JP5225284B2 - 電気機械変換素子の電気機械特性検査方法 - Google Patents

電気機械変換素子の電気機械特性検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電又は電歪アクチュエータ、超音波モータ及び圧電トランス等の電気機械変換機器に用いられるとともに電圧波形が印加されることによって機械変位を発生する圧電素子及び電歪素子等の電気機械変換素子について、その電気機械特性の良否を検査するための電気機械特性検査方法に関する。
一般に、「圧電又は電歪アクチュエータ、超音波モータ及び圧電トランス等の電気機械変換機器」に用いられる電気機械変換素子であって、電圧波形が印加されることによって機械振動を発生する圧電素子及び電歪素子等の電気機械変換素子(以下、単に「素子」とも称呼する。)は、その素子の電気機械的な共振周波数における交流アドミッタンスが大きいことが好ましい。
例えば、特開2004−266943号公報は、超音波モータ用の振動体を開示している。この振動体は、略長方形平板状の金属板と略長方形平板状の圧電素子とを貼り合わせた振動体であり、その縦振動と屈曲振動とが利用される。特開2004−266943号公報は、この振動体の縦横寸法比を調整することにより、「交流インピーダンスが所定値より小さくなる周波数領域」の幅が広い「超音波モータ」が提供されることを開示している。
交流インピーダンスは交流アドミッタンスの逆数である。従って、交流インピーダンスが小さいことは、交流アドミッタンスが大きいことと同義である。従って、一般に、このような電気機械変換素子の電気機械特性の良否の検査は、その素子の共振周波数を含む周波数範囲での交流アドミッタンスを測定することによって行われる。また、電気機械特性の良否を判定する指標値としては、共振周波数での交流アドミッタンス、その逆数である交流インピーダンス、及び、交流アドミッタンスの実数部である交流コンダクタンスなどが用いられている。
例えば、特開2003−168832号公報は、長方形平板状の圧電素子上に入力電極と出力電極を配置した圧電トランスの検査方法を開示している。この検査方法においては、圧電トランスを連続駆動した場合の温度上昇を推定するために、圧電素子の共振周波数における交流コンダクタンスが測定される。
更に、日本電子材料工業会標準規格 EMAS−6100「圧電セラミック振動子の電気的試験方法」は、圧電素子の電気機械特性の測定方法として、圧電セラミック振動子の交流アドミッタンスの周波数特性を測定し、測定により得られた周波数特性データに基づいて振動子の電気等価回路定数(C0、C1、R1、L1)と振動子の共振先鋭度Qとを算出する方法を開示している。
加えて、特開平10−115648号公報は、交流アドミッタンス円を最小二乗法によって求めることにより、水晶振動子などの圧電振動子の等価回路定数を精度良く算出する方法を開示している。
これらの従来の検査方法は、圧電又は電歪アクチュエータ、超音波モータ及び圧電トランス等の電気機械変換機器そのものについて(電気機械変換機器に組み込まれた状態における電気機械変換素子について)の電気機械特性の検査には適している。しかしながら、電気機械変換機器に組み込む前の電気機械変換素子単体の電気機械特性の検査においては、電気機械特性の良否を適切に判定できない問題があった。
より具体的に述べると、従来の検査方法においては、素子単体の電気機械特性値の測定値が測定毎に比較的大きく変動する。即ち、素子の電気機械特性値の「繰り返し測定再現性」が良好ではない。加えて、素子を電気機械変換機器に組み込む前後において、素子の電気機械特性値の測定値が比較的大きく変化する。即ち、素子単体における電気機械特性値の測定値と、素子を組み込んだ後の電気機械変換機器の特性と、の対応関係が良好ではない。
このため、従来の特性検査方法を用いると、振動特性が不良な素子(特性不良素子)を「不良である」と判定できず、特性不良素子をそのまま電気機械変換機器に組み付けてしまい、素子組み付け後の電気機械変換機器の特性を検査して初めて特性不良が判明する場合があった。その結果、電気機械変換機器の製造コストが増大するという問題があった。
更に、このような問題は、素子の表面に電極(電極端子)を配置した電気機械変換素子の特性検査において、素子表面に配置された電極に電気測定プローブを接触させて特性検査する場合に、特に顕著に発生することが判明した。
ところで、上記電気機械変換素子は、電気機械変換機器に組み込まれた後、その電気機械変換素子の共振周波数(又は共振周波数近傍の周波数)にて振動するように駆動される。しかしながら、電気機械変換素子は、電気機械変換機器に組み込まれた後、実質的に静的な変位をもたらす素子(準静的に駆動される素子)としても使用される。即ち、電気機械変換素子は、共振周期よりも非常に長い時間に渡って変化する電圧波形が印加され、その際に機械変位をもたらすための素子としても使用される。
特開2006−343222号公報は、このような準静的に駆動される電気機械変換素子の電気機械特性(変位特性)を検査する方法を開示している。具体的に述べると、特開2006−343222号公報に開示された電気機械変換素子は、支持部材に接着された状態にてアクチュエータとして使用される圧電素子である。開示された検査方法によれば単体の状態(支持部材に接着される前の状態)にある圧電素子に所定電圧が印加され、その圧電素子に蓄積される電荷量qが測定される。そして、電荷量qは変位量と所定の相関関係を有するとの知見に基き、その測定された電荷量qに基いて圧電素子の変位特性(圧電特性)が推定される。
更に、国際公開WO2005/104258号公報は、圧電/電歪アクチュエータを駆動させたときの周波数特性を測定し、その周波数特性から得られる「共振周波数、共振波形のピーク値の大きさ及び共振波形の面積等」に基いて「圧電/電歪アクチュエータの変位量」を推定することを開示している。
しかしながら、発明者の検討によれば、上記従来技術によって推定される変位量(変位特性)の精度は十分に高くないため、上記従来の特性検査方法を用いると、変位特性が不良な素子(特性不良素子)を「不良である」と判定できない場合があることが判明した。
更に、電気機械変換素子の変位量を「レーザー変位計等の光学機器」によって精密に測定する方法も知られている。しかなしながら、この方法は、測定に長時間を要するので、電気機械変換素子を量産する際の検査方法としては適切ではない。
このように、従来の検査方法は、「共振周波数にて振動させられる態様にて使用される電気機械変換素子」の電気機械特性のみならず、「準静的に使用される電気機械変換素子」の電気機械特性、更には、「共振周波数と異なる周波数にて振動させられる態様にて使用される電気機械変換素子」の電気機械特性、を評価する方法としても適当ではない。
本発明は、従来におけるこのような課題に対処するために成されたものである。即ち、本発明は、「圧電又は電歪アクチュエータ、超音波モータ、圧電トランス、液体噴射装置及びスイッチ等」の電気機械変換機器に用いられる素子であって、且つ、所定の波形を有する電圧が印加されることによって変位する「圧電素子及び電歪素子等の電気機械変換素子」の電気機械特性(振動特性又は変位特性)の良否を効率的且つ精度よく判定することができる検査方法(電気機械変換素子の電気機械特性検査方法)を提供することを一つの目的としている。
本発明者は、上記問題の発生原因を鋭意に調査した。その結果、本発明者は、電気機械変換素子が共振周波数にて振動させられる態様にて使用される素子である場合、電気機械変換機器に組み込む前の電気機械変換素子単体の特性値の「繰り返し測定再現性」が良好でないことは、特性検査時に素子を治具等で保持する際の保持状態のばらつきに起因することに気付いた。より具体的に述べると、電気機械変換素子は素子全体が振動するから、特性検査時において素子を保持するための治具は、その素子の振動をできるだけ阻害しない構造を採用している。ところが、素子を保持する部位が予定された部位から若干だけずれたり、素子を保持する力が予定された力から若干だけ乖離(強弱)したりすると、治具が素子の振動を阻害する度合が変化する。その結果、素子の特性検査測定値にばらつきが生じると考えられる。
更に、本発明者は、電気機械変換素子上に配置された電極に電気測定プローブを接触させて特性検査を行う場合、電気測定プローブも電気機械変換素子の振動に影響を及ぼすから、特性検査測定値のばらつきが更に顕著になると考えた。
加えて、本発明者は、電気機械変換機器に組み込む前の電気機械変換素子単体の特性検査測定値と、素子を組み込んだ後の電気機械変換機器の諸特性と、の間の対応関係が良好でないのは、素子単体の特性検査時における素子の保持状態が電気機械変換機器に組込んだ後の素子の保持状態と異なることに起因すると考えた。
本発明者は、電気機械変換素子を治具等で保持する際の保持状態のばらつきが電気機械変換素子の特性検査測定値にどのように影響を及ぼすかについて調査する中で、同一素子を治具に取り付けて交流アドミッタンスを測定することを繰り返し行うことにより、以下の知見を得た。
(1)共振周波数における交流アドミッタンスのピーク値(最大値)Ymax及び共振先鋭度Q(Q値)は、測定毎に比較的大きくばらつく。
(2)しかし、両者(ピーク値Ymax及び共振先鋭度Q)は略一定の比例関係にある。即ち、kを比例定数とした場合、Ymax=k・Qの関係が複数の測定間において略成立する。
更に、本発明者は、数個の素子について、素子単体の交流アドミッタンスの周波数特性を測定するとともに、素子単体の振動変位及びその素子を組み入れた超音波モータの回転速度を測定してみた。その結果、例えば、交流アドミッタンスのピーク値Ymaxと共振先鋭度Qとの間の比例係数k=Ymax/Qが大きい素子は、振動変位や回転速度が大きいということが判った。以上のことから、本発明者は、交流アドミッタンスのピーク値Ymax及び共振先鋭度Qは特性検査時における素子の保持状態によって変化するが、その比例係数k=Ymax/Qは素子ごとに固有であって、比例係数kは「素子の電気機械変換特性」を保持状態に依らず適切に表すとの知見を得た。また、発明者は、交流アドミッタンスのピーク値Ymaxのみならず、交流コンダクタンスのピーク値及び交流インピーダンスの位相のピーク値等の値であって、交流アドミッタンスの周波数特性の測定結果に基づいて得られる「共振周波数において最大となる電気的特性値Amax(特性最大値Amax、特性ピーク値)」をQ値で除した値(k=Amax/Q)も、素子ごとに固有であって、その値kは「素子の電気機械変換特性」を保持状態に依らず適切に表すとの知見を得た。
更に、発明者は、電気機械変換素子が準静的な変位をもたらすように使用される素子である場合、及び、電気機械変換素子が共振周波数とは異なる周波数にて振動させられる態様にて使用される素子である場合、「それらの素子に所定の電圧を印加した場合の変位量D」と「それらの素子の共振周波数において最大となる電気的特性値AmaxをQ値で除した値(k=Amax/Q)」とは極めて良好な相関関係を有するとの知見を得た。
係る知見に基づいて成された本発明による検査方法は、「電気機械変換機器に適用される」とともに「所定の波形を有する電圧(電圧波形)が(少なくとも一対の)電極を介して印加されることによって機械変位を発生する」電気機械変換素子の電気機械特性検査方法であり、以下のステップを含む。
(1)前記電気機械変換素子を保持治具によって保持する第1ステップ(素子保持ステップ)、
(2)前記電気機械変換素子の前記電極を交流アドミッタンス測定器に電気的に接続し、「前記電気機械変換素子の共振周波数を含む周波数範囲」で「前記電極間の交流アドミッタンスの周波数特性を表す交流アドミッタンス周波数特性データ」を測定する第2ステップ(交流アドミッタンス周波数特性測定ステップ)、
(3)前記第2ステップにおいて測定した交流アドミッタンス周波数特性データに基づいて共振周波数にて最大となる電気的特性値のピーク値(特性最大値)Amaxと共振先鋭度Qとを取得する第3ステップ(データ解析ステップ)、
(4)前記第3ステップにて取得された電気的特性値のピーク値Amaxを前記第3ステップにて取得された共振先鋭度Qで除算した値Amax/Q(即ち、前記比例係数k)を用いて前記電気機械変換素子の電気機械特性検査を実施する第4ステップ(検査ステップ)。
なお、第4ステップの「値Amax/Qを用いる」ことには「値Q/Amax」を用いることも当然に含まれる。また、第1ステップの「保持する」ことには基台等の上部に電気機械変換素子を載置することも含まれる。
この特性検査方法によれば、素子毎に固有であって測定毎のばらつきが小さい「値Amax/Q」に基づいて電気機械変換素子の電気機械特性検査が行われる。従って、電気機械変換素子の電気機械特性(振動特性又は変位特性)の良否を、精度良く且つ繰り返し再現性が高く判定することができる。更に、値Amax/Qは、素子を組付けた後の電気機械変換機器の電気機械変換特性と良好な対応関係を示す「素子に固有の電気機械特性の測定値」であるので、その素子を電気機械変換機器に組付ける前に、その素子が機器に組み込まれた場合の電気機械特性の良否を正確に検査することもできる。
なお、本発明において、「前記第2ステップにおける上記交流アドミッタンス特性を測定する際の共振周波数」は以下に述べるように選択されることが望ましい。
一般に電気機械変換素子は、複数の共振モードを有する。即ち、電気機械変換素子は複数の共振周波数を有し、ある共振周波数にて振動している場合と他の共振周波数にて振動している場合とでは互いに異なる振動形態にて振動する。そこで、上記共振周波数は、電気機械変換素子が電気機械変換機器に組み込まれた後の使用周波数に応じて、以下のように選択されることが望ましい。
(a)電気機械変換機器に組み込まれた後に共振周波数(便宜上「駆動共振周波数」と称呼する。)にて駆動される素子の場合、上記交流アドミッタンス特性を測定する際の共振周波数はその駆動共振周波数であることが好ましい。
(b)電気機械変換機器に組み込まれた後に共振周波数とは異なる周波数で駆動される素子の場合、上記交流アドミッタンス特性を測定する際の共振周波数は「振動形態が似通った共振モードの共振周波数(即ち、実際に電気機械変換素子が使用される際の駆動周波数に最も近い共振周波数)」であることが好ましい。
(c)電気機械変換機器に組み込まれた後に準静的に駆動される素子の場合、上記交流アドミッタンス特性を測定する際の共振周波数は「振動形態が似通った共振モードの共振周波数(即ち、実際に電気機械変換素子が使用される際の駆動周波数に最も近い共振周波数)」であることが好ましい。なお、この場合、一般には、最も低い共振周波数における振動形態が準静的駆動時の振動形態と最も似通っている。
一方、前述したように、交流アドミッタンス周波数特性データに基づいて取得される「電気的特性値」は、「交流アドミッタンス」、「交流コンダクタンス」及び「交流インピーダンスの位相」等を含む。これらのうち、交流コンダクタンスのピーク値を「共振周波数にて最大となる電気的特性値(電気的特性値の最大値)Amax」として用いた場合、前記値Amax/Qと、素子を電気機械変換機器に組付けた後の同機器の特性と、の対応が非常に良好になる。従って、交流コンダクタンスは、前記電気的特性値として特に好ましい。即ち、前記電気的特性値のピーク値Amaxとして交流コンダクタンスのピーク値Gmaxを採用することが特に好適である。
「共振周波数で最大となる電気的特性値」として交流コンダクタンスのピーク値Gmaxを用いる場合、前記交流コンダクタンスのピーク値Gmaxを、交流アドミッタンス円の直径1/R1を算出することにより求めることが好適である。これにより、「繰り返し測定再現性」が更に良くなるからである。
なお、本発明の電気機械特性検査方法の適用対象となる電気機械変換素子は、所定の波形を有する電圧が印加されることによって機械変位を発生する素子であればよく、その機械変位を発生する原理は限定されない。このような電気機械変換素子として、例えば、圧電素子、電歪素子及び磁歪素子等を挙げることができる。また、本発明の電気機械特性検査方法の適用対象となる電気機械変換素子は、単板型、積層型、基板上に圧電膜が形成されてなる素子(バイモルフ型アクチュエータやダイアフラム構造を有するアクチュエータ等として機能する素子)であってもよい。
ところで、電気機械変換素子の電気機械変換特性は、上記交流アドミッタンス周波数特性に代え、素子の振動変位周波数特性を測定することによっても得ることができる。更に、本発明者は、電気機械変換素子の振動変位周波数特性の良否判定についても、交流アドミッタンス周波数特性の良否判定と同様に、振動変位のピーク値Dmaxを共振先鋭度Qで除算した値Dmax/Qを素子の良否判定のための評価指標値として用いれば、測定時における素子の保持状態の影響を受けることなく、素子の良否判定を精度良く行うことができるとの知見を得た。
そこで、本発明は、
「電気機械変換機器に適用されるとともに所定の波形(例えば、振動波形)を有する電圧が電極を介して印加されることによって機械変位(例えば、機械振動)を発生する電気機械変換素子」の電気機械特性検査方法であって、
前記電気機械変換素子を保持治具によって保持する第5ステップ(保持ステップ)と、
前記電気機械変換素子の前記電極を周波数特性測定器に電気的に接続し、前記電気機械変換素子の共振周波数を含む周波数範囲で前記電極間の振動変位特性を表す振動変位周波数特性データを測定する第6ステップ(振動変位特性測定ステップ)と、
前記第6ステップにおいて測定した振動変位周波数特性データに基づいて共振周波数にて最大となる振動変位の振幅のピーク値Dmaxと共振先鋭度Qとを取得する第7ステップ(データ解析ステップ)と、
前記第7ステップにて取得された振幅のピーク値Dmaxを前記第7ステップにて取得された共振先鋭度Qで除算した値Dmax/Qを用いて前記電気機械変換素子の電気機械特性検査を実施する第8ステップ(検査ステップ)と、
を含む電気機械特性検査方法を提供する。
なお、第8ステップの「値Dmax/Qを用いる」ことには「値Q/Dmax」を用いることも当然に含まれる。
この検査方法によっても、素子の電気機械特性の良否を、精度良く且つ繰り返し再現性が高く判定することができる。
図1は、本発明による電気機械特性検査方法が適用される電気機械変換素子の一例を示す4面図であり、(A)はその平面図(上面図)、(B)はその正面図、(C)はその裏面図、(D)はその側面図である。
図2は、図1に示した電気機械変換素子の積層構造を示す斜視図である。
図3は、図1に示した電気機械変換素子の保持治具の第1の例を示す3面図であり、(A)はその平面図(上面図)、(B)はその正面図、(C)は結合部を除いた状態におけるその保持治具の側面図である。
図4は、図1に示した電気機械変換素子の保持治具の第2の例を示す3面図であり、(A)はその平面図(上面図)、(B)はその正面図、(C)は結合部を除いた状態におけるその保持治具の側面図である。
図5は、本発明による電気機械変換素子の電気機械特性検査方法の工程の流れを示すフローチャートである。
図6は、電気機械変換素子(第1素子)についてのアドミッタンスの周波数特性測定結果を示すグラフであり、(A)は周波数に対してアドミッタンスをプロットしたグラフであり、(B)は周波数に対してアドミッタンスの位相をプロットしたグラフである。
図7は、電気機械変換素子(第1素子)についてのアドミッタンスの周波数特性測定結果を示すグラフであり、(A)は周波数に対してコンダクタンスをプロットしたグラフであり、(B)は周波数に対してサセプタンスをプロットしたグラフであり、(C)はコンダクタンス及びサセプタンスをそれぞれ横軸及び縦軸にプロットしたグラフである。
図8は、電気機械変換素子(第2素子)についてのアドミッタンスの周波数特性測定結果を示すグラフであり、(A)は周波数に対してアドミッタンスをプロットしたグラフであり、(B)は周波数に対してアドミッタンスの位相をプロットしたグラフである。
図9は、電気機械変換素子(第2素子)についてのアドミッタンスの周波数特性測定結果を示すグラフであり、(A)は周波数に対してコンダクタンスをプロットしたグラフであり、(B)は周波数に対してサセプタンスをプロットしたグラフであり、(C)はコンダクタンス及びサセプタンスをそれぞれ横軸及び縦軸にプロットしたグラフである。
図10は、電気機械変換素子(第1素子)の電気的等価回路図である。
図11は、電気機械変換素子(第2素子)の電気的等価回路図である。
図12は、電気機械変換素子の振動変位の周波数特性の測定系の例を示すブロック図である。
図13は、電気機械変換素子の振動変位の周波数特性の測定方法の例を示す模式図である。
図14は、電気機械変換素子についての振動変位の周波数特性測定結果の一例を示すグラフであり、(A)は周波数に対して変位(振幅)をプロットしたグラフであり、(B)は周波数に対して変位の位相をプロットしたグラフである。
図15は、電気機械変換素子についての振動変位の周波数特性測定結果の一例を示すグラフであり、(A)及び(B)は、図14の(A)及び(B)に示したデータに基づいて換算された「振動変位の余弦成分」及び「振動変位の正弦成分」を周波数fに対してそれぞれプロットしたグラフであり、(C)は「振動変位の余弦成分」及び「振動変位の正弦成分」をそれぞれ横軸及び縦軸にプロットしたグラフである。
図16は、図1に示した電気機械変換素子が適用された超音波モータの一例を示す同超音波モータの正面図である。
図17は、電気機械変換素子のアドミッタンスの共振先鋭度と各特性ピーク値との相関プロットの例であり、(A)は共振先鋭度及びアドミッタンスのピーク値、(B)は共振先鋭度及びコンダクタンスのピーク値、(C)は共振先鋭度及びサセプタンスの最大・最小差、(D)は共振先鋭度及びアドミッタンス円の直径、をプロットしたグラフである。
図18は、電気機械変換素子のアドミッタンスの各特性ピーク値と変位特性測定値の2乗との相関プロットの例であり、(A)はコンダクタンスのピーク値及び変位特性測定値の2乗、(B)はアドミッタンス円の直径及び変位特性測定値の2乗、(C)はコンダクタンスのピーク値を共振先鋭度で除した値及び変位特性測定値の2乗、(D)はアドミッタンス円の直径を共振先鋭度で除した値及び変位特性測定値の2乗、をプロットしたグラフである。
図19は、電気機械変換素子のアドミッタンス特性測定値と超音波モータの回転速度特性の相関プロットの例であり、(A)はコンダクタンスピーク値及び回転速度の2乗、(B)はアドミッタンス円の直径及び回転速度の2乗、(C)はコンダクタンスピーク値を共振先鋭度で除した値及び回転速度の2乗、(D)はアドミッタンス円の直径を共振先鋭度で除した値及び回転速度の2乗、をプロットしたグラフである。
図20は、本発明による電気機械特性検査方法が適用される他の電気機械変換素子の一例を示す3面図であり、(A)はその平面図(上面図)、(B)はその正面図、(C)はその側面図である。
図21は、図20に示した電気機械変換素子の積層構造を示す斜視図である。
図22は、図20に示した電気機械変換素子の保持治具の例を示す4面図であり、(A)はその平面図(上面図)、(B)はその正面図、(C)はその裏面図、(D)は結合部を除いた状態におけるその保持治具の側面図である。
図23は、図20に示した電気機械変換素子の変位(準静的変位特性データ)を測定する方法の例を示す模式図である。
図24は、図20に示した電気機械変換素子の変位(準静的変位特性データ)を測定するための測定系の例を示すブロック図である。
図25の(A)は、図20に示した電気機械変換素子の「アドミッタンス円の直径」と「変位量の2乗」との関係をプロットしたグラフであり、図25の(B)は、図20に示した電気機械変換素子の「アドミッタンス円の直径を共振先鋭度で除算した値」と「変位量の2乗」との関係をプロットしたグラフである。
図26は、支持部と振動部とを分離した状態における「更に別の電気機械変換素子」の斜視図である。
図27は、図26に示した1−1線に沿った平面にて電気機械変換素子を切断した断面図である。
図28は、図26に示した2−2線に沿った平面にて電気機械変換素子を切断した断面図である。
図29は、図26乃至図28に示した電気機械変換素子の「交流アドミッタンス周波数特性データ」を測定する際に使用する保持治具、及び、その保持治具による電気機械変換素子の保持状態を示した図である。
図30は、図26乃至図28に示した電気機械変換素子の「準静的変位特性データ」を測定する際に使用する保持治具、及び、その保持治具による電気機械変換素子の保持状態を示した図である。
図31は、図26乃至図28に示した電気機械変換素子の「準静的変位特性データ」を測定する際に、電気機械変換素子に印加される駆動電圧及び測定された変位を示したタイムチャートである。
図32の(A)は、図26乃至図28に示した電気機械変換素子のアドミッタンス円の直径と変位量の2乗との関係を示したグラフであり、図32の(B)は、図26乃至図28に示した電気機械変換素子の「アドミッタンス円の直径を共振先鋭度で除算した値」と変位量の2乗との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明による電気機械特性検査方法は、様々な設計の電気機械変換素子に適用可能である。本発明による電気機械特性検査方法は、特に、電気機械特性測定時に電気測定プローブ(例えば、針状の測定端子)を接触させる電極(電極端子)が素子表面上に配置された電気機械変換素子に対して適用すると、更に顕著な効果を発揮する。図1及び図2に示した電気機械変換素子10は、このような電気機械変換素子の一例である。図1は、電気機械変換素子10の外観を示す4面図であり、図2は、電気機械変換素子10の積層構成を示す分解斜視図である。
電気機械変換素子10は、膜状の2種類の内部電極14a及び14bにより挟まれた層状の圧電体10aを複数枚積層してなる積層型圧電素子である。素子10の上面には上部電極(電極端子)11a及び11bが、側面には側面電極12a及び12bが、底面には下部電極13a及び13bが形成されている。上部電極11a、内部電極14a及び下部電極13aは、側面電極12aによって互いに電気的に接続されている。上部電極11b、内部電極14b及び下部電極13bは、側面電極12bによって互いに電気的に接続されている。
素子10は、上部電極11aと上部電極11bとの間に電圧を印加すると、逆圧電効果によって厚さ方向(高さH方向)に伸び、長さ方向(L方向及びW方向)に縮むように、機械変形する。従って、上部電極11aと上部電極11bとの間の「交流アドミッタンスの周波数特性」をネットワークアナライザやインピーダンスアナライザ等によって測定することにより、長さ方向及び厚さ方向の共振周波数や共振先鋭度(Q値)、交流コンダンクタンスG及び交流サセプタンスB等の電気機械特性値を測定することができる。
本発明による電気機械特性検査方法では、様々な設計の保持治具を用いることができる。しかしながら、電気機械変換素子を保持することは、その電気機械変換素子の振動状態へ影響を及ぼす。従って、そのような振動状態への影響を小さくするために、電気機械変換素子への接触が少ない保持治具が好ましい。図3に示した保持治具20は、そのような保持治具の第1の例である。
この保持治具20は、電気機械変換素子10の同一平面(上面)上に配設された2つの電極11a・11bに接触する2つの測定端子(電気測定プローブ)21a・21bと、電極11a・11bの配設面と対向する面(下面)に接触して電気機械変換素子10を支持する支持部材22と、測定端子21a・21bを保持する測定端子保持部23と、支持部材22を保持する支持部材保持部24と、測定端子保持部23と支持部材保持部24とを機械的に結合する結合部25a・25bとを備えている。保持治具20は、これらの部材を用いて、電気機械変換素子10を保持するとともに、測定端子21a・21bを介して電極11a・11bから2つの電気配線を取り出すように構成されている。即ち、測定端子21a・21bの素子10に接触しない側の端部には、後述する電気計測器へと繋がる電気配線が接続される。
図4に示した保持治具20’は、素子10の振動状態への影響を小さくするように素子10を保持することができる治具の第2の例である。保持治具20’は、保持治具20の支持部材22及び支持部材保持部24に代わる台座26を備えている。保持治具20’は、この台座26により素子10の電極11a・11bの配設面(上面)と対向する面(下面)全体を支持するように構成されている点のみにおいて、保持治具20と相違している。
本発明の実施形態に係る「電気機械変換素子の電気機械特性検査方法」の工程(ステップ)の流れを図5に示す。この電気機械特性検査方法においては、先ず、ステップ1において電気機械変換素子10を保持治具により保持し、ステップ2において電気機械変換素子10の電極を交流アドミッタンス測定器に電気的に接続してから電気機械変換素子10の交流アドミッタンスの周波数特性を測定して交流アドミッタンス周波数特性データを取得し、ステップ3においてその測定データから特性ピーク値(特性最大値)Amaxと共振先鋭度Qを算出し、ステップ4において特性ピーク値Amaxを共振先鋭度Qで除算した値k(=Amax/Q)を評価指標値として用いながら素子10の良否を判定する(素子10の電気機械特性の良否を判定する。)。
上記ステップ1における電気機械変換素子10の保持方法は、特に限定されず、従来技術による保持方法を適用することができる。但し、電気機械変換素子10の振動状態に大きな影響を与えないようにするため、前述した保持治具20及び20’のように素子10との接触が少ない保持治具を用いて素子10を保持することが好ましい。
上記ステップ2における電気機械変換素子10の交流アドミッタンスの周波数特性の測定方法は、特に限定されず、例えば、ネットワークアナライザやインピーダンスアナライザ等の周波数特性測定器を用いた従来技術の方法であれば良い。
ある電気機械変換素子10(便宜上「第1素子」と称呼する。)の交流アドミッタンスの周波数特性の測定結果を図6及び図7に、別の電気機械変換素子10(便宜上「第2素子」と称呼する。)の交流アドミッタンスの周波数特性の測定結果を図8及び図9に示す。図6及び図7から理解されるように、第1素子は測定周波数範囲内で1つの共振ピークを有する。図8及び図9から理解されるように、第2素子は測定周波数範囲内で2つの共振ピークを有する。
交流アドミッタンス特性(交流アドミッタンスの周波数特性)は、良く知られているように、アドミッタンスの振幅と位相とから成る一組のデータの群によって表現することができ、或は、アドミッタンスの余弦成分であるコンダクタンスと正弦成分であるサセプタンスとから成る一組のデータの群によって表現することもできる。これらの両データは、互いに換算することができる。図7は図6に示されたアドミッタンスの振幅と位相とからなるデータをコンダクタンスとサセプタンスとからなるデータに換算した結果をプロットしたグラフである。図9は図8に示されたデータを同様に換算してプロットしたグラフである。
電気機械変換素子の共振周波数付近での交流アドミッタンス特性は、良く知られているように、電気的等価回路により表現することができる。そのような等価回路の回路図の例を図10及び図11に示す。図10は共振ピークを1つだけ有する第1素子の等価回路図であり、図11は共振ピーを2つ有する第2素子の等価回路図である。
上記ステップ3において、交流アドミッタンスの周波数特性についての測定データから「特性ピーク値Amax及び共振先鋭度Q」を算出する方法は、特に限定されず、従来技術の方法であればよい。特性ピーク値Amaxとして、交流アドミッタンスのピーク値、交流コンダクタンスのピーク値及び交流インピーダンス位相のピーク値等を好適に使用することができる。特に、交流コンダクタンスのピーク値を特性ピーク値Amaxとして用いることが好ましい。これは、「交流コンダクタンスのピーク値を共振先鋭度により除した値」と「電気機械変換素子を組付けた後の電気機械変換機器の特性」と間の対応が特に良好だからである。
特性ピーク値Amaxとして交流コンダクタンスGのピーク値Gmaxを用いる場合、そのピーク値Gmaxの算出方法として以下に掲げる値を使用することができる。
(A)交流コンダクタンスGの測定値のうちのピーク値(最大値)。
(B)交流サセプタンスBの測定値のうちの最大値Bmaxと最小値Bminとの差(Bmax−Bmin)。
(C)X軸を交流コンダクタンスGとしY軸を交流サセプタンスBとするグラフ上に「交流コンダクタンスGの測定値及び交流サセプタンスBの測定値」からなるデータをプロットすることにより得られる「交流アドミッタンス円」の直径1/R1。
この場合、交流コンダクタンスGのピーク値Gmaxとして、交流アドミッタンス円の直径1/R1を用いると、繰り返し測定再現性が更に良くなる。交流アドミッタンス円の直径1/R1は、「円プロットデータに円をフィッティングする」最小2乗法等の既知の計算方法によって算出(取得)することができる。
交流アドミッタンスの周波数特性についての測定データ(交流アドミッタンス周波数特性データ)から共振先鋭度Qを算出する場合、共振周波数f0を交流コンダクタンスGのピーク半値幅(交流コンダクタンスGがそのピーク値Gmaxの半値(0.5Gmax)となる二つの周波数f1,f2の差(f2−f1、f2>f1))で除算する既知の方法が適用できる。また、周波数特性測定データは、通常、所定の周波数ステップごとの離散データである。従って、その周波数ステップ間の値について補間計算(周波数データ補間)を行い、それにより周波数ステップよりも細かい精度で算出された共振周波数f0とピーク半値幅(f2−f1)とを用いてQ値を計算することが、Q値の分解能を高める上で好ましい。
特性ピーク値Amaxを共振先鋭度Qで除算した値Amax/Qを評価指標値として使用して電気機械変換素子の良否(特性の良否)を判定するとは、この除算した値Amax/Qが所定の範囲内にあるか否かに応じて良否判定することを意味する。即ち、値Amax/Qが所定の範囲内にあれば電気機械変換素子は良好な素子であると判定され、値Amax/Qが所定の範囲内になければ電気機械変換素子は良好でない素子であると判定される。通常、値Amax/Qが大きいほど電気機械変換効率が大きい。従って、値Amax/Qが大きくなるほど好ましい特性を有する素子であると判断できる。そのため、値Amax/Qに対して下限値を設定し、値Amax/Qがその下限値以上である電気機械変換素子は特性が良好であると判定すればよい。
一方、電気機械変換素子の用途によっては、電気機械変換(変換効率)が大き過ぎると不都合が生じる場合がある。このような場合、値Amax/Qに対して更に上限値を設定し、値Amax/Qがその上限値以下である電気機械変換素子は特性が良好であると判定してもよい。即ち、値Amax/Qに対する下限値のみならず上限値をも、電気機械変換素子の良否判定条件に加えることができる。
また、電気機械変換素子の用途によっては、電気機械変換素子が本来の用途に用いる「主共振」とは別の「寄生共振」を有する素子である場合、その寄生共振が本来の用途に悪影響を及ぼす場合がある。このような電気機械変換素子は、図8及び図9に示したように、共振ピーク点を2箇所に有する交流アドミッタンス特性を示す。従って、主共振及び寄生共振の各々について値Amax/Qを算出し、各々の共振についての値Amax/Qに対する良否判定条件を設定することが好ましい。これにより、電気機械変換素子の良否をより適切に判定することができる。この場合、例えば、主共振の値Amax/Qが所定の下限値以上であり、且つ、寄生共振の値Amax/Qが所定の上限値以下である素子を良品とすれば良い。
このように、特性ピーク値Amaxを共振先鋭度Qで除算した値Amax/Q(又はその逆数である値Q/Amax)を性能指標値として用いると、測定時の電気機械素子の保持状態による測定結果のばらつきの影響を小さくすることができる。また、電気機械変換素子が実際に機器に組み込まれた際、測定時とは異なった状態で保持されたとしても、値Amax/Qはその機器の性能と強い相関を示す。これらのことから、値Amax/Qを性能指標値として用いれば、電気機械変換機器に組み込まれる予定の電気機械素子単体の良否を良好に判定することできる。これは、特性ピーク値Amaxの測定値及び共振先鋭度Qの測定値は、電気機械変換素子が保持されている状態によって影響を受けて変動するのに対し、特性ピーク値Amaxの測定値を共振先鋭度Qの測定値で除した値Amax/Qは、電気機械変換の保持状態の影響を受け難く、電気機械変換素子の本来的な電気機械変換性能を示すからであると考えられる。
ところで、電気機械変換素子の電気機械変換特性を直接測定する方法として、振動変位(振動変位特性、振幅特性)を測定する方法が存在する。振動変位特性は、例えば、レーザードップラー振動計と周波数特性測定器とを用いることにより測定することができる。図12は振動変位測定系のブロック図の一例を、図13は振動変位測定方法の一例を示す図である。
図12に示した例は、周波数特性測定器31からの周波数掃引信号Voutを電力増幅器32を介して電気機械変換素子10に電圧Vinとして印加すると同時に、素子10の振動速度をレーザードップラー振動計33により測定し(振動速度の信号Svを得て)、印加電圧Vinと振動速度の信号Svとを周波数特性測定器31によって測定することにより、素子10の振動変位特性を周波数掃引測定している。なお、破線LBはレーザー光線を表している。
図13に示した例においては、図3に示した保持治具20と同様な保持治具によって電気機械変換素子10を保持するとともに、素子10の上部電極(電極端子)11a・11bをプロービングしながら(即ち、測定端子21a・21bを電極11a・11bに接触させながら)素子10の長手方向(紙面上下方向、L方向)の振動速度をレーザードップラー振動計33によって測定している。なお、素子10のレーザードップラー振動計33に対向する面には、後述する超音波モータのロータに接触する接触部材41が設けられている。また、破線LBはレーザー光線を表している。
このようにして測定した電気機械変換素子の振動変位特性の測定結果(振動変位周波数特性データ)の例を図14及び図15に示す。図14の(A)は振動変位(振幅D)を周波数fに対してプロットしたグラフであり、図14の(B)は振動変位の位相θを周波数fに対してプロットしたグラフである。図15の(A)及び(B)は、図14の(A)及び(B)に示したデータに基づいて換算された「振動変位(振幅D)の余弦成分」及び「振動変位(振幅)Dの正弦成分」を周波数fに対してそれぞれプロットしたグラフである。図15の(C)はX軸を振動変位(振幅)Dの余弦成分としY軸を振動変位(振幅)Dの正弦成分とするグラフ上に上記データをプロットすることにより得られたグラフである。なお、図14及び図15に示した例においては、測定周波数範囲で共振ピークが1つだけ存在している。
このようにして測定した電気機械変換素子の振動変位特性の良否判定を行う場合についても、交流アドミッタンスの良否判定を行う場合と同様、振幅Dのピーク値(最大値)Dmaxを共振先鋭度Qで除算した値Dmax/Qを評価指標値として用いることが好適である。発明者による実験によれば、値Dmax/Qは、測定時における素子の保持状態の影響を受け難いことが判明したからである。この場合、共振先鋭度Qは、振幅Dの共振周波数fnを振幅Dの正弦成分のピーク半値幅(f2−f1、f2>f1、即ち、振幅Dの正弦成分がそのピークVmaxの半値(0.5Vmax)となる二つの周波数f1,f2の差)で除算することにより得られる(図15の(B)を参照。)。
振幅Dのピーク値Dmaxと共振先鋭度Qは、交流アドミッタンスの特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Qとを算出した場合と同様、最小2乗法による円フィッティング及び周波数ポイント間の補間計算を用いた方法により求めることが望ましい。これにより、より精度が高く且つ、繰り返し再現性がより良好なピーク値Dmax及び共振先鋭度Qが得られる。
このように、本発明の実施形態の他の一つは、電気機械変換機器に適用されるとともに所定の振動波形を有する電圧が電極11a・11bを介して印加されることによって機械振動を発生する電気機械変換素子10の電気機械特性検査方法であって、
前記電気機械変換素子10を保持治具20,20’等によって保持する第5ステップと、
前記電気機械変換素子10の前記電極11a・11bを周波数特性測定器31に電気的に接続し、前記電気機械変換素子10の共振周波数を含む周波数範囲で前記電極11a・11b間の振動変位特性を表す振動変位周波数特性データを測定する第6ステップと、
前記第6ステップにおいて測定した振動変位周波数特性データに基づいて共振周波数にて最大となる振動変位の振幅のピーク値Dmaxと共振先鋭度Qとを取得する第7ステップと、
前記第7ステップにて取得された振幅のピーク値Dmaxを前記第7ステップにて取得された共振先鋭度Qで除算した値Dmax/Qを用いて前記電気機械変換素子10の電気機械特性検査を実施する第8ステップと、
を含む。
ところで、電気機械変換素子10の電気機械変換機器への適用例の1つとして、図16に示したような超音波モータ40を挙げることができる。超音波モータ40に使用される電気機械変換素子10は、その先端に接触部材41が取り付けられる。そして、超音波モータ40は、その素子10に固定された接触部材41を、シャフト(回転軸部)42に回転可能に支持されたロータ43に押し当てる構造を備える。この超音波モータ40は、所謂「ウッドペッカー型の超音波モータ」である。超音波モータ40においては、電気機械変換素子10に対し、その長手方向の伸縮共振周波数付近の駆動信号(即ち、所定の振動波形を有する電圧)を印加し、素子10に長手方向の伸縮振動を発生させる。これにより、接触部材41がロータ43を斜めに突き、その結果、ロータ43が回転する。
図1及び図2に示したような電気機械変換素子10を、図3に示したような保持治具20を用いて保持するとともに、素子10の表面に配設された上部電極11a・11bに測定端子21a・21bを接触させ、素子10の交流アドミッタンス特性を示す測定データ(交流アドミッタンス周波数特性データ)をネットワークアナライザを用いて周波数掃引測定することにより取得し、その測定された特性データから特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Q等の値を求める測定を、同一の素子10について10回繰り返した。この測定に使用された素子10は、1層の厚みが約60μmのPZT圧電体を上述した電極14a・14bを介して積層した素子であり、その長さLは5mm、幅Wは1.5mm、厚さHは1.5mmである。
このようにして得た10回の測定結果を表1及び表2に示す。表1は、交流アドミッタンスの1回ずつの周波数特性測定データから円フィッティング及び周波数データ補間を用いることなく取得した(即ち、補間計算を行うことなく、得られた測定値そのものに基づいて求めた)「共振先鋭度Q(Q値)」、「交流アドミッタンスのピーク値Ymax」、「コンダクタンスのピーク値Gmax」及び「サセプタンスBの最大値B2と最小値B1との差(B2−B1)」の一覧表である。
表2は、表1に示したデータと同一である「交流アドミッタンスの1回ずつの周波数特性測定データ」から、円フィッティング及び周波数データ補間を実行することにより算出した「共振先鋭度Q(Q値)」と「アドミッタンス円の直径1/R1」の一覧表である。表1及び表2には、10回の測定値の平均値、標準偏差及び変動比が合わせて掲載されている。ここで、変動比は、標準偏差を平均値で除算した値である。変動比は、繰り返し測定ばらつきの程度を相対的に示す値である。
Figure 0005225284
Figure 0005225284
表1及び表2に示されたように、交流アドミッタンスのピーク値Ymax、コンダクタンスのピーク値Gmax、サセプタンスの最大最小差(B2−B1)及びアドミッタンス円の直径1/R1の4つの測定値は、それぞれ24%程度の変動比を持っている。これに対し、その4つの測定値の各々をQ値で除算した値の変動比は、3〜6%程度であって相対的に極めて小さい。このことから、4つの測定値の各々をQ値で除算した値(Ymax/Q、Gmax/Q、(B2−B1)/Q、1/(Q・R1))は、繰り返し測定再現性が良好であることが理解される。これらの値の中でも「円フィッティングと周波数データ補間」を使用して算出した値(1/(Q・R1))は、その変動比が3%程度と非常に小さく、繰り返し測定再現性が非常に良い。
図17は、表1及び表2に示したデータに基づくグラフであって、Q値と交流アドミッタンスのピーク値Ymax等との相関プロット図である。図17から、Q値と交流アドミッタンスのピーク値Ymaxとが略比例関係にあることが判る。特に、図17の(D)から、円フィッティングと周波数データ補間とを用いて算出したQ値とアドミッタンス円の直径1/R1とは、非常に高い相関関係(明瞭な比例関係)にあることが理解される。これらのことは、Q値及びアドミッタンスのピーク値Ymaxのそれぞれは、素子の保持状態の影響を受けて変化するが、その比例係数k=1/(Q・R1)は素子ごとに固有であることを示している。
図1及び図2に示したような電気機械変換素子10を10個用意し、それらの各素子を図3に示したような保持治具20を用いて保持するとともに、各素子10の表面に配設された上部電極11a・11bに測定端子21a・21bを接触させ、各素子10の交流アドミッタンス特性を示す測定データ(交流アドミッタンス周波数特性データ)をネットワークアナライザを用いて周波数掃引測定することにより取得し、その測定された特性データから各素子10の特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Q等の値を求めた。その後、図12及び図13に示したような方法により、同じ10個の素子10それぞれの振動変位特性(振動変位周波数特性データ)も測定した。各素子10は、1層の厚みが約60μmのPZT圧電体を上述した電極14a・14bを介して積層した素子であり、その長さLは5mm、幅Wは1.5mm、厚さHは1.5mmである。
10個の素子10の交流アドミッタンス周波数特性データから、円フィッティング及び周波数データ補間を用いることなく(即ち、補間計算を行うことなく、得られた測定値そのものに基づいて)コンダクタンスピーク値Gmax及び共振先鋭度Qを取得し、更に、円フィッティング及び周波数データ補間を用いてアドミッタンス円の直径1/R1及び共振先鋭度Qを算出した。また、変位の周波数特性データ(振動変位周波数特性データ)から、円フィッティング及び周波数データ補間を用いて変位円の直径Dmax及び共振先鋭度Qを算出した。このようして得られた10組のデータ群に基づいて、Gmax、Gmax/Q、1/R1及び1/(Q・R1)からなる4つのアドミッタンス特性測定値のそれぞれにつき、変位特性測定値Dmax/Qの2乗との相関係数を算出した。結果を表3及び図18に示す。図18は、表3に示したアドミッタンス特性と変位特性(振動変位特性)との相関を示すプロット図である。
Figure 0005225284
表3に示したように、コンダクタンスピーク値Gmax及びアドミッタンス円の直径1/R1は、変位特性測定値Dmax/Qの2乗との相関係数が40%程度と低く、変位特性測定値Dmax/Qの2乗との相関が良好ではない。これに対して、コンダクタンスピーク値Gmax及びアドミッタンス円の直径1/R1のそれぞれを共振先鋭度Qで除算した値(Gmax/Q、1/(Q・R1))は、変位特性測定値Dmax/Qの2乗との相関係数が75〜90%程度となり、変位特性測定値Dmax/Qの2乗との相関性が良好である。特に、値(1/(Q・R1))は、相関係数が90%以上であって、図18の(D)からも理解されるように、変位特性との相関が非常に良いことが判る。
実施例2において交流アドミッタンス特性および振動変位特性を測定した10個の電気機械変換素子10を、図16に示したような超音波モータ40に組み込み、それぞれの超音波モータ40の特性を測定した。このようして得られた10組のデータ群から、Gmax、Gmax/Q、1/R1、1/(Q・R1)からなる4つのアドミッタンス特性測定値のそれぞれについて、対応する超音波モータ40の回転速度の2乗との相関係数を算出した。結果を表4及び図19に示す。図19は、表4に示したアドミッタンス特性と超音波モータ特性との相関を示すプロット図である。
Figure 0005225284
表4に示したように、コンダクタンスピーク値Gmax及びアドミッタンス円の直径1/R1は、超音波モータの回転数の2乗との相関係数が56%程度と低く、超音波モータの回転数の2乗との相関が良好ではない。これに対して、コンダクタンスピーク値Gmax及びアドミッタンス円の直径1/R1のそれぞれを共振先鋭度Qで除算した値(Gmax/Q、1/(Q・R1))は、超音波モータの回転数の2乗との相関係数が80〜95%程度となり、超音波モータの回転数の2乗との相関性が良好である。特に、値(1/(Q・R1))は、相関係数が95%以上あり、図19の(D)からも理解されるように、超音波モータ特性との相関が非常に良いことが判る。
(別の実施形態)
本発明による電気機械特性検査方法は、準静的に駆動される電気機械変換素子の変位特性の評価にも適用され得る。準静的に駆動される電気機械変換素子とは、その素子の最も低い共振周波数に比べて非常に低い周波数で交番変化する電圧波形や、その素子の最も低い共振周期に比べて非常に長い時間に渡って変化する電圧波形が印加され且つその電圧印加時に変位する素子のことである。
図20及び図21に示した電気機械変換素子100は、このような「準静的に駆動される電気機械変換素子」の一例である。図20は、電気機械変換素子100の外観を示す3面図であり、図21は、電気機械変換素子100の積層構成を示す分解斜視図である。
電気機械変換素子100は、膜状の2種類の内部電極104a及び104bにより挟まれた層状のPZT圧電体100aを複数枚積層してなる積層型圧電素子である。素子100の側面には側面電極102a及び側面電極102bが形成されている。複数の内部電極104aは側面電極102aによって互いに電気的に接続されている。複数の内部電極104bは側面電極102bによって互いに電気的に接続されている。
素子100は、側面電極102aと側面電極102bとの間に電圧を印加すると、逆圧電効果によって厚さ方向(高さH方向)に伸び、長さ方向(L方向及びW方向)に縮むように機械変形する(即ち、機械変位を発生する)。従って、側面電極102aと側面電極102bとの間の「交流アドミッタンスの周波数特性」をネットワークアナライザによって測定することにより、長さ方向及び厚さ方向の共振周波数や共振先鋭度(Q値)、交流コンダンクタンスG及び交流サセプタンスB等の電気機械特性値を測定することができる。
図22に示した保持治具200は、素子100の電気機械特性値を測定する際に素子100を保持する保持治具の一例である。この保持治具200は、電気機械変換素子100の側面電極102aに接触する測定端子(電気測定プローブ)201aと、電気機械変換素子100の側面電極102bに接触する測定端子(電気測定プローブ)201bと、を備えている。更に、保持治具200は、測定端子201aを保持する測定端子保持部203と、測定端子201bを保持する測定端子保持部204と、測定端子保持部203と測定端子保持部204とを機械的に結合する結合部205a・205bと、を備えている。
保持治具200は、これらの部材を用いて、電気機械変換素子100を図22に示したように保持するとともに、測定端子201a・201bを介して側面電極102a・102bから2つの電気配線を取り出すように構成されている。即ち、測定端子201a・201bの素子100に接触しない側の端部には、電気計測器へと繋がる電気配線が接続される。
この保持治具200は、図22の(B)に示したように、電気機械変換素子100を「測定端子201aと測定端子201bとの間」に挟持する。このとき、測定端子201a及び測定端子201bは、互いに反対方向に湾曲(屈曲)し、電気機械変換素子100の各側面(即ち、側面電極102a・102b)と鋭角を成して接触する。
この実施形態に係る「電気機械変換素子の電気機械特性検査方法」の工程(ステップ)の流れは、上述した実施形態と同様であり、図5に示した流れに従う。但し、電気機械変換素子100は、電気機械変換機器に組み込まれた後に準静的に駆動される素子であるから、ステップ2において「電気機械変換素子100が電気機械変換機器に組み込まれて実際に駆動される場合の振動形態」に似通った振動形態が得られる共振周波数を含む周波数領域において交流アドミッタンス特性を測定するのが好ましい。この場合、電気機械変換素子100の最も低い共振周波数における共振形態が、電気機械変換素子100の実際の駆動時の振動形態と最も似通っている。従って、ステップ3及びステップ4における、特性ピーク値(特性最大値)Amaxと共振先鋭度Qは、電気機械変換素子100の最も低い共振周波数における特性ピーク値及び共振先鋭度である。
実施例4においては、以下のような測定を行った。
1)図20及び図21に示したような電気機械変換素子100を10個用意した。電気機械変換素子100のそれぞれは、1層の厚みが約20μmのPZT圧電体を電極104a・104bを介して積層した素子であり、その長さLは1.2mm、幅Wは1.2mm、厚さHは1.0mmである。
2)この10個の電気機械変換素子100のそれぞれを順に図22に示した保持治具200を用いて保持した。このとき、図22に示したように、電気機械変換素子100の側面に配設された側面電極102a・102bに測定端子201a・201bをそれぞれ接触させた。
3)測定端子201a・201bをネットワークアナライザに接続し、保持治具200によって保持された素子100の「交流アドミッタンス特性を示す測定データ(交流アドミッタンス周波数特性データ)」をそのネットワークアナライザを用いて周波数掃引測定することにより取得した。
4)測定(取得)された交流アドミッタンス周波数特性データから10個の素子100のそれぞれの特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Q等の値を求めた。この場合、特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Q等は、電気機械変換素子100の「最も周波数の低い共振周波数」は約1MHzにおける値である。
5)このようにして取得した10個の電気機械変換素子100の交流アドミッタンス周波数特性データから、円フィッティング及び周波数データ補間を用いることにより、「アドミッタンス円の直径1/R1」及び「共振先鋭度Q」を算出した。
その後、以下に述べるような測定を行い、上記10個の電気機械変換素子100のそれぞれについて、準静的変位特性データを取得した。
6)図23に示したように、上記10個の電気機械変換素子100のそれぞれを順に保持した。即ち、電気機械変換素子100を台座208の上部に配置し、側面電極102a・102bに電圧印加用端子209a・209bをそれぞれ接触させた。
7)図24に示した測定系により台座208の上部に配置された素子100の準静的変位特性(準静的変位特性データ)を測定した。具体的に述べると、図24に示した測定系においては、信号発生器210の出力Voutが「電力増幅器212及び電圧印加用端子209a」を介して「駆動電圧Vin1」として側面電極102aに印加される。電圧印加用端子209bは接地される。駆動電圧Vin1はオシロスコープ214に入力される。レーザードップラー変位計216は、レーザー光線LBを用いて電気機械変換素子100の変位を測定する(電気信号Vin2に変換する。)。測定された変位(電気信号Vin2)はオシロスコープに入力される。
駆動電圧Vin1は、周波数が2kHz、振幅(最大電圧と最小電圧との差)が6Vの正弦波電圧である。電気機械変換素子100の準静的変位特性データは、ドップラー変位計からの電気信号(出力電圧)Vin2をオシロスコープ214にて観察することにより取得した。即ち、出力電圧Vin2の波形の振幅を測定し、その測定された振幅を準静的変位特性データ(変位量D)として取得した。
ところで、電気機械変換素子100の「最も周波数の低い共振周波数」は約1MHzである。従って、周波数2kHzの正弦波状の駆動電圧Vin1にて電気機械変換素子100を駆動した場合、電気機械変換素子100は「最も低い周波数の共振周波数」に比べて「十分に低い周波数」で駆動される。この結果、駆動電圧Vin1にて電気機械変換素子100を駆動した場合の変位量Dは、静的に同様の電圧(例えば、単発的に発生する電圧であって時間経過とともに台形状に変化し、且つ、最大電圧値と最小電圧値との差が6Vである電圧)を電気機械変換素子100に印加した場合の変位量に略等しくなる。
以上の方法により、上記10個の電気機械変換素子100のそれぞれについて、アドミッタンス円の直径1/R1、共振先鋭度Q及び変位量Dを取得した。そして、上記10個の電気機械変換素子100のそれぞれについて、アドミッタンス円の直径1/R1と変位量Dの2乗との相関係数、値「1/(Q・R1)」と変位量Dの2乗との相関係数、を算出した。この結果を表5及び図25に示す。図25は、表5に示したアドミッタンス特性と準静的変位特性(準静的変位特性データ)との相関を示すプロット図である。
Figure 0005225284
表5に示したように、アドミッタンス円の直径1/R1は、変位量Dの2乗との相関係数が60%程度と低く、変位量Dの2乗との相関が良好ではない。これに対して、アドミッタンス円の直径1/R1を共振先鋭度Qで除算した値1/(Q・R1)は、変位量Dのの2乗との相関係数が90%以上となり、変位量Dの2乗との相関性が非常に良いことが判る。このことは、図25の(A)と(B)との比較からも理解される。即ち、変位量Dの2乗と、値1/(Q・R1)と、は略比例関係にあることが理解される。
(更に別の実施形態)
図26乃至図28は、準静的に駆動される他の電気機械変換素子300を示している。この電気機械変換素子300にも本発明による電気機械特性検査方法は適用され得る。電気機械変換素子300は、ダイアフラム構造を有するアクチュエータ(圧電/電歪アクチュエータ)として機能する電気機械変換素子の一例である。
電気機械変換素子300は、支持部310と振動部320とからなる。
支持部310は、キャビティを形成するための窓部312を中央部に有する。
振動部320は、振動板322、下部電極324、圧電膜(PZT圧電体層)326及び上部電極328を備える。振動板322は支持部310よりも薄い板体である。下部電極324は振動板322の上面に形成される。圧電膜326は下部電極324の上面に形成される。上部電極328は圧電膜326の上面に形成される。即ち、圧電膜326は下部電極324と上部電極328とにより挟持されている。振動部320は、支持部310の窓部312を覆うように支持部310に一体的に固定されている。上部電極328と下部電極324との間に電圧が印加されたときに圧電膜326が変形する。電気機械変換素子300は、この圧電膜326の変形により振動板322に変位を生じさせる。
この実施形態に係る「電気機械変換素子の電気機械特性検査方法」の工程(ステップ)の流れも、上述した実施形態と同様であり、図5に示した流れに従う。但し、電気機械変換素子300は、電気機械変換機器に組み込まれた後に準静的に駆動される素子であるから、ステップ2において「電気機械変換素子300が電気機械変換機器に組み込まれて実際に駆動される場合の振動形態」に似通った振動形態が得られる共振周波数を含む周波数領域において交流アドミッタンス特性を測定するのが好ましい。この場合、電気機械変換素子300の最も低い共振周波数における共振形態が、電気機械変換素子300の実際の駆動時の振動形態と最も似通っている。従って、ステップ3及びステップ4における、特性ピーク値(特性最大値)Amaxと共振先鋭度Qは、電気機械変換素子100の最も低い共振周波数における特性ピーク値及び共振先鋭度である。
実施例5においては、以下のような測定を行った。
1)図26乃至図28に示したような電気機械変換素子300を10個用意した。
2)図29に示したように、この10個の電気機械変換素子300のそれぞれを順に保持治具400を用いて保持した。このとき、電気機械変換素子300の振動板322の上面に延設された「上部電極328及び下部電極324」に測定端子410a及び測定端子410bを接触させた。
3)測定端子410a及び測定端子410bをネットワークアナライザに接続し、保持治具400によって保持された素子300の「交流アドミッタンス特性を示す測定データ(交流アドミッタンス周波数特性データ)」をそのネットワークアナライザを用いて周波数掃引測定することにより取得した。
4)測定(取得)された交流アドミッタンス周波数特性データから10個の素子300のそれぞれの特性ピーク値Amaxと共振先鋭度Q等の値を求めた。
5)このようにして取得した10個の電気機械変換素子300の交流アドミッタンス周波数特性データから、円フィッティング及び周波数データ補間を用いることにより、「アドミッタンス円の直径1/R1」及び「共振先鋭度Q」を算出した。
その後、以下に述べるような測定を行い、上記交流アドミッタンス周波数特性データを取得した上記10個の電気機械変換素子300のそれぞれについて、準静的変位特性データを取得した。
6)図30に示したように、上記10個の電気機械変換素子300のそれぞれを順に保持治具500を用いて保持した。保持治具500は、真空吸着盤502と、その真空吸着盤502の上面に配置される「紫外線(UV)剥離性の粘着シート504」と、を備える。電気機械変換素子300は、粘着シート504の上部に接着固定された。粘着シート504は真空吸着盤502に対して真空吸着された。このとき、図30に示したように、電気機械変換素子300の振動板322の上面に延設された「上部電極328及び下部電極324」に測定端子510a及び測定端子510bをそれぞれ接触させた。
7)図24に示した測定系と同様な測定系を用いて、粘着シート504に固定された電気機械変換素子300の準静的変位特性(準静的変位特性データ)を測定した。この場合、図24に示した「駆動電圧Vin1」は「測定端子510a及び測定端子510b」を介して「上部電極328と下部電極324との間」に印加される。駆動電圧Vin1は、図31に示した台形波形を有する電圧である。電気機械変換素子100の準静的変位特性(準静的変位特性データ)は、ドップラー変位計の出力電圧Vin2をオシロスコープ214にて観察することにより取得した。このとき、図31に示したリンギング部分RINを除く期間における出力電圧Vin2の振幅D1に基いて「準静的変位特性データとしての変位量D」を取得した。
ところで、電気機械変換素子300の「最も周波数の低い共振周波数」は約1MHzである。従って、図31に示した「1ミリ秒周期の台形波状の駆動電圧Vin1」にて電気機械変換素子300を駆動した場合、電気機械変換素子300は「最も低い周波数の共振周波数」に比べて「十分に低い周波数」で駆動される。この結果、図31に示した駆動電圧Vin1にて電気機械変換素子300を駆動した場合の変位量は、静的に同様の電圧(例えば、単発的に発生する電圧であって時間経過とともに台形状に変化し、且つ、最大電圧値と最小電圧値との差が20Vである電圧)を電気機械変換素子300に印加した場合の変位量に略等しくなる。
以上の測定結果に基いて、10個の電気機械変換素子300のそれぞれについて、アドミッタンス円の直径1/R1と変位量Dの2乗との相関係数、及び、値「1/(Q・R1)」と変位量Dの2乗との相関係数、を算出した。この結果を表6及び図31に示す。図31は、表6に示したアドミッタンス特性と準静的変位特性(準静的変位特性データ)との相関を示すプロット図である。
Figure 0005225284
表6に示したように、アドミッタンス円の直径1/R1は、変位量Dの2乗との相関係数が70%程度と低く、変位量Dの2乗との相関が良好ではない。これに対して、アドミッタンス円の直径1/R1を共振先鋭度Qで除算した値1/(Q・R1)は、変位量Dの2乗との相関係数が90%以上となり、変位量Dの2乗との相関性が非常に良いことが判る。このことは、図31の(A)と(B)との比較からも理解される。即ち、変位量Dの2乗と、値1/(Q・R1)と、は略比例関係にあることが理解される。
以上に説明した実施例4及び実施例5においては、値1/(Q・R1)と変位量Dとの間には非常に良い相関関係が測定ばらつきに依存せず成立することが確かめられた。なお、値1/(Q・R1)のみならず、交流コンダクタンスのピーク値及び交流インピーダンスの位相のピーク値等の値であって、交流アドミッタンスの周波数特性の測定結果に基づいて得られる「共振周波数において最大となる電気的特性値Amax(特性最大値Amax、特性ピーク値)」を共振先鋭度Qで除した値(k=Amax/Q)と、変位量Dと、の間にも非常に良い相関関係が成立する。従って、値1/(Q・R1)を含むアドミッタンス特性のピーク値Amaxを共振先鋭度Qで除算した値(比例係数k=Amax/Q)を、準静的に駆動される電気機械変換素子の変位特性の評価に使用すれば、電気機械変換素子の良否を精度良く判定することができる。
以上、説明したように、本発明による実施形態及び実施例においては、アドミッタンス特性のピーク値Amaxを共振先鋭度Qで除算した値(比例係数k=Amax/Q)を「電気機械特性検査」の指標値として用いている。これにより、アドミッタンス特性のピーク値Amaxそのものを指標値とする比較例に比べて、繰り返し再現性が高く、また、変位や超音波モータ特性との相関性が高い指標値(k=Amax/Q)を電気機械変換素子の良否判定に使用することができる。その結果、電気機械変換素子の良否を極めて良好に判定することができる。

Claims (6)

  1. 電気機械変換機器に適用されるとともに所定の波形を有する電圧が電極を介して印加されることによって機械変位を発生する電気機械変換素子、の電気機械特性検査方法であって、
    前記電気機械変換素子を保持治具によって保持する第1ステップと、
    前記電気機械変換素子の前記電極を交流アドミッタンス測定器に電気的に接続し、前記電気機械変換素子の共振周波数を含む周波数範囲で前記電極間の交流アドミッタンスの周波数特性を表す交流アドミッタンス周波数特性データを測定する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて測定した交流アドミッタンス周波数特性データに基づいて共振周波数にて最大となる電気的特性値のピーク値Amaxと共振先鋭度Qとを取得する第3ステップと、
    前記第3ステップにて取得された電気的特性値のピーク値Amaxを前記第3ステップにて取得された共振先鋭度Qで除算した値Amax/Qを用いて前記電気機械変換素子の電気機械特性検査を実施する第4ステップと、
    を含む電気機械特性検査方法。
  2. 請求の範囲1に記載の電気機械変換素子の電気機械特性検査方法において、
    前記電極は前記電気機械変換素子上に配設され、前記第2ステップにおいて前記電極が電気測定プローブによって前記交流アドミッタンス測定器に電気的に接続されることを特徴とする電気機械特性検査方法。
  3. 請求の範囲1又は請求の範囲2に記載の電気機械変換素子の電気機械特性検査方法において、
    前記第3ステップは、前記電気的特性値のピーク値Amaxとして交流コンダクタンスのピーク値Gmaxを採用したステップである電気機械特性検査方法。
  4. 請求の範囲3に記載の電気機械変換素子の電気機械特性検査方法において、
    前記第3ステップは、前記交流コンダクタンスのピーク値Gmaxを、交流アドミッタンス円の直径1/R1を算出することにより求めるステップである電気機械特性検査方法。
  5. 電気機械変換機器に適用されるとともに所定の波形を有する電圧が電極を介して印加されることによって機械変位を発生する電気機械変換素子の電気機械特性検査方法であって、
    前記電気機械変換素子を保持治具によって保持する第5ステップと、
    前記電気機械変換素子の前記電極を周波数特性測定器に電気的に接続し、前記電気機械変換素子の共振周波数を含む周波数範囲で前記電極間の振動変位特性を表す振動変位周波数特性データを測定する第6ステップと、
    前記第6ステップにおいて測定した振動変位周波数特性データに基づいて共振周波数にて最大となる振動変位の振幅のピーク値Dmaxと共振先鋭度Qとを取得する第7ステップと、
    前記第7ステップにて取得された振幅のピーク値Dmaxを前記第7ステップにて取得された共振先鋭度Qで除算した値Dmax/Qを用いて前記電気機械変換素子の電気機械特性検査を実施する第8ステップと、
    を含む電気機械特性検査方法。
  6. 請求の範囲1乃至請求の範囲5の何れか一項に記載の電気機械変換素子の電気機械特性検査方法において、前記電気機械変換素子の主要構成材料が、圧電材料又は電歪材料であることを特徴とする電気機械特性検査方法。
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