JPS6213176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は紙幣識別機に係り、特に紙幣の挿入返
却装置に関する。

（従来の技術） 従来から、両替機、預金機、自動販売機等に搭
載される紙幣識別機は、紙幣の挿入を案内するた
めのトレイと、このトレイの後方部にあつて紙幣
を識別する識別部とで構成され、この識別部で正
常と判定された紙幣はそのまゝ取り込み、異常と
判定された紙幣、例えば偽紙幣等はトレイを通じ
て返却されるようになされている。

上記トレイと識別部とは一般に別体構成とさ
れ、トレイをねじ止めなどで識別部に取りつけた
り、あるいは識別部は機械本体の内部に設置し、
トレイは機械本体の内部を開放するための扉に取
りつけておき、扉を閉じたとき識別部にトレイが
合致するようになされている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで前記識別部により異常と判定された紙
幣は前記トレイを通じて返却されるため、トレイ
の巾と識別部の巾とが同一寸法とされており、し
たがつてトレイと識別部との接合部分にずれがあ
ると、紙幣の挿入返却の際に紙幣が上記接合部分
に引つ掛り、ジヤミングが発生するという問題が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこれに鑑み、上記従来の問題点を除去
することを目的としてなされたもので、トレイの
挿入面の巾を識別部の巾よりも狭く形成するとと
もに、該トレイの側壁に返却される紙幣の端部を
案内する返却ガイドを設けた紙幣識別機の挿入返
却装置を提供するにある。

（作用） 返却される紙幣が斜行姿勢のように曲つていて
も前記返却ガイドにそつて円滑に返却される。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

第１図に機械本体１に設置された状態のトレイ
２の外観を、第２図にトレイ２と識別部３との接
合状態の縦断側面を、そして第３図に第２図−
線に相当する部分の水平断面をそれぞれ示すよ
うに、トレイ２は紙幣挿入面４の挿入方向両側に
側壁５，５が立設され、この側壁５，５間の内の
り寸法は、取り扱う紙幣の巾よりやや広く形成さ
れている。

前記識別部３は、筐体６内に上下に対置された
搬送コンベア７，８を有し、これら搬送コンベア
７，８間に挾まれて矢印方向に移送される紙幣
を、インキに含まれている磁気や模様の細線の本
数、その他通常の識別手段により識別するもの
で、正しい紙幣の場合にはそのまま矢印Ａ方向に
後方に取り込み、偽紙幣のように異常を検出した
ときはその検出信号により前記搬送コンベア７，
８を逆転駆動して前記トレイ２を通じ返却するよ
うになつている。

本考案における前記トレイ２は、その側壁５，
５間の間隔が識別部３の巾よりもやや狭く形成さ
れており、かつ側壁５，５の識別部３側の端部に
は返却紙幣の端部を案内する返却ガイド９，９が
形成されている。

第１図乃至第３図に示す実施例における前記返
却ガイド９，９は、側壁５，５の後端部が斜めに
削成され、その傾斜面１０，１０の最下端部は紙
幣挿入面４と略同一面になるように形成されてい
る。そして上記傾斜面１０，１０に対向する上部
には機械本体１側に設けられたガイド部材１１が
該傾斜面１０，１０にわずかの間隔をおいて略平
行するように配設されている。

上記構成による実施例においては、トレイ２を
通じて挿入された紙幣が識別部３において異常と
検出された場合には、その検出信号により搬送コ
ンベア７，８が逆転駆動して前記紙幣を識別部３
内から再びトレイ２に戻す。このとき紙幣の挿入
方向後端がトレイ２に入る際に、例えば斜行する
ようなことがあつてもその紙幣の端部はトレイ２
の返却ガイド９，９を構成する傾斜面１０，１０
にそつて戻されることになるので、トレイ２の端
部に引つ掛つてジヤミングを起すことがなく、円
滑にトレイ２上に戻される。

第４図は上記トレイ２の返却ガイド９，９の他
の変形例を示すもので、トレイ２の側壁５，５の
端部内面側に直線乃至は弧状をなす溝１２，１２
を形成し、この溝１２，１２の下面側が前記実施
例における傾斜面１０，１０に相当し、上面側が
ガイド部材１１に相当するものとなる。

この実施例においても、識別部３から戻される
紙幣が斜めになつていたとしても紙幣端が溝１
２，１２内に入つて誘導されるため、つかえるこ
となく円滑にトレイ２上に送り出される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、紙幣挿入用ト
レイの挿入面にそつて挿入された紙幣を識別部で
識別し、正常と判定された紙幣は取り込み、異常
と判定された紙幣は前記トレイを通じて返却する
紙幣識別機において、前記トレイの挿入面の巾を
識別部の巾よりも狭く形成するとともに、該トレ
イの側壁に返却される紙幣の端部を案内する返却
ガイドを形成し、返却される紙幣のうち斜行され
る紙幣を前記返却ガイドにそつて返却されるよう
にしたので、紙幣返却の際にトレイと識別機との
接合部に引つ掛つたりつかえて返却されないとい
うトラブルが解消され、円滑に返却することがで
き、内部でのジヤミングが生じないため保守が容
易となり、紙幣を破損するおそれもないなどの
種々の効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の要部を示す斜視図、第２
図は同縦断側面図、第３図は第２図−線相当
部分における水平断面図、第４図はトレイの他の
変形例を示す斜視図である。 １……機械本体、２……トレイ、３……識別
部、４……挿入面、５……側壁、６……筐体、
７，８……搬送コンベア、９……返却ガイド、１
０……傾斜面、１１……ガイド部材、１２……
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙幣挿入用トレイの挿入面にそつて挿入された
   紙幣を識別部で識別し、正常と判定された紙幣は
   取り込み、異常と判定された紙幣は前記トレイを
   通じて返却する紙幣識別機において、前記トレイ
   の挿入面の巾を識別部の巾よりも狭く形成すると
   ともに、該トレイの側壁に返却される紙幣の端部
   を案内する返却ガイドを形成し、返却される紙幣
   のうち斜行される紙幣を前記返却ガイドにそつて
   返却させるようにしたことを特徴とする紙幣識別
   機における挿入返却装置。