JP4171602B2 - 虫類の捕獲用エアゾール製品 - Google Patents

虫類の捕獲用エアゾール製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、虫類の捕獲用のエアゾール製品の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、虫類の捕獲用組成物及び虫類の捕獲方法としては、特公昭62−3821号のものが提案されている。このものは、非粘着性樹脂を含む発泡組成物を虫類に対して噴射し、この樹脂によって虫類を封じ込めて捕獲するもので、殺虫剤を使用せずに虫類を捕獲できる点で安全であるという利点がある。また、非粘着性樹脂を用いるため、他所に付着した樹脂を簡単に拭き取れるという利点も備えている。
【0003】
また、本願出願人は、エアゾール容器の噴射ボタンからの噴射後一時的に初期粘着性を有すると共にその後非粘着性となる虫類の捕獲用組成物の開発に成功し(特開平11−255603)、これにより、ゴキブリ等の虫類に対する高い捕獲性を有すると共に、他所に付着した場合でも捕獲用組成物を簡単に拭き取ることを可能とした。
【0004】
ところが、従来のゴキブリ用殺虫剤にあっては、噴射距離が最大70〜80cm程度であり、本願出願人が上記発明(特開平11−255603)について実施した場合についても、同程度の噴射距離を想定していた。
ところが、ゴキブリに人が充分に近づいて噴射することは心理的に抵抗が大きく、また、ゴキブリは人が近づくと逃げてしまうことが多い。特に、殺虫ではなく、捕獲するタイプの場合には、捕獲用組成物でゴキブリを覆いつくす必要があるため、噴射中にゴキブリが射程距離から外れてしまうことが往々にしてあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の事情に鑑み、本願発明の第1の目的は、人が使用するのに適した距離において、
充分な量の捕獲用組成物をゴキブリ等の虫類に噴射することができる虫類の捕獲用エアゾール製品を提供することにある。
しかして、本願発明者は、約1〜1.5m程度の噴射距離を備えたものを開発せんとしたが、この程度離れた距離で噴射した場合、充分な量の捕獲用組成物をゴキブリにかけることが困難となる。そのため、噴射量を多くすると、噴射の勢いが強くなりすぎ、50cm程度の近距離や1mぐらいの距離にあっても、ゴキブリを吹き飛ばしてしまう場合があり、捕獲ができなくなるという問題が発生するに到った。また、近距離にあっては、噴射パターンが小さすぎると、ゴキブリに捕獲用組成物の噴射を当てることが困難となり、他方、これを広くすると、遠距離にあっては、噴射パターンが大きくなりすぎ、充分な量の捕獲用組成物をゴキブリに当てることができなくなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、虫類に対して捕獲用組成物を噴射剤の圧力によって噴射して虫類を捕獲する虫類の捕獲用組成物を封入し、エアゾール容器の噴射ボタンから噴射するようにしたエアゾール製品において、
エアゾール容器は、捕獲用組成物と噴射剤とを収納した容器本体と、この容器本体に備えられたバルブと、このバルブのバルブステムに取り付けられた噴射ボタンとを有するものであり、
この捕獲用組成物は、アクリル酸樹脂からなる非粘着性樹脂と、界面活性剤からなる発泡剤とを含有し、
噴射剤を含む全配合重量中の重量%において、上記のアクリル酸樹脂からなる非粘着性樹脂は5〜30重量%、上記の界面活性剤からなる発泡剤は0.5〜25重量%配合されたものであり、
エアゾール容器の噴射ボタンからの噴射後一時的に初期粘着性を有すると共にその後非粘着性となる樹脂組成物であり、この捕獲用組成物を虫類に噴射して粘着させることにより虫類を覆って捕獲すると共に、該捕獲用組成物が虫類を粘着後に非粘着性となり、非粘着性となった段階で他所に粘着した捕獲用組成物を剥がすことができるものであり、
上記のバルブのコア穴の総開口面積が、0.56mm2以上3.4mm2以下であり、
上記の噴射ボタンのボタン穴が、直径0.8〜1.5mmであり、
25℃におけるエアゾール容器の内圧が0.3MPa以上0.8MPa未満であり
25℃における噴射ボタンからの噴射量は、1秒間の噴射量が5〜12gであって、
噴射距離が少なくとも1.5mであり、
噴射距離0.5mにおける噴射パターンは直径30mmの円より大きく、且つ、噴射距離1.5mにおける噴射パターンは直径200mmの円内に捕獲用組成物の80%以上が納まるものであることを特徴とする虫類の捕獲用エアゾール製品 を提供することにより上記の課題を解決する。
【0007】
上記の手段により、1.0〜1.5m程度離れた遠距離の虫類に対しても充分に覆うことができる量の捕獲用組成物を短時間で噴射できる。尚、安全性並びに法規制の観点からは、35℃におけるエアゾール容器の内圧を0.8MPa未満とすることが望ましい。
このコア穴は、小さな穴を複数個設けたものとして実施することができ、例えば、直径0.6〜1.0mmのコア穴を2〜3個形成することが望ましいが、バルブコアの破損等が生じない範囲で、その個数や大きさは変更して実施できる。また、各コア穴の形状は、円形に限らず、矩形等適宜変更し得る。
この噴射距離については、目的の虫類から離れた場所から使用することを考えると、1.5mの噴射距離が必要である。尚、1.5m以上離れた場所に対しても噴射できることも望ましいが、2.0m、さらに、2.2mを越える距離まで離れてしまうと、虫類に当てることが困難となるため、これらの数値以内の噴射距離があれば足りる。逆に、近距離については、0.5m以上離れた距離で噴射して、虫類を覆うことができるものであれば足りる。これ以上接近した噴射距離であってもよいが、このような極近距離にて噴射することは、虫類の捕獲の観点からは例外的な場合であると考えられる。よって、0.0m〜1.5mの噴射距離、望ましくは0.5〜2.0mの噴射距離、最も望ましくは、0.5〜2.2mの噴射距離とする。勿論、0.5m以内の至近距離から噴射して使用することを妨げるものではない。
特に、噴射距離0.5mにおける噴射パターンは直径30mmの円より大きく、且つ、噴射距離1.5mにおける噴射パターンは直径200mmの円内(より望ましくは直径140mmの円内)に捕獲用組成物の80%以上が納まるものとすることにより、近距離にあっても充分な大きさの噴射パターンを得ることができ、他方、遠距離にあってはいたずらに噴射パターンが大きくなり過ぎることを防止することによって、虫類の捕獲に有効な噴射を行うことができるものである。
また、本願発明は、バルブのコア穴の総開口面積を3.4 mm 2 以下とすることにより、0.5mの近距離にいるゴキブリ等の虫類に対して噴射しても、この虫類を吹き飛ばしてしまうことを防止すると同時に、1.0〜1.5m程度離れた遠距離の虫類に対しても充分に覆うことができる量の捕獲用組成物を短時間で噴射でき、しかも、バルブの強度も使用に耐え得る強度を保持し得る。
【0008】
さらに、本願発明にあっては、25℃における噴射ボタンからの噴射量は、1秒間の噴射量が5〜12gであるとし、噴射ボタンのボタン穴が、直径0.8〜1.5 mm であることによって、近距離、遠距離を問わずに捕獲に最適な噴射を実現することができるものである。
本願発明は、発泡剤を含有させ、発泡状態で虫類を被覆することにより、見掛け上の体積が増加し、虫類を動きにくくすることができると共に、動けなくなった虫類を人が紙等で採って捨てる時にも、嫌悪感を少なくすることができ、また、殺虫剤成分の含有によって単に捕獲するだけでなく、殺虫を行うことができる。
本願発明は、捕獲用組成物が、エアゾール容器の噴射ボタンからの噴射後一時的に初期粘着性を有すると共にその後非粘着性となる樹脂組成物であり、この捕獲用組成物を虫類に噴射して粘着させることにより虫類を捕獲すると共に、該捕獲用組成物が虫類を粘着後に非粘着性となり、非粘着性となった段階で他所に粘着した捕獲用組成物を剥がすことができるものである。このように、初期粘着性を持つものであることが、虫類の捕獲の確実性を向上させる点からは好ましい。
具体的には、この捕獲用組成物は、アクリル酸樹脂からなる非粘着性樹脂を5〜30重量%と、界面活性剤からなる発泡剤を0.5〜25重量%とを含有するものである。塗布後の剥離性に関しては、非粘着樹脂の配合量が大きい程、剥離性が良くなる。
ここで、粘着性とは、捕獲目的の虫類(例えばゴキブリ)に対して噴射した時、捕獲用組成物が捕獲目的の虫類(例えばゴキブリ)に粘着付着(粘接着)する性質を言い、非粘着性とは噴射した後の捕獲用組成物が固化等すること等によって人の手に付着しない性質となっていることを言うものである。このように、時間差を持って粘着性から非粘着性に変化することが好ましい。
【0009】
本願発明に用いる捕獲用組成物としては、請求項に記載の条件に加えて、有機溶剤に可溶な樹脂や、水溶性樹脂を含有するものとすることが望ましい。
この水溶性樹脂としては、アルコール又はその他の溶剤、噴射剤等に可溶なものが処方する上で特に好ましいが、水のみに可溶な樹脂であっても処方中に水を添加することが可能ならば、何ら支障なく使用できる。
この水溶性樹脂の一例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等、及びこれらの共重合体などのビニル系合成高分子を挙げることができる。また、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどの半合成高分子を用いることができ、さらに、でんぷん系、アルギン系、その他の天然高分子なども使用でき、これらの複数種類の成分を組み合わせて使用することもできる。配合量は0.05〜15%、好ましくは0.1〜5%配合する。
尚、上記の各配合量(%)は、噴射剤を含む全配合重量中の重量%を意味するものである。以下同じ。
【0010】
これらの水溶性樹脂は、初期粘着性を有するが、噴射後(数秒乃至3分、長くとも10分未満)、捕獲用組成物中の水、アルコール等の溶剤や噴射剤が揮発し、表面固化して非粘着性となるものである。そして他所に付着しても、水を浸したウエス(綿布)等で拭き取ることによって、容易に取り去ることができる。
但し、噴射したものは、通常数分間で拭き取られることが一般的であると考えられるため、少なくとも1〜3分間、望ましくは5分間程度、拭き取り可能な状態であれば足りる。
この水溶性樹脂は、多量に使用すると、いつまでも粘着性が残り、非粘着性とはならなかったり、取り除きが困難となるため、配合量は15%以下、好ましくは5%以下とすることが望ましい。尚、水溶性樹脂を各種アルコールや炭化水素油等の揮発性の高い溶液に溶解させると、初期粘着性を示す時間の調製が容易になり、水に代えて、揮発性溶液に、若しくはそれらを混合使用して水溶性樹脂を溶解させることが望ましい。
【0011】
また、時間差を持って粘着性から非粘着性に変化することができるようにするために適する配合例の他の一つとして、水溶性樹脂と高級脂肪酸とを配合する例を挙げることができる。
水溶性樹脂としては、上記のものと同様のものを用いることができる。
高級脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、べへニン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等が使用できる。配合量は2〜65%、好ましくは3〜30%配合する。塗布後の剥離性に関しては、高級脂肪酸の配合量が大きい程、剥離性が良くなる。
【0012】
上記の成分に付加して、防虫、殺虫成分をそのままもしくはマイクロカプセル化した防虫、殺虫性マイクロカプセルを配合してもよい。このように、防虫、殺虫成分をマイクロカプセルに浸透吸収しておくことによって、樹脂が硬化した後は、マイクロカプセル表面が硬化した樹脂に覆われるため、人の手等に触れても防虫、殺虫成分との接触がなく、安全である。そして、硬化した後は、ゴキブリや鼠等が噛る等してカプセルを破壊したり直接触れる状態となることによって、殺虫性等の効果が発揮される。
【0013】
これらの防虫、殺虫剤としては、一般に虫類や小動物に対する防虫、殺虫性を有するものを採用できるものであり、その一例を挙げれば、d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマートや(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、4 −イソプロピルトロポロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタールイミド等々のピレストロイド系の化合物が安全面からは好ましいが、他の防虫性、殺虫性を有する薬剤を用いてもよい。また、害虫忌避剤としても作用するユーカリプトール、シトロネラール、ジメチルフタレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、ディート等や、桂皮、樟脳、レモングラス、ベルガモット、月桂樹、松、などから取れる精油、抽出液などを用いてもよく、これらを1種または2種以上を選択して用いることができる。
【0014】
さらに、防虫、殺虫剤は、マイクロカプセルに浸透吸収して配合することが好ましい。マイクロカプセルは、多種のものが提案されており、適当なものを選択して用いることができる。一例としては、無機多孔質微粒子であるマイクロカプセルを用いることができ、その具体的な製造方法例を下記に示す。この例は、マイクロカプセルとしてシリカを用いるもので、水ガラス溶液を局方流動パラフィン溶液等と共に乳化して油中水滴型乳濁液を得る。これに硫酸アンモニウム溶液を加えて、反応させ、放置し、続いて濾過、洗浄、乾燥を行うことにより、無水珪酸からなる中空の多孔質微粒子を得る。そして、得られた無機多孔質微粒子の空隙部に殺虫、防虫剤等の薬剤を導入するが、その方法としては、真空チャンバー内で無機多孔質微粒子を減圧することによって、常圧状態下にある薬剤の溶解液を圧力差を利用して空隙部に導入することによって、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子のマイクロカプセルを得るものである。マイクロカプセルに担持させる薬剤としては、害虫の誘引剤等々、種々の薬剤を含有させてもよい。
【0015】
さらに、本願発明の捕獲用組成物は、発泡剤を含有させ、発泡状態で噴射されるものとする。これによって、噴射状態での見掛け上の体積が増加し、虫類を動きにくくすることができると共に、動けなくなった虫類を人が紙等で採って捨てる時にも、嫌悪感を少なくすることができる点で、好ましい。
【0016】
発泡剤として用いる界面活性剤としては、非イオン、アニオン、カチオン、両性活性剤等いずれでも良く、界面活性剤の種類は特に限定されない。非イオン性界面活性剤の一例をあげればモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ジエチレングリコール、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム等を例示し得る。カチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等を例示し得る。両性界面活性剤としては、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸コラーゲンペプチドカリウム、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸グリチルレチニル等を例示し得る。
【0017】
使用する界面活性剤としては、有機溶媒に可溶なものが好ましいが、もちろん有機溶媒に難溶な場合にはアルコール類や水を加えて可溶化することも可能である。この界面活性剤の配合量は0〜25%、好ましくは0.5〜15%配合であるが、共に配合する水溶性樹脂や非粘着樹脂、高級脂肪酸及びその他の配合成分によって、或いは希望する発泡状態を考慮して、最適な界面活性剤を選択して使用すればよい。使用した場合、発泡性と塗布後の剥離性を考慮すると、上記界面活性剤類の内でも、炭素数6〜10のアルキル基で付加モル数5〜20のPOEアルキルフエニルエーテル、炭素数12〜20のアルキル基で付加モル数1〜20のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタントリオレエートが特に好ましい。
【0018】
配合成分としては、上記の各成分の他、消臭剤や防臭剤、香料等を付加的に配合することも可能である。
【0019】
以上の虫類の捕獲用組成物は、適宜手段で噴射させて虫類を捕獲することができるが、一般的には、エアゾール容器に封入して噴射すればよい。噴射剤としては、従来より使用されているLPG、ジメチルエーテル、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、窒素及び134a等のHFC等々を用いることができる。噴射剤の配合量としては、噴射性を得ることを条件として使用されるガスの種類によって適宜変更し得るが、一般的には噴射量及び噴射距離によって、エアゾール製剤及び噴射剤を含めた全封入量中の、10〜90重量%とすることが適当である。
【0020】
上記の捕獲用組成物は、エアゾール容器に封入されて、本願発明のエアゾール製品が完成する。
エアゾール容器は、従来のエアゾール容器と基本的には同一の構造を備えたものでよく、容器本体に備えられたバルブと、このバルブステムに取り付けられた噴射ボタンを有するものを利用できる。
この噴射ボタンからの噴射量は、25℃において、1秒間の噴射量を5〜12gとすることが望ましい。より望ましくは、同温度での3秒間の噴射量を18〜35g(最も望ましくは20〜23g)とする。噴射距離は、少なくとも1.0m、好ましくは1.5mの距離に到達すること求められ、より望ましくは、0.5〜2.0m、さらに望ましくは0.5〜2.2mの距離において、適正な噴射状態が得られるものとする。
このエアゾール容器におけるバルブのコア穴としては、直径0.7mmの穴2個分以上の開口面積を備えたものが望ましく、より好ましくは1.0mmのコア穴が2個以上、最も好ましくは2〜3個形成されたもの、若しくは、これと同等の開口面積とする。すなわち、バルブのコア穴の総開口面積は、0.56以上とし、望ましくは3.4mm2 以下とする。さらに、虫類を吹き飛ばしてしまうことをより確実に防止するには、2.4mm2以下とすることが最も望ましい。
また、噴射ボタンのボタン穴(噴射孔)は、直径0.8〜1.5mmとする。このように、バルブ及び噴射ボタンとすることによって、近距離、遠距離を問わずに捕獲に最適な噴射を実現することができる。即ち、噴射の勢いが強すぎて虫類をはね飛ばしてしまうことを防止でき、且つ、勢いが弱すぎで、虫類を覆い隠すのに時間がかって虫類が逃げてしまうことを防止できる。
【0021】
【実施例】
次に、本願発明の理解を高めるために、実施例を示すが、本願発明はこの実施例に限定して理解されるべきではない。
【0022】
実施例1の配合量を下記の表1に示す(尚、単位は、特に明示しない限り重量部である。以下同じ)。
【0023】
【表1】
実施例1の処方
アクリル酸樹脂(三菱レーヨン製レジンBR):40.0±2.0
原液:20.0±1.0
液化ガス:114.0±2.5
実施例1の上記原液の処方
シリコン:20.0
界面活性剤(発泡剤):43.0
炭化水素油:37.0
実施例1の上記液化ガスの処方
ブタン:70.0
ジメチルエーテル:30.0
【0024】
上記、実施例1の処方を、エアゾール容器に封入して、実施例1のエアゾール製品を完成させた。
この実施例1のエアゾール製品の設定値並びに性能値を、下記の表2に示す。
【0025】
【表2】
バルブのコア穴:0.5mm2 ×3個=総開口面積1.5mm2
ボタン穴:直径1.0mm
噴射量(1秒間 25℃):7g
噴射量(3秒間 25℃):22g
噴射距離:0.5〜2.2m
噴射パターン(0.5m):縦45mm×横48mm
噴射パターン(1.5m):縦150mm×横144mm
容器内圧:0.45MPa
【0026】
上記実施例1のエアゾール製品について、目的の虫類(ゴキブリ)に向けて噴射試験を行った。
噴射距離0.5mでは、縦45mm×横48mmの噴射パターンによって、虫類を捕らえることができた。
噴射距離1.5mでは、縦150mm×横144mmの噴射パターンによって、虫類を捕らえることができた。
噴射後1分経過後に、ゴキブリと共に、噴射物を剥がしたところ、良好に剥がれた。
尚、1分未満だと乾ききっていない場合があり、5分以上経過した後では、剥がしにくくなる場合があった。よって、1〜3分程度で剥がすのが適当であった。
【0027】
次に、実施例2〜5と、比較例1、2とを、表3に示す。これらの例は、実施例1の処方を、表3に示す条件のエアゾール容器に封入したものである。尚、容器内圧はいずれも0.45MPaである。
これらの実施例1〜5と比較例1、2とのエアゾール製品をゴキブリに対して噴射した結果を表3に示す。この結果から明らかなように、各実施例においては、遠距離、近距離を問わずに、適当な量の噴射を、ゴキブリに行うことが可能であり、ゴキブリを捕獲することができたものである。
表3において、塗布量は、0.5m又は1.5m先の平面に対して塗布できる量を示したもので、◎はゴキブリを捕獲するのに十二分な量の塗布が可能であったもの、○はゴキブリを捕獲することができる充分な量の塗布が可能であったもの、△はゴキブリをほぼ捕獲することができる量の塗布が可能であったが、場合によっては逃げるものがあったもの、×はゴキブリを捕獲するには不足したものを示す(但し、吹き飛ばしによって捕獲できなかったものを除く)。
吹き飛ばしは、0.5m又は1.5m先の平面上のゴキブリに対して噴射した際に、ゴキブリを吹き飛ばしてしまうか否かを観察したもので、◎はゴキブリを吹き飛ばすことが全くなかったもの、○はゴキブリを吹き飛ばすことがなかったもの、△はゴキブリを吹き飛ばすことがまれにあったもの、×はゴキブリを吹き飛ばすことが多かったものを示す。 剥離性は、噴射後1〜3分以内に拭き取ることができるか否かを観察したもので、○は可能、△は拭き取れない場合もあった、×は拭き取れなかったを示す。
【0028】
【表3】
Figure 0004171602
【0029】
上記の実施例の他、配合の処方として、使用可能な他の実施例を表4に示す。
【0030】
【表4】
Figure 0004171602
【0031】
【発明の効果】
以上、本願発明は、人が使用するのに適した距離において、充分な量の捕獲用組成物をゴキブリ等の虫類に噴射することができる虫類の捕獲用エアゾール製品を提供することができたものである。本願発明では、50 cm 程度の近距離にあっても、捕獲目的の虫類を噴射の勢いで吹き飛ばしてしまうことを少なくできたものであり、また、本願発明は、150cm程度の遠距離にあっても、50cm程度の近距離にあっても、適当な範囲に適当な量の噴射を行うことができる虫類の捕獲用エアゾール製品を提供することができたものである。

Claims (1)

  1. 虫類に対して捕獲用組成物を噴射剤の圧力によって噴射して虫類を捕獲する虫類の捕獲用組成物を封入し、エアゾール容器の噴射ボタンから噴射するようにしたエアゾール製品において、
    エアゾール容器は、捕獲用組成物と噴射剤とを収納した容器本体と、この容器本体に備えられたバルブと、このバルブのバルブステムに取り付けられた噴射ボタンとを有するものであり、
    この捕獲用組成物は、アクリル酸樹脂からなる非粘着性樹脂と、界面活性剤からなる発泡剤とを含有し、
    噴射剤を含む全配合重量中の重量%において、上記のアクリル酸樹脂からなる非粘着性樹脂は5〜30重量%、上記の界面活性剤からなる発泡剤は0.5〜25重量%配合されたものであり、
    エアゾール容器の噴射ボタンからの噴射後一時的に初期粘着性を有すると共にその後非粘着性となる樹脂組成物であり、この捕獲用組成物を虫類に噴射して粘着させることにより虫類を覆って捕獲すると共に、該捕獲用組成物が虫類を粘着後に非粘着性となり、非粘着性となった段階で他所に粘着した捕獲用組成物を剥がすことができるものであり、
    上記のバルブのコア穴の総開口面積が、0.56mm2以上3.4mm2以下であり、
    上記の噴射ボタンのボタン穴が、直径0.8〜1.5mmであり、
    25℃におけるエアゾール容器の内圧が0.3MPa以上0.8MPa未満であり
    25℃における噴射ボタンからの噴射量は、1秒間の噴射量が5〜12gであって、
    噴射距離が少なくとも1.5mであり、
    噴射距離0.5mにおける噴射パターンは直径30mmの円より大きく、且つ、噴射距離1.5mにおける噴射パターンは直径200mmの円内に捕獲用組成物の80%以上が納まるものであることを特徴とする虫類の捕獲用エアゾール製品。
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