JP3819194B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムの画像を光電的に読み取って、得られた画像データに所定の画像処理を施して出力用の画像データとする画像処理装置に係り、特にレンズ付きフィルムやコンパクトカメラ等で撮影された画像で発生する1駒(フレーム)の画像内の濃度ムラ、例えば撮影時のシャッタ速度に起因するシャッタムラや撮影レンズに起因する画像周辺における光量低下や絞り量による周辺光量低下の変動等を補正する機能を備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネガフィルム,リバーサルフィルム等の写真フィルム(以下、フィルムという)に撮影された画像の感光材料(印画紙)への焼き付けは、フィルムの画像を感光材料に投影して感光材料を面露光する、いわゆる直接露光(アナログ露光)が主流であった。
【0003】
これに対し、近年では、デジタル露光を利用する焼付装置、すなわち、フィルムに記録された画像を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像データとし、この画像データに応じて変調した記録光によって感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、(仕上り)プリントとするデジタルフォトプリンタが実用化された。
【0004】
デジタルフォトプリンタでは、画像をデジタルの画像データとして、画像データ処理によって焼付時の露光条件を決定することができるので、逆光やストロボ撮影等に起因する画像の飛びやツブレの補正、シャープネス(鮮鋭化)処理、カラーあるいは濃度フェリアの補正等を好適に行って、従来の直接露光では得られなかった高品位なプリントを得ることができる。また、複数画像の合成や画像分割、さらには文字の合成等も画像データ処理によって行うことができ、用途に応じて自由に編集/処理したプリントも出力可能である。
しかも、デジタルフォトプリンタによれば、画像をプリントして出力するのみならず、画像データをコンピュータ等に供給したり、フロッピーディスク等の記録媒体に保存しておくこともできるので、画像データを写真以外の様々な用途に利用することができる。
【0005】
このようなデジタルフォトプリンタは、基本的に、フィルムに記録された画像を光電的に読み取るスキャナ(画像読取装置)、および読み取った画像を画像処理して出力用の画像データ(露光条件)とする画像処理装置を有する画像入力装置と、画像入力装置から出力された画像データに応じて感光材料を走査露光して潜像を記録するプリンタ(画像記録装置)および露光済みの感光材料に現像処理を施してプリントとするプロセサ(現像装置)を有する画像出力装置とから構成される。
【0006】
スキャナでは、光源から射出された読み取り光をフィルムに入射させて、フィルムに撮影された画像を担持する投影光を得、この投影光を結像レンズによってCCDセンサ等のイメージセンサに結像して光電変換することにより画像を読み取り、必要に応じて各種の処理を施した後に、フィルムの画像データ(画像データ信号)として画像処理装置に送る。
画像処理装置は、スキャナによって読み取られた画像データから画像処理条件を設定して、設定した条件に応じた画像処理を画像データに施し、画像記録のための出力画像データ(露光条件)としてプリンタに送る。
【0007】
プリンタでは、例えば、光ビーム走査露光を利用する装置であれば、画像処理装置から送られた画像データに応じて光ビームを変調し、この光ビームを主走査方向に偏向すると共に、主走査方向と直交する副走査方向に感光材料を搬送することにより、画像を担持する光ビームによって感光材料を露光(焼付け)して潜像を形成し、次いで、プロセサにおいて感光材料に応じた現像処理等を施して、フィルムに撮影された画像が再生されたプリント(写真)とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
高品位なプリントを得るためには、撮影されたシーンの画像(画像の情報)ができるだけ多く忠実にフィルムに記録されているのが好ましい。
しかしながら、一般に、レンズの性能があまり高くない場合には、画像の中心に比較して周辺の光量が低下して、画像内に濃度ムラが発生するという問題がある。特に、レンズと写真フィルムとが一体化された、いわゆるレンズ付きフィルムでは、コストの制約が厳しく、レンズの性能をあまり高くできないため、この周辺光量低下が著しい。また、コンパクトカメラもコストの制約から、レンズ性能に制約があり、周辺光量低下を避けることができない。その結果、仕上がりプリントにおいて、画像の周辺が暗くなってしまい、画像内に濃度ムラが見え、画質を劣化させてしまうという問題がある。この濃度ムラには、レンズの性能そのものに起因する周辺光量低下と、カメラ機種(すなわち、シャッタ種を表す)およびシャッタ速度に関係する濃度ムラや、絞り値に関係するレンズ起因の周辺光量低下の変動が含まれる。例えば、カメラ機種のシャッタ形式としては、レンズ付きフィルムでは振り子式シャッタ、コンパクトカメラではレンズシャッタ、1眼レフカメラではフォーカルプレーンシャッタなどがある。
【0009】
ところが、上述の濃度ムラという問題のうち、レンズの性能そのものに起因する周辺光量低下に関しては、従来より多くの画質劣化補正方法が提案されているが、カメラ機種やシャッタ種およびシャッタ速度に関係する濃度ムラ、絞り値に関係する周辺光量低下の変動に関しては、未だに、有効な画質劣化補正方法が知られていなかった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来から補正が行われていたレンズの性能そのものに関係する周辺光量低下以外の、シャッタ種およびシャッタ速度に関係する画像の濃度ムラや絞り値に関係する画像の周辺光量低下の変動をも補正することにより、濃度ムラのない、また、画像の周辺が暗くなることのない、高画質な画像を安定して得ることのできる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、
本発明者は、仕上がりプリントの画質劣化について鋭意研究した結果、撮影レンズの性能そのものに関係する周辺光量低下を補正するには、本発明者が特願平10−77046号に提案した画像処理装置による画質劣化補正が極めて有効であるが、この画像処理装置によっても除くことができない、フレーム内の画像の濃度ムラがあり、この濃度ムラが、シャッタ種およびシャッタ速度に関係する濃度ムラ、すなわちシャッタムラやレンズ起因の周辺光量低下の絞り値による変動にあることを知見し、さらにこれらの濃度ムラは、以下のようにして生じるものと考えられることを知見した。
【0012】
ここで、図10は、最もシンプルな振り子式シャッタの動作説明図であり、図11(a)および(b)は、それぞれこれに対応するフィルム画像上での露光量の変化を説明する図である。なお、図10中で、1は光路(レンズ)、2aはシャッタが光路を閉塞している状態、2bはシャッタが光路を開放している状態を示している。すなわち、シャッタは、図10中の2aと2bとの間を往復動することにより、光路1を介してフィルム上への所定の画像露光を行う。また、図11(a)はフィルム画像上でのエリア分割を示す図、図11(b)は各分割エリアにおける露光量の変化を、異なるシャッタ速度(斜線を施した部分のほうが、低速のシャッタである)について示す図である。両図から明らかなように、このような動作方式のシャッタでは、フィルム画像内で露光量のムラが発生し、これにより、画像の濃度ムラが発生する。
【0013】
同様の現象は、撮影時のカメラの絞り値によっても観察される。すなわち、図12に示すように、絞り値が大きい場合(破線で示されている)、つまりレンズの中心部のみを用いる場合には、周辺部での光量低下が大きくなる方向であり、これも、画像の濃度ムラを発生させる原因となる。
ここで、シャッタ速度や絞り値に起因する濃度ムラの大きさは、先に説明したレンズ特性そのものに起因する周辺光量低下による濃度ムラの大きさの数分の一〜十分の一程度ではあるが、高画質な画像を安定して得るためには、これらについても適切な補正を行うことが重要であり、これらの補正を本発明者が特願平10−77046号に提案した画像処理装置による周辺光量補正と同様に行うことができることをことを知見し、本発明に至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、写真フィルムの画像を光電的に読み取って得られた入力画像データに所定の画像処理を施し、出力画像データとする画像処理装置であって、前記写真フィルムの画像を撮影したカメラのシャッタ種を含む判別情報を取得する判別情報取得手段と、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報に対応する濃度ムラ特性を取得する濃度ムラ特性取得手段と、取得された濃度ムラ特性に従って前記入力画像データの補正を行う画像データ補正手段とを備えることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
【0015】
ここで、前記画像データ補正手段は、前記画像の各画素のフィルム濃度に対応して前記濃度ムラ補正の補正強度を変化させることが好ましい。
さらに、前記画像データ補正手段は、写真フィルムの最小濃度付近、あるいは写真フィルムの最大濃度付近では前記補正強度を弱く、最小濃度または最大濃度から離れるほど補正強度を強くすることが好ましい。
また、前記画像データ補正手段は、前記画像について、最小濃度あるいは最大濃度付近では前記濃度ムラ補正をあまり行わず、最小濃度あるいは最大濃度から離れた濃度領域では前記濃度ムラ補正を強く行い、その中間濃度領域ではその中間的な濃度ムラ補正を行うことが好ましい。
前記判別情報は、さらに、シャッタ速度を含むことが好ましく、また、絞り値を含むことも好ましい。
また、前記画像データ補正手段は、前記濃度ムラ特性取得手段により取得された濃度ムラ特性に従って補正すべき補正値を算出し、算出した補正値に基づいて、前記入力画像データの補正を行うことが好ましい。
また、前記濃度ムラ特性は、前記判別情報に応じて予めモデリングされた濃度ムラデータであるのが好ましい。
また、前記濃度ムラ特性取得手段は、予め、前記判別情報毎に、前記判別情報に応じた前記濃度ムラ特性を記憶しておく第1の記憶手段を備え、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報に基づいて、前記判別情報に対応する前記濃度ムラ特性を前記第1の記憶手段から読み出すものであるのが好ましい。
【0016】
前記判別情報は、シャッタ速度を含み、前記第1の記憶手段は、前記カメラ機種毎に基準のシャッタ速度における基準の濃度ムラ特性を記憶するものであり、前記濃度ムラ特性取得手段は、取得された前記判別情報の前記シャッタ速度が前記第1の記憶手段から読み出した前記基準のシャッタ速度と異なる場合に、前記基準の濃度ムラ特性から当該シャッタ速度に対応する濃度ムラ特性を算出する手段を備えるが好ましい。
また、前記基準の濃度ムラ特性は、前記写真フィルムの画像を読み取る画像読取装置毎に補正された基準濃度ムラデータであるのが好ましい。
【0017】
また、前記画像データ補正手段は、前記濃度ムラ特性取得手段によって取得された前記濃度ムラ特性を前記画像の位置に応じた第1の減光量に展開する第1減光量展開手段と、この第1の減光量を用いて、前記入力画像データに、前記画像の濃度ムラの補正を行う第1濃度ムラ補正手段とを備えるのが好ましい。
また、前記第1減光量展開手段は、前記濃度ムラ特性による、前記画像の画像中心からの距離に応じた減光量を算出する手段であるのが好ましい。
また、前記第1濃度ムラ補正手段は、前記画像の画像中心からの距離に応じて、前記画像内の濃度ムラの補正を行うのが好ましい。
【0018】
らに、前記写真フィルムの情報を取得する手段と、この写真フィルムの情報から得られる写真フィルムの特性を用いて、写真フィルム濃度と撮影光量とを相互に変換する手段とを備え、前記画像データ補正手段は、前記撮影光量の領域において前記濃度ムラ補正を行うことが好ましい。
【0019】
また、前記画像データ補正手段は、前記出力画像データを作成するための画像読み取りに先立って行われる、前記画像を低解像度で読み取るプレスキャン時には、オートセットアップ処理を含む画像解析処理の前に行うか、または前記画像解析処理のうちカラーバランスの調整のみを行った後に、前記濃度ムラ補正を行うようにするのが好ましい。
【0020】
さらに、前記写真フィルムの画像を撮影したカメラの撮影レンズの特性を取得する撮影レンズ特性取得手段とを備え、前記画像データ補正手段は、さらに、前記撮影レンズ特性取得手段によって取得された撮影レンズの特性を前記画像の位置に応じた第2の減光量に展開する手段と、前記第2の減光量を用いて、前記入力画像データに、前記画像のフレーム内の周辺光量低下による濃度ムラの補正を行う第2の濃度ムラ補正手段を有することが好ましい。
【0021】
ここで、前記第2の減光量展開手段は、前記濃度ムラ特性による、前記画像の画像中心からの距離に応じた減光量を算出する手段であるのが好ましい。
また、前記撮影レンズ特性取得手段は、
前記撮影レンズの情報を取得する手段と、
予め作成された前記撮影レンズの情報毎に、前記撮影レンズの特性を記憶しておく第2の記憶手段とを備え、
前記撮影レンズ情報取得手段によって得られた撮影レンズの情報に応じた前記撮影レンズの特性を前記第2の記憶手段から読み出すのが好ましい。
また、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段は、1つの記憶装置で構成され、
前記第1の濃度ムラ補正手段と前記第2の濃度ムラ補正手段は、1つの手段で構成され、前記第1および第2の減光量を加算して用いて、前記入力画像データに、前記画像内の濃度ムラの補正を行うのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る画像処理装置を添付の図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施例を含むデジタルフォトプリンタの一実施例を示すブロック図である。
図1に示されるデジタルフォトプリンタ(以下、単にフォトプリンタという)10は、基本的に、写真フィルム(以下、単にフィルムという)Fに撮影された画像を光電的に読み取る画像読取装置(以下、スキャナという)12と、読み取られた画像データ(画像情報)の画像処理やフォトプリンタ10全体の操作および制御等を行う画像処理装置14と、該画像処理装置14から出力された画像データに応じて変調した光ビームで感光材料(印画紙)を画像露光し、現像処理して(仕上り)プリントとして出力するプリンタ16とから構成される。以下の説明では、写真フィルムFとしてネガフィルムを代表例とするが、本発明はこれに限定されず、リバーサルフィルムなどのポジフィルムであてっもよいのは、もちろんである。
また、画像処理装置14には、様々な条件の入力(設定),処理の選択や指示,色/濃度補正などの指示等を入力するためのキーボード18aおよびマウス18bを有する操作系18と、スキャナ12で読み取られた画像,各種の操作指示,条件の設定/登録画面等を表示するディスプレイ20が接続される。
【0024】
スキャナ12は、フィルムF等に撮影された画像を1コマずつ光電的に読み取る装置で、光源22と、可変絞り24と、フィルムFに入射する読み取り光をフィルムFの面方向で均一化する拡散ボックス28と、結像レンズユニット32と、R(赤),G(緑)およびB(青)の各画像読み取りに対応するラインCCDセンサを有するイメージセンサ34と、アンプ(増幅器)36と、A/D(アナログ/デジタル)変換器38とから構成される。
【0025】
また、フォトプリンタ10においては、新写真システム(Advanced Photo
System )や135サイズのネガ(あるいはリバーサル)フィルム等のフィルムの種類やサイズ,ストリップスやスライド等のフィルムの形態等に応じて、スキャナ12の本体に装着自在な専用のキャリア30が用意されており、キャリア30を交換することにより、各種のフィルムや処理に対応することができる。フィルムに撮影され、プリント作成に供される画像(コマ)は、このキャリア30によって所定の読み取り位置に搬送される。
このようなスキャナ12において、フィルムFに撮影された画像を読み取る際には、光源22から射出され、可変絞り24によって光量調整された読み取り光を、キャリア30によって所定の読み取り位置にセットされたフィルムFに入射させ、透過させることにより、フィルムFに撮影された画像を担持する投影光を得る。
【0026】
キャリア30は、新写真システムのフィルムF(カートリッジ)に対応するもので、図2に模式的に示されるように、所定の読み取り位置にフィルムFをセットさせ、イメージセンサ34のラインCCDセンサ(図3参照)の延在方向(主走査方向)と直交する副走査方向(図に矢印で示す方向)に、フィルムFの長手方向を一致して搬送する、読み取り位置を副走査方向に挟んで配置される搬送ローラ対30aおよび30bと、フィルムFの投影光を所定のスリット状に規制する、読み取り位置に対応して位置する主走査方向に延在するスリット40aを有するマスク40とを有する。
フィルムFは、このキャリア30によって読み取り位置に位置されて副走査方向に搬送されつつ、読み取り光を入射される。これにより、結果的にフィルムFが主走査方向に延在するスリット40aによって2次元的にスリット走査され、フィルムFに撮影された各コマの画像が読み取られる。
【0027】
周知のように、新写真システムのフィルムには、磁気記録媒体が形成され、各種の情報が、予め磁気記録媒体に記録されており、さらに、カメラ,現像装置,キャリア30によって、磁気記録媒体に各種の情報が書き込まれ、また、必要に応じて読み出される。
より詳しくは、図4に概念的に示されるように、新写真システムのフィルムFには、カートリッジからの引き出し方向(図中、矢印A方向)の先頭コマG1より先端側の所定領域、各コマGに対応する領域、および図示しない後端コマより後端側の所定領域の、幅方向(主走査方向)の両端部近傍に、長手方向(副走査方向)に延在する透明な磁気記録媒体S(S1,S2)が形成されている。
【0028】
フィルムFの先(後)端部分の磁気記録媒体S1には、カートリッジID,フィルム種,感度,現像日等のフィルムF全体に係る情報が磁気記録され、各コマ領域の磁気記録媒体S2には、撮影日時,撮影時のシャッタ速度や絞り値などの撮影データ、撮影時のストロボ発光の有無,タイトル等の各コマ毎の情報が記録される。また、基本的に、磁気記録媒体Sの幅方向の一方側には、カメラ機種やシャッタ種、撮影レンズの情報等を含むカメラ関係の情報が、他方にはラボ関係の情報が、それぞれ記録される。
なお、図中の符号46は、フィルムFを収納するカートリッジ本体で、符号Pは、フィルムFを搬送(送り出し、巻き戻し)するためのパーフォレーションホールである。
【0029】
新写真システムのフィルムFに対応するキャリア30には、この両磁気記録媒体Sに対応して、磁気記録媒体Sに記録された情報を読み取り、また、必要な情報を記録する磁気ヘッド42,42が配置される。
また、磁気ヘッド42とマスク40との間には、フィルムに光学的に記録されるDXコード,拡張DXコード,FNSコード等のバーコードを光学的に読み取るためのコードリーダ44が配置される。なお、このようなフィルムに記録されたバーコードの読み取り手段は、新写真システムのキャリア30に限らず、通常の(フィルム)キャリアであれば配置されている。
磁気ヘッド42やコードリーダ44(カメラ機種やシャッタ種、撮影時のシャッタ速度や絞り値などの撮影データ、撮影レンズ等の情報を取得する手段、フィルムの情報を取得する手段)によって読み取られた各種の情報は、必要に応じて画像処理装置14等の所定部位に送られる。
【0030】
前述のように、読み取り光はキャリア30に保持されたフィルムFを透過して画像を担持する投影光となり、この投影光は、結像レンズユニット32によってイメージセンサ34の受光面に結像される。
図3に示されるように、イメージセンサ34は、R画像の読み取りを行うラインCCDセンサ34R,G画像の読み取りを行うラインCCDセンサ34GおよびB画像の読み取りを行うラインCCDセンサ34Bを有する、いわゆる3ラインのカラーCCDセンサで、各ラインCCDセンサは、前述のように主走査方向に延在している。フィルムFの投影光は、このイメージセンサ34によってR,GおよびBの3原色に分解されて光電的に読み取られる。
イメージセンサ34の出力信号は、アンプ36で増幅され、A/D変換器38でデジタル信号とされて、画像処理装置14に送られる。
【0031】
スキャナ12においては、フィルムFに撮影された画像の読み取りを、低解像度で読み取るプレスキャンと、出力画像の画像データを得るための本スキャンとの、2回の画像読み取りで行う。
プレスキャンは、スキャナ12が対象とする全てのフィルムの画像を、イメージセンサ34が飽和することなく読み取れるように、予め設定された、プレスキャンの読み取り条件で行われる。一方、本スキャンは、プレスキャンデータから、その画像(コマ)の最低濃度よりも若干低い濃度でイメージセンサ34が飽和するように、各コマ毎に設定された本スキャンの読み取り条件で行われる。
プレスキャンと本スキャンの出力信号とは、解像度と出力レベルが異なる以外は、基本的に同じデータである。
【0032】
なお、本発明の画像入力装置を構成するスキャナ12は、このようなスリット走査によるものに限定はされず、1コマの画像の全面を一度に読み取る、面露光によるものであってもよい。
この場合には、例えばエリアCCDセンサを用い、光源とフィルムFとの間にR,GおよびBの各色フィルタの挿入手段を設け、色フィルタを挿入してエリアCCDセンサで画像を読み取ることを、R,GおよびBの各色フィルタで順次行うことで、フィルムFに撮影された画像を3原色に分解して読み取る。
【0033】
前述のように、スキャナ12から出力されたデジタル信号は、画像処理装置14(以下、単に、処理装置14という)に出力される。
図5は、処理装置14の内部構成を示すブロック図である。処理装置14は、データ処理部48,Log変換器50,プレスキャン(フレーム)メモリ52,本スキャン(フレーム)メモリ54,プレスキャン処理部56,本スキャン処理部58,条件設定部60,フィルム特性記憶部61、および、レンズ特性および撮影データ供給部63から構成される。
なお、図5は、主に画像処理に関連する部位を示すものであり、処理装置14には、これ以外にも、処理装置14を含むフォトプリンタ10全体の制御や管理を行うCPU、フォトプリンタ10の作動等に必要な情報を記憶するメモリ等が配置されており、また、操作系18やディスプレイ20は、このCPU等(CPUバス)を介して各部位に接続される。
【0034】
スキャナ12から出力されたR,GおよびBの各デジタル信号は、データ処理部48において、暗時補正、欠陥画素補正、シェーディング補正等の所定のデータ処理を施された後、Log変換器50によって変換されて、デジタルの画像データ(濃度データ)とされ、プレスキャンデータはプレスキャンメモリ52に、本スキャンデータは本スキャンメモリ54に、それぞれ記憶(格納)される。
プレスキャンメモリ52に記憶されたプレスキャンデータは、画像データ処理部(以下、単に、処理部という)62と画像データ変換部64とを有するプレスキャン処理部56に、他方、本スキャンメモリ54に記憶された本スキャンデータは、画像データ処理部(以下、単に、処理部という)66と画像データ変換部68とを有する本スキャン処理部58に読み出される。
【0035】
プレスキャン処理部56の処理部62と、本スキャン処理部58の処理部66は、後述する条件設定部60が設定した処理条件に応じて、スキャナ12によって読み取られた画像(画像データ)に、画像を撮影したカメラ種やシャッタ種、撮影の際のシャッタ速度および絞り値(撮影データ)の少なくとも一つに応じた補正、画像を撮影したカメラのレンズ特性およびフィルム特性に応じた補正、および、他の所定の画像処理を施す部分である。
【0036】
上述の処理部62および処理部66における所定の画像処理としては、カラーバランス調整,コントラスト補正(階調処理),明るさ補正,覆い焼き処理(濃度ダイナミックレンジの圧縮/伸長),彩度補正,シャープネス(鮮鋭化)処理等が例示される。これらは、演算,LUT(ルックアップテーブル)による処理,マトリックス(MTX)演算,フィルタによる処理等を適宜組み合わせた、公知の方法で行われるものであり、図示例においては、カラーバランス調整,明るさ補正およびコントラスト補正がLUTで、彩度補正がMTXで行われる。また、これ以外のシャープネス処理や覆い焼き処理は、オペレータによる指示や画像データ等に応じて、ブロック62Bおよびブロック66Bで行われる。
【0037】
ここで、処理部62および66のLUTの前には、それぞれプレスキャン処理用の周辺光量補正部62Aおよび本スキャン処理用の周辺光量補正部66Aが配置される。
本発明に係る処理装置14においては、必要に応じて、これらの周辺光量補正部62A,66Aにおいて、レンズ特性および画像の位置情報と、シャッタ種,シャッタ速度および絞り値の少なくとも一つと画像の位置情報とに基づいて、画像処理によってフィルムFに撮影された画像の周辺における光量低下などを含む濃度ムラを補正しており、これにより画像の周辺においても暗くならず、また1駒(フレーム)内の濃度ムラのない、高画質な画像が再現されたプリントを安定して出力するようにしている。
【0038】
本スキャン処理部58内の画像データ変換部68では、処理部66によって処理された画像データを、例えば、3D(三次元)−LUT等を用いて変換して、プリンタ16による画像記録に対応する画像データとして、プリンタ16に供給する。
また、プレスキャン処理部56内の画像データ変換部64は、処理部62によって処理された画像データを、必要に応じて間引いて、同様に、3D−LUT等を用いて変換して、ディスプレイ20による表示に対応する画像データにしてディスプレイ20に表示させるものである。
両者における処理条件は、後述する条件設定部60で設定される。
【0039】
条件設定部60は、プレスキャン処理部56および本スキャン処理部58における各種の処理条件を設定する。
この条件設定部60は、セットアップ部72,キー補正部74,パラメータ統合部76から構成される。
【0040】
セットアップ部72は、プレスキャンデータ等を用いて、本スキャンの読み取り条件を設定してスキャナ12に供給し、また、プレスキャン処理部56および本スキャン処理部58の画像処理条件を作成(演算)し、パラメータ統合部76に供給する。
具体的には、セットアップ部72は、プレスキャンメモリ52からプレスキャンデータを読み出し、プレスキャンデータから、濃度ヒストグラムの作成や、平均濃度,ハイライト(最低濃度または最小濃度),シャドー(最高濃度または最大濃度)等の画像特徴量の算出を行い、本スキャンの読み取り条件を決定し、また、必要に応じて行われるオペレータによる指示等に応じて、前述の画像処理部66(62)における色バランス調整や階調調整等の画像処理条件を設定する。
【0041】
キー補正部74は、キーボード18aに設定された濃度(明るさ),色,コントラスト,シャープネス,彩度等を調整するキーや、マウス18bで入力された各種の指示等に応じて、画像処理条件の調整量(例えば、LUTの補正量等)を算出し、パラメータ統合部76に供給するものである。
パラメータ統合部76は、キー補正部74が算出したLUT補正量等や、セットアップ部72が設定した画像処理条件を受け取り、これらをプレスキャン処理部56の処理部62および本スキャン処理部58の処理部66に設定し、さらに、キー補正部74で算出された調整量に応じて、各部位に設定した画像処理条件を補正(調整)し、あるいは画像処理条件を再設定する。
【0042】
フィルム特性記憶部61は、各種写真フィルムのフィルム特性を記憶する。例えば、フィルムの特性(階調特性)は、図6に示すように、露光量Eの対数(LogE)と濃度(D)との関係で示される。なお、図6に示される例はネガフィルムの例であり、また、1本の特性曲線しか示されていないが、フィルムFがカラーフィルムである場合には、特性曲線は、R,GおよびBに応じて3本である。このような特性曲線は、ネガフィルムにおいても、フィルム種によって異なり、また、同じフィルムであってもR,GおよびBで異なる。もちろん、リバーサルフィルムにおいても、ネガフィルムの場合と特性曲線の形は異なるが、フィルム種や三原色R,G,およびBで異なるのは同様である。
【0043】
フィルム特性記憶部61には、各種のフィルムに対応して最低濃度(Dmin ),最高濃度(Dmax )および所定のLogEに対する濃度Dのデータが、フィルム特性としてデータベース化されて記憶されている。例えば、フィルムの特性曲線を、次に示すような関数として記憶しておくことが例示されるが、これに限定されるものではない。
Figure 0003819194
【0044】
フィルム種の検出方法には特に限定は無く、例えば、図示例のような新写真システムのフィルムFである場合には、キャリア30の磁気ヘッド42でフィルムFの磁気記録媒体S1の磁気情報を読み取って、磁気情報からフィルム種を検出し、フィルム特性記憶部61に供給すればよい。
また、通常(135サイズ等)および新写真システムのフィルムに関わらず、コードリーダ44でDXコード等を読み取ってフィルム種を検出してもよく、オペレータがキーボード18a等を用いてフィルム種を入力してもよい。
【0045】
図示例の装置では、各種のフィルムの特性は、データベース化されてフィルム特性記憶部61に記憶され、フィルム種を検知して読み出しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、新写真システムのフィルムFであれば、磁気記録媒体S1にフィルム特性を磁気記録しておき、これをキャリア30の磁気ヘッド42で読み取って、フィルム特性記憶部61に供給してもよい。また、通常および新写真システムに限らず、フィルムの画像(コマ)領域外に、フィルムの特性をバーコード等で光学的に記録しておき、それをスキャナ30によるコードリーダ44やフィルム画像の読み取りと同様に、イメージセンサ34で読み取ってもよい。
【0046】
さらに、オペレータがキーボード18a等を用いてフィルム特性を入力してもよい。この際には、レンズ付きフィルムの本体やフィルムのパトローネ等にフィルム特性を記録しておき、これを読み取って入力してもよい。
また、現在、新写真システムのカートリッジにICメモリを取り付けることが検討されているが、これを利用して、フィルム種の判別やフィルム特性の取得を行ってもよい。
【0047】
なお、上述の例のように、データベース化してフィルム特性記憶部61等にフィルム特性を記憶させておく態様では、キーボード18a等による入力、フロッピーディスク等の記録媒体からの読み取り、コンピュータ通信からのデータ供給等を用いて、フィルム特性のデータの追加や更新,書き換え等を容易に行えるようにするのが好ましい。
これらのフィルム特性のデータは、基本的に、フィルムメーカが供給するのが好ましい。
【0048】
レンズ特性および撮影データ供給部63は、フィルムFから、当該フィルムFを撮影したカメラ機種やその撮影レンズ情報やシャッタ種を判別する情報、および、各画像駒の撮影時の撮影データ、例えばシャッタ速度や絞り値などの情報を取得し、得られた判別情報に対応する撮影カメラのレンズの特性、および、撮影カメラに応じたシャッタ種、得られた撮影データの情報、すなわち当該フィルムFの各画像駒の撮影時のシャッタ速度や絞り値の情報等を、可能な限り収集し、すなわちメモリ、例えば予め作成された対応テーブルなどから読み出して取得し、周辺光量補正部62A,66Aに供給する部分である。
【0049】
すなわち、レンズ特性および撮影データ供給部(以下、単にデータ供給部という)63は、メモリ(対応テーブル)を有し、このメモリには、予め作成されたカメラ機種またはその撮影レンズの情報と撮影レンズの特性との対応テーブル、例えば各種のカメラ機種やその撮影レンズに応じたレンズ特性の情報、カメラ機種またはそのシャッタ種の情報、撮影時の撮影データであるシャッタ速度および絞り値の情報の少なくとも1つと濃度ムラ特性(またはシャッタ特性や絞り特性)との対応テーブル、例えば各種のカメラ機種やそのシャッタ種、シャッタ速度および絞り値などに応じた濃度ムラ特性(またはシャッタ特性や絞り特性)の情報、具体的には、各種レンズに対応する、画像中心からの距離に応じた減光量の情報や、シャッタ種,撮影時のシャッタ速度,絞り値に対応する画像の各画素位置における濃度ムラデータや減光量、または画像中心からの距離に応じた濃度ムラデータや減光量の情報などが予め記憶されている。
【0050】
ここで、撮影レンズ特性に起因する濃度ムラの場合、撮影レンズを通して全面に渡って均一光量(光強度)を持つ光源を画像として撮影した写真フィルムの画像上に展開した時に得られる光量変化、すなわち周辺光量低下または減光量が、例えば同心円状になる場合には、画像の中心からの距離の数式、例えば、1次式や2次式や3次式などの多項式に展開できる。このため、撮影レンズの特性として、その数式自体または、その数式の次数と各項の係数などをデータ供給部63のメモリに格納しておけばよい。例えば多項式として下記に示す3次式を用いる場合には、その係数a,b,c,dを撮影レンズ毎にメモリに格納しておけばよい。ここで例えばEは減光量、rは画像の中心からの距離を表す。
E=ar3+br2+cr+d
一方、上記光量変化、すなわち周辺光量低下または減光量が、例えば楕円状になり、しかもその形状が画像の中心からの距離に対して変化していくような場合には、画像の中心からの距離の数式として表すことができない、または困難である、もしくは数式として表すと式が複雑となり、処理や計算が複雑で、処理や演算に時間がかかる。このため、撮影レンズの特性として、例えば、画像全面のマスクパターン、対象性が有る場合にはその基本となる一部、例えば、楕円状の場合のように直交する2本の対称軸を持つ場合には、画像全面の4分の1のマスクパターンをデータ供給部63のメモリに格納しておけばよい。
【0051】
なお、撮影時のシャッタ速度や絞り値等の撮影データは、新写真システムのカメラについては、原則として記録されることになっており、撮影データが確実に得られるが、カメラによっては、撮影時の情報として記録されないものもある。このように記録されていないものについては、プリント時にオペレータがキーボード18aやマウス18bなどの操作系18によって適宜入力するようにすればよい。また、この場合、カメラ機種毎に標準となるシャッタ速度をテーブル化しておき、これを用いるようにしてもよい。
すなわち、すべてのシャッタ速度や絞り値に対応する濃度ムラ特性、すなわち濃度ムラデータや減光量の情報を記憶しておかなくても、例えば、基準となるシャッタ速度に対応する基準となる濃度ムラデータや減光量等の濃度ムラ特性の情報だけを記憶しておき、これと異なるシャッタ速度に対しては、上述の基準となる濃度ムラデータや減光量の情報から当該シャッタ速度に対応する濃度ムラデータや減光量の情報を、演算などにより求めるようにすれば、メモリ容量を減らすことが可能である。なお、濃度ムラデータを撮影光量の減光量に換算しておくのが好ましい。
【0052】
ここで、基準となる濃度ムラ特性、すなわち濃度ムラデータや減光量は以下のようにして作成することができる。ここでは、基準濃度ムラ特性として基準濃度ムラデータを用いて説明する。
まず、作成しようとするカメラ機種のシャッタ形式、例えばレンズ付きフィルムでは振り子式シャッタ、コンパクトカメラではレンズシャッタ、1眼レフカメラではフォーカルプレーンシャッタなどと、そのシャッタ速度と、絞り値との組み合わせ毎に、濃度ムラのパターンをモデリングする。例えば、レンズ付きフィルムの振り子式シャッタでは、図10に示すように、振り子の動きであるので、最初に開くところが最後に閉まる構造となる。このため、レンズ付きフィルムでは振り子が最初に開く位置の露光量が大きくなるように、モデリングされる。
次に、実際に作成しようとする組み合わせで、実際に撮影し、そのフィルムをスキャナで読み込むことで、実際の濃度ムラデータを基に、濃度ムラパターンのモデルのパラメータを最適化して、基準濃度ムラデータとすることができる。
この時、基準濃度ムラデータは、撮影光量で作成するのが望ましい。
【0053】
また、本発明で用いる基準濃度ムラデータは、本発明の画像処理装置14が適用されるフォトプリンタ10に用いられるスキャナ12毎に補正しておくのが好ましい。一般に、スキャナ12は、機種毎に読取濃度をどの様に出力信号に割り振るかが異なる。スキャナ12においては、例えば、濃度に線形に割り振る場合もあれば、輝度に線形に割り振る場合もある。さらに、スキャナ12の分光感度によってカラーバランスが変わることもある。このため、濃度ムラの補正処理をする時に、スキャナ12の特性を補正する処理をすれば、規格化することは可能である。しかしながら、本発明において、基準濃度ムラデータをスキャナ信号に割り付けるように作成しておけば、高速に処理することが可能になる。
このような、基準濃度ムラデータは、本発明の画像処理装置14を使用する前に作成しておけば良いが、本発明の画像処理装置14やスキャナ12やフォトプリンタ10を製造する製造業者や、本発明の画像処理装置14の処理対象となるフィルム、特にレンズ付きフィルムなどを製造するフィルムメーカやコンパクトカメラや1眼レフカメラなどを製造するカメラメーカなどの製造業者が、予め作成しておき、本発明の画像処理装置14やスキャナ12やフォトプリンタ10を使用する使用者、例えば、写真プリント作成業者や各ラボ店等に、インターネット、LAN、コンピュータ通信などの通信によって配信するようにしておくのが好ましい。
【0054】
データ供給部63は、取得したカメラ機種やシャッタ種や撮影レンズの判別情報およびシャッタ速度や絞り値などの撮影データの情報に基づいて、それに応じた撮影レンズの特性および濃度ムラ特性、例えば、濃度ムラデータや基準濃度ムラデータ等、またはシャッタ特性や絞り特性の情報をメモリから読み出し、これを周辺光量補正部62A,66Aに供給する。なお、撮影レンズ特性や濃度ムラ特性(またはシャッタ特性や絞り特性)やシャッタ速度や絞り値などの撮影データの情報は、データ供給部63が有するメモリに記憶されるものに限定はされず、例えば、フォトプリンタ10に接続されるデータベースに記憶しておき、ここにアクセスして読み出してもよく、あるいは、フィルムFの読み取り時にフィルムに対応するカメラ機種、シャッタ種、シャッタ速度、絞り値、シャッタ特性、絞り特性や撮影レンズの情報として外部から入力されてもよい。
【0055】
周辺光量補正部62A,66Aは、データ供給部63から供給されたフィルムFの撮影レンズ特性や、シャッタ種(カメラ機種)、撮影時のシャッタ速度、絞り値やこれらに基づく濃度ムラ特性(濃度ムラデータ、基準濃度ムラデータ等)またはシャッタ特性や絞り特性等と、画像データ(画素)の位置の情報や画像の中心からの座標位置(中心の画素から何番目か)等を用いて、画素位置、好ましくは画像の中心からの座標位置に応じた減光量を算出して、撮影レンズそのものに起因する周辺光量低下、シャッタムラ、絞り値による周辺光量低下の変動等の濃度ムラの補正を行う。なお、以下の説明では、これらの濃度ムラを周辺光量ムラと総称し、この周辺光量ムラの補正を周辺光量補正と総称する。この周辺光量補正については後述する。
【0056】
以下、処理装置14、特に周辺光量補正部62A(66A)の作用を説明することにより、本発明の画像処理装置について、より詳細に説明する。
オペレータがフィルムF、ここではネガフィルムFに対応するキャリア30をスキャナ12に装填し、キャリア30の所定位置にフィルムF(カートリッジ)をセットし、作成するプリントサイズ等の必要な指示を入力した後に、プリント作成開始を指示する。
これにより、スキャナ12の可変絞り24の絞り値やイメージセンサ(ラインCCDセンサ)34の蓄積時間がプレスキャンの読み取り条件に応じて設定され、その後、キャリア30がフィルムFをカートリッジから引き出し、プレスキャンに応じた速度で副走査方向に搬送して、プレスキャンが開始され、前述のように所定の読み取り位置において、フィルムFがスリット走査されて投影光がイメージセンサ34に結像して、フィルムFに撮影された画像がR,GおよびBに分解されて光電的に読み取られる。
【0057】
また、このフィルムFの搬送の際に、磁気ヘッド42によって磁気記録媒体Sに記録された磁気情報が読み出され、また、コードリーダ44によってDXコード等のバーコードが読み取られ、必要な情報が所定の部位に送られる。本実施例においては、磁気記録媒体S1に記録された磁気情報からフィルム種およびレンズ情報ならびにカメラ機種やシャッタ種とシャッタ速度と絞り値との少なくとも1つが検知され、フィルム特性記憶部61およびレンズ特性および撮影データ供給部63に供給される。
【0058】
なお、本発明においては、プレスキャンおよび本スキャンは、1コマずつ行ってもよく、全コマあるいは所定の複数コマずつ、連続的にプレスキャンおよび本スキャンを行ってもよい。以下の例では、説明を簡潔にするために、1コマの画像読み取りを例に説明を行う。
【0059】
プレスキャンによるイメージセンサ34の出力信号は、アンプ36で増幅されて、A/D変換器38に送られ、デジタル信号とされる。
デジタル信号は、処理装置14に送られ、データ処理部48で所定のデータ処理を施され、Log変換器50でデジタルの画像データであるプレスキャンデータとされ、プレスキャンメモリ52に記憶される。
プレスキャンメモリ52にプレスキャンデータが記憶されると、処理部62のプレスキャン処理用の周辺光量補正部62Aがこれを読み出し、周辺光量補正を行う。
【0060】
以下、図7のフローチャートに沿って周辺光量補正について説明する。
まず、図7のステップ100で、周辺光量補正部62Aは、プレスキャンメモリ52からプレスキャンデータを読み出し、ステップ110において、R,G,B毎に、テーブル1(ネガ濃度変換テーブル)を参照して、これを基にネガ濃度D1を算出する。次に、ステップ120において、テーブル2(撮影光量変換テーブル)を参照して、フィルム特性記憶部61から与えられた図6に示すフィルム特性(前述のように、カラーフィルムの場合にはR,G,B3本必要である)を用いて、図6に示すように、撮影光量LogEaを算出する。
【0061】
一方、ステップ130において、周辺光量補正部62Aは、処理すべき画像位置(x,y)を取得し、ステップ140において、テーブル3(撮影レンズ特性変換テーブル)を参照して、レンズ特性および撮影データ供給部63から与えられたレンズ特性を用いてその画素における光量低下を示す減光量ΔLogE(ΔLogEb)を算出する。
また、レンズ付きフィルムや一部のコンパクトカメラでは、シャッタ速度が一定速度に固定されている場合がある。このようなカメラで撮影された場合には、周辺光量補正部62Aは、ステップ140において、データ供給部63から与えられるカメラ機種やシャッタ種の情報に基づくシャッタ特性もしくは濃度ムラ特性を用いて、テーブル4(固定シャッタムラ変換テーブル)を参照して、処理すべき画像位置(x,y)に対して、その画素における濃度ムラ(シャッタムラ)を示す減光量ΔLogE(ΔLogEc)を算出する。もちろん、この場合には、絞り値は、所定値に設定されているものとする。
【0062】
また、一部のコンパクトカメラや2眼レフカメラや1眼レフカメラでは、シャッタ速度を変えて撮影することができる。このようなカメラで撮影された場合には、周辺光量補正部62Aは、ステップ140において、データ供給部63から与えられるカメラ機種(シャッタ種)およびそのシャッタ速度の情報に基づくシャッタ特性もしくは濃度ムラ特性を用いて、テーブル5(シャッタムラ特性テーブル)を参照して、処理すべき画像位置(x,y)に対して、その画素における濃度ムラ(シャッタムラ)を示す減光量ΔLogE(ΔLogEc)を算出する。
さらに、絞りが可変であるカメラで撮影された場合には、周辺光量補正部62Aは、ステップ140において、データ供給部63から与えられるカメラ機種(絞り種)および絞り値の情報の情報に基づく絞り特性もしくは濃度ムラ特性を用いて、テーブル6(絞りムラ特性テーブル)を参照して、処理すべき画像位置(x,y)に対して、その画素における濃度ムラ(周辺光量低下の変動)を示す減光量ΔLogE(ΔLogEd)を算出する。
なお、このようにシャッタ速度や絞り値が可変の場合には、前述したように、基準のシャッタ速度や絞り値での基準濃度ムラ特性(基準濃度ムラデータ)または基準のシャッタ特性や絞り特性および基準シャッタ速度や基準絞り値に対する変換式をテーブル5に記憶しておき、任意のシャッタ速度や絞り値での濃度ムラ(濃度ムラデータ)を示す減光量ΔLogE(ΔLogEcやΔLogEd)を算出するようにすることにより、テーブル5のメモリ容量を減らすことができる。
ここで、テーブル3、テーブル4、テーブル5、テーブル6は、データ供給部63または周辺光量補正部62A(66A)の少なくとも一方のメモリ、または外部メモリとして記憶しておけばよい。
【0063】
こうして得られた各減光量ΔLogE(ΔLogEa、ΔLogEbまたはΔLogEcおよびΔLogEd)のいくつか、少なくとも1つを加算して、本発明において補正すべき濃度ムラ(周辺光量ムラ)を算出することができる。なお、これらの減光量ΔLogEa、ΔLogEbまたはΔLogEcおよびΔLogEdのうちのいずれを加算するかは、適宜選択すれば良いが、例えば後述する補正対象濃度ムラの大きさに応じて選択すればよい。また、これらの減光量の加算においては、必要に応じて各減光量に重みをかけて加算してもよい。
ここで、データ供給部63から与えられるレンズ特性、シャッタ特性、絞り特性や、周辺光量低下データや濃度ムラデータや周辺光量ムラデータなどを、予め撮影光量データとして、より好ましくは減光量データとして求めておくと、減光量の高速な計算が可能である。
通常、シャッタ速度や絞り値に対して行うべき濃度ムラ補正、すなわち光量低下補正の大きさは、先に示したレンズ特性に対して行うべき濃度ムラ補正や光量低下補正の大きさの数分の一〜十分の一程度であるので、以下に述べるように、その画素に対してどの程度の補正を行うかを定めて、必要な濃度ムラ、光量低下に対する補正を行えばよい。
【0064】
次に、ステップ150において、テーブル7(重みテーブル)を参照して、その画素に対してどの程度の補正を行うかを示す重み係数kを求める。
周辺光量補正、特にレンズ特性による周辺光量低下の補正は、図8に示すように、未露光部分であるネガで最も暗いベース濃度、すなわち最小濃度付近では、重み係数kを0(または最小)または小さくして、補正を全く、もしくはあまり行わず(すなわち図8の補正の程度Low)、ベース濃度(最小濃度)から離れた部分に対しては、重み係数kを1(または最大)または大きくして、強く、もしくは最も強く補正を行い(図8の補正の程度High )、その中間の領域に対しては中間の補正を行うのが好ましい。これは、ベース濃度付近で強く補正を行うとその付近の濃度が上がり、不自然な画になってしまうからである。
すなわち、本発明においては、画像のネガ濃度に対応して周辺光量補正の補正強度を変化させるのが好ましい。こうすることで、ベース濃度付近では補正強度を弱く(重み係数kを小さく)し、ベース濃度から離れるほど補正強度を強く(重み係数kを大きく)することができ、自然な仕上がりの絵を持つプリントに仕上げることができる。
【0065】
すなわち、ステップ160では、重み係数kと減光量ΔLogEとを掛け合わせ補正すべき光量である補正光量ΔVを算出する。ステップ170において、これを撮影光量LogE1に加えて補正撮影光量LogE2を求める。次に、ステップ180において、図6に示すフィルム特性を利用して、この補正光量LogE2を再びネガ濃度D2に変換し、ステップ190において画像信号として出力する。
図示例では、レンズ特性による周辺光量低下も、シャッタムラも、絞り値による周辺光量低下の変動も、いずれの濃度ムラも減光量ΔLogEに変換して加算し全減光量ΔLogEを求めて、これに対する補正光量ΔVを求めているが、個々の濃度ムラ毎に補正光量ΔVを求めてそれぞれ加算して全補正光量ΔVを求めてもよいし、1つの濃度ムラを補正する補正撮影光量LogE2を求め、これを基準として次の濃度ムラを補正する補正撮影光量LogE2を順次求めるようにしてもよい。
【0066】
このように、本実施形態では、画像信号からネガ濃度を算出し、これをフィルム特性曲線を利用して撮影光量に変換し、撮影光量の範囲で補正を行い、再びネガ濃度に戻している。
なお、特性曲線が略直線となる領域においては、補正すべき減光量をネガ濃度の方へ変換し、それを濃度に上乗せすることで、濃度領域において補正を行うようにすることもできる。
上述した例は、ネガフィルムの画像を周辺光量補正の対象とし、画像のネガ濃度に対応して周辺光量補正の補正強度を変化させ、未露光部分の最小濃度を示すベース濃度付近では補正強度を弱くし、ベース濃度から離れるほど補正強度を強くするものであったが、本発明はこれに限定されず、例えばリバーサルフィルムの画像を対象とし、未露光部分の最大濃度を示すベース濃度付近では補正強度を弱くし、ベース濃度から離れるほど補正強度を強くするものであってもよいし、あるいはネガフィルムではかぶり部分である最大濃度を示すかぶり濃度またはリバーサルフィルムではかぶり部分である最小濃度を示すかぶり濃度付近では補正強度を弱くし、最大濃度または最小濃度(かぶり濃度)から離れるほど補正強度を強くするものであってもよい。
【0067】
周辺光量補正を行ったデータは条件設定部60に渡され、画像処理の条件設定が行われ各種画像解析処理が行われる。これを図示すると図9(a)のようになる。ここでの周辺光量補正はR,G,B毎に行われるが、後で述べるように明るさのみで行う事もできる。
【0068】
条件設定部60のセットアップ部72は、周辺光量補正部62Aから補正後のデータを受け取り、濃度ヒストグラムの作成、ハイライトやシャドー等の画像特徴量の算出等を行い、本スキャンの読み取り条件を設定してスキャナ12に供給し、また、階調調整やグレイバランス調整等の各種の画像処理条件を設定し、パラメータ統合部76に供給する。
上記画像処理条件を受け取ったパラメータ統合部76は、これらの画像処理条件をプレスキャン処理部56および本スキャン処理部58の所定部位(ハードウエア)に設定する。
【0069】
周辺光量補正が行われた画像は、その後LUTおよびMTXで処理された後、ブロック62Bで、シャープネス処理や覆い焼き処理等の必要な画像処理を施され、次いで画像データ変換部64で変換され、シュミレーション画像としてディスプレイ20に表示される。
オペレータは、ディスプレイ20の表示を見て、画像すなわち処理結果の確認を行い、必要に応じて、キーボード18aに設定された調整キー等を用いて、色,濃度,階調等を調整する。
【0070】
本スキャンは、可変絞り24の絞り値等の読み取り条件が設定された本スキャンの読み取り条件となる以外は、前述のプレスキャンと同様に行われ、イメージセンサ34からの出力信号はアンプ36で増幅されて、A/D変換器38でデジタル信号とされ、処理装置14のデータ処理部48で処理されて、Log変換器50で本スキャンデータとされ、本スキャンメモリ54に送られる。
本スキャンデータが本スキャンメモリ54に送られると、本スキャン処理部58によって読み出され、処理部66において上で説明したプレスキャンの処理部62における処理と同様の画像処理が行われ、すなわち、周辺光量補正部66Aにおいても、周辺光量補正部62Aと同様に、上述した濃度ムラ(周辺光量ムラ)の補正が行われ、その他の画像処理が行われ、次いで、画像データ変換部68で変換されて出力用の画像データとされ、プリンタ16に出力される。
【0071】
以上説明した例では、図9(a)に示すように、オートセットアップ処理等の画像解析処理の前にR,G,B毎に周辺光量補正を行っていたが、図9(b)に示すように、カラーバランスの調整(カラーの解析補正)のみを周辺光量補正の前に行うようにしてもよい。すなわち、カラーバランスを揃えて(R,G,B均等とし)、グレイ成分で周辺光量補正を行い、その後、明るさの階調補正(明るさの解析補正)を行い、次にシャープネス処理や覆い焼き処理等のその他の画像解析処理を行う。このようにすれば、特性曲線は1本でよい。
【0072】
以上、本発明の画像処理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明によれば、レンズ付きフィルムや安価なコンパクトカメラ等で撮影された画像であっても、レンズの性能そのものに関係する周辺光量低下に加えて、シャッタ種およびシャッタ速度に関係する画像の周辺光量ムラや、絞り値に関係する画像の周辺光量低下の変動等の濃度ムラをも補正することにより、画像の周辺が暗くなることのない、自然な仕上がりの高画質な画像を安定して得ることが可能な画像処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置を利用するフォトプリンタの一例を示すブロック図である。
【図2】 図1に示されるフォトプリンタに装着されるキャリアを説明するための概略斜視図である。
【図3】 図1に示されるフォトプリンタのイメージセンサの概略構成を示す図である。
【図4】 新写真システムのフィルムの概略図である。
【図5】 図1に示されたフォトプリンタの画像処理装置の一例のブロック図である。
【図6】 フィルム特性曲線の一例およびこれを用いて周辺光量補正を行う方法を示す線図である。
【図7】 本実施例における周辺光量補正を示すフローチャートである。
【図8】 本実施例における周辺光量補正の程度を示す線図である。
【図9】 (a)は本実施例における周辺光量補正の手順を示す説明図であり、(b)は周辺光量補正の手順の他の例を示す説明図である。
【図10】 振り子式シャッタの動作説明図である。
【図11】 (a)はフィルム画像上でのエリア分割を示す図、(b)は各分割エリアにおける露光量の変化を示す図である。
【図12】 カメラの絞り値に起因するフィルム画像上での露光量の変化を示す図である。
【符号の説明】
10 (デジタル)フォトプリンタ
12 スキャナ
14 (画像)処理装置
16 プリンタ
18 操作系
20 ディスプレイ
30 キャリア
34 イメージセンサ
34R,34G,34B ラインCCDセンサ
38 A/D変換器
40 マスク
42 磁気ヘッド
44 コードリーダ
48 データ処理部
50 Log変換器
52 プレスキャン(フレーム)メモリ
54 本スキャン(フレーム)メモリ
56 プレスキャン処理部
58 本スキャン処理部
60 条件設定部
61 (フィルム)特性記憶部
62,66 (画像データ)処理部
62A,66A 周辺光量補正部
63 レンズ特性および撮影データ供給部
64,68 画像データ変換部
72 セットアップ部
74 キー補正部
76 パラメータ統合部

Claims (20)

  1. 写真フィルムの画像を光電的に読み取って得られた入力画像データに所定の画像処理を施し、出力画像データとする画像処理装置であって、
    前記写真フィルムの画像を撮影したカメラのシャッタ種を含む判別情報を取得する判別情報取得手段と、
    前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報に対応する濃度ムラ特性を取得する濃度ムラ特性取得手段と、
    取得された濃度ムラ特性に従って前記入力画像データの補正を行う画像データ補正手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像データ補正手段は、前記画像の各画素のフィルム濃度に対応して前記濃度ムラ補正の補正強度を変化させる請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像データ補正手段は、写真フィルムの最小濃度付近、あるいは写真フィルムの最大濃度付近では前記補正強度を弱く、最小濃度または最大濃度から離れるほど補正強度を強くする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像データ補正手段は、前記画像について、最小濃度あるいは最大濃度付近では前記濃度ムラ補正をあまり行わず、最小濃度あるいは最大濃度から離れた濃度領域では前記濃度ムラ補正を強く行い、その中間濃度領域ではその中間的な濃度ムラ補正を行う請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記判別情報は、さらに、シャッタ速度を含む請求項1〜4のいずれかに記載の画像処置装置。
  6. 前記判別情報は、さらに、絞り値を含む請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像データ補正手段は、前記濃度ムラ特性取得手段により取得された濃度ムラ特性に従って補正すべき補正値を算出し、算出した補正値に基づいて、前記入力画像データの補正を行う請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記濃度ムラ特性は、前記判別情報に応じて予めモデリングされた濃度ムラデータである請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記濃度ムラ特性取得手段は、
    予め、前記判別情報毎に、前記判別情報に応じた前記濃度ムラ特性を記憶しておく第1の記憶手段を備え、
    前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報に基づいて、前記判別情報に対応する前記濃度ムラ特性を前記第1の記憶手段から読み出すものである請求項1〜のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記判別情報は、シャッタ速度を含み、
    前記第1の記憶手段は、前記カメラ機種毎に基準のシャッタ速度における基準の濃度ムラ特性を記憶するものであり、
    前記濃度ムラ特性取得手段は、取得された前記判別情報の前記シャッタ速度が前記第1の記憶手段から読み出した前記基準のシャッタ速度と異なる場合に、前記基準の濃度ムラ特性から当該シャッタ速度に対応する濃度ムラ特性を算出する手段を備える請求項に記載の画像処理装置。
  11. 前記基準の濃度ムラ特性は、前記写真フィルムの画像を読み取る画像読取装置毎に補正された基準濃度ムラデータである請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像データ補正手段は、
    前記濃度ムラ特性取得手段によって取得された前記濃度ムラ特性を前記画像の位置に応じた第1の減光量に展開する第1減光量展開手段と、
    この第1の減光量を用いて、前記入力画像データに、前記画像の濃度ムラの補正を行う第1濃度ムラ補正手段とを備える請求項1〜11のいずれかに記載の画像処理装置。
  13. 前記第1減光量展開手段は、前記濃度ムラ特性による、前記画像の画像中心からの距離に応じた減光量を算出する手段であることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記第1濃度ムラ補正手段は、前記画像の画像中心からの距離に応じて、前記画像内の濃度ムラの補正を行う請求項12または13に記載の画像処理装置。
  15. さらに、前記写真フィルムの情報を取得する手段と、
    この写真フィルムの情報から得られる写真フィルムの特性を用いて、写真フィルム濃度と撮影光量とを相互に変換する手段とを備え、
    前記画像データ補正手段は、前記撮影光量の領域において前記濃度ムラ補正を行うことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像処理装置。
  16. 前記画像データ補正手段は、前記出力画像データを作成するための画像読み取りに先立って行われる、前記画像を低解像度で読み取るプレスキャン時には、オートセットアップ処理を含む画像解析処理の前に行うか、または前記画像解析処理のうちカラーバランスの調整のみを行った後に、前記濃度ムラ補正を行うようにする請求項1〜15のいずれかに記載の画像処理装置。
  17. さらに、前記写真フィルムの画像を撮影したカメラの撮影レンズの特性を取得する撮影レンズ特性取得手段とを備え、
    前記画像データ補正手段は、
    さらに、前記撮影レンズ特性取得手段によって取得された撮影レンズの特性を前記画像の位置に応じた第2の減光量に展開する手段と、
    前記第2の減光量を用いて、前記入力画像データに、前記画像のフレーム内の周辺光量低下による濃度ムラの補正を行う第2の濃度ムラ補正手段を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像処理装置。
  18. 前記第2の減光量展開手段は、前記濃度ムラ特性による、前記画像の画像中心からの距離に応じた減光量を算出する手段であることを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
  19. 前記撮影レンズ特性取得手段は、
    前記撮影レンズの情報を取得する手段と、
    予め作成された前記撮影レンズの情報毎に、前記撮影レンズの特性を記憶しておく第2の記憶手段とを備え、
    前記撮影レンズ情報取得手段によって得られた撮影レンズの情報に応じた前記撮影レンズの特性を前記第2の記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項17または18に記載の画像処理装置。
  20. 前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段は、1つの記憶装置で構成され、
    前記第1の濃度ムラ補正手段と前記第2の濃度ムラ補正手段は、1つの手段で構成され、前記第1および第2の減光量を加算して用いて、前記入力画像データに、前記画像内の濃度ムラの補正を行う請求項19に記載の画像処理装置。
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