JP4481033B2 - 発券装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発券装置に関するものである。
従来、鉄道の駅等に配設された鉄道用乗車券発券装置、自動車の駐車場に配設された駐車券発券装置等の各種の発券装置においては、種々のサイズの券を取り扱うようになっている。例えば、鉄道用乗車券発券装置の場合、三種類のサイズの乗車券を同一の開口から吸入して取り込んだり、発券された乗車券を前記開口から排出するようになっている。
この場合、前記乗車券には、長さが85〔mm〕及び幅が57.5〔mm〕である第1の大型券、長さが120〔mm〕及び幅が57.5〔mm〕である第2の大型券、並びに、長さが57.5〔mm〕及び幅が30〔mm〕であるエドモンソン券の三種類のサイズが存在する。そして、前記開口は、第1の大型券及び第2の大型券を吸入及び排出することができるように、57.5〔mm〕以上の幅を有している。そのため、長さが57.5〔mm〕のエドモンソン券は横向きの状態、すなわち、幅方向が搬送方向に一致する状態や斜めの状態であっても、前記開口から吸入されてしまう。
しかし、鉄道用乗車券発券装置の内部の搬送路においては、乗車券を搬送するための搬送ローラ間のピッチが、一般的に、エドモンソン券の幅方向の寸法である30〔mm〕以上に設定されているので、エドモンソン券を横向きの状態や斜めの状態で搬送することは不可能である。そこで、エドモンソン券が横向きの状態や斜めの状態で開口から吸入された場合には、前記エドモンソン券を回転させて整列された後に、搬送ローラによって搬送するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
図2は従来の発券装置の券搬送機構の構成を示す平面図である。
図において、101は図示されない開口から挿入された乗車券106を鉄道用乗車券発券装置の内部において搬送する搬送ベルト、102は該搬送ベルト101に沿って複数個配設され、乗車券106の大きさを検出することによって乗車券106の種類の判別を行うセンサである。そして、前記搬送べルト101の両側には、入り口部ガイド103、走行規準ガイド104が配設され、乗車券106の走行姿勢を規制するようになっている。また、前記入り口部ガイド103の搬送方向の奥側(図における左側)には、幅寄せガイド105が配設され、図に示されるように、動作位置1及び動作位置2の二ヶ所の位置になるように動作可能となっている。
そして、前記鉄道用乗車券発券装置においては、走行規準ガイド104と入り口部ガイド103との間隔が第1の大型券及び第2の大型券の短手方向としての幅方向の寸法である57.5〔mm〕よりもわずかに広く、かつ、第1の大型券の長手方向の寸法である85〔mm〕よりも狭くなっている。そのため、開口から吸入された乗車券106が第1の大型券及び第2の大型券である場合には、前記乗車券106は、長手方向が搬送方向に一致する状態で走行規準ガイド104と入り口部ガイド103とによって姿勢が規制され、搬送ベルト101によって搬送される。
これに対し、開口から吸入された乗車券106がエドモンソン券である場合には、図に示されるように、横向きの状態や斜めの状態のときもある。このときには、前記乗車券106を回転させて、長手方向が搬送方向に一致する状態となるように整列させた後に、搬送する必要がある。
そこで、前記センサ102によって前記乗車券106の幅方向の寸法を検出し、前記乗車券106が第1の大型券及び第2の大型券であるかエドモンソン券であるかの判別を行うようになっている。そして、前記乗車券106がエドモンソン券であると判別すると、幅寄せガイド105を動作させて、動作位置1から動作位置2へ向けて移動させる。すると、前記乗車券106は、幅寄せガイド105に突き当たって回転し、さらに、該幅寄せガイド105によって、走行規準ガイド104に押し付けられる。これにより、エドモンソン券である乗車券106は、図において一点鎖線で示されるAのように、走行規準ガイド104と幅寄せガイド105とによって長手方向が搬送方向に一致する状態に整列させられ、搬送ベルト101によって搬送される。
特開2000−67282号公報
しかしながら、前記従来の発券装置においては、エドモンソン券である乗車券106が真横を向いた状態、すなわち、幅方向が搬送方向にほぼ完全に一致する状態で開口から吸入された場合には、前記乗車券106を回転させて整列させることができない。すなわち、走行規準ガイド104と入り口部ガイド103との間隔、及び、走行規準ガイド104と動作位置1における幅寄せガイド105との間隔は、エドモンソン券の長手方向の寸法である57.5〔mm〕よりもわずかに広い程度であり、対角線の寸法よりは狭くなっている。そのため、真横を向いた状態の前記乗車券106は、幅寄せガイド105に突き当たって回転を開始しても、回転の途中で、前記乗車券106の対向する二つの頂点が走行規準ガイド104と入り口部ガイド103又は幅寄せガイド105とに引っ掛かってしまい、長手方向が搬送方向に一致する状態になることができない。
したがって、前記従来の発券装置においては、前記センサ102によって前記乗車券106がエドモンソン券であると判別すると、さらに、前記乗車券106の向きを判別するようになっていた。そして、前記センサ102によってエドモンソン券である乗車券106が真横を向いた状態が判別されると、前記乗車券106を取り扱い不可なものとして、開口から排出して返却するようになっていた。
そのため、発券装置のオペレータや利用者は、再び前記乗車券106を開口から入れ直さなければならず、手間がかかり、煩わしく感じてしまう。また、一枚の乗車券106を処理するために時間がかかってしまい、発券装置のスループットが低下してしまう。さらに、前記オペレータや利用者が返却された理由を理解することができない場合には、エドモンソン券である乗車券106が真横を向いた状態で吸入される事態が繰り返されるので、オペレータや利用者の手間がさらにかかり、発券装置のスループットが大幅に低下してしまう。
本発明は、前記従来の発券装置の問題点を解決して、エドモンソン券のような小型の券が真横を向いた状態で吸入された場合であっても、前記券をストッパ部材に突き当てて回転させて整列可能な姿勢にすることができるようにして、前記券を返却する必要がなく、オペレータや利用者が容易に手間をかけることなく券を吸入させることができ、スループットが低下することのない発券装置を提供することを目的とする。
そのために、本発明の発券装置においては、複数のサイズの券を取り扱い、複数枚の券を集積させて一括して排出することができる発券装置であって、前記券を搬送する搬送ベルトと、前記券を停止させて集積するストッパ部材と、前記券をガイドする走行規準ガイドと、該走行規準ガイドと平行に配設された入り口部ガイドと、該入り口部ガイドよりも奥側において、前記走行規準ガイドと平行に配設され、前記走行規準ガイドに対して垂直な方向に移動可能な幅寄せガイドとを有し、前記入り口部ガイドと幅寄せガイドとの間には広めの間隙が形成され、前記搬送ベルトは、前記走行規準ガイドと入り口部ガイド及び幅寄せガイドとの間に配設され、前記ストッパ部材は、前記走行規準ガイドと搬送ベルトとの間であって、前記入り口部ガイドと幅寄せガイドとの間の間隙に対応する位置に配設され、開口から吸入された小型の券を、前記搬送ベルトによって搬送し、前記ストッパ部材に突き当てて、整列可能な姿勢に回転させ、前記幅寄せガイドは、整列可能な姿勢に回転した券を前記走行規準ガイドに押し付けて整列させる。
本発明の他の発券装置においては、搬送ベルトと、該搬送ベルトと平行に配設された走行規準ガイドと、前記搬送ベルトと走行規準ガイドとの間に配設されたストッパ部材と、前記走行規準ガイドに対して垂直な方向に移動可能な幅寄せガイドと、センサとを有する発券装置であって、開口から吸入され、搬送ベルトによって搬送される券のサイズ及び姿勢をセンサによって判別し、前記券が小型であり、かつ、幅方向が搬送方向に一致する状態であることが判別されると、ストッパ部材を搬送面より突出させ、前記券をストッパ部材に突き当てて整列可能な姿勢に回転させ、幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させる。
本発明の更に他の発券装置においては、さらに、搬送面より突出させたストッパ部材を退避させた後に、幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させる。
本発明の更に他の発券装置においては、さらに、前記券が、幅方向が搬送方向に一致する状態でないことが判別されると、ストッパ部材を搬送面より突出させずに、幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させる。
本発明によれば、エドモンソン券のような小型の券が真横を向いた状態で吸入された場合であっても、前記券をストッパ部材に突き当てて回転させて整列可能な姿勢にすることができるようになっている。そのため、小型の券が真横を向いた状態で吸入された場合であっても前記券を返却する必要がなく、オペレータや利用者が容易に手間をかけることなく券を吸入させることができ、発券装置のスループットが低下することがない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における発券装置の券搬送機構の構成を示す平面図である。
図において、10は本実施の形態における発券装置の券搬送機構である。前記発券装置は、例えば、鉄道の駅等に配設された鉄道用乗車券発券装置、自動車の駐車場に配設された駐車券発券装置であるが、いかなる種類の券を発券する発券装置であってもよい。そして、前記発券装置は、複数のサイズの券を取り扱い、複数枚の券を集積させて一括して排出することができる発券装置であって、サイズの異なる複数種類の券を取り扱い、複数種類の券を同一の開口から吸入して前記券搬送機構10によって搬送して内部に取り込んだり、発券された複数種類の券を前記券搬送機構10によって搬送して前記開口から排出するようになっている。
本実施の形態においては、説明の都合上、前記発券装置が鉄道用乗車券発券装置である場合について説明する。また、券としての乗車券16は、いかなるサイズのものであってもよく、また、何種類であってもよいが、ここでは、「背景技術」の項で説明した従来の発券装置と同様に、長さが85〔mm〕及び幅が57.5〔mm〕である第1の大型券、長さが120〔mm〕及び幅が57.5〔mm〕である第2の大型券、並びに、長さが57.5〔mm〕及び幅が30〔mm〕である小型券としてのエドモンソン券の三種類のサイズの乗車券を取り扱うものとする。
そして、前記券搬送機構10は、図に示されるように、乗車券16の搬送方向に延在して該乗車券16を搬送する搬送ベルト11、該搬送べルト11と平行に前記搬送方向に延在して前記乗車券16をガイドする走行規準ガイド14、及び、前記搬送ベルト11を挟んで走行規準ガイド14の反対側に該走行規準ガイド14と平行に配設された入り口部ガイド13を有する。図においては、前記乗車券16がエドモンソン券である例が示されている。
なお、前記券搬送機構10は、発券装置の内部に配設され、外部からは見えないようになっている。そして、前記走行規準ガイド14及び入り口部ガイド13よりも発券装置の表側(図における右側)には、発券装置の図示されない外壁に形成された開口が配設され、前記乗車券16は、発券装置のオペレータや利用者によって前記開口から吸入させられ、矢印Bで示される方向に移動して、搬送ベルト11によって搬送されるようになっている。この場合、前記搬送ベルト11は、図示されないモータ等を備えるベルト駆動装置によって駆動されて矢印Cで示される方向に移動し、前記乗車券16を発券装置の奥側(図における左側)に向けて搬送する。すなわち、前記乗車券16は矢印Cで示される方向に搬送される。なお、前記搬送ベルト11よりも発券装置の奥側には、複数の搬送ローラが配設されている。そして、該搬送ローラのピッチ、すなわち、隣接する搬送ローラ間の間隔は、エドモンソン券の幅方向の寸法である30〔mm〕以上に設定されている。
また、前記乗車券16が発券装置の奥側に配設された図示されない発券機構によって発券されて前記搬送ローラによって搬送されてきた場合、前記ベルト駆動装置が逆転するので、前記搬送ベルト11は、矢印Dで示される方向に移動して、前記乗車券16を発券装置の開口に向けて搬送する。なお、該開口は、前記乗車券16が第1の大型券及び第2の大型券であっても吸入及び排出することができるように、57.5〔mm〕以上の幅を有している。
そして、前記券搬送機構10においては、走行規準ガイド14と入り口部ガイド13との間隔が第1の大型券及び第2の大型券の短手方向としての幅方向の寸法である57.5〔mm〕よりもわずかに広く、かつ、第1の大型券の長手方向の寸法である85〔mm〕よりも狭くなっている。そのため、開口から吸入された乗車券16が第1の大型券及び第2の大型券である場合には、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態で走行規準ガイド14と入り口部ガイド13とによって姿勢が規制され、搬送ベルト11によって矢印Cで示される方向に搬送される。
また、前記走行規準ガイド14と入り口部ガイド13との間の部分における前記搬送ベルト11の周囲には、前記乗車券16の存在を検出する複数のセンサ12が配設されている。該センサ12は、例えば、光センサから成り、各センサ12は乗車券16がそれぞれの位置に存在するか否かを検出することができる。そのため、どのセンサ12が乗車券16の存在を検出し、どのセンサ12が乗車券16の存在を検出していないかによって、前記乗車券16の位置だけでなく、サイズ、姿勢等を判別することができるようになっている。なお、前記センサ12の数及び位置は、適宜定めることができる。
さらに、前記入り口部ガイド13よりも発券装置の奥側には、幅寄せガイド15が配設されている。該幅寄せガイド15は、前記搬送ベルト11を挟んで走行規準ガイド14の反対側に該走行規準ガイド14と平行に配設されている。そして、前記幅寄せガイド15は、図示されないガイド駆動装置によって、走行規準ガイド14に対して垂直な方向に駆動され、図1に示されるように、動作位置1と動作位置2との間を移動させられる。そして、前記幅寄せガイド15が動作位置1にあるとき、走行規準ガイド14と幅寄せガイド15との間隔は、走行規準ガイド14と入り口部ガイド13との間隔と等しくなる。また、前記センサ12によって乗車券16がエドモンソン券であることが判別されると、前記幅寄せガイド15は、矢印Eで示される方向に移動させられ、動作位置2に位置する。そして、前記幅寄せガイド15が動作位置2にあるとき、走行規準ガイド14と幅寄せガイド15との間隔は、エドモンソン券の幅方向の寸法である30〔mm〕よりわずかに広くなる。そのため、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態で走行規準ガイド14と幅寄せガイド15とによって姿勢が規制され、搬送ベルト11によって矢印Cで示される方向に搬送される。
ここで、前記幅寄せガイド15は、前記入り口部ガイド13から引き離して配設され、前記幅寄せガイド15が動作位置1にあるとき、前記幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間には間隙aが形成される。該間隙aは、比較的広めに採ってあり、例えば、エドモンソン券の幅方向の寸法よりも狭く、該寸法の1/2より広い程度の範囲となっている。前記間隙aが比較的広めであることによって、後述されるように、真横を向いた状態のエドモンソン券である乗車券16を回転させて、該乗車券16の長手方向が搬送方向に一致する状態に整列させることができる。
そして、前記走行規準ガイド14と搬送ベルト11との間の部分にストッパ部材17が配設されている。該ストッパ部材17は、図示されないストッパ駆動装置によって、前記券搬送機構10の搬送面(前記搬送ベルト11の搬送面とほぼ同一平面)に対して垂直な方向(図における紙面に垂直な方向)に移動させられるロッド(棒)状の部材である。そして、前記ストッパ部材17が券搬送機構10の搬送面より退避している状態においては、前記乗車券16は前記搬送ベルト11によって矢印C又はDで示される方向に搬送される。一方、前記ストッパ部材17が券搬送機構10の搬送面より突出している状態においては、前記乗車券16は前記ストッパ部材17に突き当たるようになっている。なお、該ストッパ部材17は、乗車券16の搬送方向に関して、前記幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間の間隙aに対応する位置に配設されている。
ここで、前記発券装置が乗車券16を発券する場合であり、該乗車券16を複数枚一括して発券するときには、前記ストッパ部材17が券搬送機構10の搬送面より突出している状態になる。そして、発券装置の奥側に配設された発券機構によって一枚ずつ発券された乗車券16は、搬送ローラによって搬送され、搬送ベルト11に乗り移り、前記ストッパ部材17に突き当たることによって停止する。すなわち、発券装置の奥側から開口に向けて搬送される乗車券16はストッパ部材17によって停止させられる。そして、最初に発券された乗車券16がストッパ部材17によって停止させられているので、後続の乗車券16は、停止している乗車券16に順次積み重なって停止させられる。このようにして、所定枚数の乗車券16が積み重なって集積すると、前記ストッパ部材17は、ストッパ駆動装置によって移動させられて券搬送機構10の搬送面より退避した状態となる。すると、前記乗車券16は、積み重なって集積した状態のままで搬送ベルト11によって矢印Dで示される方向に搬送され、開口から一括して排出される。
なお、乗車券16を一枚ずつ発券する場合、及び、乗車券16を吸入する場合には、前記ストッパ部材17が券搬送機構10の搬送面より退避した状態となっているが、開口から吸入された乗車券16がエドモンソン券であって、真横を向いた状態であるときには、前記ストッパ部材17は券搬送機構10の搬送面より突出している状態にさせられる。これにより、前記乗車券16は、一端近傍部分が前記ストッパ部材17に突き当たることによって、回転させられる。そして、前記乗車券16は、走行規準ガイド14と幅寄せガイド15とによって姿勢が規制され、長手方向が搬送方向に一致する状態となり、搬送ベルト11によって矢印Cで示される方向に搬送される。
また、前記発券装置は、図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える一種のコンピュータであり、券搬送機構10におけるセンサ12の出力信号を受信し、ベルト駆動装置、ガイド駆動装置、ストッパ駆動装置等の動作を制御する。さらに、前記制御装置は、発券装置のすべての動作を制御するものであってもよい。
次に、前記構成の発券装置の動作について説明する。まず、発券装置の開口から乗車券16を吸入する場合の券搬送機構10の動作について説明する。
図3は本発明の実施の形態における発券装置の乗車券を吸入する場合の動作を示すフローチャートである。
この場合、前記開口から吸入させられた乗車券16は、図1における矢印Bで示される方向に移動して、搬送ベルト11によって矢印Cで示される方向に搬送される。そして、前記乗車券16がセンサ12の位置に到達すると、該センサ12は前記乗車券16の存在を検出した信号を制御装置に送信する。該制御装置は、前記センサ12の信号によって、前記乗車券16の種類及び向きを判別する。
そして、前記制御装置は、吸入された乗車券16がエドモンソン券であり、かつ、真横を向いた状態であるか否かを判別し、前記乗車券16がエドモンソン券であり、かつ、真横を向いた状態である場合には、ストッパ駆動装置を作動させ、ストッパ部材17を券搬送機構10の搬送面より突出させる。なお、乗車券16が真横を向いた状態とは、図1に示されるように、乗車券16の幅方向が搬送方向にほぼ完全に一致する状態、すなわち、乗車券16の長手方向が搬送方向に対してほぼ垂直になっている状態である。
これにより、搬送ベルト11によって矢印Cで示される方向に搬送される乗車券16は、走行規準ガイド14側の端部近傍部分が前記ストッパ部材17に突き当たる。この場合、搬送ベルト11が矢印Cで示される方向に移動し続けているので、前記乗車券16は、前記ストッパ部材17に突き当たっている部分を中心にして、図1において時計回り方向に回転し、位置Fで示されるように、整列可能な姿勢になる。なお、幅寄せガイド15は動作位置1にあり、該幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間には、比較的広めの間隙aが形成されている。
ここで、前記乗車券16がストッパ部材17に突き当たっている部分を中心にして回転する際に、前記乗車券16のストッパ部材17から最も離れた頂点(図1における右下の頂点)の軌跡は、前記ストッパ部材17に突き当たっている部分を中心に乗車券16の対角線にほぼ等しい長さの半径の弧を描くことになる。一方、走行規準ガイド14と動作位置1における幅寄せガイド15及び入り口部ガイド13との間隔は、エドモンソン券の長手方向の寸法である57.5〔mm〕よりもわずかに広い程度であり、前記対角線の寸法より狭くなっている。そのため、幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間に間隙がない場合、又は、間隙があっても狭い場合には、前記乗車券16のストッパ部材17から最も離れた頂点が幅寄せガイド15又は入り口部ガイド13に衝突してしまうので、前記乗車券16は、位置Fの位置まで回転することができなくなる。
これに対し、本実施の形態においては、幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間に比較的広めの間隙aが形成されている。そのため、前記乗車券16のストッパ部材17から最も離れた頂点は、前記間隙aの部分を通過することによって、前記幅寄せガイド15又は入り口部ガイド13に衝突することなく、乗車券16の対角線にほぼ等しい長さの半径の弧を描くことができる。これにより、前記乗車券16は、前記幅寄せガイド15又は入り口部ガイド13に干渉することなく、位置Fで示されるような姿勢になるまで回転することができる。
続いて、前記制御装置は、ストッパ駆動装置を作動させ、ストッパ部材17を券搬送機構10の搬送面より退避させる。そして、前記制御装置は、ベルト駆動装置を停止させて搬送ベルト11による前記乗車券16を吸入するための搬送を停止させる。この時点において、前記乗車券16は位置Fの位置又はそれ以上に回転し、前記乗車券16のストッパ部材17から最も離れた頂点が、搬送方向に関して幅寄せガイド15に対応する位置にあるものとする。
続いて、前記制御装置は、ガイド駆動装置を作動させ、前記幅寄せガイド15を矢印Eで示される方向に移動させる。これにより、前記乗車券16のストッパ部材17から最も離れた頂点が前記幅寄せガイド15に押されて矢印Eで示される方向に移動するので、前記乗車券16は、図1において時計回り方向にさらに回転し、長手方向が搬送方向に一致する状態に近くなる。そして、前記幅寄せガイド15が矢印Eで示される方向にさらに移動することによって、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向にほぼ一致する状態で、走行規準ガイド14に向けて押し付けられる。これにより、前記幅寄せガイド15が動作位置2に到達すると、前記乗車券16は、位置Gで示されるような姿勢になる。すなわち、エドモンソン券である乗車券16は、走行規準ガイド14と幅寄せガイド15とによって、長手方向が搬送方向に一致する状態に整列させられる。
続いて、前記制御装置は、ガイド駆動装置を作動させ、前記幅寄せガイド15を矢印Eで示される方向と反対の方向に移動させ、動作位置1にまで戻す。そして、前記制御装置は、ベルト駆動装置を作動させて搬送ベルト11による前記乗車券16を吸入するための搬送を再び開始させて、乗車券16を吸入する場合の処理を終了する。これにより、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態で発券装置の奥側に搬送され、図示されない搬送ローラに乗り移って搬送される。この場合、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態となっているので、前記搬送ローラのピッチがエドモンソン券の幅方向の寸法である30〔mm〕以上に設定されていても、問題なく搬送される。
なお、吸入された乗車券16がエドモンソン券であり、かつ、真横を向いた状態であるか否かを判別して、前記乗車券16がエドモンソン券でないか、又は、エドモンソン券であっても真横を向いた状態でない場合には、前記制御装置は、さらに、前記乗車券16が大型券であるか否かを判別する。そして、前記乗車券16が第1の大型券又は第2の大型券である場合、前記制御装置は処理を終了する。前記乗車券16が第1の大型券又は第2の大型券である場合、開口から吸入された前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態で走行規準ガイド14と入り口部ガイド13とによって姿勢が規制され、搬送ベルト11によって発券装置の奥側に搬送され、図示されない搬送ローラに乗り移って搬送される。
また、前記乗車券16が大型券でない場合、すなわち、前記乗車券16がエドモンソン券であり、かつ、真横を向いた状態でない場合、前記制御装置は、ベルト駆動装置を停止させて搬送ベルト11による前記乗車券16を吸入するための搬送を停止させる。この時点において、前記乗車券16は、搬送方向に関して幅寄せガイド15に対応する位置にあるものとする。
続いて、前記制御装置は、ガイド駆動装置を作動させ、前記幅寄せガイド15を矢印Eで示される方向に移動させる。これにより、前記乗車券16は、前記幅寄せガイド15に押されて矢印Eで示される方向に移動する。なお、前記乗車券16の長手方向が搬送方向に一致していない場合には、前記乗車券16は、図1において時計回り方向に回転し、長手方向が搬送方向に一致する状態に近くなる。そして、前記幅寄せガイド15が矢印Eで示される方向にさらに移動することによって、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向にほぼ一致する状態で、走行規準ガイド14に向けて押し付けられる。これにより、前記幅寄せガイド15が動作位置2に到達すると、前記乗車券16は、位置Gで示されるような姿勢になる。すなわち、エドモンソン券である乗車券16は、走行規準ガイド14と幅寄せガイド15とによって、長手方向が搬送方向に一致する状態に整列させられる。
続いて、前記制御装置は、ガイド駆動装置を作動させ、前記幅寄せガイド15を矢印Eで示される方向と反対の方向に移動させ、動作位置1にまで戻す。そして、前記制御装置は、ベルト駆動装置を作動させて搬送ベルト11による前記乗車券16を吸入するための搬送を再び開始させて、乗車券16を吸入する場合の処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 センサ12によって乗車券16の種類及び向きを判別する。
ステップS2 エドモンソン券であり、かつ、真横を向いているか否かを判別する。エドモンソン券であり、かつ、真横を向いている場合はステップS3に進み、エドモンソン券でないか、又は、真横を向いていない場合はステップS9に進む。
ステップS3 ストッパ部材17を突出させる。
ステップS4 ストッパ部材17を退避させる。
ステップS5 乗車券16を吸入するための搬送を停止させる。
ステップS6 幅寄せガイド15を動作位置2にまで動かす。
ステップS7 幅寄せガイド15を動作位置1に戻す。
ステップS8 乗車券16を吸入するための搬送を再び開始する。
ステップS9 乗車券16が大型券であるか否かを判別する。乗車券16が大型券である場合は処理を終了し、乗車券16が大型券でない場合はステップS5に進む。
次に、発券装置が乗車券16を発券する場合であり、該乗車券16を複数枚一括して発券するときの動作を説明する。ここでは、前記乗車券16がエドモンソン券であるものとして説明する。
まず、乗車券16は、発券装置の奥側に配設された発券機構によって一枚ずつ発券され、搬送ローラによって搬送され、搬送ベルト11に乗り移る。なお、前記乗車券16は、長手方向が搬送方向に一致する状態に整列した状態で、走行規準ガイド14にガイドされて、矢印Dで示される方向に搬送される。この場合、前記制御装置は、ストッパ駆動装置を作動させ、あらかじめストッパ部材17を券搬送機構10の搬送面より突出させておく。また、前記制御装置は、ガイド駆動装置を作動させ、幅寄せガイド15をあらかじめ動作位置2にまで移動させておく。これにより、発券装置の奥側から開口に向けて搬送された最初の乗車券16は、位置Gにおいてストッパ部材17によって停止させられる。
続いて、発券装置の奥側から開口に向けて搬送された後続の乗車券16も、同様に、位置Gにおいてストッパ部材17によって順次停止させられる。この場合、後続の乗車券16は、位置Gにおいて既に停止している乗車券16に順次積み重なるようになっている。そのため、複数枚の乗車券16は、位置Gにおいて、積み重なって集積する。
そして、所定枚数の乗車券16が積み重なって集積すると、前記制御装置は、ストッパ駆動装置を作動させ、ストッパ部材17を券搬送機構10の搬送面より退避させる。なお、ベルト駆動装置は作動を継続し、搬送ベルト11は矢印Dで示される方向に移動し続けている。そのため、前記ストッパ部材17が券搬送機構10の搬送面より退避すると、前記乗車券16は、積み重なって集積した状態のままで搬送ベルト11によって矢印Dで示される方向に搬送され、開口から一括して排出される。
このように、本実施の形態においては、開口から吸入された乗車券16がエドモンソン券であり、かつ、真横を向いた状態である場合には、ストッパ部材17を券搬送機構10の搬送面より突出させるようになっている。これにより、前記乗車券16は、前記ストッパ部材17に突き当たって回転し、幅寄せガイド15によって、走行規準ガイド14に押し付けられて、長手方向が搬送方向に一致する状態に整列させられる。なお、前記幅寄せガイド15と入り口部ガイド13との間に比較的広めの間隙aが形成されているので、前記乗車券16は、前記幅寄せガイド15又は入り口部ガイド13に干渉することなく回転することができる。したがって、エドモンソン券である乗車券16がどのような姿勢で開口から吸入されても、前記乗車券16を整列させて発券装置の奥側に搬送することができる。
また、前記ストッパ部材17は、乗車券16を複数枚一括して発券するときに乗車券16を停止させて集積させるために配設されたものである。すなわち、乗車券16を複数枚一括して発券するためのストッパ部材17を兼用して、エドモンソン券である乗車券16を回転させるようになっているので、前記乗車券16を回転させるための専用の構成を必要とせず、発券装置の構成を簡素化することができる。そのため、発券装置の信頼性を向上させ、コストを低減させることができる。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における発券装置の券搬送機構の構成を示す平面図である。 従来の発券装置の券搬送機構の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態における発券装置の乗車券を吸入する場合の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
11 搬送ベルト
12 センサ
13 入り口部ガイド
14 走行規準ガイド
15 幅寄せガイド
16 乗車券
17 ストッパ部材

Claims (4)

  1. (a)複数のサイズの券を取り扱い、複数枚の券を集積させて一括して排出することができる発券装置であって、
    (b)前記券を搬送する搬送ベルトと、
    (c)前記券を停止させて集積するストッパ部材と
    (d)前記券をガイドする走行規準ガイドと、
    (e)該走行規準ガイドと平行に配設された入り口部ガイドと、
    (f)該入り口部ガイドよりも奥側において、前記走行規準ガイドと平行に配設され、前記走行規準ガイドに対して垂直な方向に移動可能な幅寄せガイドとを有し、
    (g)前記入り口部ガイドと幅寄せガイドとの間には広めの間隙が形成され、
    (h)前記搬送ベルトは、前記走行規準ガイドと入り口部ガイド及び幅寄せガイドとの間に配設され、
    (i)前記ストッパ部材は、前記走行規準ガイドと搬送ベルトとの間であって、前記入り口部ガイドと幅寄せガイドとの間の間隙に対応する位置に配設され、
    )開口から吸入された小型の券を、前記搬送ベルトによって搬送し、前記ストッパ部材に突き当てて、整列可能な姿勢に回転させ
    (k)前記幅寄せガイドは、整列可能な姿勢に回転した券を前記走行規準ガイドに押し付けて整列させることを特徴とする発券装置。
  2. (a)搬送ベルトと、該搬送ベルトと平行に配設された走行規準ガイドと、前記搬送ベルトと走行規準ガイドとの間に配設されたストッパ部材と、前記走行規準ガイドに対して垂直な方向に移動可能な幅寄せガイドと、センサとを有する発券装置であって、
    )開口から吸入され、搬送ベルトによって搬送される券のサイズ及び姿勢をセンサによって判別し、
    )前記券が小型であり、かつ、幅方向が搬送方向に一致する状態であることが判別されると、
    )ストッパ部材を搬送面より突出させ、前記券をストッパ部材に突き当てて整列可能な姿勢に回転させ、
    )幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させることを特徴とする発券装置。
  3. 搬送面より突出させたストッパ部材を退避させた後に、幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させる請求項2に記載の発券装置。
  4. 前記券が、幅方向が搬送方向に一致する状態でないことが判別されると、ストッパ部材を搬送面より突出させずに、幅寄せガイドを移動させて、前記券を走行規準ガイドに押し付けて整列させる請求項2に記載の発券装置。
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