JP4172066B2 - 永久磁石型回転電機のロータ及びその製造方法 - Google Patents

永久磁石型回転電機のロータ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を有する回転電機のロータに関し、特に、繊維強化プラスチック(CFRP)製のシュリンクリングを備える永久磁石型回転電機のロータ及びこのロータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の永久磁石型回転電機のロータとしては、図4及び図5に示す構成が知られている。
図4は縦断正面図、図5は図4のA−A断面を示す。
従来のものは、これらの図に示されるように、中央部の径が大きく両端が小径の回転軸1の周囲に、永久磁石2とスペーサ3とが全体として円筒を形成するように配置されており、この永久磁石2とスペーサ3との外周にこれらを締め付けて固定するステンレス鋼製のシュリンクリング4が嵌合している。
【0003】
また、シュリンクリング4の両端には、永久磁石2とシュリンクリング4とを軸方向の両側から押さえるように一対のバランス板5a、5bが回転軸1に固定して設けられている。
組み立てに際しては、回転軸1の周囲に永久磁石2とスペーサ3とを配置し、その外周にシュリンクリング4を加熱して膨張させた状態ではめ込む。シュリンクリング4の内径は、常温では永久磁石2とスペーサ3とにより形成される円筒の外径より小さく、上記のような焼きばめにより、常温に戻る際の収縮力によりしめしろが確保され、永久磁石2とスペーサ3とが回転軸に対して強固に固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の永久磁石型回転電機のロータに利用されるステンレス鋼製のシュリンクリング4は、耐熱性が高く安定した強度が得られる反面、導電率が高く渦電流損失が大きいという問題点があった。
そこで、導電率が低く渦電流損失が小さい繊維強化プラスチック(CFRP)製のシュリンクリングを用いることが提案されている。
ただし、CFRPは熱膨張率が小さいため、上記のような焼きばめができず、従来と同様の組立方法では十分なしめしろを確保できず、高速回転時にシュリンクリングが緩み、永久磁石等が移動してロータの回転バランスが崩れるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題(問題点)を解決し、CFRP製のシュリンクリングを利用した場合にも、十分なしめしろを確保することができる永久磁石型回転電機のロータの構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる永久磁石型回転電機のロータは、上記課題を解決するために、軸方向の中間部分が軸方向の全長に亘って所定のテーパを有する円錐台状に形成された回転軸と、回転軸の中間部の外周に嵌合し、内周及び外周部分が軸方向の全長に亘って所定のテーパを有する円錐台筒状の永久磁石と、外周が円筒面をなし、永久磁石の外周に所定のしめしろをもって圧入される繊維強化プラスチック製のシュリンクリングと、シュリンクリングの内周面に設けられ、内周が永久磁石の外周に対応したテーパを有する金属製の保護スリーブと、永久磁石及びシュリンクリングを軸方向の両側から押さえるように回転軸に固定された一対のバランス板とを備えることで、
前記シュリンクリングの外周面を軸方向の全長に亘って同一の径となるように構成したことを特徴とする。
【0007】
一方、本発明にかかる永久磁石型回転電機のロータの製造方法は、回転軸の大径側にバランス板の一方を固定し、回転軸の小径側から永久磁石を挿入し、シュリンクリング内に保護スリーブを設け、これを設けた状態でシュリンクリングを回転軸の小径側から永久磁石の外周に圧入し、回転軸の小径側にバランス板の他方を固定する各工程を含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構造及び方法によれば、テーパを利用することにより焼きばめをしなくとも圧入により適切なしめしろを確保することができ、かつ、CFRP製のシュリンクリングの内周面は保護スリーブにより保護されているため、圧入時に加わる応力によりシュリンクリングの内周面の繊維が傷つくことがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態にかかる永久磁石型回転電機のロータの構造及びその製造方法を説明する。
【0010】
第1の実施の形態:
図1は第1の実施の形態にかかる永久磁石型回転電機のロータの縦断正面図、図2は図1のB−B断面を示す。第1の実施の形態のロータは、これらの図に示されるように、軸方向の中間部分が所定のテーパを有する円錐台状に形成され、両端部が円柱状に形成された回転軸10と、回転軸10の中間部の外周に嵌合し、外周部分が所定のテーパを有する円錐台筒状の永久磁石20と、外周が円筒面をなし、永久磁石の外周に所定のしめしろをもって圧入されるCFRP製のシュリンクリング30と、シュリンクリング30の内周面に設けられ、内周が永久磁石20の外周に対応したテーパを有する金属製の保護スリーブ31と、永久磁石20及びシュリンクリング30を軸方向の両側から押さえるよう回転軸10に固定された一対のバランス板40、41とを備える。
【0011】
永久磁石20は、図2に示すように周方向に分割された2つの部材から構成され、その間にスペーサ21がはめ合わされている。永久磁石20とスペーサ21とは、組み合わされた状態で全体として円錐台形状を形成しており、回転軸10と保護スリーブ31との間に設けられている。
シュリンクリング30は、永久磁石20とスペーサ21とで形成される円錐台の外周面に対し、図1に示す正規の装着位置で保護スリーブ31を介して所定のしめしろを有するような内径を持つ。
【0012】
シュリンクリング30の外周面は軸方向の位置によって径が変化しない円筒面であり、保護スリーブ31の内周面は円錐台状の面である。
第1の実施の形態では、保護スリーブ31の肉厚を一定とし、シュリンクリング30の肉厚が軸方向の位置に応じて変化するように設定することにより、上記の関係を実現している。
【0013】
上記の構成によれば、回転軸10と永久磁石20との間、永久磁石20と保護スリーブ31が設けられたシュリンクリング30との間がそれぞれテーパ面を介して接触することを利用して、永久磁石20とスペーサ21で形成される円錐台の外周面に、保護スリーブ31が設けられた、しめしろを有するシュリンクリング30を圧入することが可能であり、この圧入によりこれらの構成部材の間を強固に固定することができる。
【0014】
なお、保護スリーブ31は、実際にはシュリンクリング30との相対的な肉厚が図示されるより薄く、シュリンクリング30より強度が小さい。
従って、シュリンクリング30を圧入する際にはシュリンクリング30の変形に伴って変形する。
【0015】
次に、本発明のロータの製造工程について説明する。
まず、第1工程では、回転軸10の大径側の一端に一方のバランス板41を外嵌めして組み付け治具に固定する。
第2工程では、永久磁石20とスペーサ21とを組み合わせて形成される円錐台筒状の部材を、その大径側を先にして回転軸10のバランス板41を固定していない小径側から挿入する。
【0016】
第3工程では、シュリンクリング30に保護スリーブ31を設けた状態で、その大径側を先にして回転軸の小径側から永久磁石20及びスペーサ21の外周に外嵌めして圧入し、軸方向の所定位置まで移動させる。
このとき、保護スリーブ31が設けられていないと、圧入時に永久磁石20の外周面との接触によりFRP製のシュリンクリング30の内周面の繊維が傷つき、強度が低下する可能性がある。保護スリーブ31を設けることにより、永久磁石20とシュリンクリング30とが直接接触するのを避け、内周面の繊維が傷つくのを防ぐことができる。
【0017】
第4工程では、回転軸10の小径側に他方のバランス板41を外嵌めする。これにより、永久磁石20及びスペーサ21とシュリンクリング30とが、2枚のバランス板40、41の間で挟み込まれて軸方向の位置が固定される。
【0018】
第2の実施の形態:
図3は、第2の実施の形態にかかる永久磁石型回転電機のロータの縦断正面図である。概略構成は第1の実施の形態と同様であり、回転軸10の外周に永久磁石20、スペーサ(図示せず)が配置され、その周囲を内周面に保護スリーブ31aが設けられたシュリンクリング30aが覆っている。
この例でも、シュリンクリング30aの外周面は軸方向の位置によって径が変化しない円筒面であり、保護スリーブ31aの内周面は円錐台状の面である。
ただし、第2の実施の形態では、シュリンクリング30aを肉厚が一定の円筒形状とし、保護スリーブ31aの肉厚が軸方向の位置に応じて変化するよう設定することにより、上記の関係を実現している。
【0019】
上記の構成による場合にも、回転軸10と永久磁石20との間、永久磁石20と保護スリーブ31aが設けられたシュリンクリング30aとの間がそれぞれテーパ面を介して接触することを利用して、永久磁石20とスペーサ(図示せず)で形成される円錐台の外周面に、保護スリーブ31aが設けられた、しめしろを有するシュリンクリング30aを圧入することが可能であり、この圧入によりこれらの構成部材の間を強固に固定することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の構成、方法によれば、テーパ面を介して接触させることにより、回転軸と永久磁石との間、そして永久磁石とシュリンクリングとの間に適切なしめしろを確保することができる。
従って、焼きばめができないCFRP製のシュリンクリングを用いた場合にも、永久磁石を回転軸に対して強固に固定することができ、渦電流損失が小さく、かつ、永久磁石が回転軸に対して強固に固定されたロータを提供することができる。また、シュリンクリングの内周面には保護スリーブが設けられているため、シュリンクリングの圧入時、永久磁石との接触によりCFRP製のシュリンクリングの内周面の繊維が傷つくのを防ぎ、シュリンクリングの強度の低下を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる永久磁石型回転電機のロータの縦断正面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる永久磁石型回転電機のロータの縦断正面図である。
【図4】従来の永久磁石型回転電機のロータの縦断正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【符号の説明】
10:回転軸
20:永久磁石
30、30a:シュリンクリング
31、31a:保護スリーブ
40、41:バランス板

Claims (2)

  1. 軸方向の中間部分が軸方向の全長に亘って所定のテーパを有する円錐台状に形成された回転軸と、
    該回転軸の中間部の外周に嵌合し、内周及び外周部分が軸方向の全長に亘って所定のテーパを有する円錐台筒状の永久磁石と、
    外周が円筒面をなし、前記永久磁石の外周に所定のしめしろをもって圧入される繊維強化プラスチック製のシュリンクリングと、
    該シュリンクリングの内周面に設けられ、内周が前記永久磁石の外周に対応したテーパを有する金属製の保護スリーブと、
    前記永久磁石及び前記シュリンクリングを軸方向の両側から押さえるように前記回転軸に固定された一対のバランス板とを備えることで、
    前記シュリンクリングの外周面を軸方向の全長に亘って同一の径となるように構成したことを特徴とする永久磁石型回転電機のロータ。
  2. 請求項1に記載の永久磁石型回転電機のロータの製造方法において、
    前記回転軸の大径側に前記バランス板の一方を固定し、該回転軸の小径側から前記永久磁石を挿入し、前記シュリンクリング内に前記保護スリーブを設け、該保護スリーブを設けた状態で前記シュリンクリングを前記回転軸の小径側から前記永久磁石の外周に圧入し、前記回転軸の小径側に前記バランス板の他方を固定する各工程を含むことを特徴とする永久磁石型回転電機のロータ製造方法。
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