JP2007002181A - 導電性グリース組成物及び転動装置 - Google Patents

導電性グリース組成物及び転動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた導電性を示すとともに離油しにくく、また、転がり軸受等の転動装置に使用した場合に漏洩しにくい導電性グリース組成物を提供する。また、優れた導電性を示し、且つ、グリース組成物の漏洩が生じにくい転動装置を提供する。
【解決手段】深溝玉軸受の空隙部内に、導電性グリース組成物Gを封入した。この導電性グリース組成物Gは、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、増ちょう剤と、平均一次粒径が10nm以上100nm以下で且つ導電性を有する酸化亜鉛と、を含有している。そして、酸化亜鉛の含有量は、導電性グリース組成物G全体の0.1質量%以上10質量%以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性に優れたグリース組成物及び転動装置に関する。
一般の事務機器や情報機器、例えば複写機においては、その可動部分には多数の転がり軸受が使用されている。このような転がり軸受の内外輪の軌道面と転動体との間には回転中は油膜が形成されていて、軌道面と転動体とは非接触となっている。このような転がり軸受においては回転に伴って静電気が発生するため、その放射ノイズが複写機の複写画像に歪み等の悪影響を及ぼす等の不都合が生じる場合がある。
このような不都合が生じることを防止するため、導電性グリースを転がり軸受内部に封入することにより、内外の軌道輪及び転動体を導電状態にするとともに、内外の軌道輪のうち一方を接地することにより、静電気を該転がり軸受から除去するという対策が取られている。そして、導電性グリースとしては、カーボンブラックを増ちょう剤及び導電性付与添加剤として添加したものが主流であった(例えば、特許文献1に記載のもの)。
しかしながら、このような導電性グリースを封入した転がり軸受は、初期においては優れた導電性を示す(内外の軌道輪及び転動体が導電状態となっている)ものの、導電性が経時的に低下して転がり軸受の内外輪間の電気抵抗値(以降は軸受抵抗値と記す)が大きくなることがあるという問題点があった。そして、このような現象の原因としては、以下のようなことが考えられた。
すなわち、導電性グリースは当初は転がり軸受の軌道輪の軌道面と転動体との接触面に十分に存在していて、その導電性グリース中のカーボンブラックにより、軌道輪と転動体との間の導電性が確保されるが、軌道輪と転動体との相対運動により、時間の経過とともに導電性グリースが前記接触面から排除されたり、また、カーボンブラック粒子のチェーンストラクチャーが破壊されたりするため、導電性が低下して軸受抵抗値が経時的に大きくなるという現象が生じるのである。
また、特許文献2にも記載されているように、長時間にわたって転がり軸受を回転させた場合には、転がり軸受の軌道面に生じる酸化被膜が内外輪間の電気抵抗値を上昇させるとも言われている。この対策としては、転がり軸受の転がり接触面を保護するために極圧剤や摩耗防止剤を用いる方法(特許文献2を参照)や、無機化合物微粒子を配合する方法(特許文献3を参照)がある。しかしながら、極圧剤は、一般的には高温では効果が小さい場合が多い。また、単に無機化合物微粒子を添加した場合は、グリースが経時的に硬化又は軟化したり、長期的に離油度が安定しないことが多い。
一方、特許文献4には、フタル酸ジブチル吸収量(以降はDBP吸収量と記す)の小さいカーボンブラックを比較的多量に配合して、長期間にわたる導電性の安定化を図った導電性グリースが記載されている。事務機器や情報機器には、グリースや油分により劣化が促進されやすい樹脂製部品が多用されているため、転がり軸受からのグリースの漏洩やグリースからの油分の分離は極力少ない方が好ましいが、特許文献4に記載の導電性グリースは、増ちょう剤でもあるカーボンブラックのDBP吸収量が小さいため、特に高温において離油度が高くなるおそれがある。
特公昭63−24038号公報 特開2002−80879号公報 特開2003−42166号公報 特開2002−53890号公報
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、優れた導電性を示すとともに離油しにくく、また、転がり軸受等の転動装置に使用した場合に漏洩しにくい導電性グリース組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、優れた導電性を示し、且つ、グリース組成物の漏洩が生じにくい転動装置を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の導電性グリース組成物は、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、増ちょう剤と、平均一次粒径が10nm以上100nm以下で且つ導電性を有する酸化亜鉛と、を含有するとともに、前記酸化亜鉛の含有量が組成物全体の0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
このような構成の導電性グリース組成物は、常温下,高温下においても導電性と潤滑性とが優れていることに加えて、離油が生じにくい。よって、転がり軸受等の転動装置に使用した場合には、導電性及び潤滑性が優れており、導電性グリース組成物やその基油の漏洩が生じにくい。
酸化亜鉛の平均一次粒径が10nm未満であると、酸化亜鉛の凝集が生じやすくなり、100nm超過であると、導電性グリース組成物の流動性を阻害するおそれがある。このような問題がより生じにくくするためには、平均一次粒径は10nm以上80nm以下とすることがより好ましく、10nm以上65nm以下とすることがさらに好ましい。
また、酸化亜鉛の含有量が組成物全体の0.1質量%未満であると、導電性グリース組成物の導電性が不十分となるおそれがあり、10質量%超過であると、導電性グリース組成物の流動性を阻害するおそれがある。このような問題がより生じにくくするためには、酸化亜鉛の含有量は組成物全体の1質量%以上8質量%以下とすることが好ましい。
また、本発明に係る請求項2の導電性グリース組成物は、請求項1に記載の導電性グリース組成物において、前記増ちょう剤は金属石けん,金属複合石けん,及びウレア化合物の少なくとも1種であり、その含有量は組成物全体の5質量%以上35質量%以下であることを特徴とする。
含有量が組成物全体の5質量%未満であると、増ちょう剤が少なすぎて組成物をグリース状とすることが困難となり、35質量%超過であると、基油の含有量が相対的に少なくなるため潤滑性が不十分となるおそれがある。このような問題がより生じにくくするためには、増ちょう剤の含有量は組成物全体の8質量%以上25質量%以下とすることがより好ましい。
さらに、本発明に係る請求項3の導電性グリース組成物は、請求項1又は請求項2に記載の導電性グリース組成物において、前記基油の40℃における動粘度が10mm2 /s以上500mm2 /s以下であることを特徴とする。
基油の40℃における動粘度が10mm2 /s未満であると、耐熱性が不十分となるおそれがあり、500mm2 /s超過であると、転動装置に使用した際のトルクが過大になるおそれがある。200℃程度の高温雰囲気下で使用された場合の転動装置のトルク性能と耐熱性とを考慮すると、基油の40℃における動粘度は20mm2 /s以上400mm2 /s以下とすることがより好ましく、25mm2 /s以上300mm2 /s以下とすることがさらに好ましい。
さらに、本発明に係る請求項4の導電性グリース組成物は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物において、混和ちょう度が200以上300以下であることを特徴とする。
混和ちょう度が200未満であると、導電性グリース組成物が硬いため流動性が不十分となるおそれがあり、300超過であると、柔らかいため転動装置等から漏洩するおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項5の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材と前記外方部材との間に形成された空隙部内に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物を配したことを特徴とする。
このような構成であれば、常温下,高温下においても優れた導電性を示し、且つ、グリース組成物の漏洩が生じにくい。
なお、本発明は、種々の転動装置に適用することができる。例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。特に、転がり軸受に好適であり、シール又はシールドを備えた密封深溝玉軸受に、前記空隙部の容積の15体積%以上35体積%以下の導電性グリース組成物を封入した場合に、優れた導電性,耐久性,低漏洩性を示す。
ここで、本発明における内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じくリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニアガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリングの場合には外筒をそれぞれ意味する。
本発明の導電性グリース組成物は、優れた導電性を示すとともに離油しにくく、また、転がり軸受等の転動装置に使用した場合に漏洩しにくい。また、本発明の転動装置は、優れた導電性及び耐久性を示し、且つ、グリース組成物の漏洩が生じにくい。
本発明に係る導電性グリース組成物及び転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る転動装置の一実施形態である深溝玉軸受の構造を示す縦断面図である。この深溝玉軸受は、外周面に軌道面1aを有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の転動体(玉)3と、内輪1及び外輪2の間に複数の転動体3を保持する保持器4と、内輪1及び外輪2の間の隙間の開口をほぼ覆うシールド5,5と、を備えている。また、内輪1及び外輪2の間に形成された空隙部内には、導電性グリース組成物Gが充填されており、シールド5,5により深溝玉軸受内部に密封されている。なお、保持器4やシールド5は備えていなくてもよい。
この導電性グリース組成物Gは、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、増ちょう剤と、平均一次粒径が10nm以上100nm以下で且つ導電性を有する酸化亜鉛と、を含有する。そして、酸化亜鉛の含有量は、導電性グリース組成物G全体の0.1質量%以上10質量%以下である。
このような構成から、導電性グリース組成物Gは、常温下,高温下においても優れた導電性及び潤滑性を示すとともに離油しにくい。よって、深溝玉軸受は、常温下,高温下においても優れた導電性及び耐久性を示し、且つ、導電性グリース組成物Gやその基油の深溝玉軸受からの漏洩が生じにくい。
基油としては、鉱油及び合成油が好適である。鉱油や合成油は樹脂に対するケミカルアタックが小さいので、仮に導電性グリース組成物G又はその基油が深溝玉軸受から漏洩して周辺の樹脂製部品に接触しても、樹脂製部品の劣化が生じにくい。鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油やナフテン系鉱油があげられ、合成油としては、例えば合成炭化水素油,エステル油,エーテル油,ポリグリコール油,シリコーン油,フルオロシリコーン油,フッ素油があげられる。これらの中では、耐熱性の高さと樹脂に対するケミカルアタックの小ささを考慮すると、合成炭化水素油やフッ素油が好ましく、特にポリα−オレフィン油が好ましい。
基油の40℃における動粘度は、10mm2 /s以上500mm2 /s以下であることが好ましい。また、導電性グリース組成物Gの混和ちょう度は、200以上300以下であることが好ましい。
また、増ちょう剤は金属石けん,金属複合石けん,及びウレア化合物の少なくとも1種であることが好ましく、その含有量は導電性グリース組成物G全体の5質量%以上35質量%以下であることが好ましい。
さらに、導電性を有する酸化亜鉛は、導電性を付与する処理を酸化亜鉛に施したものであり、平均一次粒径,比表面積,DBP吸収量をもとに選定すればよい。平均一次粒径を考慮すると、例えばハクスイテック株式会社製の導電性パウダーPazet CK,Pazet AK,Pazet ABが好ましい。これらは、導電性を有するアルミナをドープすることにより酸化亜鉛に導電性を付与したものであり、平均一次粒径は20〜40nmである。
さらに、導電性グリース組成物Gには、極圧剤,防錆剤,酸化防止剤,油性剤等の添加剤を、所望により添加してもよい。特に、防錆剤を添加することが好ましい。防錆剤としては、スルホン酸塩,ナフテン酸塩等の有機酸の金属塩が好適であり、特にアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩が好適である。具体例としては、スルホン酸バリウム,スルホン酸亜鉛,スルホン酸カルシウム,ナフテン酸亜鉛等があげられる。
さらにまた、導電性グリース組成物Gには、所望により導電性向上剤を添加してもよい。導電性向上剤としては、例えばカーボンナノチューブ,カーボンナノファイバー,カーボンナノホーン,炭素繊維,及び金属酸化物ウイスカーがあげられ、これらの中ではカーボンナノチューブが特に好適である。
添加剤及び導電性向上剤のそれぞれの添加量は、導電性グリース組成物G全体の0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては転動装置の例として深溝玉軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。さらに、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。グリース組成物を封入した転がり軸受について回転試験を行い、回転時の軸受抵抗値と回転200時間後のグリース組成物の漏れ量とを測定した。以下に、その試験方法を説明する。
図2に示すような装置に深溝玉軸受を装着して、回転中の内外輪間の電気抵抗値(最大値)を測定した。図2中、符号11は測定対象の深溝玉軸受を表し、その内輪11aに取付けられた軸部材12をモータ13で回転駆動することによって軸受11を回転するように構成されている。そして、内輪11aと一体となっている軸部材12と外輪11bとの間に、定電圧電源14によって所定の定電圧が印加される。
この定電圧電源14と並列に接続されている抵抗測定装置15は、測定した電圧値(アナログ値)をA/D変換回路16に出力する。A/D変換回路16は、予め設定されたサンプリング周期でデジタル値に変換し、当該変換したデジタル信号を演算処理装置17に出力する。本実施例では、サンプリング周期を50kHz(サンプリング時間間隔=0.02ms)に設定してある。
演算処理装置17は、最大抵抗値演算部17Aと、閾値処理部17Bと、波数カウント部17Cとを備える。最大抵抗値演算部17Aは、入力したデジタル信号に基づき最大抵抗値を演算する。閾値処理部17Bは、入力したデジタル信号について所定閾値で閾値処理を行い雑音を除去する。波数カウント部17Cは、閾値処理部17Bからのパルスカウントについて、経時的なパルス値の増減変化によって、所定時間単位毎の変動回数つまり波山の波数をカウントし、その単位時間当たりの波数の平均値を求める。また、演算処理装置17は、求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示装置18に出力する。本実施例では、上記波数をカウントする単位時間を0.328秒に設定してある。表示装置18はディスプレイなどから構成され、演算処理装置17が求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示する。
次に、上記構成の装置を使用して深溝玉軸受11の軸受抵抗値を評価する方法について説明する。
モータ13を駆動して軸部材12つまり内輪11aを所定回転速度で回転させた状態で、定電圧電源14から深溝玉軸受11の内外輪11a,11b間に所定の定電圧を印加する。このとき、内外輪11a,11b間に電流が流れるが、スパーク等によって電圧が変動する。その電圧が抵抗測定装置15で測定され、続いて、A/D変換回路16によってデジタル値に変換され、そのデジタル信号に基づいて、演算処理装置17が最大抵抗値及び所定単位時間当たりの波数を求め、その値が表示装置18に表示される。
測定条件を以下に示す。
軸部材12の回転速度:120min-1
印可電圧 :30V
抵抗 :300kΩ
最大電流 :100μA
雰囲気温度 :160℃
封入するグリース組成物の種類を変えた数種の軸受を用意し、上記構成の装置を使用して、各軸受について回転中の軸受抵抗値(最大値)を測定した。軸受抵抗値の測定は、回転200時間後と400時間後に行った。また、これと同時に、回転200時間後の導電性グリース組成物の漏れ量を、質量法により測定した。
使用した転がり軸受は、日本精工株式会社製の呼び番号6806ZZの深溝玉軸受(内径30mm,外径42mm,幅7mm,金属製シールド付き)であり、内輪及び外輪の間に形成された空隙部内に、表1,2に示すような組成のグリース組成物が充填してある。充填されているグリース組成物の量は、空隙部の容積の25体積%である。
Figure 2007002181
Figure 2007002181
表1,2において酸化亜鉛,カーボンブラック,及び添加剤の各成分の欄に記載されている数値は、グリース組成物全体を100とした場合の各成分の質量比である。また、基油及び増ちょう剤の含有量は表1,2には記載されていないが、グリース組成物全体から前述の各成分の含有量を差し引いた残部であり、基油と増ちょう剤との割合は混和ちょう度が250前後になるように調整した。
なお、実施例1〜4及び比較例1〜3のグリース組成物に使用した基油は、ポリα−オレフィン油又は鉱油であり、その40℃における動粘度はいずれの場合も50mm2 /sである。また、実施例1〜4のグリース組成物に使用した導電性を有する酸化亜鉛は、酸化亜鉛Aがハクスイテック株式会社製の導電性パウダーPazet CK、酸化亜鉛BがPazet AK、酸化亜鉛CがPazet ABである。
さらに、比較例1のグリース組成物に使用したカーボンブラックは、ライオンアクゾ社製のケッチェンブラックEC(平均一次粒径30nm、比表面積800m2 /g、DBP吸収量360ml/100g)である。さらに、実施例1〜4及び比較例1〜3のグリース組成物には、種々の添加剤を合計で2質量%添加してある。2質量%のうち0.9質量%は酸化防止剤(チバガイギー社製のイルガノックスL57)であり、0.1質量%は腐食防止剤(チバガイギー社製のイルガメット39)であり、1.0質量%は防錆剤(KING社製のNasul BSN)である。
軸受抵抗値及びグリース組成物の漏れ量の測定結果を、表1,2にまとめて示す。なお、表1,2においては、グリース組成物の漏れ量が充填量の12質量%未満であった場合は○印、12質量%以上16質量%未満であった場合は△印、16質量%以上であった場合は×印で示してある。
表1,2から分かるように、実施例1〜4の軸受は、比較例1〜3の軸受と比べて、高温下においても軸受抵抗値が小さく(導電性が優れている)且つグリース組成物の漏れ量が少なかった。
本発明は、例えば、複写機,レーザービームプリンタ等の事務機器や情報機器における高温となる部分(感光ドラム(定着部),ヒートローラ支持部等)に適用可能である。
本発明に係る転動装置の一実施形態である深溝玉軸受の構造を説明する部分縦断面図である。 軸受抵抗値を測定する装置の概略構成図である。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 転動体
G 導電性グリース組成物

Claims (5)

  1. 鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、増ちょう剤と、平均一次粒径が10nm以上100nm以下で且つ導電性を有する酸化亜鉛と、を含有するとともに、前記酸化亜鉛の含有量が組成物全体の0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする導電性グリース組成物。
  2. 前記増ちょう剤は金属石けん,金属複合石けん,及びウレア化合物の少なくとも1種であり、その含有量は組成物全体の5質量%以上35質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性グリース組成物。
  3. 前記基油の40℃における動粘度が10mm2 /s以上500mm2 /s以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性グリース組成物。
  4. 混和ちょう度が200以上300以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物。
  5. 外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材と前記外方部材との間に形成された空隙部内に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性グリース組成物を配したことを特徴とする転動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009179715A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Japan Energy Corp 潤滑剤組成物及びこれを用いた潤滑システム

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