JP5605986B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装に関する。
インクジェット記録装置には、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、記録媒体の搬送方向に対して直交する方向に往復移動して走査しながら液滴を吐出することで記録を行うシリアルスキャン形式のものがある。また、シリアルスキャン形式とは別に、記録媒体の幅方向の全域に亘って延在する長尺な記録ヘッドが、走査せずに液滴を吐出して記録を行うフルライン形式のインクジェット記録装置もある。このようなインクジェット記録装置には記録ヘッドと記録媒体との間に間隔があり、記録ヘッドから吐出された液滴は記録ヘッドと記録媒体との間の空間を飛翔して、記録媒体に着弾することでインクジェット記録装置により記録が行われる。インクジェット記録装置は、一般に、低騒音、低ランニングコスト、装置の小型化が容易であり、カラー化も容易であることから、プリンタ、複写機、ファクシミリ等へ幅広く採用されている。液滴が吐出されて記録が行われる記録媒体としては、主に紙や、樹脂薄板(OHP用シート等)が用いられている。また、近年では記録媒体の材質に対する要求が多様化し、通常の記録用紙である紙や樹脂薄板などの他に、布、皮、さらには金属などを記録媒体として用いる業務用の記録装置へも使用されるようになっている。
インクジェット記録装置では、記録用紙以外の記録媒体として、例えば樹脂性の薄い記録フィルム等、さらに薄い記録媒体が用いられることがある。このような場合、薄い記録媒体に対して記録を行おうとすると、記録媒体が柔らかい(腰が弱い)ことから、記録媒体を搬送する際に記録媒体にシワが発生することがある。また、ロール紙等が用いられる場合には記録媒体に曲げ癖等が存在することもあり、特に厚く硬い記録媒体に対して記録を行う際には曲げ癖が発生し易い。このように記録面が平らでない記録媒体に対してインクジェット記録装置によって記録を行おうとすると、記録媒体が記録ヘッドに対応した位置に搬送された際には、記録ヘッドと記録媒体とが接触する虞がある。これにより、吐出口周辺に付着したインクが記録媒体に付着し、記録媒体が汚れたり、記録媒体との接触により記録ヘッドの故障を引き起こす虞がある。さらに、記録ヘッドと記録媒体との間の距離が一定でなく変動することから、記録の際にインクの着弾する位置がずれることがある。これにより、記録によって得られる画像の品質の低下を招く虞がある。
記録媒体が平らでない状態で、記録媒体が記録ヘッドに対応する位置に搬送されることを防ぐインクジェット記録装置として、特許文献1の構成が知られている。この記録装置では、記録媒体の搬送経路の保持面に記録媒体を吸着させるための吸引口が設けられた構成となっている。吸引口はダクトを介して吸引ファンと接続されており、吸引ファンを駆動制御することにより一定の負圧で記録媒体を搬送経路の保持面に吸着させる。従って、シワや曲げ癖等のある記録媒体が記録装置の搬送経路上の保持面に押さえつけられ、記録媒体の平面度を保ちながら搬送が行われる。これにより、記録媒体の記録面が平らとなるので、記録ヘッドと記録媒体との間の距離が一定となり、液滴が記録媒体の所定位置に精度良く吐出されることになるので、記録によって得られる画像の品質が向上する。
また、インクジェット記録装置では、液滴を吐出する際に記録目的の本来の主滴とは異なる液滴(以下、サテライトと称する)が発生することがある。また、サテライトが記録媒体に到達せずに記録ヘッドと記録媒体との間の空間に浮遊する、あるいは記録媒体に吐出した液滴の跳ね返り等によって、微細な液滴(以下、ミストまたはインクミストと称する)が発生することがある。このように、主滴の他に、主滴と異なるサテライトやミストが記録の際に主滴と同時に発生すると、これらの主滴と異なる液滴が記録媒体に付着することで画像品位の低下を引き起こしてしまう。また、発生したミストがインクジェット記録装置内部のキャリッジガイド軸や光学センサなどへ付着することでその部分の腐食が起こり易くなり、インクジェット記録装置の耐久性低下を招くことがある。このため、記録ヘッドと記録媒体との間で浮遊する主滴以外の液滴については、問題が発生しない領域へ移動させるか回収することが求められる。
発生したインクミストを移動させる、あるいは回収するために、吸引ファンが設けられたインクジェット記録装置について特許文献2に開示されている。インクジェット記録装置に吸引ファンが設けられることで、インクジェット記録装置の内部に一定の気流が発生させられ、これによってインクミストを移動させ、あるいは回収している。特許文献2に開示されているインクジェット記録装置の構成では特に、記録ヘッドを搭載したキャリッジに吸引ファンが取り付けられ、記録のためのキャリッジ走査回数に応じてファンの風速や風量を増減させる方法が開示されている。
特許文献2に開示されているインクジェット記録装置は、記録装置の温度・湿度、記録媒体の搬送長等の条件に見合った吸引圧や風量となるようにファンが駆動制御されている。そして、駆動されるファンは、一般的には各条件下で一定の回転数が保たれるように制御されている。
特開2002−96511号公報 特開2006−168187号公報
しかしながら、ファンが取り付けられたインクジェット記録装置では、ファンを駆動させた際に、羽部のバランスの釣り合いが取れていないことや、ファンを回転させるためのモータトルクの変動等により振動が生じていた。この振動は、ファンの回転数に対応した周波数の振動として現れることになる。
ファンの駆動時に生じる振動の波形の一例を図9に示す。ファンは略一定の回転数で駆動しており、回転数に応じた周波数の振動が発生している。このファンの駆動により発生する振動は、インクジェット記録装置のシャーシや本体外装等を介して、キャリッジの記録ヘッドや記録の際に記録媒体を載置するプラテン面に伝達される。ファンの駆動に起因する振動は、キャリッジに配置されている記録ヘッドまでとプラテン面までとの伝達経路が相互に異なることから、一般的には記録ヘッドとプラテン面とで振動の振幅・位相が異なる。従って、ファンの駆動に起因して振動が生じた場合、吐出口と記録媒体との間の距離が一定でなくなる。
また、現在用いられているインクジェット記録装置における記録ヘッドは、高精細な画像を記録するために、吐出口の密度が記録ヘッド内部で増加している。従って、一つの記録ヘッドに対して複数の吐出口が形成されている形式の記録ヘッドが一般的に用いられている。しかしながら、主走査方向に複数の吐出口が形成されている記録ヘッドが用いられて記録が行われる場合、液滴が吐出される際の吐出口と記録媒体との間の距離がこれらの吐出口の間で異なる。主走査方向に複数の吐出口が形成されている記録ヘッドを主走査方向に沿って見た際の吐出口の軌道について、図10を用いて説明する。
液滴を吐出する際の吐出口と記録媒体との間の距離の関係について説明するために、記録ヘッド周辺を拡大して模式的に示した図を図10に示す。図10に示される記録ヘッド501は、キャリッジ500に搭載されており、キャリッジ500の走査を行う方向である主走査方向に複数の吐出口を有しているものとする。ここでは、簡単に考えるために、主走査方向に対して位置の異なる二つの吐出口502、503を有しているものとする。そして、キャリッジ500は、キャリッジ駆動用ベルト504に取り付けられ、キャリッジ駆動用ベルト504は、キャリッジモータプーリ505及び従動プーリ506の間に掛け渡されて配置されている。そして、キャリッジモータプーリ505が駆動されることによって、従動プーリ506が回転すると共にキャリッジ駆動用ベルト504が主走査方向に移動する。これにより、キャリッジ500及び記録ヘッド501が走査しながら、吐出口502、503から記録媒体Pに向かって液滴が吐出される。
ここで、記録の際にファンの駆動によって発生した振動がキャリッジ500に伝わると、吐出口502、503が図9に示される軌跡を描きながら走査を行う。ここでは簡単に考えるために、プラテン上の記録媒体は振動せずに静止していると仮定し、記録媒体及びプラテンに対する記録ヘッドの相対的な振動について考慮する。このとき、記録媒体Pにおける領域Aの記録をそれぞれの吐出口502、503によって行おうとしても、領域Aに対応する位置に吐出口502が到達したときと吐出口503が到達したときとでは、吐出口と記録媒体Pとの間の距離が異なる。これは、キャリッジ500において吐出口502と吐出口503とが主走査方向に対して位置が異なることから、同じ領域Aに相当する位置に到達したときに、吐出口502と吐出口503との間でそれぞれの軌跡における波形の位相が異なるからである。図10の場合において、記録ヘッド501が領域Aに相当する位置に液滴を吐出する際の吐出口と記録媒体との間の位置関係を比較すると、距離Dで示される分だけ吐出口と記録媒体Pとの間の距離が異なる。複数の吐出口の間で吐出口と記録媒体との距離の差が大きくなると、これらの間の相対的な着弾精度の差が大きくなる。領域Aに相当する位置では、吐出口502が吐出口503に比べて記録媒体Pとの間の距離が大きい。従って、ここでは吐出口502からの液滴の着弾精度が吐出口503からのそれに比べて低く、吐出口502からの液滴の着弾の際に誤差が生じ易い。これにより、吐出口502から吐出される液滴にずれが生じ易く、吐出口502、503のそれぞれから吐出される液滴の着弾位置が一致し難い。従って、領域Aに対する記録においては、記録された画像の濃度が低くなる可能性がある。
また、図10に示されるように、吐出口502、503の軌跡が一致した部位もある。このように、吐出口502、503との間の軌跡が一致した部位では、記録媒体の同一箇所に対して吐出口502、503のそれぞれから同じ精度で液滴が吐出され、それぞれの吐出口から吐出される液滴が一致し易い。このように、吐出口502、503の間で記録媒体からの距離の差が小さいと、記録された画像の濃度が相対的に高くなる可能性がある。このように、ファンによる振動が生じると、主走査方向に対して位置の異なる複数の吐出口から同一箇所に液滴を吐出する際の吐出口と記録媒体との間の距離が一定でないことから、記録された画像に濃度差が生じる場合がある。
キャリッジが往復移動するシリアルスキャン形式のインクジェット記録装置においてファンが同一回転数で駆動され続けると、同一周波数の振動が続き、吐出口の間の距離の差は主走査方向に関して同じ位置で生じる。従って、記録された画像に、記録ヘッドの主走査方向に対して特定間隔の濃淡むらが発生する可能性がある。このような濃淡むらが発生すると、記録によって得られる画像の品質が低下してしまう虞がある。
一方、同一記録領域を複数回のキャリッジ走査によって記録を行うマルチパス記録によって記録が行われる場合がある。特許文献2には、マルチパス記録によって記録が行われる場合において、同一の領域でのキャリッジの走査数に応じてファンの風速の制御を行うことが開示されている。しかし、このような制御が適用されても、一定の走査数でマルチパス記録が行われる間は、一定の回転数によってファンが回転して記録が行われる。従って、このように一定の走査数によってマルチパス記録が行われる場合には、ファンを回転させるためのモータトルクの変動等により生じる一定の周波数の振動が原因となった画像の濃度ムラを改善することは困難であった。
そこで、本発明の目的は上記の事情に鑑み、ファンの駆動用モータの回転数に応じた周波数による振動に起因した、画像濃淡むらの発生が抑制された記録装置を提供することである。
本発明のインクジェット記録装置によれば、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、前記記録媒体が搬送される方向に対して交差する方向に前記記録ヘッドを走査させるキャリッジと、前記記録ヘッドに対向して配置され、前記記録媒体を負圧によって吸引する吸引口が設けられたプラテンと、前記吸引口に供給される負圧を発生させるためのファンと、前記ファンの回転を制御することが可能な制御部と、を備え、前記記録媒体の同じ領域に対して前記キャリッジの走査を複数のN回繰り返して画像を形成するマルチパス記録方式で記録を行う際に、前記制御部は、前記同じ領域への前記N回の繰り返しの走査に含まれる、1回の走査毎または前記Nよりも少ない複数回の走査毎ごとに、前記ファン回転数を変化させるよう制御を行うことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法によれば、ファンの回転数を、マルチパス印字内のキャリッジ走査において、キャリッジの走査毎に分散する構成をとっている。このような構成とすることで、ファンの回転に起因する、振動の影響を分散させることができる。これにより、記録によって得られた画像に濃淡のむらが生じることが抑えられる。
以下、本発明を実施するための実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(第一実施形態)
本発明に係る第一実施形態のインクジェット記録装置の構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録装置100の斜視図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、記録ヘッド2が記録媒体の搬送方向に対して直交する方向に移動可能とされたシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置である。インクジェット記録装置100は、キャリッジ1と、キャリッジ1を往復移動させる走査機構200と、インクジェット記録装置100によって記録が行われる記録媒体を搬送する搬送機構300と、記録装置本体とを有している。
キャリッジ1は、記録媒体が搬送される方向に対して交差する方向、本実施形態では特に直交する方向に走査し、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド2を搭載している。キャリッジ1が記録ヘッド2を搭載した状態でキャリッジ1が走査することで記録ヘッド2を走査させている。キャリッジ1に搭載された記録ヘッド2は、液滴としてのインクを吐出するための複数の吐出口を有している。キャリッジ1周辺について拡大して示した斜視図を図2に示す。走査の際のキャリッジ1の移動はガイドシャフト3、ガイドレール4によって案内され、これらに沿ってキャリッジ1がインクジェット記録装置100の内部で記録媒体の搬送方向に直交し記録媒体の記録面に対して平行な方向に走査する。キャリッジ1は、記録ヘッド2とキャリッジ1とを電気的に接続して記録信号を伝達するための電気接続部(不図示)と、キャリッジ1と記録装置本体とを電気的に接続して記録信号を伝達するための電気接続部(不図示)を有している。
インクジェット記録装置100は、フレキシブル基板20を有している。フレキシブル基板20は、キャリッジ1と記録装置本体とを電気的に接続する電気接続部の機能を有している。本体からの電気指令値(インクを吐出する信号)は、フレキシブル基板20を通してキャリッジ1、記録ヘッド2へ伝達され、画像の記録が行われる。キャリッジ1を走査させる際には、リニアスケール19をキャリッジ用エンコーダ5で読み取り、本体制御部でキャリッジモータ16の制御を行うことでキャリッジ1の制御が行われている。
キャリッジ1を走査させる走査機構200は、キャリッジ駆動用ベルト18、キャリッジモータプーリ17及び従動プーリ21を有している。キャリッジ駆動用ベルト18は、記録装置本体の両端に配置されたキャリッジモータプーリ17、従動プーリ21に掛け渡されている。また、キャリッジ駆動用ベルト18は、キャリッジ1を移動可能とするために、キャリッジ1に対して相対運動不能に固定されている。キャリッジモータ16の駆動力が、キャリッジ駆動用ベルト18を介してキャリッジ1に伝達されて、キャリッジ1が走査を行う。
記録媒体の搬送を行う搬送機構300は、搬送ローラ6と、従動ローラ8と、搬送モータ22と、搬送用ロータリスケール25と、搬送用エンコーダ26とを有している。さらに搬送モータプーリ23と、搬送ベルト24を有している。搬送ローラ6は搬送モータ22によって駆動され、搬送ローラ6が駆動されることで記録媒体が搬送される。搬送モータ22の周辺部分について拡大して示した斜視図を図3に示す。搬送用ロータリスケール25は搬送ローラ6に対して相対運動不能に固定されており、搬送ローラ6が回転すると共に搬送用ロータリスケール25も回転する。搬送ローラ6が記録媒体を搬送しているときには、搬送用ロータリスケール25を用いて搬送用エンコーダ26が記録媒体の位置を読み取り、本体制御部で搬送モータ22の制御を行っている。
記録媒体は、給紙ガイド12に沿って搬送ローラ6の駆動によりニップ箇所まで給紙される。記録媒体がニップ箇所に搬送されると、記録媒体は搬送ローラ6と従動ローラとの間に挟まれる。このとき、従動ローラ8は、搬送ローラ6の方向へニップ圧が掛かるようにシャーシ14に弾性支持されている。従動ローラ8は、従動ローラ台7に取り付けられている。記録媒体が、搬送ローラ6により記録位置であるプラテン9上へと搬送される。その後、記録媒体は排紙ガイド13の方へ排紙される。
本実施形態のインクジェット記録装置100は、プラテン9に吸引口が形成されている。インクジェット記録装置100を側面から見た断面図を図4に示す。インクジェット記録装置100には回転駆動を行うファンとしてのプラテン吸引ファン11が取り付けられており、プラテン9の吸引口は、プラテン吸引ダクト10を介してプラテン吸引ファン11に連結されている。これにより、プラテン吸引ファン11が駆動された際には、吸引ダクト内に負圧が形成され、吸引口から空気を吸引することが可能となる。このように、プラテン吸引ファン11及び吸引ダクト10は、記録媒体の搬送経路で負圧を発生させ、記録媒体を搬送経路に吸着できるように配置されている。プラテン吸引ファン11に接続されているプラテン吸引ファン電気ハーネス11aは、本体制御部と繋がっており、プラテン吸引ファン11の駆動速度、すなわちファンの回転数の制御を行っている。本実施形態では、プラテン吸引ファン11が駆動されると吸引口から空気が吸引されることで、プラテン9上にある記録媒体がプラテン9の面に吸着される。
記録装置本体の一部であるシャーシ14には、ガイドシャフト3、ガイドレール4、搬送ローラ6、プラテン吸引ファン11等が固定され、上記の機構が構成されている。
記録媒体を吸着させるためにプラテン吸引ファン11が駆動されると、羽部の偏芯やファンモータのコギングトルクにより振動が発生する。振動の周波数は、ファン形状やファンモータ形状、回転数により決まる。プラテン吸引ファン11で発生した振動は、シャーシ14等を介してキャリッジ1やプラテン9まで伝達する。プラテン吸引ファン11からキャリッジ1及びプラテン9までへの振動の伝達経路は異なる。従って、キャリッジ1とプラテン9では、ファン駆動による振動の振幅・位相は異なる。キャリッジ1に搭載された記録ヘッド2とプラテン9に吸着支持された記録媒体は異なる振幅・位相で振動する。
本実施形態では、インクジェット記録装置100において、プラテン吸引ファン11は、記録ヘッド2が所定量の走査を行うごとに、回転数が変化するように駆動制御されている。下記の表1に、本実施形態におけるインクジェット記録装置に取り付けられたプラテン吸引ファン11のモータの駆動デューティの推移を示す。
駆動デューティは、プラテン吸引ファン11を駆動させる際に、電圧を最大値に設定してファンが最大回転数で駆動されるような運転状態でのファンの駆動モータの負荷を100%とし、この状態に対するファンの駆動の際のモータの負荷の割合を示す。具体的には、ファンを運転する際のモータの負荷の割合は、ファンの運転のために駆動モータの電源に掛けた電圧の割合で示している(詳しくは後述する)。従って、駆動デューティは、ファンの駆動のために用いられる駆動モータの駆動電圧の値によって変化する。本実施形態では、電圧が最大値に設定された際のファンの回転数は、110(Hz)に設定されている。このファンの最大回転数は、記録装置の機種や使用形態によって異なり、この値に限定されない。図5は、本発明のインクジェット記録装置における、ファンの駆動モータを制御するためのブロック図である。I/Fは、ホストコンピュータとの通信等を行う。キャリッジ1はキャリッジエンコーダ5によって、キャリッジの位置と走査速度が検出される。CPUは、キャリッジエンコーダによって検出された位置と速度からキャリッジの往または復の走査が行なわれたかどうかを検知する。このように、キャリッジの走査の状態が検知されている。ここで、キャリッジの走査の状態を検知するための処理は、マルチパス記録を行う範囲内での判定になる。例えば6回のパス数で予め定められた領域の記録が完成する場合、この6回の範囲内での判定になる。CPUを制御するための各種プログラムや駆動条件がROMまたはRAMに格納されている。CPUは、記録ヘッドの印字制御なども行なっている。また、CPUは、ファンの駆動の制御を行っており、ファンを駆動させる駆動部として機能する。キャリッジの往または復の走査が行なわれた場合、CPUにおいてファンモータの駆動デューティを変更する。ファンモータの駆動デューティとは、モータのPWM演算部で演算されるパルス電圧幅を決定する値に相当する。このパルス電圧幅を制御することで、ファンモータへ駆動源から印加される電圧を調整する。図5におけるドライバは、PWM演算部で演算された結果に基づき、ファンモータを駆動するドライバ回路である。ファンの駆動デューティを変化させると、ファンモータへ印加される電圧が変化するので、それに伴いファンの回転数が変化する。例えば、駆動デューティが下がるとファンの回転数は、減ることになる。このように、駆動部としてのCPUは、記録ヘッド2が記録媒体上の所定の記録領域に所定回数の走査を行う途中で、ファンを回転駆動するための駆動源からの電圧を変化させて、ファンの回転数を変化させている。
図6に、本実施形態によるプラテン吸引ファン11におけるファンの駆動デューティ及び走査の際のキャリッジの移動速度を示す。本実施形態では、プラテン吸引ファン11の回転数に対応して決定されるパラメータとしてのファンの駆動デューティが設定されており、この駆動デューティは、記録ヘッド2が所定量の走査を行うごとに変化するように設定されている。特に、本実施形態では1スキャンごとに変化するように設定されている。そして、駆動デューティの変化に応じてプラテン吸引ファン11の回転数が変化する。本実施形態におけるインクジェット記録装置100は、記録ヘッド2が、記録媒体上の所定の記録領域に対してキャリッジを所定回数走査させながらインクを吐出することにより画像を記録するいわゆるマルチパス記録方式で記録を行っている。例えば、本実施形態では、マルチパス印字の回数が6回(以下、6パスと呼ぶ)であり、6回のキャリッジ1のスキャンによって一つの領域が記録され、その領域内の記録が完成する。そして、駆動部としてのCPUは、記録ヘッド2が予め定められた記録媒体上の同じ領域のマルチパス記録を行う範囲において、キャリッジの走査に応じてファンを回転駆動させる制御を変化させている。すなわち、記録ヘッド2が記録媒体上の所定の記録領域に所定回数の走査を行う途中で、ファンを回転駆動させる条件を変化させている。本実施形態では、6回のキャリッジのスキャンが行われる前にファンを回転駆動させる条件を変化させている。具体的には表1に示されるように、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ1が一回のスキャンを行うごとに、プラテン吸引ファン11が回転数を変化させている。表1において、上段がマルチパスのパス数、下段が駆動デューティである。
Figure 0005605986
1パス目、2パス目・・・、6パス目でスキャンごとにプラテン吸引ファン11の駆動デューティによる駆動指令値は異なる。従って、プラテン吸引ファン11の回転数は、1パス目、2パス目・・・、6パス目でスキャンごとに異なる。ここで、1スキャンとは、走査における半往復分の記録ヘッドの移動を言うものとする。従って、一つの記録領域に対して、記録ヘッドは1スキャンに一回通過し、記録するのみである。このように、本実施形態のインクジェット記録装置100は、記録ヘッド2がマルチパス印字を行うキャリッジの走査内において、各走査を行うごとに、ファンの駆動デューティを変化させている。具体的には、マルチパス印字を行うキャリッジの走査内において(本実施例の場合6パス)プラテン吸引ファン11の回転数が1スキャン毎に変化して駆動されるように制御される制御ステップを有している。プラテン吸引ファン11の回転数がこのように推移して駆動制御が行われるので、プラテン吸引ファン11の駆動に起因するキャリッジ1又はプラテン9の振動の周波数は、1パス目、2パス目・・・、6パス目でそれぞれ異なる。従って、1パス目、2パス目・・・、6パス目で発生する記録媒体内でのインク濃度差及びそれの発生する位置は、1パス目、2パス目・・・、6パス目で異なる。本実施形態では、プラテン吸引ファン11の回転数に対するパラメータである駆動デューティは、表1に示されるように規則性はなく、不規則に定められる。このとき、CPUは、キャリッジの1回の走査の終り、すなわち1スキャン分の走査の終りが検知されたときにパラメータとしての駆動デューティを変化させ、これによってファンの回転数を変化させている。6パスで画像形成をするに当り、1パス目、2パス目・・・、6パス目で、同一の記録ヘッドの有する複数の吐出口からのインクの着弾精度の差が偏った位置に生じることが抑えられる。従って、インク濃度の濃淡は、記録媒体内で規則的に生じるわけではなく拡散された状態となる。これにより、キャリッジ走査方向へプラテン吸引ファン11の回転数に起因する濃度むらを低減することができる。記録された画像に発生する濃淡むらが低減されるので、得られる画像の品質が向上する。
(第二実施形態)
次に本発明に係るインクジェット記録装置の第二実施形態について、図7を用いて説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図7に、本実施形態におけるプラテン吸引ファン11の駆動の際の回転数の推移を示す。本実施形態では、プラテン吸引ファン11は、マルチパス記録の範囲内において、記録ヘッド2が複数回の走査を行うごとに、プラテン吸引ファン11の回転数を変更するように制御している。例えば、本実施形態のように、キャリッジ1が6回のマルチパスで印字を行う際に、2スキャンするごとに駆動するファンの回転数を変更するように制御を行う。
Figure 0005605986
6パスで画像形成をするに当り、1・2パス目、3・4パス目、5・6パス目でインクの着弾位置のずれ量がそれぞれ異なるので、着弾ずれが規則的ではなく拡散された状態となる。従って、プラテン吸引ファン11の回転数に起因する濃度むらを低減することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の第三実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態によるプラテン吸引ファン11の駆動制御方法を示す。本実施形態では、キャリッジの1回の走査毎にファンを回転駆動させる条件を複数回変化させている。本実施形態では特に、6回のマルチパス印字を行う際に、記録ヘッド2が一回の走査を行う間にプラテン吸引ファン11の回転数を複数に変化させている。従って、キャリッジ1が1スキャンする間に、プラテン吸引ファン11が複数回に亘って駆動速度を変更するようにファンの回転数の制御を行う。本実施形態では、下記の表3で示すように、キャリッジ1が1スキャンする間に駆動速度を3段階変更するようにファンの回転数の制御を行う。
Figure 0005605986
(他の実施形態)
なお、上記第一ないし第三実施形態においては、記録媒体をインクジェット記録装置100における記録位置に固定して吸着するためにファンが取り付けられることとしたが、ファンの用途としては、これに限定されない。例えば、インクジェット記録装置における記録ヘッドと記録位置にあるプラテンとの間の空間に気流を発生させるために取り付けられることとしても良い。このように記録ヘッドとプラテンとの間の空間に気流を発生させるようにファンがインクジェット記録装置に取り付けられれば、発生した気流によって、記録ヘッド2と記録媒体との間の空間に存在する液体としてのインクを移動あるいは回収することができる。すなわち、本実施形態では、ファンの駆動によって発生した気流によって、その空間に浮遊しているインクミストあるいはサテライトを、記録に対して影響しないような領域に運ぶことができる。そして、その空間の気流の下流に回収部を取り付けると、気流によって運ばれたインクミストあるいはサテライトが回収でき、気流によって飛ばされたインクミストあるいはサテライトが周囲の環境に影響を与えることを抑えることができる。
また、ファンはインクジェット記録装置の冷却用や、記録媒体上のインクを乾燥させるためにインクジェット記録装置に取り付けられたもの等であっても良く、さらにその他の用途でも構わない。
本発明の第一実施形態におけるインクジェット記録装置のカバーを取外した際の斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置におけるキャリッジ走査機構の拡大斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置における搬送モータの周辺部分拡大斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の断面図である。 本発明の記録装置のファン駆動に関するブロック図である。 本発明のプラテン吸引ファンを駆動させた際の時間の経過に対するキャリッジの速度とファンの駆動デューティとの関係を示すグラフである。 本発明の第二実施形態におけるインクジェット記録装置の、プラテン吸引ファンを駆動させた際の時間の経過に対するキャリッジの速度とファンの駆動デューティとの関係を示すグラフである。 本発明の第三実施形態におけるインクジェット記録装置の、プラテン吸引ファンを駆動させた際の時間の経過に対するキャリッジの速度とファンの駆動デューティとの関係を示すグラフである。 従来のインクジェット記録装置におけるプラテン吸引ファンを駆動させた際のファンの回転による振動を示すグラフである。 従来のインクジェット記録装置による吐出口と記録媒体との間の距離の関係の説明図である。
符号の説明
2 記録ヘッド
9 プラテン
11 プラテン吸引ファン
100 インクジェット記録装置

Claims (4)

  1. 記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録媒体が搬送される方向に対して交差する方向に前記記録ヘッドを走査させるキャリッジと、
    前記記録ヘッドに対向して配置され、前記記録媒体を負圧によって吸引する吸引口が設けられたプラテンと、
    前記吸引口に供給される負圧を発生させるためのファンと、
    前記ファンの回転を制御することが可能な制御部と、を備え、
    前記記録媒体の同じ領域に対して前記キャリッジの走査を複数のN回繰り返して画像を形成するマルチパス記録方式で記録を行う際に、
    前記制御部は、前記同じ領域への前記N回の繰り返しの走査に含まれる、1回の走査毎または前記Nよりも少ない複数回の走査毎に、前記ファンの回転数を変化させるよう制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御部は、前記ファンを回転駆動するための駆動源からの電圧を変化させて前記回転数を変化させることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット記録装置。
  3. 前記制御部は、前記ファンの回転数を変化させる際に、回転数を不規則に変化させることを特徴とする請求項1または2に記載されたインクジェット記録装置。
  4. 前記ファンは、前記プラテンが固定されるシャーシに固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたインクジェット記録装置。
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