかつ複数の接点Cが互い並ぶ直線Zに沿った雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の寸法である。雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の厚みとは、端子金具84の長手方向と複数の接点Cが互い並ぶ直線Zとの双方に直交する方向の雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の寸法である。
【0156】
また、測定部19の電源ユニット25と電圧計26とは、端子金具84と接続した導体パターン87と、FPC74の導体75とに接続する。
【0157】
図19に示す第1及び第2の固定具101,102を用いて、ホルダ72と雌コネクタ71とに微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を施す際には、まず、ホルダ72の凹部80内に位置決め突起105を挿入して、ボルト103をねじ込んで、第1の固定具101の本体部104と、支持テーブル16との間にホルダ72を挟む。こうして、まず、第1の固定具101にホルダ72を位置決めして、このホルダ72を取り付ける。
【0158】
そして、第2の固定具102の挟持部材108と本体部107との間に印刷配線板85を位置付けて、第1の固定具101に第2の固定具102を近づける。そして、雌コネクタ71の雌ハウジング73を適宜移動させて、ホルダ72を矢印Xに沿って雌コネクタ71の雌ハウジング73内に挿入する。ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに嵌合(接続)する。そして、ボルト109をねじ込んで、第2の固定具102に雌コネクタ71を固定する。こうして、開示例のフレッチング腐食試験装置1では、中心線P5,P6と中心軸P1とを同軸にする。さらに、第及び第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1では、中心線P5,P6と中心軸P1と軸芯P3を同軸にする。
【0159】
そして、開示例のフレッチング腐食試験装置1では、圧電振動子15の円柱部51を突没させて、第1の固定具101即ちホルダ72をスライドさせる。こうして、矢印Sに沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに接離させる。また、第及び第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1では、圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方を駆動して、第1の固定具101即ちホルダ72をスライドさせる。こうして、矢印Sに沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに接離させる。さらに、第2の実施形態では、レーザ変位計58が第1の固定具101即ちホルダ72の変位量(移動量)を測定するとともに、荷重センサ59がホルダ72と雌コネクタ71の端子金具84との間の摩擦力(試験片間の摩擦力)を測定する。
【0160】
そして、所定回数、第1の固定具101と第2の固定具102とを接離した後即ちホルダ72と雌コネクタ71とを矢印X,Sに沿って接離した後、測定部19で導体75と導体パターン87との間の電気的な抵抗を測定する。
【0161】
図19に示す例では、第1の固定具101と第2の固定具102によって、ホルダ72の中心線P5と、雌コネクタ71の中心線P6と、圧電振動子15の本体部48から突没自在の円柱部51の中心軸P1と、が互いに同軸的になる。また、第1の固定具101と第2の固定具102によって、ホルダ72の中心線P5と雌コネクタ71の中心線P6と、圧電振動子15の本体部48から突没自在の円柱部51の中心軸P1、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸的になる。
【0162】
このため、圧電振動子15の円柱部51が突没する際即ち第1の固定具101が第2の固定具102に接離する際に、ベース12や第1の固定具101などが弾性変形しにくくなる。このため、ホルダ72と雌コネクタ71とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことができる。
【0163】
圧電振動子15を用いて、第1の固定具101と第2の固定具102とを互いに接離させる。1秒間に数回以上、第1の固定具101を第2の固定具102に接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができることにくわえ、比較的高速でホルダ72と雌コネクタ71とを接離でき、該微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0164】
また、第1の固定具101を第2の固定具102に接離させる周波数が互いに異なる圧電振動子15とステッピングモータ53とを用いる。このため、圧電振動子15を用いて第1の固定具101を第2の固定具102に比較的高速で接離できる。また、ステッピングモータ53を用いて第1の固定具101を第2の固定具102に比較的低速で接離できる。このように、圧電振動子15とステッピングモータ53とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定具101を第2の固定具102に接離できる。
【0165】
中心線P5が、ホルダ72の厚みと幅との双方を二等分する際には、ベース12や第1の固定具101などがより弾性変形しにくくなる。さらに、中心線P6が、雌コネクタ71即ち雌ハウジング73の厚みと幅との双方を二等分する際には、ベース12や第1の固定具101などがより弾性変形しにくくなる。これらの場合、ホルダ72と雌コネクタ71とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験をより正確に行うことができる。
【0166】
ホルダ72と雌コネクタ71とを矢印Xに直交する直線Zに沿って接離させる際には、図20ないし図23に示す第1の固定部としての第1の固定具101と、図20、図22及び図23示す第2の固定部としての第2の固定具102とを用いる。なお、図20ないし図23において、前述した開示例、第1及び第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、図20ないし図23において、図19に示したものと同一部分には、同一符号を付して説明する。さらに、印刷配線板83には、ボルト110(図22に示す)を通す孔111が形成されている。
【0167】
第1の固定具101は、支持テーブル16に取り付けられる。第1の固定具101は、図20ないし図23に示すように、ホルダ72を支持テーブル16に取り付ける。第1の固定具101は、図20ないし図23に示すように、支持テーブル16に固定された支持板112と、ボルト103により支持板112に取り付けられる本体部104と、複数の位置決め突起105とを備えている。支持板112は、平板状に形成されている。
【0168】
本体部104は、ボルト103のねじ込み量を調整することにより、鉛直方向に移動自在に支持板112に支持されている。本体部104は、ボルト103のねじ込み量を調整することにより、支持板112との間隔を変更可能となっている。
【0169】
位置決め突起105は、本体部104の第2の固定具102寄りに端部に設けられ、矢印Sに直交する方向に沿って本体部104から突出している。位置決め突起105は、ホルダ72の凹部80内に侵入して、該ホルダ72を位置決めする。
【0170】
第1の固定具101は、本体部104と支持板112との間にホルダ72を位置付け、位置決め突起105を凹部80内に挿入して、ホルダ72を位置決めする。そして、ボルト103をねじ込むことにより、第1の固定具101は、本体部104と支持板112との間にホルダ72を挟んで、該ホルダ72を位置決めする。こうして、第1の固定具101は、FPC74の長手方向と雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向(図20中の矢印Xで示す)との双方が、矢印Sに直交する状態で、ホルダ72を位置決めする。第1の固定具101は、直線Zが矢印Sに平行な状態でホルダ72を位置決めする。
【0171】
第2の固定具102は、第1の固定具101の本体部104と支持板112との間に挟まれるホルダ72に取り付けられたFPC74の長手方向に沿って、第1の固定具101と相対する。第2の固定具102は、ベース12の第2の固定片22に取り付けられている。第2の固定具102は、雌ハウジング71を取り付ける。第2の固定具18は、図20、図21及び図23に示すように、ボルト106により第2の固定片22に取り付けられる本体部107と、ボルト通し孔113を備えている。本体部107は、平板状に形成されている。
【0172】
ボルト通し孔113は、本体部107を貫通しているとともに、長孔形状に形成されている。ボルト通し孔113の長手方向は、前述した矢印Sに沿っている。ボルト通し孔113の内径は、印刷配線板85を本体部107に固定するボルト110のねじ部の外径より大きい。また、本体部107の下側には、前述したボルト110がねじ込まれる図示しないナットが設けられている。ナットは、ボルト通し孔113の長手方向即ち矢印Sに沿って移動自在に本体部107に取り付けられている。ボルト通し孔113は、ボルト110が通る位置を変更することによって、印刷配線板85を矢印Sに沿って移動自在とする。
【0173】
第2の固定具102は、本体部107上に雌コネクタ71が取り付けられた印刷配線板85を位置付ける。そして、ボルト110を孔111とボルト通し孔113とを通して、ナットにねじ込むことにより、第2の固定具102は、ボルト110の頭と本体部107との間に印刷配線板85を挟んで、雌コネクタ71を位置決めする。こうして、第2の固定具102は、端子金具84の長手方向と雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向(図20、図22及び図23中の矢印Xで示す)との双方が、矢印Sに直交する状態で、雌コネクタ71を位置決めする。第2の固定具102は、直線Zが矢印Sに平行な状態で雌コネクタ71を位置決めする。
【0174】
図20ないし図23に示す第1及び第2の固定具101,102を用いて、ホルダ72と雌コネクタ71とに微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を施す際には、まず、図21に示すように、ホルダ72の凹部80内に位置決め突起105を挿入して、ボルト103をねじ込んで、第1の固定具101の本体部74と、支持板112との間にホルダ72を挟む。こうして、まず、第1の固定具101にホルダ72を位置決めして、このホルダ72を取り付ける。
【0175】
そして、図22に示すように、第2の固定具102の本体部107上に印刷配線板85を位置付けて、第1の固定具101に第2の固定具102を近づける。そして、ホルダ72を矢印Xに沿って雌コネクタ71の雌ハウジング73内に挿入する。雌コネクタ71を矢印Sに沿って適宜移動して、ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに嵌合(接続)する。そして、ボルト110を孔111とボルト通し孔113とを通してナットにねじ込んで、第2の固定具102に雌コネクタ71を固定する。このとき、ボルト110がボルト通し孔113内を通る位置を適宜変更して、雌コネクタ71を矢印Sに沿って移動する。
【0176】
こうして、図23に示すように、第1の固定具101と第2の固定具102は、ホルダ72と雌コネクタ71とを接続して形成される接点Cが並ぶ直線Z(図23中などに一点鎖線で示す)が円柱部51の中心軸P1と平行になる位置にホルダ72と雌コネクタ71とを取り付ける。そして、第1の実施形態のフレッチング腐食試験装置1では、圧電振動子15の円柱部51を突没させて、第1の固定具101即ちホルダ72をスライドさせる。こうして、圧電振動子15が、図23に示すように、雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向Xに直交する方向(図中に矢印Sで示す)に沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを接離する。
【0177】
さらに、第及び第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1では、第1の固定具101と第2の固定具102は、ホルダ72と雌コネクタ71とを接続して形成される接点Cが並ぶ直線Z(図23中などに一点鎖線で示す)が円柱部51の中心軸P1とねじ軸55の軸芯P3との双方と平行になる位置にホルダ72と雌コネクタ71とを取り付ける。矢印Sに沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに接離させる。また、圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方が、図23に示すように、雌コネクタ71の雌ハウジング73内にホルダ72を挿入する方向Xに直交する方向(図中に矢印Sで示す)に沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを接離する。
【0178】
及び第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1では、圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方を駆動して、第1の固定具101即ちホルダ72をスライドさせる。こうして、矢印Xに直交しかつ矢印Sに沿って、ホルダ72と雌コネクタ71とを互いに接離させる。さらに、第2の実施形態では、レーザ変位計58が第1の固定具101即ちホルダ72の変位量(移動量)を測定するとともに、荷重センサ59がホルダ72と雌コネクタ71の端子金具84との間の摩擦力(試験片間の摩擦力)を測定する。
【0179】
そして、所定回数、第1の固定具101と第2の固定具102とを接離した後即ちホルダ72と雌コネクタ71とを矢印Xに直交しかつ矢印S及び直線Zに沿って接離した後、導体75と導体パターン87との間の電気的な抵抗を測定する。
【0180】
図20ないし図23に示された例では、第1の固定具101と第2の固定具102によって、複数の接点Cが並ぶ直線Zが、圧電振動子15の本体部48から突没自在の円柱部51の中心軸P1と平行になる。また、第1の固定具101と第2の固定具102によって、複数の接点Cが並ぶ直線Zが、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3と平行になる。
【0181】
ホルダ72と雌コネクタ71とが接離する際に複数の接点Cなどからホルダ72即ち第1の固定具101に作用する反力の方向が、円柱部51の中心軸P1とねじ軸55の軸芯P3との双方と平行になる。このため、ベース12や第1の固定具101などが弾性変形しにくくなる。このため、ホルダ72と雌コネクタ71とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことができる。
【0182】
圧電振動子15を用いるので、1秒間に数回以上、第1の固定部101を第2の固定部102に接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができることにくわえ、比較的高速でホルダ72と雌コネクタ71とを接離でき、該微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0183】
また、第1の固定具101を第2の固定具102に接離させる周波数が互いに異なる圧電振動子15とステッピングモータ53を備えている。このため、圧電振動子15を用いて第1の固定具101を第2の固定具102に比較的高速で接離できる。また、ステッピングモータ53を用いて第1の固定具101を第2の固定具102に比較的低速で接離できる。このように、圧電振動子15とステッピングモータ53とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定具101を第2の固定具102に接離できる。
【0184】
複数の接点Cが並ぶ直線Zを、円柱部51の中心軸P1と同軸にするのが良い。この場合、ホルダ72と雌ハウジング71とを互いに接離する際に、接点Cからホルダ72即ち第1の固定具101に作用する反力が、円柱部51の中心軸P1と同軸になる。このため、第1の固定具101が第2の固定具102に接離する際に、ベース12や第1の固定具101などがより弾性変形しにくくなる。このため、ホルダ72と雌コネクタ71とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験をより正確に行うことができる。
【0185】
また、図19ないし図23に示す場合では、第1の固定具101に雌コネクタ71を取り付け、第2の固定具102にホルダ72を取り付けるようにしても良い。また、本発明は、周知の雄型のコネクタと雌型のコネクタのうち一方を、第1の固定具101に取り付け、他方を第2の固定具102に取り付けて、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を行っても良い。
【0186】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0187】
【発明の効果】
【0193】
発明によれば、第1の駆動手段の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯と、が互いに同軸的に配されている。第1の固定部と第2の固定部によって、第1の試験片の中心線と、第1の駆動手段の出力部の中心軸と、第2の駆動手段の出力軸の軸芯と、が互いに同軸的になる。
【0194】
このため、第1の固定部が第2の固定部に接離する際に、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。このため、第1の試験片と第2の試験片とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことができる。
【0198】
このため、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。このため、第1の試験片と第2の試験片とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことができる。
【0200】
このため、装置本体や第1の固定部などが弾性変形しにくくなる。このため、雄型のコネクタと雌型のコネクタとを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験を正確に行うことができる。
【0202】
また、第1の固定部を第2の固定部に接離させる周波数が互いに異なる第1の駆動手段と第2の駆動手段を備えている。このため、第1の駆動手段を用いて第1の固定部を第2の固定部に比較的高速で接離できる。また、第2の駆動手段を用いて第1の固定部を第2の固定部に比較的低速で接離できる。このように、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定部を第2の固定部に接離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開示例にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。
【図2】 図1に示されたフレッチング腐食試験装置の第1の固定具と第2の固定具とを示す斜視図である。
【図3】 図2中のIII−III線に沿う第2の固定具の断面図である。
【図4】 図3に示された第2の固定具の押さえ板を第2の位置に位置づけた状態を示す断面図である。
【図5】 図2中のa−b―c−d線に沿う第1の固定具の断面図である。
【図6】 図5に示された第1の固定具の取付用ボルトとボルトをゆるめた状態を示す断面図である。
【図7】 図6に示す状態から挟み片間に雄端子を挿入した状態を示す断面図である。
【図8】 図7に示す状態から取付用ボルトをねじ込んで挟み片間に雄端子を挟んだ状態を示す断面図である。
【図9】 図8に示す状態からボルトをねじ込んで挟み片を支持テーブルに固定した状態を示す断面図である。
【図10】 図1に示されたフレッチング腐食試験装置の圧電振動子の断面図である。
【図11】 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる雄端子を示す斜視図である。
【図12】 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる雌端子を示す斜視図である。
【図13】 図11に示された雄端子と図12に示された雌端子とを接続した状態を示す断面図である。
【図14】 本発明の第1の実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。
【図15】 本発明の第2の実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。
【図16】 本発明のフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる試験片としてのホルダと雌コネクタとが嵌合(接続)した状態を示す斜視図である。
【図17】 図16に示されたホルダと雌コネクタとが分離した状態を示す斜視図である。
【図18】 図16中のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。
【図19】 図16に示されたホルダと雌コネクタとを微摺動摩耗試験を行う際に用いられる第1及び第2の固定具を示す斜視図である。
【図20】 図16に示されたホルダと雌コネクタとを微摺動摩耗試験を行う際に用いられる第1及び第2の固定具の他の例を示す斜視図である。
【図21】 図20に示された第1の固定具の要部を拡大して示す斜視図である。
【図22】 図20に示された第1及び2の固定具の要部を拡大して示す斜視図である。
【図23】 図22に示された第1及び2の固定具の要部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1 フレッチング腐食試験装置
2 雄端子(雄型の端子金具、一方の端子金具、第1の試験片)
3 雌端子(雌型の端子金具、他方の端子金具、第2の試験片)
4 タブ(第1の電気接触部)
8 筒部(第2の電気接触部)
12 ベース(装置本体)
15 圧電振動子(駆動手段、第1の駆動手段)
17 第1の固定具(第1の固定部)
18 第2の固定具(第2の固定部)
48 本体部
51 円柱部(出力部)
53 ステッピングモータ(第2の駆動手段)
55 ねじ軸(出力軸)
57 第2の本体部
71 雌コネクタ(雌型のコネクタ、第2の試験片)
72 ホルダ(雄型のコネクタ、第1の試験片)
73 雌ハウジング(コネクタハウジング)
101 第1の固定具(第1の固定部)
102 第2の固定具(第2の固定部)
P1 円柱部の中心軸
P2 雄端子の中心線
P3 ねじ軸の軸芯
P4 雌端子の中心線
P5 ホルダの中心線
P6 雌ハウジングの中心線
C 接点
S 第1の固定具と第2の固定具とが接離する方向(第1の固定部と第2の固定部とが接離する方向)
X 雌コネクタの雌ハウジング内にホルダを挿入する方向
Z 矢印Xに直交する直線(雌コネクタの雌ハウジング内にホルダを挿入する方向に直交する方向、接点が並ぶ直線)

Claims (8)

  1. 第1の試験片と第2の試験片とを接続して、これらの第1の試験片と第2の試験片とを互いに接離させるフレッチング腐食試験装置において、
    装置本体と、
    前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、
    前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、
    前記第1の固定部を、第1の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記第1の固定部に連結する第1の駆動手段と、
    前記第1の固定部を、前記第1の周波数より低い第2の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体と前記第1の駆動手段とを連結する第2の駆動手段と、を備え、
    前記第1の駆動手段は、前記第2の駆動手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から突没自在に設けられかつ前記第1の固定部に取り付けられる円柱状の出力部と、を備え、
    前記第2の駆動手段は、前記装置本体に取り付けられる第2の本体部と、この第2の本体部に軸芯を中心として回転自在に支持されかつ軸芯を中心として回転することで前記第1の固定部を第2の固定部に接離させるとともに前記軸芯が前記出力部の中心軸と同軸的に配された出力軸と、を備え、
    前記第1の固定部と第2の固定部は、前記第1の試験片の厚みと幅とを二分しかつ前記第1の固定部と第2の固定部とが互いに接離する方向に沿った中心線が、前記出力部の中心軸と出力軸の軸芯との双方と同軸的となる位置に前記第1の試験片と第2の試験片を取り付けることを特徴とするフレッチング腐食試験装置。
  2. 前記第1の試験片は、雄型の端子金具と雌型の端子金具とのうち一方の端子金具であり、前記第2の試験片は、雄型の端子金具と雌型の端子金具とのうち他方の端子金具であり、
    前記雄型の端子金具の第1の電気接触部を前記雌型の端子金具の筒状の第2の電気接触部内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記第1の電気接触部の長手方向に沿ってこれらの端子金具を互いに接離させることを特徴とする請求項1記載のフレッチング腐食試験装置。
  3. 前記第1の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち一方のコネクタであり、前記第2の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち他方のコネクタであり、
    前記雄型のコネクタを前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に雄型のコネクタを挿入する方向に沿ってこれらのコネクタを互いに接離させることを特徴とする請求項1記載のフレッチング腐食試験装置。
  4. 第1の試験片と第2の試験片とを接続して、これらの第1の試験片と第2の試験片とを互いに接離させるフレッチング腐食試験装置において、
    前記第1の試験片と第2の試験片とが互いに接続するとこれらを電気的に接続する接点が複数設けられ、これらの接点は直線上に並べられるようになっており、
    装置本体と、
    前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、
    前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、
    前記第1の固定部を、第1の周波数で前記第2の固定部に接離させるとともに前記第1の固定部に連結する第1の駆動手段と、
    前記第1の固定部を、前記第1の周波数より低い第2の周波数で第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体と前記第1の駆動手段とを連結する第2の駆動手段と、を備え、
    前記第1の駆動手段は、前記第2の駆動手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から突没自在に設けられかつ前記第1の固定部に取り付けられる円柱状の出力部と、を備え、
    前記第2の駆動手段は、前記装置本体に取り付けられる第2の本体部と、この第2の本体部に軸芯を中心として回転自在に支持されかつ軸芯を中心として回転することで前記第1の固定部を第2の固定部に接離させるとともに前記軸芯が前記出力部の中心軸と同軸的に配された出力軸と、を備え、
    前記第1の固定部と第2の固定部は、前記第1の試験片と第2の試験片とを接続して形成される複数の接点が並ぶ直線が、前記出力部の中心軸と出力軸の軸芯との双方と平行となる位置に前記第1の試験片と第2の試験片を取り付けることを特徴とするフレッチング腐食試験装置。
  5. 前記第1の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち一方のコネクタであり、前記第2の試験片は、雄型のコネクタと雌型のコネクタとのうち他方のコネクタであり、
    前記雄型のコネクタを前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に挿入して、前記第1及び第2の駆動手段が前記雌型のコネクタの筒状のコネクタハウジング内に雄型のコネクタを挿入する方向に直交する方向に沿ってこれらのコネクタを互いに接離させることを特徴とする請求項4記載のフレッチング腐食試験装置。
  6. 前記第1の駆動手段は、圧電振動子であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載のフレッチング腐食試験装置。
  7. 前記中心線は、前記第1の試験片の厚みと幅との双方を二等分することを特徴とする請求項1、2または3に記載のフレッチング腐食試験装置。
  8. 前記第1の試験片と第2の試験片とを接続して形成される複数の接点が並ぶ直線が、前記出力部の中心軸と同軸的となることを特徴とする請求項4または5に記載のフレッチング腐食試験装置。
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