JP4171560B2 - 軒先換気部材と軒先換気構造 - Google Patents
軒先換気部材と軒先換気構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、軒先換気部材と、軒先換気構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、住宅等の軒先通気部に簡単かつ確実に施工することができ、しかも防火性、排水性にも優れた軒先換気部材と、この部材を用いた軒先換気構造に関するのもである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、住宅等の軒先には屋根裏空間への通気を目的として、たとえば図4に例示したように、野縁(ア)の下方に配設した軒天井材(イ)の一部を切欠いて開口部(ウ)を設け、この開口部(ウ)をたとえば防虫用のネット(エ)で覆った軒先換気構造が知られている。
【0003】
ところが、建築基準施行令第109条第3項の規定によれば、このような通気可能とした構造は、その開口部(ウ)の大きさが100 cm2以上の場合には防火構造としなければならない。そこで、従来は、たとえば図5に示したような防火戸(オ)を開口部(ウ)に取付けるようにしていた。この防火戸(オ)は、通常はそのダンパー(カ)が水平に位置して通気を可能としているが、所定の熱を受けると温度ヒューズが解除され、バネと重力とによってダンパー(カ)が落下して開口部(ウ)を遮断する。これによって、屋根裏への吸気や炎の侵入が防止されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に例示したような防火戸(オ)を用いる換気構造の場合には、通常は複数個の防火戸(オ)をつなぎ合わせて施工するためその作業に多くの時間と労力を必要とした。また、一軒の軒先を施工する場合でも4〜8個もの防火戸(オ)を必要とするため、建築コストの増加が避けられなかった。
【0005】
さらには、このような防火戸(オ)は、年月を経るに従ってサビ等によりダンパー(カ)が作動しにくくなり、防火用部材としての信頼性にも問題があった。そしてまた、図5に例示したような換気構造の場合には、開口部(ウ)から吹き込む雨水等の排水手段を持たないために、内部に貯留した水がダンパー(カ)の作動障害や、野縁(ア)および軒天井材(イ)の腐食の原因となってもいた。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の軒先換気構造およびそのための換気部材の問題点を解消し、低コストで簡単に施工することができ、しかも防火性、排水性にすぐれた軒先換気部材と、この換気部材を用いた軒先換気構造を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願は、前記の課題を解決するための発明として、第1には、軒天井の一部に配設する換気用の部材であって、軒天井材と略同一の厚みからなる横長中空体であり、下面にスリット状開孔列を、上面には長手方向の開口部を有し、この開口部に相対向する下面上には熱発泡材が配置されており、下面の一端が軒天井材の端部底面に重なり合うように突出していることを特徴とする軒先換気部材を提供する。
【0008】
また、この出願は、第2の発明として、前記軒先換気部材において、下面が凸状部を有し、この凸状部の頂面にスリット状開孔列が形成され、凸状部の立ち上がり角部に水抜き穴を有する軒先換気部材を提供する。
この出願はまた、第3の発明として、前記の軒先換気部材を配設した軒天井材と野縁材とを一体化した軒天井パネルの前後両端縁が、軒先側および外壁側の支持金具によって取り付け固定されており、支持金具の少なくとも一方には弾性押圧手段が設けられていることを特徴とする軒先換気構造を提供し、第4の発明として、外壁側の支持金具には、外壁における外装材裏面通気層に連通する通気口が形成されている軒先換気構造を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この出願の発明についてさらに詳しく説明する。
【0010】
【実施例】
図1は、この発明の軒先換気部材の一実施例を示した側面図および裏面図である。
この図1に示した軒先換気部材(10)は、例えば金属板等からなる横長中空体であり、長さや横幅等の寸法は任意とすることができる。例えば、長さは1500 mm〜2000 mm程度、横幅は100 mm〜200 mm程度を基準とすることができるが、この範囲に限定されるものではない。一方、この軒先換気部材(10)の厚みは、これを配設する軒天井材の厚みと略同一であり、軒天井材の厚みに応じて10 mm〜30 mmの範囲の厚みとすることができる。
【0011】
そして、この軒先換気部材(10)は下面にスリット状開孔(11)を並列形成しており、上面には長手方向に開口部(12)を有している。また、この開口部(12)に相対向する下面上には熱発泡材(13)が配置されている。下面の一端は突起片(14)となってもいる。そして、この図1の軒先換気部材(10)の場合には、2枚の折り曲げ板(10A)(10B)をこの突起片(14)において重ね合わせ、リベット固定し、中空体としている。
【0012】
さらに、この図1に例示した軒先換気部材(10)においては、下面に凸状部(15)が設けられ、この凸状部(15)の頂面にスリット状開孔(11)が形成されている。また、この凸状部(15)の立ち上がり角部に水抜き穴(16)が形成されてもいる。
このように、この発明の軒先換気部材(10)は、金属板等の切断、折り曲げ、穴形成およびリベット固定等の工程により、低コストで簡単に製造することができる。
【0013】
なお、熱発泡材(13)としては、一定温度以上の加熱によって膨張する公知のグラファイト系樹脂やアミノ系樹脂等を用いることができる。
このような軒先換気部材(10)は、例えば図2に示したようにして軒天井に配設することができる。すなわち、この図2は、軒天井の軒先側に軒先換気部材(10)を配設した例であり、野縁材(20)に固定した取り付け金具(21)によって軒先換気部材(10)の先端を固定し、また、図1の裏面図に示した長穴(17)を介して打ち込んだ釘(30)によって後方を固定している。また、後方の突起片(14)は軒天井材(40)の端部底面に重なり合っており、軒先換気部材(10)と軒天井材(40)との接合部から雨水等が進入することを防止している。なお、軒先換気部材(10)の固定方法は図2の例によって限定されるものではなく、例えば、前方と後方の両方を釘や木ねじ等によって野縁材(20)に固定するようにしてもよい。
【0014】
図3は、この発明の軒先換気構造の一実施例を示した側断面図である。
この軒先換気構造においては、図1に例示した軒先換気部材(10)が、軒天井材(40)と野縁材(20)とを一体化した軒天井パネル(50)に配設されている。
この軒天井パネル(50)は、その野縁材(20)の前後両端がそれぞれ軒先側の支持金具(60)と外壁側の支持金具(70)とによって支持固定されている。そして、この図3の例では、外壁側の支持金具(70)には押圧手段としてのバネ片(71)が設けられている。このため、軒天井パネル(50)の野縁材(20)後端を支持金具(70)に押し込み、次いで前端を軒先側の支持金具(60)に嵌挿すれば、バネ片(71)の押圧力によって軒天井パネル(50)はしっかりと支持金具(60)(70)に支持固定されるようになる。また、バネ片(71)によって軒天井パネル(50)の若干の寸法のばらつきが吸収されるため、施工現場での寸法調整等の作業が軽減される。なお、押圧手段は、バネ片の他、例えばコイル等の弾性材を用いてもよい。
【0015】
また、この図3に例示した軒先換気構造においては、外壁側の支持金具(70)に通気口(72)を設けてもいる。この通気口(72)によって、外壁における下地材(80)と外装材(81)との間の通気層(82)と屋根裏空間が連通するため、外壁面における換気性も良好なものとなっている。
もちろん、この出願の発明は以上の例によって限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、低コストで簡単に施工することができ、しかも防火性、排水性にすぐれた軒先換気部材と、この換気部材を用いた軒先換気構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の軒先換気部材の一実施例を示した側面図および裏面図である。
【図2】図1に例示した軒先換気部材の軒天井への配設状態を例示した側断面図である。
【図3】この発明の軒先換気構造の一実施例を示した側断面図である。
【図4】従来の軒先換気構造を例示した側面図である。
【図5】従来の軒先換気構造における防火構造を例示した側断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 軒先換気部材
10A、10B 折り曲げ板
11 スリット状開孔
12 開口部
13 熱発泡材
14 突起片
15 凸状部
16 水抜き穴
17 長穴
20 野縁材
21 取り付け金具
30 釘
40 軒天井材
50 軒天井パネル
60 軒先側の支持金具
70 外壁側の支持金具
71 バネ片
72 通気口
80 外壁下地材
81 外装材
82 通気層
Claims (4)
- 軒天井の一部に配設する換気用の部材であって、軒天井材と略同一の厚みからなる横長中空体であり、下面にスリット状開孔列を、上面には長手方向の開口部を有し、この開口部に相対向する下面上には熱発泡材が配置されており、下面の一端が軒天井材の端部底面に重なり合うように突出していることを特徴とする軒先換気部材。
- 下面が凸状部を有し、この凸状部の頂面にスリット状開孔列が形成され、凸状部の立ち上がり角部に水抜き穴を有する請求項1の軒先換気部材。
- 請求項1または2の軒先換気部材を配設した軒天井材と野縁材とを一体化した軒天井パネルの前後両端縁が、軒先側および外壁側の支持金具によって取り付け固定されており、支持金具の少なくとも一方には弾性押圧手段が設けられていることを特徴とする軒先換気構造。
- 外壁側の支持金具には、外壁における外装材裏面通気層に連通する通気口が形成されている請求項3の軒先換気構造。
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JP23809399A JP4171560B2 (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | 軒先換気部材と軒先換気構造 |
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