JP2007318889A - ロータのリング磁石固定構造及び電動パワーステアリング用モータ - Google Patents

ロータのリング磁石固定構造及び電動パワーステアリング用モータ Download PDF

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Abstract

【課題】モータに代表される回転機の性能を向上することが可能なロータのリング磁石固定構造及び電動パワーステアリング用モータの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のリング磁石固定構造によれば、接着剤が固化する迄の間、芯出しスリーブ25によりロータシャフト21とリング磁石23とを芯出し状態に保持することができ、ロータシャフト21とリング磁石23とが芯出しされたロータ20を製造することができる。このロータ20を備えたモータ10では、ステータ11とのエアギャップ28を周方向で均一にすることができ、モータ10の磁気特性(コギングトルクやトルクリップル等)を向上させることができる。また、エアギャップ28を最小限に狭めてモータ10の小型化が可能になる。さらに、このモータ10を電動パワーステアリング装置用のモータとして用いることにより、車両の操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータシャフトとリング磁石とを固定したロータのリング磁石固定構造及び電動パワーステアリング用モータに関する。
従来は、ロータシャフトの外周面とリング磁石の内周面との間の筒状隙間に接着剤を充填して、それらロータシャフトとリング磁石とを固定していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−135426号公報(段落[0014]、図1)
ところが、上述した従来のリング磁石固定構造では、接着剤が固化する迄の間にロータシャフトがリング磁石内で移動して互いの軸心がずれ、そのまま固定される虞があった。ロータシャフトとリング磁石の軸心がずれていると、ロータの外側に配されたステータとのエアギャップが周方向で不均一となり、回転機の磁気特性(コギングトルクやトルクリップル等)が悪化する。また、軸心がずれて固定された場合に備えてエアギャップに余裕を持たせておく必要があり、回転機の小型化が困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、モータに代表される回転機の性能を向上することが可能なロータのリング磁石固定構造及び電動パワーステアリング用モータの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造は、回転機(10)に備えたロータシャフト(21,121)の外周面とリング磁石(23,123)の内周面との間の筒状隙間(29,129)に接着剤(27)又は熱可塑性樹脂を充填してそれらロータシャフト(21,121)とリング磁石(23,123)とを固定したロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造において、ロータシャフト(21,121)の外周面の周方向における複数位置から突出した複数の第1凸部(22A)と、リング磁石(23,123)の内周面の周方向における複数位置から突出し、隣り合った第1凸部(22A)同士の間に配置された複数の第2凸部(24A)と、環状をなして筒状隙間(29,129)に収容され、第1凸部(22A)及び第2凸部(24A)が押し付けられることで、その弾発力により筒状隙間(29,129)に充填された接着剤(27)又は熱可塑性樹脂が固化する迄の間に、ロータシャフト(21,121)とリング磁石(23,123)とを芯出しする芯出しスリーブ(25,125,225,325)とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造において、第1凸部(22A)は、ロータシャフト(21,121)の周方向に均等配置されると共に、第2凸部(24A)は、リング磁石(23,123)の周方向に均等配置され、筒状隙間(29,129)の周方向に沿って第1凸部(22A)と第2凸部(24A)とが交互に並べられたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造において、隣り合った第1凸部(22A)の間に、各第2凸部(24A)が突入しているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造において、リング磁石(23,123)は、周方向に沿って第2凸部(24A)毎に磁極が交互に反転するように着磁されたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のロータ(120)のリング磁石固定構造において、芯出しスリーブ(125)は、形状記憶合金又は形状記憶樹脂で構成されたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のロータ(220)のリング磁石固定構造において、芯出しスリーブ(225)は筒状をなすと共に、芯出しスリーブ(225)には、その軸方向に延び、かつ、芯出しスリーブ(225)の全体に比べて強度が低い帯形塑性変形部(225B)が周方向に複数形成され、芯出しスリーブ(225)のうち帯形塑性変形部(225B)を挟んだ両側部分が、相反する方向にずれて帯形塑性変形部(225B)を塑性変形させたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項6に記載のロータ(220)のリング磁石固定構造において、帯形塑性変形部(225B)は、芯出しスリーブ(225)の軸方向に複数のスリット(230)を横並びに形成してなるところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のロータ(20)のリング磁石固定構造において、芯出しスリーブ(25)は、ゴム製であるところに特徴を有する。
請求項9の発明に係る電動パワーステアリング用モータ(10)は、請求項1乃至8の何れかに記載のロータ(20,120,220)のリング磁石固定構造を有するロータ(20,120,220)を備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、芯出しスリーブによってロータシャフトとリング磁石の芯出しを行うことができる。そして、このロータを備えた回転機では、ステータとのエアギャップを周方向でほぼ均一にすることができ、磁気特性(コギングトルクやトルクリップル等)を向上させることができる。また、従来のようにステータとのエアギャップに余裕を持たせる必要も無くなるから、エアギャップを最小限に狭めて回転機の小型化が可能になる。
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、芯出しスリーブにはロータシャフトの第1凸部とリング磁石の第2凸部とが周方向で交互に突き当てられる。そして芯出しスリーブは、ロータシャフトに対して、その軸心に向かう放射状内向きの弾発力を付与する一方、リング磁石に対して、その軸心を中心とした放射状外向きの弾発力を付与する。これら弾発力によりロータシャフトとリング磁石とが芯出し状態に位置決めされる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、芯出しスリーブが第1凸部と第2凸部とに交互に押されて、筒状隙間の周方向で蛇行した形状に変形する。そして、接着剤又は熱可塑性樹脂が固化する迄の間、ロータシャフトとリング磁石の相対回転を防ぐことができる。また、接着剤又は熱可塑性樹脂が剥がれた場合にも、リング磁石の相対回転を防ぐことができる。
[請求項4の発明]
リング磁石のうち隣り合う第2凸部に挟まれて相対的に凹所となった部分は、比較的薄肉になるため、仮に、リング磁石に過剰な力がかかった場合には、この凹所が、その他の部分に比較して割れや亀裂が起こる可能性が高い。これに対し、請求項4の発明によれば、第2凸部の間の凹所は、相反する磁極の境界部になっているから、万が一、この凹所で亀裂や割れが起こっても、ロータの磁束密度分布に与える影響を抑えることができる。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、以下のようにしてロータシャフトとリング磁石の芯出しを行うことができる。即ち、芯出しスリーブを、元の形状である円筒形状から適宜変形させてロータシャフトとリング磁石との間に配置し、その後で所定温度まで加熱すると、芯出しスリーブが元の円筒形状に復元しようとする。このとき、芯出しスリーブにロータシャフトの各第1凸部とリング磁石の各第2凸部とが押し付けられて、ロータシャフトとリング磁石とが芯出しされる。
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、以下のようにしてロータシャフトとリング磁石の芯出しを行うことができる。即ち、芯出しスリーブを、ロータシャフトとリング磁石との間の筒状隙間に挿入しておき、芯出しスリーブのうち帯形塑性変形部を挟んだ両側部分を、相反する方向にずらす。すると、帯形塑性変形部が塑性変形して芯出しスリーブの周長が短縮し、この塑性変形した芯出しスリーブの内周面にロータシャフトの各第1凸部が突き当てられると共に、芯出しスリーブの外周面にリング磁石に備えた各第2凸部が突き当てられる。これにより、芯出しスリーブが筒状隙間内で突っ張り状態になって、芯出しスリーブの弾発力によりロータシャフトとリング磁石とが芯出しされる。ここで、帯形塑性変形部は、芯出しスリーブの軸方向に複数のスリットを横並びに形成した構成でもよい(請求項7の発明)。
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、以下のようにしてロータシャフトとリング磁石の芯出しを行うことができる。即ち、ロータシャフトの外側又はリング磁石の内側に芯出しスリーブを挿入しておき、ロータシャフトとリング磁石の間の筒状隙間に、芯出しスリーブが収容されるように、リング磁石の内側にロータシャフトを挿入する。すると、芯出しスリーブにロータシャフトの各第1凸部とリング磁石の各第2凸部とが押し付けられ、ゴムの弾発力によりロータシャフトとリング磁石とが芯出しされる。
[請求項9の発明]
請求項9の発明に係る電動パワーステアリング用モータは、請求項1乃至8の何れかに記載のロータのリング磁石固定構造を有するロータを備えているので、操舵フィーリングの向上を図ることが可能になる。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1及び図2には、本発明に係る「回転機」としてのEPS(電動パワーステアリング装置)用のブラシレスモータ10(以下、「モータ10」という)の断面図が示されている。図2に示すように、このモータ10のステータ11に備えたステータコア12には、内側に向けて複数(例えば12)のティース13が備えられ、それら隣り合ったティース13,13同士の間がスロット14になっている。そして、各ティース13に巻回されたコイル15が、スロット14内に収まっている。
一方、モータ10のロータ20に備えたロータシャフト21は、全体として円柱体構造をなしており、例えば複数の珪素鋼板を積層してなる。また、図1に示すように、ロータシャフト21の軸方向における中間部分は、両端部分に対して段付き状に拡径した大径部21Sとなっている。
大径部21Sの外周面には、図4(B)に示すように周方向に沿って複数(例えば14)の第1凸部22Aが均等配置されている。各第1凸部22Aは、ロータシャフト21の径方向外側に向かって緩やかに隆起した山形状をなし、隣り合った第1凸部22Aの間部分が相対的に凹んで第1凹部22Bになっている。図1に示すように、大径部21Sの外側には、後述する芯出しスリーブ25を挟んでリング磁石23が固定されている。
リング磁石23は、例えば、希土類焼結材の磁性体であって全体として円筒状をなしている。図4(A)に示すように、リング磁石23の外周面は滑らかな円弧面で構成されている。これに対し、リング磁石23の内周面には、周方向に沿って複数(例えば14)の第2凸部24Aが均等配置されている。各第2凸部24Aは、リング磁石23の径方向内側に向かって円弧状に膨出した形状をなし、隣り合った第2凸部24A同士の間が相対的に凹んで第2凹部24Bになっている。
リング磁石23は、周方向に沿って第2凸部24A毎に磁極が交互に反転するように着磁されている。即ち、ロータ20の径方向の内外に向かってNS極となった部位と、逆にSN極になった部位とがリング磁石23の周方向に交互に設けられた14極構造になっている。リング磁石23の各第2凹部24Bのうち、隣り合った2つの第2凸部24Aの中間部分であってリング磁石23のうちで最も薄肉な部分は、相反する磁極の境界部になっている。このような構成としたことで、万が一、この薄肉な部分で割れや亀裂が起きてもロータ20の磁束密度分布に与える影響が抑えられる。
ここで、リング磁石23の軸心Qmから第2凸部24Aの頂点までの長さLm(図4(A)を参照)は、ロータシャフト21の軸心Qsから第1凸部22Aの頂点までの長さLs(図4(B)を参照)よりも短くなっている。即ち、図3に示すように、ロータシャフト21の各第1凸部22Aは、リング磁石23の各第2凹部24Bに突入しており、リング磁石23の各第2凸部24Aはロータシャフト21の各第1凹部22Bに突入している。これによりロータシャフト21とリング磁石23との間には、周方向で蛇行した形状の筒状隙間29が形成されている。
さて、筒状隙間29には、ロータ20の軸方向に延びた筒状の芯出しスリーブ25が嵌合されている。芯出しスリーブ25は例えばゴム製であって、外部から力を受けていない状態では、周方向における肉厚が一定の円筒状をなしているが、ロータ20に組み付けられた状態では、図3に示すように筒状隙間29の蛇行形状に応じて周方向で蛇行した筒状に弾性変形している。即ち、芯出しスリーブ25のうち、ロータシャフト21の第1凸部22Aが押し付けられた部分はそれぞれ径方向外側に弾性変形しており、リング磁石23の第2凸部24Aが押し付けられた部分はそれぞれ径方向内側に弾性変形している。そしてロータシャフト21とリング磁石23は、この芯出しスリーブ25を挟んだ状態で、例えば接着剤により一体に固定されている。
本実施形態のモータ10の構造は以上であって、次にロータ20及びモータ10の製造方法について説明する。ロータ20を製造するには、ロータシャフト21の大径部21S外周面に接着剤を塗布してから、芯出しスリーブ25を大径部21Sの外側に嵌合する。次に、芯出しスリーブ25の外周面に接着剤を塗布し、その芯出しスリーブ25の外側にリング磁石23を圧入する。すると、芯出しスリーブ25が筒状隙間29内で前記蛇行形状に弾性変形すると共に、接着剤がロータシャフト21と芯出しスリーブ25との間及び、芯出しスリーブ25とリング磁石23との間の全体に行き渡り、筒状隙間29が芯出しスリーブ25と接着剤とで塞がれる。このとき、芯出しスリーブ25の周方向における肉厚はほぼ均一になっている。この状態で、ロータ20を放置又は加熱して接着剤を固化させれば、ロータシャフト21とリング磁石23とが芯出し状態で一体に固定される。以上でロータ20は完成である。
さらに、図1に示すようにモータハウジング16に収容されたステータ11内に、ロータ20を挿入すると共に、ロータシャフト21を図示しないベアリングにて軸支して、モータ10が完成する。
ところで、接着剤が固化するまでの間、芯出しスリーブ25は、以下のようにしてロータシャフト21とリング磁石23とを芯出し状態に保持している。即ち、図3に示すように、芯出しスリーブ25には、ロータシャフト21の各第1凸部22Aとリング磁石23の各第2凸部24Aとが周方向で交互に押し付けられている。従って、芯出しスリーブ25は、ロータシャフト21に対しては、その軸心Qsに向かう放射状内向きの弾性力F2を付与する一方、リング磁石23に対しては、その軸心Qmを中心とした放射状外向きの弾発力F1を付与する。これらロータ20の径方向を向いた弾発力F1,F2により、ロータシャフト21の軸心Qsとリング磁石23の軸心Qmとが同軸上に位置決め、即ち、芯出し状態に保持される。
このように、本実施形態のリング磁石固定構造によれば、接着剤が固化する迄の間、芯出しスリーブ25によりロータシャフト21とリング磁石23とを芯出し状態に保持することができ、ロータシャフト21とリング磁石23とが芯出しされたロータ20を製造することができる。このロータ20を備えたモータ10では、ステータ11とのエアギャップ28(図1及び図2を参照)を周方向で均一にすることができ、モータ10の磁気特性(コギングトルクやトルクリップル等)を向上させることができる。また、エアギャップ28を最小限に狭めてモータ10の小型化が可能になる。さらに、ロータシャフト21とリング磁石23に挟まれた芯出しスリーブ25の肉厚が、周方向でほぼ均一になっているから、リング磁石23に偏った応力がかかって割れや亀裂が発生するのを防止できる。しかも、このモータ10を電動パワーステアリング装置用のモータとして用いることにより、車両の操舵フィーリングの向上を図ることができる。
[第2実施形態]
図5に示すように、本実施形態のロータ120のうち、ロータシャフト121は、外周面の周方向に例えば8つの角張った第1凸部22Aを均等配置した構造をなしている。各第1凸部22Aの頂点は直角に尖っており、周方向で隣り合った第1凸部22Aの間が第1凹部22Bになっている。
一方、リング磁石123の内周面には、ロータシャフト121の外面形状に対応した凹凸が形成されている。即ち、リング磁石123の周方向に例えば8つの角張った第2凸部24Aが均等配置され、それら周方向で隣り合った第2凸部24Aの間が第2凹部24Bとなっている。
また、第1実施形態と同様に、第1凸部22Aはリング磁石123の第2凹部24Bに突入し、第2凸部24Aはロータシャフト121の第1凹部22Bに突入している。これにより、リング磁石123とロータシャフト121との間には、周方向で蛇行した筒状隙間129が形成されている。この筒状隙間129に芯出しスリーブ125が収容されると共に、接着剤27が充填されてロータシャフト121とリング磁石123とが固着されている。
図5(B)に示すように、芯出しスリーブ125は、筒状隙間129の幅よりも薄肉な筒形をなし、ロータシャフト121の各第1凸部22Aとリング磁石123の各第2凸部24Aの各頂点が押し付けられて周方向で蛇行している。
ここで、本実施形態の芯出しスリーブ125は形状記憶合金で構成されており、元の形状として円筒形が記憶されている。この円筒形の外径は、リング磁石123の最小内径L1(軸心を挟んで対向した第2凸部24A,24A間の直線距離)よりも大径であり、内径はロータシャフト21の最大外径L2(軸心を挟んで対向した第1凸部22A,22A間の直線距離)よりも小径となっている。芯出しスリーブ125は、例えば、常温において外部から力を加えることで自在に変形させることができ、加熱して所定温度以上にすると元の円筒形に復元する。その他の構成については上記第1実施形態と同じである。
本実施形態のロータ120は以下のようにして製造される。まず、リング磁石123の内側又はロータシャフト121の外側に芯出しスリーブ125を挿入しておく。次いで、ロータシャフト121をリング磁石123の内側に挿入してリング磁石123とロータシャフト121との間の隙間に芯出しスリーブ125を収容する。このとき、芯出しスリーブ125は、元の形状である円筒形から適宜変形させることが可能だから、リング磁石123へのロータシャフト121の挿入作業を比較的容易に行うことができる。また、この時点で芯出しスリーブ125は、図5(A)に示すように、ロータシャフト121とリング磁石123との間の隙間で弛んでいても構わない。
次に、ロータ120に熱を加えて、芯出しスリーブ125を所定温度以上にする。すると芯出しスリーブ125が元の形状である円筒形に復元しようとする。これにより、芯出しスリーブ125には、ロータシャフト121の各第1凸部22Aとリング磁石123の各第2凸部24Aとが突き当てられて、筒状隙間129内で突っ張り状態になる(図5(B)の状態)。そして、ロータシャフト21に対しては、その軸心に向けて放射状内向きの弾発力F2が付与され、リング磁石123に対しては、その軸心を中心とした放射状外向きの弾発力F1が付与される。これら弾発力F1,F2によりリング磁石123とロータシャフト121とが芯出し状態に保持される。
この状態で、筒状隙間29に接着剤27を充填し固化させれば、ロータシャフト121とリング磁石123とが芯出し状態で固定される。
本実施形態によれば、接着剤が固化する迄の間、ロータシャフト121とリング磁石123とが芯出し状態に保持されるから、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。また、筒状隙間129に形成された接着剤27層の厚みが周方向でほぼ均一となるから、リング磁石123に偏った応力がかかって割れや亀裂が発生するのを防止できる。
[第3実施形態]
図6(A)に示すように、本実施形態の芯出しスリーブ225は円筒形状をなし、軸方向全体に延びた帯形塑性変形部225Bを180度間隔を開けた2箇所に備えて、それら両帯形塑性変形部225B,225Bを介して1対の半円筒体部225A,225Aが対向した構造になっている。また、各帯形塑性変形部225Bには、その長手方向に沿って複数のスリット230が貫通形成されている。そして、使用前の芯出しスリーブ225は、図6(A)に示すように、スリット230同士の間に残された複数の接続壁231が、芯出しスリーブ225の周方向に真っ直ぐ延びた状態(以下、大径状態)になっている。この大径状態の芯出しスリーブ225に対し、図6(B)の矢印のように、1対の半円筒体部225A,225Aを相反する軸方向に押圧すると、接続壁231群が芯出しスリーブ225の周方向に対して斜めに傾くように塑性変形して半円筒体部225A,225A同士が近づいた状態(小径状態)になる。詳細には、図7(A)には、大径状態の芯出しスリーブ225を軸方向から見た状態がローターシャフト121と合わせて示されている。この大径状態の芯出しスリーブ225の周長のうち各帯形塑性変形部225Bが占める長さをL1とすると、上記の如く、接続壁231群が斜めに傾くように塑性変形した小径状態では、芯出しスリーブ225の周長のうち各帯形塑性変形部225Bが占める長さがL2になって前記したL1より短くなる。これにより、芯出しスリーブ225は、大径状態から小径状態に縮径変形して周長が短くなる。その他の構成に関しては、第2実施形態と同様である。
本実施形態のロータ220は、以下のようにして製造される。
芯出しスリーブ225を大径状態にしてローターシャフト121とリング磁石123との間の筒状隙間129に挿入する。このとき、芯出しスリーブ225の周長は比較的長くなっているので、図7(B)に示すように筒状隙間129の形状に合わせて容易に変形させることができる。次いで、筒状隙間129内の芯出しスリーブ225における1対の半円筒体部225A,225Aを相反する軸方向に押圧して、芯出しスリーブ225を小径状態にする。これにより、図7(C)に示すように芯出しスリーブ225が筒状隙間129内で突っ張り状態になって、第2実施形態と同様に、リング磁石123とローターシャフト121とが芯出し状態に保持される。本実施形態によっても第2実施形態と同等の効果を奏することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)第1実施形態において芯出しスリーブ25はゴムであったが、弾性を有する材料であればこれに限るものではない。例えば、超弾性合金でもよい。
(2)第2実施形態において芯出しスリーブ125は、形状記憶合金であったが形状記憶樹脂でもよい。
(3)上記第2及び第3実施形態において、筒状隙間129には接着剤の代わりに熱可塑性樹脂を充填してもよい。
(4)上記第1及び第2実施形態において、芯出しスリーブ25,125は、ロータシャフト21,121の軸方向に延びた筒状をなしていたが、外径寸法に対して軸寸法が短い扁平筒状でもよい。この芯出しスリーブ325を用いて芯出しを行う場合には、図8に示すように、複数の芯出しスリーブ325を筒状隙間29に軸方向に並べて配置する。また、ロータシャフト21の外周面には、芯出しスリーブ325が嵌合する環状溝26を形成し、この環状溝26の外周面に複数の第1凸部22Aを形成してもよい。また、筒状隙間29のうち、芯出しスリーブ325,325で挟まれた領域に、接着剤又は熱可塑性樹脂を充填してもよい。
(5)芯出しスリーブは、ゴム、超弾性合金、形状記憶合金又は形状記憶樹脂で構成された線材をリング状にした構造でもよい。
(6)上記第3実施形態において、帯形塑性変形部225B,225Bは軸方向に沿って複数のスリット230を横並びに貫通形成することで、他の部分より強度を低くしていたが、芯出しスリーブ225の肉厚を他の部分より薄くすることで強度を低くした構造でもよい。なお、芯出しスリーブ225は、磁性体金属であることが好ましい。
(7)上記第1〜第3実施形態では、第1凸部22A間に第2凸部24Aが突入した構成となっていたが、第1凸部22A間に第2凸部24Aが突入していない構成としてもよい。
(8)ロータシャフト21,121に形成された第1凸部22Aと、リング磁石23,123に形成された第2凸部24Aとを、ロータ20,120,220の回転軸に対して斜めに延ばした(即ち、スキューを施した)構造としてもよい。
本発明の第1実施形態に係るモータの側面図 モータの平断面図 ロータの平断面図 (A)リング磁石の平断面図、(B)ロータシャフトの平断面図 第2実施形態に係るロータの(A)固定前における平断面図、(B)固定後の平断面図 第3実施形態に係る芯出しスリーブの(A)塑性変形前の斜視図、(B)塑性変形後の斜視図 (A)塑性変形前の芯出しスリーブの平面図、(B)塑性変形前の芯出しスリーブを備えたロータの平断面図、(C)塑性変形後の芯出しスリーブを備えたロータの平断面図 他の実施形態(4)に係るロータの側断面図
符号の説明
10 ブラシレスモータ(回転機)
20,120,220 ロータ
21,121 ロータシャフト
22A 第1凸部
23,123 リング磁石
24A 第2凸部
25,125,225,325 芯出しスリーブ
27 接着剤
29,129 筒状隙間
225B 帯形塑性変形部
230 スリット

Claims (9)

  1. 回転機に備えたロータシャフトの外周面とリング磁石の内周面との間の筒状隙間に接着剤又は熱可塑性樹脂を充填してそれら前記ロータシャフトと前記リング磁石とを固定したロータのリング磁石固定構造において、
    前記ロータシャフトの外周面の周方向における複数位置から突出した複数の第1凸部と、
    前記リング磁石の内周面の周方向における複数位置から突出し、隣り合った第1凸部同士の間に配置された複数の第2凸部と、
    環状をなして前記筒状隙間に収容され、前記第1凸部及び前記第2凸部が押し付けられることで、その弾発力により前記筒状隙間に充填された前記接着剤又は前記熱可塑性樹脂が固化する迄の間に、前記ロータシャフトと前記リング磁石とを芯出しする芯出しスリーブとを備えたことを特徴とするロータのリング磁石固定構造。
  2. 前記第1凸部は、前記ロータシャフトの周方向に均等配置されると共に、前記第2凸部は、前記リング磁石の周方向に均等配置され、前記筒状隙間の周方向に沿って前記第1凸部と前記第2凸部とが交互に並べられたことを特徴とする請求項1に記載のロータのリング磁石固定構造。
  3. 前記隣り合った前記第1凸部の間に、前記各第2凸部が突入していることを特徴とする請求項2に記載のロータのリング磁石固定構造。
  4. 前記リング磁石は、周方向に沿って前記第2凸部毎に磁極が交互に反転するように着磁されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のロータのリング磁石固定構造。
  5. 前記芯出しスリーブは、形状記憶合金又は形状記憶樹脂で構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のロータのリング磁石固定構造。
  6. 前記芯出しスリーブは筒状をなすと共に、前記芯出しスリーブには、その軸方向に延び、かつ、前記芯出しスリーブの全体に比べて強度が低い帯形塑性変形部が周方向に複数形成され、前記芯出しスリーブのうち前記帯形塑性変形部を挟んだ両側部分が、相反する方向にずれて前記帯形塑性変形部を塑性変形させたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のロータのリング磁石固定構造。
  7. 前記帯形塑性変形部は、前記芯出しスリーブの軸方向に複数のスリットを横並びに形成してなることを特徴とする請求項6に記載のロータのリング磁石固定構造。
  8. 前記芯出しスリーブは、ゴム製であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のロータのリング磁石固定構造。
  9. 前記請求項1乃至8の何れかに記載のロータのリング磁石固定構造を有するロータを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング用モータ。
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