JP4198117B2 - フレッチング腐食試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二つの端子金具を互いに接続させた状態で、これらの端子金具を相対的に移動させてこれらの端子金具をフレッチング腐食させるフレッチング腐食試験装置に関する。
自動車などに配索されるワイヤハーネスは、電線とコネクタを備えている。コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングと導電性の端子金具とを備えている。コネクタハウジングは、端子金具を収容する。端子金具は、電線の端部などに取り付けられる。端子金具には、所謂雄型の端子金具(以下単に雄端子と呼ぶ)と、所謂雌型の端子金具(以下単に雌端子と呼ぶ)とが用いられる。
雄端子は、帯状又は棒状の電気接触部を備えている。雌端子は、筒状の電気接触部と、電気接触部の内面に雄端子の電気接触部を押し付けるばね片と、を備えている。これらの雄端子と雌端子は、ワイヤハーネスを構成して、自動車に配索される際に、帯状又は棒状の電気接触部が筒状の電気接触部内に挿入されてばね片が帯状又は棒状の電気接触部を筒状の電気接触部の内面に押し付けて、互いに電気的に接続する。
このとき、ワイヤハーネスが自動車に配索されると、該自動車の走行中の振動などによって、例えば50μmなどの微少な距離内を帯状又は棒状の電気接触部の長手方向に沿って、雄端子と雌端子とが互いに近づいたり離れたりすることがある。このため、前述した雄端子と雌端子を設計・開発する段階では、前記端子金具を構成する金属からなる試験片を互いに接触した状態で微摺動させて、試験片の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を確認することが行われている。このとき、試験片間の電気的な抵抗を測定することにより、前記試験片の評価を行っている。
前述した微摺動(フレッチング腐食)試験を行う際には、前述した試験片よりも実際の雄端子と雌端子を用いることが望まれている。さらに、前述した微摺動試験では、前記試験片または端子金具同士を相対的に移動させた際に、これらの試験片間または端子金具間に生じる摩擦力を測定することが望まれている。
そこで、前述した微摺動試験を行うために用いられてきた種々の試験装置は、前記摩擦力を測定するために、歪みゲージを有する荷重センサを用いている。この荷重センサは、機械的な強度が弱い脆弱部を設けておりこの脆弱部に歪みゲージを取り付けている。そして、この荷重センサは、前記試験片または端子金具を相対的に移動させた際に、前記脆弱部が弾性変形する。そして、前述した弾性変形に伴って歪みゲージの電気抵抗が変化して、前述した荷重センサに作用する荷重値即ち前述した試験片間又は端子金具間の摩擦力を測定する。
前述した歪みゲージを有する荷重センサは、機械的な強度が低い脆弱部を積極的に弾性変形させて、歪みゲージで摩擦力を測定する。前述したように、例えば50μmなどの微少な距離内を前記試験片または端子金具を相対的に移動させる際には、前述した脆弱部自体の変形量が例えば10μm程度生じてしまうことがある。このように、微少な距離内を試験片または端子金具を移動させた際に、これらの移動距離に対して前記脆弱部の変形量が無視できないほど大きくなる。このため、試験片間または端子金具間の摩擦力によって、前記脆弱部が変形してしまい、この摩擦力を正確に測定することが困難であった。
したがって、本発明の目的は、微摺動試験を行う際に端子金具間に生じる摩擦力を正確
に測定できるフレッチング腐食試験装置を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1の電気接触部を有する雌型の端子金具第2の電気接触部を有する雄型の端子金具とを互いに接続させかつこれらの端子金具を互いに接続させたまま相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、前記雌型の端子金具を固定する第1の固定部と、前記雄型の端子金具を固定する第2の固定部と、前記第2の固定部を前記第1の固定部に対して相対的に移動させる駆動手段と、圧電素子と該圧電素子を挟み込む一対の電極とを備えて、前記第2の固定部が前記第1の固定部に対して相対的に移動した際に前記雌型の端子金具雄型の端子金具との間に生じる摩擦力により前記圧電素子が歪んで前記一対の電極間に前記摩擦力に応じた出力電圧を発生することにより、前記摩擦力を検出する検出手段と、を備え、前記検出手段は、前記駆動手段と前記第2の固定部との間に設けられたことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1記載のフレッチング腐食試験装置において、記第1の電気接触部内に前記第2の電気接触部を挿入した状態で、前記第1及び第2の固定部それぞれが前記雌型及び雄型の端子金具を固定するとともに、前記駆動手段は、前記第2の電気接触部の長手方向に沿って前記雄型の端子金具を前記雌型の端子金具に対して相対的に移動させることを特徴としている。
請求項3に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1または請求項2記載のフレッチング腐食試験装置において、前記検出手段の一対の電極間に生じた出力電圧を増幅するアンプと、前記アンプから増幅した出力電圧が入力するとともに、前記増幅した出力電圧に基づいて前記摩擦力を算出する制御手段と、を備え、前記駆動手段は、前記第2の固定部を前記第1の固定部に近づけたり該第2の固定部を第1の固定部から離して、前記第2の固定部を前記第1の固定部に対して相対的に移動させ、前記制御手段は、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけたり離した後に、前記アンプに向かってオフセット調整させるリセット信号を出力することを特徴としている。
請求項4に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項3記載のフレッチング腐食試験装置において、前記制御手段は、前記リセット信号を、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけたり離すことを1回行う毎に、前記アンプに向かって出力することを特徴としている。
請求項5に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項3又は請求項4記載のフレッチング腐食試験装置において、前記リセット信号は、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけて離した後又は離して近づけた後に、これらの固定部を相対的に停止した状態で前記圧電素子からアンプに入力する出力電圧を零にする信号であることを特徴としている。
請求項1に記載した本発明によれば、検出手段の圧電素子が歪んで、一対の電極間に出力電圧を生じることにより、端子金具間の摩擦力を測定する。圧電素子は、歪みゲージを有する荷重センサの脆弱部に比べて、剛性が高い。このため、端子金具の相対的な移動距離に比較して、端子金具間に生じる摩擦力によって生じる圧電素子の歪み量を非常に小さく押さえることができる。
請求項2に記載した本発明によれば、雌型の端子金具と雄型の端子金具を用いている。また、圧電素子で端子金具間の摩擦力を測定している。このため、端子金具間に生じる摩擦力を正確に測定できる。
請求項4に記載した本発明によれば、駆動手段が第2の固定部を第1の固定部に接離させる1回毎に、アンプにオフセット調整させるリセット信号を出力する。このため、圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に微弱な出力電圧が生じても、アンプをオフセット調整(零点調整)させて、一対の電極間に微弱な出力電圧が生じていない状態に保つことができる。
請求項5に記載した本発明によれば、リセット信号が圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に生じる微弱な出力電圧を零にする信号である。このため、圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に微弱な出力電圧が生じても、アンプを確実にオフセット調整(零点調整)できる。
以上説明したように請求項1に記載の本発明によれば、検出手段の圧電素子が歪んで、一対の電極間に出力電圧を生じることにより、端子金具間の摩擦力を測定する。圧電素子は、歪みゲージを有する荷重センサの脆弱部に比べて、剛性が高い。このため、端子金具の相対的な移動距離に比較して、端子金具間に生じる摩擦力によって生じる圧電素子の歪み量を非常に小さく押さえることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、雌型の端子金具と雄型の端子金具を用いている。また、圧電素子で端子金具間の摩擦力を測定している。このため、端子金具間に生じる摩擦力を正確に測定できる。したがって、設計開発段階の端子金具を微摺動させた時の摩擦力を正確に測定できるので、本請求項のフレッチング腐食試験装置で得られた結果を該端子金具の設計・開発に反映できる。
請求項4に記載の本発明によれば、駆動手段が第2の固定部を第1の固定部に接離させる1回毎に、アンプにオフセット調整させるリセット信号を出力する。このため、圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に微弱な出力電圧が生じても、アンプをオフセット調整(零点調整)させて、一対の電極間に微弱な出力電圧が生じていない状態に保つことができる。したがって、端子金具間の摩擦力をより正確に測定できる。
請求項5に記載の本発明によれば、リセット信号が圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に生じる微弱な出力電圧を零にする号である。このため、圧電素子に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極間に微弱な出力電圧が生じても、アンプを確実にオフセット調整(零点調整)できる。したがって、端子金具間の摩擦力をより正確に測定できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図19を参照して説明する。
図1などに示す本発明の一実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置1は、第1の試験片としての図18に示す雌型の端子金具(以下雌端子と呼ぶ)2と、第2の試験片としての図17に示す雄型の端子金具(以下雄端子と呼ぶ)3とを取り付ける。そして、フレッチング腐食試験装置1は、これらの端子2,3をフレッチング腐食させたときの端子2,3間の電気的な抵抗を測定して、端子2,3の良否を判定する装置である。フレッチング腐食試験装置1は、端子2,3の設計・開発段階において、これらの端子2,3が予め定められた要求を満たしているか否かを判定するために用いられる。
前記フレッチング腐食試験装置1は、図19に示すように、雌端子2と雄端子3とを接続させて、雌端子2の後述する筒部8と雄端子3の後述するタブ4の長手方向(端子2,3の長手方向)に沿って、これらの端子2,3を相対的に微少な距離内を移動させて、前述したフレッチング腐食試験を行う。
雌端子2は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雌端子2は、図18に示すように、筒部8と、ばね片9と、電線接続部10と、を一体に備えている。筒部8は、筒状に形成されている。ばね片9は、帯状に形成されており、筒部8内に曲げられた格好で収容されている。ばね片9は、弾性変形可能である。ばね片9は、筒部8内に侵入した雄端子3のタブ4を筒部8の内面に向かって押す。ばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押して、筒部8は、雄端子3と電気的に接続する。
電線接続部10は、電線を加締める加締め片11を複数備えている。電線接続部10は、加締め片11が電線を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。雌端子2は、筒部8と電線接続部10とがばね片9の長手方向に沿って互いに連結している。
雄端子3は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雄端子3は、図17に示すように、タブ4と、電線接続部5と、連結部6と、を一体に備えている。タブ4は、帯状(平板状)に形成されている。タブ4は、帯状に形成されて、雌端子2の後述する筒部8内に挿入されて、該雌端子2と電気的に接続する。
電線接続部5は、電線を加締める加締め片7を複数備えている。電線接続部5は、加締め片7が電線を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。連結部6は、筒状に形成されており、タブ4と電線接続部5とを電気的に接続している。雄端子3は、タブ4と連結部6と電線接続部5とがタブ4の長手方向に沿って順に連結している。
図19に示すように、タブ4が筒部8内に侵入しかつばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押し付けて、雌端子2と雄端子3とが互いに接続する。このとき、タブ4の長手方向と筒部8の長手方向とが平行となり、タブ4と筒部8との間の接触圧力を正規圧力に保つ。なお、接触圧力とは、タブ4と筒部8との相互間の圧力である。正規圧力とは、雄端子3と、雌端子2との設計時に定められる正常な(正規の)タブ4と筒部8との間の接触圧力である。このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる状態に雄端子3と雌端子2とが嵌合した状態を正規嵌合状態と呼ぶ。この正規嵌合状態では、雄端子3と雌端子2には、タブ4とばね片9以外からは外力が作用していない。フレッチング腐食試験装置1は、前記タブ4及び筒部8の長手方向に沿って雄端子3と雌端子2とを互いに近づけたり離して(即ち接離して)、端子2,3の特にタブ4と筒部8の内面などをフレッチング腐食させる。なお、筒部8は本明細書に記した第1の電気接触部をなし、タブ4は本明細書に記した第2の電気接触部をなしている。
そして、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の設計の良否を判定する。即ち、フレッチング腐食試験装置1は、タブ4及び筒部8の長手方向に沿って、予め定められた距離内を予め定められた回数、端子2,3を接離(微摺動)させた際の端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の設計の良否を判定する。
フレッチング腐食試験装置1は、図1に示すように、ベース12と、駆動手段としてのステッピングモータ13と、微動テーブル14と、検出手段としての荷重センサ15と、支持テーブル16と、第1の固定部としての第1の固定具17と、第2の固定部としての第2の固定具18と、測定手段としての測定部19と、制御手段としての制御装置20と、を備えている。ベース12は、フロア上などに設置される。ステッピングモータ13は、ベース12に固定されている。ステッピングモータ13の出力軸には、ねじ軸21が取り付けられている。ねじ軸21の軸芯は、固定具17,18に取り付けられる端子2,3の筒部8及びタブ4の長手方向に沿う。ねじ軸21は、その軸芯を中心として回転自在にベース12に支持されている。ねじ軸21には、ナット22が螺合している。
微動テーブル14は、ナット22に固定されている。微動テーブル14は、ステッピングモータ13が駆動すると、ねじ軸21の長手方向に沿って移動する。荷重センサ15は、微動テーブル14と支持テーブル16との間に設けられており、これらと連結している。即ち、荷重センサ15は、微動テーブル14と支持テーブル16とを介して、ステッピングモータ13と第2の固定具18とを互いに連結している。
荷重センサ15は、図11に示すように、円筒状のケース41と、該ケース41内に収容されるサブアッセンブリ42と、を備えている。サブアッセンブリ42は、圧電素子43と、一対の電極44と、一対の絶縁板45と、一対の受圧板46と、を備えている。圧電素子43は、円板状に形成されている。圧電素子43は、例えば、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や水晶などの歪みゲージを有する荷重センサの脆弱部より遙かに剛性が高くかつ圧電性を有する材料からなる。
一対の電極44は、それぞれ円板状に形成されている。一対の電極44は、それぞれ、圧電素子43の両表面に重ねられている。一対の電極44は、圧電素子43と接触しかつこの圧電素子43を互いの間に挟み込んでいる。電極44には、それぞれ、リード線47などが接続している。リード線47は、アンプ23に接続している。
一対の絶縁板45は、それぞれ円板状に形成されている。一対の絶縁板45は、電極44に重ねられている。絶縁板45は、互いの間に電極44を挟み込んでいる。受圧板46は、円柱状に形成されかつ絶縁板45に重ねられている。受圧板46は、互いの間に絶縁板45を挟み込んでいる。一方の受圧板46は、微動テーブル14に連結している。他方の受圧板46は、支持テーブル16に連結している。
荷重センサ15の圧電素子43は、微動テーブル14がねじ軸21の軸芯に沿って移動した際に、タブ4と筒部8との摩擦によって、図11中の矢印Sに沿った荷重が作用する。なお、この荷重は、前記タブ4と筒部8との摩擦力である。すると、圧電素子43は、前記荷重(摩擦力)により歪む。なお、このときの歪み量は、例えば1μmなどの非常に小さい値である。そして、一対の電極44間に出力電圧が発生する。この出力電圧は、リード線47を介してアンプ23に伝えられる。
こうして、荷重センサ15は、支持テーブル16に作用する荷重(即ちタブ4と筒部8の内面との間に生じる摩擦力)に応じた信号をアンプ23に向かって出力する。アンプ23は、前記リード線47間即ち電極44間の出力電圧(前記荷重センサ15からの信号)を増幅して、インターフェース(図1中にI/Fと示し、以下I/Fと呼ぶ)24に向かって出力する。
支持テーブル16は、第2の固定具18を取り付けている。なお、前記ベース12と、微動テーブル14と、支持テーブル16とは、装置本体を構成している。
第1の固定具17は、雌端子2を取り付ける。第1の固定具17は、図2ないし図4に示すように、ベース12に取り付けられており、溝35と、一対の押さえ板36と、一対の板ばね37とを備えている。
溝35は、ベース12の表面から凹に形成されている。溝35は、第2の固定具18の後述する一対の挟み片28間に挟まれる雄端子3のタブ4と相対する位置に配されている。溝35は、第2の固定具18に取り付けられる雄端子3のタブ4の長手方向に沿って直線状に延びている。溝35は、雌端子2の外形に沿って形成されている。溝35は、ばね片9の厚み方向が、第2の固定具18の一対の挟み片28が互いに接離する方向と平行な状態で、内側に雌端子2を収容する。
また、ベース12の表面には、一対のねじ孔38が設けられている。これらのねじ孔38は、互いの間に、第2の固定具18の挟み片28が互いに接離する方向に沿って溝35を位置させている。
一対の押さえ板36は、板状に形成されている。押さえ板36は、ベース12に重ねられる。押さえ板36には、長孔39が貫通している。長孔39の長手方向は、第2の固定具18の挟み片28が互いに接離する方向と平行である。長孔39は、押さえ板36がベース12に重ねられると、ねじ孔38と連通する。長孔39内には、ボルト40が通される。ボルト40は、長孔39内を通って、ねじ孔38に螺合する。ボルト40が、長孔39内を通り、かつこれらのボルト40と長孔39とが相対的に移動することにより、押さえ板36は、長孔39の長手方向に沿って移動自在となる。
押さえ板36は、長孔39の長手方向に沿って移動して、図3に示す一端部36aが溝35に重なる第1の位置と、図4に示す一端部36aが溝35に重ならなくなる第2の位置とに亘って移動する。
ボルト40がねじ孔38の奥までねじ込まれると、該ボルト40の頭40aが押さえ板36と接触して押さえ板36をベース12に向かって押す。そして、ボルト40が押さえ板36を固定する。ボルト40がねじ孔38からゆるめられると、該ボルト40の頭40aと押さえ板36との間に隙間が生じて、押さえ板36を長孔39の長手方向に沿って移動自在とする。
また、前記溝35内に雌端子2を収容しかつ第1の位置に位置づけた状態でボルト40などで固定すると、押さえ板36は、雌端子2を溝35の底面35aに向かって押す。また、前述した第2の位置に押さえ板36を位置づけると、押さえ板36の一端部36a間を通して、溝35に雌端子2を出し入れ自在となる。
それぞれの板ばね37は、一端部がベース12に取付られかつ他端部が押さえ板36に重ねられている。板ばね37は、押さえ板36をベース12に向かって押している。板ばね37は、押さえ板36がベース12から不意に脱落することを防止している。
前述した構成によって、第1の固定具17は、第2の位置に押さえ板36を位置づけて、溝35内に雌端子2を収容する。第1の位置に押さえ板36を位置づけて、ボルト40をねじ孔38の奥にねじ込んで、雌端子2を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36をベース12に固定する。こうして、第1の固定具17は、雌端子2のばね片9の幅方向に沿って、雌端子2を押さえ板36と溝35の底面35aとの間に挟んで固定する。
第2の固定具18は、雄端子3を取り付ける。第2の固定具18は、第1の固定具17の溝35内に収容される雌端子2の筒部8の長手方向に沿って、第1の固定具17と相対している。第2の固定具18は、図2に示すように、雄端子3を支持テーブル16に取り付けるために用いられる。第2の固定具18は、図5に示すように、一対の挟み片28と、一つの取付用ボルト29と、変更手段としての一対の長孔30と、固定手段としての固定部31とを備えている。
一対の挟み片28は、支持テーブル16上に重ねられている。一対の挟み片28は、前記ねじ軸21の軸芯に直交しかつ水平方向に沿って互いに並べられており、互いに接離自在に設けられている。一対の挟み片28には、それぞれ、取付用ボルト29が螺合するねじ孔32が設けられている。それぞれの挟み片28に設けられたねじ孔32は、互いに同一線上に配されている。これらのねじ孔32には、取付用ボルト29が螺合する。取付用ボルト29がねじ孔32にねじ込まれる量に応じて、一対の挟み片28が前記ねじ軸21の軸芯に直交しかつ水平方向に沿って互いに接離する。
一対の挟み片28は、互いの間に、タブ4の厚み方向と一対の挟み片28が互いに接離する方向とが平行になる状態で雄端子3の連結部6を挟む。即ち、一対の挟み片28は、タブ4の長手方向に交差する断面形の長手方向が、鉛直方向に沿う状態で、雄端子3の連結部6を互いの間に挟む。
取付用ボルト29は、ねじ孔32に螺合する。取付用ボルト29が、ねじ孔32の奥にねじ込まれるのにしたがって、一つの挟み片28が徐々に互いに近づく。取付用ボルト29が、ねじ孔32からゆるめられるのにしたがって、一対の挟み片28が徐々に互いに離れる。
一対の長孔30は、それぞれ、支持テーブル16に挟み片28が重ねられる方向に沿って、挟み片28を貫通している。長孔30の長手方向は、一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿っている。長孔30の内側には、固定部31の後述するボルト34が通される。長孔30は、内側にボルト34が通されることによって、一対の挟み片28間に挟まれる雄端子3のタブ4の厚み方向(ねじ軸21の軸芯に直交しかつ水平方向に沿う方向)に沿って、これらの挟み片28を支持テーブル16に対して移動自在とする。即ち、長孔30は、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を変更可能としている。
固定部31は、一対のねじ孔33と、一対のボルト34とを備えている。ねじ孔33は、支持テーブル16の表面に開口している。ねじ孔33は、支持テーブル16に挟み片28が重ねられると、長孔30と連通する。
ボルト34は、長孔30を通してねじ孔33に螺合する。ボルト34は、長孔30の長手方向に沿って、長孔30に対して相対的に移動可能である。ボルト34は、ねじ孔33の奥までねじ込まれると、該ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで固定する。ボルト34は、ねじ孔33からゆるめられると、頭34aと支持テーブル16との間に隙間が生じて、挟み片28を互いに接離する方向即ちタブ4の厚み方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在とする。こうして、固定部31は、ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで、該挟み片28を支持テーブル16に固定する。
前述した構成によって第2の固定具18は、取付用ボルト29をねじ孔32にねじ込むことによって、一対の挟み片28間に雄端子3を挟む。そして、長孔30内をボルト34が通る位置が調整されて、即ち、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置が調整されて、ボルト34がねじ孔33の奥にねじ込まれる。そして、挟み片28が支持テーブル16に固定される。こうして、第2の固定具18は、雄端子3を支持テーブル16に固定する。
測定部19は、電源ユニット25と、電圧計26とを備えている。電源ユニット25は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電源ユニット25のプラスの端子は、第1の固定具17を介して雌端子2と電気的に接続する。電源ユニット25のマイナスの端子は、第2の固定具18を介して雄端子3と電気的に接続する。電源ユニット25は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第2の固定具18と第1の固定具17とを介して、端子2,3間に所定の電流値で印加する。
電圧計26は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電圧計26のプラスの端子は、第1の固定具17を介して雌端子2と電気的に接続する。電圧計26のマイナスの端子は、第2の固定具18を介して雄端子3と電気的に接続する。電圧計26は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第1の固定具17と第2の固定具18とを介して、端子2,3間の電圧を測定する。前述した構成の測定部19は、制御装置20からの命令に基づいて、前記電源ユニット25が端子2,3間に印加するとともに、電圧計26が端子2,3間の電圧を測定する。
制御装置20は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータであって、前記ステッピングモータ13とアンプ23と測定部19などと接続して、フレッチング腐食試験装置1全体の制御をつかさどる。制御装置20は、双方向バス27などを介して前記電源ユニット25と電圧計26と接続している。制御装置20は、双方向バス27などを介してI/F24と接続している。I/F24には、前記ステッピングモータ13と、アンプ23とが接続している。
制御装置20は、予め記憶されたプログラムに基づいて、I/F24を介してステッピングモータ13を駆動させて、ねじ軸21を一方向に所定数回転させた後、ねじ軸21を逆方向に所定数回転させる。なお、ねじ軸21が回転する所定数とは、微動テーブル14が例えば50μmなどの微少な距離移動する回転数である。ステッピングモータ13の回転が終了すると、この終了したことを示す信号がI/F24を介して制御装置20に入力する。また、前記ステッピングモータ13が駆動している間の前記荷重センサ15が測定した荷重値(摩擦力)が、アンプ23とI/F24を介して制御装置20に入力する。
その後、制御装置20は、前記測定部19の電源ユニット25に端子2,3間に印加させるとともに、電圧計26に端子2,3間の電圧を測定させる。電圧計26から双方向バス27を介して、制御装置20に前記端子2,3間の電圧に応じた信号が伝えられる。制御装置20は、電圧計26からの電圧と、電源ユニット25が印加した電流値とから前記端子2,3間の抵抗値を求める。
そして、制御装置20には、前記ステッピングモータ13を停止した状態において、前記荷重センサ15の電極44間の微弱な出力電圧がアンプ23で増幅されて入力することがある。そして、ステッピングモータ13の停止時において、電極44間に微弱な出力電圧が存在する時には、制御装置20は、アンプ23をオフセット調整させるリセット信号を、アンプ23に向かって出力する。このリセット信号とは、前記一対の電極44間の微弱な出力電圧と逆極性の電圧の信号である。すると、前記アンプ23に入力する微弱な出力電圧がなくなる。こうして、制御装置20がアンプ23に向かって出力するリセット信号とは、前記ステッピングモータ13が第2の固定具18を第1の固定具17に近づけて離した後又は離して近づけた後に、これらの固定部17,18を相対的に停止した状態で前記圧電素子43からアンプ23に入力する出力電圧を零にする信号である。そして、制御装置20は、再度ステッピングモータ13を駆動して、端子2,3を互いに接離させるとともに、端子2,3間の抵抗値を求める。
こうして、制御装置20即ちフレッチング腐食試験装置1は、端子2,3を互いに接離させて、これらの端子2,3間の抵抗を測定する。また、制御装置20は、ステッピングモータ13を駆動させる毎即ち端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良く、複数回端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良い。制御装置20は、フレッチング腐食試験の開始直後には、端子2,3を互いに接離させる毎に測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させるのが望ましく、試験の経過時間とともに端子2,3間の抵抗を測定する間隔(抵抗を測定する間に端子2,3を互いに接離させる回数)を徐々に大きくするのが望ましい。
例えば、端子2,3を接離させるのが1回目から10回目では、毎回端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが10回目から100回目では、数回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが100回目から1000回目では、数十回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが1000回目を越えると、100回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。
また、前記制御装置20は、前記双方向バス27などを介して周知のプリンタ装置やモニタなどと接続しても良い。この場合、前述した測定結果(端子2,3間の抵抗値や荷重センサ15からの荷重値)などを、前記プリンタ装置やモニタなどから出力させる。
前述した構成のフレッチング腐食試験装置1を用いて、端子2,3の微摺動試験(フレッチング腐食試験)を実施する際には、まず、試験対象物としての端子2,3それぞれを固定具17,18に以下のように取り付ける。まず、端子2,3の取付前では、図6に示すように、第2の固定具18のボルト29,34がゆるめられて、挟み片28が互いに離れているとともに、これらの挟み片28が互いに接離する方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在となっている。また、図4に示すように、第1の固定具17のボルト40がゆるめられて、押さえ板36が第2の位置に位置づけられている。
そして、図10(a)に示すように、雌端子2の筒部8内に雄端子3のタブ4を挿入して、これらの端子2,3を互いに接続する。図7及び図10(b)に示すように、第2の固定具18の一対の挟み片28間に雄端子3を挿入する。さらに、第1の固定具17の溝35内に雌端子2を挿入する。このとき、雄端子3のタブ4の厚み方向が一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿いかつ雌端子2のばね片9の厚み方向が一対の押さえ板36が互いに接離する方向に沿っている。
その後、図10(c)に示すように、押さえ板36を第2の位置に位置づけて、ボルト40を若干ねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、第1の固定具17の押さえ板36で雌端子2を仮止めする。図8及び図10(d)に示すように、取付用ボルト29をねじ孔32の奥に向かってねじ込んで、挟み片28間に雄端子3を挟む。こうして、挟み片28と雄端子3とを互いに固定する。
すると、前記雄端子3のタブ4と雌端子2のばね片9の弾性復元力によって、前述した正規嵌合状態を保つように、挟み片28が支持テーブル16に対して移動する。または、前述した正規嵌合状態となるように、挟み片28を図8及び図10(d)中の矢印Yに沿って移動する。このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力は正規圧力に保たれる。したがって、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との接触圧力を正規圧力に保った状態で端子2,3をベース12などに固定する。その後、図9及び図10(e)に示すように、ボルト34をねじ孔33の奥に向かってねじ込んで、挟み片28を支持テーブル16に固定する。さらに、図3に示すように、ボルト40をねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、雌端子2を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36をベース12に固定する。このように、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる位置に、挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を調整した後(位置づけた後)、固定部31により挟み片28を支持テーブル16に固定して、端子2,3をベース12などに固定する。
こうして、固定具17,18に端子2,3を固定した後、制御装置20に予め記憶されているパターンにしたがって、ステッピングモータ13を駆動して、前記端子2,3を例えば50μmの距離接離させる。このときに生じる摩擦力を荷重センサ15などを介して測定する。また、端子2,3が接離した後、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。こうして、所定回数、端子2,3を互いに接離させ、摩擦力を測定するとともに端子2,3間の電気的な抵抗を測定する。
本実施形態によれば、荷重センサ15の圧電素子43が歪んで、一対の電極44間に出力電圧を生じることにより、試験片としての端子2,3間の摩擦力を測定している。圧電素子43は、歪みゲージを有する荷重センサの脆弱部に比べて、剛性が高い。
このため、試験片としての端子2,3の相対的な移動距離に比較して、試験片としての端子2,3間の摩擦力によって生じる前記圧電素子43の歪み量を非常に小さくできる。したがって、試験片としての端子2,3間に生じる摩擦力をより正確に測定できる。したがって、端子2,3を微摺動させた時の摩擦力を正確に測定できるので、フレッチング腐食試験装置1で得られた結果を端子2,3の設計・開発に反映できる。
ステッピングモータ13が端子2,3を互いに接離させる1回毎に、制御装置20はアンプ23にオフセット調整させるリセット信号を出力する。リセット信号は、端子2,3を互いに接離させていない時に、圧電素子43に摩擦力(荷重)が作用していない状態で、一対の電極44間に生じる微弱な出力電圧を零にする信号である。
このため、圧電素子43に摩擦力(荷重)が作用していない状態で一対の電極44間に微弱な出力電圧が生じても、図12中に実線で示すように、アンプ23をオフセット調整(零点調整)させて、一対の電極44間に微弱な出力電圧が生じていない状態に保つことができる。したがって、試験片としての端子2,3間の摩擦力をより正確に測定できる。
なお、図12中には、端子2,3を互いに接離させた際の一対の電極44間に生じる出力電圧をアンプ23で増幅して得られる電圧の変化を模式的に示している。図12中点Aから点Bを介して点Cに向かって端子2,3を互いに近づけ(又は離し)、点Cから点Dを介して点Eに向かって端子2,3を互いに離し(又は近づけ)ていることを示している。なお、点Aから点Bまでと点Cから点Dまでの間に電圧値の変化が大きいのは、端子2,3を相対的に移動させ始めた直後に、圧電素子43が歪むことを示している。こうして、点Aから点Eまでの間で、1回端子2,3を互いに接離させた時の電圧の変化を示している。そして、前記点Eは、次に端子2,3を接離させる時の点Aとなる。
また、図12中の一点鎖線は、前記オフセット信号をアンプ23に入力しない場合を示している。なお、点A′と点B′と点C′と点D′と点E′とは、前述した点Aと点Bと点Cと点Dと点Eそれぞれに相当する。オフセット信号を入力しないと、圧電素子43に荷重が作用していない状態で一対の電極44間に生じた微弱な出力電圧がアンプ23によって増幅され、端子2,3間の摩擦力を示す電圧値VD,VD′が徐々に大きくなるとともに、各点A′と点B′と点C′と点D′と点E′の電圧値が徐々に大きくなる。そして、一点鎖線で示すようにリセット信号をアンプ23に入力しないと、端子2,3間の摩擦力を正確に測定できないことを示している。
さらに、本発明の発明者らは、前述した実施形態のように圧電素子43を有する荷重センサ15と、歪みゲージを有する荷重センサとを用いて、端子2,3間の摩擦力を実際に測定した、この測定結果を図13ないし図16に示す。図13ないし図16中において実線は、圧電素子43を有する荷重センサ15を用いた本発明品を示し、一点鎖線は歪みゲージを有する荷重センサを用いた比較例を示している。
また、図13に示す例では、1回目に端子2,3を互いに接離させた時の摩擦力の変化を示している。図14に示す例では100回目に端子2,3を互いに接離させた時の摩擦力の変化を示している。図15に示す例では、1000回目に端子2,3を互いに接離させた時の摩擦力の変化を示している。図16に示す例では10000回目に端子2,3を互いに接離させた時の摩擦力の変化を示している。なお、図13ないし図16において、点Aと点Bと点Baと点Cと点Caと点Dと点Daと点Eは、前述した図12中の点Aと点Bと点Cと点Dと点Eそれぞれに対応する。
図13及び図14に示された結果によれば、歪みゲージを有する荷重センサを用いると、脆弱部の変形によって、点Bが点Baにずれ、点Cが点Ca(図14に示す)にずれ、点Dが点Daにずれている。このため、点Aと点Baとの間と点Cと点Daとの間で、歪みゲージを有する荷重センサの脆弱部が弾性変形することが明らかとなった。
また、図14では、ステッピングモータ13を駆動して微動テーブル14を50μm移動させたにも関わらず、歪みゲージを有する荷重センサを用いると、端子2,3間の相対的な移動距離が40μmになることが明らかとなった。このため、歪みゲージを有する荷重センサでは、端子2,3間の摩擦力により脆弱部が弾性変形することが明らかとなった。
また、図15及び図16に示された結果によれば、歪みゲージを有する荷重センサを用いると、脆弱部の変形によって、点Baと点Daなどが不明瞭となる。歪みゲージを有する荷重センサを用いると、端子2,3間の相対的な移動距離が、ステッピングモータ13が微動テーブル14を移動した距離(50μm)よりも短くなることが明らかとなった。さらに、本発明品では、端子2,3間の相対的な移動距離が微動テーブル14を移動した距離(50μm)と略等しい。このため、本発明品は、正確に微摺動試験を行えることが明らかとなった。
また、歪みゲージを有する荷重センサを用いると、脆弱部の変形によって、端子2,3の摩擦力が圧電素子43を有する荷重センサを用いた場合より小さくなることが明らかとなった。こうして、圧電素子43を有する荷重センサ15を用いることにより、歪みゲージを有する荷重センサを用いた場合より、端子2,3間の摩擦力を正確に測定できることが明らかとなった。
また、タブ4と筒部8との接触圧力を正規圧力に保った状態で、第2の固定具18が雄端子3を支持テーブル16に固定する。そして、微摺動試験を行う。このため、試験開始前に、タブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止できる。
雌端子2のばね片9の幅方向に沿って、雌端子2を押さえ板36と溝35の底面35aとの間に挟んで固定する。このため、雌端子2を固定する際の挟む力によって、ばね片9が変形することを防止できる。このため、試験開始前及び試験中のタブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止できる。このため、実際にコネクタハウジング内に収容された状態で雄端子3と雌端子2の微摺動試験を行うことができる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
また、第2の固定具18の長孔30が挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を変更可能としている。また、長孔30内をボルト34が通る位置を調整するなどして、タブ4と筒部8との接触圧力が正規圧力となる位置に挟み片28を位置づけて、ボルト34をねじ孔33にねじ込んで、挟み片28を支持テーブル16に固定する。このため、タブ4と筒部8との接触圧力が正規圧力となる位置に端子2,3を確実に固定できる。
このため、試験開始前に、タブ4と筒部8との接触荷重が低下することを防止でき、実際にコネクタハウジング内に収容された状態で雄端子3と雌端子2の微摺動試験を行うことができる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
さらに、固定部17,18の位置を調整する機能をベース12、微動テーブル14及び支持テーブル16に設けていない。このため、微摺動試験中にベース12、微動テーブル14及び支持テーブル16などが変形することを防止できる。したがって、より一層正確に微摺動試験を行うことができる。
また、第2の固定具18に雄端子3を取り付けて、該雄端子3を雌端子2に対して相対的に移動させている。しかしながら、本発明では、第1の固定具17に雄端子3を取り付け第1の固定部17に雌端子2を取り付けても良いことは勿論である。
また、前述した実施形態では、端子2,3を互いに接離させて、これらの端子2,3をフレッチング腐食させている。しかしながら本発明では、端子2,3ではなく単なる金属片を固定具17,18に取り付けて、フレッチング腐食させても良い。更に、前述した実施形態では、雄端子3のタブ4が帯状に形成されている。しかしながら本発明では、タブ4を棒状に形成しても良いことは勿論である。
本発明の一実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置の第1の固定具と第2の固定具とを示す斜視図である。 図2中のIII−III線に沿う第1の固定具の断面図である。 図3に示された第1の固定具の押さえ板を第2の位置に位置づけた状態を示す断面図である。 図2中のa−b―c−d線に沿う第2の固定具の断面図である。 図5に示された第2の固定具の取付用ボルトとボルトをゆるめた状態を示す断面図である。 図6に示す状態から挟み片間に雄端子を挿入した状態を示す断面図である。 図7に示す状態から取付用ボルトをねじ込んで挟み片間に雄端子を挟んだ状態を示す断面図である。 図8に示す状態からボルトをねじ込んで挟み片を支持テーブルに固定した状態を示す断面図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置の第1の固定具と第2の固定具とに雌端子と雄端子を取り付ける過程を示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置の荷重センサの断面図である。 図11に示された荷重センサの電極間の出力電圧をアンプで増幅して得られる電圧の変化を示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で端子を1回目に接離させた際に得られる摩擦力の変化などを示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で端子を100回目に接離させた際に得られる摩擦力の変化などを示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で端子を1000回目に接離させた際に得られる摩擦力の変化などを示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で端子を10000回目に接離させた際に得られる摩擦力の変化などを示す説明図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動試験が行われる雄端子を示す斜視図である。 図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動試験が行われる雌端子を示す斜視図である。 図17に示された雄端子と図18に示された雌端子とを接続した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 フレッチング腐食試験装置
2 雌端子(雌型の端子金具、第1の試験片)
3 雄端子(雄型の端子金具、第2の試験片)
4 タブ(第2の電気接触部)
8 筒部(第1の電気接触部)
13 ステッピングモータ(駆動手段)
15 荷重センサ(検出手段)
17 第1の固定具(第1の固定部)
18 第2の固定具(第2の固定部)
20 制御装置(制御手段)
23 アンプ
43 圧電素子
44 電極

Claims (5)

  1. 第1の電気接触部を有する雌型の端子金具第2の電気接触部を有する雄型の端子金具とを互いに接続させかつこれらの端子金具を互いに接続させたまま相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、
    前記雌型の端子金具を固定する第1の固定部と、
    前記雄型の端子金具を固定する第2の固定部と、
    前記第2の固定部を前記第1の固定部に対して相対的に移動させる駆動手段と、
    圧電素子と該圧電素子を挟み込む一対の電極とを備えて、前記第2の固定部が前記第1の固定部に対して相対的に移動した際に前記雌型の端子金具雄型の端子金具との間に生じる摩擦力により前記圧電素子が歪んで前記一対の電極間に前記摩擦力に応じた出力電圧を発生することにより、前記摩擦力を検出する検出手段と、を備え、
    前記検出手段は、前記駆動手段と前記第2の固定部との間に設けられたことを特徴とするフレッチング腐食試験装置。
  2. 記第1の電気接触部内に前記第2の電気接触部を挿入した状態で、前記第1及び第2の固定部それぞれが前記雌型及び雄型の端子金具を固定するとともに、前記駆動手段は、前記第2の電気接触部の長手方向に沿って前記雄型の端子金具を前記雌型の端子金具に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項1記載のフレッチング腐食試験装置。
  3. 前記検出手段の一対の電極間に生じた出力電圧を増幅するアンプと、
    前記アンプから増幅した出力電圧が入力するとともに、前記増幅した出力電圧に基づいて前記摩擦力を算出する制御手段と、を備え、
    前記駆動手段は、前記第2の固定部を前記第1の固定部に近づけたり該第2の固定部を第1の固定部から離して、前記第2の固定部を前記第1の固定部に対して相対的に移動させ、
    前記制御手段は、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけたり離した後に前記アンプに向かってオフセット調整させるリセット信号を出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフレッチング腐食試験装置。
  4. 前記制御手段は、前記リセット信号を、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけたり離すことを1回行う毎に、前記アンプに向かって出力することを特徴とする請求項3記載のフレッチング腐食試験装置。
  5. 前記リセット信号は、前記駆動手段が前記第2の固定部を第1の固定部に近づけて離した後又は離して近づけた後に、これらの固定部を相対的に停止した状態で前記圧電素子からアンプに入力する出力電圧を零にする信号であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のフレッチング腐食試験装置。
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