JP2709623B2 - シート位置決め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プリンタの枝葉紙の位置決め装置に係り、
特に高精度でコンパクト，かつ低コストの装置で実現す
るのに好適なシート位置決め装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のシート位置決め装置においては、特開昭58−10
0047号公報記載のように、枝葉紙（以下、用紙と称す）
の位置決めは用紙とトナー像と先頭位置決めのみという
装置が大部分であった。

また、特開昭57−90343号公報記載のように、用紙の
サイドレジストレーションを行う場合、用紙の角部がサ
イドレジストレーションガイド（基準案内部材）に当接
しないように、一旦用紙をサイドレジストレーションガ
イドから離間させ、その後接触させるようになってい
た。

そして、用紙をサイドレジストレーションガイドから
離間させることなく、直接用紙の角部又は側辺部をサイ
ドレジストレーションガイドに当接させるものもあっ
た。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のシート位置決め装置にあっては、短い搬送路長
で確実に用紙のサイドレジストレーション（搬送方向と
直角方向に用紙をシフトする）を行う点について配慮が
されておらず、サイドレジストレーションの精度が低
い。また、短い区間における搬送方向の変更による用紙
の凸状の面外変形や用紙の角部とサイドレジストレーシ
ョンガイドとの当接による耳折れ等の問題があった。

本発明の目的は、高精度のサイドレジストレーション
を短い搬送路で実現することのできるシート位置決め装
置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記の目的を達成するため、本発明に係るシート位置
決め装置は、ホッパに堆積した枝葉紙をホッパから分離
しかつ給送する分離機構と、分離機構により給送された
枝葉紙を搬送する搬送機構と、搬送機構のそれぞれの軸
を回転自在に支持して搬送方向に配設される側板とから
なる枝葉紙搬送手段に備えられ、枝葉紙の搬送方向を補
正するシート位置定め装置において、搬送機構を側板の
方向に所定の斜行角度傾けた少くとも１個の搬送ベルト
により形成し、分離機構に引続き枝葉紙を搬送する位置
でかつ搬送ベルトの上方に枝葉紙を介して回転体を回転
自在に配設するように構成されている。

そして搬送ベルトにより斜行する枝葉紙を規制する基
準案内部材を側板に設け、基準案内部材を枝葉紙の前端
の角部が当接しないとともに枝葉紙の側辺が接触する位
置に配設する構成とする。

さらに回転体は、オーバラップローラ又は球である。

さらに基準案内部材の前端を枝葉紙の前端が通過した
ことを検出する検出機構を具備した構成でも良い。

〔作用〕

本発明によれば、シート位置決め装置の基準案内部材
（サイドレジストレーションガイド）をシフト距離に搬
送ベルトから離間して設けることによって、用紙は用紙
の前端の角部とサイドレジストレーションガイドとが当
接することのないように斜行して搬送される。

それによって、用紙の側辺とサイドレジストレーショ
ンガイドとが接触するように、用紙は搬送される。

また、基準案内部材の前端を枝葉紙の前端が通過した
ことを検出する検出機構を具備しているため、枝葉紙が
耳折れ等によって基準案内部材部でひっかかった場合
は、すぐにその状態が判るので、必要な対応を直ちに取
ることが可能である。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図を参照しながら説明する。

第１図に示されるように、ホッパ５に堆積した枝葉紙
（用紙）１をホッパ５から分離しかつ給送する真空チャ
ンバ４と分離ベルト２とからなる分離機構と、分離機構
により給送された枝葉紙１を搬送する搬送機構と、搬送
機構のそれぞれの軸を回転自在に支持して搬送方向に配
設される側板11とからなる枝葉紙搬送手段に備えられ、
枝葉紙１の搬送方向を補正するシート位置定め装置にお
いて、搬送機構を側板11の方向に所定の斜行角度θ傾け
た少くとも１個の搬送ベルト６により形成し、分離機構
に引続き枝葉紙１を搬送する位置でかつ搬送ベルト６の
上方に枝葉紙１を介して回転体例えばオーバラップロー
ラ９を回転自在に配設した構成である。

そして搬送ベルト６により斜行する枝葉紙１を規制す
る基準案内部材（サイドレジストレーションガイド）10
を側板11に設け、基準案内部材10を枝葉紙１の前端の角
部Ｃが当接しないとともに枝葉紙１の側辺Ｄが接触する
位置に配設した構成でも良い。

さらに回転体は、オーバラップローラ９又は球（図示
せず）である構成でも良い。

ホッパ５に堆積した用紙１は、図示していないエレベ
ータ機構により上下動可能になっており、このホッパ５
の側辺は装置の側板11に固定されている。

ホッパ５内の用紙１は、ホッパ５の前方に配置した圧
縮空気充気室３からの吹出し空気流により分離される。
分離された用紙１の最上部の用紙１は、真空チャンバ４
を有する分離ベルト２に吸引吸着される。この分離ベル
ト２は、駆動軸13と従動軸12間で張られ、駆動軸13及び
従動軸12のそれぞれの端部は、回動自在に側板に支持さ
れている。そして駆動プーリ８と従動プーリ７とが所定
の距離を隔てて設けられており、その駆動プーリ軸16と
従動プーリ軸14のそれぞれの端部は側板11に回転自在に
支持されている。駆動プーリ８は図示していない駆動源
によって回転される。

分離ベルト２の一部分に開孔部があり、この開孔部を
通して用紙１を吸引吸着する。そして用紙１は、分離ベ
ルト２を回転することにより給送される。この状態で
は、用紙１の側辺Ｄと側板11とは平行である。

分離機構の前方に、搬送ベルト６が従動プーリ７と駆
動プーリ８との間に張られている。なお、この搬送ベル
ト６は、用紙１のサイドレジストレーションを行うため
のサイドレジストレーションガイド10が側板11に設置さ
れている方向へ、斜行して張られている。

サイドレジストレーションガイド10の用紙の通過する
面には溝20が設けてあり、用紙１の側辺Ｄがサイドレジ
ストレーションガイド10の溝20内を通過するようになっ
ている。

搬送ベルト６の上方に、用紙搬送用のオーバラップロ
ーラ９が回転自在に設けられている。このオーバラップ
ローラ９の設置場所は、分離ベルト２による給送力が無
くなるか、又は減少する位置である。従って、分離され
た用紙１は分離機構から、スムーズかつ短距離でサイド
レジストレーション部へ移動する。

用紙１がオーバラップローラ９を通過すると、用紙１
は搬送ベルト６の斜行角度θに沿って斜行し、サイドレ
ジストレーションガイド10の溝20の中に案内される。

次に、第２図により各部位の位置関係を説明する。

ホッパ５内の用紙１の前端から、オーバラップローラ
９までの距離をL₁、オーバラップローラ９からサイドレ
ジストレーションガイド10までの距離をL₂、サイドレジ
ストレーションガイド10の長さをL₃とする。搬送ベルト
６の側板方向Ｂへの斜行角度をθ、分離ベルト２の開孔
部の周長さをｌとする。そして、サイドレジストレーシ
ョンガイド10の溝20の用紙案内面21から、ホッパ５内の
用紙１のサイドレジストレーションガイド10側の側辺Ｄ
までのシフト距離をｗとする。

用紙１がオーバラップローラ９に到達した後は、斜行
している搬送ベルト６とオーバラップローラ９とによ
り、用紙１はサイドレジストレーションガイド10側へシ
フト距離ｗシフトして搬送される。このときの条件は、
用紙１がオーバラップローラ９に到達するまでは、分離
ベルト２により給送されなければならない。つまり、 L₁≒ｌ ……（１） となる。次に用紙１の角部がサイドレジストレーショ
ンガイド10に当接しないようにするため、ホッパ５内の
用紙１とサイドレジストレーションガイド10の溝20の用
紙案内面21との位置関係は、つまり用紙１のシフト距離
ｗは、 ｗ≧（L₂＋L₃）・tanθ ……（２） とする必要がある。

さらに、サイドレジストレーションを確実に行うた
め、用紙１がサイドレジストレーションガイド10に接触
するためには、 ｗ≦（L₂＋L₃＋L_P）・tanθ ……（３） （ただし、用紙１の搬送方向の長さをL_Pとする）でなけ
ればならない。

ここで（２），（３）式より （L₂＋L₃）・tanθ≦ｗ≦（L₂＋L₃＋L_P）・tanθ ……（４） となる。

なお、分離部が摩擦分離方式を採用した装置でも
（４）式は成立する。

次に、第３図〜第５図を参照しながら用紙の挙動を説
明する。

第３図に、分離ベルト２に吸着された用紙１が分離さ
れ、オーバラップローラ９に給送される状態が示され
る。用紙１は、分離ベルト２に真空圧により吸着されて
いるため、オーバラップローラ９に到達するまでは給送
方向Ａに直進する。

用紙１がオーバラップローラ９に到達すると、分離ベ
ルト２の用紙吸着力が減少するようになっており、これ
以降はオーバラップローラ９と搬送ベルト６とにより搬
送力が支配的になる。

第４図に、用紙１が斜行しながら側板方向Ｂに搬送さ
れている状態が示される。ただし、用紙前端の角部Ｃ
は、サイドレジストレーションガイド10の用紙案内面21
に当接することはない。

第５図は、用紙前端がサイドレジストレーションガイ
ド10を通過する状態が示される。用紙前端の角部Ｃは、
サイドレジストレーションガイド10の用紙案内面21に当
接することはない。用紙前端がサイドレジストレーショ
ンガイド10を通過すると、用紙の側辺がサイドレジスト
レーションガイド10の用紙案内面21に接触し、用紙１の
サイドレジストレーションが行われ、用紙１は、シフト
距離ｗだけ側板11側にシフトされた後、図示しない一対
の搬送手段によって挾持され搬送される。

本発明の他の実施例を第６図を参照しながら説明す
る。

ホッパ５に堆積した枝葉紙（用紙）１をホッパ５から
分離しかつ給送する分離機構と、分離機構により給送さ
れた枝葉紙１を搬送する搬送機構と、搬送機構のそれぞ
れの軸を回転自在に支持して搬送方向に配設される側板
11とからなる枝葉紙搬送手段に備えられ、枝葉紙１の搬
送方向を補正するシート位置定め装置において、搬送機
構を側板11の方向に所定の斜行角度θ傾けた少くとも１
個の斜行ローラ22により形成し、分離機構に引続き枝葉
紙１を搬送する位置でかつ搬送ベルト６の上方に枝葉紙
１を介して回転体を回転自在に配設した構成でも良い。

本発明の他の実施例として第２図に示されるように、
基準案内部材10の位置は、ホッパ５に堆積された枝葉紙
１の側辺Ｄから側板11側にシフト距離ｗを離間してあ
り、シフト距離ｗに対して斜行角度θと基準案内部材10
の搬送方向の位置とがそれぞれ所定の精度を備えている
構成である。

本発明の他の実施例として第６図に示されるように、
基準案内部材10の前端を枝葉紙１の前端が通過したこと
を検出する検出機構（センサ）23を具備した構成でも良
い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、シート位置決め装置の基準案内部材
を所定の位置に配設することによって、短い搬送路で高
精度のサイドレジストレーションが、用紙の耳折れや障
害等なく行えるため、枝葉紙への印刷や、枝葉紙全面へ
の印刷が、コンパクトで低コストの装置で達成できる効
果がある。更に、基準案内部材の前端を枝葉紙の前端が
通過したことを検出する検出機構を具備しているため、
枝葉紙が耳折れ等によって基準案内部材部でひっかかっ
た場合は、すぐにその状態が判り、必要な対応を直ちに
取ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略構成図、第２図は各部
位の配置条件を示した構成図、第３図〜第５図は用紙の
流れを示した斜視図、第６図は本発明の他の実施例を示
す概略構成図である。 １……用紙（枝葉紙）、２……分離ベルト（分離機
構）、６……搬送ベルト（搬送機構）、９……オーバラ
ップローラ（回転体）、10……サイドレジストレーショ
ンガイド（基準案内部材）、11……側板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 哲郎 東京都千代田区大手町２丁目６番２号 日立工機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭64−43045（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−154245（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭36−12477（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭50−40196（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭61−19156（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホッパに堆積した枝葉紙を該ホッパから分
   離しかつ給送する分離機構と、該分離機構により給送さ
   れた枝葉紙を搬送する搬送機構と、該搬送機構のそれぞ
   れの軸を回転自在に支持して搬送方向に配設される側板
   とからなる枝葉紙搬送手段に備えられ、前記枝葉紙の搬
   送方向を補正するシート位置定め装置において、前記搬
   送機構を前記側板の方向に所定の斜行角度傾けた少くと
   も１個の搬送ベルトにより形成し、前記分離機構に引続
   き前記枝葉紙を搬送する位置でかつ前記搬送ベルトの上
   方に前記枝葉紙を介して回転体を回転自在に配設し、前
   記搬送ベルトにより斜行する枝葉紙を規制する基準案内
   部材を側板に設け、該基準案内部材を前記枝葉紙の前端
   の角部が当接しないとともに該枝葉紙の側辺が接触する
   位置に配設し、前記回転体は、オーバラップローラであ
   ることを特徴とするシート位置決め装置。
2. 【請求項２】回転体は、オーバラップローラに代えて球
   であることを特徴とする請求項１記載のシート位置決め
   装置。
3. 【請求項３】基準案内部材の前端を枝葉紙の前端が通過
   したことを検出する検出機構を具備したことを特徴とす
   る請求項１又は２記載のシート位置決め装置。