JP4174112B2 - 包装体の止め具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、梱包材としての段ボール箱等の包装体の止め具に係り、特に、包装体のフラップ(蓋等)の閉塞用に繰り返し使用でき、また、使用後に廃棄する場合も廃棄量を低減できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図14に示すように、段ボール箱等の輸送箱200における閉塞手段としては、樹脂製の扁平なバンドBにより輸送箱の外周を巻き付けて結束し、フラップ(蓋等)201を閉塞させるものが一般に知られている。このような結束手段によると、長いバンドBを必要とし、樹脂材等の資材が大量にかかり、且つ、繰り返し使用できないから、コストアップとなり、輸送後に取り外したバンドは廃棄する以外になく、これがゴミとして大量に廃棄され、地球環境の保全を図るという時代の要請に反するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解消するためになされたもので、その着脱操作が容易に行えるとともに、繰り返して使用でき、また、廃棄するにしてもゴミの廃棄量を最少限に低減できる包装体の止め具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1記載の包装体の止め具は、包装体の一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間に開けた対向する一対の孔に跨って配置される可撓帯体と、上記可撓帯体の上記一対の孔に対応する位置に形成される第1係止部と第2係止部とを備え、上記第1係止部と第2係止部は、可撓帯体の両側から下方に延長するとともに先側が側方へ突出する係止片よりなり、上記係止片が可撓帯体の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片の拡縮変位により上記孔に係脱可能に係止するようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
また、請求項2記載の包装体の止め具は、請求項1記載の包装体の止め具において、上記可撓帯体の第1係止部と第2係止部を形成した部分の何れか一方又は双方に摘み部を形成したことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項3記載の包装体の止め具は、請求項1または2記載の包装体の止め具において、上記第1係止部と第2係止部の係止片には、長手方向に対面し合う両内側に係止突片を付設したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
上記請求項1記載の包装体の止め具の場合、先ず、止め具を包装体に取り付けるには、一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間に開けた一対の孔のうち、一方の孔に対し、第1係止部の係止片を両側から指で内側へ圧縮変位して挿入する。そして、指を係止片から離すことで係止片が拡開して上記孔に係止される。
【0008】
上記孔に第1係止部を係止した可撓帯体は、その他端の第2係止部が他方の孔に対して、一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間に跨って配置している。ここで、他方の孔に第2係止部の係止片を両側から指で内側へ圧縮変位して挿入する。そして、指を係止片から離すと係止片が拡開して上記孔に係止される。以上で、一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間が閉塞される。
【0009】
次に、フラップを開口するには、先ず、止め具の第1係止部又は第2係止部の片側だけを一枚のフラップまたは包装体本体から外す。その取外し方法は、第1係止部又は第2係止部を形成する可撓帯体の端部を爪や工具により引き掛けて持ち上げる。これにより第1係止部又は第2係止部の係止片が孔よりも内側へ縮んで孔から外れる。また、止め具を完全に分離させるには、第1係止部と第2係止部の両方を孔から外す。この時、第1係止部と第2係止部とを、同時に孔から引き抜いても良い。
【0010】
上記止め具は、係止片が孔への係脱作業を容易に行なえる上に、孔にしっかり固定・閉止されるからフラップを確実に閉止できる。また、繰り返して使用できるからコストを低減できる。また、その可撓帯体を短く形成しているから、運送等の使用後にゴミとして廃棄処理される場合でも廃棄量が低減され、環境保全に大きく貢献する。
【0011】
また、請求項2記載の包装体の止め具の場合は、止め具の第1係止部又は第2係止部をフラップまたは包装体本体から外す際に、摘み部が手掛かりとなって容易に外すことができる。その取外し方法は、可撓帯体の第1係止部又は第2係止部を形成した部分に設けた摘み部を指で摘んで持ち上げると、第1係止部又は第2係止部の係止片がその先端側から孔よりも内側へ縮んで孔から容易に外れる。尚、摘み部は止め具の第1係止部又は第2係止部のいずれか一方にあれば、これを手掛かりとして一方の係止部を外し、後は可撓帯体を保持して持ち上げれは他方の係止部を外すことができる。また、両方に設けた場合は、いずれの側からも取り外しが可能となる。
【0012】
また、請求項3記載の包装体の止め具の場合、第1係止部及び第2係止部の各係止片には、長手方向に対面し合う両内側に係止突片を付設しているから、先ず、止め具を包装体に取り付けるには、一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間に開けた一対の孔の一方の孔に、第1係止部の係止片を両側から指で内側へ圧縮変位する。この状態で、第1係止部を傾けて係止突片側から先に上記孔に挿入する。そして、指を係止片から離すことで係止片が拡開して上記孔に係止される。また、第2係止部の孔挿入も同様に行なう。
【0013】
上記係止片の係止突片が孔に係止されるから、止め具における可撓帯体の第1係止部や第2係止部が孔から上方へ抜け難くなって係止機能が一層向上し、振動や外力により外れないという優れた閉塞作用が得られる。
【0014】
次に、フラップを開口するには、先ず、止め具の第1係止部又は第2係止部の片側だけを一枚のフラップまたは包装体本体から外す。その取外し方法は、可撓帯体の第1係止部又は第2係止部を形成した可撓帯体の端部を爪や工具により引き掛けて持ち上げる。この時、第1係止部又は第2係止部を傾けて係止突片側から先に上記孔に挿入すると、第1係止部又は第2係止部の係止片がその先端側から孔よりも内側へ縮んで孔から容易に外れる。また、可撓帯体の第1係止部と第2係止部を形成した部分に摘み部を形成した場合は、可撓帯体の第1係止部又は第2係止部を形成した部分にある摘み部を指で摘んで持ち上げる。この時、第1係止部又は第2係止部を傾けて係止突片側から先に上記孔に挿入すると、第1係止部又は第2係止部の係止片がその先端側から孔よりも内側へ縮んで孔から容易に外れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図6を参照して本発明に係る包装体の止め具の第1実施形態につき説明する。本発明の止め具100は、図1に示すように、1つのフラップ11を上面に備えた片開きの包装体10におけるフラップ11の孔11Aと、本体の側面13の孔13A間を最短に連絡するよう直角に跨いで閉止する。即ち、図2,図6に示すように、各孔11A,13A間に直角に折り曲げて跨がって配置された可撓帯体30と、上記可撓帯体30の両端部30A,30Bには、上記一対の孔11A,13Aに対応する位置に第1係止部40と第2係止部50とを各々形成し、先端部に摘み部30C,30Dを備えたものである。この摘み部30C,30Dは可撓帯体30を延長したものである。上記フラップ11と側面13間に開けられた孔11A,13Aは、何れも四角形をなしている。
【0016】
また、上記止め具100は、図8に示すように、観音開きの4枚の蓋付き包装箱の包装体20に使用される止め具120のようにしてもよい。このものは、一対のフラップ21,23に開けた対向する一対の孔21A,23A間に最短距離で跨がって配置される直伸状態の可撓帯体30と、上記可撓帯体30の両端部30A,30Bであって上記一対の孔21A,23Aに対応する位置に形成される第1係止部40と第2係止部50とを有し、更に先端部に摘み部30C,30Dを備えるものである。
【0017】
続いて、図1〜図6により、本発明の第1実施形態となる止め具100における第1係止部40と、第2係止部50の構成を説明する。先ず、図3〜図5において、第1係止部40は、孔11A又は13Aに挿入されるべく形成されたものであり、上記可撓帯体30の端部30Aの両側部からフラップ11又は側面13に対面する下方に延長するとともに、その先側に設けた突片41A,43Aを外側へ突出させた係止片41,43よりなり、2つの係止片41,43は可撓帯体30の長手方向Mと直交する方向Nに拡縮可能に形成されている。
【0018】
そして、上記係止片41,43は、可撓帯体30の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片41,43の拡縮変位により上記孔に係脱可能に係止するとともに、摘み部30Cの摘み上げで係止片41,43が縮小変位して孔11Aから外れる構成になっている。
【0019】
次に、上記第2係止部50は、図3,図4,図5に示すように、他方側の孔13A又は11Aに挿入されるべく形成されているものであり、上記第1係止部40と対称形に同一の構成を成している。先ず、上記第2係止部50は、上記可撓帯体30の他の端部30Bの両側部からフラップ11又は側面13に対面する下方に延長するとともに、その先側を外側へ突出させた係止片51,53よりなり、2つの係止片51,53は可撓帯体30の長手方向Mと直交する方向Nに拡縮可能に形成されている。そして、上記係止片51,53は、可撓帯体30の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片51,53の拡縮変位により上記孔13Aに係脱可能に係止するとともに、摘み部30Dの摘み上げで係止片51,53が縮小変位して孔13Aから外れる構成になっている。
【0020】
尚、上記摘み部30C,30Dは、図3の部分図に示すように、可撓帯体30の両端部に切欠30Eを設け、これに爪を入れて引き上げるようにしても良い。また、係止片の付け根の両側に凹部30Fを設け、これを爪又は指先で摘み上げても良い。更に、可撓帯体30の両端上部に摘み部30Gを設け、これを爪又は指先で摘み上げても良い。そして、上記第1係止部40又は第2係止部50の上面に突起状の摘み部30Hを設け、これを爪又は指先で摘み上げても良い。上記摘み部や切欠は、上記第1係止部40又は第2係止部50を孔11A,13Aから外すための手掛かりとなるものであるから、両端部に設けるか、何れか一方の片側だけに設ければ良い。即ち、一方を外せば、他方は摘み部を使用しなくても外せるからである。場合によっては、爪又は他の工具により係止片を少し持ち上げ、続いて摘んで外す方法でも行えるから、上記摘み部は絶対的に必要なものではない。
【0021】
上記可撓帯体30は、その中腹部を直伸状態としているが、包装体10のフラップ11と包装体10の側面13との間(直角方向に対面)に開けた対向する一対の孔11A,13Aに跨って屈曲して配置されるようにするために、ポリエチレンやポリプロピレンの材質を選択している。これにより、容易に撓んでフラップと側面に馴染むように、各部材40,41,43,50,51,53等が一体成形されている。
【0022】
本発明の止め具100は、上記のように構成されており、以下のように作用する。先ず、フラップ11と側面13に、孔11A,孔13Aをあける。続いて、フラップ11を側面13に閉口する操作を説明する。図1に示すように、フラップ11を閉じ、これに開けた孔11Aと側面13に開けた孔13Aに、可撓帯体30の第1係止部40と第2係止部50とを係合させる。先ず、図6に示すように、孔11Aに可撓帯体30の第1係止部40を合わせて挿入・係合させる。即ち、図4に示すように、第1係止部の係止片41,43を両側から指で内側へ圧縮変位して上記孔に挿入する。そして、指を係止片から離すことで係止片が拡開して上記孔11Aに係止される。
【0023】
上記孔11Aに第1係止部40を係止した可撓帯体30は、その他端の第2係止部50を直角方向に対向する他方側の孔13Aに対して、下方へ略直角になるまで折り曲げる。これで、可撓帯体30は、フラップ11と包装体10の本体側面13との間に跨って配置する。次に、第2係止部50の係止片51,53を両側から指で内側へ圧縮変位して上記孔13Aに挿入する。ここで、指を係止片51,53から離すと係止片が拡開して上記孔13Aに係止される。以上で、一枚のフラップと包装体の本体側面間が閉止(閉塞)される。
【0024】
その作用を更に詳しく説明すると、図4,図5に示すように、可撓帯体30は、対向する一対の孔11A,13Aに跨がり、その端部に付設した第1係止部40及び第2係止部50の係止片41,43及び51,53が可撓帯体30の長手方向(M)と直交する方向(N)に拡縮可能に配置されている。この係止片41,43及び51,53を両側から指で内側へ2点鎖線のように、圧縮変位して上記孔11A又は13Aに挿入する。そして、指を係止片41,43及び51,53から離すことで、係止片41,43及び51,53が拡開して突片41A,43A及び51A,53Aが孔11A又は13Aに係止される。
【0025】
即ち、第1係止部40の係止片41,43と、第2係止部50の51,53に、この長手方向(M)と直角の方向の外側に突出する突片41A,43A及び51A,53Aが孔11A又は13Aに係止する。これで、止め具100が包装体10との係止中に、その係止機能が失われず、振動や外力により上方へ抜け難くなっている。
【0026】
次に、蓋止め具100をフラップ11と側面13から外す操作を説明する。図4〜図6に示すように、第1係止部40と第2係止部50を形成した可撓帯体30の端部30A,30Bに形成された摘み部30C又は30Dを指で摘んで持ち上げる。ここで、第1係止部40又は第2係止部50の係止片41,43又は51,53は、2点鎖線のように外れ、第1係止部40の係止片41,43又は第2係止部50の係止片51,53が孔11A又は13Aよりも内側へ縮んで孔から容易に外れる。従って、第1係止部40や第2係止部50の取外し作業が容易に実施できる。
【0027】
上記のような作用が発揮される止め具100は、図1に示すように、花等の外力に弱い荷物を安全・確実に包装・保護した状態で運搬する包装体10の止め具100として最適である。即ち、包装体10内の花束Fは、バンドB等で結束され包装体10内に固定される。上記包装体10における蓋は、1つのフラップ11のものが適用されていて、この止め具100により簡潔に閉止される。そして、上記止め具は、最短の長さに形成して包装体10のフラップ11と側面13間に開けた狭い間隔で対向し合う孔11A,13A間を簡潔に繋ぐことができる。更に、止め具100はフラップ11の閉止時にフラップ11と側面13に対して、平坦面となって包装体10の表面から大きく突出しない。
【0028】
しかして、上記止め具100は、使用した包装体10の輸送のための使用後に、これを廃棄する場合、短い可撓帯体30であることから、ゴミとして処理される廃棄量が大幅に低減される。
【0029】
上記第1実施形態によると、下記の効果が奏される。先ず、止め具100は包装体10に対する係脱作業が容易であるとともに、閉止時は、しっかり固定・閉塞されて外れない。また、止め具100は閉塞時に平坦面となって外観も綺麗である。そして、上記止め具100は、その可撓帯体を2つの孔間を最短の長さ寸法となるように形成しているから、樹脂等の材料が少なくて済み、繰り返し使用できるからコストを低減できる。更に、包装体に入れた荷物の運送等の使用後に、ゴミとして処理される場合でも、廃棄量が低減され、環境への影響が少ないという効果が発揮される。
【0030】
また、可撓帯体の端部に摘み部を付設した場合は、止め具100の取外し時には、この摘み部を指で摘んで持ち上げるだけで、第1係止部40又は第2係止部50の係止片41,43及び51,53が縮んで孔11A,13Aから一層容易に外れ、取外し作業を簡潔にする。これにより、包装体に対する止め具100の係脱作業が容易なものとなる。勿論、上記摘み部を省略しても、止め具の着脱作業は行える。
【0031】
次に、本発明の第2実施形態となる包装体の止め具110を、図7について説明する。この第2実施形態は、上記包装体10において、一枚のフラップ11と、これに略直角方向となる包装体10の側面本体13との間に開けた対向する一対の孔11A,13Aに跨って配置される可撓帯体30´に係る。その構成は、上記可撓帯体30´をその中腹部Cで略直角に内方(フラップ11と、これに略直角方向となる包装体10の側面13に対面する当接面側)へ折り曲げ形成したものとなっている。上記可撓帯体30´は、ポリエチレンやポリプロピレンの材質を選択している。これにより、可撓帯体30´は、その中腹部Cで直角に折り曲げられた状態を維持し、フラップ11や側面13に馴染むことができる。その他の構成は、上記第1実施形態の止め具100と同一に付き、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
本発明の第2実施形態の止め具110は、上記のように構成されており、以下のように作用する。この第2実施形態の止め具110は、包装体10への装着時に、可撓帯体30´が直角に折り曲げ形成されているから、止め具110の折り曲げ操作が不要となり、直角方向に交差する2つの孔間の掛け止め閉止が簡単に行える。その他の操作方法は、上記第1実施形態の止め具100と同様であるから、その詳細説明を省略する。即ち、この第2実施形態の止め具110の利点は、包装体10への装着時に、可撓帯体30´が直角に折り曲げ形成されているから、止め具110の折り曲げ作業が不要となり、その作業性が向上することである。勿論、この第2実施形態の止め具110は、連結すべく2つの孔が直角方向に対向したものに使用される。
【0033】
上記第2実施形態の止め具110は、下記の効果を奏する。先ず、止め具110は、可撓帯体をその中腹部で略直角に包装体10に対面する内方へ折り曲げ形成しているから、一枚のフラップ11と包装体の本体側面13との間に開けた一対の孔11A,13Aが直角方向に向き合っている場合において、フラップ11の孔11Aと包装体の本体側面13の孔13Aにしっかり固定・閉止されて外れない。更に、フラップや包装体の本体側面13の平坦面と面一となって突出せず外観も美麗となる。その他の効果は、上記第1実施形態の止め具100と同様に発揮するから、その説明を省略する。
【0034】
本発明は、上記2つの実施形態の止め具100,110のように、包装体の一対のフラップ間を閉塞する撓帯体30や、フラップと包装体の側面に開けた直角対向する一対の孔に使用される可撓帯体30,30´において、段ボールに限らず、木材や各種の材質及び形状からなる各種デザインの包装体(小物入れ、バッグ等)の止め具として多岐にわたり使用が可能である。また、両フラップ間を斜めに跨いで係止・閉塞するようにしても良い。
【0035】
続いて、図8〜図13を参照して第3実施形態の止め具120を説明する。これは、図1の片フラップ11の蓋付き包装箱や、観音開きの4枚の蓋付き包装箱の包装体20に適用されるものである。一対のフラップ21,23に開けた対向する一対の孔21A,23A間に最短距離で跨がって配置される直伸状態の可撓帯体30と、上記可撓帯体30の両端部30A,30Bには、上記一対の孔21A,23Aに対応する位置に第1係止部40と第2係止部50とを各々形成し、先端部に摘み部30C,30Dを備えたものである。
【0036】
本発明の第3実施形態となる止め具120における第1係止部40と、第2係止部50の構成を説明する。先ず、図8〜図11において、第1係止部40は、孔21Aに挿入されるべく形成されたものであり、上記可撓帯体30の端部30Aの両側部からフラップ21に対面する下方に延長するとともに、その先側に設けた突片41A,43Aを外側へ突出させた係止片41,43よりなり、2つの係止片41,43は可撓帯体30の長手方向Mと直交する方向Nに拡縮可能に形成されている。そして、上記係止片41,43は、可撓帯体30の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片41,43の拡縮変位により上記突片41A,43Aが孔21Aに係脱可能に係止するとともに、摘み部30Cの摘み上げで係止片41,43が縮小変位して孔21Aから外れる構成になっている。そして、更に、上記第1係止部40が孔21Aの上方へ抜け難くくするために、上記第1係止部40の係止片41,43には、長手方向(M)に対面し合う両内側に係止突片41B,43Bを付設している。
【0037】
次に、上記第2係止部50は、図8,図9,図12,図13に示すように、他方側の孔23Aに挿入されるべく形成されているものであり、上記第1係止部40と対称形に同一の構成を成している。先ず、上記第2係止部50は、上記可撓帯体30の他の端部30Bの両側部からフラップ23に対面する下方に延長するとともに、その先側に設けた突片51A,53Aを外側へ突出させた係止片51,53よりなり、2つの係止片51,53は可撓帯体30の長手方向Mと直交する方向Nに拡縮可能に形成されている。そして、上記係止片51,53は、孔23Aよりも内方に位置し、且つ、可撓帯体30の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片51,53の拡縮変位により上記突片51A,53Aが孔23Aに係脱可能に係止するとともに、摘み部30Dの摘み上げで係止片51,53が縮小変位して孔23Aから外れる構成になっている。また、上記第2係止部50が孔23Aの上方へ抜け難くくするために、上記第2係止部50の係止片51,53には、長手方向(M)に対面し合う両内側に係止突片51B,53Bを付設している。
【0038】
尚、図11,図13の拡大図に示すように、上記一対の係止片41,43及び51,53に、切欠41C,43C及び51C,53Cを形成しても良い。これにより、摘み部30C,30Dを手で持ち上げると、孔21A,23Aに係合する係止片41,43及び51,53の摩擦抵抗が小さくなり、係止片41,43及び51,53が孔21A,23Aから容易に外れるように機能する。
【0039】
上記可撓帯体30は、その中腹部を直伸状態としているが、包装体20のフラップ21,23間の孔21A,23A又は1枚のフラップ11と包装体10の側面13との間(直角方向に対面)に開けた対向する一対の孔11A,13Aに跨って屈曲して配置されるようにするために、ポリエチレンやポリプロピレンの材質を選択している。これにより、可撓帯体30が容易に撓んでフラップと側面に馴染むことができる。尚、各部材40,41,43,50,51,53等は一体成形されている。
【0040】
本発明の止め具120は、上記のように構成されており、以下のように作用する。先ず、一対のフラップ21,23に、孔21A,23Aをあける。続いて、一対のフラップ21,23を閉口する操作を説明する。図8に示すように、フラップ21,23を閉じ、これに開けた孔21A,23Aに、可撓帯体30の第1係止部40と第2係止部50とを係合させる。先ず、図9,図10,図11に示すように、孔21Aに可撓帯体30の第1係止部40を合わせて挿入・係合させる。即ち、第1係止部40の係止片41,43を両側から指で内側へ圧縮変位して上記孔に挿入する。そして、指を係止片から離すことで係止片が拡開してその突片41A,43Aや係止突片41B,43Bが上記孔21Aに係止される。上記孔21Aに第1係止部40を係止した可撓帯体30は、その他端の第2係止部50を対向する孔23Aに対して、一対のフラップ21,23間に跨いで配置する。
【0041】
次に、第2係止部50の係止片51,53を両側から指で内側へ圧縮変位して上記孔23Aに挿入する。ここで、指を係止片51,53から離すと係止片が拡開し、その突片41A,43Aや係止突片41B,43Bが上記孔23Aに係止される。以上で、一対のフラップ21,23間が閉止(閉塞)される。
【0042】
その詳細な作用を、図9,図10,図11に示す。可撓帯体30は対向する一対の孔21A,23Aに跨がり、その端部に付設した第1係止部40及び第2係止部50の係止片41,43及び51,53が可撓帯体30の長手方向(M)と直交する方向(N)に拡縮可能に配置されている。この係止片41,43及び51,53を両側から指で内側へ2点鎖線のように、圧縮変位するとともに、先端を上方へ傾斜させて、係止片41,43及び51,53の対向し合う係止突片41B,43B側から上記孔21A又は23Aに挿入する。そして、指を係止片41,43及び51,53から離すことで、係止片41,43及び51,53が拡開して突片41A,43A及び51A,53Aが孔21A又は23Aに係止される。
【0043】
これにより、第1係止部40と第2係止部50の係止片41,43及び51,53に、この長手方向(M)と直角の方向の外側に突出する突片41A,43A及び51A,53Aと、対向し合う内側に係止突片41B,43Bを付設しているから、止め具120が包装体20との係止中に、その係止機能を一層向上させ、振動や外力により上方へ抜けない。
【0044】
次に、蓋止め具120をフラップ21,23から外す操作を説明する。図10,図12に示すように、第1係止部40と第2係止部50を形成した可撓帯体30の端部30A,30Bに形成された摘み部30C,30Dを指で摘んで持ち上げる。ここで、第1係止部40又は第2係止部50の係止片41,43又は51,53は、2点鎖線のように外れ、第1係止部40の係止片41,43や第2係止部50の係止片51,53における突片41A,43A及び51A,53Aと係止突片41B,43B及び51B,53Bが孔21A,23Aよりも内側へ縮んで孔から容易に外れる。従って、第1係止部40や第2係止部50の取外し作業が容易に実施できる。
【0045】
上記作用を発揮する止め具120は、花等の外力に弱い荷物を安全・確実に包装・保護した状態で運搬する包装体20の止め具120として最適である。即ち、上記止め具120は、輸送箱として使用し、これを廃棄する場合には、短い可撓帯体30の止め具120であることから、ゴミとして処理される廃棄量が大幅に低減される。
【0046】
上記第3実施形態によると、下記の効果が奏される。先ず、上記止め具120は、第1係止部40と第2係止部50の係止片41,43及び51,53に、この長手方向(M)と直角の方向の外側に突出する突片41A,43A及び51A,53Aと、対向し合う内側に係止突片41B,43Bを付設しているから、この止め具120は包装体20との係止中に、その係止機能を一層向上させ、振動や外力により上方へ抜けない。更に、可撓帯体30を最短の長さ寸法に形成しているから、包装体に入れた荷物の運送等の使用後に、ゴミとして処理される量が低減されるという効用が発揮される。
【0047】
また、可撓帯体の端部に摘み部を付設したので、止め具120の取外し時には、この摘み部を指で摘んで持ち上げるだけで、第1係止部40と第2係止部50の係止片41,43及び51,53が縮んで孔21A,23Aから容易に外れ、取外し作業を簡潔にする。これにより、包装体に対する止め具120の係脱作業が容易なものとなる。勿論、上記摘み部を省略しても、止め具の着脱作業は行える。
【0048】
尚、上記各実施形態の止め具は、包装体の蓋の閉止用に使用されるものであるが、これを他の部分、たとえば底板の閉止用に使用することもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1によると、包装体の一対のフラップ間等に開けた一対の孔に跨って配置される可撓帯体とし、この可撓帯体の上記一対の孔に対応する位置に形成される第1係止部と第2係止部とを各孔に挿入する構成としたから、フラップの閉止が簡単・確実にでき、且つ、端部を引き上げるだけで外れるから、止め具の係脱作業を容易なものにする効果が発揮される。
【0050】
更に、止め具は、その可撓帯体を2つの孔間を最短の長さ寸法となるように形成しているから、梱包材として樹脂等の材料が少なくて済み、繰り返し使用できるからコストを低減できるとともに、運送等の使用後にゴミとして処理される場合も廃棄量が大きく低減され、問題となっている環境保全においても大きく貢献できる効果が発揮される。
【0051】
また、請求項2によると、可撓帯体の第1係止部と第2係止部を形成した部分の何れか一方又は双方に摘み部を形成したから、止め具の第1係止部又は第2係止部をフラップまたは包装体本体から外す際に、摘み部が手掛かりとなって容易に外すことができ、止め具の係脱作業が一層容易なものとする効果が発揮される。
【0052】
また、請求項3によると、第1係止部と第2係止部の係止片には、長手方向に対面し合う両内側に係止突片を付設したから、包装体のフラップの閉塞時において、止め具における可撓帯体の両端部が孔から上方へ抜け難くくなって係止機能が一層向上し、運送時等の振動や外力によって外れないという優れた閉止効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、包装体の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、包装体と止め具の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、止め具の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、止め具の作用断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、止め具の作用底面図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、止め具の取付け状態の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、止め具の斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示し、包装体と止め具の斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示し、止め具の斜視図と断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示し、止め具の作用断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示し、止め具の作用底面図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示し、止め具の作用断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示し、止め具の作用底面図である。
【図14】従来例を示し、結束バンドで閉止した包装体の斜視図である。
【符号の説明】
10,20 包装体
11,21,23 フラップ
13 側面
11A,13A 孔
21A,23A 孔
30,30´ 可撓帯体
30A,30B 端部
30C〜30H 摘み部
C 中腹部
40 第1係止部
41,43 係止片
41A,43A 突片
41B,43B 係止突片
50 第2係止部
51,53 係止片
51A,53A 突片
51B,53B 係止突片
N 長手方向と直交する方向
M 長手方向
100,110,120 止め具
Claims (3)
- 包装体の一対のフラップ間または一枚のフラップと包装体本体との間に開けた対向する一対の孔に跨って配置される可撓帯体と、上記可撓帯体の上記一対の孔に対応する位置に形成される第1係止部と第2係止部と、を備え、上記第1係止部と第2係止部は、可撓帯体の両側から下方に延長するとともに先側が側方へ突出する係止片よりなり、上記係止片が可撓帯体の長手方向と直交する方向に拡縮可能に形成され、係止片の拡縮変位により上記孔に係脱可能に係止するようにしたことを特徴とする包装体の止め具。
- 上記可撓帯体の第1係止部と第2係止部を形成した部分の何れか一方又は双方に摘み部を形成したことを特徴とする請求項1記載の包装体の止め具。
- 上記第1係止部と第2係止部の係止片には、長手方向に対面し合う両内側に係止突片を付設したことを特徴とする請求項1または2記載の包装体の止め具。
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