JPH0241722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案はごく狭い空間に設置することのできる
自動販売機用貨幣識別機に関する。 〔従来の技術〕 例えばパチンコ店のような遊技場においては玉
貨機が用いられるが、客がいつでも手軽に玉を入
手できるように、パチンコ機とパチンコ機との間
に玉貨機を設置することが行われている。この玉
貨機は一定の貨幣を投入することによりいくつか
の玉が搬出される自動販売機式のものであり、そ
の内部に貨幣識別機を持つている。一般に自動販
売機に使用される貨幣識別機は、硬貨投入口より
投入された硬貨の検銭部と紙幣投入口より投入さ
れた紙幣の識別部とを備え、紙幣は水平方向に投
入されるようになつており、自動販売機の扉に装
着できるように奥行寸法は比較的小さく形成され
ているが幅寸法はかなり大きいものとなつている
（「富士時報」５４

〔９〕（昭和56年）640〜646ペ
ージ参照）。パチンコ機の設置台数を増やすため
にも玉貨機に与えられる容積は極めて限られてお
り、したがつてその貨幣識別機もできるだけ小形
に、特に幅の小さいものにしなければならない。
また遊技費の上昇に伴い紙幣の使用率も高くな
り、硬貨においても500円硬貨の出現でその利用
も考慮しなければならない。しかしながら、従来
のような紙幣専用の識別機と、多種類の硬貨の検
銭機とを極めて限られた容積中に収容することは
困難であり、これまでそのような貨幣識別機は得
られていない。 〔考案が解決しようとする課題〕 本考案の目的は、容積の限られた狭い所、特に
幅方向の寸法が限られた所にも設置し得る自動販
売機用の紙幣、硬貨識別機を得ることにある。 〔課題を解決するための手段〕 上述の目的は本考案によれば、紙幣の面がほぼ
垂直方向になるように紙幣を案内する紙幣投入口
と、紙幣をその面が垂直方向になるように保持し
ながら搬送する通路と、この通路の側方に紙幣投
入口に対し平行に位置する紙幣スタツカー部と、
紙幣投入口の上方に設けた硬貨投入口と、紙幣投
入口と紙幣スタツカー部との間の通路に挿入した
貨幣センサとを備え、紙幣投入口より投入された
紙幣および硬貨投入口より投入された硬貨の両者
が前記通路を通り貨幣センサの近傍を通過するよ
うになつていることによつて達成される。 〔作用〕 本考案においては、紙幣投入口より投入された
紙幣は面を垂直方向にして取り込まれ、通路を通
る際貨幣センサで真偽が識別され、真札はさらに
送り込まれて紙幣スタツカー部に収容され、偽札
は紙幣投入口に戻される。硬貨投入口より投入さ
れた硬貨は投入口の下にある通路に入り、貨幣セ
ンサで真偽を識別され、真貨は取り込まれ、偽貨
は返却される。 〔実施例〕 次に本考案の実施例を図面について説明する。 第１図において、１は貨幣識別機キヤビネツト
で極めて幅が狭く形成されている（例えば幅４
cm）。２はキヤビネツト１の前面に垂直方向に開
いた紙幣投入口、３は紙幣投入口２のすぐ上部に
設けられた硬貨投入口、４は紙幣および硬貨の通
路、５は通路４を隔てて紙幣投入口２に平行に置
かれた紙幣スタツカー部、６は通路４につながる
正貨受入通路、７は通路４につながる偽貨受入通
路、８は偽貨返却口である。９，１０は通路４内
に設けた貨幣センサで、紙幣および硬貨の両者を
識別する機能を持つている。１１，１２はそれぞ
れ投入される紙幣、硬貨である。 第２図ａ，ｂ，ｃは紙幣および硬貨の搬送部の
構造の一例を示し、第１図と同等部分には同符号
を付してある。紙幣投入口２に近接して貨幣識別
機キヤビネツト１の内部に位置検出センサとして
のフオトセンサ１３，１４が上下に配置され、そ
の後方に、磁気ヘツド１５，１６およびそれに対
向するように押えゴムローラ１７，１８が設けら
れ、その更に後方にはプーリ１９，２０で駆動さ
れるベルト２１，２２が設けられている。硬貨投
入口３に連通して硬貨通路２３が設けられてお
り、この通路２３は磁気ヘツド１５，１６と押さ
えゴムローラ１７，１８との間に形成される貨幣
通路２４につながり、この貨幣通路２４は更に第
１図の正貨受入通路６および偽貨受入通路７につ
ながる硬貨通路２５に連通している。 次に動作について説明する。 今紙幣１１を面が垂直方向になるように、すな
わち縦にして紙幣投入口２より投入すると、フオ
トセンサ１３，１４が紙幣を検出し、その検出信
号により押えゴムローラ１７，１８は貨幣通路２
４中に押し出され、紙幣１１は磁気ヘツド１５，
１６と押えゴムローラ１７，１８との間に挟み込
まれ、押えゴムローラ１７，１８の回転により紙
幣１１は矢印Ａ方向に引き込まれながら磁気ヘツ
ド１５，１６により正偽が識別される。正と識別
された場合は押えゴムローラ１７，１８の回転に
より紙幣は更に引き込まれ、プーリ１９，２０の
駆動によりベルト２１，２２の間に挟み込まれて
紙幣スタツカー部５へ取り込まれそこに縦方向の
姿勢で保留される。もし偽と判定されたときは押
えゴムローラ１７，１８は逆転して紙幣は紙幣投
入口２に返却される。いずれの場合にも紙幣が貨
幣通路２４を通過し終わると押えゴムローラ１
７，１８は後退し、貨幣通路２４は開放される。 硬貨１２が硬貨投入口３から投入された場合に
は、硬貨１２は硬貨通路２３を通つて貨幣通路２
４に入るが、フオトセンサ１３，１４は硬貨が貨
幣通路２４内を落下する経路から若干側方にずれ
て設けられているから、フオトセンサ１３，１４
が硬貨に感応することはなく、したがつて押えゴ
ムローラ１７，１８は移動せず、硬貨は磁気ヘツ
ド１５，１６と押えゴムローラ１７，１８との間
を通り抜けながら矢印Ｂ方向に落下して磁気ヘツ
ド１５，１６により識別され、正貨は正貨受入通
路６へ、偽貨は偽貨受入通路７へ送られ返却口８
へ返却される。 極めて僅かな磁気しか持たない紙幣は磁気ヘツ
ドに密着させることにより識別および送りを容易
にし、紙幣に比し比較的大きい磁気を有する硬貨
に対しては磁気ヘツドと間隔をおいて通過させる
ことにより効率よく識別および送りを行うことが
できる。 従来の識別機においては、紙幣用と硬貨用とは
別個に構成されるのが通常であるが、紙幣用のも
のは硬貨用のものに対してその性質上、感度およ
び精度ともに極めて高度のものが要求される。し
たがつて紙幣を識別し得る機能を持つたものは硬
貨に対しては十分な機能を有しているので、両者
を共通にすることについてなんら問題はない。 〔考案の効果〕 本考案によれば、紙幣は面が垂直に向くように
縦にして投入され、その姿勢で内部に重ねて保留
されるものであり、また紙幣と硬貨の内部通路を
一部共通にし、かつ同じ貨幣センサで紙幣および
硬貨の両者の真偽識別をするものであるから、紙
幣を面が水平方向になるように、すなわち紙幣を
横にして搬送し、かつ紙幣と硬貨の識別機を別個
にした従来のものに比較して全体を極めて薄くか
つ小型にすることができ、限られたスペースにも
挿入することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の概略斜視図、第２図
ａ，ｂ，ｃはその紙幣、硬貨を搬送する部分の構
造の一例のそれぞれ縦断正面図、縦断側面図、横
断平面図である。 １……貨幣識別機キヤビネツト、２……紙幣投
入口、３……硬貨投入口、４……通路、５……紙
幣スタツカー部、９，１０……貨幣センサ、１１
……紙幣、１２……硬貨、１３，１４……フオト
センサ、１５，１６……磁気ヘツド、１７，１８
……押えゴムローラ、１９，２０……プーリ、２
１，２２……ベルト、２３，２５……硬貨通路、
２４……貨幣通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙幣の面がほぼ垂直方向になるように紙幣を案
   内する紙幣投入口と、紙幣をその面が垂直方向に
   なるように保持しながら搬送する通路と、この通
   路の側方に紙幣投入口に対し平行に位置する紙幣
   スタツカー部と、紙幣投入口の上方に設けた硬貨
   投入口と、紙幣投入口と紙幣スタツカー部との間
   の通路に挿入された貨幣センサとを備え、紙幣投
   入口より投入された紙幣および硬貨投入口より投
   入された硬貨の両者が前記通路を通り貨幣センサ
   の近傍を通過するようになつていることを特徴と
   する貨幣識別機。