JP4176316B2 - 紙葉媒体取扱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗車券、搭乗券もしくは紙幣等の各種紙葉媒体のサイズの異なる紙葉媒体を共に使用する取扱装置に係り、さらに詳しくは、そのようなサイズの異なる紙葉媒体の挿入方向の検出およびその搬送に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄道の乗車券の取扱装置においては、挿入口より挿入される乗車券は、小型券であるエドモンソン券(幅30mm×長さ57.5mm)と他の大型券(幅57.5mm×長さ85mm、幅57.5mm×長さ120mm)とが区別なく使用される。この場合、小型券の長さと大型券の幅とが同一寸法であり、小型券は横向きにしても挿入口に挿入できてしまう寸法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような紙葉媒体の取扱装置において、挿入口の幅は、大型券が挿入できる大型券の幅の寸法になっており、横方向にして挿入することはできない。しかし、縦長の方向に挿入口に挿入するのが一般であり、問題はない。
また、小型券であるエドモンソン券も装置内の処理上、縦長の方向に挿入口に挿入されるものであるが、横方向にして挿入口に挿入されても挿入口はそれを挿入できる寸法である。
【0004】
しかし、装置の内部処理において、縦長の方向で挿入搬送され、それを読み取るように構成されているために、小型券であるエドモンソン券も挿入口には縦長の方向に挿入されなければならないが、上記の如く、横方向にして挿入口に挿入されることがある。この場合には、返却して入れ替えしてもらわなければならない。
【0005】
また、縦長に挿入口に挿入されるエドモンソン券は、券の幅より広い幅の挿入口のどの箇所に挿入されても装置内の定位置にある読み取り装置の位置に縦長の状態で確実に案内搬送されなければならない。
そのために、従来の機構は図5に示す如く、読み取り装置や収納部等がある片側に搬送ベルト1を配置しておき、小型券3であるエドモンソン券の挿入口2における挿入位置をその搬送ベルト1側の一側に限定して挿入するようにしているが、その限定位置以外の箇所に挿入すると搬送ベルトがないためにエドモンソン券3は取り込まれないことになる。しかし、それを無理に挿入してジャムさせたりする問題がある。さらには、券の挿入方向や挿入箇所によっては、券が傾いて斜行してしまいそれがジャムの原因となる等の問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、挿入口内の入口側に挿入口の側壁に直交する方向に第1、第2の2個のセンサを設け、その第1のセンサの位置を、挿入口の一側壁から小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第2のセンサを、第1のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法に位置とし、同時にその位置が挿入口の中心より第1のセンサの反対側に出た位置とし、さらに、第3、第4、第5の3個のセンサを上記2個のセンサより装置の奥方向に小型券の媒体の対角線の長さより長い間隔をへだてて側壁に直交する方向に配置し、その第3のセンサの位置を、挿入口の一側壁から小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第4のセンサを、第3のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第5のセンサを、第4のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置とし、同時にこの第5のセンサと挿入口の他側壁との間隔が小型券の媒体の幅の寸法以下とし、挿入口から券が挿入されることによって第1および第2のセンサの少なくとも1つがONし、その挿入された券の移動に伴って、第1ないし第2のセンサのすべてがOFFとなり、さらに券の移動に伴って、第3ないし第5のセンサの1つまたは隣り合う2つのセンサがONとなった場合には、小型券の横方向の挿入でないと判定し、幅寄せ具によって小型券の一側を押圧し他側を挿入口の側壁に当接させて整列を行い、第3ないし第5のセンサのすべてがONとなった場合には、小型券の横方向挿入であると判定し、挿入口に券を返却することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態例を図面を用いて説明する。
図1は搬送機構の説明図であり、図において、5は挿入口であり、大型券4の横幅が入る寸法となっている。
6は搬送ベルトであり、挿入口5と図示しない所望の装置内部の片側に走行壁面7に沿って配置してある、例えば読み取り装置、収納部等の所定箇所までの長さがあり、挿入口5側からその所定箇所の方向に媒体を搬送するように駆動している。
【0009】
この搬送ベルト6は、その挿入口側端は挿入口5の中心に位置し、装置内部側端は内部の走行壁面7の延長上にある基準面8に向けて位置している。そのために挿入口から装置の奥に向けて全長にわたって走行壁面7に対して斜めに配置されていることになる。
さらに、この搬送ベルト6の幅は、挿入口5の任意の一側壁面と搬送ベルト6のその一側壁面に対向する側端との距離Rが小型券3の幅W2 より小さい寸法にしてあり、小型券3を縦方向にして挿入口5のどの位置に挿入した場合にでも小型券3の一部が必ず搬送ベルト6上に載るようにしてある。
【0010】
9は幅寄せ具であり、搬送ベルト6によって搬送されてきた小型券3の一側を押圧して他側を基準面8に当接させて小型券3を基準面8に沿った正しい状態にさせる。
このようにした搬送機構によると、小型券3を縦方向にして挿入口5のどの位置にでも挿入すると、小型券3はその一部が必ず搬送ベルト6上に載置されて内部に搬送されることになる。
【0011】
所定箇所まで搬送されると、搬送ベルト6は一端停止し、幅寄せ具9によって小型券3の一側を押圧して他側を基準面8に当接させて小型券3を基準面8に沿った正しい状態で位置させ、読み取り等の後の各種工程に備えることができる。なお、上記幅寄せ具9はその構成によっては搬送ベルト6の停止を待たずして所定位置に移動してもよい。
【0012】
また、大型券4を挿入口に挿入した場合には、挿入時から大型券4の側部は基準面8に沿って移動することになり、さらに傾斜している搬送ベルト6によって確実に基準面8側に移動させて当接させることができ、読み取り等の後の各種工程に備えることができる。
ところが、小型券3が、縦方向でなく横方向にして挿入口5に挿入されることがある。その場合には、装置内に搬送するとジャムの原因となるために、搬送前に横方向に挿入されたことを検知して挿入口5から排出し、返却して縦方向にして入れ替えてもらわなければならない。
【0013】
そこで、小型券3が挿入された場合は、その挿入方向を検知しなければならない。以下にその挿入方向の検知機構および検知方法を説明する。
図4は検知機構の説明図である。挿入口5は、その挿入口の幅を使用するすべての媒体である小型券3および大型券4が通過できる寸法Sになっている。例えば、上記した大型券4の横の寸法W1 の57.5mmが両側に大きな間隔をあけることなく通過できる程度の寸法、本実施の形態例では58.5mmにしてある。ところが、この大型券4の横の寸法W1 より小型券3の縦の寸法L2 が小さいかもしくは等しい場合には小型券3を横方向にして挿入されるおそれがある。
【0014】
ところが、小型券3を横方向に挿入されると上記したような問題が発生することになる。したがって、上記した如く、大型券4の横の寸法W1 が小型券3の縦の寸法L2 より大きいか等しい場合(W1 ≧L2 )、つまり小型券3がエドモンソン券のような場合には問題が発生することになる。そこで、挿入方向の検知機構は下記の如く構成される。
【0015】
10、11はセンサであり、その挿入口5内の入口側の挿入口5の側壁に直交する方向の一直線上に設けてある。さらにこのセンサ10の配置位置は、挿入口5の一側壁から小型券3の幅の寸法W2より短い寸法S1、小型券3がエドモンソン券なら30mm以下の位置、また、センサ11の位置は、そのセンサ10の位置より小型券3の幅の寸法W2より短い寸法S2、エドモンソン券なら30mm以下の位置であり、さらに、その位置が挿入口の中心よりセンサ10の反対側に出た位置となっている。したがって、このセンサ11と挿入口5の他側壁との間隔は30mm以下となる。S−(S1+S 2 )<W 2。
【0016】
12、13、14はセンサであり、これらは挿入口5の上記センサ10、11より装置奥側に挿入口5の側壁に直交する方向の一直線上に設けてある。さらにこれらのセンサ12、13、14は、上記センサ10、11より装置の奥方向に小型券3の対角線D2 より長い間隔D、本実施の形態例では65mmをあけて配置されている。
【0017】
これら3個のセンサ12、13、14の各配置位置は、センサ12は挿入口5の一側壁から小型券3の幅の寸法W2より短い寸法S3、小型券3がエドモンソン券なら30mm以下の位置、また、センサ13の位置は、そのセンサ12の位置より小型券3の幅の寸法W2より短い寸法S4、エドモンソン券なら30mm以下の位置、また、センサ14の位置は、そのセンサ13の位置より小型券3の幅の寸法W2より短い寸法S5、エドモンソン券なら30mm以下の位置であり、さらに、このセンサ14と挿入口5の他側壁との間隔は小型券3の幅の寸法W2以下の寸法、エドモンソン券なら30mm以下とする。S−(S 3 +S 4 +S 5 )<W 2 。
【0018】
なお、上記各センサ10、11、12、13、14は、券が通過したことを検知できるセンサならどのようなものでもよく、本実施の形態例では光センサを用い、光が遮断されたらONとするものを用いた。
以上のようにした5個のセンサ10、11、12、13、14の配置構造によると、挿入口5から挿入された小型券3は、その挿入方向が縦方向(長手方向)の正しい挿入であることが、小型券3の横方向(短手方向)の挿入および他の大型券4と区別することができる。
【0019】
以下に、その判定方法を説明する。
まず、挿入された券により、センサ10および11の少なくとも一つがONする。これによって券が挿入されたことが検知される。
つぎに、搬送機構による券の移動に伴って5個のセンサ10、11、12、13、14すべてがOFF状態となる。これによって挿入された券が小型券であって大型券4でないことが判断される。ここで小型券3が斜めの状態で挿入されてもセンサ10、11列とセンサ12、13、14列の間隔から5個のすべてのセンサはOFF状態である。(D>D2 )
さらに、券の移動に伴ってセンサ12、13、14の内の1つかまたは隣り合う2つのセンサがONすることによって小型券3が横方向の挿入でないことが検知される。横方向の挿入であるとセンサ12、13、14すべてがONする。
【0020】
このように上記の条件がすべて満たされたときに、挿入口5に挿入された券が小型券3でしかも縦方向もしくは斜めに挿入されたと判定される。
したがって、上記において小型券3でしかも縦方向もしくは斜めに挿入された場合には上記したように券は搬送ベルト6によって搬送され、幅寄せ具9によって小型券3は一側を押圧されて他側を基準面8に当接させて小型券3を基準面8に沿って正しく位置させ、読み取り等の後の各種工程に進むことができる。
【0021】
ところが、上記において5個のセンサ10、11、12、13、14すべてがOFF状態となった後に、センサ12、13、14すべてがONすると、挿入された券が小型券3でしかも横方向に挿入されたと判断され、搬送ベルト6が逆転してその券は挿入口5に戻されて返却されることになる。
また、大型券4が挿入されたときは5個のセンサ10、11、12、13、14すべてがON状態となり、大型券4と判断されて上記した如く搬送機構によって搬送される。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明によると、挿入口と内部を結ぶ搬送ベルトの挿入口側端を挿入口の中心に位置させ、内部側端を基準面に向けて位置するように配置したことにより、媒体を挿入口のどの位置から挿入しても確実に内部の基準面に案内することができる効果を有する。
【0023】
また、挿入口内の所定位置にセンサを配置したことにより、挿入した媒体の区別と媒体の挿入方向の判別を行うことができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送機構の説明図
【図2】大型券の説明図
【図3】小型券の説明図
【図4】検知機構の説明図
【図5】従来の搬送機構の説明図
【符号の説明】
3 小型券
4 大型券
5 挿入口
6 搬送ベルト
7 走行壁面
8 基準面
9 幅寄せ具
10、11 センサ
12、13、14 センサ
Claims (1)
- 挿入口内の入口側に挿入口の側壁に直交する方向に第1、第2の2個のセンサを設け、その第1のセンサの位置を、挿入口の一側壁から小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第2のセンサを、第1のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法に位置とし、同時にその位置が挿入口の中心より第1のセンサの反対側に出た位置とし、さらに、第3、第4、第5の3個のセンサを上記2個のセンサより装置の奥方向に小型券の媒体の対角線の長さより長い間隔をへだてて側壁に直交する方向に配置し、その第3のセンサの位置を、挿入口の一側壁から小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第4のセンサを、第3のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置、第5のセンサを、第4のセンサの位置より小型券の媒体の幅の寸法より短い寸法の位置とし、同時にこの第5のセンサと挿入口の他側壁との間隔が小型券の媒体の幅の寸法以下とし、挿入口から券が挿入されることによって第1および第2のセンサの少なくとも1つがONし、その挿入された券の移動に伴って、第1ないし第2のセンサのすべてがOFFとなり、さらに券の移動に伴って、第3ないし第5のセンサの1つまたは隣り合う2つのセンサがONとなった場合には、小型券の横方向の挿入でないと判定し、幅寄せ具によって小型券の一側を押圧し他側を挿入口の側壁に当接させて整列を行い、第3ないし第5のセンサのすべてがONとなった場合には、小型券の横方向挿入であると判定し、挿入口に券を返却することを特徴とする紙葉媒体取扱装置。
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