JP4172122B2 - 色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置 - Google Patents

色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば写真焼付装置において、印画紙上に画像を焼き付ける際に設定される、色バランスや濃度バランスを補正するための色濃度補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真などの画像を印画紙に焼き付ける写真焼付装置として、写真画像が記録されたネガフィルムを介して印画紙を露光するアナログプリンタが広く使用されている。このようなアナログプリンタにおいて、印画紙に光を照射するための光源と、印画紙との間の領域には、調光フィルタユニットと呼ばれる光学部材が配置されている。
【0003】
この調光フィルタユニットは、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応した調光フィルタを備えた構成となっている。これらの調光フィルタを光路上に挿入するとともに、各調光フィルタの挿入量を調整することによって、光源を出射した光の調光を行っている。
【0004】
また、調光フィルタユニットは、ネガフィルムあるいはポジフィルムに記録されている画像を焼き付ける際に、カラーバランスを調整するために使用されることもある。このようなカラーバランスの調整は、オペレータによって手動で行う場合もあるが、例えばネガフィルムの場合などには、ネガフィルム上に記録されている画像の測光データに基づいて、自動でカラーバランスの調整を行う方法も各種提案されている。
【0005】
ネガフィルム上に記録されている画像のカラーバランスを調整する方法の一例として、LATD(Large Area Transmittance Density)露光方式と呼ばれるものがある。このLATD露光方式は、エバンス説と呼ばれる定理に基づいた露光方式である。
【0006】
エバンス説とは、簡単に説明すると、一般的な戸外の風景を撮影したネガフィルム上の画像において、この画像に記録されている色の全てを混ぜ合わせると、灰色に近くなる、という定理のことである。すなわち、LATD露光方式は、ネガフィルムの透過光を積算して測定し、その積算光が複写材料上で灰色に再現するように、光源からの光の色と量を決定する露光方式である。具体的には、ネガフィルムに光を照射して透過光をB(青)G(緑)R(赤)ごとにCCD(Charge Coupled Device) で取り込み、各画素毎の画像データの平均値をBGR毎に算出し、各平均値がそれぞれグレーに対応する値となるように調光フィルタを調節して印画紙を露光することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、写真などの限られた領域では、一般的に色の分布に偏りがあるのが普通であり、上記のLATD露光方式による露光を行った場合、カラーフェリアと呼ばれる過度な色補正が発生する虞れがある。カラーフェリアとは次のようなものである。LATD露光方式では、上記のように、画像全体を平均した色が灰色となるように補正を行う方式であるので、画像の中に灰色でない特定の色からなる大きな領域が存在している場合には、その色を灰色に近づけるような補正を行ってしまうことになる。例えば、画像の中に、赤色からなる領域が多く存在している場合には、LATD露光方式によって補正を行うと、画像全体が、赤色の補色であるシアンがかった状態でプリントされてしまうことになる。
【0008】
また、ネガフィルム上に連続して記録されている画像同士は、互いに似通っている場合が多い。これは、背景が似たようなシーンを連続して撮影する、連続シャッターによって同じ被写体を連続して撮影する、というような撮影が行われることが多いからである。例えば、上記の連続シャッターによって撮影する場合、同じ被写体に対して、撮影領域を上下や左右に動かしながら撮影を連続的に行ったり、ズームなどを行って同じ被写体を拡大あるいは縮小しながら撮影を連続的に行ったりすることがある。
【0009】
さらに具体的な例として、撮影者を中心にして360°のパノラマ撮影を10°間隔で撮影を行うことによって行う場合を想定する。この場合、隣り合った画像の中に、同じ物体が写されている可能性は非常に高いと言える。
【0010】
このように、似通ったシーンが連続して記録されている場合には、各画像に、同一の物体となる被写体が含まれていることが多く、このような被写体は、各画像毎に同じ色濃度で焼き付けられることが好ましいといえる。しかしながら、上記したLATD露光方式のように、単に平均濃度のみを基準にして色の補正を行う方法では、言うまでもなく、複数の画像間での連続性を保った焼き付けを行うことは不可能である。すなわち、このようなLATD露光方式によって焼き付けを行った場合、同一の物体となる被写体が、各画像毎に異なる色濃度で焼き付けられる可能性が高く、これらの画像を見比べた場合に、不自然な印象を与えてしまうことになる。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能な色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、上記の複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類するステップと、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステップとを有していることを特徴としている。
【0013】
上記の方法では、複数の画像から取り出された複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類している。このように、同じグループに分類された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度が補正されることになる。このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0014】
本発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割するステップと、上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステップとを有していることを特徴としている。
【0015】
上記の方法では、複数の画像から取り出された複数の画素を、それぞれの画素データに基づいて、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を複数に分割することによって設定された色部分空間に配分している。このように、同じ色部分空間に配分された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。そして、同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度が補正されることになる。このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0016】
本発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、上記の画素データに基づいて、各画像における色濃度の補正量を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出するステップと、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割するステップと、上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の色濃度補正アルゴリズムによって算出された色濃度の補正量の基準値との差分値の平均値を算出するステップと、各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる補正量の新たな基準値を算出するステップと、各画像毎に、上記の補正量の新たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の補正量を算出するステップとを有していることを特徴としている。
【0017】
上記の方法では、複数の画像から取り出された複数の画素を、それぞれの画素データに基づいて、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を複数に分割することによって設定された色部分空間に配分している。このように、同じ色部分空間に分類された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。
【0018】
また、複数の画像から取り出された複数の画素の画素データに基づいて、各画像における色濃度の補正量を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出している。この色濃度補正アルゴリズムとしては、どのようなアルゴリズムでもよく、例えば、LATD方式などが挙げられる。このように、任意の色濃度補正アルゴリズムによって、各画像毎に、色濃度の補正量の基準値を算出している。
【0019】
そして、各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の色濃度の補正量の基準値との差分値の平均値を算出し、この差分値の平均値と、各画素の画素データとを加えることによって、各画素毎に、色濃度の補正量の新たな基準値が算出される。この色濃度の補正量の新たな基準値は、同じ色部分空間に属する画素同士の色濃度を等しくするような基準値となっている。
【0020】
そして、各画像毎に、色濃度の補正量の新たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の補正量を算出している。このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0021】
また、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色濃度を揃えるようにして求められた補正量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度の補正を行っているので、例えば、単純にLATD露光方式によって露光補正量を算出する場合に生じていたカラーフェリアの問題を抑制することができる。これは、カラーフェリアが生じている画像における特定の被写体の色が、カラーフェリアが生じていない画像における特定の被写体の色に影響を受けて、より自然な色となるように色濃度が補正されるからである。
【0022】
また、LATD露光方式に限らず、その他の露光アルゴリズムにおいても、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求められた補正量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度を補正することによって、カラーバランスの過度な補正を抑制することができる。
【0023】
本発明に係る色濃度補正方法は、上記の方法において、上記の色空間が、色相および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割されていないことを特徴としている。
【0024】
ここで、色空間が、明度の変化に対しても色部分空間に分割されている場合を考える。この場合には、複数の画素同士で、色相および彩度が近接していても、明度が異なっていれば、異なる物体からなる被写体であると判断することになる。しかしながら、例えば、上記の画像がカメラなどによって撮影された写真画像である場合、複数の画像において、同じ物体からなる被写体が含まれている画像同士でも、周囲の光量の変化などによって撮影条件が変化している。このような撮影条件の変化によって、各画像において露光不足や露光過多が生じている場合が多くあり、同じ物体からなる被写体であっても、画像によって大きく明度が異なっている場合が多い。このような場合、色空間が、明度の変化に対しても色部分空間に分割されていると、同じ物体からなる被写体の画素でも、異なる色部分空間に属してしまう可能性が高くなり、色濃度を揃える効果が小さくなるという問題が生じる。
【0025】
したがって、色空間が、明度の変化に対しては色部分空間に分割されていない方法の方が、明度の変化に対しても色部分空間に分割されている方法よりも、より的確に、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0026】
本発明に係る色濃度補正プログラムを記録した記録媒体は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正プログラムを記録した記録媒体であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなることを特徴としている。
【0027】
上記の記録媒体に記録された色濃度補正プログラムでは、複数の画像から取り出された複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類している。このように、同じグループに分類された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度が補正されることになる。すなわち、上記のような色濃度補正プログラムをコンピュータに実行させることによって求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0028】
本発明に係る画像処理装置は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する処理を行う画像処理装置であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とを行う演算部を備えていることを特徴としている。
【0029】
上記の構成では、演算部において次のような処理が行われる。まず、複数の画像から取り出された複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類している。このように、同じグループに分類された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度が補正されることになる。すなわち、上記のような処理を行う演算部を備えた画像処理装置によって求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0030】
本発明に係る写真焼付装置は、フィルムに記録された画像を感光材料に焼き付ける写真焼付装置であって、上記画像を複数の画素に分割し、各画素における複数の色成分の画素データを測定する画像取込部と、上記画像取込部から送られてきた画素データに基づいて、露光補正値の算出を行う演算部と、上記演算部において算出された露光補正値に応じて、光源のカラーバランスおよび露光量を調整した光を、上記画像が記録されているフィルムを介して感光材料上に照射し、焼き付けを行う露光部とを備えており、上記画像取込部が、上記フィルムに記録されている複数の画像の各画素の画素データを取り出すとともに、上記演算部が、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補正値を算出することを特徴としている。
【0031】
上記の構成において、画像取込部では、フィルムに記録されている画像を複数の画素に分割し、各画素における青色成分、緑色成分、赤色成分の画素データをそれぞれ測定している。この際に、1つの画素の大きさは、画像の色の状態および濃度の分布が把握できる程度でよいので、高解像度の測光装置は必要とせず、装置のコストを低く抑えることができる。また、1つの画素をある程度大きく設定することによって、ノイズなどの影響を抑えた画素データを検出することができる。
【0032】
また、演算部においては、次のような処理が行われる。まず、複数の画像から取り出された複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類している。このように、同じグループに分類された画素は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高いといえる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補正値を算出している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補正値が算出されることになる。
【0033】
そして、このようにして求められた露光補正値に基づいて、露光部によって、光源のカラーバランスおよび露光量が調整され、焼き付けが行われる。これにより、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度となるように焼き付けを行うことが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態に係る写真焼付装置の概略構成を示す説明図である。該写真焼付装置は、ネガフィルムに記録されている画像を、感光材料としての印画紙上に焼き付ける構成となっており、画像取込部1と、演算部2と、露光部3とを備えている。なお、図2において、画像取込部1および露光部3を貫いている矢印は、ネガフィルムの搬送経路を示しているものである。また、ネガフィルムの搬送経路には、図示しないフィルム搬送手段が設けられており、このフィルム搬送手段によって、ネガフィルムは、フィルム挿入口から画像取込部1および露光部3を経由して、フィルム排出口に向けて搬送される。
【0036】
画像取込部1は、ネガフィルムを透過する光を測光することによって、ネガフィルムに記録されている画像を画像データとして取り込むスキャナである。この画像取込部1は、例えば、ネガフィルムに光を照射する光源と、B(青)G(緑)R(赤)の各色フィルタを備えた回転フィルタと、CCD(Charge Coupled Device) カメラ(以下、CCDと称する)とによって構成される。BGRの各色の光が順次CCDに到達するように回転フィルタを回転させ、ネガフィルムを透過した光をBGRごとにCCDにて受光することにより、CCDは受光量に応じた電気信号をBGR画像データとして演算部2へ送る。これにより、ネガフィルムに記録されている画像の各画素の濃度に対応する画像データがBGRごとに得られることになる。なお、CCDを3板式のもので構成した場合は、上記の回転フィルタは不要である。
【0037】
上記のスキャナにおける解像度は、画像の色および濃度の分布が認識可能となる程度の解像度でよく、高解像度の読み取り性能は要求されない。また、逆に、解像度が高すぎると、画像内に生じているノイズの影響が、認識される色および濃度の分布に反映されることになり、適切なカラー補正ができなくなるという問題が生じる。
【0038】
演算部2は、画像取込部1から送られてきたBGR画像データに基づいて、各種演算を行い、露光補正値の情報を露光部3に送出する。この演算部2は、写真焼付装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび/またはDSP(Digital Signal Processor)などによって構成されてもよいし、装置の外部に設けられたPC(Personal Computer) によって構成されてもよい。この演算部2における処理の詳細については後述する。
【0039】
露光部3は、演算部2において算出された露光補正値の情報に基づいて、ネガフィルム上に記録されている画像を透過した光を印画紙上に照射し、焼き付けを行っている。この露光部3は、光源、調光フィルタユニット、フィルム配置手段、および焼付レンズなどによって構成されている。
【0040】
上記光源は、例えばハロゲンランプなどから構成されるランプ部、およびランプ部から出射した光を調光フィルタが配置されている方向に反射させるリフレクタ、ランプ部およびリフレクタを所定位置に支持するとともに、ランプ部に電力を供給するためのソケット部などから構成されている。ランプ部から発せられる光は、青色、緑色、赤色の各色成分の光を全て含んだ光であり、やや赤みがかった白色光となっている。やや赤みがかった白色光であるのは、印画紙において、赤色の発色特性が他の色に比べて弱いことを補うためである。
【0041】
調光フィルタユニットは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のフィルタを備えたものであり、減色方式によって調光を行うものである。これらの各色のフィルタは、それぞれ2枚のフィルタからなり、光源から出射される光の光路に対して、その両側に上記2枚のフィルタがそれぞれ配置された構成となっている。そして、各色のフィルタにおいて、光路を挟んだ2枚のフィルタの間隔を変更することによって、言い換えれば、各色のフィルタを光路中に挿入する量を変化させることによって、該当する色成分の調整を行う。この調光フィルタユニットにおける調光によって、光源から出射した光を、任意のカラーバランスに調整することができる。
【0042】
フィルム配置手段は、露光部3内に搬送されてきたネガフィルムにおける焼き付け対象となる画像を露光位置に移動させるとともに、その画像の周囲を遮光する機能を有するものであり、例えばANM(Auto Nega-Mask)と呼ばれる装置によって構成される。また、焼付レンズは、光源を出射し、ネガフィルムを透過した光を一旦集光し、印画紙上に投影するための光学部材である。
【0043】
次に、上記の演算部2における処理について説明する。演算部2は、似通ったシーンが記録されている複数の画像において、各画像に含まれている、同一の物体となる被写体の色が各画像間でほぼ等しくなるように、各画像毎の露光補正値を算出する処理を行っている。
【0044】
ここで、まず、同一の物体となる被写体を判定する方法について、概略的に説明しておく。図3(a)および(b)は、似通ったシーンが記録されている画像の1例を示しており、同図(a)は、日の丸国旗をフレームいっぱいに撮影した画像、同図(b)は、さらにズーミングして赤丸を大きく撮影した画像をそれぞれ示している。なお、図面では、斜線領域が赤色領域を示している。
【0045】
これらの画像は、絵柄的には大きく異なっているが、印画紙上に焼き付ける際には、白色の領域および赤色の領域をほぼ等しい色濃度で仕上げることが好ましい。このような2つの画像に対して、前記したLATD露光方式によって焼付を行うと、白色の領域と赤色の領域との面積比が、2つの画像の間で大きく異なっているために、白色の領域および赤色の領域の色濃度が異なった状態で焼付が行われてしまうことになる。また、クラスター分析などの自動計算を行ったとしても、上記の2つの画像のように大きく絵柄が異なっていると、同一の被写体であると判定することは困難である。
【0046】
人間が上記のような2つの画像を見た際に、同じ被写体であると判断する際には、被写体の形状から判断する要素も重要ではあるが、被写体の色に基づいて判断する要素の割合が比較的大きいと言える。そこで、以下に示す演算部2の処理においては、被写体の色の情報に基づいて、複数の画像間で同一の物体となる被写体を判定している。
【0047】
次に、演算部2における処理の詳細について説明する。まず、画像取込部1から演算部2に送られてくるデータについて説明する。画像取込部1は、前記したように、解像度は比較的低いものでよく、本実施形態では、1コマ分の画像を384画素からなるBGR画像データとして検出するものとなっている。また、各画素における各色成分の階調は、0〜4095までの12ビットからなるデータとして検出されている。
【0048】
このようなBGR画像データが入力されると、演算部2は、各画素毎に、図4に示すような色円盤座標に変換する。この色円盤座標は、一種の極座標であり、中心から各座標までの距離が彩度を表し、中心から見た際の各座標の方向が色相を表している。図4に示す色円盤座標では、中心をXY直交座標の原点に重ね合わせて考えると、X軸の正の方向がR(赤色)を示しており、X軸の正の方向から原点を中心に反時計回りに120°回転した方向がG(緑色)を示しており、X軸の正の方向から原点を中心に反時計回りに240°回転した方向がB(青色)を示している。なお、彩度は、中心から遠ざかる程大きくなっており、最大値は1としている。
【0049】
また、図4に示すように、色円盤座標は、複数の色領域に分割されている。本実施形態においては、色相に対して12分割、彩度に対して4分割することによって、それぞれの色領域が設定されている。言い換えれば、色円盤座標は、中心角で30°間隔に放射状に分割されているとともに、半径で0.25間隔で同心円状に分割されていることになる。ここで、それぞれの色領域を、色領域[P][Q](P=0,1,2,…,11 Q=0,1,2,3)として定義することにする。なお、Pは、12分割された色相に対応し、Qは、4分割された彩度に対応している。
【0050】
BGR画像データから色円盤座標への変換は次のように行う。ある1つの画素のBGR画像データを(B,G,R)とすると、まず、次に示すようなアフィン変換と呼ばれる式によって、(B,G,R)をXY直交座標(X,Y)に変換する。
X=R−0.5×(G+B) (1)
Y=0.86602×(G−B) (2)
次に、(1)(2)式で求められた(X,Y)を、次に示す式によって、色円盤座標(HUE,SAT)に変換する。
HUE=tan-1(Y/X) (3)
SAT=4×(√(X2 +Y2 ))/ln(4095) (4)
上記において、HUEは、X軸の正の方向から原点を中心に反時計回りに回転する角度を示しており、色相に対応している一方、SATは、原点からの距離を示しており、彩度に対応していることになる。
【0051】
なお、(4)式において、√(X2 +Y2 )をln(4095)(4095の自然対数)で除しているのは、正規化を行うためである。また、実際の画像のデータを入力してみると、(√(X2 +Y2 ))/ln(4095)の値は、だいたい0〜0.25の範囲に分布することが経験的にわかっており、SATの値が0〜1の範囲で満遍なく分布するように、(√(X2 +Y2 ))/ln(4095)に4を乗じている。この際に、SATの値が1を超えてしまう場合には、SAT=1としている。
【0052】
以上のような演算によって、各画素のBGR画像データ(B,G,R)は、色円盤座標(HUE,SAT)に変換され、上記の色領域[P][Q]のいずれかに属することになる。
【0053】
ここで、一例として、ある画素のBGR画像データが(5,6,7)である場合(B=5,G=6,R=7)について、上記の演算を行ってみる。(1)(2)式より、X=7−0.5×(6+5)=1.5、Y=0.86602×(6−5)=0.86602となる。そして、(3)(4)式より、HUE=tan-1(0.86602/1.5)≒60、SAT=4×(√(1.52 +0.866022 ))/ln(4095)≒0.83296が得られる。よって、この画素が属している色領域は、色領域[2][3]となる。
【0054】
このように、各画素のBGR画像データが色円盤座標に変換される際に、色相および彩度が近い画素同士は、同じ色領域に属することになる。図3(a)(b)の例でいえば、2つの画像における白色部分および赤色部分は、撮影条件が変わったとしても、それぞれ同じ色領域に属することになる。そして、本実施形態における演算部2では、同じ色領域に属した画素は、同一の物体を構成する画素であるとみなし、これらの画素が、複数の画像間で同じ色濃度で印画紙上に焼き付けられるような露光条件を以下に示すように求めている。
【0055】
露光条件を求める方法の概要は次のようなものである。まず、各画像における各画素の画素データと、その画素が含まれる画像に対する補正値(露光条件)に基づくデータとの差分を求める。なお、この前提となる露光条件は、従来から行われている露光条件の算出方法でよく、例えば、上記したLATD露光方式による算出方法などで構わない。そして、この差分を全ての画像の全ての画素について求め、上記の色領域のそれぞれにおいて、その平均値を求める。そして、この平均値から、各画像に対する補正値を求めなおすことによって、同じ色領域に属した画素の色濃度が、各画像間でほぼ同じ色濃度で焼き付けられるような露光条件が求められる。
【0056】
次に、上記の露光条件を求める方法の具体例について説明する。まず、それぞれの色領域毎に、各画像における全画素のBGR画像データおよび濃度の平均値と、各画素のBGR画像データおよび濃度との差分値の蓄積を行う。なお、この具体例においては、前提となる露光条件として、LATD露光方式を採用している。LATD露光方式は、画像全体を平均した色が灰色となるように補正を行う方式であり、露光条件としては、画像全体における各画素の画素データの平均値が基準となっている。しかしながら、前提となる露光条件としては、LATD露光方式に限定されるものではなく、その他の露光条件を求める方法を用いても構わない。すなわち、本発明における露光条件の算出方法は、前提となる露光条件がどのような方法によって求められるものであっても、ほぼ同様の方法によって適用することができる。
【0057】
ここで、色領域[P][Q]に属する画素のB成分の差分値の蓄積をB[P][Q]、G成分の差分値の蓄積をG[P][Q]、R成分の差分値の蓄積をR[P][Q]、濃度の差分値の蓄積をD[P][Q]、色領域[P][Q]に属する画素の数をN[P][Q]とおく。
【0058】
例えば、BGR画像データが(b,g,r)であり、属する色領域が[p][q]となる画素が入力されたとする。また、この画素が含まれる画像の全ての画素のBGR画像データの平均値が(bm,gm,rm)であったとする。また、(b,g,r)となる画素の濃度をdとし、平均値(bm,gm,rm)の濃度(平均濃度)をdmとすると、d=(b+g+r)/3、dm=(bm+gm+rm)/3となる。
【0059】
この場合、次のように差分値が蓄積される。
B[p][q]+=bm−b (5)
G[p][q]+=gm−g (6)
R[p][q]+=rm−r (7)
D[p][q]+=dm−d (8)
N[p][q]+=1 (9)
なお、(5)〜(9)式において用いている“+=”という記号は、右辺の値を左辺の変数値に加算するという意味である。以上のような差分値の蓄積を、入力される全ての画像の全ての画素について行う。
【0060】
そして、入力される全ての画像の全ての画素について、上記のような差分値の蓄積が完了した後に、それぞれの色領域における差分値の平均値を次のようにして求める。
ave [P][Q]=B[P][Q]/N[P][Q] (10)
ave [P][Q]=G[P][Q]/N[P][Q] (11)
ave [P][Q]=R[P][Q]/N[P][Q] (12)
ave [P][Q]=D[P][Q]/N[P][Q] (13)
このように(10)〜(13)式によって求められたBave [P][Q]、Gave [P][Q]、Rave [P][Q]、Dave [P][Q]を、各画素のBGRデータおよび濃度に加えることによって、各画素から算出される新たな露光条件が求められる。
【0061】
具体的には、画像s1におけるt1(1≦t1≦N)番目の画素のBGR画像データ、および濃度を(b(s1,t1),g(s1,t1),r(s1,t1),d(s1,t1))とすると、この画素から算出される新たな露光条件(bm(s1,t1),gm(s1,t1),rm(s1,t1),dm(s1,t1))は、次のように求められる。
bm(s1,t1)=b(s1,t1)+Bave [P][Q] (14)
gm(s1,t1)=g(s1,t1)+Gave [P][Q] (15)
rm(s1,t1)=r(s1,t1)+Rave [P][Q] (16)
dm(s1,t1)=d(s1,t1)+Dave [P][Q] (17)
尚、上記の画素のBGR画像データが属する色領域は[P][Q]である。以上の(14)〜(17)式によって、各画素から算出される新たな露光条件に基づいて、各画素毎に露光条件を変えて焼き付けを行ったと仮定すれば、全ての画像において、同じ色領域に含まれる画素は全て完全に同じ色濃度で焼き付けられることになる。
【0062】
例えば、ネガフィルム上の画像をスキャナなどによって取り込むことによってデジタル画像データに変換し、デジタル画像を表示可能な表示装置、例えば液晶表示装置などに画像を表示させ、この表示画像をそのまま印画紙上に照射し、焼き付けを行うような構成であれば、上記のように各画素毎に露光条件を変えて焼き付けを行うことが可能である。この場合、上記のように、同じ色領域に含まれる画素は全て完全に同じ色濃度で焼き付けられることになるので、全ての画像において、同じ物体からなる被写体は、全て同じ色濃度で焼き付けることが可能となる。しかしながら、このような焼き付けを行ってしまうと、焼き付けられる画像における色相および彩度の変化の種類は、上記の色円盤座標における色領域の数以下となってしまい、不自然な画像となってしまうという弊害もある。
【0063】
本実施形態では、上記の露光部3において、ネガフィルムに光を透過させることによって焼き付けを行っているので、上記のように、各画素毎に露光条件を変えて焼き付けを行うことは不可能である。そこで、本実施形態においては、上記の(14)〜(17)式によって、各画素から算出される新たな露光条件を、各画像ごとに平均することによって、その画像に対する露光条件を設定する。具体的には、画像s1に対しては、bm(s1,t),gm(s1,t),rm(s1,t),dm(s1,t)のそれぞれのtの値を1からN(画像s1における画素数)まで変化させた際の総和をNで除することによって、平均露光条件bmave (s1),gmave (s1),rmave (s1),dmave (s1)を求める。
【0064】
そして、このようにして求められた平均露光条件bmave (s1),gmave (s1),rmave (s1),dmave (s1)に基づいて、LATD露光方式を適用して露光補正量を算出し、この結果が演算部2から露光部3に伝達され、露光部3において焼き付けが行われる。このように、平均露光条件を求めて焼き付けを行った場合には、各画像において、同じ色領域に含まれる画素でも、完全に色濃度を統一することはできなくなる。しかしながら、複数の画像の間で、同じ色領域に含まれる画素の色濃度が大きく異なってしまうことはなく、実際にこのような処理を行って焼き付けを行った画像では、各画像間で、同じ物体からなる被写体の色の違いは気にならない程度となることが確認されている。また、各画素同士の間の色相、彩度、および明度の相対的な変化は保存されるので、焼き付けられた画像が不自然になることはない。
【0065】
以上のように、本実施形態においては、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求められた平均露光条件に基づいてLATD露光方式を適用しているので、単純にLATD露光方式によって露光補正量を算出する場合に生じていたカラーフェリアの問題を抑制することができる。これは、次のような理由によるものである。すなわち、LATD露光方式では、前記したように、画像全体を平均した色が灰色となるように補正を行う方式であるので、画像の中に灰色でない特定の色からなる大きな領域が存在している場合には、その色を灰色に近づけるような補正を行ってしまい、これがカラーフェリアの原因となっている。これに対し、上記のように、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求められた平均露光条件に基づいてLATD露光方式を適用すれば、カラーフェリアが生じている画像における特定の被写体の色は、カラーフェリアが生じていない画像における特定の被写体の色に影響を受けて、より自然な色となるように露光補正量が算出されるからである。ただし、複数の画像において、全ての画像に同様な色の偏りがある場合には、上記の方法によっても、カラーフェリアの問題を抑制する効果は少なくなる。
【0066】
また、LATD露光方式に限らず、その他の露光アルゴリズムにおいても、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求められた平均露光条件に基づいて露光補正量を算出することによって、カラーバランスの過度な補正を抑制することができる。
【0067】
上記の構成では、ネガフィルム上に記録されている複数の画像の情報が演算部2に入力され、これらの画像間で同じ物体からなる被写体の色を揃えるように処理が行われている。したがって、演算部2には、同じ物体からなる被写体の色を揃える必要があると思われる複数の画像を全て入力することが好ましい。しかしながら、実際には、ネガフィルムは4ないし6コマ程度の画像毎にカットされている場合があり、この場合には、カットされているフィルム(以降、カットフィルムと称する)内の複数の画像の情報が演算部2に入力され、これらの情報に基づいて露光補正量が算出され、焼き付けが行われることになる。
【0068】
ここで、同じ物体からなる被写体の色を揃える必要があると思われる複数の画像が、複数のカットフィルムにわたって記録されている場合には、次のような処理が行われる。まず、1つ目のカットフィルム内の複数の画像の情報が演算部2に入力され、算出された露光補正量に基づいて焼き付けが行われる。その後、1つ目のカットフィルム内の複数の画像の情報を初期化せずに、2つ目のカットフィルム内の複数の画像の情報を加える形で露光補正量が算出され、焼き付けが行われる。すなわち、2つ目のカットフィルム内の複数の画像を焼き付ける際には、1つ目のカットフィルム内の複数の画像に対しても、同じ物体からなる被写体の色が揃えられることになる。このように、入力した画像の情報を演算部2において蓄積し、蓄積した情報に基づいて露光補正量を算出することによって、複数のカットフィルムにわたって記録されている複数の画像における、同じ物体からなる被写体の色を揃えることが可能となる。
【0069】
なお、上記で示した、例えば液晶表示装置などのデジタル画像を表示可能な表示装置によって焼き付けを行う構成の場合、上記では、各画素毎に露光条件を変えて焼き付けを行う方法を示したが、上記のネガフィルムに光を照射することによって焼き付けを行う構成と同様の方法によって焼き付けを行ってもよい。すなわち、各画像毎に平均露光条件を求めて露光補正量を算出し、この露光補正量に基づいて、各画像における全ての画素に対して同等の露光補正を行い、焼き付けを行ってもよい。言い換えれば、求められた平均露光条件に基づいて、各画像毎に表示装置のカラーバランスおよび濃度バランスを調整して、焼き付けを行ってもよい。
【0070】
ここで、上記した色円盤座標における色領域の分割について説明する。図4に示す色円盤座標においては、色相に対して12分割、彩度に対して4分割することによって、計48の色領域に分割されている。ここで、分割の数を多くする、言い換えれば、それぞれの色領域の面積をより小さくして設定した場合、同じ物体からなる被写体の画素同士が、それぞれ異なる色領域に属してしまう可能性が高くなる。すなわち、同じ物体からなる被写体の色を揃える効果が小さくなってしまうことになる。また、逆に、分割の数を少なくする、言い換えれば、それぞれの色領域の面積をより大きくして設定した場合、異なる物体からなる被写体の画素同士が、同じ色領域に属してしまい、不必要に色が揃えられてしまうことになる。このように、色円盤座標における色領域の分割の数は、多すぎても少なすぎても悪い影響がでてくるので、適度な数にする必要がある。
【0071】
また、上記の構成では、色相および彩度の2次元からなる色円盤座標上に色領域を設定し、この色領域内で色を揃える方法をとっているが、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を想定し、この色空間を複数の色部分空間に分割する方法も考えられる。この場合には、複数の画素同士で、色相および彩度が近接していても、明度が異なっていれば、異なる物体からなる被写体であると判断することになる。
【0072】
しかしながら、明度を加えた3次元によって色部分空間として分割する場合には、次のような問題が生じる。ネガフィルム上に記録されている複数の画像において、同じ物体からなる被写体が含まれている画像同士でも、周囲の光量の変化などによって撮影条件が変化している。このような撮影条件の変化によって、各画像において露光不足や露光過多が生じている場合が多くあり、同じ物体からなる被写体であっても、画像によって大きく明度が異なっている場合が多い。このような場合、明度を加えた3次元によって色部分空間として分割していると、同じ物体からなる被写体の画素でも、異なる色部分空間に属してしまい、色を揃える効果が小さくなってしまう。
【0073】
また、明度を加えた3次元によって色部分空間として分割するということは、結果的に分割の数を多くすることに等しく、上記で示したように、同じ物体からなる被写体の画素同士が、それぞれ異なる色領域に属してしまう可能性が高くなる。すなわち、同じ物体からなる被写体の色を揃える効果が小さくなってしまうことになる。
【0074】
以上のような理由により、色相および彩度の2次元からなる色円盤座標上に色領域を設定し、この色領域内で色を揃える方法の方が、明度を加えた3次元によって色部分空間として分割する方法よりも好ましいと言える。また、実際に、両者の方法によって画像の焼き付けを行ってみると、色円盤座標を用いる方法の方が、色を揃える効果としては良好であることが確認された。
【0075】
なお、色相および彩度の2次元からなる色円盤座標を、複数の色領域に分割するということは、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間が、色相および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割されていない、ということと同意義であることになる。
【0076】
次に、本実施形態に係る写真焼付装置による焼付動作の流れについて、図1に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、画像取込部1によってネガフィルム上に記録されている複数の画像が、BGR画像データとして取り込まれる(ステップ1(以降、S1と称する))。そして、画像取込部1において取り込まれた複数の画像における各画素のBGR画像データが、演算部2に入力される(S2)。
【0077】
次に、演算部2において、各画像毎に、LATD露光方式に基づいて、露光条件が求められる(S3)。なお、上記したように、この露光条件の算出は、どのような露光アルゴリズムを用いても構わない。
【0078】
そして、入力された複数の画像における各画素のBGR画像データが、色円盤座標に変換され(S4)、各画素毎に、色円盤座標上のどの色領域に属するかが判定される(S5)。そして、各画素の画素データと、その画素が含まれる画像に対する露光条件に基づくデータとの差分が算出され、色領域毎にその差分値が加算される(S6)。このような演算が全ての画像の全ての画素について行われたかが判断され(S7)、全ての画素について行われていない場合(S7においてNO)には、S4からの演算が繰り返される。
【0079】
上記の演算が全ての画像の全ての画素について行われたら(S7においてYES)、色領域毎に差分値の平均値が求められる(S8)。そして、この差分値の平均値に基づいて、各画素毎に新たな露光条件を求める(S9)。そして、各画像毎に、S9において求められた新たな露光条件の平均値(平均露光条件)を求める(S10)。この平均露光条件に基づいて、S3において用いたLATD露光方式によって露光補正値が算出され(S11)、これに基づいて、露光部3において焼き付け動作が行われる(S12)。
【0080】
なお、本実施形態においては、写真処理装置において、ネガフィルム上に記録されている複数の画像に対し、同じ物体からなる被写体の色が複数の画像間で揃うように焼き付けを行う構成について説明したが、本発明の技術思想は、このような構成に限定して適用されるものではない。すなわち、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体の色を揃えることによって効果を奏する装置であればどのような装置にも適用することができる。例えば、本実施形態においては、印画紙に画像を焼き付ける構成であったが、インクジェット方式やレーザー方式などのプリンタにおいて、カラーバランスや濃度バランスを調整することによって、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体の色を揃えることも可能である。また、単に表示装置などに複数の画像を表示させる構成においても、同様の効果を奏することができる。
【0081】
また、静止画像に限定されるものではなく、動画像にも適用することは可能である。例えば、ある程度似通ったシーンが連続している動画像のデータを予め蓄積しておき、各コマ毎に、同じ物体からなる被写体の色を揃えるようなカラーバランスや濃度バランスの設定情報を算出しておく。そして、この動画像を再生する際に、上記の設定情報を反映した状態で表示を行えば、同じ物体からなる被写体の色が変化しない動画像を表示することができる。
【0082】
なお、以上説明した演算部2は、露光補正値を算出する処理を機能させるためのプログラムで実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、マイクロコンピュータなどによって処理が行われるために必要なメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0083】
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0084】
ここで上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0085】
また、本発明においてはインターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成とすることにより、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。尚、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、上記の複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類するステップと、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステップとを有している方法である。
【0087】
これにより、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を同じグループに分類することができる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。したがって、このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0088】
発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割するステップと、上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステップとを有している方法である。
【0089】
これにより、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を、同じ色部分空間に配分することができる。そして、同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。したがって、このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0090】
発明に係る色濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、上記の画素データに基づいて、各画像における色濃度の補正量を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出するステップと、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割するステップと、上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の色濃度補正アルゴリズムによって算出された色濃度の補正量の基準値との差分値の平均値を算出するステップと、各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる補正量の新たな基準値を算出するステップと、各画像毎に、上記の補正量の新たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の補正量を算出するステップとを有している方法である。
【0091】
これにより、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を、同じ色部分空間に配分することができる。また、複数の画像から取り出された複数の画素の画素データに基づいて、各画像における色濃度の補正量の基準値を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出している。そして、同じ色部分空間に属する画素同士の色濃度を等しくするような色濃度の補正量の新たな基準値を、各画素毎に算出するとともに、各画像毎に、色濃度の補正量の新たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の補正量を算出している。したがって、このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0092】
また、複数の画像において、同じ物体からなる被写体の色濃度を揃えるようにして求められた補正量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度の補正を行っているので、例えば、単純にLATD露光方式によって露光補正量を算出する場合に生じていたカラーフェリアの問題を抑制することができるという効果を奏する。
【0093】
発明に係る色濃度補正方法は、上記の色空間が、色相および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割されていない方法である。
【0094】
これにより、上記の方法による効果に加えて、明度の変化に対しても色部分空間に分割されている方法よりも、より的確に、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0095】
発明に係る色濃度補正プログラムを記録した記録媒体は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度補正プログラムを記録した記録媒体であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなる構成である。
【0096】
この記録媒体に記録されたプログラムによれば、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を同じグループに分類することができる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。したがって、このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0097】
発明に係る画像処理装置は、複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正する処理を行う画像処理装置であって、複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とを行う演算部を備えている構成である。
【0098】
この演算部における処理によれば、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を同じグループに分類することができる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正している。したがって、このようにして求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0099】
本発明に係る写真焼付装置は、フィルムに記録された画像を感光材料に焼き付ける写真焼付装置であって、上記画像を複数の画素に分割し、各画素における複数の色成分の画素データを測定する画像取込部と、上記画像取込部から送られてきた画素データに基づいて、露光補正値の算出を行う演算部と、上記演算部において算出された露光補正値に応じて、光源のカラーバランスおよび露光量を調整した光を、上記画像が記録されているフィルムを介して感光材料上に照射し、焼き付けを行う露光部とを備えており、上記画像取込部が、上記フィルムに記録されている複数の画像の各画素の画素データを取り出すとともに、上記演算部が、上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補正値を算出する構成である。
【0100】
このように、画像取込部において、1つの画素の大きさは、画像の色の状態および濃度の分布が把握できる程度でよいので、高解像度の測光装置は必要とせず、装置のコストを低く抑えることができるという効果を奏する。また、1つの画素をある程度大きく設定することによって、ノイズなどの影響を抑えた画素データを検出することができるという効果を奏する。
【0101】
また、演算部においては、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を同じグループに分類することができる。そして、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、露光補正量を算出している。
【0102】
そして、このようにして求められた露光補正値に基づいて、露光部によって、光源のカラーバランスおよび露光量が調整され、焼き付けが行われるので、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度となるように焼き付けを行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真焼付装置における焼き付け処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記写真焼付装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】同図(a)は、日の丸国旗をフレームいっぱいに撮影した画像、同図(b)は、さらにズーミングして赤丸を大きく撮影した画像をそれぞれ示す説明図である。
【図4】上記写真焼付装置が備える演算部が行う処理において用いられる色円盤座標を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像取込部
2 演算部
3 露光部

Claims (5)

  1. 複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の露光補正量を算出する色濃度補正方法であって、
    複数の画像における各画素の画素データを取り出すステップと、
    上記の画素データに基づいて、各画像毎に露光条件を算出するステップと、
    色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割するステップと、
    上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、
    各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の露光条件との差分値の平均値を算出するステップと、
    各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる新たな露光条件を算出するステップと、
    各画像毎に、上記の新たな露光条件の平均値を算出し、各画像における平均露光条件を算出するステップと、
    上記の平均露光条件に基づいて、各画像における上記の露光補正量を算出するステップと、を有していることを特徴とする色濃度補正方法。
  2. 上記の色空間が、色相および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割されていないことを特徴とする請求項1記載の色濃度補正方法。
  3. 複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の露光補正量を算出する色濃度補正プログラムを記録した記録媒体であって、
    複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、
    上記の画素データに基づいて、各画像毎に露光条件を算出する処理と、
    色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割する処理と、
    上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分する処理と、
    各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の露光条件との差分値の平均値を算出する処理と、
    各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる新たな露光条件を算出する処理と、
    各画像毎に、上記の新たな露光条件の平均値を算出し、各画像における平均露光条件を算出する処理と、
    上記の平均露光条件に基づいて、各画像における上記の露光補正量を算出する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録してなることを特徴とする色濃度補正プログラムを記録した記録媒体。
  4. 複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有している画像の露光補正量を算出する処理を行う画像処理装置であって、
    複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理と、
    上記の画素データに基づいて、各画像毎に露光条件を算出する処理と、
    色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割する処理と、
    上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分する処理と、
    各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の露光条件との差分値の平均値を算出する処理と、
    各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる新たな露光条件を算出する処理と、
    各画像毎に、上記の新たな露光条件の平均値を算出し、各画像における平均露光条件を算出する処理と、
    上記の平均露光条件に基づいて、各画像における上記の露光補正量を算出する処理と、を行う演算部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  5. フィルムに記録された画像を感光材料に焼き付ける写真焼付装置であって、
    上記画像を複数の画素に分割し、各画素における複数の色成分の画素データを測定する画像取込部と、
    上記画像取込部から送られてきた画素データに基づいて、露光補正量の算出を行う演算部と、
    上記演算部において算出された露光補正量に応じて、光源のカラーバランスおよび露光量を調整した光を、上記画像が記録されているフィルムを介して感光材料上に照射し、焼き付けを行う露光部とを備えており、
    上記画像取込部が、上記フィルムに記録されている複数の画像の各画素の画素データを取り出すとともに、上記演算部が、
    上記の画素データに基づいて、各画像毎に露光条件を算出する処理と、
    色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分割する処理と、
    上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分する処理と、
    各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の露光条件との差分値の平均値を算出する処理と、
    各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加えることによって得られる新たな露光条件を算出する処理と、
    各画像毎に、上記の新たな露光条件の平均値を算出し、各画像における平均露光条件を算出する処理と、
    上記の平均露光条件に基づいて、各画像における上記の露光補正量を算出する処理と、を行うことを特徴とする写真焼付装置。
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