JP4171815B2 - 音声認識装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置や、駅等に設置されて周辺の観光地点や施設の案内等を行う案内装置等に搭載される、地図表示機能を備えると共に、入力音声に応じた動作を行う音声認識機能を備えた音声認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子機器は、操作の容易化を図るために音声認識装置を内蔵するものが増えてきている。例えば、ナビゲーション装置は目的地までの経路案内を行う装置であるが、車載用の場合には、車の運転に支障を来してはいけないといった安全性の面から特に操作が容易であることの要求が強く、目的地設定等の操作を音声認識を用いて行うものが実現されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ナビゲーション装置における例えば目的地設定の場合、音声認識の対象語は地名、施設名等、膨大な数にのぼり、入力音声との比較を基本的処理とする音声認識処理は、必然的に時間がかかり、また誤認識の可能性も高くなっている。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、ナビゲーション装置における例えば目的地設定等の操作の容易化を図り、音声認識処理時間の短縮を図り、しかも誤認識の可能性も低くすることのできる音声認識装置を実現することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記課題を解決するため、本発明に係る音声認識装置(1)は、表示手段に地図を表示する地図表示機能と、入力音声認識に応じた処理を行う音声認識処理機能とを備えた音声認識装置において、前記表示手段に表示された地図上の任意の位置を指定する位置指定手段と、入力された入力音声と比較して音声認識するための比較データを記憶する認識辞書と、前記位置指定手段により指定された位置に応じて前記認識辞書から比較データを選択し、音声認識処理を行う処理対象データを絞り込む辞書選択手段と、入力音声と前記辞書選択手段により選択された処理対象データとを比較し、認識結果を出力する認識処理手段とを備えると共に、前記辞書選択手段が、処理対象データの絞り込みをナビゲーション装置における目的地又は中継地の地点設定操作時に行うものであり、前記位置指定手段が、前記表示手段の前面側に設置され、該表示手段に表示された地図に連動して、操作者の接触位置に応じた入力を行うタッチパネルにより構成され、さらに、音声認識装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記タッチパネルに対する操作位置が、前記現在位置検出手段により検出された現在位置に対応する位置である場合、前記音声認識処理を中止する認識処理中止手段とを備えていることを特徴としている。
上記音声認識装置(1)によれば、目的地又は中継地の地点設定操作時、前記位置指定手段により指定された位置に応じて、音声認識の対象語が関連する語句に絞り込まれ数が少なくなるので、入力音声との比較を基本的処理とする音声認識処理は、時間が短縮され、また認識率も向上することとなる。従って、目的地や中継地の設定操作を容易なものにすることができる。
【0020】
また、上記音声認識装置(1)によれば、地図に沿ってタッチパネルを触れるという簡単な操作で位置指定ができるので、カーソルキーによる位置指定操作等に比べて素早く、また容易に位置指定操作を行うことができる。
【0024】
さらに、上記音声認識装置(1)によれば、通常位置指定操作の必要性が無い現在位置のタッチパネルによる指定操作により、音声処理を中止するので、音声認識と音声認識によらない目的地の設定等、タッチパネルによる操作と、音声認識による操作を併用している装置等の場合に、タッチパネルの操作により音声認識の中止が可能となり、操作性を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る音声認識装置について説明する。図1は実施の形態に係る音声認識装置を搭載したナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
GPSセンサ1はGPS衛星からの信号を受信し、その信号を基に位置を算出し、ナビゲーションシステム制御用のマイクロコンピュータ(以下、ナビマイコンと記す)5に位置信号を出力するものである。ジャイロセンサ2は、車両の向きの変化を検出するセンサで、ジャイロにより構成され、ナビマイコン5に検出信号を出力するようになっており、このジャイロセンサ2からの検出信号を受信したナビマイコン5では、前記検出信号を積算して車両の方向を算出するようになっている。
【0032】
車速パルス入力部3は、車両側に設置された車速センサ(図示せず)からの所定走行距離毎に発生する車速パルス( 所定期間におけるパルス数が車速に比例する) を取り込み、ノイズ除去、波形整形処理等の処理を行った後、ナビマイコン5に出力するようになっている。
【0033】
車両側に設置された前記車速センサは、車両の駆動系の制御、例えば燃料噴射量制御や点火時期制御に用いられるもので、車両に既設のものである。この車速センサとしては、例えば車軸と同期して回転する磁石と、この磁石の回転位置により変化する磁場の状態に応じて接断状態が変化するリードスイッチからなる磁気センサや、車軸と同期して回転する遮蔽板と、この遮蔽板の回転位置によりその光路の遮断状態が変化する発光素子、受光素子を含む光センサ等が採用可能である。
【0034】
DVD−ROMプレーヤ12は、地図データが記憶されたDVD−ROM(光ディスク)から、ナビマイコン5からの制御信号に応じて必要なデータを読み込み、ナビマイコン5に出力するようになっている。尚、DVD−ROMプレーヤ12のDVD−ROMは交換可能となっており、地図の更新(地図DVD−ROMのバージョンアップ)に対応可能になっている。
【0035】
操作スイッチ6は、ナビゲーションシステム操作用のスイッチで、ナビゲーションシステム本体に設置された押しボタンスイッチ(図示せず)や、赤外線リモコン(図示せず)等により構成され、ON−OFFスイッチやジョイスティック等の方向指定用スイッチ等を備えている。また、操作スイッチとしてディスプレイ7の前面に設けられた透明のタッチパネル9も設けられており、ディスプレイ7に対応した座標入力、例えば地図上における位置や範囲指定が可能となっている。
【0036】
ナビマイコン5は、ジャイロセンサ2の検出信号と車速パルス入力部3からの車速パルスとから自立方式により自車位置を算出し、算出した自車位置とGPSセンサ1からの位置信号とを補完処理して、自車位置を決定している。ナビマイコン5は、この決定された自車位置、操作スイッチ6、タッチパネル9の操作状態に応じて、DVD−ROMプレーヤ12を制御して必要な地図データ等をDVD−ROMから読み込んだり、目的地までの経路を演算する処理等を行い、液晶表示装置等で構成されたディスプレイ7に対応する地図、経路、各種案内、そして操作案内表示等を行うようになっている。ナビマイコン5には、各種データ、プログラムの記憶、また演算処理のために用いるRAM(図示せず)及びROM(図示せず)が内蔵されている。
【0037】
また、ナビマイコン5には、音声を認識する音声認識部4が接続されており、ナビマイコン5は音声認識部4における認識結果に応じた制御を行うようになっている。つまり、操作者は操作スイッチ6、タッチパネル9による操作と同様の操作を音声により行うことができるようになっている。
【0038】
音声合成部8はマイコン(図示せず)を含んで構成されており、ナビマイコン5からの文字データを処理して合成音声を生成し、増幅器10に出力するようになっている。増幅器10は受信した合成音声信号を増幅して車室内に設けられたスピーカ11から音声として出力させるようになっている。
【0039】
次に、音声認識部4の構成をより詳細に説明する。図2は、音声認識部4の構成を示すブロック図である。音声認識部4は、音声を電気信号に変換するマイクロフォン15と、マイクロフォン15で取り込んだ音声信号を音声波形データと比較して音声認識する(操作を示す操作データに変換する)マイコン等で構成された認識処理部16と、認識処理における比較のための音声波形データと操作データとが対応付けられて記憶された認識辞書部17と、認識辞書部17から認識処理の対象とする語のデータを選択して記憶する辞書選択部18とを含んで構成されている。
【0040】
認識辞書部17はROM、光ディスク等の不揮発性の記憶装置、辞書選択部18はRAM、ハードディスク(磁気ディスク)等の高速書換可能な記憶装置により構成されている。これら認識処理部16および辞書選択部18の動作はナビマイコン5により制御され、認識処理部16における認識結果はナビマイコン5に出力されるようになっている。
【0041】
次に、本実施の形態に係るナビゲーション装置における施設案内動作を説明する。図3はナビゲーション装置における表示状態(及び音声認識動作状態)を示す説明図であり、図4はナビマイコン5の行う音声認識処理を示すフローチャートである。この音声認識処理は、ナビゲーション装置における目的地や中継地等の地点設定操作時に実行される。
【0042】
まず、ステップS1では、設定地点の絞り込み操作が行われたか否かを判断し、絞り込み操作が行われたと判断すればステップS4に進み、行われていないと判断すればステップS2に進む。ステップS4では、絞り込み操作時におけるタッチパネル9への操作(接触)回数を検出し、その後ステップS5に進む。ステップS5では、絞り込み操作に応じた範囲の施設名、住所、電話番号等(目的地検索条件により変わる。例えば、施設名で目的地を検索するモードでは、施設名、施設種別等が音声認識対象となる)に、音声認識対象となる語を絞り込み、その絞り込まれた語を音声認識するために必要なデータを音声認識辞書(認識辞書部17)から検索して音声認識処理に用いる第1認識処理辞書を生成し(辞書選択部18へ記憶)、さらにそれより少し広い範囲(種別)に対応する第2認識処理辞書を生成し、その後ステップS7に進む。尚、絞り込み操作に応じたディスプレイ7上の範囲等は他の領域等と色を変える等して識別可能な表示になっている。
【0043】
絞り込み操作としては図3に示すような操作がある。
図3(A)に示すように、タッチパネル9により任意の指定地点Aを指定操作(指等で触れる)した場合、その指定地点Aから所定距離内の範囲が対象範囲Bとして設定され、さらにそれより所定距離遠いより広い範囲が拡大対象範囲Cとして設定される。また、検出されたタッチパネル9への操作回数が増えるほど、その範囲が徐々に狭くなる(より指定地点Aに近い範囲に限定される)。例えば、住所による目的地を検索している場合には、1回指定操作するとその地点の都道府県の市町村名が音声認識対象となり、2回指定操作するとその地点の市町村におけるより細かな地名(例えば区、大字等)が音声認識対象となるというように、指定操作回数が増えるほど、その範囲が徐々に狭くなる。
【0044】
図3(B)に示すように、タッチパネル9を使用して任意の閉曲線により指定境界Dを指定操作(指等で境界をなぞる)した場合、その指定境界D内の範囲が対象範囲Bとして設定され、さらにそれより所定距離遠いより広い範囲が拡大対象範囲Cとして設定される。また、検出されたタッチパネル9への操作回数が増えるほど、その範囲が徐々に狭くなる(より対象範囲Bの中心に近い範囲に限定される)。
【0045】
図3(C)に示すように、タッチパネル9を使用して任意の道路(所定の道路、例えば高速道路、国道、都道府県道、市町村道等の主要道)を指定道路Kとして指定操作(指等で触れる)した場合、その指定道路Kの近傍の領域が対象範囲Bとして設定され、さらにそれより指定道路Kから所定距離離れたより広い範囲が拡大対象範囲Cとして設定される。また、検出されたタッチパネル9への操作回数が増えるほど、その範囲が徐々に狭くなる(より指定道路Kに近い範囲に限定される)。
【0046】
図3(D)に示すように、タッチパネル9を使用して任意の施設のランドマークを指定施設Eとして指定操作(指等で触れる)した場合、その指定施設Eと同種別施設が音声認識の対象として設定される。また、検出されたタッチパネル9への操作回数が増えるほど、その種別範囲が徐々に詳細なものになる。例えば、大学を指定操作する場合には、1回指定操作すると例えばその指定された大学がある都道府県における全種類の学校名が音声認識対象となり、2回指定操作すると大学だけが音声認識対象となる(高校や中学等は除外される)と言うように、指定操作が増えるほど、その施設種別が徐々に詳細に限定される。
【0047】
ステップS2では、設定地点をディスプレイ7に表示されている範囲に絞り込む全画面操作が行われたか否かを判断し、全画面操作が行われたと判断すればステップS3に進み、行われていないと判断すればステップS6に進む。ステップS3では、ディスプレイ7に表示されている範囲の施設名、住所、電話番号等に、音声認識対象となる語を絞り込み、その絞り込まれた語を音声認識するために必要なデータを音声認識辞書から検索して音声認識処理に用いる第1認識処理辞書を生成し、さらにそれより少し広い範囲に対応する第2認識処理辞書を生成し、その後ステップS7に進む。
他方、ステップS6では、絞り込みを行わずに通常の音声認識処理に用いる認識処理辞書を生成し、その後ステップS8に進む。
【0048】
ステップS7では、第1認識処理辞書を用いて音声認識処理を行って認識候補を摘出し、その後ステップS8に進む。ステップS8では、第2認識処理辞書(あるいは通常認識辞書)を用いて音声認識処理を行って認識候補を摘出し、その後ステップS9に進む。
【0049】
ステップS9では、使用者により認識が拒否されていない認識候補があるか否かを判断し、あると判断すればステップS11に進み、無いと判断すればステップS10に進む。ステップS11では、使用者により認識が拒否されていない認識候補の中から入力音声に最も近いと判断される認識候補を報知(表示や音声合成)し、その後ステップS12に進む。この認識候補の報知の際には、その認識候補摘出の元となった認識処理辞書の種別(第1、第2、拡大認識処理辞書)も報知する。
【0050】
ステップS12では報知された認識候補が、使用者により正しい認識として承諾されたか拒否されたかを、使用者による操作スイッチ6を介した操作により判断し、承諾されたと判断すればステップS13に進み、拒否されたと判断すればステップS9に戻る。ステップS13では、認識結果を承諾された認識候補として確定し、その後処理を終える。ステップS13の後、この認識結果に応じた制御(目的地設定等)が行われることとなる。
【0051】
他方、ステップS10では、認識対象の語を増やすこと、つまり認識処理辞書の拡大が可能か否かを判断し、可能であると判断すればステップS14に進み、不可能である(既に最大の範囲の辞書になっている)と判断すれば、その後処理を終える。辞書拡大不可能であると判断した場合には、音声認識失敗である旨の報知(表示あるいは音声合成)を行うようにしたほうが望ましい。
【0052】
ステップS14では、認識処理辞書の拡大を行い、その後ステップS15に進む。ステップS15では、拡大した認識処理辞書を用いて音声認識処理を行って認識候補を摘出し、その後ステップS9に戻る。
このような処理により、指定した範囲に応じて認識対象語が絞り込まれた認識処理辞書により音声認識処理が行われ、音声認識処理が早くなり、また誤認識の確率も低いものとなる。
【0053】
次に音声認識処理中における割込処理を図5に基づいて説明する。この処理は、音声認識処理中における使用者による何らかの操作時に実行される。
【0054】
まず、ステップS21では、使用者による操作が認識処理中止操作か否かを判断し、認識処理中止操作であると判断すればステップS22に進み、認識処理中止操作でないと判断すればステップS23に進む。ここで、認識処理中止操作としては、タッチパネル9の任意の箇所を一定時間(中止判断時間)以上操作し続けた場合、タッチパネル9の任意の箇所を所定回数以上繰り返し操作した場合、タッチパネル9における自車の現在位置マークの部分を操作した場合等が挙げられ、これらの操作形態が可能であると判断すれば、装置における他の操作形態を考慮した上で適切な操作を選択設定しておく。
【0055】
ステップS23では、使用者による操作がナビゲーション装置における地点指定操作か否かを判断し、地点指定操作であると判断すればステップS24に進み、地点指定操作でないと判断すればステップS25に進む。ここで、地点指定操作としては、タッチパネル9の任意の箇所(指定する地点)を一定時間以上(地点指定時間:中止判断時間が設定されている場合は、地点指定時間以上かつ中止判断時間未満)操作し続けた場合等が挙げられ、これらの操作形態が可能であると判断すれば、装置における他の操作形態を考慮した上で適切な操作を選択設定しておく。
【0056】
ステップS24では、指定された地点を目的地に設定する等の地点指定処理を行い、その後処理を終える。他方、ステップS25では、使用者による操作は音声認識の絞り込み操作であると判断して、絞り込み処理を行い、その後処理を終える。
【0057】
以上のような処理を行うことにより、音声認識処理中のタッチパネル9を介した操作により、使用者の望む操作、音声認識処理の中止、地点の設定、音声認識の絞り込み操作等の簡略化を図ることができることとなる。
【0058】
次に範囲指定操作時における範囲表示処理について説明する。図6は、ナビマイコン5の行う範囲表示処理を示すフローチャートで、範囲指定の操作が行われた時に実行される。また、図3(E)は指定範囲の表示状態を示す説明図である。
【0059】
まず、ステップS31では、使用者がタッチパネル9を介して指定した操作内容(例えば、指定境界Dの指定、あるいは道路の指定)から対象範囲Bを検出し、その後ステップS32に進む。ステップS32では、対象範囲Bの最長部(指定境界D上の2点を結ぶ直線で最長のもの)を検出し、次にステップS33に進む。ステップS33では、対象範囲Bの最長部がディスプレイ7の対角線上になるように地図の向きを算出し、また最長部の中心がディスプレイ7の中心となるように地図の位置を算出し、その後ステップS34に進む。ステップS34では、対象範囲が全てディスプレイ7に表示されるように地図の拡大・縮小率を算出し、その後ステップS35に進む。ステップS35では、算出された地図の位置、向き、拡大・縮小率の地図を生成し、さらに対象範囲Bが他の範囲と識別可能なように色や彩度、明度等を調整してディスプレイ7上に表示し、その後処理を終える(図3(E)のパターンBのような表示になる)。ここで、地図の向きは変えずに、同じ向きのままで対象範囲が全てディスプレイ7に表示されるように地図の拡大・縮小率を算出して、表示する(図3(E)のパターンAのような表示になる)方法も若干表示が小さくなる場合があるが、向きの変化がないので戸惑いにくい利点がある。
【0060】
以上のような処理により、音声認識における絞り込みの対象範囲が地図上に大きく表示されることになり、またほかの範囲と識別可能となるように色等が異なって表示されるので、利用者にとって非常に視認性の良い表示とすることができる。
【0061】
次にナビゲーション装置における地点指定処理について説明する。図7は、ナビマイコン5の行う地点指定処理を示すフローチャートで、音声認識ではなくタッチパネル7や操作スイッチ6を用いた地点指定操作を対象としており、目的地設定等の地点指定(住所、電話番号、施設名等による指定)の操作が行われた時に実行される。
【0062】
まず、ステップS41では、範囲指定操作があったか否かを判断し、範囲指定操作があったと判断すればステップS42に進み、範囲指定操作がなかったと判断すればステップS43に進む。ここで、範囲指定操作は図4に示したステップS1、ステップS2で説明した操作と同様の操作である。ステップS42では、指定された範囲指定に基づいて指定地点候補を絞り込み、その後ステップS43に進む。ここで、指定地点候補の絞り込みは、図4に示したステップS5、ステップS3で説明した音声認識対象語の絞り込みと同様に、指定範囲に関連する住所、電話番号、施設等が指定地点の対象となる。
【0063】
ステップS43では、絞り込まれた指定地点候補から地点を指定する処理(通常の地点指定操作に対応する処理と同様の処理で、指定地点候補が絞り込まれた点が異なる)を行い、その後処理を終える。ステップS43の後は指定された地点の経路案内等の処理が行われる。
【0064】
このような処理により、指定した範囲に応じて指定地点候補が絞り込まれた状態で目的地等の地点を選択指定することとなるので、地点の設定操作を容易なものにすることができる。
【0065】
また、別の実施の形態では、音声認識処理時において、ディスプレイ7に所定範囲付近の地図と現在位置付近の地図との同時分割表示を行う2分割画面表示手段とを装備しておいてもよい。この場合には、前記所定範囲付近の地図と現在位置付近の地図が同時にディスプレイ7に表示されるので、自己の位置を確認しながら音声認識に関する所定範囲の確認を行うことができる。
【0066】
尚、上記実施の形態ではタッチパネル9を介した位置指定操作を例に挙げて説明したが、別の実施の形態では、カーソルキーやマウス、トラックボール等の各種位置(座標)入力装置を介した位置指定操作であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音声認識装置が搭載されたナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】音声認識部の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)〜(E)は範囲指定状態を示す説明図である。
【図4】ナビマイコンが行う音声認識処理を示すフローチャートである。
【図5】ナビマイコンが行う割込処理を示すフローチャートである。
【図6】ナビマイコンが行う指定範囲表示処理を示すフローチャートである。
【図7】ナビマイコンが行う地点指定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・GPSセンサ
2・・・ジャイロセンサ
3・・・車速パルス入力部
4・・・音声認識部
5・・・ナビマイコン
6・・・操作スイッチ
7・・・ディスプレイ
8・・・音声合成部
9・・・タッチパネル
Claims (1)
- 表示手段に地図を表示する地図表示機能と、入力音声認識に応じた処理を行う音声認識処理機能とを備えた音声認識装置において、
前記表示手段に表示された地図上の任意の位置を指定する位置指定手段と、
入力された入力音声と比較して音声認識するための比較データを記憶する認識辞書と、
前記位置指定手段により指定された位置に応じて前記認識辞書から比較データを選択し、音声認識処理を行う処理対象データを絞り込む辞書選択手段と、
入力音声と前記辞書選択手段により選択された処理対象データとを比較し、認識結果を出力する認識処理手段とを備えると共に、
前記辞書選択手段が、処理対象データの絞り込みをナビゲーション装置における目的地又は中継地の地点設定操作時に行うものであり、
前記位置指定手段が、前記表示手段の前面側に設置され、該表示手段に表示された地図に連動して、操作者の接触位置に応じた入力を行うタッチパネルにより構成され、
さらに、音声認識装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記タッチパネルに対する操作位置が、前記現在位置検出手段により検出された現在位置に対応する位置である場合、前記音声認識処理を中止する認識処理中止手段とを備えていることを特徴とする音声認識装置。
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