JP4176479B2 - 周波数分析方法、周波数分析装置及びスペクトラムアナライザ - Google Patents
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Description
この発明は、特定された周波数帯域内に存在する信号を抽出し、この抽出した信号の周波数分析を行なう場合に使用して好適な周波数分析方法及びこの周波数分析方法を使用する周波数分析装置、並びにこの周波数分析装置を組み込んだスペクトラムアナライザに関する。
背景技術
この種の周波数分析装置の一例と、この周波数分析装置を組み込んだスペクトラムアナライザの一例を図8に示す。なお、図示の例では被測定信号を検出してその周波数を分析する部分を周波数分析装置と称し、この周波数分析装置の分析結果を表示する表示器を含む全体の構成をスペクトラムアナライザと称することにする。
図8に示すように、先行技術の周波数分析装置100は、特定の被測定周波数帯域X(図9Aを参照)内に存在する信号を抽出する信号抽出装置11と、この信号抽出装置11に結合されたアナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器と称す)12と、このA/D変換器12から出力されるデジタルデータの周波数を分析する周波数分析部13と、この周波数分析部13から出力される周波数分析結果を記憶するバッファメモリ16と、A/D変換器12にクロック信号を供給するクロック源14と、このクロック源14から供給されるクロック信号を分周して周波数分析部13及びバッファメモリ16に供給する分周器15とによって構成されている。
一方、スペクトラムアナライザ200は上記構成の周波数分析装置100と、この周波数分析装置100の分析結果を表示する表示器17とによって構成されている。
信号抽出装置11は、被測定信号が例えば電波である場合には、高周波受信機によって構成することができる。また、被測定信号が例えば信号線を通じて得られる信号(比較的周波数が低い信号)である場合には、バンドパスフィルタによって構成することができる。図8には被測定信号が電波である場合の周波数分析装置100の構成を示す。この場合には、被測定信号を捕らえるセンサとして、アンテナANが用いられ、このアンテナANが信号抽出装置(この例では高周波受信機)11に接続されている。換言すれば、このアンテナANは、例えば高周波信号の周波数を分析する際に通常使用されているスペクトラムアナライザの高周波回路の入力端子に接続されている。なお、特定された周波数帯域が比較的狭く、信号抽出装置11を、入力された信号から単に特定された周波数帯域内に存在する信号を抽出するだけの手段として利用する場合には、スペクトラムアナライザは周波数掃引することなく、信号抽出装置11をバントパスフィルタとして利用する。
通常使用されているスペクトルアナライザの高周波回路は一般にスーパーヘテロダイン受信方式により図9Aに示す被測定周波数帯域(高周波数帯域)X内に存在する高周波信号S1、S2を、図9Bに示すように、これより低い中間周波数の信号IF1、IF2にそれぞれ周波数ダウン変換して出力する。
従って、被測定周波数帯域X内に存在する被測定信号S1及びS2は、この場合にはバンドパスフィルタとして利用される信号抽出装置11によって抽出され、さらに、中間周波数の信号IF1及びIF2に周波数ダウン変換された後、A/D変換器12に入力されることになるが、説明を簡単にするために、以下においては被測定信号S1及びS2が信号抽出装置11から周波数変換されずにA/D変換器12に供給されるものとして説明する。
A/D変換器12はクロック源14から与えられるクロック信号に同期して被測定信号S1及びS2をA/D変換し、デジタルデータ列に変換する。このA/D変換器12によってデジタルデータ列に変換された被測定信号S1及びS2は周波数分析部13に入力され、この周波数分析部13において被測定周波数帯域X内の各サンプル点の周波数毎に、被測定信号S1及びS2の振幅データを算出し、周波数分析を行なう。
周波数分析部13としては、例えば、既に良く知られている高速フーリエ変換(FFT)を使用する装置(以下、高速フーリエ変換装置と称す)を用いることができる。高速フーリエ変換装置を使用すれば、被測定信号S1及びS2が混在する信号の中から、被測定周波数帯域X内の各サンプル点の周波数毎に被測定信号S1及びS2の振幅データを算出し、周波数分析することができる。
周波数分析部13では、A/D変換器12が周波数分析部13に、例えばS個のデジタルサンプル値を出力する毎に、S番目の最後のデジタルサンプル値が出力された時点(タイミング)で被測定信号S1及びS2の周波数分析演算が行なわれる。なお、A/D変換器12がS個のデジタルサンプル値を出力する場合には、分周器15はクロック信号の周波数を1/Sに分周する1/S分周器を構成する。
1回の分析演算によってバッファメモリ16に設けられたM個のデータラッチ16A、16B、16C、・・・、16Mに被測定周波数帯域X内の各サンプル点の周波数に対応する振幅データが格納される。この例ではサンプル点はS個であるので、データラッチの個数MはS以上の整数(M≧S)であればよい。周波数分析部13で次のS個のデジタルサンプル値に関する周波数分析演算が開始されると、バッファメモリ16にラッチされている振幅データは順次に表示器17に送り出され、表示器17の画像メモリに蓄積される。
表示器17の画像メモリに蓄積された周波数分析結果の一例を図10に摸式化して示す。図面において横方向の軸Fは周波数、上下方向の軸Yは振幅、前後方向(奥行き方向)の軸Tは時間を示す。図10の波形から、タイミングt1における被測定信号S1及びS2の周波数分析結果、タイミングt2における被測定信号S1及びS2の周波数分析結果、・・・がそれぞれ画像メモリに蓄積されていることが容易に理解されよう。
表示器17はこれら各タイミングt1、t2、t3、・・・における周波数分析結果を1つずつ読み出してそのディスプレイに表示し、被測定信号S1及びS2の振幅値、被測定信号S1及びS2の中心周波数、帯域幅等を測定する。かくして、被測定周波数帯域X内に存在する被測定信号S1及びS2の周波数分析を行なうことができる。
図10に示した周波数分析結果は理想的な状態を例示している。現実には、例えば被測定信号S1及びS2が携帯電話機から発信される電波である場合を想定すると、携帯電話機の電波は周波数拡散されているため、ノイズと見分けがつかない程振幅値が乱れた状態にある。特に、電波のレベルが低い場合には、ノイズと電波の区別は全く不可能となる。このため、先行技術の周波数分析方法及び装置では、携帯電話機のように周波数拡散されている電波の有無を確実に検出することができないという重大な欠点があった。
発明の開示
この発明の1つの目的は、周波数拡散されている電波であっても、また、レベルの低い電波であっても、その存在を確実に検出し、周波数分析することができる周波数分析方法を提供することである。
この発明の他の目的は、周波数拡散されている電波であっても、また、レベルの低い電波であっても、その存在を確実に検出し、周波数分析することができる周波数分析装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、周波数拡散されている電波であっても、また、レベルの低い電波であっても、その存在を確実に検出し、周波数分析して表示することができるスペクトラムアナライザを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の面においては、被測定周波数帯域に存在する被測定信号を複数の測定信号抽出装置によって抽出するステップと、抽出した複数の被測定信号のそれぞれを周波数分析するステップと、上記複数の被測定信号の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算するステップと、算出された相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するステップとを含む周波数分析方法が提供される。
好ましい一実施例においては、上記抽出した複数の被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換するステップをさらに含み、上記周波数分析するステップはデジタル演算手段によって実行される。
また、上記複数の被測定信号の周波数分析結果にそれぞれ、無相関のノイズを加算するステップをさらに含み、上記相関値を演算するステップはこれらノイズを含む複数の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算する。
上記相関値の演算はコヒーレンス関数によって行なわれる。
この発明の第2の面においては、被測定周波数帯域に存在する被測定信号を抽出する複数の測定信号抽出装置と、これら複数の測定信号抽出装置によって抽出された被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換する複数のA/D変換器と、これら複数のA/D変換器からそれぞれ出力されるデジタルデータから上記被測定周波数帯域に亘って上記複数の被測定信号の周波数分析を行なう複数の周波数分析手段と、これら複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される複数の被測定信号の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算する相関値演算手段と、この相関値演算手段が算出した相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するレベル判定手段とを具備する周波数分析装置が提供される。
好ましい一実施例においては、上記複数の周波数分析手段のそれぞれの出力側と上記相関値演算手段との間にそれぞれ加算器が設けられ、これら複数の加算器により上記複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される複数の被測定信号の周波数分析結果に、互いに相関性を持たないノイズ成分をそれぞれ加算し、上記相関値演算手段が演算不能になることを防止している。
この発明の第3の面においては、被測定周波数帯域に存在する被測定信号を抽出する複数の測定信号抽出装置と、これら複数の測定信号抽出装置によって抽出された被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換する複数のA/D変換器と、これら複数のA/D変換器からそれぞれ出力されるデジタルデータから上記被測定周波数帯域に亘って上記複数の被測定信号の周波数分析を行なう複数の周波数分析手段と、これら複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される複数の被測定信号の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算する相関値演算手段と、この相関値演算手段が算出した相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するレベル判定手段と、このレベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータから、少なくとも被測定信号の帯域幅の中心周波数を算出する演算手段と、上記レベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータを表示する表示器とを具備するスペクトラムアナライザが提供される。
好ましい一実施例においては、上記複数の周波数分析手段のそれぞれの出力側と上記相関値演算手段との間にそれぞれ加算器が設けられ、これら複数の加算器により上記複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される複数の被測定信号の周波数分析結果に、互いに相関性を持たないノイズ成分をそれぞれ加算し、上記相関値演算手段が演算不能になることを防止している。
また、好ましい他の実施例においては、上記レベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータに所定の周波数帯域幅未満の信号が存在するか否かを検出し、所定の周波数帯域幅未満の信号を検出したときには、それをノイズと判定して上記表示器に表示されないように処理するノイズ検出手段がさらに設けられている。
この発明によれば、複数の測定信号抽出装置により被測定信号を抽出すると共に、これら抽出した被測定信号をそれぞれ周波数分析し、さらに、これら周波数分析結果の相関値を求めるようにしたので、これら相関値を演算する過程で各信号抽出装置の内部雑音成分が除去される。よって、各信号抽出装置の内部雑音の影響を排除した周波数分析結果を得ることができる。
また、相関値の演算をコヒーレンス関数に従って実行し、得られた相関値が予め設定した所定値より大きければ信号が存在すると判定し、得られた相関値が予め設定した所定値以下であれば信号が存在しないと判定するから、被測定信号の強度に影響されずに信号の有無を判定することができる。その結果、SN比の良い周波数分析結果を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の好ましい実施例について詳細に説明する。しかしながら、この発明は多くの異なる形態で実施可能であるから、以下に述べる実施例にこの発明が限定されると解釈するべきではない。後述の実施例は、以下の開示が十分で、完全なものであり、この発明の範囲をこの分野の技術者に十分に知らせるために提供されるものである。
まず、図1〜図5を参照してこの発明による周波数分析装置の第1の実施例、及びこの周波数分析装置を組み込んだこの発明によるスペクトラムアナライザの第1の実施例について詳細に説明する。
図1はこの発明による周波数分析装置の第1の実施例、及びこの周波数分析装置を組み込んだこの発明によるスペクトラムアナライザの第1の実施例を示すブロック図である。例示の周波数分析装置100は、後で明瞭になるように、この発明による周波数分析方法を使用することによって好適に動作する。なお、図1において、図8と対応する部分、素子には同一符号を付けて示し、必要のない限りそれらの説明を省略する。
この第1の実施例のスペクトラムアナライザ200は周波数分析装置100と、演算部23と、第2のバッファメモリ24と、表示器17とから構成されている。周波数分析装置100には、図8に示した周波数分析装置100の構成と同じでよい信号抽出装置11、A/D変換器12、及び周波数分析部13からなる回路が2系統設けられている。一方の回路は第1の信号抽出装置11Aと、第1のA/D変換器12Aと、第1の周波数分析部13Aとから構成されており、他方の回路は第2の信号抽出装置11Bと、第2のA/D変換器12Bと、第2の周波数分析部13Bとから構成されている。
上記周波数分析装置100は、さらに、クロック源14と、クロック信号の周波数を1/Sに分周する第1の分周器15と、この第1の分周器15から出力される1/Sクロック信号の周波数を1/Lに分周する第2の分周器15Bと、第1及び第2のノイズ源19A及び19Bと、第1のノイズ源19Aから出力されるノイズN1と第1の周波数分析部13Aから出力される第1の周波数分析結果(以下、第1のスペクトログラムと称す)Sr′(f,t)とを加算する第1の加算器18Aと、第2のノイズ源19Bから出力されるノイズN2と第2の周波数分析部13Bから出力される第2の周波数分析結果(以下、第2のスペクトログラムと称す)Sm′(f,t)とを加算する第2の加算器18Bと、これら第1及び第2の加算器18A及び18Bからそれぞれ出力される第1及び第2の加算結果Sr(f,t)及びSm(f,t)から第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)間の相関値を演算する相関値演算部20と、この相関値演算部20から出力される相関値γ2(f,t)を格納する第1のバッファメモリ16と、しきい値Vを設定するしきい値設定器22と、第1のバッファメモリ16に格納された相関値γ2(f,t)としきい値Vとを比較するレベル判定部21とを具備している。 クロック源14、並びに第1及び第2の分周器15及び15Bは上記2系統の回路に共通に使用され、クロック源14から出力されるクロック信号は第1及び第2のA/D変換器12A及び12Bに供給されると共に、第1の分周器15にそれぞれ供給される。第1の分周器15はクロック信号の周波数を1/Sに分周して第1及び第2の周波数分析部13A及び13Bと第2の分周器15Bにそれぞれ供給する。第2の分周器15Bは入力された1/Sの周波数のクロック信号をさらに1/Lし、1/SLの周波数のクロック信号を第1のバッファメモリ16、レベル判定部21、及び演算部23にそれぞれ供給する。
第1及び第2のノイズ源19A及び19Bは互いに相関性を持たない(即ち、無相関の)乱数からなる同一レベルのノイズN1及びN2をそれぞれ対応する第1及び第2の加算器18A及び18Bに供給する。上述したように、これら第1及び第2の加算器18A及び18Bは第1及び第2の周波数分析部13A及び13Bからそれぞれ出力される第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)とこれら第1及び第2のノイズN1及びN2とをそれぞれ加算し、ノイズN1及びN2を含むスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)をそれぞれ出力する。後述するように、このノイズN1及びN2の加算により、相関値演算部20では被測定信号のレベルが限りなく0に近い微小値であっても、演算結果が発散するのを防止することができる。
しきい値設定器22は、被測定周波数帯域内の各サンプル点の周波数f毎に設定されたしきい値Vをレベル判定部21に出力する。レベル判定部21は、相関値演算部20で各サンプル点の周波数f毎に算出された第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)間の相関値γ2(f,t)を、しきい値設定器22から出力される対応するしきい値Vと比較する。このレベル判定部21は、この実施例では、各相関値γ2(f,t)がしきい値Vより大きければその周波数に被測定信号が存在すると判定し、各相関値γ2(f,t)がしきい値Vより小さければその周波数に被測定信号が存在しないと判定するように構成されている。
信号抽出装置11A及び11Bは同一の帯域幅を持つ受信機或いはバンドパスフィルタによって構成することができ、同一の周波数帯域を被測定周波数帯域と定める。以下、この被測定周波数帯域内で使用されている電波(例えば携帯電話機が発信する電波)が存在するか否かを検出し、検出した電波の周波数を分析する場合のスペクトラムアナライザの動作について説明する。なお、図1から容易に理解できるように、被測定信号を受信するアンテナANが第1及び第2の信号抽出装置11A及び11Bに共通に接続されている。
(1)アンテナANで受信した信号を第1及び第2の信号抽出装置11A及び11Bに送り、これら信号抽出装置11A及び11Bによって受信信号を帯域制限した後、中間周波信号に周波数ダウン変換して出力する。これら中間周波信号を第1及び第2のA/D変換器12A及び12Bにおいてクロック源14から供給される周波数fsのクロック信号でサンプリングし、この実施例ではS個のデジタルデータ列に変換する。第1及び第2のA/D変換器12A及び12Bからそれぞれ出力されるS個のデジタルデータを第1及び第2の周波数分析部13A及び13Bにおいてそれぞれ周波数分析する。周波数分析の方法としては図8の先行技術で説明したようにFFT(高速フーリエ変換)を使用する方法を用いることができる。周波数分析の結果として、第1及び第2の2つのスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)を第1及び第2の周波数分析部13A及び13Bから得る。
(2)第1及び第2の加算器18A及び18Bにおいて上記(1)の過程で得た第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)に第1及び第2のノイズ源19A及び19Bから供給されるノイズN1及びN2(上述したように同一レベルの乱数からなる値)を加え、ノイズN1及びN2を含むスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を第1及び第2の加算器18A及び18Bからそれぞれ出力させる。上述したように、ノイズN1とN2は互いに無相関であり、また、第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)も無相関であり、かつ振幅は同一である。ここで、これらノイズN1及びN2の振幅をaと置く。
(3)上記(1)及び(2)の過程をL回実行し、ノイズN1及びN2を含むそれぞれL個のスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を第1及び第2の加算器18A及び18Bから出力させ、相関値演算部20に供給する。相関値演算部20では、これら2系統の回路からそれぞれ出力されるL個のデータ(ノイズを含むスペクトログラム)から相関値γ2(f,t)を求める。この相関値は、この実施例では、次の式(1)で表わされるコヒーレンス関数によって算出される。
上記式(1)において、〈〉内は、L個のデータのアンサンブル平均、*は複素共役を表わす。
相関値γ2(f,t)は、0≦γ2(f,t)≦1.0の範囲の実数であり、相関値が1に近いほど相関度が高い。よって、相関値γ2(f,t)を評価することにより、ノイズと信号を見分けることが可能となる。ここで、周波数分析された結果である第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)にノイズN1及びN2を加えたのは上記式(1)が発散するのを防止するためである。
図2は、上記(1)〜(3)の過程を特定した周波数帯域内の各サンプル点(この実施例ではS個)の周波数について実行し、実際に求めたS個の相関値γ2(f,t)、つまり、この実施例ではコヒーレンス関数、の一例を示す。図2において横軸は周波数(MHz)であり、縦軸は相関値γ2(f,t)である。この図2の波形から、ノイズと信号が明らかに違うことが分かる。
相関値演算部20が各サンプル点の周波数毎に算出したS個の相関値γ2(f,t)は第1のバッファ16に格納される。
(4)第1のバッファ16に格納された相関値γ2(f,t)に対してノイズレベルからしきい値Vを決め、しきい値設定器22からこのしきい値Vをレベル判定部21に供給し、レベル判定部21において第1のバッファ16から出力される相関値相関値γ2(f,t)としきい値Vとを比較させる。レベル判定部21から、相関値の方がしきい値Vより大きければ論理「1」を、小さければ論理「0」を出力させ、演算部23に入力する。
しきい値Vの値は以下のようにして決める。
式(1)を書き換えると、
γ2=(コヒーレント電力)2/(入力電力)2・・・(2)
となる。ここで、仮にaをノイズの振幅、bを通信信号の振幅とすると、上記式(2)はaとbが無相関の場合、
となる。仮に、ノイズ信号の振幅aの2倍以上の振幅bを有する信号を検出したい場合には、2×a<bが成立するので、上記式(3)はγ2>16/25となる。それ故、信号の振幅が上記(2)の過程で指定したノイズN1及びN2の振幅aの2倍より大きいものだけを検出したい場合には、しきい値Vの値を16/25とすればよい。
換言すれば、上記(4)の過程でしきい値Vより相関値が大きい場合にはレベル判定部21から論理「1」を出力させるということは、上記(3)の過程でL個のスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を算出している間に(1つのスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を得るのに要する時間がT秒であれば、L×T秒の間に)、特定された周波数帯域にあるレベル以上の信号が検出されたということを表わす。
図3は図2に示された波形に上記(4)の過程を実施した結果の波形を示す。つまり、レベル判定部21の処理結果を示す。この場合、しきい値Vの値は図2に示す値では0.64(16/25)に選定されている。
(5)上記(4)の過程で得られた判定結果のうち、論理「1」が連続している部分に着目し、この部分によって形成される波形の中心周波数と周波数帯域(周波数の範囲)を求める。この求めた帯域でスペクトログラムSr′(f,t)又はSm′(f,t)を積分することにより、着目している部分の波形の総電力を求める。これは検出したい信号(電波)の中心周波数、周波数帯域、及び総電力に対応する。これらの演算は演算部23で行なわれる。なお、この実施例では、第2の周波数分析部13Bから出力されるスペクトログラムSm′(f,t)を第2のバッファメモリ24に格納し、演算部23において波形の中心周波数、周波数帯域、及び総電力を演算し、求めているが、第1の周波数分析部13Aから出力されるスペクトログラムSr′(f,t)を第2のバッファメモリ24に格納し、演算部23において波形の中心周波数、周波数帯域、及び総電力を演算し、求めてもよいことは言うまでもない。
(6)受信信号の中心周波数、周波数帯域、その帯域内の総電力を表示器17のディスプレイに表示する。
図4はスペクトル表示の一例を示す。図4Aは|〈Sr′(f,t)〉|2、図4Bは|〈Sm′(f,t)〉|2、図4Cは相関値γ2をそれぞれスペクトル表示したものである。これらスペクトル表示は、Lの値を128とした場合のものを示す。
図5は、上記(5)の過程で演算部23によって求められた、受信信号の中心周波数(cent)、周波数帯域(width)、及び総電力(power)を相関値γ2のスペクトル表示に加えて表示した場合の一例を示す。
図6はこの発明によるスペクトラムアナライザの第2の実施例を示すブロック図である。この第2の実施例は、上述した第1の実施例と同じ機能を有するだけでなく、外部からインパルス状のノイズが混入した場合に、このノイズを除去する機能をさらに有している点に特徴がある。図面を簡単化するために、図6には第1の実施例と同じである信号抽出装置11A及び11Bから相関値演算部20までの回路構成は図示しない。なお、図6において、図1と対応する部分、素子には同一符号を付けて示し、必要のない限りそれらの説明を省略する。
この第2の実施例ではレベル判定部21の出力側に第3のバッファメモリ25を設け、レベル判定部21から出力される「1」又は「0」の論理値をこの第3のバッファメモリ25にいったん格納する。また、第3のバッファメモリ25の出力側に周波数帯域幅判定部26を設ける。この周波数帯域幅判定部26は、所定の周波数帯域幅に亘って論理「1」が続くか否かをチェックし、続かない場合には第3のバッファメモリ25から供給される論理「1」をノイズと判定し、その論理「1」を論理「0」に変換して演算部23へ出力する。所定の周波数帯域幅に亘って論理「1」が続く場合には、検出したい信号と判定して論理「1」をそのまま演算部23へ出力する。よって、受信信号にインパルス状の外部ノイズが混入していても、このノイズを除去することができる。
所定の周波数帯域幅に亘って論理「1」が続くか否かをチェックするための基準として、第2のしきい値設定器27からしきい値mが周波数帯域幅判定部26に供給される。ここで、mは第3のバッファメモリ25の1アドレスに相当する周波数帯域幅を示す。従って、mは2以上の整数となる。周波数帯域幅判定部26は、第3のバッファメモリ25から供給される論理「1」の連続数がこのしきい値m未満である場合には、それをノイズと判定し、供給される論理「1」を論理「0」に変換して演算部23へ出力する。
上記構成の第2の実施例のスペクトラムアナライザの動作の詳細について以下に列記する。
(1)アンテナANで受信した信号を第1及び第2の信号抽出装置11A及び11B(図1を参照)によって帯域制限した後、中間周波信号に周波数ダウン変換して出力する。これら中間周波信号を第1及び第2のA/D変換器12A及び12B(図1を参照)において周波数fsのクロック信号によってサンプリングし、S個のデジタルデータ列に変換する。これらS個のデジタルデータを第1及び第2の周波数分析部13A及び13B(図1を参照)において周波数分析し、第1及び第2の2つのスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)を得る。
(2)上記(1)の過程で得られた第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)に第1及び第2のノイズN1及びN2(無相関の同一振幅の乱数からなる値)を加え、ノイズN1及びN2を含むスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を得る。上述したようにノイズN1とN2は互いに無相関であり、また、第1及び第2のスペクトログラムSr′(f,t)及びSm′(f,t)も無相関であり、かつ振幅は同一である。ここで、これらノイズN1及びN2の振幅をaと置く。
(3)上記(1)及び(2)の過程をL回実行し、ノイズN1及びN2を含むそれぞれL個のスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)を得る。これらL個のスペクトログラムSr(f,t)及びSm(f,t)から相関値演算部20(図1を参照)において、上記第1の実施例で使用した式(1)のコヒーレンス関数を使用して、相関値γ2(f,t)を算出する。同様にして、各サンプル点の周波数毎に相関値γ2(f,t)を算出し、これら算出したS個の相関値γ2(f,t)、この実施例ではコヒーレンス関数、を第1のバッファ16に格納する。
(4)第1のバッファ16に格納された相関値γ2(f,t)に対してノイズレベルからしきい値Vを決め、しきい値設定器22からこのしきい値Vをレベル判定部21に供給し、レベル判定部21において相関値γ2(f,t)としきい値Vとを比較させ、相関値の方がしきい値Vより大きければ論理「1」を、小さければ論理「0」を出力させる。しきい値Vの値は上記第1の実施例の場合と同様にして決める。レベル判定部21から出力された論理「1」又は「0」信号を第3のバッファメモリ25に格納する。
(5)第2のしきい値設定器27からしきい値mを周波数帯域幅判定部26に供給し、第3のバッファメモリ25から供給される論理「1」の連続数がこのしきい値m未満であるか否かをチェックする。論理「1」の連続数がこのしきい値m未満である場合には、第3のバッファメモリ25から供給される論理「1」を論理「0」に変換して演算部23へ出力する。
上述したように、mは第3のバッファメモリ25の1アドレスに相当する周波数帯域幅を示すから、mは2以上の整数となる。この場合、第3のバッファメモリ25内を観察するための周波数帯域幅は2×m未満の最大値に設定しなければならない。例えば、論理「1」の連続数が3つ未満か否かをチェックするためにm=3とした場合には、その最大値は5となる。よって、第3のバッファメモリ25内を観察するための周波数帯域幅は第3のバッファメモリ25の5つのアドレス分に相当する周波数帯域幅に設定する。何故ならば、そのように設定することにより、1つの信号を2重に数えることなく上記(5)の過程を有効に実行することが可能となるからである。
図7に周波数帯域幅判定部26のチェック動作を説明するための波形図である。図7において横軸は周波数fに相当し、これは第3のバッファメモリ25のアドレスにも対応する。図7において波形S1、S2及びNOISの下側に示した一定間隔の短い垂直線分は第3のバッファメモリ25のアドレスを表わす。pは第3のバッファメモリ25の1アドレスに相当する周波数帯域幅を示すから、図7に示すように隣接する2つの垂直線分間の長さに相当する。図7にはしきい値m=3とした場合の動作を例示する。この場合には、論理「1」が3つ以上連続すればノイズではない(即ち、信号である)と判定し、3つ未満(1つ又は2つ)であればノイズと判定して論理「1」を論理「0」に変換する。
波形S1、S2及びNOISは第3のバッファメモリ25に記憶されている論理「1」及び「0」によって形成される波形を示す。また、WINは第3のバッファメモリ25に記憶された論理「1」が所定の周波数帯域幅以上連続するか否かを判定するためのウインドウを示す。このウインドウWINの周波数帯域幅は、この例ではm=3であるから、2×3=6以内の最大値である5アドレス分に相当している。
ウインドウWINを第3のバッファメモリ25の最初のアドレスから1アドレスに相当するpのピッチで移動させ(図7に示す例では周波数が高くなる右方向に移動させ)、第3のバッファメモリ25内の論理「1」である部分の長さ(周波数帯域幅)を計測する。ウインドウWINが通過する際に、波形S1及びS2はそれぞれ6つの連続するアドレスに記憶されているから論理「1」である部分の長さが6であり、よって、検出すべき信号であると判定されて演算部23へそのまま送られる。波形NOISは1つのアドレスにのみ記憶されているから論理「1」である部分の長さが1であり、外部ノイズと判定される。よって、この波形NOISの論理「1」は論理「0」に書き換えられるから、外部ノイズは除去される。m=3としたから第3のバッファメモリ25の2つの連続するアドレスに論理「1」が記憶されている場合にも、この波形は外部ノイズであると判定されて論理「0」に書き換えられる。よって、この波形も除去される。
このように、第3のバッファメモリ25に記憶された周波数分析結果の連続性をチェックすることにより、外部からのインパルス状のノイズが受信信号に混入した場合でも、インパルス状のノイズは殆んど帯域幅を持っておらず、線スペクトル状であるから、このインパルス状のノイズはほぼ完全に除去することができる。
また、第3のバッファメモリ25内を観察するためのウインドウWINの周波数帯域幅を2×m未満の最大値に設定したので、このウインドウWINで観察できるのは1つの信号のみである。従って、1つの信号を2重に数えるようなミスは生じない。
なお、上記各実施例では電波を単にアンテナANで受信すると表現したが、感度を上げるためには例えばダイバシティ方式の受信方式を採用することも考えられる。従って、アンテナANは単に電波を受信する手段を例示したに過ぎない。
また、信号抽出装置、A/D変換器及び周波数分析部よりなる回路を2系統設けた場合について説明したが、信号抽出装置、A/D変換器及び周波数分析部よりなる回路を2系統以上の任意の数設けることも考えられる。従って、信号抽出装置、A/D変換器及び周波数分析部よりなる回路は2系統に限定されない。3系統又はそれ以上設ける場合には、2以上の任意の数の信号の周波数分析結果についてそれらの相関が相関値演算部において演算されることになる。
さらに、複数の周波数分析部からそれぞれ出力される周波数分析結果に、無相関のノイズをそれぞれ加算しないで複数の周波数分析結果についてそれらの相関を相関値演算部において演算してもよい。
また、受信信号をデジタル信号に変換する際のサンプル数(S)、相関値を算出する際に使用する周波数分析結果の個数(L)、しきい値V及びmの値等は単なる一例であり、必要に応じて種々に変更できることは言うまでもない。
以上の説明で明白なように、この発明によれば、複数の信号抽出装置により被測定信号をそれぞれ抽出し、それらの周波数分析結果から各サンプル点の周波数毎に相関値を算出し、各相関値が所定値以上であれば論理「1」を出力し、各相関値が所定値以下であれば論理「0」を出力し、周波数分析結果を表示するように構成したので、例えば周波数拡散された低レベルの信号であっても、この信号の存在を鮮明に表示することができるという顕著な利点が得られる。
また、被測定周波数帯域内に電波が存在するか否かを調べる電波利用密度の測定も容易に行なうことができるという利点も得られる。
以上、この発明を図示した好ましい実施例について記載したが、この発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、上述した実施例に関して種々の変形、変更及び改良がなし得ることはこの分野の技術者には明らかであろう。従って、この発明は例示の実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲によって定められるこの発明の範囲内に入る全てのそのような変形、変更及び改良をも包含するものであるということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明によるスペクトラムアナライザの第1の実施例を示すブロック図である。
図2は図1に示したスペクトラムアナライザに使用された周波数分析部の周波数分析結果の一例を示す波形図である。
図3はこの発明による周波数分析方法を適用した場合の周波数分析結果を示す波形図である。
図4は先行技術のスペクトラムアナライザに通常使用されている周波数分析部の周波数分析結果と、この周波数分析結果にこの発明による周波数分析方法を適用した場合の周波数分析結果とを比較して示す波形図である。
図5は図1に示したスペクトラムアナライザで算出した被測定信号の中心周波数、帯域幅、及び総電力を波形と共に表示した一例を示す図である。
図6はこの発明によるスペクトラムアナライザの第2の実施例を示すブロック図である。
図7は図6に示した第2の実施例のスペクトラムアナライザの動作を説明するための波形図である。
図8は先行技術のスペクトラムアナライザの一構成を示すブロック図である。
図9は図8に示した先行技術のスペクトラムアナライザに使用された信号抽出装置の動作を説明するための図である。
図10は図8に示した先行技術のスペクトラムアナライザに使用された表示器の画像メモリに蓄積された周波数分析結果の一例を説明するための図である。
Claims (6)
- 被測定周波数帯域に存在する1つの被測定信号を複数の測定信号抽出装置によって抽出するステップと、
抽出した複数の被測定信号のそれぞれを周波数分析するステップと、
上記複数の被測定信号の周波数分析結果にそれぞれ、無相関のノイズを加算するステップと、
上記無相関のノイズを加算された上記複数の被測定信号の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算するステップと、
算出された相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するステップ
とを含むことを特徴とする周波数分析方法。 - 上記抽出した複数の被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換するステップをさらに含み、
上記周波数分析するステップはデジタル演算手段によって実行される
ことを特徴とする請求項1に記載の周波数分析方法。 - 上記相関値の演算はコヒーレンス関数によって行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数分析方法。
- 被測定周波数帯域に存在する1つの被測定信号を抽出する複数の測定信号抽出装置と、
これら複数の測定信号抽出装置によって抽出された被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換する複数のA/D変換器と、
これら複数のA/D変換器からそれぞれ出力されるデジタルデータから上記被測定周波数帯域に亘って上記複数の被測定信号の周波数分析を行なう複数の周波数分析手段と、
互いに相関性を持たないノイズ成分を発生する複数のノイズ源と、
上記複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される周波数分析結果に、それぞれ上記ノイズ成分を加算する複数の加算器と、
それぞれの加算器から出力された上記ノイズ成分の加算された周波数分析結果についてそれらの相関値を演算する相関値演算手段と、
この相関値演算手段が算出した相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するレベル判定手段
とを具備することを特徴とする周波数分析装置。 - 被測定周波数帯域に存在する1つの被測定信号を抽出する複数の測定信号抽出装置と、
これら複数の測定信号抽出装置によって抽出された被測定信号をそれぞれデジタルデータに変換する複数のA/D変換器と、
これら複数のA/D変換器からそれぞれ出力されるデジタルデータから上記被測定周波数帯域に亘って上記複数の被測定信号の周波数分析を行なう複数の周波数分析手段と、
これら複数の周波数分析手段のそれぞれの出力側に設けられ、上記複数の周波数分析手段からそれぞれ出力される複数の被測定信号の周波数分析結果に、互いに相関性を持たないノイズ成分をそれぞれ加算する複数の加算器と、
これら複数の加算器からそれぞれ出力される複数の被測定信号の上記ノイズ成分を含む複数の周波数分析結果についてそれらの相関値を演算する相関値演算手段と、
この相関値演算手段が算出した相関値が予め設定した値以上であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在すると判定し、算出された相関値が予め設定した値未満であるときには、上記周波数分析した周波数に被測定信号が存在しないと判定するレベル判定手段と、
このレベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータから、少なくとも被測定信号の帯域幅の中心周波数を算出する演算手段と、
上記レベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータを表示する表示器
とを具備することを特徴とするスペクトラムアナライザ。 - 上記レベル判定手段から出力される被測定信号の有無を表わすデータに所定の周波数帯域幅未満の信号が存在するか否かを検出し、所定の周波数帯域幅未満の信号を検出したときには、それをノイズと判定して上記表示器に表示されないように処理するノイズ検出手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項5に記載のスペクトラムアナライザ。
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