JP2001160908A - 色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置 - Google Patents

色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置

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JP2001160908A
JP2001160908A JP34366999A JP34366999A JP2001160908A JP 2001160908 A JP2001160908 A JP 2001160908A JP 34366999 A JP34366999 A JP 34366999A JP 34366999 A JP34366999 A JP 34366999A JP 2001160908 A JP2001160908 A JP 2001160908A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を
各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能な色濃度補
正方法を提供する。 【解決手段】 複数の画像における各画素の画素データ
に基づいて、各画像における色濃度の補正量の基準値
を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出する。
また、各画素を、画素データに基づいて、色相および彩
度の2次元からなる色円盤座標における色領域に配分す
る。そして、各色領域毎に、各画素の画素データと、上
記の色濃度の補正量の基準値との差分値の平均値を算出
し、各画素毎に、画素データと差分値の平均値とを加え
ることによって得られる補正量の新たな基準値を算出す
る。そして、各画像毎に、新たな基準値の平均値を算出
し、各画像における露光補正値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真焼付装
置において、印画紙上に画像を焼き付ける際に設定され
る、色バランスや濃度バランスを補正するための色濃度
補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真などの画像を印画紙に焼き付
ける写真焼付装置として、写真画像が記録されたネガフ
ィルムを介して印画紙を露光するアナログプリンタが広
く使用されている。このようなアナログプリンタにおい
て、印画紙に光を照射するための光源と、印画紙との間
の領域には、調光フィルタユニットと呼ばれる光学部材
が配置されている。
【0003】この調光フィルタユニットは、例えば、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に
対応した調光フィルタを備えた構成となっている。これ
らの調光フィルタを光路上に挿入するとともに、各調光
フィルタの挿入量を調整することによって、光源を出射
した光の調光を行っている。
【0004】また、調光フィルタユニットは、ネガフィ
ルムあるいはポジフィルムに記録されている画像を焼き
付ける際に、カラーバランスを調整するために使用され
ることもある。このようなカラーバランスの調整は、オ
ペレータによって手動で行う場合もあるが、例えばネガ
フィルムの場合などには、ネガフィルム上に記録されて
いる画像の測光データに基づいて、自動でカラーバラン
スの調整を行う方法も各種提案されている。
【0005】ネガフィルム上に記録されている画像のカ
ラーバランスを調整する方法の一例として、LATD(L
arge Area Transmittance Density)露光方式と呼ばれる
ものがある。このLATD露光方式は、エバンス説と呼
ばれる定理に基づいた露光方式である。
【0006】エバンス説とは、簡単に説明すると、一般
的な戸外の風景を撮影したネガフィルム上の画像におい
て、この画像に記録されている色の全てを混ぜ合わせる
と、灰色に近くなる、という定理のことである。すなわ
ち、LATD露光方式は、ネガフィルムの透過光を積算
して測定し、その積算光が複写材料上で灰色に再現する
ように、光源からの光の色と量を決定する露光方式であ
る。具体的には、ネガフィルムに光を照射して透過光を
B(青)G(緑)R(赤)ごとにCCD(Charge Couple
d Device) で取り込み、各画素毎の画像データの平均値
をBGR毎に算出し、各平均値がそれぞれグレーに対応
する値となるように調光フィルタを調節して印画紙を露
光することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、写真などの
限られた領域では、一般的に色の分布に偏りがあるのが
普通であり、上記のLATD露光方式による露光を行っ
た場合、カラーフェリアと呼ばれる過度な色補正が発生
する虞れがある。カラーフェリアとは次のようなもので
ある。LATD露光方式では、上記のように、画像全体
を平均した色が灰色となるように補正を行う方式である
ので、画像の中に灰色でない特定の色からなる大きな領
域が存在している場合には、その色を灰色に近づけるよ
うな補正を行ってしまうことになる。例えば、画像の中
に、赤色からなる領域が多く存在している場合には、L
ATD露光方式によって補正を行うと、画像全体が、赤
色の補色であるシアンがかった状態でプリントされてし
まうことになる。
【0008】また、ネガフィルム上に連続して記録され
ている画像同士は、互いに似通っている場合が多い。こ
れは、背景が似たようなシーンを連続して撮影する、連
続シャッターによって同じ被写体を連続して撮影する、
というような撮影が行われることが多いからである。例
えば、上記の連続シャッターによって撮影する場合、同
じ被写体に対して、撮影領域を上下や左右に動かしなが
ら撮影を連続的に行ったり、ズームなどを行って同じ被
写体を拡大あるいは縮小しながら撮影を連続的に行った
りすることがある。
【0009】さらに具体的な例として、撮影者を中心に
して360°のパノラマ撮影を10°間隔で撮影を行う
ことによって行う場合を想定する。この場合、隣り合っ
た画像の中に、同じ物体が写されている可能性は非常に
高いと言える。
【0010】このように、似通ったシーンが連続して記
録されている場合には、各画像に、同一の物体となる被
写体が含まれていることが多く、このような被写体は、
各画像毎に同じ色濃度で焼き付けられることが好ましい
といえる。しかしながら、上記したLATD露光方式の
ように、単に平均濃度のみを基準にして色の補正を行う
方法では、言うまでもなく、複数の画像間での連続性を
保った焼き付けを行うことは不可能である。すなわち、
このようなLATD露光方式によって焼き付けを行った
場合、同一の物体となる被写体が、各画像毎に異なる色
濃度で焼き付けられる可能性が高く、これらの画像を見
比べた場合に、不自然な印象を与えてしまうことにな
る。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、複数の画像間で、同じ物
体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とするこ
とが可能な色濃度補正方法、色濃度補正プログラムを記
録した記録媒体、画像処理装置、および写真焼付装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の色濃度補正方法は、複数の画素か
ら構成されるとともに、各画素が複数の色成分からなる
画素データを有している画像の色濃度を補正する色濃度
補正方法であって、複数の画像における各画素の画素デ
ータを取り出すステップと、上記の複数の画素のうち、
色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグル
ープに分類するステップと、同じグループに分類された
複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像
の色濃度を補正するステップとを有していることを特徴
としている。
【0013】上記の方法では、複数の画像から取り出さ
れた複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で
近い画素同士を同じグループに分類している。このよう
に、同じグループに分類された画素は、各画像におい
て、同じ物体からなる被写体を構成する画素である可能
性が高いといえる。そして、同じグループに分類された
複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像
の色濃度を補正している。すなわち、同じ物体からなる
被写体を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、
各画像の色濃度が補正されることになる。このようにし
て求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、
同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度と
することが可能となる。
【0014】請求項2記載の色濃度補正方法は、複数の
画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分か
らなる画素データを有している画像の色濃度を補正する
色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の
画素データを取り出すステップと、色相、彩度、および
明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空間に分
割するステップと、上記の画素データに基づいて、各画
素を上記の色部分空間に配分するステップと、同じ色部
分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度と
なるように、各画像の色濃度を補正するステップとを有
していることを特徴としている。
【0015】上記の方法では、複数の画像から取り出さ
れた複数の画素を、それぞれの画素データに基づいて、
色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を複数
に分割することによって設定された色部分空間に配分し
ている。このように、同じ色部分空間に配分された画素
は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成す
る画素である可能性が高いといえる。そして、同じ色部
分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度と
なるように、各画像の色濃度を補正している。すなわ
ち、同じ物体からなる被写体を構成する画素がほぼ同じ
色濃度となるように、各画像の色濃度が補正されること
になる。このようにして求められた色濃度の補正によれ
ば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像
毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となる。
【0016】請求項3記載の色濃度補正方法は、複数の
画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分か
らなる画素データを有している画像の色濃度を補正する
色濃度補正方法であって、複数の画像における各画素の
画素データを取り出すステップと、上記の画素データに
基づいて、各画像における色濃度の補正量を、任意の色
濃度補正アルゴリズムによって算出するステップと、色
相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複数
の色部分空間に分割するステップと、上記の画素データ
に基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分するステ
ップと、各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上
記の色濃度補正アルゴリズムによって算出された色濃度
の補正量の基準値との差分値の平均値を算出するステッ
プと、各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値
とを加えることによって得られる補正量の新たな基準値
を算出するステップと、各画像毎に、上記の補正量の新
たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の
補正量を算出するステップとを有していることを特徴と
している。
【0017】上記の方法では、複数の画像から取り出さ
れた複数の画素を、それぞれの画素データに基づいて、
色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を複数
に分割することによって設定された色部分空間に配分し
ている。このように、同じ色部分空間に分類された画素
は、各画像において、同じ物体からなる被写体を構成す
る画素である可能性が高いといえる。
【0018】また、複数の画像から取り出された複数の
画素の画素データに基づいて、各画像における色濃度の
補正量を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出
している。この色濃度補正アルゴリズムとしては、どの
ようなアルゴリズムでもよく、例えば、LATD方式な
どが挙げられる。このように、任意の色濃度補正アルゴ
リズムによって、各画像毎に、色濃度の補正量の基準値
を算出している。
【0019】そして、各色部分空間毎に、各画素の画素
データと、上記の色濃度の補正量の基準値との差分値の
平均値を算出し、この差分値の平均値と、各画素の画素
データとを加えることによって、各画素毎に、色濃度の
補正量の新たな基準値が算出される。この色濃度の補正
量の新たな基準値は、同じ色部分空間に属する画素同士
の色濃度を等しくするような基準値となっている。
【0020】そして、各画像毎に、色濃度の補正量の新
たな基準値の平均値を算出し、各画像における色濃度の
補正量を算出している。このようにして求められた色濃
度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる
被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能と
なる。
【0021】また、複数の画像において、同じ物体から
なる被写体の色濃度を揃えるようにして求められた補正
量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度の補正を行
っているので、例えば、単純にLATD露光方式によっ
て露光補正量を算出する場合に生じていたカラーフェリ
アの問題を抑制することができる。これは、カラーフェ
リアが生じている画像における特定の被写体の色が、カ
ラーフェリアが生じていない画像における特定の被写体
の色に影響を受けて、より自然な色となるように色濃度
が補正されるからである。
【0022】また、LATD露光方式に限らず、その他
の露光アルゴリズムにおいても、複数の画像において、
同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求めら
れた補正量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度を
補正することによって、カラーバランスの過度な補正を
抑制することができる。
【0023】請求項4記載の色濃度補正方法は、請求項
2または3記載の方法において、上記の色空間が、色相
および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分
割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割
されていないことを特徴としている。
【0024】ここで、色空間が、明度の変化に対しても
色部分空間に分割されている場合を考える。この場合に
は、複数の画素同士で、色相および彩度が近接していて
も、明度が異なっていれば、異なる物体からなる被写体
であると判断することになる。しかしながら、例えば、
上記の画像がカメラなどによって撮影された写真画像で
ある場合、複数の画像において、同じ物体からなる被写
体が含まれている画像同士でも、周囲の光量の変化など
によって撮影条件が変化している。このような撮影条件
の変化によって、各画像において露光不足や露光過多が
生じている場合が多くあり、同じ物体からなる被写体で
あっても、画像によって大きく明度が異なっている場合
が多い。このような場合、色空間が、明度の変化に対し
ても色部分空間に分割されていると、同じ物体からなる
被写体の画素でも、異なる色部分空間に属してしまう可
能性が高くなり、色濃度を揃える効果が小さくなるとい
う問題が生じる。
【0025】したがって、色空間が、明度の変化に対し
ては色部分空間に分割されていない方法の方が、明度の
変化に対しても色部分空間に分割されている方法より
も、より的確に、複数の画像間で、同じ物体からなる被
写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能とな
る。
【0026】請求項5記載の色濃度補正プログラムを記
録した記録媒体は、複数の画素から構成されるととも
に、各画素が複数の色成分からなる画素データを有して
いる画像の色濃度を補正する色濃度補正プログラムを記
録した記録媒体であって、複数の画像における各画素の
画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の画素
データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素
同士を同じグループに分類する処理と、同じグループに
分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるよう
に、各画像の色濃度を補正する処理とをコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録してなることを特徴
としている。
【0027】上記の記録媒体に記録された色濃度補正プ
ログラムでは、複数の画像から取り出された複数の画素
のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同士を
同じグループに分類している。このように、同じグルー
プに分類された画素は、各画像において、同じ物体から
なる被写体を構成する画素である可能性が高いといえ
る。そして、同じグループに分類された複数の画素同士
がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正
している。すなわち、同じ物体からなる被写体を構成す
る画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃度
が補正されることになる。すなわち、上記のような色濃
度補正プログラムをコンピュータに実行させることによ
って求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間
で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃
度とすることが可能となる。
【0028】請求項6記載の画像処理装置は、複数の画
素から構成されるとともに、各画素が複数の色成分から
なる画素データを有している画像の色濃度を補正する処
理を行う画像処理装置であって、複数の画像における各
画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素
の画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近
い画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグル
ープに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度とな
るように、各画像の色濃度を補正する処理とを行う演算
部を備えていることを特徴としている。
【0029】上記の構成では、演算部において次のよう
な処理が行われる。まず、複数の画像から取り出された
複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い
画素同士を同じグループに分類している。このように、
同じグループに分類された画素は、各画像において、同
じ物体からなる被写体を構成する画素である可能性が高
いといえる。そして、同じグループに分類された複数の
画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色濃
度を補正している。すなわち、同じ物体からなる被写体
を構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像
の色濃度が補正されることになる。すなわち、上記のよ
うな処理を行う演算部を備えた画像処理装置によって求
められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ
物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とする
ことが可能となる。
【0030】請求項7記載の写真焼付装置は、フィルム
に記録された画像を感光材料に焼き付ける写真焼付装置
であって、上記画像を複数の画素に分割し、各画素にお
ける複数の色成分の画素データを測定する画像取込部
と、上記画像取込部から送られてきた画素データに基づ
いて、露光補正値の算出を行う演算部と、上記演算部に
おいて算出された露光補正値に応じて、光源のカラーバ
ランスおよび露光量を調整した光を、上記画像が記録さ
れているフィルムを介して感光材料上に照射し、焼き付
けを行う露光部とを備えており、上記画像取込部が、上
記フィルムに記録されている複数の画像の各画素の画素
データを取り出すとともに、上記演算部が、上記の複数
の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範
囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同
じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃
度となるように、各画像の露光補正値を算出することを
特徴としている。
【0031】上記の構成において、画像取込部では、フ
ィルムに記録されている画像を複数の画素に分割し、各
画素における青色成分、緑色成分、赤色成分の画素デー
タをそれぞれ測定している。この際に、1つの画素の大
きさは、画像の色の状態および濃度の分布が把握できる
程度でよいので、高解像度の測光装置は必要とせず、装
置のコストを低く抑えることができる。また、1つの画
素をある程度大きく設定することによって、ノイズなど
の影響を抑えた画素データを検出することができる。
【0032】また、演算部においては、次のような処理
が行われる。まず、複数の画像から取り出された複数の
画素のうち、色相および彩度が所定の範囲で近い画素同
士を同じグループに分類している。このように、同じグ
ループに分類された画素は、各画像において、同じ物体
からなる被写体を構成する画素である可能性が高いとい
える。そして、同じグループに分類された複数の画素同
士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補正値
を算出している。すなわち、同じ物体からなる被写体を
構成する画素がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の
露光補正値が算出されることになる。
【0033】そして、このようにして求められた露光補
正値に基づいて、露光部によって、光源のカラーバラン
スおよび露光量が調整され、焼き付けが行われる。これ
により、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各
画像毎にほぼ同じ色濃度となるように焼き付けを行うこ
とが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0035】図2は、本発明の実施の形態に係る写真焼
付装置の概略構成を示す説明図である。該写真焼付装置
は、ネガフィルムに記録されている画像を、感光材料と
しての印画紙上に焼き付ける構成となっており、画像取
込部1と、演算部2と、露光部3とを備えている。な
お、図2において、画像取込部1および露光部3を貫い
ている矢印は、ネガフィルムの搬送経路を示しているも
のである。また、ネガフィルムの搬送経路には、図示し
ないフィルム搬送手段が設けられており、このフィルム
搬送手段によって、ネガフィルムは、フィルム挿入口か
ら画像取込部1および露光部3を経由して、フィルム排
出口に向けて搬送される。
【0036】画像取込部1は、ネガフィルムを透過する
光を測光することによって、ネガフィルムに記録されて
いる画像を画像データとして取り込むスキャナである。
この画像取込部1は、例えば、ネガフィルムに光を照射
する光源と、B(青)G(緑)R(赤)の各色フィルタ
を備えた回転フィルタと、CCD(Charge Coupled Devi
ce) カメラ(以下、CCDと称する)とによって構成さ
れる。BGRの各色の光が順次CCDに到達するように
回転フィルタを回転させ、ネガフィルムを透過した光を
BGRごとにCCDにて受光することにより、CCDは
受光量に応じた電気信号をBGR画像データとして演算
部2へ送る。これにより、ネガフィルムに記録されてい
る画像の各画素の濃度に対応する画像データがBGRご
とに得られることになる。なお、CCDを3板式のもの
で構成した場合は、上記の回転フィルタは不要である。
【0037】上記のスキャナにおける解像度は、画像の
色および濃度の分布が認識可能となる程度の解像度でよ
く、高解像度の読み取り性能は要求されない。また、逆
に、解像度が高すぎると、画像内に生じているノイズの
影響が、認識される色および濃度の分布に反映されるこ
とになり、適切なカラー補正ができなくなるという問題
が生じる。
【0038】演算部2は、画像取込部1から送られてき
たBGR画像データに基づいて、各種演算を行い、露光
補正値の情報を露光部3に送出する。この演算部2は、
写真焼付装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび
/またはDSP(Digital Signal Processor)などによっ
て構成されてもよいし、装置の外部に設けられたPC(P
ersonal Computer) によって構成されてもよい。この演
算部2における処理の詳細については後述する。
【0039】露光部3は、演算部2において算出された
露光補正値の情報に基づいて、ネガフィルム上に記録さ
れている画像を透過した光を印画紙上に照射し、焼き付
けを行っている。この露光部3は、光源、調光フィルタ
ユニット、フィルム配置手段、および焼付レンズなどに
よって構成されている。
【0040】上記光源は、例えばハロゲンランプなどか
ら構成されるランプ部、およびランプ部から出射した光
を調光フィルタが配置されている方向に反射させるリフ
レクタ、ランプ部およびリフレクタを所定位置に支持す
るとともに、ランプ部に電力を供給するためのソケット
部などから構成されている。ランプ部から発せられる光
は、青色、緑色、赤色の各色成分の光を全て含んだ光で
あり、やや赤みがかった白色光となっている。やや赤み
がかった白色光であるのは、印画紙において、赤色の発
色特性が他の色に比べて弱いことを補うためである。
【0041】調光フィルタユニットは、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のフィル
タを備えたものであり、減色方式によって調光を行うも
のである。これらの各色のフィルタは、それぞれ2枚の
フィルタからなり、光源から出射される光の光路に対し
て、その両側に上記2枚のフィルタがそれぞれ配置され
た構成となっている。そして、各色のフィルタにおい
て、光路を挟んだ2枚のフィルタの間隔を変更すること
によって、言い換えれば、各色のフィルタを光路中に挿
入する量を変化させることによって、該当する色成分の
調整を行う。この調光フィルタユニットにおける調光に
よって、光源から出射した光を、任意のカラーバランス
に調整することができる。
【0042】フィルム配置手段は、露光部3内に搬送さ
れてきたネガフィルムにおける焼き付け対象となる画像
を露光位置に移動させるとともに、その画像の周囲を遮
光する機能を有するものであり、例えばANM(Auto Ne
ga-Mask)と呼ばれる装置によって構成される。また、焼
付レンズは、光源を出射し、ネガフィルムを透過した光
を一旦集光し、印画紙上に投影するための光学部材であ
る。
【0043】次に、上記の演算部2における処理につい
て説明する。演算部2は、似通ったシーンが記録されて
いる複数の画像において、各画像に含まれている、同一
の物体となる被写体の色が各画像間でほぼ等しくなるよ
うに、各画像毎の露光補正値を算出する処理を行ってい
る。
【0044】ここで、まず、同一の物体となる被写体を
判定する方法について、概略的に説明しておく。図3
(a)および(b)は、似通ったシーンが記録されてい
る画像の1例を示しており、同図(a)は、日の丸国旗
をフレームいっぱいに撮影した画像、同図(b)は、さ
らにズーミングして赤丸を大きく撮影した画像をそれぞ
れ示している。なお、図面では、斜線領域が赤色領域を
示している。
【0045】これらの画像は、絵柄的には大きく異なっ
ているが、印画紙上に焼き付ける際には、白色の領域お
よび赤色の領域をほぼ等しい色濃度で仕上げることが好
ましい。このような2つの画像に対して、前記したLA
TD露光方式によって焼付を行うと、白色の領域と赤色
の領域との面積比が、2つの画像の間で大きく異なって
いるために、白色の領域および赤色の領域の色濃度が異
なった状態で焼付が行われてしまうことになる。また、
クラスター分析などの自動計算を行ったとしても、上記
の2つの画像のように大きく絵柄が異なっていると、同
一の被写体であると判定することは困難である。
【0046】人間が上記のような2つの画像を見た際
に、同じ被写体であると判断する際には、被写体の形状
から判断する要素も重要ではあるが、被写体の色に基づ
いて判断する要素の割合が比較的大きいと言える。そこ
で、以下に示す演算部2の処理においては、被写体の色
の情報に基づいて、複数の画像間で同一の物体となる被
写体を判定している。
【0047】次に、演算部2における処理の詳細につい
て説明する。まず、画像取込部1から演算部2に送られ
てくるデータについて説明する。画像取込部1は、前記
したように、解像度は比較的低いものでよく、本実施形
態では、1コマ分の画像を384画素からなるBGR画
像データとして検出するものとなっている。また、各画
素における各色成分の階調は、0〜4095までの12
ビットからなるデータとして検出されている。
【0048】このようなBGR画像データが入力される
と、演算部2は、各画素毎に、図4に示すような色円盤
座標に変換する。この色円盤座標は、一種の極座標であ
り、中心から各座標までの距離が彩度を表し、中心から
見た際の各座標の方向が色相を表している。図4に示す
色円盤座標では、中心をXY直交座標の原点に重ね合わ
せて考えると、X軸の正の方向がR(赤色)を示してお
り、X軸の正の方向から原点を中心に反時計回りに12
0°回転した方向がG(緑色)を示しており、X軸の正
の方向から原点を中心に反時計回りに240°回転した
方向がB(青色)を示している。なお、彩度は、中心か
ら遠ざかる程大きくなっており、最大値は1としてい
る。
【0049】また、図4に示すように、色円盤座標は、
複数の色領域に分割されている。本実施形態において
は、色相に対して12分割、彩度に対して4分割するこ
とによって、それぞれの色領域が設定されている。言い
換えれば、色円盤座標は、中心角で30°間隔に放射状
に分割されているとともに、半径で0.25間隔で同心
円状に分割されていることになる。ここで、それぞれの
色領域を、色領域[P][Q](P=0,1,2,…,
11 Q=0,1,2,3)として定義することにす
る。なお、Pは、12分割された色相に対応し、Qは、
4分割された彩度に対応している。
【0050】BGR画像データから色円盤座標への変換
は次のように行う。ある1つの画素のBGR画像データ
を(B,G,R)とすると、まず、次に示すようなアフ
ィン変換と呼ばれる式によって、(B,G,R)をXY
直交座標(X,Y)に変換する。 X=R−0.5×(G+B) (1) Y=0.86602×(G−B) (2) 次に、(1)(2)式で求められた(X,Y)を、次に
示す式によって、色円盤座標(HUE,SAT)に変換
する。 HUE=tan-1(Y/X) (3) SAT=4×(√(X2 +Y2 ))/ln(4095) (4) 上記において、HUEは、X軸の正の方向から原点を中
心に反時計回りに回転する角度を示しており、色相に対
応している一方、SATは、原点からの距離を示してお
り、彩度に対応していることになる。
【0051】なお、(4)式において、√(X2
2 )をln(4095)(4095の自然対数)で除
しているのは、正規化を行うためである。また、実際の
画像のデータを入力してみると、(√(X2 +Y2 ))
/ln(4095)の値は、だいたい0〜0.25の範
囲に分布することが経験的にわかっており、SATの値
が0〜1の範囲で満遍なく分布するように、(√(X2
+Y2 ))/ln(4095)に4を乗じている。この
際に、SATの値が1を超えてしまう場合には、SAT
=1としている。
【0052】以上のような演算によって、各画素のBG
R画像データ(B,G,R)は、色円盤座標(HUE,
SAT)に変換され、上記の色領域[P][Q]のいず
れかに属することになる。
【0053】ここで、一例として、ある画素のBGR画
像データが(5,6,7)である場合(B=5,G=
6,R=7)について、上記の演算を行ってみる。
(1)(2)式より、X=7−0.5×(6+5)=
1.5、Y=0.86602×(6−5)=0.866
02となる。そして、(3)(4)式より、HUE=t
an-1(0.86602/1.5)≒60、SAT=4
×(√(1.52 +0.866022 ))/ln(40
95)≒0.83296が得られる。よって、この画素
が属している色領域は、色領域[2][3]となる。
【0054】このように、各画素のBGR画像データが
色円盤座標に変換される際に、色相および彩度が近い画
素同士は、同じ色領域に属することになる。図3(a)
(b)の例でいえば、2つの画像における白色部分およ
び赤色部分は、撮影条件が変わったとしても、それぞれ
同じ色領域に属することになる。そして、本実施形態に
おける演算部2では、同じ色領域に属した画素は、同一
の物体を構成する画素であるとみなし、これらの画素
が、複数の画像間で同じ色濃度で印画紙上に焼き付けら
れるような露光条件を以下に示すように求めている。
【0055】露光条件を求める方法の概要は次のような
ものである。まず、各画像における各画素の画素データ
と、その画素が含まれる画像に対する補正値(露光条
件)に基づくデータとの差分を求める。なお、この前提
となる露光条件は、従来から行われている露光条件の算
出方法でよく、例えば、上記したLATD露光方式によ
る算出方法などで構わない。そして、この差分を全ての
画像の全ての画素について求め、上記の色領域のそれぞ
れにおいて、その平均値を求める。そして、この平均値
から、各画像に対する補正値を求めなおすことによっ
て、同じ色領域に属した画素の色濃度が、各画像間でほ
ぼ同じ色濃度で焼き付けられるような露光条件が求めら
れる。
【0056】次に、上記の露光条件を求める方法の具体
例について説明する。まず、それぞれの色領域毎に、各
画像における全画素のBGR画像データおよび濃度の平
均値と、各画素のBGR画像データおよび濃度との差分
値の蓄積を行う。なお、この具体例においては、前提と
なる露光条件として、LATD露光方式を採用してい
る。LATD露光方式は、画像全体を平均した色が灰色
となるように補正を行う方式であり、露光条件として
は、画像全体における各画素の画素データの平均値が基
準となっている。しかしながら、前提となる露光条件と
しては、LATD露光方式に限定されるものではなく、
その他の露光条件を求める方法を用いても構わない。す
なわち、本発明における露光条件の算出方法は、前提と
なる露光条件がどのような方法によって求められるもの
であっても、ほぼ同様の方法によって適用することがで
きる。
【0057】ここで、色領域[P][Q]に属する画素
のB成分の差分値の蓄積をB[P][Q]、G成分の差
分値の蓄積をG[P][Q]、R成分の差分値の蓄積を
R[P][Q]、濃度の差分値の蓄積をD[P]
[Q]、色領域[P][Q]に属する画素の数をN
[P][Q]とおく。
【0058】例えば、BGR画像データが(b,g,
r)であり、属する色領域が[p][q]となる画素が
入力されたとする。また、この画素が含まれる画像の全
ての画素のBGR画像データの平均値が(bm,gm,
rm)であったとする。また、(b,g,r)となる画
素の濃度をdとし、平均値(bm,gm,rm)の濃度
(平均濃度)をdmとすると、d=(b+g+r)/
3、dm=(bm+gm+rm)/3となる。
【0059】この場合、次のように差分値が蓄積され
る。 B[p][q]+=bm−b (5) G[p][q]+=gm−g (6) R[p][q]+=rm−r (7) D[p][q]+=dm−d (8) N[p][q]+=1 (9) なお、(5)〜(9)式において用いている“+=”と
いう記号は、右辺の値を左辺の変数値に加算するという
意味である。以上のような差分値の蓄積を、入力される
全ての画像の全ての画素について行う。
【0060】そして、入力される全ての画像の全ての画
素について、上記のような差分値の蓄積が完了した後
に、それぞれの色領域における差分値の平均値を次のよ
うにして求める。 Bave [P][Q]=B[P][Q]/N[P][Q] (10) Gave [P][Q]=G[P][Q]/N[P][Q] (11) Rave [P][Q]=R[P][Q]/N[P][Q] (12) Dave [P][Q]=D[P][Q]/N[P][Q] (13) このように(10)〜(13)式によって求められたB
ave [P][Q]、G ave [P][Q]、Rave [P]
[Q]、Dave [P][Q]を、各画素のBGRデータ
および濃度に加えることによって、各画素から算出され
る新たな露光条件が求められる。
【0061】具体的には、画像s1におけるt1(1≦
t1≦N)番目の画素のBGR画像データ、および濃度
を(b(s1,t1),g(s1,t1),r(s1,
t1),d(s1,t1))とすると、この画素から算
出される新たな露光条件(bm(s1,t1),gm
(s1,t1),rm(s1,t1),dm(s1,t
1))は、次のように求められる。 bm(s1,t1)=b(s1,t1)+Bave [P][Q] (14) gm(s1,t1)=g(s1,t1)+Gave [P][Q] (15) rm(s1,t1)=r(s1,t1)+Rave [P][Q] (16) dm(s1,t1)=d(s1,t1)+Dave [P][Q] (17) 以上の(14)〜(17)式によって、各画素から算出
される新たな露光条件に基づいて、各画素毎に露光条件
を変えて焼き付けを行ったと仮定すれば、全ての画像に
おいて、同じ色領域に含まれる画素は全て完全に同じ色
濃度で焼き付けられることになる。
【0062】例えば、ネガフィルム上の画像をスキャナ
などによって取り込むことによってデジタル画像データ
に変換し、デジタル画像を表示可能な表示装置、例えば
液晶表示装置などに画像を表示させ、この表示画像をそ
のまま印画紙上に照射し、焼き付けを行うような構成で
あれば、上記のように各画素毎に露光条件を変えて焼き
付けを行うことが可能である。この場合、上記のよう
に、同じ色領域に含まれる画素は全て完全に同じ色濃度
で焼き付けられることになるので、全ての画像におい
て、同じ物体からなる被写体は、全て同じ色濃度で焼き
付けることが可能となる。しかしながら、このような焼
き付けを行ってしまうと、焼き付けられる画像における
色相および彩度の変化の種類は、上記の色円盤座標にお
ける色領域の数以下となってしまい、不自然な画像とな
ってしまうという弊害もある。
【0063】本実施形態では、上記の露光部3におい
て、ネガフィルムに光を透過させることによって焼き付
けを行っているので、上記のように、各画素毎に露光条
件を変えて焼き付けを行うことは不可能である。そこ
で、本実施形態においては、上記の(14)〜(17)
式によって、各画素から算出される新たな露光条件を、
各画像ごとに平均することによって、その画像に対する
露光条件を設定する。具体的には、画像s1に対して
は、bm(s1,t),gm(s1,t),rm(s
1,t),dm(s1,t)のそれぞれのtの値を1か
らN(画像s1における画素数)まで変化させた際の総
和をNで除することによって、平均露光条件bm
ave (s1),gmave (s1),rmave (s1),
dmave (s1)を求める。
【0064】そして、このようにして求められた平均露
光条件bmave (s1),gmave(s1),rmave
(s1),dmave (s1)に基づいて、LATD露光
方式を適用して露光補正量を算出し、この結果が演算部
2から露光部3に伝達され、露光部3において焼き付け
が行われる。このように、平均露光条件を求めて焼き付
けを行った場合には、各画像において、同じ色領域に含
まれる画素でも、完全に色濃度を統一することはできな
くなる。しかしながら、複数の画像の間で、同じ色領域
に含まれる画素の色濃度が大きく異なってしまうことは
なく、実際にこのような処理を行って焼き付けを行った
画像では、各画像間で、同じ物体からなる被写体の色の
違いは気にならない程度となることが確認されている。
また、各画素同士の間の色相、彩度、および明度の相対
的な変化は保存されるので、焼き付けられた画像が不自
然になることはない。
【0065】以上のように、本実施形態においては、複
数の画像において、同じ物体からなる被写体の色を揃え
るようにして求められた平均露光条件に基づいてLAT
D露光方式を適用しているので、単純にLATD露光方
式によって露光補正量を算出する場合に生じていたカラ
ーフェリアの問題を抑制することができる。これは、次
のような理由によるものである。すなわち、LATD露
光方式では、前記したように、画像全体を平均した色が
灰色となるように補正を行う方式であるので、画像の中
に灰色でない特定の色からなる大きな領域が存在してい
る場合には、その色を灰色に近づけるような補正を行っ
てしまい、これがカラーフェリアの原因となっている。
これに対し、上記のように、複数の画像において、同じ
物体からなる被写体の色を揃えるようにして求められた
平均露光条件に基づいてLATD露光方式を適用すれ
ば、カラーフェリアが生じている画像における特定の被
写体の色は、カラーフェリアが生じていない画像におけ
る特定の被写体の色に影響を受けて、より自然な色とな
るように露光補正量が算出されるからである。ただし、
複数の画像において、全ての画像に同様な色の偏りがあ
る場合には、上記の方法によっても、カラーフェリアの
問題を抑制する効果は少なくなる。
【0066】また、LATD露光方式に限らず、その他
の露光アルゴリズムにおいても、複数の画像において、
同じ物体からなる被写体の色を揃えるようにして求めら
れた平均露光条件に基づいて露光補正量を算出すること
によって、カラーバランスの過度な補正を抑制すること
ができる。
【0067】上記の構成では、ネガフィルム上に記録さ
れている複数の画像の情報が演算部2に入力され、これ
らの画像間で同じ物体からなる被写体の色を揃えるよう
に処理が行われている。したがって、演算部2には、同
じ物体からなる被写体の色を揃える必要があると思われ
る複数の画像を全て入力することが好ましい。しかしな
がら、実際には、ネガフィルムは4ないし6コマ程度の
画像毎にカットされている場合があり、この場合には、
カットされているフィルム(以降、カットフィルムと称
する)内の複数の画像の情報が演算部2に入力され、こ
れらの情報に基づいて露光補正量が算出され、焼き付け
が行われることになる。
【0068】ここで、同じ物体からなる被写体の色を揃
える必要があると思われる複数の画像が、複数のカット
フィルムにわたって記録されている場合には、次のよう
な処理が行われる。まず、1つ目のカットフィルム内の
複数の画像の情報が演算部2に入力され、算出された露
光補正量に基づいて焼き付けが行われる。その後、1つ
目のカットフィルム内の複数の画像の情報を初期化せず
に、2つ目のカットフィルム内の複数の画像の情報を加
える形で露光補正量が算出され、焼き付けが行われる。
すなわち、2つ目のカットフィルム内の複数の画像を焼
き付ける際には、1つ目のカットフィルム内の複数の画
像に対しても、同じ物体からなる被写体の色が揃えられ
ることになる。このように、入力した画像の情報を演算
部2において蓄積し、蓄積した情報に基づいて露光補正
量を算出することによって、複数のカットフィルムにわ
たって記録されている複数の画像における、同じ物体か
らなる被写体の色を揃えることが可能となる。
【0069】なお、上記で示した、例えば液晶表示装置
などのデジタル画像を表示可能な表示装置によって焼き
付けを行う構成の場合、上記では、各画素毎に露光条件
を変えて焼き付けを行う方法を示したが、上記のネガフ
ィルムに光を照射することによって焼き付けを行う構成
と同様の方法によって焼き付けを行ってもよい。すなわ
ち、各画像毎に平均露光条件を求めて露光補正量を算出
し、この露光補正量に基づいて、各画像における全ての
画素に対して同等の露光補正を行い、焼き付けを行って
もよい。言い換えれば、求められた平均露光条件に基づ
いて、各画像毎に表示装置のカラーバランスおよび濃度
バランスを調整して、焼き付けを行ってもよい。
【0070】ここで、上記した色円盤座標における色領
域の分割について説明する。図4に示す色円盤座標にお
いては、色相に対して12分割、彩度に対して4分割す
ることによって、計48の色領域に分割されている。こ
こで、分割の数を多くする、言い換えれば、それぞれの
色領域の面積をより小さくして設定した場合、同じ物体
からなる被写体の画素同士が、それぞれ異なる色領域に
属してしまう可能性が高くなる。すなわち、同じ物体か
らなる被写体の色を揃える効果が小さくなってしまうこ
とになる。また、逆に、分割の数を少なくする、言い換
えれば、それぞれの色領域の面積をより大きくして設定
した場合、異なる物体からなる被写体の画素同士が、同
じ色領域に属してしまい、不必要に色が揃えられてしま
うことになる。このように、色円盤座標における色領域
の分割の数は、多すぎても少なすぎても悪い影響がでて
くるので、適度な数にする必要がある。
【0071】また、上記の構成では、色相および彩度の
2次元からなる色円盤座標上に色領域を設定し、この色
領域内で色を揃える方法をとっているが、色相、彩度、
および明度の3次元からなる色空間を想定し、この色空
間を複数の色部分空間に分割する方法も考えられる。こ
の場合には、複数の画素同士で、色相および彩度が近接
していても、明度が異なっていれば、異なる物体からな
る被写体であると判断することになる。
【0072】しかしながら、明度を加えた3次元によっ
て色部分空間として分割する場合には、次のような問題
が生じる。ネガフィルム上に記録されている複数の画像
において、同じ物体からなる被写体が含まれている画像
同士でも、周囲の光量の変化などによって撮影条件が変
化している。このような撮影条件の変化によって、各画
像において露光不足や露光過多が生じている場合が多く
あり、同じ物体からなる被写体であっても、画像によっ
て大きく明度が異なっている場合が多い。このような場
合、明度を加えた3次元によって色部分空間として分割
していると、同じ物体からなる被写体の画素でも、異な
る色部分空間に属してしまい、色を揃える効果が小さく
なってしまう。
【0073】また、明度を加えた3次元によって色部分
空間として分割するということは、結果的に分割の数を
多くすることに等しく、上記で示したように、同じ物体
からなる被写体の画素同士が、それぞれ異なる色領域に
属してしまう可能性が高くなる。すなわち、同じ物体か
らなる被写体の色を揃える効果が小さくなってしまうこ
とになる。
【0074】以上のような理由により、色相および彩度
の2次元からなる色円盤座標上に色領域を設定し、この
色領域内で色を揃える方法の方が、明度を加えた3次元
によって色部分空間として分割する方法よりも好ましい
と言える。また、実際に、両者の方法によって画像の焼
き付けを行ってみると、色円盤座標を用いる方法の方
が、色を揃える効果としては良好であることが確認され
た。
【0075】なお、色相および彩度の2次元からなる色
円盤座標を、複数の色領域に分割するということは、色
相、彩度、および明度の3次元からなる色空間が、色相
および/または彩度の変化に対してのみ色部分空間に分
割されており、明度の変化に対しては色部分空間に分割
されていない、ということと同意義であることになる。
【0076】次に、本実施形態に係る写真焼付装置によ
る焼付動作の流れについて、図1に示すフローチャート
を参照しながら説明する。まず、画像取込部1によって
ネガフィルム上に記録されている複数の画像が、BGR
画像データとして取り込まれる(ステップ1(以降、S
1と称する))。そして、画像取込部1において取り込
まれた複数の画像における各画素のBGR画像データ
が、演算部2に入力される(S2)。
【0077】次に、演算部2において、各画像毎に、L
ATD露光方式に基づいて、露光条件が求められる(S
3)。なお、上記したように、この露光条件の算出は、
どのような露光アルゴリズムを用いても構わない。
【0078】そして、入力された複数の画像における各
画素のBGR画像データが、色円盤座標に変換され(S
4)、各画素毎に、色円盤座標上のどの色領域に属する
かが判定される(S5)。そして、各画素の画素データ
と、その画素が含まれる画像に対する露光条件に基づく
データとの差分が算出され、色領域毎にその差分値が加
算される(S6)。このような演算が全ての画像の全て
の画素について行われたかが判断され(S7)、全ての
画素について行われていない場合(S7においてNO)
には、S4からの演算が繰り返される。
【0079】上記の演算が全ての画像の全ての画素につ
いて行われたら(S7においてYES)、色領域毎に差
分値の平均値が求められる(S8)。そして、この差分
値の平均値に基づいて、各画素毎に新たな露光条件を求
める(S9)。そして、各画像毎に、S9において求め
られた新たな露光条件の平均値(平均露光条件)を求め
る(S10)。この平均露光条件に基づいて、S3にお
いて用いたLATD露光方式によって露光補正値が算出
され(S11)、これに基づいて、露光部3において焼
き付け動作が行われる(S12)。
【0080】なお、本実施形態においては、写真処理装
置において、ネガフィルム上に記録されている複数の画
像に対し、同じ物体からなる被写体の色が複数の画像間
で揃うように焼き付けを行う構成について説明したが、
本発明の技術思想は、このような構成に限定して適用さ
れるものではない。すなわち、複数の画像間で、同じ物
体からなる被写体の色を揃えることによって効果を奏す
る装置であればどのような装置にも適用することができ
る。例えば、本実施形態においては、印画紙に画像を焼
き付ける構成であったが、インクジェット方式やレーザ
ー方式などのプリンタにおいて、カラーバランスや濃度
バランスを調整することによって、複数の画像間で、同
じ物体からなる被写体の色を揃えることも可能である。
また、単に表示装置などに複数の画像を表示させる構成
においても、同様の効果を奏することができる。
【0081】また、静止画像に限定されるものではな
く、動画像にも適用することは可能である。例えば、あ
る程度似通ったシーンが連続している動画像のデータを
予め蓄積しておき、各コマ毎に、同じ物体からなる被写
体の色を揃えるようなカラーバランスや濃度バランスの
設定情報を算出しておく。そして、この動画像を再生す
る際に、上記の設定情報を反映した状態で表示を行え
ば、同じ物体からなる被写体の色が変化しない動画像を
表示することができる。
【0082】なお、以上説明した演算部2は、露光補正
値を算出する処理を機能させるためのプログラムで実現
される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能
な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒
体として、マイクロコンピュータなどによって処理が行
われるために必要なメモリ、例えばROMのようなもの
そのものがプログラムメディアであってもよいし、また
外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けら
れ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプ
ログラムメディアであってもよい。
【0083】いずれの場合においても、格納されている
プログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行さ
せる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプ
ログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイ
クロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロー
ドされて、そのプログラムが実行される方式であっても
よい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置
に格納されているものとする。
【0084】ここで上記プログラムメディアは、本体と
分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカ
セットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハー
ドディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/M
D/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード
(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、ある
いはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッ
シュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプロ
グラムを担持する媒体であってもよい。
【0085】また、本発明においてはインターネットを
含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成とする
ことにより、通信ネットワークからプログラムをダウン
ロードするように流動的にプログラムを担持する媒体で
あってもよい。尚、このように通信ネットワークからプ
ログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロー
ド用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、ある
いは別な記録媒体からインストールされるものであって
もよい。
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る色
濃度補正方法は、複数の画素から構成されるとともに、
各画素が複数の色成分からなる画素データを有している
画像の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、複数
の画像における各画素の画素データを取り出すステップ
と、上記の複数の画素のうち、色相および彩度が所定の
範囲で近い画素同士を同じグループに分類するステップ
と、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同
じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステ
ップとを有している方法である。
【0087】これにより、同じ物体からなる被写体を構
成する可能性が高い画素同士を同じグループに分類する
ことができる。そして、同じグループに分類された複数
の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の色
濃度を補正している。したがって、このようにして求め
られた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、同じ物
体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度とするこ
とが可能となるという効果を奏する。
【0088】請求項2の発明に係る色濃度補正方法は、
複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色
成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補
正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各
画素の画素データを取り出すステップと、色相、彩度、
および明度の3次元からなる色空間を、複数の色部分空
間に分割するステップと、上記の画素データに基づい
て、各画素を上記の色部分空間に配分するステップと、
同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ
色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステッ
プとを有している方法である。
【0089】これにより、同じ物体からなる被写体を構
成する可能性が高い画素同士を、同じ色部分空間に配分
することができる。そして、同じ色部分空間に配分され
た複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画
像の色濃度を補正している。したがって、このようにし
て求められた色濃度の補正によれば、複数の画像間で、
同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃度と
することが可能となるという効果を奏する。
【0090】請求項3の発明に係る色濃度補正方法は、
複数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色
成分からなる画素データを有している画像の色濃度を補
正する色濃度補正方法であって、複数の画像における各
画素の画素データを取り出すステップと、上記の画素デ
ータに基づいて、各画像における色濃度の補正量を、任
意の色濃度補正アルゴリズムによって算出するステップ
と、色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間
を、複数の色部分空間に分割するステップと、上記の画
素データに基づいて、各画素を上記の色部分空間に配分
するステップと、各色部分空間毎に、各画素の画素デー
タと、上記の色濃度補正アルゴリズムによって算出され
た色濃度の補正量の基準値との差分値の平均値を算出す
るステップと、各画素毎に、画素データと上記の差分値
の平均値とを加えることによって得られる補正量の新た
な基準値を算出するステップと、各画像毎に、上記の補
正量の新たな基準値の平均値を算出し、各画像における
色濃度の補正量を算出するステップとを有している方法
である。
【0091】これにより、同じ物体からなる被写体を構
成する可能性が高い画素同士を、同じ色部分空間に配分
することができる。また、複数の画像から取り出された
複数の画素の画素データに基づいて、各画像における色
濃度の補正量の基準値を、任意の色濃度補正アルゴリズ
ムによって算出している。そして、同じ色部分空間に属
する画素同士の色濃度を等しくするような色濃度の補正
量の新たな基準値を、各画素毎に算出するとともに、各
画像毎に、色濃度の補正量の新たな基準値の平均値を算
出し、各画像における色濃度の補正量を算出している。
したがって、このようにして求められた色濃度の補正に
よれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各
画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという
効果を奏する。
【0092】また、複数の画像において、同じ物体から
なる被写体の色濃度を揃えるようにして求められた補正
量の新たな基準値の平均値に基づいて色濃度の補正を行
っているので、例えば、単純にLATD露光方式によっ
て露光補正量を算出する場合に生じていたカラーフェリ
アの問題を抑制することができるという効果を奏する。
【0093】請求項4の発明に係る色濃度補正方法は、
上記の色空間が、色相および/または彩度の変化に対し
てのみ色部分空間に分割されており、明度の変化に対し
ては色部分空間に分割されていない方法である。
【0094】これにより、請求項2または3の方法によ
る効果に加えて、明度の変化に対しても色部分空間に分
割されている方法よりも、より的確に、複数の画像間
で、同じ物体からなる被写体を各画像毎にほぼ同じ色濃
度とすることが可能となるという効果を奏する。
【0095】請求項5の発明に係る色濃度補正プログラ
ムを記録した記録媒体は、複数の画素から構成されると
ともに、各画素が複数の色成分からなる画素データを有
している画像の色濃度を補正する色濃度補正プログラム
を記録した記録媒体であって、複数の画像における各画
素の画素データを取り出す処理と、上記の複数の画素の
画素データのうち、色相および彩度が所定の範囲で近い
画素同士を同じグループに分類する処理と、同じグルー
プに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となる
ように、各画像の色濃度を補正する処理とをコンピュー
タに実行させるためのプログラムを記録してなる構成で
ある。
【0096】この記録媒体に記録されたプログラムによ
れば、同じ物体からなる被写体を構成する可能性が高い
画素同士を同じグループに分類することができる。そし
て、同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同
じ色濃度となるように、各画像の色濃度を補正してい
る。したがって、このようにして求められた色濃度の補
正によれば、複数の画像間で、同じ物体からなる被写体
を各画像毎にほぼ同じ色濃度とすることが可能となると
いう効果を奏する。
【0097】請求項6の発明に係る画像処理装置は、複
数の画素から構成されるとともに、各画素が複数の色成
分からなる画素データを有している画像の色濃度を補正
する処理を行う画像処理装置であって、複数の画像にお
ける各画素の画素データを取り出す処理と、上記の複数
の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範
囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同
じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃
度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とを行
う演算部を備えている構成である。
【0098】この演算部における処理によれば、同じ物
体からなる被写体を構成する可能性が高い画素同士を同
じグループに分類することができる。そして、同じグル
ープに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度とな
るように、各画像の色濃度を補正している。したがっ
て、このようにして求められた色濃度の補正によれば、
複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎に
ほぼ同じ色濃度とすることが可能となるという効果を奏
する。
【0099】請求項7記載の写真焼付装置は、フィルム
に記録された画像を感光材料に焼き付ける写真焼付装置
であって、上記画像を複数の画素に分割し、各画素にお
ける複数の色成分の画素データを測定する画像取込部
と、上記画像取込部から送られてきた画素データに基づ
いて、露光補正値の算出を行う演算部と、上記演算部に
おいて算出された露光補正値に応じて、光源のカラーバ
ランスおよび露光量を調整した光を、上記画像が記録さ
れているフィルムを介して感光材料上に照射し、焼き付
けを行う露光部とを備えており、上記画像取込部が、上
記フィルムに記録されている複数の画像の各画素の画素
データを取り出すとともに、上記演算部が、上記の複数
の画素の画素データのうち、色相および彩度が所定の範
囲で近い画素同士を同じグループに分類する処理と、同
じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃
度となるように、各画像の露光補正値を算出する構成で
ある。
【0100】このように、画像取込部において、1つの
画素の大きさは、画像の色の状態および濃度の分布が把
握できる程度でよいので、高解像度の測光装置は必要と
せず、装置のコストを低く抑えることができるという効
果を奏する。また、1つの画素をある程度大きく設定す
ることによって、ノイズなどの影響を抑えた画素データ
を検出することができるという効果を奏する。
【0101】また、演算部においては、同じ物体からな
る被写体を構成する可能性が高い画素同士を同じグルー
プに分類することができる。そして、同じグループに分
類された複数の画素同士がほぼ同じ色濃度となるよう
に、露光補正量を算出している。
【0102】そして、このようにして求められた露光補
正値に基づいて、露光部によって、光源のカラーバラン
スおよび露光量が調整され、焼き付けが行われるので、
複数の画像間で、同じ物体からなる被写体を各画像毎に
ほぼ同じ色濃度となるように焼き付けを行うことが可能
となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真焼付装置にお
ける焼き付け処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記写真焼付装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図3】同図(a)は、日の丸国旗をフレームいっぱい
に撮影した画像、同図(b)は、さらにズーミングして
赤丸を大きく撮影した画像をそれぞれ示す説明図であ
る。
【図4】上記写真焼付装置が備える演算部が行う処理に
おいて用いられる色円盤座標を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像取込部 2 演算部 3 露光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H110 BA13 BA16 BA17 BA18 CB35 CB38 CB76 CE02 5B057 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CE11 CE17 CH01 CH11 DB02 DB06 DB09 DC25 5C077 LL19 MP08 NN02 NP01 PP15 PP35 PP46 PP54 PQ12 PQ22 5C079 HB06 KA08 LA12 MA01 MA11 NA03 PA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素から構成されるとともに、各画
    素が複数の色成分からなる画素データを有している画像
    の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、 複数の画像における各画素の画素データを取り出すステ
    ップと、 上記の複数の画素のうち、色相および彩度が所定の範囲
    で近い画素同士を同じグループに分類するステップと、 同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色
    濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステップ
    とを有していることを特徴とする色濃度補正方法。
  2. 【請求項2】複数の画素から構成されるとともに、各画
    素が複数の色成分からなる画素データを有している画像
    の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、 複数の画像における各画素の画素データを取り出すステ
    ップと、 色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複
    数の色部分空間に分割するステップと、 上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空
    間に配分するステップと、 同じ色部分空間に配分された複数の画素同士がほぼ同じ
    色濃度となるように、各画像の色濃度を補正するステッ
    プとを有していることを特徴とする色濃度補正方法。
  3. 【請求項3】複数の画素から構成されるとともに、各画
    素が複数の色成分からなる画素データを有している画像
    の色濃度を補正する色濃度補正方法であって、 複数の画像における各画素の画素データを取り出すステ
    ップと、 上記の画素データに基づいて、各画像における色濃度の
    補正量を、任意の色濃度補正アルゴリズムによって算出
    するステップと、 色相、彩度、および明度の3次元からなる色空間を、複
    数の色部分空間に分割するステップと、 上記の画素データに基づいて、各画素を上記の色部分空
    間に配分するステップと、 各色部分空間毎に、各画素の画素データと、上記の色濃
    度補正アルゴリズムによって算出された色濃度の補正量
    の基準値との差分値の平均値を算出するステップと、 各画素毎に、画素データと上記の差分値の平均値とを加
    えることによって得られる補正量の新たな基準値を算出
    するステップと、 各画像毎に、上記の補正量の新たな基準値の平均値を算
    出し、各画像における色濃度の補正量を算出するステッ
    プとを有していることを特徴とする色濃度補正方法。
  4. 【請求項4】上記の色空間が、色相および/または彩度
    の変化に対してのみ色部分空間に分割されており、明度
    の変化に対しては色部分空間に分割されていないことを
    特徴とする請求項2または3記載の色濃度補正方法。
  5. 【請求項5】複数の画素から構成されるとともに、各画
    素が複数の色成分からなる画素データを有している画像
    の色濃度を補正する色濃度補正プログラムを記録した記
    録媒体であって、 複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理
    と、 上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度
    が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する
    処理と、 同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色
    濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とを
    コンピュータに実行させるためのプログラムを記録して
    なることを特徴とする色濃度補正プログラムを記録した
    記録媒体。
  6. 【請求項6】複数の画素から構成されるとともに、各画
    素が複数の色成分からなる画素データを有している画像
    の色濃度を補正する処理を行う画像処理装置であって、 複数の画像における各画素の画素データを取り出す処理
    と、 上記の複数の画素の画素データのうち、色相および彩度
    が所定の範囲で近い画素同士を同じグループに分類する
    処理と、 同じグループに分類された複数の画素同士がほぼ同じ色
    濃度となるように、各画像の色濃度を補正する処理とを
    行う演算部を備えていることを特徴とする画像処理装
    置。
  7. 【請求項7】フィルムに記録された画像を感光材料に焼
    き付ける写真焼付装置であって、 上記画像を複数の画素に分割し、各画素における複数の
    色成分の画素データを測定する画像取込部と、 上記画像取込部から送られてきた画素データに基づい
    て、露光補正値の算出を行う演算部と、 上記演算部において算出された露光補正値に応じて、光
    源のカラーバランスおよび露光量を調整した光を、上記
    画像が記録されているフィルムを介して感光材料上に照
    射し、焼き付けを行う露光部とを備えており、 上記画像取込部が、上記フィルムに記録されている複数
    の画像の各画素の画素データを取り出すとともに、上記
    演算部が、上記の複数の画素の画素データのうち、色相
    および彩度が所定の範囲で近い画素同士を同じグループ
    に分類する処理と、同じグループに分類された複数の画
    素同士がほぼ同じ色濃度となるように、各画像の露光補
    正値を算出することを特徴とする写真焼付装置。
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