JP4175749B2 - 風味改良剤およびそれを用いた酒酔い防止食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物体由来のアルコール脱水素酵素特有の異味異臭を、簡単かつ効果的にマスキングすることができる風味改良剤およびそれを用いた酒酔い防止食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、飲酒の際に体内に取り込まれたアルコールは、二日酔いの防止、肝臓への負担軽減の観点から、早期に分解されることが望ましい。従来より、アルコールの分解方法としては、医薬品の他、ヘミセルロース、ビタミン類、ケルセチン配糖体等を含有する食品やそば、甘草、茶、柿等を原料とする各種の抽出物等を用いることが知られているが、充分な効果が発揮されているとは言い難い。
【0003】
そこで、これを解決するために、例えば果実野菜由来アルコールデヒドロゲナーゼとアセトアルデヒド還元酵素によって消化管内のアルコールを分解する方法が提案されている(特開平9−87191号公報)。この方法によれば、飲用したアルコールを胃中で無害な水(H2 O)に分解でき、飲酒障害を効果的に予防することができる。それは、つぎのような理由による。
【0004】
すなわち、アルコールは、体内において、▲1▼NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を補酵素とするアルコール脱水素酵素(ADH)の関与によりアセトアルデヒドに分解される他、▲2▼カタラーゼ、MEOS(マイクロソーム中に存在するエタノール酸化系)によりアセトアルデヒドに分解されることが知られている。なかでも、アルコール代謝系として重要なのは、▲1▼のADH関与の代謝系であり、この代謝系はアルコール代謝全体の約90%を占める。なお、▲2▼のカタラーゼ、MEOSは、多量にアルコールを常用し、ADHのみでは代謝しきれない場合に、アルコールの代謝に関与してくると言われている。そして、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは、NAD依存性のアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の関与により酢酸に代謝され、酢酸はクエン酸回路を通じて、最終的には炭酸ガスと水に代謝される。このようにしてアルコールが代謝されるため、上記方法によって、飲酒障害を効果的に予防することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ADHは、元来、非常に不安定な酵素であるが、上記果実野菜由来のものは他のもの由来のものより安定な酵素であるため、飲酒(アルコール)の代謝剤として有効である。
【0006】
しかしながら、上記果実野菜由来のアルコールデヒドロゲナーゼとアセトアルデヒド還元酵素は、特有の異味異臭(青臭み)を有するため、錠剤等の形態にして水とともに飲み下さなければ服用しづらいという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、植物体由来のADH特有の異味異臭を、簡単かつ効果的にマスキングすることができる風味改良剤およびそれを用いた酒酔い防止食品の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、植物体由来のADHの青臭みをマスキングして風味を改良する風味改良剤であって、ペパーミントオイル、ダバナオイル、クローブオイル、タイムオイル、シンナモンオイル、ユーカリオイルおよびヒノキオイルからなる群(X群)から選ばれた少なくとも一つのオイルを必須成分とする風味改良剤を第1の要旨とする。
【0009】
また、本発明は、上記風味改良剤と、植物体由来のADHとを含有してなる酒酔い防止食品を第2の要旨とする。
【0010】
すなわち、本発明の風味改良剤は、植物体由来のADHを対象とし、ペパーミントオイル、ダバナオイル、クローブオイル、タイムオイル、シンナモンオイル、ユーカリオイルおよびヒノキオイルからなる群(X群)から選ばれた少なくとも一つのオイルを必須成分とするものであるため、ペパーミントオイル等による冷涼感,フレッシュ感等によって植物体由来のADH特有の異味異臭(青臭み)をマスキングすることができる。したがって、酒酔い防止のため、各種の食品等に植物体由来のADHを含有させた場合であっても、本発明の風味改良剤を添加することにより、不快な臭いを感じることなく喫食することができるようになる。
【0011】
また、上記風味改良剤と植物体由来のADHとを含有してなる酒酔い防止食品であれば、従来のように、植物体由来のADHを錠剤化し、それを水を用いて飲み下すといったことが不要となり、時間や場所を選ばずに、酒酔い防止効果を得るのに必要な状況に応じて摂取することが可能になる。ここで、本発明における食品とは、食事としてとる狭義の食品だけでなく、チューインガム,キャンディ,ゼリー等の菓子,嗜好品をも含むものである。特に、チューインガム,タブレット,キャンディ等のように口中に長く滞留や咀嚼する食品は、好適に本発明の効果を発揮する。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明の風味改良剤の対象は、植物体由来のアルコール脱水素酵素(ADH)である。ここで、ADHとは、別名アセトアルデヒド還元酵素、アルコールデヒドロゲナーゼともいわれ、アルコールのアルデヒドへの酸化を可逆的に触媒する酵素である。そして、このADHを含む植物体としては、例えばキュウリ、なす、大根、セロリ、トマト、ネギ等があげられる。
【0014】
そして、上記植物体由来のADHは、従来公知の各種の方法により調製することができ、例えばつぎのようにして調製される。すなわち、まず、充分に成熟した植物体を準備し、これに脱イオン水を加え、ミキサー等によって植物体を粉砕する。そして、得られた粉砕物(液状)を遠心分離により清澄化し、その後凍結乾燥または噴霧乾燥を行う。このようにして、粒状,粉末状等の固形の植物体由来のADHを得ることができる。
【0015】
また、さらに高活性の植物体由来のADHを得るため、つぎのように調製してもよい。すなわち、まず、上記と同様にして清澄液を得る。ついで、得られた清澄液に硫安を加えて放置した後、生じた沈殿物を遠心分離により集める。その後、沈殿物を脱イオン水に溶解し、脱イオン水に対して透析するか、限外濾過装置を用いて脱塩する。このようにして得られたものを緩衝液に置換し、ハイドロキシアパタイト樹脂等に吸着させ、同じ緩衝液で洗浄した後、溶出させる。そして、植物体由来のADHの安定性を高めるため、得られた溶出液に濃縮大根エキス等を加え、さらに透析を行った後、凍結乾燥する。このようにしても、粒状,粉末状等の固形の植物体由来のADHを得ることができる。
【0016】
上記植物体由来のADHを対象とし、その青臭みをマスキングして風味を改良するために用いられる本発明の風味改良剤は、ペパーミントオイル、ダバナオイル、クローブオイル、タイムオイル、シンナモンオイル、ユーカリオイルおよびヒノキオイルからなる群(X群)から選ばれた少なくとも一つのオイルを必須成分とするものである。したがって、これらのオイルは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられることとなる。
【0017】
上記X群のうちのペパーミントオイルは、ペパーミント(別名セイヨウハッカ)の精油であり、メントールを主成分とし、メントン、シネオール、イソメントン、メンチルアセテート、ネオメントール、リモネン、プレゴン、ピネン、ピペリトン、オクタノール、メントフラン等を含有するものである。ここで、主成分とは、その成分を含むオイルの主たる特性を決定づけている成分のことをいう(以下同様)。具体的に説明すると、ペパーミントオイル中の主成分であるメントールによってペパーミントオイルの主たる特性(冷涼感、フレッシュ感)が決定づけられている。
【0018】
また、上記X群のうちのダバナオイルは、キク科のダバナの精油であり、リナロール、オイゲノール、ダバノン等を含有するものである。
【0019】
また、上記X群のうちのクローブオイルは、クローブ(丁子)の精油であり、オイゲノールを主成分とし、アセチルオイゲノール、カリオフィレン等を含有するものである。
【0020】
また、上記X群のうちのタイムオイルは、タイムの精油であり、チモール、カルバクロールを主成分とし、ピネン、リモネン、シネオール等を含有するものである。
【0021】
また、上記X群のうちのシンナモンオイルは、シンナモンの精油であり、オイゲノール、カリオフィレン、ベンジルベンゾネート、リナロール、アセトオイゲノール、サフロール、シンナムアルデヒド、シナミルアセテート等を含有するものである。
【0022】
また、上記X群のうちのユーカリオイルは、ユーカリの精油であり、シネオールを主成分とし、ピネン、カンフェン、フェランドレン等を含有するものである。
【0023】
また、上記X群のうちのヒノキオイルは、ヒバ,ヒノキの精油で、材油、葉油、根油の3種類があり、ヒノキオール、テルペン、テルペンアルコール、セスキテルペン、セスキテルペンアルコール等を含有するものである。
【0024】
上記X群の各オイルは、前述したとおり、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられるが、風味改良の観点から、少なくともペパーミントオイルを用いることが好ましい。そして、ペパーミントオイルを含む複数のオイルを必須成分とする場合には、ペパーミントオイルの含有割合は、複数のオイル中の50重量%以上に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜100重量%である。すなわち、ペパーミントオイルの含有割合が50重量%未満であると、ペパーミントオイルの冷涼感,フレッシュ感が充分に発揮されず、植物体由来のADH特有の異味異臭のマスキング効果が弱まる傾向にあるからである。
【0025】
本発明の風味改良剤は、上記X群のうちのオイルを単独であるいは2種以上組み合わせて混合し、そのまま液体状で用いることができるが、任意成分として賦形剤等を添加して加工し、粉末状(顆粒状)、小片状、ゼリー片状等の形態にして用いることもできる。
【0026】
そして、本発明の風味改良剤は、植物体由来のADH1重量部(以下「部」と略す)に対して、0.2〜2部の範囲内となるように使用することが好ましく、特に好ましくは0.5〜1部の範囲である。すなわち、0.2部未満であると、風味改良剤の使用量が少なすぎて植物体由来のADH特有の異味異臭のマスキング効果が弱まる傾向にあるからである。逆に、2部を超えても、異味異臭のマスキング効果をそれ以上得ることができず、植物体由来のADHを含む食品等に多量に使用した場合、かえってその食品等の本来の風味を損なう傾向にあるからである。
【0027】
つぎに、本発明の酒酔い防止食品について説明する。
【0028】
本発明の酒酔い防止食品は、各種の食品中に、上記風味改良剤と、植物体由来のADHが添加されたものである。
【0029】
上記各種の食品としては、特に制限するものではないが、本発明の主たる目的が風味改良にあることから、溶解性、崩解性が速く、糖類を主成分としたり、口中での滞留,咀嚼時間が長く、食品原料の臭い(不快な臭い)を感じやすい食品が好ましい。また、植物体由来のADHの失活を防止するため、低温加熱もしくは非加熱食品、あるいは低水分食品を用いることが好適である。
【0030】
上記食品原料の臭いを感じやすい食品としては、例えばチューインガム、錠菓、フォンダン等があげられる。
【0031】
また、上記低温加熱もしくは非加熱食品、あるいは低水分食品としては、例えば、チューインガム、フォンダン、ソフトキャンディ、錠菓、ゼリー、グミ等の菓子類、これら菓子類に糖衣等のコーティングを施したもの、シリアルまたはその成形品、各種粉末食品、ダイエット用サプリメント類、糖アルコールを含む甘味剤等またはその加工品等があげられる。
【0032】
本発明の酒酔い防止食品は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず上記風味改良剤と、植物体由来のADHと、各種の食品原料とを混合し、あるいは予め上記風味改良剤と植物体由来のADHとを混合してなるものと、各種の食品原料とを混合する。そして、得られた混合物を用い、従来公知の各種の食品の製造方法に従うことにより、目的とする本発明の酒酔い防止食品が得られる。
【0033】
このようにして得られた酒酔い防止食品において、上記風味改良剤は、前述したとおり、風味改良の観点から、酒酔い防止食品中の植物体由来のADH1部に対し、0.2〜2部の範囲内となるように配合されていることが好ましい。特に、好ましくは0.5〜1部の範囲である。
【0034】
このように、上記風味改良剤の含有量は、酒酔い防止食品中の植物体由来のADHの含有量に応じて適宜に設定されるが、風味改良剤が多すぎると食品本来の風味を損なうおそれがあるため、通常、酒酔い防止食品全体中の2重量%以下に設定されていることが好ましい。
【0035】
なお、本発明の酒酔い防止食品は、各種の食品を芯材とし、その外表面に被覆層が形成された食品において、その被覆層中に上記風味改良剤と植物体由来のADHとが配合されてなるものであってもよい。このような酒酔い防止食品は、例えば予め製造された食品の外表面に、上記風味改良剤と植物体由来のADHとを含む混合物(液体状等)をまぶしたり、コーティングしたりすることにより製造することができる。この態様であれば、植物体由来のADHが失活してしまうような製造条件(高温条件等)でしか製造できない食品、例えばハードキャンディ等の高温加熱食品についても、酒酔い防止効果を備え、しかも不快な臭いを感じない食品を得ることができるという利点がある。
【0036】
また、本発明の酒酔い防止食品は、各種の食品原料を用いず、上記風味改良剤と、植物体由来のADHと、必要に応じて賦形剤等のその他の添加剤を混合し、その混合物に対し顆粒化,錠剤化等の加工を施すことにより製造したものであってもよい。
【0037】
なお、本発明では、上記各種の食品に代えて、例えば経口投与される錠剤、粉薬等の医薬品等を用いることもできる。
【0038】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0039】
まず、実施例および比較例に先立って、ADHをつぎのようにして調製した。すなわち、まず、成熟の進んだキュウリ10kgと大根1kgに約30リットルの脱イオン水を加え、ミキサーで約10分間粉砕した。つぎに、得られた粉砕物(液状)を遠心分離により清澄化した。つづいて、得られた清澄液に、最終濃度が60%飽和になるように固形硫安を加え、生じた沈澱物を遠心分離により集めた。その後、沈殿物を脱イオン水に溶解し、脱イオン水に対して透析した。その後、10mMのリン酸緩衝液(pH7.2)に置換し、ハイドロキシアパタイト樹脂に吸着させ、同じ緩衝液で洗浄した後、400mMのリン酸緩衝液(pH7.2)で溶出させた。そして、得られた溶出液1000容に対し、1容の10倍濃縮大根エキスを加え、脱イオン水に対して透析を行った後、凍結乾燥することにより粉状のADHを調製した。
【0040】
【実施例1〜5、比較例1,2】
後記の表1および表2に示す各原料をニーダーを用いて混合した後、ブロック状(20mm×13mm×10mm)で重量約3.0g/個となるように成形して、ADH含有チューインガムを得た。なお、各実施例および比較例において、風味改良剤に関しては、同表に示す各成分を用い、その総含有割合をそれぞれ0.2重量%(実施例1)、0.5重量%(実施例2)、1.0重量%(実施例3)、2.0重量%(実施例4)、0.5重量%(実施例5)に調整したものを用いた。また、風味改良剤を含有しないものを比較例1とし、風味改良剤を含有せずストロベリー香料を含有するものを比較例2とした。
【0041】
このようにして得られた実施例品および比較例品のADH含有チューインガムについて、専門パネラー20名が喫食して官能評価を行い、その結果を同表に併せて示した。なお、官能評価の評価基準は、以下のとおりとした。
〔評価基準〕
◎:大変良好。
○:良好。
△:僅かに異味異臭(青臭み)を感じるが、喫食可能である。
×:強い異味異臭(青臭み)を感じる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
上記表1および表2の結果から、実施例品のADH含有チューインガムは全て、ADH特有の異味異臭(青臭み)がマスキングされ、しかも爽快な甘味が強調されていた。また、風味改良剤の総含有割合が同じである実施例2品と実施例5品を比較すると、ペパーミントオイルを用いた実施例2品のほうが、良好な結果が得られた。これに対し、比較例品のADH含有チューインガムは、風味改良剤が添加されてなかったり(比較例1品)、あるいはストロベリー香料は添加されているが風味改良剤は添加されていない(比較例2品)ため、強い異味異臭(青臭み)を呈しており、また甘味とのバランスが悪く、好ましくなかった。
【0045】
【実施例6〜9、比較例3,4】
後記の表3および表4に示す各原料を打錠して、1辺9mm×3辺、厚み4mm大の三角形状で重量0.34g/個となるように成形し、ADH含有タブレットを得た。なお、各実施例および比較例において、風味改良剤に関しては、同表に示す各成分を用い、その総含有量を、ADH1部に対し、それぞれ0.24部(実施例6)、0.5部(実施例7)、0.6部(実施例8)、1.2部(実施例9)に調整したものを用いた。また、風味改良剤を含有しないものを比較例3とし、風味改良剤を含有せずストロベリー香料を含有するものを比較例4とした。
【0046】
このようにして得られた実施例品および比較例品のADH含有タブレットについて、上記と同様の官能評価を行い、その結果を同表に併せて示した。なお、評価基準も上記と同様にした。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
上記表3および表4の結果から、実施例品のADH含有タブレットは全て、ADH特有の異味異臭(青臭み)がマスキングされ、好ましい風味に改良されており、爽快な甘味を発現していた。これに対し、比較例品のADH含有タブレットは、風味改良剤が添加されてなかったり(比較例3品)、あるいはストロベリー香料は添加されているが風味改良剤は添加されていない(比較例4品)ため、強い異味異臭(青臭み)を呈しており、また甘味とのバランスが悪く、好ましくなかった。
【0050】
【実施例10】
まず、常法に従って、ハードキャンディを作製した。また、ペパーミントオイル0.02部と、ユーカリオイル0.002部と、ヒノキオイル0.002部とを混合した。そして、得られた混合物を、上記ハードキャンディの外表面に噴霧し、ADH0.1部含有粉糖をまぶして、被覆層を形成した。このようにして得られた被覆層付きハードキャンディを、上記と同様の官能評価をしたところ、大変良好な結果が得られた。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の風味改良剤は、植物体由来のADHを対象とし、ペパーミントオイル、ダバナオイル、クローブオイル、タイムオイル、シンナモンオイル、ユーカリオイルおよびヒノキオイルからなる群から選ばれた少なくとも一つのオイルを必須成分とするものであるため、植物体由来のADH特有の異味異臭(青臭み)を簡単かつ効果的にマスキングすることができ、その結果、風味を大幅に改良することができる。したがって、チューインガム等の口中に長時間滞留する食品等に植物体由来のADHを添加した場合であっても、本発明の風味改良剤を添加することにより、不快な臭いを感じることなく喫食することが可能となる。
【0052】
そして、上記風味改良剤と植物体由来のADHとを含有してなる酒酔い防止食品であれば、風味改良剤によって植物体由来のADHの異味異臭がマスキングされているため、従来のように、植物体由来のADHを錠剤化し、それを水を用いて飲み下すといったことが不要となる。そのため、時間や場所を選ばずに酒酔い防止効果を得たいときに摂取することが可能になる。
Claims (2)
- 植物体由来のアルコール脱水素酵素の青臭みをマスキングして風味を改良する風味改良剤であって、ペパーミントオイル、ダバナオイル、クローブオイル、タイムオイル、シンナモンオイル、ユーカリオイルおよびヒノキオイルからなる群(X群)から選ばれた少なくとも一つのオイルを必須成分とすることを特徴とする風味改良剤。
- 請求項1記載の風味改良剤と、植物体由来のアルコール脱水素酵素とを含有してなることを特徴とする酒酔い防止食品。
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