JP4175687B2 - 内視鏡洗滌消毒装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を洗滌・消毒するための内視鏡洗滌消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内視鏡は体腔内の検査および治療に広く利用されており、その内部には送気、送水、吸引等を行なうための各種の管路が組み込まれている。そして、感染等を防止するため、内視鏡は、使用する毎に、その外表面および内部管路を洗滌消毒する必要がある。
【0003】
こうした内視鏡の洗滌消毒に使用される内視鏡洗滌消毒装置としては、例えば特公平3−9729号公報に示されるものがある。この内視鏡洗滌消毒装置は、その洗滌槽の特に天井面が内視鏡の洗滌によって汚染されることに着目し、内視鏡だけでなく、それ自身の洗滌槽の天井面をも洗滌することができるようになっている。具体的には、洗滌槽内に天井面洗滌用のノズルを設け、このノズルから洗滌液を天井面に向けて噴出するように構成されている。また、ランニングコストや環境問題などから、内視鏡や天井面を洗滌した洗滌液を垂れ流しにせずにポンプで循環して使用している。
【0004】
しかしながら、前記公報に開示された内視鏡洗滌消毒装置は、内視鏡の洗滌に使用された洗滌液を再度循環させて洗滌槽の天井面に向けて噴出させるようにしているため、その洗滌液に多量の細菌等の汚染物質が含まれていると、この汚染物質を循環使用される洗滌液とともに天井面に吹き付けてしまう虞がある。
【0005】
また、天井面洗滌用のノズルから噴出される洗滌液の噴出圧が低いと、天井面に付着している細菌等の汚染物質を完全に洗い落とすことができなかったり、あるいは、洗滌液を洗い流すためのすすぎ工程において天井面に付着した洗滌剤を十分に洗い落とすことができない虞がある。
【0006】
内視鏡洗滌消毒装置にあっては、洗滌槽の天井面が清潔に保たれていることが必要であり、そうでないと、天井面に付着した細菌等の汚染物質が洗滌槽にセットされた内視鏡に付着して、せっかく洗滌消毒した内視鏡を再汚染してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、前述のような問題を解決するために、特開平9−164117号公報に示す内視鏡洗滌消毒装置においては、洗滌工程では洗滌槽洗滌手段による洗滌槽の洗滌を行なわず、洗滌工程後に行なわれる工程で洗滌槽洗滌手段による洗滌槽の洗滌を行なうようにし、洗滌槽の天井面に付着した汚物を確実に除去し、天井面に付着した汚物によって内視鏡を汚染してしまう問題を解決している。
【0008】
また、洗滌槽及び内視鏡を洗浄槽内で洗滌するためには、洗浄槽内に洗剤を供給する必要があるが、従来においては、洗剤を収容した洗剤ボトルを洗浄槽の外部に設置し、洗剤ボトルと洗浄槽とを送液チューブによって繋ぎ、この送液チューブの途中に設けた送液ポンプによって洗剤を洗浄槽に自動的に供給している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来においては、洗剤ボトル内の洗剤の残量を検知する手段がないため、係員が洗剤ボトルを定期的に交換したり、洗剤ボトルに定期的に洗剤を補給しているが、忘れることもあり、洗剤が不足して内視鏡の洗滌が十分に行われないという問題が発生する。
【0010】
そこで、洗剤ボトル内の洗剤の残量を検知する手段として洗剤ボトルにフロートスイッチを設けること、洗剤ボトルの重量を重量センサによって検知すること、送液チューブ内に流量センサを設けることが考えられる。しかし、小型の洗剤ボトルにフロートスイッチを設けることは困難であり、またボトルへの洗剤の注入時に、ユーザーが誤ってフロートスイッチを破損してしまう恐れがあり、重量センサの場合は洗剤以外の送液チューブの荷重が加わり、送液チューブのセットが不十分であると正確に検知できない。また、送液チューブに流量センサを設けることは汚染の問題があり、また、送液量が少ないため正確に計量できないという事情がある。
【0011】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、洗剤容器内の洗剤の残量を正確に検知でき、残量が設定値以下になったとき報知することができる内視鏡洗滌消毒装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、請求項1は、洗滌槽内に洗剤を自動的に供給して内視鏡を洗滌・消毒する内視鏡洗滌消毒装置において、前記洗剤を貯溜する洗剤容器と、前記装置本体に設けられ、前記洗剤容器を着脱可能に載置する載置面を有し、前記洗剤容器内の洗剤の残量を計測する重量センサと、前記洗剤容器の洗剤を前記洗滌槽に供給するための洗剤供給手段と、前記重量センサによって計測した洗剤の残量度合いによって異なる報知をする報知手段とを具備したことを特徴とする。
洗剤容器内の洗剤はポンプ等の洗剤供給手段によって洗滌槽に自動的に供給されるとともに、洗剤容器内の洗剤の残量は重量センサによって計測され、洗剤容器内の洗剤の残量度合いによって報知手段は異なる報知をする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施形態について説明する。
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1は内視鏡洗滌消毒装置の概略構成を示している。図示のように、この内視鏡洗滌消毒装置は、洗滌室を形成する洗滌槽2を有しており、洗滌槽2の内部に内視鏡1をセットして洗滌消毒することができるようになっている。洗滌槽2の開口部2aには洗滌室の天井面を形成するトップカバー3が開閉可能に取り付けられており、このトップカバー3を開けて内視鏡1を洗滌槽2内にセットすることができるようになっている。
【0014】
洗滌槽2の底部には振動板4が設置されている。この振動板4は、例えばランジュバン型の超音波振動子をその底面に取り付けてなり、洗滌槽2に溜められた洗滌液中に超音波振動を発振することができるようになっている。
【0015】
洗滌槽2の底部中央には、洗滌槽2内の液量を削減する目的で塔5が設けられている。この塔5の内部には洗滌槽2内の液体を加保温するためのヒータ6が設けられている。
【0016】
また、洗滌槽2の上縁部2bの一部にはノズル取付け台7が設けられ、このノズル取付け台7には給水ノズル8、洗滌液ノズル9、消毒液ノズル10及びエアー抜きノズル11が取り付けられている。すなわち、前記ノズル類は洗滌水や消毒液の逆流を防止するために洗滌槽2の液面より高い位置に設ける必要があり、洗滌槽2の一部に高台からなるノズル取付け台7を設けてノズル類を取付けている。消毒液ノズル10は逆U字状に湾曲したパイプからなり、その湾曲外側、つまり上部には消毒液の一部を上方へ噴射するスリット10aが設けられている。
【0017】
前記給水ノズル8は水道蛇口12に接続された給水管路13が接続されており、この給水管路13を通じて水道水を洗滌槽2内に供給することができるようになっている。なお、給水管路13の途中には給水弁14が介装されている。
【0018】
前記洗滌液ノズル9は送液管路15を介して洗滌ポンプ16の吐出側に接続され、洗滌ポンプ16の吸込み側は第1の戻し管路17を介して洗滌槽2の底部に設けられた第1の排液口18に接続されている。送液管路15と第1の戻し管路17は、洗滌槽2内の液体を回収してこれを再び洗滌槽2へと圧送する第1の循環路19を形成している。
【0019】
また、洗滌槽2内の塔5には洗滌チューブ20が接続されたチャンネルコネクタとしての第1のコネクタ21aが設けられている。この場合、洗滌チューブ20は、内視鏡1の操作部に設けられ内視鏡1の内部管路(チャンネル)と連通する接続口部に着脱自在に接続されるようになっている。
【0020】
第1の戻し管路17の途中からは第2の戻し管路22が分岐しており、この第2の戻し管路22は第2の送液ポンプ23の吸引側に接続されている。また、第2の送液ポンプ23には第2の送液管路24が接続されている。第2の送液管路24は第1の分岐管路25と第2の分岐管路26とに分岐しており、第1の分岐管路25は塔5に設けられた第1のコネクタ21aに接続され、第2の分岐管路26は洗滌槽2内の塔5に設置された第2及び第3のコネクタ21b,21cに接続されている。そして、これらの管路22,24,25,26は、洗滌槽2内の液体を回収してこれを内視鏡1の内部管路を通じて再び洗滌槽2へと圧送する第2の循環路28を形成している。なお、第2の送液管路24には逆止弁29が介装されている。
【0021】
また、第2の送液管路24の途中には逆止弁30を介してエアー供給管路31が接続されている。このエアー供給管路31にはコンプレッサー32が接続されており、コンプレッサー32からの圧縮空気をエアー供給管路31を介して第2の送液管路24に送り込むことができるようになっている。
【0022】
また、洗滌槽2の底部には第2の排液口33が設けられている。消毒液ノズル10には、消毒液タンク34に接続され且つ消毒液タンク34からの消毒液をポンプ35の吸引作用によって洗滌槽2内に供給する消毒液送液管路36が接続されている。また、第2の排液口33から延びる管路には管路切換弁37を介して消毒液戻し管路38と排液管路39とが接続されている。消毒液戻し管路38は、消毒液タンク34に接続されており、洗滌槽2内の消毒液を消毒液タンク34に回収する。また、排液管路39には排液ポンプ40が介装されている。
【0023】
また、洗滌槽2の開口部2aを覆うトップカバー3は、洗滌槽2に洗滌液や消毒液が満たされたとき、その液面に接する平面部3aとノズル取付け台7に取り付けられた各種ノズル8,9,10,11を覆い液面より高くした凸部3bを有している。このトップカバー3は一部が洗滌槽2の上縁部2bにヒンジ(図示しない)によって開閉可能に設けられている。
【0024】
さらに、図1及び図2に示すように、洗滌槽2の外部には洗剤を収容した洗剤容器としての洗剤ボトル41が設置されている。洗剤ボトル41は容器本体41aとこの容器本体41aに着脱可能な蓋体41bとからなり、蓋体41bには送液チューブ42の基端部が挿入され、この基端部は洗剤ボトル41の内底部まで延長している。
【0025】
送液チューブ42の先端部にはワンタッチコネクタ43が設けられ、このワンタッチコネクタ43は前記洗滌槽2の側壁に設けられた洗剤供給口44に着脱可能に接続されている。さらに、送液チューブ42の途中には公知のローラポンプ45及びピンチバルブ46が送液チューブ42に対して着脱可能に設けられ、洗剤ボトル41内の洗剤をローラポンプ45によって定量ずつ送液して洗剤供給口44から洗滌槽2に供給できるようになっている。
【0026】
また、洗剤ボトル41は重量センサとしてのロードセル47に載置されている。すなわち、ロードセル47によって洗剤ボトル41内に収容された洗剤の残量を計測し、残量が設定値以下の場合には警報器48から警報音を発生して係員に報知するようになっている。ここで、1回の洗滌に必要な洗剤の使用量を50g、洗剤ボトル41の重量を50gとし、洗滌工程の開始時に洗剤ボトル41の総重量が100g以下の場合には報知するようになっている。
【0027】
次に、前述のように構成された内視鏡洗滌消毒装置の作用について説明する。まず、使用済みの内視鏡1を洗滌槽2内にセットし、内視鏡1と第1のコネクタ21aとを洗滌チューブ20によって接続する。洗滌槽2の開口部2aをトップカバー3によって覆い、洗滌槽2を完全に液密状態に保持する。
【0028】
次に、洗剤ボトル41をロードセル47に載置し、送液チューブ42の基端部を洗剤ボトル41に挿入し、送液チューブ42の途中をローラポンプ45及びピンチバルブ46にセットする。さらに、ワンタッチコネクタ43を洗剤供給口44に接続する。
【0029】
この状態、つまり洗滌工程の開始前に、図3のフローチャートに示すルーチンにしたがって洗剤ボトル41の総重量を計測して少なくとも1回の洗滌に必要な洗剤が洗剤ボトル41に残っている否かを確認する。すなわち、ステップS1で、洗剤ボトル総重量Wをロードセル47によって計測し、ステップS2で、洗剤ボトル総重量Wが100gより小さいか判定し、NOの場合にはステップS3に移り、洗剤供給を開始し、YESの場合にはステップS4に移り、警報器48から異常警報音を発して係員に洗剤ボトル41の洗剤残量が1回の洗滌に不十分であり、補給が必要であることを促す。なお、報知手段としては警報音に限らず、警報ランプを点滅してもよい。
【0030】
洗剤ボトル41内の洗剤の残量が設定値以下の場合には洗剤を補給した後、図示しない各種操作スイッチの操作によって洗滌、消毒、すすぎ、送気の各工程が自動的に行なわれる。
【0031】
洗滌工程では、初めに給水弁14が開き、例えば水道蛇口12からの洗滌水が給水管路13を介して給水ノズル8から洗滌槽2内に供給される。同時に、ローラポンプ45が作動するとともに、ピンチバルブ46が開弁し、洗剤ボトル41内の洗剤は送液チューブ42を介して洗剤供給口44から1回の洗滌に必要な量の洗剤が洗滌槽2に供給され、供給が終了すると、ローラポンプ45が停止し、ピンチローラ46は閉弁される。
【0032】
一定量の水が洗滌槽2内に供給されると、給水弁14が閉じられ、第1および第2の送液ポンプ16,23が駆動される。これによって、洗滌槽2内の洗滌液の一部は、第1の循環路19を循環して洗滌液ノズル9から内視鏡1の外面に高圧で吹き付けられるとともに、第2の循環路28を通じて循環して内視鏡1の内部管路へと送られる。すなわち、洗滌槽2内の洗滌液は、第1の排液口18から第1の送液ポンプ16の吸引作用によって第1の戻し管路17に吸引され、第1の送液管路15を介して洗滌液ノズル9から噴射される。また、第1の戻し管路17へ吸引された洗滌液の一部は第2の送液ポンプ23の吸引作用によって第2の戻し管路22に吸引されるとともに第2の送液管路24と第1の分岐管路25とを通じて第1のコネクタ21aから内視鏡1の内部管路へと送られる。なお、内視鏡1の内部管路へ送られた洗滌液は内視鏡1の先端開口を通じて洗滌槽2内に戻され再び第1の循環路19または第2の循環路28を循環することになる。
【0033】
このような洗滌液の流れによって、内視鏡1に付着した大きな汚れ、柔らかい汚れ、軽い汚れ等が洗い落とされる。特に、こうした汚れは、洗滌液ノズル9から噴出される洗滌液の衝撃力や、これによって形成される洗滌槽2内の渦流によって内視鏡1の外面から欠き落とされる。
【0034】
洗滌液のこのような循環作用による洗滌が所定時間行なわれると、続いて、振動板4が動作され超音波洗滌が行なわれる。この超音波洗滌では、振動板4から発せられる超音波振動によって内視鏡1に付着した堅い汚れや内視鏡1の複雑な形状部分に付着した汚れ等が強力に落とされる。
【0035】
超音波洗滌が終了すると、再び前述した洗滌液の循環作用による洗滌が行なわれる。この段階では、超音波洗滌によってふやけて内視鏡1から剥がれかかった汚れが落とされる。
【0036】
以上の洗滌工程が終了すると、続いてすすぎ工程が行なわれる。このすすぎ工程では、まず初めに、第1及び第2の送液ポンプ16,23の駆動が停止されるとともに、排液ポンプ40が駆動されて管路切換弁37が排液管路39側に切換えられる。これによって、洗滌槽2内の洗滌液が第2の排液口33から排液管路39を通じて外部に排出される。洗滌槽2内の洗滌液が完全に排出されると、続いて、給水弁14が開かれ、新しい水が洗滌槽2内に供給される。そして、第1および第2の送液ポンプ16,23が再び駆動され、前述した循環作用によって内視鏡1の内部管路と外面のすすぎが行なわれる。
【0037】
すすぎ水によるすすぎが終了すると、すすぎ水を洗滌槽2から完全に排出した状態で水切りが行なわれる。この水切りでは、第1及び第2の送液ポンプ16,23の駆動が停止されるとともにコンプレッサー32が駆動され、コンプレッサー32からのエアーがエアー供給管路31を通じて第2の送液管路24に送られる。第2の送液管路24に送られるエアーは、いずれかの分岐管路25,26を通じて内視鏡1の内部管路に送られて、内視鏡1の内部管路の水切りとを行なう。
【0038】
以上のすすぎ工程が終了すると、続いて消毒工程が行なわれる。この消毒工程では、まず初めに、ポンプ35が駆動される。これによって、消毒液タンク34内の消毒液が消毒液送液管路36を介して消毒液ノズル10から洗滌槽2内に注入されて洗滌槽2が消毒液で満たされる。したがって、トップカバー3の平面部3aの内面は満たされた消毒液に接して消毒される。
【0039】
さらに、消毒液ノズル10にはスリット10aが設けられているため、消毒液の一部がスリット10aからトップカバー3の凸部3bの内面に向かって噴出し、トップカバー3の特に凸部3bの内面が消毒される。洗滌槽2内に所定量の消毒液が注入されて内視鏡1が消毒液に完全に浸漬されると、ポンプ35の駆動が停止され、続いて第2の送液ポンプ23が駆動される。これにより、洗滌槽2内の消毒液は、いずれかの分岐管路25,26を通じて内視鏡1の内部管路に送られて、洗滌槽2の側壁及びトップカバー3の内面の消毒と内視鏡1の内部管路の消毒とを行なう。
【0040】
このような消毒が所定時間行なわれた後、管路切換弁33が消毒液戻し管路38側に切換えられて、洗滌槽2内の消毒液が消毒液戻し管路38を通じて消毒液タンク34内に回収される。その後、前述したすすぎ工程によって消毒液のすすぎ行なわれる。
【0041】
すすぎ工程によって消毒液を完全にすすいだ後、送気工程が行なわれる。この送気工程は前述したすすぎ工程の後半に行なわれる水切りと同じ手順で行なわれる。そして、一定時間経過後、排液ポンプ40が停止される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡洗滌消毒装置は、消毒工程時に、洗滌槽2内を消毒液で満たすとともに、消毒液ノズル10のスリット10aから消毒液を噴出することにより、トップカバー3の平面部3aの内面が消毒液に接して消毒され、凸部3bの内面はスリット10aから噴出する消毒液によって消毒される。したがって、内視鏡1の消毒とともに洗滌槽2の側壁及びトップカバー3の消毒が同時に確実に行えるという効果がある。
【0043】
このように、本実施形態の内視鏡洗滌消毒装置にあっては、洗滌槽2のとりわけトップカバー3が清潔に保たれ、洗滌槽2の壁面やトップカバー3の内面に付着した細菌等の汚染物質が洗滌槽2にセットされた内視鏡1に付着して内視鏡1を再汚染してしまう可能性を排除することができる。
【0044】
なお、前記実施形態においては、消毒工程時に洗滌槽2に消毒液を満たすとともに、スリット10aから消毒液を噴出する場合について説明したが、洗浄工程時及びすすぎ工程時においても、同様に洗滌槽2に洗滌液を満たし、洗滌ノズル9から洗滌液をトップカバー3の凸部3bに向かって噴出させてもよい。
【0045】
また、前記実施形態においては、送液チューブ42に対して着脱可能なローラポンプ45及びピンチローラ46を採用しているために、送液チューブ42の外部から洗剤に接することなく洗剤の送液及び遮断ができ、洗剤の汚染を防止できるとともに、送液チューブ42を取り外して洗滌及び消毒することもできる。
【0046】
図4は、第2の実施形態を示し、洗剤供給前と洗剤供給後に洗剤ボトル41の重量を計測するようにしたものである。まず、洗滌工程前に、図4のフローチャートに示すルーチンにしたがって洗剤ボトル41の総重量を計測して少なくとも1回の洗滌に必要な洗剤が洗剤ボトル41に残っているか否かを確認する。すなわち、ステップS1で、洗剤ボトル総重量W1をロードセル47によって計測し、ステップS2で、洗剤ボトル総重量W1が100gより小さいか判定し、NOの場合にはステップS3に移り、洗剤の供給を開始し、YESの場合にはステップS4に移り、異常警報音を発して係員に洗剤ボトル41の洗剤残量が1回の洗滌に不十分であり、補給が必要であることを促す。
【0047】
ステップS3で、洗剤の供給を開始した後、ステップS5で、洗剤の供給を停止する。次に、ステップ6で、再び洗剤ボトル総重量W2を計測し、ステップ7で、洗剤供給前と洗剤供給後の重量差が設定値以下(W1−W2<50g)を判定する。そして、ステップS7でYESの場合にはステップS4に移り、送液管路系の異常により送液が正しく行われなかったと判断して異常警報音を発生する。また、ステップS7でNOの場合には、ステップS8に移り、洗滌工程を開始する。
【0048】
したがって、洗剤ボトル41から洗剤を洗滌槽2に供給する工程時に送液管路系に詰り、ローラポンプ45の故障等が発生して洗剤の供給量が不十分の場合には洗滌工程を開始する前に係員が異常であることを知ることができ、洗剤が不十分であることを知らずに洗滌するという不具合を解消できる。
【0049】
第3の実施形態は、ロードセル47が洗剤ボトル41内の洗剤の残量を計測し、その残量を音声によって係員に報知するようにしたものである。すなわち、残量が299〜250gの場合には、「洗剤は後5回分でなくなる、補給してください。」と音声によって報知する。同様に、249〜200gの場合には、「洗剤は後3回分でなくなる。」、199〜150gの場合には、「洗剤は後2回分でなくなる、補給してください。」、149〜100gの場合には、「洗剤は後1回でなくなる、補給してください。」、「99〜50gの場合は、洗剤不足を補給してください。」とすることにより、洗滌工程前に洗剤ボトル41内の残量の度合いを知ることができる。また、音声に限らず、ディスプレイ表示でもよい。
【0050】
図5は第4の実施形態を示し、ロードセル47が洗剤ボトル41内の洗剤の残量を計測し、その残量を表示装置に表示して係員に報知するようにしたものである。すなわち、(a)は表示パネル50に残量を示す複数個のインジケータ51を設け、残量に応じてインジケータ51を点灯させて表示するようにしたものである。(b)は目盛り盤52と指針53により残量をアナログ表示するようにしたものである。(c)は複数個の表示ランプ54を並べて配置し、残量に応じて表示ランプ54を点灯するようにしたものである。
【0051】
前述した実施形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記1)洗滌槽内に洗剤を自動的に供給して内視鏡を洗滌・消毒する内視鏡洗滌消毒装置において、洗剤を貯溜する洗剤容器と、前記洗剤容器の洗剤を前記洗滌槽に供給するための洗剤供給手段と、前記洗剤容器内の洗剤が設定値以下の場合に報知する報知手段とを具備したことを特徴とする内視鏡洗滌消毒装置。
【0052】
(付記2)前記洗剤供給手段は、送液チューブと、この送液チューブに着脱可能なローラポンプであることを特徴とする付記1記載の内視鏡洗滌消毒装置。
(付記3)前記送液チューブには洗滌槽に着脱可能なコネクタを有していることを特徴とする付記2記載の内視鏡洗滌消毒装置。
【0053】
(付記4)前記報知手段は、洗剤容器の重量によって洗剤の残量を検知する重量センサからの信号によって作動することを特徴とする付記1記載の内視鏡洗滌消毒装置。
【0054】
(付記5)前記報知手段は、音声による警告、表示による警告のいずれか1つまたは組み合わせであることを特徴とする付記1記載の内視鏡洗滌消毒装置。
(付記6)前記報知手段は、洗剤容器内の洗剤残量を表示する表示装置であることを特徴とする付記1記載の内視鏡洗滌消毒装置。
【0055】
(付記7)前記洗剤供給手段による洗剤供給工程中、洗剤容器の残量変化量を計測し、一定時間中に指定の変化量がない場合に異常であることを報知する異常報知手段を有していることを特徴とする付記1記載の内視鏡洗滌消毒装置。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、洗剤容器内の洗剤は洗剤供給手段によって洗滌槽に自動的に供給されるとともに、洗剤容器内の洗剤の残量は重量センサによって計測され、洗剤容器内の洗剤の残量度合いによって異なる報知がされるため、洗剤の残量度合いによって対処できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡洗滌消毒装置の構成図。
【図2】同実施形態の洗剤供給装置の斜視図。
【図3】同実施形態の作用を示すフローチャート図。
【図4】本発明の第2の実施形態の作用を示すフローチャート図。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…内視鏡
2…洗滌槽
41…洗剤ボトル
42…送液チューブ
45…ローラポンプ
47…ロードセル
Claims (1)
- 洗滌槽内に洗剤を自動的に供給して内視鏡を洗滌・消毒する内視鏡洗滌消毒装置において、
前記洗剤を貯溜する洗剤容器と、
前記装置本体に設けられ、前記洗剤容器を着脱可能に載置する載置面を有し、前記洗剤容器内の洗剤の残量を計測する重量センサと、
前記洗剤容器の洗剤を前記洗滌槽に供給するための洗剤供給手段と、
前記重量センサによって計測した洗剤の残量度合いによって異なる報知をする報知手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡洗滌消毒装置。
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