JP4171886B2 - キャリッジ速度制御装置、該キャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置、キャリッジ速度制御プログラム - Google Patents

キャリッジ速度制御装置、該キャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置、キャリッジ速度制御プログラム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、そのキャリッジを走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源とを備えた液体噴射装置において、キャリッジ駆動力源を制御してキャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置、該キャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置、及びキャリッジ速度制御プログラムに関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式プリンタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0003】
【従来の技術】
被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の一例として、記録ヘッドから記録紙等の被記録材にインクを噴射して記録を実行するインクジェット式記録装置が公知である。インクジェット式記録装置は、一般的に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドを主走査方向に往復動させるためのキャリッジを備えている。記録ヘッドを搭載したキャリッジは、キャリッジガイド軸等のガイド部材に対して主走査方向に往復動可能に軸支されており、DCモータやステッピング・モータ等の回転駆動力源によって駆動される。そして、インクジェット式記録装置は、この回転駆動力源を制御してキャリッジを所定のタイミングで駆動して主走査方向に往復動させるとともに、そのキャリッジの往復動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置を備えている。インクジェット式記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復動させることによって記録ヘッドが被記録材の記録面を主走査方向に走査し、その間に記録ヘッドからインクを噴射することで被記録材の記録面にインクドットを形成する。そして、このキャリッジの往復動動作と、被記録材を所定の搬送量で副走査方向に搬送する動作とを交互に繰り返すことによって被記録材の記録面に記録を実行していく。
【0004】
ところで、液体噴射装置は、被噴射材の液体噴射面に液体噴射ヘッドから液体を噴射する際に、噴射する液体の量や特性によっては、霧状の液体が液体噴射ヘッド近傍に浮遊する現象が発生する場合がある。例えば、前述したインクジェット式記録装置においては、記録ヘッドのヘッド面に配設されている各ノズルアレイから噴射するインクの量や特性によっては、霧状のインク、いわゆるインクミストが発生する。このインクミストは、空中を浮遊し、被記録材の記録面に付着して記録画質を低下させる要因になったり、被記録材の裏面に付着して被記録材の裏面を汚したりするという問題を引き起こす。また、近年のインクジェット式記録装置は、記録画質を向上させるために数ピコリットルと極めて微量なインク滴を記録ヘッドのヘッド面に配列されている各ノズルアレイから噴射してインクドットを形成するので、インクが霧状になり易くインクミストの発生量が増加する傾向にあり、インクミストによって引き起こされる問題が顕著に現れるようになってきてしまった。
【0005】
また、インクミストは、被記録材に付着して被記録材を汚すだけでなく、キャリッジを軸支しているキャリッジガイド軸にも付着して問題を引き起こす。つまり、キャリッジガイド軸にインクミストが付着し、付着したインクミストによってキャリッジとキャリッジガイド軸との摺接部分の摺動抵抗が大きくなってしまうという問題も引き起こす。キャリッジとキャリッジガイド軸との摺接部分の摺動抵抗が大きくなると、キャリッジの往復動がスムーズに行えなくなってインク噴射精度が低下し、記録画質が大きく低下する虞がある。特に、キャリッジガイド軸等にインクミストが付着した状態で周囲の温度が低下すると、その付着したインクミストによるキャリッジの摺動抵抗が急に増大する傾向があり、キャリッジが動かなくなってしまう虞もある。
【0006】
このような問題を解決するための従来技術の一例としては、例えば、キャリッジを駆動する回転駆動力源(キャリッジモータ)に流れる平均電流を演算し、その平均電流が規定電流を超えた時点でキャリッジを強制停止するキャリッジ制御装置が挙げられる(特許文献1参照)。これは、キャリッジを一定の速度で移動させるべくキャリッジモータを駆動すると、キャリッジの摺動抵抗の増大に伴ってキャリッジモータに流れる電流が増加していくので、その電流が一定の電流値を超えた場合に、つまり、インクジェット式記録装置等の液体噴射装置において、キャリッジがヘッドクリーニングレバーに接触した場合等によって一時的な過負荷がキャリッジに加わり、キャリッジの摺動負荷が一定の大きさを超えた場合に、キャリッジモータを停止させてキャリッジを強制停止するものである。この特許文献1に開示されている従来技術によれば、例えば、インクジェット式記録装置において、キャリッジガイド軸に付着したインクミストやキャリッジの摺接部分の経年変化によってキャリッジの摺動抵抗が大きくなり、キャリッジを一定の速度でスムーズに駆動できなくなった場合に、キャリッジを強制停止させて記録画質の低下を防止することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−335037号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の高画質な記録を高速に実行するインクジェット式記録装置においては、上述したように、高い記録画質を実現するために記録ヘッドのヘッド面に配列されている各ノズルアレイから噴射するインク滴が非常に微量であることからインクミストが多く発生しやすい。また、高速に記録を実行するためにキャリッジを高速に往復動させるので、キャリッジをスムーズに往復動させることが可能なキャリッジの摺動抵抗の許容範囲が狭くなってしまう。そのため、一般的なインクジェット式記録装置が寿命となる使用年数を経過する前に、インクミストや経年変化等によってキャリッジの摺動抵抗が許容範囲を超えてキャリッジが強制停止してしまうことが頻発する状態になって、まともに記録を実行できない状態になってしまう虞があり、インクジェット式記録装置が寿命となる使用年数が極めて短くなってしまう虞があった。また、キャリッジモータを本来のインクジェット式記録装置として適切なスペックを大幅に超える高トルクで大型なものにすれば、キャリッジの摺動抵抗の許容範囲が広くなるが、インクジェット式記録装置のコストを大幅に上昇させることになり、コストパフォーマンスも悪くなるという問題が生じる。そして、これらの課題は、インクジェット式記録装置に限らず、極めて微量な液体滴を液体噴射ヘッドから噴射して高精度かつ高速な液体噴射を実行する液体噴射装置においても生じる課題であると言える。
【0009】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、高精度かつ高速な液体噴射が実行可能な液体噴射装置において、液体噴射時に発生する霧状の液体や経年変化によるキャリッジの摺動抵抗の増加による液体噴射精度の低下を防止するとともに、寿命となる使用年数を長くすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願発明の第1の態様は、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置であって、前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手段と、該負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合に、前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御する減速制御手段とを有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0011】
キャリッジガイド軸等のガイド部材に往復動可能に軸支されているキャリッジが、キャリッジ駆動力源の駆動力によって往復動する際には、摺動抵抗、つまりキャリッジとガイド部材との摺接部分に生じる摩擦抵抗によってキャリッジ駆動力源に負荷が掛かることになる。この摺動抵抗が大きいとキャリッジをスムーズに往復動させることが困難になるが、キャリッジの往復動速度によってこの摺動抵抗の限界値は異なってくる。つまり、キャリッジ駆動力源のトルク性能には限界があるので、キャリッジをスムーズに往復動させることが可能なキャリッジ速度の限界速度は、キャリッジの摺動抵抗が小さくなるほど高速になり、キャリッジの摺動抵抗が大きくなるほど低速になる。したがって、ある一定の速度でキャリッジを往復動させて液体噴射を実行している間に、キャリッジの摺動抵抗によるキャリッジ駆動力源の負荷を検出し、その負荷が一定の負荷を超えた場合には、つまり、例えば前述したインクミスト等の要因によって摺動負荷が大きくなってキャリッジをスムーズに往復動させることが困難になり、液体噴射精度が大幅に低下する虞が生じた場合には、一定の速度で往復動していたキャリッジの往復動速度を低い速度にすることによって、キャリッジをスムーズに往復動させることが可能になる。
【0012】
このように、キャリッジとガイド部材との間の摺動負荷が大きくなってキャリッジをスムーズに往復動させることが困難になり、液体噴射精度が大幅に低下する虞が生じる場合には、キャリッジを強制停止させずに一定の速度で往復動していたキャリッジの往復動速度を低い速度に減速制御して液体噴射を実行することによって、キャリッジをスムーズに往復動させて液体噴射を実行することが可能になるので、高精度かつ高速な液体噴射が実行可能なインクジェット式記録装置等の液体噴射装置において、液体噴射時に発生する霧状の液体や経年変化によるキャリッジの摺動抵抗の増加による液体噴射精度の低下を防止することができるとともに、キャリッジ駆動力源を大型化することなく液体噴射装置の寿命となる使用年数を長くすることができるという作用効果が得られる。
【0013】
尚、インクミスト等の霧状に浮遊する液体や経年変化によるキャリッジの摺動抵抗の増加は、少しずつ増加していくので、キャリッジを減速制御する際のキャリッジ速度は、負荷検出手段にて検出した負荷でスムーズにキャリッジを往復動させることが可能な範囲において、可能な限り速い速度に設定することが好ましく、それによって、減速制御による液体噴射実行のスループットの低下を最小限にすることができ、減速制御した際に感じるキャリッジ速度の低下も目立たない程度に小さくすることができる。
【0014】
本願発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記キャリッジ駆動力源は、直流電動機であって、前記負荷検出手段は、前記キャリッジの摺動速度に対する前記直流電動機の電流値から前記直流電動機の負荷を検出する構成を成している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0015】
制御用電動機として非常に優れた特性を有する直流電動機(DCモータ)は、発生トルクと電流値との関係が比例関係にあるので、DCモータを一定の速度で回転制御してキャリッジを所定の速度で駆動している状態においては、キャリッジとガイド部材との間の摺動負荷が大きくなるにしたがって、キャリッジを一定の速度で駆動するために大きな発生トルクが必要になり、DCモータに流れる電流値が大きくなっていく。一方、DCモータは、発生トルクと回転数との関係が反比例関係にあるので、駆動電圧が一定である限りにおいては、発生トルクが大きくなればなるほど、DCモータの回転数は減少していくことになる。したがって、DCモータは、一定の回転数における発生トルクに限界があることになる。そこで、所定の速度でキャリッジを駆動している状態において、DCモータに流れる電流値から発生トルクを検出し、つまり、DCモータの負荷を検出し、検出したDCモータの負荷が一定の負荷を超えた場合に、減速制御手段にてキャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御して液体噴射を実行することによって、キャリッジをスムーズに往復動させて液体噴射を実行することが可能になる。
【0016】
本願発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、往復動する前記キャリッジの一往復動作毎に、前記負荷検出手段によって前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0017】
このように、キャリッジの一往復動作毎に、キャリッジの摺動抵抗によるキャリッジ駆動力源の負荷を検出するので、キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた状態をいち早く検出することができ、キャリッジの摺動抵抗の増加による液体噴射精度の低下が生じる前に、いち早く減速制御手段にてキャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御することができるという作用効果が得られる。
【0018】
本願発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段によって検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、液体噴射実行中の被噴射材への液体噴射を終えた後、次の被噴射材への液体噴射実行時から前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0019】
液体噴射実行途中に減速手段にてキャリッジ速度を減速すると、減速前と減速後との速度差によっては、キャリッジ速度を減速した部分の液体噴射精度が部分的に低下する虞がある。そのような場合には、そのままのキャリッジ速度にて当該液体噴射中の被噴射材に対する液体噴射を継続し、当該液体噴射中の被噴射材に対する液体噴射終了後、次の被噴射材への液体噴射を開始する時点からキャリッジ速度を減速するようにする。それによって、液体噴射実行途中にキャリッジ速度を減速することによる部分的な液体噴射精度の低下が生じることを防止することができるという作用効果が得られる。
【0020】
本願発明の第5の態様は、前述した第4の態様において、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷以下になっても前記液体噴射装置の電源OFF時まで減速制御を継続する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0021】
例えばインクジェット式記録装置においては、インクミストや経年変化によるキャリッジの摺動抵抗は、インク噴射を実行する度に徐々に増加していく。したがって、ガイド部材の摺接部分に付着したインクミストを除去するか、ガイド部材等を交換する等のメンテナンスを行わない限り、ひとたび一定の値を超えたキャリッジの摺動抵抗が減少することはまずないと考えられるが、周囲の温度等の環境変化によって、わずかにキャリッジの摺動抵抗が増減する可能性はある。そのため、キャリッジの摺動抵抗が減速制御手段にて減速する抵抗値の前後で小さな変動幅で増減を繰り返す可能性があり、それによって、キャリッジ速度を減速したりしなかったりを繰り返して液体噴射精度の低下が生じる虞がある。
【0022】
そこで、キャリッジの摺動抵抗が一定の値を超えてキャリッジ速度を減速した後は、液体噴射装置の電源OFFまで減速制御を維持することによって、キャリッジ速度を減速したりしなかったりを繰り返すことによる液体噴射精度の低下を防止することができるという作用効果が得られる。
【0023】
本願発明の第6の態様は、前述した第1の態様〜第5の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射装置は、液体噴射モードに応じて前記キャリッジの制御速度を段階的に可変設定可能な構成を成しており、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を当該液体噴射実行時の速度より一段階低い速度に減速制御する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0024】
このように、負荷検出手段にて検出したキャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、キャリッジの摺動速度を当該液体噴射実行時の速度より一段階低い速度に減速制御することによって、キャリッジをスムーズに往復動させることが可能な範囲において、キャリッジ速度を段階的に減速させることができる。したがって、減速制御によるキャリッジ速度の低下を最小限にすることが可能になり、減速制御による液体噴射実行のスループットの低下を最小限にすることができるという作用効果が得られる。
【0025】
本願発明の第7の態様は、前述した第1の態様〜第5の態様のいずれかにおいて、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を最低速度に減速制御する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置である。
【0026】
このように、負荷検出手段にて検出したキャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、当該液体噴射実行時のキャリッジ速度に関わらずキャリッジの摺動速度を最低速度に減速制御するので、減速制御手段による減速制御を簡略にすることができるという作用効果が得られる。尚、ここでの最低速度とは、本願発明に係るキャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置において、キャリッジ速度制御装置が選択可能なキャリッジ速度の中で最も低い速度のことである。
【0027】
本願発明の第8の態様は、前述した第1の態様〜第7の態様のいずれかに記載のキャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置である。
本願発明の第8の態様に記載の液体噴射装置によれば、液体噴射装置において、前述した第1の態様〜第7の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0028】
本願発明の第9の態様は、被記録材にインクを噴射する記録ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源と、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記キャリッジ速度制御装置は、前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手段と、該負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合に、前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御する減速制御手段とを有している、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
本願発明の第9の態様に記載のインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
本願発明の第10の態様は、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御をコンピュータに実行させるためのキャリッジ速度制御プログラムであって、前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手順と、前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合に、前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御する減速制御手順とを有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第10の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0030】
本願発明の第11の態様は、前述した第10の態様において、前記キャリッジ駆動力源は、直流電動機であって、前記負荷検出手順は、前記キャリッジの摺動速度に対する前記直流電動機の電流値から前記直流電動機の負荷を演算する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第11の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第2の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第2の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0031】
本願発明の第12の態様は、前述した第10の態様又は第11の態様において、前記負荷検出手順は、往復動する前記キャリッジの一往復動作毎に前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を演算する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第12の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0032】
本願発明の第13の態様は、前述した第12の態様において、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順によって検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、液体噴射実行中の被噴射材への液体噴射を終えた後、次の被噴射材への液体噴射実行時から前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第13の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第4の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第4の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0033】
本願発明の第14の態様は、前述した第13の態様において、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷以下になっても前記液体噴射装置の電源OFF時まで減速制御を継続する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第14の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第5の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第5の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0034】
本願発明の第15の態様は、前述した第10の態様〜第14の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射装置は、液体噴射モードに応じて前記キャリッジの制御速度を段階的に可変設定可能な構成を成しており、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を当該液体噴射実行時の速度より一段階低い速度に減速制御する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第15の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第6の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第6の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0035】
本願発明の第16の態様は、前述した第10の態様〜第14の態様のいずれかにおいて、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を最低速度に減速制御する手順を有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラムである。
本願発明の第16の態様に記載のキャリッジ速度制御プログラムによれば、前述した第7の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このキャリッジ速度制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第7の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係る「液体噴射装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
図1は、本願発明に係る「液体噴射装置」としてのインクジェット式記録装置の要部を示した斜視図であり、図2は要部側面図である。
【0037】
インクジェット式記録装置50には、「被噴射材」としての記録紙Pに記録を実行する手段として、キャリッジ61が本体フレーム1に支持されているキャリッジガイド軸51に軸受部611にて軸支された状態で、主走査方向Xに往復動可能に配設されている。キャリッジ61には、インクカートリッジ61aに充填されている「液体」としてのインクを記録紙Pに所定のインク噴射速度(液体噴射速度)で噴射して記録を行う「液体噴射ヘッド」としての記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップ(液体噴射距離)を規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、キャリッジ61を主走査方向Xに移動させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
【0038】
インクジェット式記録装置50は、記録紙Pを自動給紙するASF(オート・シート・フィーダ)10を搭載している。ASF10は、給紙ローラ57及び給紙トレイ58を備えており、1つの給紙ローラ57で全ての紙幅の記録紙Pに対応可能な構成を成す自動給紙機構である。給紙ローラ57は、回転中心から周面までの長さが一部短くなっている略D形の横断面形状を有しており、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源の回転駆動力によって回転する給紙ローラ回転軸571に一体に軸支されている。給紙トレイ58は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pを底面側から押し上げて給紙ローラ57の周面に付勢する「付勢手段」としてのホッパー581と、給紙トレイ58に積重される記録紙Pの紙幅に合わせて符号Aで示した方向に摺動可能に配設されているガイド部582とを有している。給紙ローラ57の周面には、高摩擦抵抗を有する部材が周設されており、給紙トレイ58に積重された記録紙Pは、ホッパー581によって給紙ローラ57の周面に付勢された記録紙Pの最上位の記録紙が給紙ローラ57の周面に密着した状態で給紙ローラ57の回転方向(符号B)に給紙される構成を成している。
【0039】
記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、図示していないステッピング・モータ等の回転駆動力源によって回転し、搬送駆動ローラ53の回転(符号D)により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送従動ローラホルダ541に軸支された状態で搬送駆動ローラ53に付勢されており、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。また、給紙ローラ57と搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、軸63aを揺動軸として揺動可能に軸支されているレバー631と、レバー631の揺動位置を検出するためのレバー検出部632とを有しており、給紙トレイ58から給紙ローラ57の回転によって給紙された記録紙Pの先端がレバー631を押して符号Cで示した方向に揺動させることによって給紙された記録紙Pが検出される構成を成している。
【0040】
一方、記録された記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転(符号E)により、記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙フレーム2に配設されている排紙従動ローラホルダ561に軸支された状態で排紙駆動ローラ55に付勢されており、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
【0041】
図3は、本願発明に係る「液体噴射装置」としてのインクジェット式記録装置50の要部を模式的に示した平面図である。
【0042】
インクジェット式記録装置50は、主走査方向Xに往復動可能にキャリッジ61を軸支しているキャリッジガイド軸51と平行にリニアスケール67が配置されている。リニアスケール67は、キャリッジ61に搭載されたセンサ66にて検出可能なスリットが多数等間隔に形成されている。センサ66の検出信号は、エンコーダ回路11に入力され、エンコーダ回路11は、センサ66がリニアスケール67のスリットを検出することによって生成されるエンコーダ信号からキャリッジ61の絶対位置と、キャリッジ61の移動方向及び移動速度とを演算して求める。キャリッジ駆動用モータ64の回転駆動力は、無端ベルト65を介してキャリッジ61へ伝達される。キャリッジ駆動用モータ64の回転軸に回転伝達可能に配設されている駆動プーリー641と、従動回転可能に軸支された従動プーリー642との間に主走査方向Xと略平行に張設された無端ベルト65の一部がキャリッジ61の連結部612に連結されており、キャリッジ駆動用モータ64の双方向の回転駆動力によって無端ベルト65が符号Fで示した方向に双方向回転し、それによって、キャリッジ61が主走査方向Xに往復動する。
【0043】
エンコーダ回路11は、演算したキャリッジ61の絶対位置、移動方向、及び移動速度の情報をキャリッジ61の往復動速度を制御する「キャリッジ速度制御装置」としての制御手段を有する制御部1に出力する。制御部1は、エンコーダ回路11が出力するキャリッジ61の絶対位置、移動方向、及び移動速度の情報に基づいて、キャリッジ駆動用モータ64を駆動するモータ駆動回路13を制御して、キャリッジ61を所望の移動方向、移動量、移動速度にて移動させるべくキャリッジ61の駆動制御を行う。キャリッジガイド軸51は、例えば偏心機構等によってキャリッジガイド軸51を平行移動させることによって、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pの記録面との間の距離(いわゆるペーパーギャップ、以下PGとする)、つまり、インク噴射距離(液体噴射距離)を変更する「液体噴射距離変更手段」としてのPG切換手段511を備えている。PG切換手段511は、例えばPG切換機構の切換位置を接点出力する等、設定しているPGの情報を制御部1に出力する手段を有している。制御部1は、PG切換手段511から入力したPGと、エンコーダ回路11から入力したキャリッジ61の移動方向、移動速度、すなわち記録ヘッド62の走査方向、走査速度とに基づいてヘッド駆動回路12を制御して、主走査方向Xに往復動するキャリッジ61によって記録紙Pに対して主走査方向Xに往復走査する記録ヘッド62のノズル列からインクを噴射して記録を実行する。
【0044】
キャリッジ駆動用モータ64は、DCモータ(直流電動機)であり、制御部1は、「キャリッジ速度制御装置」の制御手段として、モータ駆動回路13によるキャリッジ駆動用モータ64の電流値とキャリッジ61の移動速度とから、キャリッジガイド軸51とキャリッジ61の軸受部611との間の摺動負荷によるキャリッジ駆動用モータ64の負荷を検出する「負荷検出手段」と、負荷検出手段にて検出したキャリッジ駆動用モータ64の負荷が一定の負荷を超えた場合に、キャリッジ61の移動速度を所定の速度より低い速度に制御する「減速制御手段」とを有している。
【0045】
前述したように、DCモータは、発生トルクと電流値との関係が比例関係にあるので、キャリッジ駆動用モータ64を一定の速度で回転制御してキャリッジ61を所定の速度で駆動している状態においては、キャリッジ61と、キャリッジ61の「ガイド部材」としてのキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が大きくなるにしたがって、キャリッジ61を一定の速度で駆動するために大きな発生トルクが必要になり、キャリッジ駆動用モータ64に流れる電流値が大きくなっていく。一方、前述したように、DCモータは、発生トルクと回転数との関係が反比例関係にあることから一定の回転数における発生トルクに限界がある。したがって、駆動電圧が一定である限りにおいては、発生トルクが大きくなればなるほど、つまり、キャリッジ61とキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が大きくなればなるほど、キャリッジ駆動用モータ64の駆動回転可能な回転数は減少していくことになり、制御可能なキャリッジ61の移動速度の限界速度が低下していくことになる。そのため、一定のキャリッジ61の移動速度に対して、キャリッジ61とキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が一定の大きさを超えてしまうと、キャリッジ61をその移動速度でスムーズに往復動させることが困難になってしまう。
【0046】
図5は、キャリッジ61の往復動回数に伴うキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクの増加を示したグラフである。
当該グラフは、190cps、225cps、245cps、291cpsの4種類のキャリッジ移動速度毎にキャリッジ61の動作耐久試験を行った結果を示したものである。グラフ横軸のPass数は、キャリッジ61の往復動回数の積算値であり、グラフ縦軸の負荷[gf・cm]は、キャリッジ駆動用モータ64に流れる電流値から求めたキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクである。このように、例えば、いわゆるインクミストと呼ばれる霧状の浮遊インクがキャリッジガイド軸51に付着することによるキャリッジガイド軸51表面の摩擦抵抗の増加や、キャリッジ61の軸受部611の経年変化によるがたつき等によって、キャリッジ61とキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が増大し、それによって、キャリッジ61を一定の移動速度で駆動するために必要なキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクが大きくなっていくことになる。そして、キャリッジ61の移動速度が速いほど、必要なキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクが大きくなる。また、耐久試験後に低温環境で動作させると、必要なキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクは、さらに大きくなる。
【0047】
そこで、負荷検出手段によってキャリッジ駆動用モータ64に流れる電流値からキャリッジ駆動用モータ64の発生トルクを検出し、つまり、キャリッジ駆動用モータ64の負荷を検出し、検出したキャリッジ駆動用モータ64の負荷が一定の負荷を超えた場合に、減速制御手段によってキャリッジ61の移動速度を所定の速度より低い速度に制御して記録を実行する。それによって、インクミストやキャリッジ61の軸受部611の経年変化によるがたつき等によって、キャリッジ61とキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が増大しても、キャリッジ駆動用モータ64が駆動電圧に対する発生トルクの限界を超える前に、その摺動抵抗によるキャリッジ駆動用モータ64の負荷の増加に応じて適切にキャリッジ61の移動速度を減速させることができる。したがって、インクミストや経年変化によってキャリッジ61の摺動抵抗が増加してもキャリッジ61を強制停止させずに、キャリッジ61の移動速度を適切に減速してキャリッジ61をスムーズに往復動させて記録を実行して記録精度の低下を防止することができるので、キャリッジ駆動用モータ64を大型化することなくインクジェット式記録装置50の寿命となる使用年数を長くすることができる。
【0048】
当該実施の形態において、制御部1は、MPU(マイクロ・プロセッシング・ユニット)等で構成されたマイコン制御装置がソフトウェアプログラムを実行することによって実現される制御手段である。次に、本願発明に係る「キャリッジ速度制御プログラム」による制御手順について説明する。
【0049】
図4は、本願発明に係るキャリッジ速度制御プログラムによる制御手順を示したフローチャートである。
まず、記録紙Pに対する印刷(記録)動作ではなく、単にキャリッジ61を定速で(一定の速度で)走行(往復動)させ(ステップS1)、その際のキャリッジ駆動用モータ64の電流値を求める(ステップS2)。そして、その電流値から求められるキャリッジ駆動用モータ64の発生トルク、つまりキャリッジ61の摺動負荷の大きさが定速制御可能な限界値を超えているか否かを判定する(ステップS3)。これによって、記録紙Pに対する記録を実行する前に、キャリッジ61を定速制御可能か否かを判定することができる(負荷検出手順)。尚、キャリッジ61の往復動作の度に負荷検出手順にてキャリッジ駆動用モータ64の負荷を検出するようにすると、摺動負荷の大きさが定速制御可能な限界値を超えたことをいち早く検出することができる。
【0050】
キャリッジ61の摺動負荷の大きさが定速制御可能な限界値を超えていない、つまり、キャリッジ61が定速制御で往復動可能な場合には(ステップS3でNo)、印刷(記録)命令を実行し(ステップS4)、キャリッジ61を定速制御して記録紙Pに対する記録を実行する(ステップS5)。記録実行後、インクジェット式記録装置50の電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS6)、電源OFFされていなければ(ステップS6でNo)、再びステップS2へ戻る。一方、キャリッジ61の摺動負荷の大きさが定速制御可能な限界値を超えている、つまり、キャリッジ61が定速制御で往復動可能でない場合には(ステップS3でYes)、印刷中(記録実行中)か否かを判定し(ステップS7)、記録実行中ならば(ステップS7でYes)、そのまま記録を継続して実行し(ステップS4)、記録実行中でなければ(ステップS7でNo)、キャリッジ61の走行速度を変更(減速)する(ステップS8)。
【0051】
具体的には、例えば定速制御時には225cpsのキャリッジ61の往復動速度を190cpsまで減速する(減速制御手順)。そして、印刷(記録)命令を実行し(ステップS4)、キャリッジ61の往復動速度を減速制御して記録紙Pに対する記録を実行する(ステップS5)。このように、記録実行中には、減速制御を行わないようにすることによって、記録実行中にキャリッジ速度が変化することによる記録画質の局部的な低下が生じる虞を無くすことができる。そして、記録実行後、インクジェット式記録装置50の電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS6)、電源OFFされていなければ(ステップS6でNo)、再びステップS2へ戻る。
【0052】
インクジェット式記録装置50の電源がOFFされた時点で(ステップS6でYes)、キャリッジ61の往復動速度の減速制御がリセットされる(ステップS9)。したがって、キャリッジ61の往復動速度が定速制御可能でない状態となり、キャリッジ61の往復動速度の減速制御が実行された後は、インクジェット式記録装置50の電源がOFFされるまで、キャリッジ61の往復動速度の減速制御が継続して行われることになる。また、当該実施の形態において制御部1は、インクジェット式記録装置50の各印刷モード(記録実行モード)におけるキャリッジ61の往復動速度の定速制御速度として、295cps、245cps、225cps、及び190cpsの4種類のキャリッジ速度制御モードを備えている。減速制御手順によるキャリッジ61の往復動速度の減速制御時には、一律最も低速な190cpsまで減速制御するが、段階的に往復動速度を減速制御するほうが制御手順は複雑になるものの減速制御によるスループットの低下がより少なくなり好ましいと言える。そして、当該実施の形態において制御部1は、記録実行中には減速制御手順を行わないが、負荷検出手順にて一定の負荷を超えるキャリッジ駆動用モータ64の負荷を検出した時点で記録実行中に減速制御手順を実行するようにしても良い。
【0053】
このようにして、キャリッジ61とキャリッジガイド軸51との間の摺動負荷が大きくなってキャリッジ61をスムーズに往復動させることが困難になり、記録精度が大幅に低下する虞が生じる場合には、キャリッジ61を強制停止させずにキャリッジ61の往復動速度を低い速度に減速制御して記録を実行することによって、キャリッジ61をスムーズに往復動させて記録を実行することが可能になる。
【0054】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図である。
【図2】 本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【図3】 本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図である。
【図4】 キャリッジ速度制御手順を示したフローチャートである。
【図5】 キャリッジ駆動用モータの発生トルクを示したグラフである。
【符号の説明】
1 制御部、10 ASF(オート・シート・フィーダ)、11 エンコーダ回路、12 ヘッド駆動回路、13 モータ駆動回路、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙ローラ、58 給紙トレイ、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 紙検出器、64 キャリッジ駆動用モータ、67 リニアスケール、X 主走査方向、Y 副走査方向

Claims (12)

  1. 被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置であって、
    前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手段と、
    該負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合に液体噴射実行中の被噴射材への液体噴射を終えた後、次の被噴射材への液体噴射実行時から前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御し、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷以下になっても前記液体噴射装置の電源OFF時まで減速制御を継続する減速制御手段とを有している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置。
  2. 請求項1において、往復動する前記キャリッジの一往復動作毎に、前記負荷検出手段によって前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置。
  3. 請求項1又は2において、前記キャリッジ駆動力源は、直流電動機であって、前記負荷検出手段は、前記キャリッジの摺動速度に対する前記直流電動機の電流値から前記直流電動機の負荷を検出する構成を成している、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項において、前記液体噴射装置は、液体噴射モードに応じて前記キャリッジの制御速度を段階的に可変設定可能な構成を成しており、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を当該液体噴射実行時の速度より一段階低い速度に減速制御する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項において、前記減速制御手段は、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を最低速度に減速制御する、ことを特徴としたキャリッジ速度制御装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のキャリッジ速度制御装置を備えた液体噴射装置。
  7. 被記録材にインクを噴射する記録ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源と、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御装置とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記キャリッジ速度制御装置は、前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手段と、
    該負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合にインク噴射実行中の被記録材へのインク噴射を終えた後、次の被記録材へのインク噴射実行時から前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御し、前記負荷検出手段にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷以下になっても前記インクジェット式記録装置の電源OFF時まで減速制御を継続する減速制御手段とを有している、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
  8. 被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、ガイド部材に対して所定の走査方向に摺動可能に軸支されているキャリッジと、該キャリッジを前記走査方向に駆動するためのキャリッジ駆動力源とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジ駆動力源を制御して前記キャリッジの摺動速度を所定の速度に制御するキャリッジ速度制御をコンピュータに実行させるためのキャリッジ速度制御プログラムであって、
    前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を検出する負荷検出手順と、
    該負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、液体噴射実行中の被噴射材への液体噴射を終えた後、次の被噴射材への液体噴射実行時から前記キャリッジの摺動速度を所定の速度より低い速度に制御し、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷以下になっても前記液体噴射装置の電源OFF時まで減速制御を継続する減速制御手順とを実行させる、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラム。
  9. 請求項において、前記負荷検出手順は、往復動する前記キャリッジの一往復動作毎に前記キャリッジの摺動抵抗による前記キャリッジ駆動力源の負荷を演算する手順を実行させる、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラム。
  10. 請求項8又は9において、前記キャリッジ駆動力源は、直流電動機であって、前記負荷検出手順は、前記キャリッジの摺動速度に対する前記直流電動機の電流値から前記直流電動機の負荷を演算する手順を実行させる、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラム。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項において、前記液体噴射装置は、液体噴射モードに応じて前記キャリッジの制御速度を段階的に可変設定可能な構成を成しており、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を当該液体噴射実行時の速度より一段階低い速度に減速制御する手順を実行させる、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラム。
  12. 請求項8〜10のいずれか1項において、前記減速制御手順は、前記負荷検出手順にて検出した前記キャリッジ駆動力源の負荷が一定の負荷を超えた場合には、前記キャリッジの摺動速度を最低速度に減速制御する手順を実行させる、ことを特徴としたキャリッジ速度制御プログラム。
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