JP2534751B2 - 内視鏡洗浄消毒装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、使用後の内視鏡を洗浄しかつ消毒する装置
に関する。

〔従来の技術〕 医療分野で使われる内視鏡は、感染防止の観点から使
用後に必ず洗浄しかつ消毒処理を必要とする。このた
め、洗浄消毒装置が使用されている。

従来の洗浄消毒装置においては、実開昭60−83602号
公報などに示されているように、使用後の内視鏡または
挿入補助具等の被洗浄物を洗浄槽に収容し、この被洗浄
物に例えば噴射ノズルから洗浄液を噴き付けて被洗浄物
に付着している汚物などを洗い流し、その後場合によ
り、洗浄槽にすすぎ水を供給してすすぎ洗いし、次に洗
浄槽に消毒液を供給して洗浄槽を消毒液で満たし、これ
により被洗浄物を消毒液中に浸漬して消毒を行い、この
後温風を吹き付けるなどして被洗浄物を乾燥させるよう
になっている。

このような洗浄消毒装置においては、装置内の管路が
劣化により破損したり、接続箇所がシール不良を生じた
場合には漏水が発生する。このような漏水は装置本体の
底面から外部に自動的に流出させるようにしてある。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、このような洗浄消毒装置は通常、内視鏡検
査室に設置されており、上記漏水が発生した場合は、装
置本体の底面から上記検査室の床面に流れ出る心配があ
る。

床面に流れ出るのを防止するため、装置本体の底面か
らホースなどにより上記検査室の手洗い用流し台の下水
管に排出する工夫がなされているが、ホースと下水管と
の接続部が高い位置にあったりして、円滑な排水がなさ
れない場合がしばしば発生する。

このような状態においては、漏水の発生を検知して報
知する手段がないので、使用者は漏水に気付かずそのま
ま使用を続けることがあり、漏水に気付く頃には装置本
体内にかなりの量の洗浄液が溜っていることになる。

このような溜った洗浄液は、内視鏡に付着していた血
液や粘液などを洗い流したものであるから、病原性の細
菌を含んでいることが多く、装置内部が汚染されるとと
もに、せっかく洗浄消毒した内視鏡を汚染することが心
配される。

本発明においては、装置本体内での漏水による周囲の
汚染を防止し、漏水発生状態のままでの使用続行を防止
することができる内視鏡洗浄消毒装置を提供しようとす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、装置本体内の漏水を１か所に集める手段
と、この漏水を検知する手段と、この検知にもとづき漏
水の発生を表示する手段と、上記１か所に集められた漏
水を排出する手段とを具備したことを特徴とする。

〔作用〕

本発明によれば、装置本体内で漏水が発生すると、こ
の漏水は１か所に集められ、この漏水が発生したことが
検知されて直ちに報知されるとともに、１か所に集めら
れた漏水は強制的に外部に排出される。したがって、漏
水による周囲の汚染が防止され、漏水発生状態のままで
の使用続行を防止することができる。

〔実施例〕

以下本発明について、第１図に示す第１の実施例にも
とづき説明する。

図において１は略箱形をなした洗浄消毒装置本体であ
り、この装置本体１内には上部に洗浄槽２が設けられ、
この洗浄槽２の上部空間は装置本体１に設けた開閉カバ
ー３により覆われている。

洗浄槽２の中央には、上部と下部にそれぞれ噴射ノズ
ル４、５を備えた回転体６が設置されており、この回転
体６はモータ７により旋回される。

この回転体６の周囲には被洗浄物である内視鏡Ａを載
置する載置台８が渦巻き状に設けられており、上記噴射
ノズル４、５により載置台８に載せられた内視鏡Ａに洗
浄水が全体に亘って噴き付けられるようになっている。

洗浄消毒装置本体１内の下部には、給水タンク10およ
び消毒液タンク15が設けられている。

給水タンク10には電磁弁11を介して水道蛇口12が接続
されており、この水道蛇口12から供給された水道水、す
なわち洗浄水は給水タンク10に貯えられるようになって
いる。給水タンク10は給水ポンプ13に接続され、この給
水ポンプ13は上記回転体６の内部を挿通された給水管14
を通じて噴射ノズル４、５に接続されている。上記給水
タンク10に蓄えられた洗浄水は給水ポンプ13により加圧
され、噴射ノズル４、５から載置台８に噴射されるよう
になっている 消毒液タンク15内には所定の濃度に設定された消毒液
が収容されており、この消毒液は消毒液ポンプ16に接続
され、この消毒液ポンプ16は消毒液送液管17を介して洗
浄槽２に設けた消毒液注入口18に接続されている。よっ
て、消毒液タンク15内の消毒液は消毒液ポンプ16により
加圧され、消毒液注入口18から洗浄槽２へ供給されるよ
うになっている。

洗浄槽２の底部には排液口19が形成されており、この
排液口19は三方切換弁２に接続されている。三方切換弁
20の一方のポートは回収管21により消毒液タンク15に接
続されており、三方切換弁20の他方のポートは排水管22
を介して排水ポンプ23に接続されている。排水ポンプ23
は廃棄パイプ24に接続されている。したがって、洗浄槽
２に溜った消毒液は、三方切換弁20が一方に切換った場
合に消毒液タンク15に回収され、また他方に切換わった
場合には排水ポンプ23から廃棄パイプ24を通じて外部に
排出されるようになっている。

装置本体１の底部は２重壁構造になっており、上部底
壁は１か所に向かって傾斜した漏斗形をなす漏水受け板
25を構成している。この漏水受け板25の最低部分に開口
した漏水排出口26には漏水排出パイプ27が接続されてお
り、この漏水排出パイプ27は漏水排出ポンプ28を介して
前記廃棄パイプ24に接続されている。

この漏水排出パイプ27の途中には、漏水を検知する手
段として例えば、湿度センサ29が取付けられている。こ
の湿度センサ29は装置本体１の前部に設けたコントロー
ラ30に接続されている。コントローラ30は装置本体１の
前部上面に設置した操作パネル31に接続されており、こ
の操作パネル31にはアラームや表示ランプなどのような
表示装置32が設けられている。

この操作パネル31は、これを操作してコントローラ30
に洗浄および消毒時間等を設定すれば、このプログラム
に応じて装置が自動的に洗浄消毒をなすものである。

また、湿度センサ29が漏水を検知した場合は、コント
ローラ30の指令により、操作パネル31の表示装置32が作
動されるとともに漏水排出ポンプ28が始動されるように
なっている。

このような構成の実施例について作用を説明する。

開閉カバー３を開き、使用済の内視鏡Ａを洗浄槽２に
収容して載置台８に載せる。

この状態で操作パネル31を操作し、電源を投入する。

すると装置は運転を開始するが、最初に洗浄工程に入
る。すなわち電源を投入すると電磁弁11が開かれ、水道
蛇口12から水道水、すなわち洗浄水が給水タンク10に供
給され、また給水ポンプ13が起動されて給水タンク10か
ら噴射ノズル４、５に洗浄水が圧送される。この時、モ
ータ７が作動されて回転体６が回転し、噴射ノズル４、
５を旋回させる。また、三方切換弁20は排水管22側に接
続され、排水ポンプ23も起動される。

このため、水道蛇口12から供給される洗浄水が噴射ノ
ズル４、５を通じて載置台８の内視鏡Ａに噴射され、し
たがって内視鏡Ａに付着している血液や粘液などの汚物
を洗い流す。

噴射ノズル４、５から内視鏡Ａに噴射された洗浄水
は、洗浄槽２の底部に開口した排液口19から三方切換弁
20を経て排水管22に導かれ、排水ポンプ23により廃棄パ
イプ24から外部に排出される。

このような運転を所定時間行うことにより洗浄がなさ
れる。

なお、この洗浄工程中、洗剤を使用してもよい。この
場合は、給水タンク10に水道蛇口12からの洗浄水を導入
して所定量貯え、この洗浄水に洗剤を混入して洗剤液を
作る。この洗剤液を上記洗浄作用と同様にして噴射ノズ
ル４、５から内視鏡Ａに噴射し、これにより内視鏡Ａの
汚れを洗い流す。この後水道蛇口12からの洗浄水を噴射
ノズル４、５から内視鏡Ａに噴射し、これによりすすぎ
洗いをなすものである。

このような洗浄工程が終了すると、電磁弁11が閉じら
れ、給水ポンプ13が停止され、モータ７も停止され、か
つ排水ポンプ23も停止される。

次に、消毒工程に入るものであるが、その消毒工程で
は、消毒液が洗浄槽２に貯留されるように三方切換弁20
が切換えられるとともに、消毒液ポンプ16が始動され
る。

すると、消毒液ポンプ16が消毒液タンク15内の消毒液
を消毒液注入口18に送り、洗浄槽２へ供給する。

これにより洗浄槽２内に所定量の消毒液が供給され、
したがって載置台８に載せた内視鏡Ａか消毒液に浸漬さ
れる。このため、内視鏡Ａの殺菌、消毒がなされる。

所定時間の消毒を行うと、洗浄槽２内の消毒液は排液
口19から三方切換弁20を経て全て消毒液タンク15に回収
される。

このようにして、洗浄、消毒がなされるものである。

なお、洗浄および消毒の各工程終了時に、ファン等に
より洗浄槽２の排気したり、温風を送り込んで内視鏡Ａ
を乾燥させるようにしてもよい。

このような洗浄消毒装置においては、装置本体１内の
各種管路や槽が劣化により破損したり、接続箇所がシー
ル不良を生じた場合には漏水が発生する。

このような漏水が発生した場合、漏水は１か所に向か
って傾斜した漏水受け板25で受けられ、漏水排出口26か
ら漏水排出パイプ27に流れ込み、この漏水排出パイプ27
内に溜る。

この漏水は湿度センサ29にて検出され、この湿度セン
サ29からコントローラ30に検知信号が送られる。コント
ローラ30は操作パネル31の表示装置32を作動させ、した
がって操作員は漏水を知ることができる。

また、コントローラ30は漏水排出ポンプ28を起動し、
漏水排出パイプ27内の漏水を廃棄パイプ24を通じて外部
へ強制的に排出する。このため、装置本体１内に漏水が
溜まったり、残留することがない。

したがって、装置内部が汚染されることがなくなると
ともに、周囲の汚染も防止され、せっかく洗浄消毒した
内視鏡が汚染されることもなく、漏水発生状態のままで
の使用続行を防止することができる。

第２図は、本発明の第２の実施例を示す。

この実施例の場合は、漏水排出ポンプ28の使用を省略
し、代わって洗浄水排出用の排水ポンプ23を漏水排出用
に兼用してある。すなわち、漏水排水口26に連通した漏
水排出パイプ27を、排水管22に合流し、これら漏水排出
パイプ27および排水管22にそれぞれ逆止弁40、41を設け
たものである。

このような場合でも、湿度センサ29が漏水を検知する
と表示装置32が作動するとともに、コントローラ30が排
水ポンプ23を起動し、漏水を廃棄パイプ24より強制的に
排出する。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、装置本体内で漏
水が発生すると、この漏水は１か所に集められ、この漏
水が発生したことを検知手段で検知して直ちに報知手段
で報知するとともに、１か所に集められた漏水は強制的
に外部に排出される。このため、装置本体内に漏水が溜
まったり、残留することがなく、漏水による装置内部お
よび周囲の汚染が防止され、せっかく洗浄消毒した内視
鏡が汚染されることもなく、漏水発生状態のままでの使
用続行を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す洗浄消毒装置の概
略的な構成図、第２図は本発明の第２の実施例を示す洗
浄消毒装置の概略的な構成図である。 １……洗浄消毒装置本体、２……洗浄槽、４、５……噴
射ノズル、10……給水タンク、13……給水ポンプ、15…
…消毒液タンク、16……消毒液ポンプ、18……消毒液注
入口、20……三方切換弁、22……排水管、25……漏水受
け板、26……漏水排出口、28……漏水排出パイプ、28…
…漏水排出ポンプ、29……湿度センサ、32……表示装
置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体に設けられた洗浄槽と、上記洗浄
   槽に収容された被洗浄物を洗浄液で洗浄する手段と、こ
   の洗浄手段による洗浄終了後に上記被洗浄物を消毒液で
   消毒する手段とを具備する内視鏡洗浄消毒装置におい
   て、 装置本体内の漏水を１か所に集める手段と、この漏水を
   検知する手段と、この検知にもとづき漏水の発生を表示
   する手段と、上記１か所に集められた漏水を排出する手
   段とを具備したことを特徴とする内視鏡洗浄消毒装置。