JP3899048B2 - フレッチング腐食試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄型の端子金具と雌型の端子金具などを模した試験片などを互いに接触した状態で、相対的に移動させてフレッチング腐食させるフレッチング腐食試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに配索されるワイヤハーネスは、電線とコネクタを備えている。コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングと導電性の端子金具とを備えている。コネクタハウジングは、端子金具を収容する。端子金具は、電線の端部などに取り付けられる。端子金具には、所謂雄型の端子金具(以下単に雄端子と呼ぶ)と、所謂雌型の端子金具(以下単に雌端子と呼ぶ)とが用いられる。
【0003】
雄端子は、帯状又は棒状の電気接触部を備えている。雌端子は、筒状の電気接触部と、電気接触部の内面に雄端子の電気接触部を押し付けるばね片と、を備えている。これらの雄端子と雌端子は、ワイヤハーネスを構成して、自動車に配索される際に、帯状又は棒状の電気接触部が筒状の電気接触部内に挿入されてばね片が帯状又は棒状の電気接触部を筒状の電気接触部の内面に押し付けて、互いに電気的に接続する。また、これらの雄端子と雌端子は、コネクタハウジング内に収容された格好で、前述したように接続する。
【0004】
このとき、ワイヤハーネスが自動車に配索されると、該自動車の走行中の振動などによって、例えば50μmなどの微少な距離内を帯状又は棒状の電気接触部の長手方向に沿って、雄端子と雌端子とが互いに近づいたり離れたりすることがある。このため、前述した雄端子と雌端子やコネクタハウジングを設計・開発する段階では、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置(例えば、特許文献1参照。)が用いられる。
【0005】
前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置は、前記端子金具を構成する金属からなる試験片を互いに接触した状態で微摺動させて、試験片の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を確認する。こうして、前述した端子金具を設計・開発する段階では、試験片の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を確認して、設計・開発対象の端子金具の摩耗(所謂フレッチング腐食)状況を推定することが行われている。このとき、試験片間の電気的な抵抗を測定することにより、前記試験片の評価を行っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−213792号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した雌端子と雄端子は、コネクタハウジング内に収容された格好で例えば50μmなどの微少な距離内で接離されると、弾性変形することが確認されている。しかしながら、前述した従来の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置に用いられる試験片の剛性は、実際の端子やコネクタハウジングなどの剛性より高くなっていることが多く、実際の端子やコネクタハウジングなどの剛性と異なっている。
【0008】
このため、前述した試験片を用いた微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、試験片を微少な距離内を接離させても、前述した端子やコネクタハウジングなどと同様に弾性変形しない。このため、前述した試験片を用いた微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、設計・開発対象の雌端子や雄端子などの微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を確認する(再現する)ことが困難であった。したがって、前述した従来の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置を用いると、試験片の微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を確認しても、実際の雌端子と雄端子の設計・開発の資として用いることが困難であった。
【0009】
さらに、前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、実際に雄端子と雌端子とを取り付けて、これらを微摺動摩耗(フレッチング腐食)させることもある。しかしながら、前述した従来の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、取り付けた端子の剛性が、実際のコネクタハウジング内に収容された状態の剛性より高くなっていることが多く、実際にコネクタハウジング内に収容された状態の剛性と異なっている。
【0010】
このため、前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、端子を取り付けてこれらの端子を微少な距離内を接離させても、コネクタハウジング内に収容された状態と同様に弾性変形しない。このため、前述した微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置では、設計・開発対象の雌端子や雄端子などのコネクタハウジング内に収容された状態の微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を確認する(再現する)ことが困難であった。したがって、前述した従来の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験装置を用いると、雌端子と雄端子の微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を確認しても、実際の雌端子と雄端子やコネクタハウジングの設計・開発の資として用いることが困難であった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、端子などを模した試験片や端子金具を、これらの試験片が模した端子やコネクタハウジング内に収容された状態と同様に微摺動摩耗させることが可能なフレッチング腐食試験装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容される第2の端子金具とを互いに接続して、これらの第1の端子金具と第2の端子金具とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、装置本体と、前記第1の端子金具を取り付ける第1の固定部と、前記第2の端子金具を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとが嵌合して第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらのコネクタハウジングと端子金具とを合わせた弾性係数と同等の弾性連結部材と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具を模した第1の試験片と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容されかつ前記第1の端子金具と接続する第2の端子金具を模した第2の試験片とを接触させて、これらの第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、装置本体と、前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらの端子金具の弾性係数と同等の弾性連結部材と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具を模した第1の試験片と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容されかつ前記第1の端子金具と接続する第2の端子金具を模した第2の試験片とを接触させて、これらの第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、装置本体と、前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとが嵌合して第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらのコネクタハウジングと端子金具とを合わせた弾性係数と同等の弾性連結部材と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の本発明のフレッチング腐食試験装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のフレッチング腐食試験装置において、前記弾性連結部材は、前記駆動手段と固定される第1の連結部と、前記第1の固定部と固定される第2の連結部と、前記第1の連結部と第2の連結部との双方に連なっているとともに弾性変形可能な脆弱部と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項1に記載した本発明によれば、駆動手段と第1の固定部とを連結する弾性連結部材の弾性係数が、互いに嵌合したコネクタハウジングとこれらのコネクタハウジング内に収容された端子金具とを合わせたものの弾性係数と同等である。このため、第1の端子金具と第2の端子金具とを相対的に移動させる際に、弾性連結部材が弾性変形して、第1の端子金具と第2の端子金具との相対的な位置が、実際のコネクタハウジング内に収容されて相対的に移動する時に近くなる。
【0017】
請求項2に記載した本発明によれば、駆動手段と第1の固定部とを連結する弾性連結部材の弾性係数が、互いに接続した端子金具の弾性係数と同等である。このため、第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させる際に、弾性連結部材が弾性変形して、第1の試験片と第2の試験片との相対的な位置が、これら試験片が模した端子金具の相対的な位置に近くなる。
【0018】
請求項3に記載した本発明によれば、駆動手段と第1の固定部とを連結する弾性連結部材の弾性係数が、互いに嵌合したコネクタハウジングとこれらのコネクタハウジング内に収容された端子金具とを合わせたものの弾性係数と同等である。このため、第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させる際に、弾性連結部材が弾性変形して、第1の試験片と第2の試験片との相対的な位置が、これら試験片が模した端子金具と該端子金具を収容したコネクタハウジングの相対的な位置に近くなる。
【0019】
請求項4に記載した本発明によれば、弾性連結部材が第1の連結部と第2の連結部とこれらの連結部間に設けられた脆弱部とを備えている。脆弱部が弾性変形する。このため、弾性連結部材は、端子金具や試験片を相対的に移動させる際に、実際の端子金具やコネクタハウジングを相対的に移動させる時と同様に、端子金具や試験片の相対的な位置に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図16を参照して説明する。
図1などに示す本発明の第1の実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置1は、図14に示す第1の端子金具としての雄型の端子金具(以下雄端子と呼ぶ)2と、図15に示す第2の端子金具としての雌型の端子金具(以下雌端子と呼ぶ)3とを取り付ける。
【0021】
これらの端子2,3を互いに接続して、フレッチング腐食試験装置1は、これらの端子2,3を微摺動摩耗(フレッチング腐食)させたときの端子2,3間の電気的な抵抗を測定する。フレッチング腐食試験装置1は、端子2,3の設計・開発段階において、前述した電気的な抵抗などの微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を把握して、把握した微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を端子金具2,3の設計の資として役立てるために用いられる。
【0022】
フレッチング腐食試験装置1は、図16に示すように、雄端子2の後述するタブ4と雌端子3の後述する筒部8内に挿入して、これらの端子金具2,3を接続する。フレッチング腐食試験装置1は、タブ4などの長手方向(端子2,3の長手方向)に沿って、これらの端子2,3を相対的に微少な距離内を移動させて、前述したフレッチング腐食試験を行う。
【0023】
雄端子2は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雄端子2は、図14に示すように、第1の電気接触部としてのタブ4と、電線接続部5と、連結部6と、を一体に備えている。タブ4は、帯状(平板状)に形成されている。タブ4は、帯状に形成されて、雌端子3の後述する筒部8内に挿入されて、該雌端子3と電気的に接続する。
【0024】
電線接続部5は、電線を加締める加締め片7を複数備えている。電線接続部5は、加締め片7が電線を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。連結部6は、筒状に形成されており、タブ4と電線接続部5とを電気的に接続している。雄端子2は、タブ4と連結部6と電線接続部5とがタブ4の長手方向に沿って順に連結している。さらに、図14中の矢印T1に沿うタブ4の厚み方向を雄端子2の厚み方向と呼び、図14中の矢印H1に沿うタブ4の幅方向を雄端子2の幅方向と呼ぶ。
【0025】
前述した構成の雄端子2は、図16に示すように、第1のコネクタハウジングとしての雌型のコネクタハウジング(以下雌ハウジングと呼ぶ)101内に収容される。
【0026】
雌端子3は、導電性の板金を折り曲げられて得られる。雌端子3は、図15に示すように、第2の電気接触部としての筒部8と、ばね片9と、電線接続部10と、を一体に備えている。筒部8は、筒状に形成されている。ばね片9は、帯状に形成されており、筒部8内に曲げられた格好で収容されている。ばね片9は、弾性変形可能である。ばね片9は、筒部8内に侵入した雄端子2のタブ4を筒部8の内面に向かって押す。ばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押して、筒部8は、雄端子2と電気的に接続する。
【0027】
電線接続部10は、電線103(図16に示す)を加締める加締め片11を複数備えている。電線接続部10は、加締め片11が電線103(図16に示す)を加締めることにより、該電線の芯線と電気的に接続する。雌端子3は、筒部8と電線接続部10とがばね片9の長手方向に沿って互いに連結している。さらに、図15中の矢印T2に沿うばね片9の厚み方向を雌端子3の厚み方向と呼び、図15中の矢印H2に沿うばね片9の幅方向を雌端子3の幅方向と呼ぶ。
【0028】
前述した構成の雌端子3は、図16に示すように、第2のコネクタハウジングとしての雄型のコネクタハウジング(以下雄ハウジングと呼ぶ)102内に収容される。雄ハウジング102は、雌ハウジング101と嵌合する。
【0029】
ハウジング101,102内に収容されかつこれらのハウジング101,102が互いに嵌合して、図16に示すように、タブ4が筒部8内に侵入しかつばね片9がタブ4を筒部8の内面に向かって押し付けて、雄端子2と雌端子3とは互いに接続する。
【0030】
このとき、タブ4の長手方向と筒部8の長手方向とが平行となり、タブ4と筒部8との間の接触圧力を正規圧力に保つ。なお、接触圧力とは、タブ4と筒部8との相互間の圧力である。正規圧力とは、雄端子2と、雌端子3との設計時に定められる正常な(正規の)タブ4と筒部8との間の接触圧力である。
【0031】
このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる状態に雄端子2と雌端子3とが嵌合した状態を正規嵌合状態と呼ぶ。この正規嵌合状態では、雄端子2と雌端子3には、タブ4とばね片9以外からは外力が作用していない。また、図16に示すように、筒部8内にタブ4を挿入した状態では、ばね片9とタブ4とが接触する接点Cが形成されている。
【0032】
フレッチング腐食試験装置1は、前記タブ4及び筒部8の長手方向に沿って雄端子2と雌端子3とを互いに近づけたり離して(即ち接離して)、端子2,3の特にタブ4と筒部8の内面などをフレッチング腐食させる。そして、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を把握する。
【0033】
即ち、フレッチング腐食試験装置1は、タブ4及び筒部8の長手方向に沿って、予め定められた距離内を予め定められた回数、端子2,3を接離(微摺動)させた際の端子2,3間の電気的な抵抗を測定することにより、前記端子2,3の設計の良否を判定する。
【0034】
フレッチング腐食試験装置1は、図1に示すように、装置本体としてのベース12と、温度槽13と、駆動手段としての駆動部14と、支持テーブル16と、支持テーブル16に取り付けられた第1の固定部としての第1の固定具17と、第2の固定部としての第2の固定具18と、検出手段としてのレーザ変位計58と、測定手段としての測定部19と、荷重センサ59と、弾性連結部材62と、制御手段としての制御装置20と、を備えている。
【0035】
ベース12は、工場などのフロア上などに設置されるベース本体21と、収容テーブル22とを備えている。収容テーブル22は、温度槽13内に収容されるとともにベース本体21上に設置される。収容テーブル22は、ベース本体21に固定される。
【0036】
温度槽13は、内部が密閉された箱状に形成されている。温度槽13は、支持テーブル16と、第1及び第2の固定具17,18と、収容テーブル22と、荷重センサ59などを収容する。温度槽13は、内部の空間の温度が所定の温度に保たれるようになっている。
【0037】
駆動部14は、第1の駆動手段としての圧電振動子15と、第2の駆動手段としてのステッピングモータ53と、これらを連結する連結手段としての連結片54を備えている。
【0038】
圧電振動子15は、連結片54と支持テーブル16との間に設けられており、これらを連結している。即ち、圧電振動子15は、支持テーブル16、連結片54及びステッピングモータ53などを介してベース12のベース本体21と第1の固定具17とを互いに連結している。
【0039】
圧電振動子15は、図10に示すように、本体部48と、一対の押圧板46と、を備えている。本体部48は、円筒状のケース41と、該ケース41内に収容されるサブアッセンブリ42と、を備えている。サブアッセンブリ42は、圧電素子43と、一対の電極44と、一対の絶縁板45と、を備えている。圧電素子43は、円板状に形成されている。圧電素子43は、例えば、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や水晶などの高剛性でかつ圧電性を有する材料からなる。
【0040】
一対の電極44は、それぞれ円板状に形成されている。一対の電極44は、それぞれ、圧電素子43の両表面に重ねられている。一対の電極44は、圧電素子43と接触しかつこの圧電素子43を互いの間に挟み込んでいる。電極44には、それぞれ、リード線47などが接続している。リード線47は、電源49に接続している。一対の絶縁板45は、それぞれ円板状に形成されている。一対の絶縁板45は、電極44に重ねられている。絶縁板45は、互いの間に電極44を挟み込んでいる。
【0041】
押圧板46は、円板部50と、出力部としての円柱部51とを一体に備えている。円板部50と円柱部51とは互いに同軸的に配されている。円板部50は絶縁板45に重ねられかつケース41内に収容されている。円柱部51は、ケース41外に突出している。一対の押圧板46は、互いの間に絶縁板45を挟み込んでいる。一方の押圧板46の円柱部51は、連結片54に連結している。
【0042】
このため、本体部48は、一方の押圧板46の円柱部51と連結片54及びステッピングモータ53を介してベース12のベース本体21に取り付けられている。他方の押圧板46の円柱部51には、出力軸63(図11などに示す)が取り付けられている。他方の押圧板46の円柱部51は、出力軸63と弾性連結部材62などを介して支持テーブル16に連結している。
【0043】
このため、他方の押圧板46の円柱部51は、支持テーブル16を介して第1の固定具17に取り付けられている(連結している)。また、一対の押圧板46の円板部50と円柱部51とは、互いに同軸となっている。さらに、円柱部51は、出力軸63と同軸なっている。
【0044】
圧電振動子15の圧電素子43は、電源49などによって一対の電極44間に印加されて歪むとともに、絶縁板45などを介して押圧板46を振動させる。圧電素子43は、電源49などによって一対の電極44間に印加されると、押圧板46の円柱部51の中心軸P1(図10中などに一点鎖線で示す)に沿って、所定の周波数で振動する。そして、圧電素子43は、押圧板46の特に円柱部51を本体部48から前記中心軸P1に沿って突没させる。
【0045】
そして、圧電素子43が押圧板46の特に円柱部51を本体部48から前記中心軸P1に沿って突没させることで、圧電振動子15は、第1の周波数で支持テーブル16を中心軸P1に沿って(図10中の矢印Kに沿って)振動させる。こうして、圧電振動子15は、第1の周波数で支持テーブル16を介して第1の固定具17を第2の固定具18に近づけたり離したり(接離)するとともに、第1の周波数で雄端子2を雌端子3に近づけたり離したり(接離)する。
【0046】
前記電源49には、リード線47が接続している。電源49は、インターフェース(図1中にI/Fと示し、以下I/Fと呼ぶ)24を介して、制御装置20に接続している。電源49は、制御装置20からの命令に基づいて、リード線47を介して一対の電極44間に印加する。
【0047】
ステッピングモータ53は、第2の本体部57と、出力軸としてのねじ軸55とを備えている。ステッピングモータ53は、I/F24などを介して、制御装置20に接続している。第2の本体部57は、ベース12に固定されている。ねじ軸55は、その軸芯P3(図1中に一点鎖線で示す)を中心として、回転自在に第2の本体部57に支持されている。
【0048】
ステッピングモータ53は、連結片54を介して圧電振動子15と、ベース12と、を互いに連結している。ステッピングモータ53は、軸芯P3を中心としてねじ軸55を回転することで、第1の周波数と異なりかつ該第1の周波数より低い第2の周波数で、軸芯P3に沿って、連結片54と支持テーブル16を介して第1の固定具17即ち雄端子2を第2の固定具18即ち雌端子3に接離させる。
【0049】
連結片54は、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する方向に沿ってベース12にスライド自在に支持されている。連結片54には、ねじ孔56が設けられている。ねじ孔56には、ねじ軸55がねじ込まれている。また、連結片54には、一方の押圧板46の円柱部51が連結している。
【0050】
連結片54は、押圧板46の円柱部51の中心軸P1と、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸となる状態で、圧電振動子15とステッピングモータ53とを連結する。即ち、中心軸P1と軸芯P3とは、同一線上に位置している。又、連結片54は、ステッピングモータ53が駆動すると、中心軸P1と軸芯P3に沿ってスライドする。
【0051】
駆動部14は、圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方を駆動して、第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる。さらに、駆動部14は、ステッピングモータ53がベース本体21に取り付けられることにより、ベース12に取り付けられている。
【0052】
支持テーブル16は、温度槽13内に収容されている。また、支持テーブル16には、第1の固定具17が取り付けられているとともに、連結片64(図11などに示す)が一体に形成されている。連結片64は、支持テーブル16の外面から圧電振動子15とステッピングモータ53に向かって突出している。
【0053】
第1の固定具17は、支持テーブル16に取り付けられている。第1の固定具17は、図2に示すように、雄端子2を支持テーブル16に取り付ける。第1の固定具17は、図5に示すように、一対の挟み片28と、一つの取付用ボルト29と、変更手段としての一対の長孔30と、固定手段としての固定部31とを備えている。
【0054】
一対の挟み片28は、支持テーブル16上に重ねられている。一対の挟み片28は、前記圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1に直交しかつ水平方向に沿って互いに並べられており、互いに接離自在に設けられている。一対の挟み片28には、それぞれ、取付用ボルト29が螺合するねじ孔32が設けられている。
【0055】
それぞれの挟み片28に設けられたねじ孔32は、互いに同一線上に配されている。これらのねじ孔32には、取付用ボルト29が螺合する。取付用ボルト29がねじ孔32にねじ込まれる量に応じて、一対の挟み片28が前記ねじ軸55の軸芯に直交しかつ水平方向に沿って互いに接離する。
【0056】
一対の挟み片28は、互いの間に、タブ4の厚み方向T1と一対の挟み片28が互いに接離する方向とが平行になる状態で雄端子2の連結部6を挟む。即ち、一対の挟み片28は、タブ4の長手方向に交差する断面形の長手方向が、鉛直方向に沿う状態で、雄端子2の連結部6を互いの間に挟む。
【0057】
取付用ボルト29は、ねじ孔32に螺合する。取付用ボルト29が、ねじ孔32の奥にねじ込まれるのにしたがって、一つの挟み片28が徐々に互いに近づく。取付用ボルト29が、ねじ孔32からゆるめられるのにしたがって、一対の挟み片28が徐々に互いに離れる。
【0058】
一対の長孔30は、それぞれ、支持テーブル16に挟み片28が重ねられる方向に沿って、挟み片28を貫通している。長孔30の長手方向は、一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿っている。長孔30の内側には、固定部31の後述するボルト34が通される。
【0059】
長孔30は、内側にボルト34が通されることによって、一対の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4の厚み方向に沿って、これらの挟み片28を支持テーブル16に対して移動自在とする。即ち、長孔30は、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を変更可能としている。
【0060】
固定部31は、一対のねじ孔33と、一対のボルト34とを備えている。ねじ孔33は、支持テーブル16の表面に開口している。ねじ孔33は、支持テーブル16に挟み片28が重ねられると、長孔30と連通する。
【0061】
ボルト34は、長孔30を通してねじ孔33に螺合する。ボルト34は、長孔30の長手方向に沿って、長孔30に対して相対的に移動可能である。ボルト34は、ねじ孔33の奥までねじ込まれると、該ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで固定する。
【0062】
ボルト34は、ねじ孔33からゆるめられると、頭34aと支持テーブル16との間に隙間が生じて、挟み片28を互いに接離する方向即ちタブ4の厚み方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在とする。こうして、固定部31は、ボルト34の頭34aと支持テーブル16との間に挟み片28を挟んで、該挟み片28を支持テーブル16に固定する。
【0063】
前述した構成によって第1の固定具17は、取付用ボルト29をねじ孔32にねじ込むことによって、一対の挟み片28間に雄端子2を挟む。そして、長孔30内をボルト34が通る位置が調整されて、即ち、タブ4の厚み方向に沿った挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置が調整されて、ボルト34がねじ孔33の奥にねじ込まれる。そして、挟み片28が支持テーブル16に固定される。こうして、第1の固定具17は、雄端子2を支持テーブル16に固定する。
【0064】
また、第1の固定具17は、挟み片28間に挟む雄端子2の中心線P2(図2中などに一点鎖線で示す)が、前記支持テーブル16に連結した圧電振動子15の押圧板46の円柱部51の中心軸P1と同軸となる位置に配されている。すなわち、中心線P2と中心軸P1とは同一線上に位置している。
【0065】
なお、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二分するとともに雄端子2のタブ4の長手方向に沿っている。即ち、中心線P2は、雄端子2の幅と厚みを二分しているとともに、後述の矢印Sに沿っている。望ましくは、雄端子2の中心線P2は、タブ4の幅と厚みを二等分する。
【0066】
第2の固定具18は、ベース12の収容テーブル22上に設置されている。第2の固定具18は、矢印S(端子金具2,3が互いに接離する方向)即ち圧電振動子15の円柱部51が突没する方向に沿って移動自在に、収容テーブル22に取り付けられている。
【0067】
第2の固定具18は、雌端子3を取り付ける。第2の固定具18は、第1の固定具17の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4の長手方向に沿って、第1の固定具17と相対している。第2の固定具18は、図2ないし図4に示すように、ベース12の収容テーブル22に取り付けられる本体部65と、溝35と、一対の押さえ板36と、一対の板ばね37とを備えている。
【0068】
本体部65は、前述した矢印Sに沿って移動自在に収容テーブル22に支持されている。本体部65即ち第2の固定具18は、荷重センサ59を介してベース12の収容テーブル22に取り付けられている。
【0069】
溝35は、本体部65の表面から凹に形成されている。溝35は、第1の固定具17の一対の挟み片28間に挟まれる雄端子2のタブ4と相対する位置に配されている。溝35は、第1の固定具17に取り付けられる雄端子2のタブ4の長手方向に沿って直線状に延びている。溝35は、雌端子3の外形に沿って形成されている。溝35は、ばね片9の厚み方向T2が、第1の固定具17の一対の挟み片28が互いに接離する方向と平行な状態で、内側に雌端子3を収容する。
【0070】
また、本体部65の表面には、一対のねじ孔38が設けられている。これらのねじ孔38は、互いの間に、第1の固定具17の挟み片28が互いに接離する方向に沿って溝35を位置させている。
【0071】
一対の押さえ板36は、板状に形成されている。押さえ板36は、本体部65に重ねられる。押さえ板36には、ボルト40がねじ込まれている。
【0072】
ボルト40は、押さえ板36にねじ込まれて、ねじ孔38に螺合する。ボルト40が、ねじ孔38の奥にねじ込まれたり、ねじ孔38から緩められることにより、押さえ板36は、鉛直方向に沿って移動自在となる。即ち、押さえ板36は、本体部65に接離する。
【0073】
押さえ板36は、鉛直方向に沿って移動して、図3に示す一端部36aが本体部65に近づく第1の位置と、図4に示す一端部36aが本体部65から離れた第2の位置とに亘って移動する。
【0074】
ボルト40がねじ孔38の奥までねじ込まれると、押さえ板36を本体部65に向かって押す。そして、ボルト40が押さえ板36を固定する。ボルト40がねじ孔38からゆるめられると、押さえ板36の一端部36aと本体部65との間に隙間が生じて、溝35内を雌端子3が移動自在になる。
【0075】
また、前記溝35内に雌端子3を収容してボルト40をねじ込むと、押さえ板36は、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押す。また、前述した第2の位置に押さえ板36を位置づけると、溝35の長手方向に沿って、溝35に雌端子3を出し入れ自在となる。
【0076】
それぞれの板ばね37は、一端部がベース12に取付られかつ他端部が押さえ板36に重ねられている。板ばね37は、押さえ板36をベース12に向かって押している。板ばね37は、押さえ板36がベース12から不意に脱落することを防止している。
【0077】
前述した構成によって、第2の固定具18は、第2の位置に押さえ板36を位置づけて、溝35内に雌端子3を収容する。第1の位置に押さえ板36を位置づけて、ボルト40をねじ孔38の奥にねじ込んで、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36を本体部65に固定する。
【0078】
こうして、第2の固定具18は、雌端子3のばね片9の幅方向に沿って、雌端子3を押さえ板36と溝35の底面35aとの間に挟んで固定する。第2の固定具18は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二分するとともに矢印Sに沿った中心線P4が、前述した中心軸P1と同軸となる位置に雌端子3を取り付ける。こうして、第1の固定具17と第2の固定具18は、中心線P2,P4が、前述した中心軸P1及び軸芯P3と同軸となる位置に端子2,3を取り付ける。
【0079】
レーザ変位計58は、反射部材60と、発光受光部61とを備えている。反射部材60は、支持テーブル16に取り付けられており、この支持テーブル16から上方に向かって立設している。
【0080】
発光受光部61は、装置本体としてのベース12のベース本体21にステッピングモータ53の第2の本体部57を介して取り付けられている。発光受光部61は、反射部材60に向かってレーザを照射するとともに、この反射部材60が反射したレーザを受光する。
【0081】
発光受光部61は、レーザを照射及び受光して、第1の固定具17の変位量(移動量)即ち雄端子2の変位量(移動量)を測定する。発光受光部61は、アンプ23とI/F24を介して制御装置20に接続している。発光受光部61即ちレーザ変位計58は、支持テーブル16の振動に基づく前述した第1の固定具17の変位量(移動量)即ち雄端子2の変位量(移動量)をアンプ23を介して制御装置20に向かって出力する。
【0082】
アンプ23は、I/F24を介して、制御装置20に接続している、レーザ変位計58から出力された支持テーブル16即ち第1の固定具17の変位に関する情報は、アンプ23で増幅されて制御装置20に入力する。
【0083】
測定部19は、電源ユニット25と、電圧計26とを備えている。電源ユニット25は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電源ユニット25のプラスの端子は、第2の固定具18を介して雌端子3と電気的に接続する。電源ユニット25のマイナスの端子は、第1の固定具17を介して雄端子2と電気的に接続する。電源ユニット25は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第1の固定具17と第2の固定具18とを介して、端子2,3間に所定の電流値で印加する。
【0084】
電圧計26は、プラスの端子とマイナスの端子とを備えている。電圧計26のプラスの端子は、第2の固定具18を介して雌端子3と電気的に接続する。電圧計26のマイナスの端子は、第1の固定具17を介して雄端子2と電気的に接続する。電圧計26は、制御装置20からの命令に基づいて、前記第1の固定具17と第2の固定具18とを介して、端子2,3間の電圧を測定する。前述した構成の測定部19は、制御装置20からの命令に基づいて、前記電源ユニット25が端子2,3間に印加するとともに、電圧計26が端子2,3間の電圧を測定する。
【0085】
荷重センサ59は、第2の固定具18とベース12の収容テーブル22との間に設けられており、これらを連結している。荷重センサ59は、例えば、水晶などの圧電素子を備えている。荷重センサ59の圧電素子は、第2の固定具18が矢印Sに沿って移動した際に、第2の固定具18と雌端子3に作用する荷重(即ちタブ4と筒部8の内面との間に生じる摩擦力)に応じた信号をアンプ23とI/F24とを介して制御装置20に向かって出力する。
【0086】
弾性連結部材62は、図11ないし図13に示すように、金属などからなり平面形状が矩形状に形成されている。弾性連結部材62は、両端部に設けられた第1の連結部66と第2の連結部67と、これらの連結部66,67間即ち中央部に設けられた脆弱部68とを一体に備えている。
【0087】
第1の連結部66は、図11ないし図13に示すように、ボルト69及びナット70などによって、出力軸63即ち駆動部14と固定される。第2の連結部67は、図11ないし図13に示すように、ボルト71などによって、支持テーブル16の連結片64即ち第1の固定具17と固定される。弾性連結部材62は、駆動部14と第1の固定具17とを連結する。駆動部14と第1の固定具17とを連結すると、弾性連結部材62の長手方向は前述した矢印Sと平行になる。
【0088】
脆弱部68には、複数の切欠72が形成されている。切欠72は、弾性連結部材62の側縁から中央部に向かって、弾性連結部材62を構成する母材を切り欠いている。こうして、切欠72は、弾性連結部材62の側縁から凹に形成されている。このように切欠72が形成されることで、脆弱部68は、弾性変形し易くなっている。即ち、脆弱部68は、弾性変形可能となっている。
【0089】
前述した構成の弾性連結部材62の長手方向即ち矢印S方向の弾性係数は、図16に示すハウジング101,102内に収容された端子2,3が互いに接続した状態で、これらの端子2,3とハウジング101,102を合わせた弾性係数と同等となっている。即ち、弾性連結部材62の矢印S方向の弾性係数は、図16に示す状態の端子2,3とハウジング101,102全体の弾性係数と同等である。
【0090】
なお、本明細書の弾性係数が同等であるとは、弾性連結部材62の弾性係数と、端子2,3とハウジング101,102全体の弾性係数とが等しいことと、これらの弾性係数が略等しいことを示している。弾性係数が略等しいとは、これらの弾性係数の差が前述した第1の固定具17と第2の固定具18との相対的な変位に比べて、前述した弾性係数の差により生じる弾性変形量の差がフレッチング腐食試験を行う上で問題にならない程小さいことを示している。
【0091】
制御装置20は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータであって、前記駆動部14と電源49とアンプ23と測定部19と荷重センサ59などと接続して、フレッチング腐食試験装置1全体の制御をつかさどる。制御装置20は、双方向バス27などを介して前記電源ユニット25と電圧計26とに接続している。制御装置20は、双方向バス27などを介してI/F24と接続している。I/F24には、前記電源49と、アンプ23と、ステッピングモータ53が接続している。
【0092】
制御装置20は、予め記憶されたプログラムに基づいて、圧電振動子15とステッピングモータ53のうち一方を駆動する。制御装置20は、圧電振動子15を駆動する際には、I/F24を介して電源49を圧電振動子15の電極44間に印加させて、支持テーブル16即ち第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる。
【0093】
即ち、第1の固定具17と第2の固定具18は、図1中の矢印Sに沿って、互いに接離する。矢印Sは、第1の固定部17と第2の固定具18とが互いに接離する方向をなしており、雄端子2のタブ4の長手方向即ちタブ4が雌端子3の筒部8内に侵入する方向に沿っている。このため、端子2,3は、タブ4の長手方向に沿って、互いに接離される。なお、このときの振幅は、例えば50μmなどの微少な距離となっている。
【0094】
そして、制御装置20は、アンプ23などを介してレーザ変位計58から入力する支持テーブル16の変位に関する情報に基づいて、前記電源49の電極44間の印加状況を制御して、圧電振動子15の圧電素子43を予め定められる周波数、振幅などで振動させる。圧電振動子15とステッピングモータ53とのうち一方の振動によって、1回、第1の固定具17が第2の固定具18に接離すると、制御装置20は、前記測定部19の電源ユニット25に端子2,3間に印加させるとともに、電圧計26に端子2,3間の電圧を測定させる。
【0095】
電圧計26から双方向バス27を介して、制御装置20に前記端子2,3間の電圧に応じた信号が伝えられる。制御装置20は、電圧計26からの電圧と、電源ユニット25が印加した電流値とから前記端子2,3間の抵抗値を求める。そして、制御装置20は、再度、圧電振動子15とステッピングモータ53のうち一方を駆動して、圧電素子43を振動させるとともに、端子2,3を互いに接離させて、端子2,3間の抵抗値を求める。
【0096】
また、制御装置20には、ステッピングモータ53または圧電振動子15が駆動している間の前記荷重センサ59が測定した荷重値(摩擦力)が、アンプ23とI/F24とを介して入力する。
【0097】
こうして、制御装置20即ちフレッチング腐食試験装置1は、端子2,3を互いに接離させて、これらの端子2,3間の抵抗を測定する。また、制御装置20は、圧電振動子15の圧電素子43を一回振動させる毎即ち端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良く、複数回端子2,3を互いに接離させる毎に、測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させても良い。制御装置20は、フレッチング腐食試験の開始直後には、端子2,3を互いに接離させる毎に測定部19に端子2,3間の抵抗を測定させるのが望ましく、試験の経過時間とともに端子2,3間の抵抗を測定する間隔(抵抗を測定する間に端子2,3を互いに接離させる回数)を徐々に大きくするのが望ましい。
【0098】
例えば、端子2,3を接離させるのが1回目から10回目では、毎回端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが10回目から100回目では、数回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが100回目から1000回目では、数十回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。端子2,3を接離させるのが1000回目を越えると、100回毎に端子2,3間の抵抗を測定するのが望ましい。
【0099】
また、前記制御装置20は、前記双方向バス27などを介して周知のプリンタ装置やモニタなどと接続しても良い。この場合、前述した測定結果(端子2,3間の抵抗値)などを、前記プリンタ装置やモニタなどから出力させる。
【0100】
前述した構成のフレッチング腐食試験装置1を用いて、端子2,3の微摺動試験(フレッチング腐食試験)を実施する際には、まず、試験対象物としての端子2,3それぞれを固定具17,18に以下のように取り付ける。まず、端子2,3の取付前では、図6に示すように、第1の固定具17のボルト29,34がゆるめられて、挟み片28が互いに離れているとともに、これらの挟み片28が互いに接離する方向に沿って支持テーブル16に対して移動自在となっている。また、図4に示すように、第2の固定具18のボルト40がゆるめられて、押さえ板36が第2の位置に位置づけられている。
【0101】
そして、雌端子3の筒部8内に雄端子2のタブ4を挿入して、これらの端子2,3を互いに接続する。図7に示すように、第1の固定具17の一対の挟み片28間に雄端子2を挿入する。さらに、第2の固定具18の溝35内に雌端子3を挿入する。このとき、雄端子2のタブ4の厚み方向T1が一対の挟み片28が互いに接離する方向に沿いかつ雌端子3のばね片9の厚み方向T2が一対の押さえ板36が互いに接離する方向に沿っている。
【0102】
その後、押さえ板36を第2の位置に位置づけて、ボルト40を若干ねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、第2の固定具18の押さえ板36で雌端子3を仮止めする。図8に示すように、取付用ボルト29をねじ孔32の奥に向かってねじ込んで、挟み片28間に雄端子2を挟む。こうして、挟み片28と雄端子2とを互いに固定する。
【0103】
すると、前記雄端子2のタブ4と雌端子3のばね片9の弾性復元力によって、前述した正規嵌合状態を保つように、挟み片28が支持テーブル16に対して移動する。または、前述した正規嵌合状態となるように、挟み片28を図8中の矢印Yに沿って移動する。このため、タブ4と筒部8との間の接触圧力は正規圧力に保たれる。したがって、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との接触圧力を正規圧力に保った状態で端子2,3をベース12などに固定する。
【0104】
その後、図9に示すように、ボルト34をねじ孔33の奥に向かってねじ込んで、挟み片28を支持テーブル16に固定する。さらに、図3に示すように、ボルト40をねじ孔38の奥に向かってねじ込んで、雌端子3を溝35の底面35aに向かって押した状態で、押さえ板36を本体部65に固定する。
【0105】
このように、第1及び第2の固定具17,18は、タブ4と筒部8との間の接触圧力が正規圧力となる位置に、挟み片28の支持テーブル16に対する相対的な位置を調整した後(位置づけた後)、固定部31により挟み片28を支持テーブル16に固定して、端子2,3を固定具17,18などに固定する。
【0106】
こうして、固定具17,18に端子2,3を固定した後、これら固定具17,18、支持テーブル16及び収容テーブル22などを温度槽13内に収容して、収容テーブル22をベース本体21に固定する。連結片64と出力軸63とに弾性結部材62を取り付ける。そして、温度槽13内の温度を予め定められた温度に保って、制御装置20に予め記憶されているパターンにしたがって、ステッピングモータ53または圧電振動子15を駆動して、第1の固定具17即ち雄端子2を例えば50μmの距離移動する。こうして、雄端子2を雌端子3に接離させて、これらの端子2,3を相対的に移動する。
【0107】
端子2,3の振動している間に、レーザ変位計58で支持テーブル16即ち端子2,3の相対的な変位を測定するとともに、荷重センサ59で端子2,3間即ち接点Cの摩擦力を測定する。端子2,3が接離(相対的に移動)した後、これらの端子2,3間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。こうして、所定回数、端子2,3を互いに接離させて、端子2,3間の電気的な抵抗を測定する。
【0108】
本実施形態によれば、駆動部14と第1の固定具17とを連結する弾性連結部材62の弾性係数が、互いに嵌合したハウジング101,102とこれらのハウジング101,102内に収容された端子2,3とを合わせたものの弾性係数と同等である。このため、端子2,3を相対的に移動させる際に、弾性連結部材62が弾性変形して、これらの端子2,3の相対的な位置が、実際のハウジング101,102内に収容された時の相対的な位置に近くなる。
【0109】
このため、各固定具17,18に取り付けた端子2,3の微摺動摩耗状況が、実際にハウジング101,102内に収容して相対的に移動した時の状況に近くなる。このため、実際に端子2,3をハウジング101,102内に収容することなく、微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。
【0110】
これにより、実際にハウジング101,102などを試作することなく、端子2,3の微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子2,3の設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0111】
弾性連結部材62が第1の連結部66と第2の連結部67とこれらの連結部66,67間に設けられた脆弱部68とを備えている。脆弱部68が弾性変形する。このため、弾性連結部材62は、端子2,3を相対的に移動させる際に、ハウジング101,102内に実際に収容された状態で相対的に移動させる時と同様に、端子2,3の相対的な位置に保つことができる。このため、ハウジング101,102内に実際に収容された端子2,3を相対的に移動した時の微摺動摩耗状況を正確に再現することができる。
【0112】
また、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、ステッピングモータ53のねじ軸55の軸芯P3とが互いに同軸である。雄端子2の中心線P2と、雌端子3の中心線P3と、圧電振動子15の円柱部51の中心軸P1と、が互いに同軸となる。
【0113】
このため、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する際に、端子2,3間の摩擦力によって、ベース12、支持テーブル16、第1の固定具17などが弾性変形しにくくなる。このため、雄端子2と雌端子3とを確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験を正確に行うことができる。
【0114】
第1の駆動手段として圧電振動子15を用いているので、1秒間に数回以上、第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。したがって、比較的高速で雄端子2と雌端子3とを接離でき、該微摺動試験にかかる試験時間を短縮できる。
【0115】
また、第1の固定具17を第2の固定具18に接離させる周波数が互いに異なる圧電振動子15とステッピングモータ53を備えている。圧電振動子15を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的高速で接離できる。また、ステッピングモータ53を用いて第1の固定具17を第2の固定具18に比較的低速で接離できる。このように、圧電振動子15とステッピングモータ53とを選択して用いることで、任意の周波数で第1の固定具17を第2の固定具18に接離できる。
【0116】
また、雄端子2の中心線P2は、タブ4即ち雄端子2の幅と厚みを二等分するのが望ましい。雌端子3の中心線P4は、筒部8即ち雌端子3の幅と厚みを二等分するのが望ましい。この場合、固定具17,18即ち端子2,3を互いに接離させる際に、端子2,3間の摩擦力によって、支持テーブル16、ベース12や第1の固定具17がより弾性変形しにくくなっている。このため、雄端子2と雌端子3とをより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動試験をより正確に行うことができる。
【0117】
次に、本発明の第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置を図17ないし図24を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0118】
図17に示す本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、図18及び図19に示す第1の試験片81と第2の試験片82とを互いに接触させて、これらを相対的に移動させて、これらの試験片81,82の微摺動摩耗(フレッチング腐食)状況を再現・把握する装置である。
【0119】
第1の試験片81は、前述した第1の端子金具としての雄端子2を模しており、雄端子2と同様の板金からなり平板状に形成されている。第2の試験片82は、前述した第2の端子金具としての雌端子3を模しており、雌端子3と同様の板金からなる。
【0120】
第2の試験片82は、樋状の樋部83と、該樋部83の両縁から外方向に伸びた一対のフランジ部84とを一体に備えている。樋部83の底部83aには、突起85が設けられている。第2の試験片82は、図19に示すように、突起85が第1の試験片81と接触する。突起85は、雌端子3のばね片9のタブ4に接触する箇所を模している。また、図19に示すように、第2の試験片82の突起85と第1の試験片81とが接触した接点C1は、前述した接点Cを模している。
【0121】
本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、第1の試験片81と第2の試験片82の突起85とを接触させかつ第1の試験片81の表面を矢印Sに沿わせた状態で、これらの試験片81,82を矢印Sに沿って相対的に移動させる。本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、図17、図20ないし図23に示すように、支持テーブル16に荷重センサ59と第1の固定部としての第1の固定具87とが取り付けられている。支持テーブル16は、矢印Sに沿って移動自在に収容テーブル22に支持されている。
【0122】
第1の固定具87は、周知の軸受86(図20ないし図23に示す)などにより支持テーブル16に矢印Sに沿って移動自在に支持されている。第1の固定具87は、図21に示すように、本体部88と、複数の押さえ部材89とを備えている。本体部88は、軸受86などにより支持テーブル16に矢印Sに沿って移動自在に支持されている。本体部88は、表面が鉛直方向に沿う状態で第1の試験片81を支持する。
【0123】
押さえ部材89は、ねじなどにより本体部88に取り付けられており、このねじのねじ込み量を調整することで本体部88からの距離が変更可能となっている。押さえ部材89は、ねじをねじ込むことにより、第1の試験片81を本体部88に押し付けて固定する。第2の固定具87は、第1の試験片81を取り付ける。
【0124】
荷重センサ59は、第1の固定具87の本体部88と、支持テーブル16との間に設けられている。荷重センサ59は、第1の固定具87の本体部88と、支持テーブル16とに取り付けられている。荷重センサ59は、矢印Sに沿う第1の試験片81と第2の試験片82との間の摩擦力を測定する。
【0125】
また、本実施形態のフレッチング腐食試験装置1は、図17及び図20に示すように、収容テーブル22に第2の固定部としての第2の固定具90を取り付けている。第2の固定具90は、図17及び図20に示すように、回動支持部91と、揺動アーム92と、試験片支持部93(図21に示す)とを備えている。
【0126】
回動支持部91は、収容テーブル22に取り付けられた取付部94と、枢軸95とを備えている。枢軸95の長手方向は、鉛直方向に沿っている。枢軸95は、その軸芯を中心として回転自在に取付部94に支持されている。また、枢軸95には、揺動アーム92の後述の他端部を第1の固定具87に向かって所定の力で付勢する即ち第2の試験片82を第1の試験片81に向かって所定の力で付勢する図示しないばねなどの付勢手段が取り付けられている。
【0127】
揺動アーム92は、一端部が回動支持部91の枢軸95に固定されている。試験片支持部93は、揺動アーム92の他端部に取り付けられている。試験片支持部93は、突起85が第1の固定具87に相対する状態で第2の試験片82を挟み込んで固定する。第2の固定具90は、第2の試験片82を取り付ける。
【0128】
また、本実施形態のフレッチング腐食試験装置1の弾性連結部材62の矢印S方向の弾性係数は、ハウジング101,102内に収容されていない状態でかつ前述したように接続した端子2,3全体の矢印S方向の弾性係数と同等である。又、弾性連結部材62は、連結部66,67それぞれが出力軸63と支持テーブル16に取り付けられる。
【0129】
前述した構成のフレッチング腐食試験装置1を用いて、試験片81,82のフレッチング腐食試験を行う際には、第1の固定具87に第1の試験片81を取り付け、第2の固定具90に第2の試験片82を取り付ける。第2の固定具90に第2の試験片82を取り付ける際には、揺動アーム92を図20中の矢印Mに沿って回転させて行う。
【0130】
固定具87,90、支持テーブル16及び収容テーブル22を温度槽13内に挿入して、収容テーブル22をベース本体21に固定する。支持テーブル16と出力軸63とに弾性連結部材62を取り付ける。そして、温度槽13内の温度を予め定められた温度に保って、制御装置20に予め記憶されているパターンにしたがって、ステッピングモータ53または圧電振動子15を駆動して、第1の固定具87即ち第1の試験片81を例えば50μmの距離移動する。こうして、第1の試験片81を第2の試験片82に接離させて、これらの試験片81,82を相対的に移動する。
【0131】
試験片81,82が振動している間に、レーザ変位計58で支持テーブル16即ち試験片81,82の相対的な変位を測定するとともに、荷重センサ59で試験片81,82間即ち接点C1の摩擦力を測定する。試験片81,82が接離(相対的に移動)した後、これらの試験片81,82間の電気的な抵抗を、測定部19などを用いて測定する。こうして、所定回数、試験片81,82を互いに接離させて、試験片81,82間の電気的な抵抗を測定する。
【0132】
本実施形態によれば、駆動部14と第1の固定具87とを連結する弾性連結部材62の弾性係数が、互いに接続した端子2,3の弾性係数と同等である。このため、第1の試験片81と第2の試験片82とを相対的に移動させる際に、弾性連結部材62が弾性変形して、第1の試験片81と第2の試験片82との相対的な位置が、これら試験片81,82が模した端子2,3の相対的な位置に近くなる。このため、各固定具87,90に取り付けた第1の試験片81と第2の試験片82の微摺動摩耗状況が、端子2,3を相対的に移動した時の状況に近くなる。
【0133】
このため、実際に端子2,3を製作することなく、これらの端子2,3の微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。これにより、実際に端子2,3などを試作することなく、端子2,3の微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子2,3の設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0134】
また、前述した第1の実施形態と同様に、弾性連結部材62が第1及び第2の連結部66,67と脆弱部68とを一体に備えている。弾性連結部62の弾性係数が、互いに接続した端子2,3の弾性係数と同等である。このため、弾性連結部材62は、試験片81,82を相対的に移動させる際に、実際に接続した端子2,3が相対的に移動する時と同様に、試験片81,82の相対的な位置に保つことができる。このため、端子2,3を相対的に移動した時の微摺動摩耗状況を正確に再現することができる。
【0135】
また、前述した第2の実施形態では、弾性連結部材62の弾性係数が、端子2,3の弾性係数と同等となっている。しかしながら、本発明では、試験片81,82同士の微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験のときに用いる弾性連結部材62の弾性係数を、図16に示すハウジング101,102内に収容された端子2,3が互いに接続した状態で、これらハウジング101,102及び端子2,3全体の弾性係数と同等にしても良い。
【0136】
この場合、駆動部14と第1の固定具87とを連結する弾性連結部材62の弾性係数が、互いに嵌合したハウジング101,102とこれらのハウジング101,102内に収容された端子2,3とを合わせたものの弾性係数と同等である。このため、第1の試験片81と第2の試験片82とを相対的に移動させる際に、弾性連結部材62が弾性変形して、第1の試験片81と第2の試験片82との相対的な位置が、これら試験片81,82が模した端子2,3とハウジング101,102の相対的な位置に近くなる。このため、各固定具87,90に取り付けた第1の試験片81と第2の試験片82の微摺動摩耗状況が、実際にハウジング101,102内に収容された端子2,3を相対的に移動した時の状況に近くなる。
【0137】
このため、実際に端子2,3やハウジング101,102を製作して、端子2,3をハウジング101,102内に収容することなく、微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。これにより、実際に端子2,3やハウジング101,102などを試作することなく、端子2,3やハウジング101,102の微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子2,3やハウジング101,102の設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0138】
また、本発明の発明者らは、前述した第2の実施形態のフレッチング腐食試験装置1の効果を実際に確認した。結果を図24に示す。結果が図24に示された実験では、比較例A(図24中に二点鎖線で示す)として前述した弾性連結部材62を設けずに出力軸63と連結片64とを直接連結したフレッチング腐食試験装置を用いて、試験片81,82を相対的に移動した。
【0139】
また、本発明品B(図24中に実線で示す)として前述した弾性連結部材62を設けた前述した第2の実施形態で示したフレッチング腐食試験装置1を用いて、試験片81,82を相対的に移動した。弾性連結部材62の矢印S方向の弾性係数は、ハウジング101,102と端子2,3全体の矢印S方向の弾性係数と同等である。
【0140】
さらに、比較例C(図24中に一点鎖線で示す)として前述した弾性連結部材62を設けずに出力軸63と連結片64とを直接連結したフレッチング腐食試験装置を用いて、端子2,3が互いに接続したハウジング101,102を実際に相対的に移動した。
【0141】
比較例Aと本発明Bは、同一の距離試験片81,82を相対的に移動している。さらに、比較例A,Cと本発明Bでは、試験片81,82又はハウジング101,102を相対的に移動した時のレーザ変位計58で測定した第1の固定具87の変位と、荷重センサ59で測定した試験片81,82間または端子2,3間の摩擦力との関係を求めている。
【0142】
図24に示された結果によれば、二点鎖線で示す比較例Aよりも実線で示す本発明品Bが、一点鎖線で示す比較例Cに近くなることが明らかとなった。即ち、本発明品Bの試験片81,82間の相対的の位置が、比較例Aよりも実際のハウジング101,102内に収容された端子2,3間の相対的の位置に近いことが明らかとなった。
【0143】
このように、本発明の弾性連結部材62を設けることにより、試験片81,82間の相対的な位置即ち試験片81,82の挙動が、実際のハウジング101,102内に収容された端子2,3の挙動に近くなることが明らかとなった。したがって、本発明の弾性連結部材62を用いることで、ハウジング101,102と端子2,3の微摺動摩耗状況を再現できることが明らかとなった。
【0144】
さらに、前述した第1及び第2の実施形態では、第1の固定具17,87に雄端子2または第1の試験片81を取り付けて、該雄端子2又は第1の試験片81を雌端子3又は第2の試験片82に対して相対的に移動させている。しかしながら、本発明では、第2の固定具18,90に雄端子2又は第1の試験片81を取り付け、第1の固定具17,87に雌端子3又は第2の試験片82を取り付けても良いことは勿論である。
【0145】
また、本発明では、中心線P2がタブ4即ち雄端子2の厚みと幅とを二等分し、中心線P4が筒部8即ち雌端子3の厚みと幅とを二等分するのが望ましい。子の場合、第1の固定具17が第2の固定具18に接離する際に、ベース12や第1の固定具17などがより弾性変形しにくくなる。このため、端子2,3をより確実に所望の距離接離できる。したがって、微摺動摩耗(フレッチング腐食)試験をより正確に行うことができる。
【0146】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、第1の端子金具と第2の端子金具とを相対的に移動させる際に、第1の端子金具と第2の端子金具との相対的な位置を実際のコネクタハウジング内に収容した時に近くすることができる。このため、各固定部に取り付けた第1の端子金具と第2の端子金具の微摺動摩耗状況が、実際にコネクタハウジング内に収容して相対的に移動した時の状況に近くなる。
【0148】
このため、実際に端子金具をコネクタハウジング内に収容することなく、微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。これにより、実際にコネクタハウジングなどを試作することなく、端子金具の微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子金具の設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0149】
請求項2に記載した本発明は、第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させる際に、これらの試験片の相対的な位置を、これら試験片が模した端子金具が実際のコネクタハウジング内に収容されて相対的に移動した時に近くすることができる。このため、各固定部に取り付けた第1の試験片と第2の試験片の微摺動摩耗状況が、実際にコネクタハウジング内に収容された端子金具を相対的に移動した時の状況に近くなる。
【0150】
このため、実際に端子金具やコネクタハウジングを製作して、端子金具をコネクタハウジング内に収容することなく、微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。これにより、実際に端子金具やコネクタハウジングなどを試作することなく、端子金具やコネクタハウジングの微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子金具やコネクタハウジングの設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0151】
請求項3に記載した本発明は、第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させる際に、これらの試験片の相対的な位置を、これら試験片が模した端子金具とコネクタハウジングを相対的に移動した時に近くすることができる。このため、各固定部に取り付けた第1の試験片と第2の試験片の微摺動摩耗状況が、実際にコネクタハウジング内に収容された端子金具を相対的に移動した時の状況に近くなる。
【0152】
このため、実際に端子金具やコネクタハウジングを製作して、端子金具をコネクタハウジング内に収容することなく、微摺動摩耗状況を正確に再現することができ、勿論、微摺動摩耗状況を正確に把握することができる。これにより、実際に端子金具やコネクタハウジングなどを試作することなく、端子金具やコネクタハウジングの微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子金具やコネクタハウジングの設計・開発にかかる期間とコストを低減できる。
【0153】
請求項4に記載した本発明は、弾性連結部材の脆弱部が弾性変形することで、端子金具や試験片の相対的な位置を、実際の端子金具やコネクタハウジングの相対的な位置と同様にすることができる。このため、実際の端子金具やコネクタハウジングを相対的に移動した時の微摺動摩耗状況を正確に再現することができる。
【0154】
これにより、実際に端子金具やコネクタハウジングなどを試作することなく、端子金具やコネクタハウジングの微摺動摩耗状況を把握でき、設計・開発の資として速やかに利用できるようになる。したがって、端子金具やコネクタハウジングの設計・開発にかかる期間とコストを確実に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示されたフレッチング腐食試験装置の第1の固定具と第2の固定具とを示す斜視図である。
【図3】図2中のIII−III線に沿う第2の固定具の断面図である。
【図4】図3に示された第2の固定具の押さえ板を第2の位置に位置づけた状態を示す断面図である。
【図5】図2中のa−b―c−d線に沿う第1の固定具の断面図である。
【図6】図5に示された第1の固定具の取付用ボルトとボルトをゆるめた状態を示す断面図である。
【図7】図6に示す状態から挟み片間に雄端子を挿入した状態を示す断面図である。
【図8】図7に示す状態から取付用ボルトをねじ込んで挟み片間に雄端子を挟んだ状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す状態からボルトをねじ込んで挟み片を支持テーブルに固定した状態を示す断面図である。
【図10】図1に示されたフレッチング腐食試験装置の圧電振動子の断面図である。
【図11】図1に示されたフレッチング腐食試験装置の要部としての弾性連結部材などを示す斜視図である。
【図12】図11に示された弾性連結部材が取り付けられた状態の側面図である。
【図13】図11に示された弾性連結部材が取り付けられた状態の平面図である。
【図14】図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる雄端子を示す斜視図である。
【図15】図1に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる雌端子を示す斜視図である。
【図16】図14に示された雄端子と図15に示された雌端子とを接続しかつこれらの端子がハウジング内に収容された状態を示す断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態にかかるフレッチング腐食試験装置の概略の構成を示す説明図である。
【図18】図17に示されたフレッチング腐食試験装置で微摺動摩耗試験が行われる試験片を示す斜視図である。
【図19】図18に示された試験片が微摺動摩耗試験の際に互いに接触した状態を示す断面図図である。
【図20】図17に示されたフレッチング腐食試験装置の第1及び第2の固定具などを示す説明図である。
【図21】図20に示された第1の固定具と第2の固定具などを示す説明図である。
【図22】図20に示された第1の固定具と第2の固定具などを示す平面図である。
【図23】図20に示された第1の固定具を背面側からみた斜視図である。
【図24】図17に示されたフレッチング腐食試験装置の効果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フレッチング腐食試験装置
2 雄端子(雄型の端子金具、第1の端子金具)
3 雌端子(雌型の端子金具、第2の端子金具)
12 ベース(装置本体)
14 駆動部(駆動手段)
17 第1の固定具(第1の固定部)
18 第2の固定具(第2の固定部)
62 弾性連結部材
66 第1の連結部
67 第2の連結部
68 脆弱部
81 第1の試験片
82 第2の試験片
87 第1の固定具(第1の固定部)
90 第2の固定具(第2の固定部)
101 雌ハウジング(雌型のコネクタハウジング、第1のコネクタハウジング)
102 雄ハウジング(雄型のコネクタハウジング、第2のコネクタハウジング)
Claims (4)
- 第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容される第2の端子金具とを互いに接続して、これらの第1の端子金具と第2の端子金具とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、
装置本体と、
前記第1の端子金具を取り付ける第1の固定部と、
前記第2の端子金具を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、
前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、
前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとが嵌合して第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらのコネクタハウジングと端子金具とを合わせた弾性係数と同等の弾性連結部材と、
を備えたことを特徴とするフレッチング腐食試験装置。 - 第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具を模した第1の試験片と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容されかつ前記第1の端子金具と接続する第2の端子金具を模した第2の試験片とを接触させて、これらの第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、
装置本体と、
前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、
前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、
前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、
前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらの端子金具の弾性係数と同等の弾性連結部材と、
を備えたことを特徴とするフレッチング腐食試験装置。 - 第1のコネクタハウジング内に収容される第1の端子金具を模した第1の試験片と、前記第1のコネクタハウジングと嵌合する第2のコネクタハウジング内に収容されかつ前記第1の端子金具と接続する第2の端子金具を模した第2の試験片とを接触させて、これらの第1の試験片と第2の試験片とを相対的に移動させるフレッチング腐食試験装置において、
装置本体と、
前記第1の試験片を取り付ける第1の固定部と、
前記第2の試験片を取り付けるとともに前記装置本体に取り付けられた第2の固定部と、
前記第1の固定部を前記第2の固定部に接離させるとともに前記装置本体に取り付けられた駆動手段と、
前記駆動手段と第1の固定部とを連結するとともに、弾性係数が前記第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとが嵌合して第1の端子金具と第2の端子金具とが接続したときのこれらのコネクタハウジングと端子金具とを合わせた弾性係数と同等の弾性連結部材と、
を備えたことを特徴とするフレッチング腐食試験装置。 - 前記弾性連結部材は、前記駆動手段と固定される第1の連結部と、前記第1の固定部と固定される第2の連結部と、前記第1の連結部と第2の連結部との双方に連なっているとともに弾性変形可能な脆弱部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のフレッチング腐食試験装置。
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