JP4172242B2 - 導電性グリース組成物及び転動装置 - Google Patents

導電性グリース組成物及び転動装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた導電性を有する導電性グリース組成物に係り、特に、各種転がり軸受に好適に使用され、内外輪間の電気抵抗値を低減させる導電性グリース組成物に関する。
また、内外輪間の電気抵抗値が低く長期間にわたって帯電しにくい(導電性に優れる)転がり軸受に係り、特に、複写機,プリンタ等の事務機器、情報機器、家電等に好適に使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般情報機器、例えば複写機においては、その可動部分には多数の転がり軸受が使用されている。該転がり軸受の軌道面と転動体との間には回転中は油膜が形成されていて、前記軌道面と前記転動体とは非接触となっている。このような転がり軸受においては回転に伴って静電気が発生するため、その放射ノイズが複写機の複写画像に歪み等の悪影響を及ぼす等の不都合が生じる場合がある。
【0003】
このような不都合を回避するため、導電性グリース組成物を転がり軸受に封入することにより内外の軌道輪及び転動体を導電状態にするとともに、前記内外の軌道輪のうち一方を接地することにより、静電気を該転がり軸受から除去するという対策が取られている。
導電性グリース組成物としては、増ちょう剤と導電性付与添加剤とを兼ねてカーボンブラックを添加したものが主流であるが(例えば、特公昭63−24038号公報に記載のもの)、このようなカーボンブラックを用いた導電性グリース組成物は、初期には優れた導電性を示すものの、経時的に導電性が低下して行く場合があるという問題があった。
【0004】
このような現象の原因は、従来は導電性グリース組成物の性能劣化のためであると考えられていたが、近年の研究により、内外輪の軌道面や転動体の転動面に導電性を低下させる酸化膜(酸化鉄の膜)が生成するためであるということが分かってきた。
すなわち、軌道面と転動面との金属接触により、両面には微小な損傷が生じる。この損傷部分には新生面が露出するが、この新生面は活性が高いため、空気中の酸素等により直ちに酸化され酸化膜が形成される。そして、この酸化膜が経時的に成長するため、導電性が経時的に低下すると考えられる。
【0005】
そこで、軌道面や転動面の損傷を防ぐことを目的として、摩耗防止添加剤,極圧添加剤,及び油性剤のうち少なくとも1種を添加した導電性グリース組成物が提案されている(特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−80879号公報
【特許文献2】
特開平9−217752号公報
【特許文献3】
特開平11−217582号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−80879号公報に記載の導電性グリース組成物は、通常の使用時間では導電性の経時的な低下はほとんど生じないが、極めて長い使用時間では導電性の経時的な低下が生じる場合があった。
そこで、本発明は上記のような従来の導電性グリース組成物が有する問題点を解決し、優れた導電性を有するとともに導電性の経時的な低下が極めて長期間にわたって生じにくい導電性グリース組成物を提供することを課題とする。また、電気抵抗値が小さく極めて長期間にわたって帯電しにくい転がり軸受を提供することを併せて課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る導電性グリース組成物は、基油,導電性付与添加剤,分散剤,及び平均粒子径が2μm以下の無機化合物微粒子を含有する導電性グリース組成物において、前記基油をポリ−α−オレフィン油、前記導電性付与添加剤をカーボンブラック、前記分散剤をコハク酸ハーフエステル、前記無機化合物微粒子をMgO又はAl 2 3 とするとともに、前記導電性付与添加剤の含有量を組成物全体の0.1〜10質量%、前記分散剤の含有量を組成物全体の0.1〜10質量%、前記無機化合物微粒子の含有量を組成物全体の0.05〜7質量%としたことを特徴とする。
【0009】
このような本発明に係る導電性グリース組成物においては、前記導電性付与添加剤,前記分散剤,及び前記無機化合物微粒子の合計量に対する前記導電性付与添加剤の割合を0.25〜0.77、同じく前記分散剤の割合を0.15〜0.65、同じく前記無機化合物微粒子の割合を0.06〜0.48とすることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える転がり軸受において、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、前述の本発明に係る導電性グリース組成物を充填したことを特徴とする。
【0011】
前述のような構成の導電性グリース組成物は、導電性付与添加剤の分散性が高く、優れた導電性を有している。
また、前述のような構成の転がり軸受は、内輪及び外輪の軌道面と転動体の転動面との金属接触が防止されるので、軌道面及び転動面に酸化膜が生成しにくい。また、酸化膜が生成したとしても無機化合物微粒子によってミクロ的に研磨されるから、軌道面及び転動面に常に新生面が現れることとなる。よって、内外輪間の電気抵抗値が低く、極めて長期間にわたって帯電しにくい。なお、研磨される部分は極僅かであるので、転がり軸受の回転性能や音響性能を低下させることはほとんどない。
【0012】
以下に、本発明の導電性グリース組成物が備える各成分について、詳細に説明する。
〔導電性付与添加剤について〕
本発明の導電性グリース組成物に使用される導電性付与添加剤としては、カーボンブラックが最も好ましい。カーボンブラックには製造方法や形態等によっていくつかの種類があるが、本発明に適用可能なカーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、ファーネスブラック,アセチレンブラック,ケチェンブラック等が使用できる。
【0013】
なお、金,銀,銅,スズ,亜鉛,アルミニウム等の金属粒子、酸化銀,硫化ニオブ,硝酸銀等の金属化合物粒子なども導電性付与添加剤として使用することが可能である。
導電性付与添加剤の平均粒子径は2μm以下であることが好ましい。導電性付与添加剤の粒子径は、転がり軸受用グリース組成物として支障をきたさない程度である必要があるが、転がり軸受においては一般的に粒子径が約2μmを超える粒子は異物(ゴミ)として作用し、硬い粒子の場合には軌道面や転動面の摩耗を促進し、軸受の早期損傷の原因となる。また、軸受の音響特性を劣化させる場合もある。したがって、導電性付与添加剤は、平均粒子径が2μm以下であることが好ましい。市販のカーボンブラックの平均粒子径はおおむね100nmを下回っているので、用途や使用条件にもよるが異物として作用しない範囲である。
【0014】
また、導電性付与添加剤は、比表面積が大きく、中空構造(ポーラス構造)となっていて、さらに、適度のチェーンストラクチャーを有しているものが好ましい。そうすれば、基油がポーラスの内部に浸入して導電性付与添加剤の構造を補強することとなるので、導電性付与添加剤の耐久性が向上する。また、基油がポーラスの内部に浸入すると、導電性付与添加剤に親油性が付与されるので、過度な油分離や硬化が抑制される。
【0015】
さらに、導電性付与添加剤の含有量は、導電性グリース組成物全体の0.1〜10質量%とする必要がある。0.1質量%未満では十分な導電性が得られず、また、10質量%超過であるとグリース組成物のちょう度が大きくなりすぎる(グリース組成物が硬くなりすぎる)。
なお、導電性付与添加剤の中には増ちょう剤として作用するものもあるので、その場合には、導電性付与添加剤を増ちょう剤と兼ねて使用してもよい。また、増ちょう剤としての性質を有する導電性付与添加剤を、導電性付与添加剤と増ちょう剤とを兼ねて使用し、別の導電性付与添加剤を導電性付与添加剤としてさらに添加してもよい。
【0016】
〔分散剤について〕
本発明の導電性グリース組成物に使用される分散剤の種類は特に限定されるものではなく、グリース組成物に慣用の分散剤を問題なく使用することができる。ただし、分散剤が固体の場合は、前述の導電性付与添加剤の場合と同様の理由により平均粒子径は2μm以下であることが好ましい。
【0017】
また、分散剤の含有量は、導電性グリース組成物全体の0.1〜10質量%とする必要がある。0.1質量%未満では導電性付与添加剤を十分に分散させることが困難となり、また、10質量%超過であるとグリース組成物のちょう度が大きくなりすぎる(グリース組成物が硬くなりすぎる)。
分散剤の具体例としては、スルホネートのバリウム塩,カルシウム塩,マグネシウム塩,ナトリウム塩,亜鉛塩,アルミニウム塩,リチウム塩,セシウム塩等の金属系分散剤をあげることができる。また、その他の金属系分散剤として、炭酸カルシウム塩等の炭酸金属塩,フェネート,サリシレート,ホスホネート等があげられる。
【0018】
さらに、無灰系分散剤としては、有機脂肪酸やその無水物等の有機化合物があげられる。具体的には、コハク酸イミド,コハク酸ジエステル,コハク酸ハーフエステル,ベンジルアミン,ポリメタクリレート,ポリカルボン酸アンモニウム塩,ポリブテン等があげられる。
〔無機化合物微粒子について〕
本発明の導電性グリース組成物に使用される無機化合物微粒子の種類は、金属表面に生成した酸化膜や固着した有機物を前述のようにミクロ的に研磨することができるならば、特に限定されるものではない。具体例としては、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,ZrO2 等の金属酸化物、ベントナイト,スメクタイト,雲母等の(合成)粘土鉱物、Si3 4 ,ZrN,CrN,TiAlN等の金属窒化物、SiC,TiC,WC等の金属炭化物をあげることができる。
【0019】
無機化合物微粒子の平均粒子径は、転がり軸受用グリース組成物として支障をきたさない程度の粒径である必要がある。よって、前述の導電性付与添加剤の場合と同様の理由により平均粒子径は2μm以下である必要がある。潤滑寿命と酸化皮膜形成の抑制とを考慮すれば、粒径は基油の油膜の膜厚と同程度であることが望ましい。
【0020】
また、無機化合物微粒子の含有量は、導電性グリース組成物全体の0.05〜7質量%とする必要がある。0.05質量%未満では酸化膜を十分に研磨することが困難となり、導電性の経時的な低下が生じるおそれがある。一方、7質量%超過であるとグリース組成物のちょう度が大きくなりすぎる(グリース組成物が硬くなりすぎる)。
【0021】
なお、基油や増ちょう剤との親和性を改善するために、無機化合物微粒子の表面を親油性に改質したものを用いてもよい。また、粒子の形状は球形に近いほど好ましいが、上記粒径の範囲内であれば多面体(立方体や直方体等)や極端には針状であってもよい。
〔導電性付与添加剤,分散剤,無機化合物微粒子の含有量について〕
導電性付与添加剤,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量は、導電性グリース組成物の適度な硬さ(柔軟性)を確保するためには、導電性グリース組成物全体の1〜27質量%とすることが好ましい。27質量%超過であるとグリース組成物のちょう度が大きくなりすぎる(グリース組成物が硬くなりすぎる)。そうすると、グリース組成物を転がり軸受に封入した際に、転がり軸受のトルクが大きくなるおそれがあるので好ましくない。一方、1質量%未満では、導電性付与添加剤,分散剤,及び無機化合物微粒子の量が少なすぎて、グリース組成物を封入した転がり軸受の導電性が劣る場合がある。
【0022】
また、導電性付与添加剤,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量を1とした場合の導電性付与添加剤の割合は0.25〜0.77、同じく分散剤の割合は0.15〜0.65、同じく無機化合物微粒子の割合は0.06〜0.48とすることがより好ましい。各成分の割合が上記範囲を外れると、導電性の経時的な低下を極めて長期間にわたって防止できないおそれがある。また、グリース組成物のちょう度が大きくなりすぎて、グリース組成物を転がり軸受に封入した際に、転がり軸受のトルクが大きくなるおそれがある。
【0023】
〔増ちょう剤について〕
本発明の導電性グリース組成物には、導電性付与添加剤の分散性を維持するために増ちょう剤を添加してもよい。使用する増ちょう剤としては、例えば、ウレア化合物や金属石けん等が好ましい。
ウレア化合物は、グリース組成物に耐熱性を付与したい場合に有効であり、例えば、ジウレアやポリウレア等が好ましい。
【0024】
また、金属石けんとしては、周期律表の1,2,及び13族の金属の化合物(例えば金属水酸化物)と、炭素数12〜24の高級脂肪酸又は1個以上のヒドロキシル基を有する炭素数12〜24の高級ヒドロキシ脂肪酸と、から合成された脂肪族一塩基酸金属塩があげられる。なお、ヒドロキシル基を有していると、水素結合等の作用により繊維状構造が安定化される。
【0025】
金属としては、例えば、リチウム,ナトリウム等のアルカリ金属や、カルシウム,バリウム等のアルカリ土類金属、あるいはアルミニウム等があげられる。
また、高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルチミン酸,マルガリン酸,ステアリン酸,アラキジン酸,ベヘン酸,リグノセリン酸,牛脂脂肪酸等があげられ、高級ヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、9 −ヒドロキシステアリン酸,10−ヒドロキシステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,9 ,10−ジヒドロキシステアリン酸等があげられる。これらの脂肪族一塩基酸の中では、ステアリン酸と12−ヒドロキシステアリン酸とが最も好ましい。
【0026】
〔基油について〕
本発明の導電性グリース組成物に使用される基油としては、鉱油,ポリ−α−オレフィン油(PAO)等の合成炭化水素油,エステル油,エーテル油,ポリグリコール油,シリコン油,フッ素油などがあげられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
基油の動粘度は使用条件(荷重,温度,速度等)によって適宜選択され、特に限定されるものではないが、粘度が大きすぎると導電性に悪影響を及ぼすので、40℃における動粘度は120mm2 /s以下が好ましい。120mm2 /sを超えると、油膜が比較的厚くなって抵抗値が大きくなる。ただし、動粘度が5mm2 /s未満であると、蒸発損失や潤滑性の問題から適当ではない。すなわち、基油の粘度が低すぎると、例えば軸受の回転中に軌道面と転動体との金属接触を避けるのに十分な潤滑油膜の形成が困難となる。
【0028】
なお、導電性グリース組成物の周辺材料に樹脂が多用される場合は、合成炭化水素油等のような極性の小さい基油を用いることが好ましい。極性が高い基油を使用すると、導電性グリース組成物が漏洩した場合等に周辺材料に悪影響を及ぼすおそれがある。
〔導電性グリース組成物のちょう度について〕
本発明の導電性グリース組成物のちょう度は、導電性グリース組成物を適用する用途や使用温度に適したちょう度であればよく、特に限定されるものではない。ただし、適度な柔軟性(硬さ)を確保する観点から、通常はNLGIのちょう度番号がNo.1〜No.3(JIS K2220のちょう度番号が1番〜3番)の範囲が選択される。
【0029】
グリース組成物が硬すぎると転がり軸受のトルクが大きくなる場合があり、軟らかすぎるとグリース組成物が転がり軸受から漏洩しやすい。
〔その他の添加剤について〕
本発明の導電性グリース組成物は、導電性付与添加剤,分散剤,及び無機化合物微粒子を必須成分として含有し、所望により通常の増ちょう剤を含有してもよいが、さらに必要に応じて種々の添加剤を含有してもよい。例えば、酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性向上剤,金属不活性化剤など、グリース組成物に一般的に使用される添加剤を、単独又は2種以上混合して用いることができる。このような添加剤により、導電性グリース組成物の各種性能をさらに向上させることができる。
【0030】
酸化防止剤としては、例えば、アミン系,フェノール系,イオウ系,ジチオリン酸亜鉛等があげられる。
アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニル−1−ナフチルアミン,フェニル−2−ナフチルアミン,ジフェニルアミン,フェニレンジアミン,オレイルアミドアミン,フェノチアジン等があげられる。
【0031】
また、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−フェニルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−オクチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−クレゾール、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2−n−オクチル−チオ−4,6−ジ(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のヒンダードフェノールなどがあげられる。
【0032】
防錆剤としては、例えば、石油スルフォン酸,有機系スルフォン酸金属塩(金属はアルカリ金属,アルカリ土類金属等),エステル類等があげられる。
有機系スルフォン酸金属塩の具体例としては、ジノニルナフタレンスルホン酸や重質アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩(カルシウムスルフォネート,バリウムスルフォネート,ナトリウムスルフォネートなど)等があげられる。
【0033】
また、エステル類の具体例としては、多塩基カルボン酸及び多価アルコールの部分エステルであるソルビタンモノラウレート,ソルビタントリステアレート,ソルビタンモノオレエート,ソルビタントリオレエート等のソルビタンエステル類や、ポリオキシエチレンラウレート,ポリオキシエチレンオレエート,ポリオキシエチレンステアレート等のアルキルエステル類などがあげられる。
【0034】
また、アルキルコハク酸エステル,アルケニルコハク酸エステル等のようなアルキルコハク酸誘導体,アルケニルコハク酸誘導体も、防錆剤として好ましく使用できる。
さらに、油性向上剤としては、例えば、オレイン酸,ステアリン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコール,オレイルアルコール等のアルコール、ステアリルアミン,セチルアミン等のアミン、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル、及び動植物油等があげられる。
【0035】
さらに、極圧及び摩耗防止の目的で、塩素系,イオウ系,リン系,ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデン等の極圧剤を使用することができる。
その他には、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤や、ポリメタクリレート,ポリスチレン等の粘度指数向上剤などを使用することができる。
これらの添加剤の含有量は、導電性グリース組成物全体の0.5〜15質量%とすることが好ましい。0.5質量%未満では添加剤を添加した効果が不十分となるおそれがある。一方、15質量%を超えると、添加剤の極性が高い場合に、事務機器用の転がり軸受の周辺に使用される樹脂材やトナーと相互作用を生じるおそれがある。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る導電性グリース組成物及び転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
表1及び表2に、実施例及び比較例の導電性グリース組成物の組成を示す。表中の含有量とは、グリース組成物全体を100とした場合の比率を示しており、その単位は質量%である。さらに、導電性グリース組成物のNLGI混和ちょう度を併せて示す。この混和ちょう度の測定法は、JIS K2220 5.3である。
【0037】
【表1】
Figure 0004172242
【0038】
【表2】
Figure 0004172242
【0039】
各表から分かるように、実施例1〜6の導電性グリース組成物は、導電性付与添加剤(カーボンブラック),分散剤(コハク酸ハーフエステル),及び無機化合物微粒子(MgO又はAl2 3 )を含有している。これに対して、比較例1の導電性グリース組成物は、分散剤及び無機化合物微粒子を含有しておらず、比較例2及び比較例3の導電性グリース組成物は無機化合物微粒子を含有していない。また、比較例4の導電性グリース組成物は、無機化合物微粒子の含有量が本発明の好ましい範囲を超えている。なお、基油は、40℃における動粘度が18mm2 /s又は30mm2 /sのポリα−オレフィン油(PAO)である。
【0040】
次に、これら10種の導電性グリース組成物を充填した転がり軸受をそれぞれ用意して、その性能(導電性及び音響性能)を評価した。
使用した転がり軸受は、内径8mm,外径22mm,幅7mmの玉軸受であり、内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に配設された複数の玉3と、複数の玉3を保持する保持器4と、外輪2のシールみぞ2bに取り付けられた非接触形のシールド5,5と、で構成されている(図1の部分断面図を参照)。
【0041】
また、内輪1と外輪2とシールド5,5とで囲まれた空間(軸受空間6)には、該軸受空間6の容積の30体積%の導電性グリース組成物Gが充填されており、シールド5,5により玉軸受内部に密封されている。
そして、この導電性グリース組成物Gによって、前記両輪1,2の軌道面1a,2aと玉3との接触面が潤滑されるとともに、内輪1と外輪2と玉3とが導電状態となっている。さらに、内輪1又は外輪2が接地されていて(図示せず)、玉軸受の回転により発生する静電気が除去されるようになっている。
【0042】
このような玉軸受は、軌道面1a,2aと玉3との金属接触が生じにくく、軌道面1a,2a及び玉3の転動面に酸化膜が生成しにくい。また、酸化膜が生成したとしても無機化合物微粒子によってミクロ的に研磨されるから、軌道面1a,2a及び玉3の転動面に常に新生面が現れることとなる。よって、内外輪1,2間の電気抵抗値が低く、極めて長期間にわたって帯電しにくい(導電性の経時的な低下が生じにくい)。なお、シールド5を導電性ゴムで構成した接触形のシールとする等の手法によって密封装置にも導電性を保持させれば、導電性の経時的な低下をより抑制することができる。
【0043】
よって、このような導電性グリース組成物Gを備えた転がり軸受は、例えば複写機,レーザープリンタのような事務機器、情報機器、家電等の静電気対策として顕著な有効性を発揮するものである。
このような玉軸受を、抵抗値を測定する装置に装着した。そして、回転中の内外輪間の電気抵抗値(最大値)を測定して、導電性が経時変化する程度を評価した。ここで、抵抗値を測定する装置の構成を、図2の概略構成図を参照しながら説明する。
【0044】
図2中、符号10は測定対象の玉軸受を表し、その内輪10aに取付けられた軸部材12をモータ13で回転駆動することによって軸受10を回転するように構成されている。そして、内輪10aと一体となっている軸部材12と外輪10bとの間に、定電圧電源14によって所定の定電圧が印加される。
この定電圧電源14と並列に接続されている抵抗測定装置15は、測定した電圧値(アナログ値)をA/D変換回路16に出力する。A/D変換回路16は、予め設定されたサンプリング周期でデジタル値に変換し、当該変換したデジタル信号を演算処理装置17に出力する。本実施形態では、サンプリング周期を50kHz(サンプリング時間間隔=0.02ms)に設定してある。
【0045】
演算処理装置17は、最大抵抗値演算部17Aと、閾値処理部17Bと、波数カウント部17Cとを備える。最大抵抗値演算部17Aは、入力したデジタル信号に基づき最大抵抗値を演算する。閾値処理部17Bは、入力したデジタル信号について所定閾値で閾値処理を行い雑音を除去する。波数カウント部17Cは、閾値処理部17Bからのパルスカウントについて、経時的なパルス値の増減変化によって、所定時間単位毎の変動回数つまり波山の波数をカウントし、その単位時間当たりの波数の平均値を求める。また演算処理装置17は、求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示装置18に出力する。本実施形態では、上記波数をカウントする単位時間を0.328秒に設定してある。表示装置18は、ディスプレイなどから構成され、演算処理装置17が求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示する。
【0046】
次に、上記構成の装置を使用して玉軸受10の抵抗値を評価する方法について説明する。
モータ13を駆動して軸部材12つまり内輪10aを所定回転速度で回転させた状態で、定電圧電源14から軸受10の内外輪10a,10b間に所定の定電圧を印加する。このとき、内外輪10a,10b間に電流が流れるが、スパーク等によって電圧が変動する。その電圧が抵抗測定装置15で測定され、続いて、A/D変換回路16によってデジタル値に変換され、そのデジタル信号に基づいて、演算処理装置17が最大抵抗値及び所定単位時間当たりの波数を求め、その値が表示装置18に表示される。
【0047】
測定条件を以下に示す。
内輪回転速度:150min-1
軸受10に与えるラジアル荷重(Fr):19.6N
印加電圧 :6.2V
最大電流 :100μA
シリーズ抵抗:62kΩ
雰囲気温度 :室温
各軸受について、それぞれ50時間,500時間,1000時間回転させて、軸受抵抗値(最大値)を測定した。なお、50時間及び500時間については、1種の軸受につき2個測定した。測定結果を図3のグラフに示す。
【0048】
比較例1〜4の導電性グリース組成物を備えた玉軸受は、初期(50時間)の軸受抵抗値は低かったものの、回転時間が長期になるにしたがって軸受抵抗値が急激に高くなった。これに対して、実施例1〜6の導電性グリース組成物を備えた玉軸受は、1000時間回転後においても軸受抵抗値が非常に低く、導電性の経時的な低下が極めて長期にわたって生じにくかった。
【0049】
測定結果を詳細に考察すると、実施例1と比較例2との比較及び実施例3と比較例3との比較から、無機化合物微粒子の添加により軸受抵抗値の経時的な上昇の程度が大幅に改善されることが分かる。また、比較例1と比較例2との比較から、分散剤の添加により軸受抵抗値の経時的な上昇の程度が若干改善されることが分かる。ただし、分散剤を添加しても無機化合物微粒子が添加されていないと(比較例2)、軸受抵抗値の経時的な上昇を抑制する効果は500時間までしか見られず、1000時間回転させると軸受抵抗値が高くなっている。
【0050】
また、実施例1と実施例2との比較から、導電性グリース組成物にリチウム石けんを含有している方が軸受抵抗値の経時的な上昇が生じにくいことが分かる。これは、リチウム石けんがカーボンブラックの分散安定性を高めているためであると考えられる。
ここで、カーボンブラック,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量に対するカーボンブラックの割合、同じく分散剤の割合、同じく無機化合物微粒子の割合を実施例1〜6及び比較例1〜4について算出し、グラフ化したものを図4に示す。このグラフにおいては、実施例のプロットは丸印で示してあり、比較例のプロットは三角印で示してある。
【0051】
また、点線で囲まれた部分は、前記各割合の全てが前述した好ましい範囲内に入っている場合を示している。図4のグラフから分かるように、実施例2〜6は、前記各割合の全てが前述した好ましい範囲内に入っている。
次に、実施例2においてカーボンブラックの含有量を変化させて(すなわち、分散剤と無機化合物微粒子との含有量をそれぞれ2.5質量%と0.5質量%とに固定し、カーボンブラックの含有量を変化させて)、前述と同様の方法により回転初期の軸受抵抗値(最大値)の測定を行った。その結果を図5のグラフに示す。なお、グリース組成物の混和ちょう度は、リチウム石けんを適宜添加することによってNLGI混和ちょう度3に調整した。
【0052】
図5のグラフから、カーボンブラックの含有量はグリース組成物全体の0.1質量%以上とする必要があり、1質量%以上とすることが望ましいことが分かる。ただし、10質量%以上ではグリース組成物が硬くなり過ぎる。よって、カーボンブラックの含有量はグリース組成物全体の0.1〜10質量%とする必要があり、1〜10質量%とすることが好ましい。
【0053】
図5の例では、カーボンブラックの含有量がグリース組成物全体の1〜10質量%のとき、カーボンブラック,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量を1とした場合のカーボンブラックの割合は0.25〜0.77となる。
また、実施例2において無機化合物微粒子の平均粒子径を変化させて、回転500時間後の軸受抵抗値(最大値)の測定と音響性能の評価を行った。軸受抵抗値の測定方法は前述と同様である。また、音響性能の評価方法は以下の通りである。回転500時間後の軸受抵抗値を測定した転がり軸受について、アンデロンメータを用いてアンデロン値(ハイバンド値)を測定した。アンデロン値の測定条件は、アキシアル荷重19.6N、回転速度1800min-1である。そして、500時間回転させる前と比較して、アンデロン値の上昇量が3アンデロン未満であった場合を「優良」と判定し、グラフにおいては丸印でプロットした。また、アンデロン値の上昇量が3アンデロン以上4アンデロン未満であった場合を「良好」と判定し、グラフにおいては三角印でプロットした。さらに、アンデロン値の上昇量が4アンデロン以上であった場合を「不合格」と判定し、グラフにおいては×印でプロットした。
【0054】
その結果を図6のグラフに示す。図6のグラフから、無機化合物微粒子の平均粒子径が2μmを超えると軸受抵抗値が上昇し且つ音響性能が悪化することが分かる。軸受抵抗値の高さから、無機化合物微粒子の平均粒子径は0.05〜2μmとすることが好ましく、0.05〜1μmとすることがより好ましい。
次に、実施例2において分散剤の含有量を変化させて(すなわち、カーボンブラックと無機化合物微粒子との含有量をそれぞれ5質量%と0.5質量%とに固定し、分散剤の含有量を変化させて)、前述と同様の方法により回転500時間後の軸受抵抗値(最大値)の測定を行った。その結果を図7のグラフに示す。
【0055】
図7のグラフから、分散剤の含有量をグリース組成物全体の0.1質量%以上とすれば、導電性の経時的な低下を抑制できることが分かる。そして、導電性の経時的な低下をより抑制するためには、分散剤の含有量を0.5質量%以上とすることがより好ましく、1質量%以上とすることがさらに好ましいことが分かる。ただし、分散剤を多量に含有させても導電性の経時的な低下を抑制する効果は飽和するし、さらに転がり軸受の回転性能に悪影響を及ぼすおそれがあるので、分散剤の含有量はグリース組成物全体の10質量%以下とする必要がある。よって、分散剤の含有量はグリース組成物全体の0.1〜10質量%とする必要があり、0.5〜10質量%とすることがより好ましく、1〜10質量%とすることがさらに好ましい。
【0056】
図7の例では、分散剤の含有量がグリース組成物全体の1〜10質量%のとき、カーボンブラック,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量を1とした場合の分散剤の割合は0.15〜0.65となる。
次に、実施例2において無機化合物微粒子の含有量を変化させて(すなわち、カーボンブラックと分散剤との含有量をそれぞれ5質量%と2.5質量%とに固定し、無機化合物微粒子の含有量を変化させて)、前述と同様の方法により回転500時間後の軸受抵抗値(最大値)の測定と音響性能の評価を行った。その結果を図8のグラフに示す。
【0057】
図8のグラフから、無機化合物微粒子の含有量をグリース組成物全体の0.05質量%以上とすれば、導電性の経時的な低下を抑制できることが分かる。そして、導電性の経時的な低下をより抑制するためには、無機化合物微粒子の含有量を0.1質量%以上とすることがより好ましく、0.5質量%以上とすることがさらに好ましいことが分かる。ただし、無機化合物微粒子を多量に含有させると、転がり軸受の回転性能に悪影響を及ぼしてアンデロン値を上昇させるおそれがあるので、無機化合物微粒子の含有量はグリース組成物全体の7質量%以下とする必要がある。よって、無機化合物微粒子の含有量はグリース組成物全体の0.05〜7質量%とする必要があり、0.1〜7質量%とすることがより好ましく、0.5〜7質量%とすることがさらに好ましい。
【0058】
図8の例では、無機化合物微粒子の含有量がグリース組成物全体の0.5〜7質量%のとき、カーボンブラック,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量を1とした場合の無機化合物微粒子の割合は0.06〜0.48となる。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0059】
例えば、基油,増ちょう剤,導電性付与添加剤,分散剤,無機化合物微粒子の種類は上記のものに限定されるものではなく、また、その他の添加剤をさらに添加してもよい。
また、本実施形態においては、転がり軸受として玉軸受を例示して説明したが、本発明の転がり軸受は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
【0060】
さらに、本実施形態においては導電性グリース組成物を転がり軸受に適用した例を示して説明したが、本発明の導電性グリース組成物の用途は特に限定されるものではなく、電気接点用グリース等のように、導電性を要求されるものであれば他の用途にも使用可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明の導電性グリース組成物は、優れた導電性を有するとともに導電性の経時的な低下が極めて長期間にわたって生じにくい。また、本発明の転がり軸受は、電気抵抗値が小さく極めて長期間にわたって帯電しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性グリース組成物を備えた玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。
【図2】軸受の抵抗値を測定する装置の概略構成図である。
【図3】軸受の抵抗値の測定結果を示すグラフである。
【図4】各実施例及び各比較例のグリース組成物について、カーボンブラック,分散剤,及び無機化合物微粒子の合計量に対するカーボンブラックの割合、同じく分散剤の割合、同じく無機化合物微粒子の割合を示したグラフである。
【図5】カーボンブラックの含有量と回転初期の軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図6】無機化合物微粒子の平均粒子径と回転500時間後の軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図7】分散剤の含有量と回転500時間後の軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【図8】無機化合物微粒子の含有量と回転500時間後の軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉
6 軸受空間
G 導電性グリース組成物

Claims (6)

  1. 基油,導電性付与添加剤,分散剤,及び平均粒子径が2μm以下の無機化合物微粒子を含有する導電性グリース組成物において、前記基油をポリ−α−オレフィン油、前記導電性付与添加剤をカーボンブラック、前記分散剤をコハク酸ハーフエステル、前記無機化合物微粒子をMgO又はAl 2 3 とするとともに、前記導電性付与添加剤の含有量を組成物全体の0.1〜10質量%、前記分散剤の含有量を組成物全体の0.1〜10質量%、前記無機化合物微粒子の含有量を組成物全体の0.05〜7質量%としたことを特徴とする導電性グリース組成物。
  2. 前記導電性付与添加剤,前記分散剤,及び前記無機化合物微粒子の合計量に対する前記導電性付与添加剤の割合を0.25〜0.77、同じく前記分散剤の割合を0.15〜0.65、同じく前記無機化合物微粒子の割合を0.06〜0.48としたことを特徴とする請求項1に記載の導電性グリース組成物。
  3. 前記基油の40℃における動粘度を5〜120mm 2 /sとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性グリース組成物。
  4. 前記無機化合物微粒子の平均粒子径を0.05〜1μmとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物。
  5. 増ちょう剤としてリチウム石けん及びウレア化合物の少なくとも一方を含有し、その含有量を組成物全体の3〜5質量%としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物。
  6. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える転がり軸受において、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物を充填したことを特徴とする転がり軸受。
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