JP2007063869A - 防火装置及び換気構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 火災の被害が拡大しにくい防火装置を提供する。
【解決手段】 屋内と屋外との間で空気を流通させるための換気経路5に配設される防火装置に関する。火災時の熱で上方に向って拡張する熱変形部材55と、熱変形部材55の上方への拡張に伴って上動することにより換気経路5の上面に当接するシャッター部材6とを備える。熱変形部材55の一部が熱により拡張しなくても、熱変形部材55の拡張した部分でシャッター部材6全体を上動させて換気経路の上面に当接させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 屋内と屋外との間で空気を流通させるための換気経路5に配設される防火装置に関する。火災時の熱で上方に向って拡張する熱変形部材55と、熱変形部材55の上方への拡張に伴って上動することにより換気経路5の上面に当接するシャッター部材6とを備える。熱変形部材55の一部が熱により拡張しなくても、熱変形部材55の拡張した部分でシャッター部材6全体を上動させて換気経路の上面に当接させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、火災時に建物の換気経路を遮断するための防火装置及びそれを設けた換気構造に関するものである。
従来から、屋根に換気経路を設け、換気経路を通じて屋内と屋外との間で空気を流通させることにより、屋内の換気が行われているが、一旦、屋内で火災が発生した場合は、換気経路が煙突のような働きをするために鎮火しにくくなる恐れがあった。また、屋外で火災が発生した場合は、換気経路を通じて火の粉や熱気が屋内に侵入するために延焼しやすいという問題があった。そこで、火災時には換気経路を閉塞して遮断することにより、換気経路が煙突のような作用をしたり換気経路を通じて火の粉や熱気が屋内に侵入したりするのを防止し、火災の被害が拡大しないようにすることが考えられている。例えば、特許文献1に記載された発明は、熱で膨張する熱発泡性耐火シートを換気経路に設け、火災が発生した際に熱発泡性耐火シートを膨張させて換気経路を完全に閉塞するものである。
特開2004−218216号公報
しかし、上記特許文献1に記載された発明では、熱発泡性耐火シートの膨らむ温度にバラツキがあるために均一に膨張しないことがあり、換気経路を完全に閉塞できずに隙間が生じることがあり、この結果、換気経路が煙突のような作用をしたり換気経路を通じて火の粉や熱気が屋内に侵入したりして、火災の被害が拡大しやすいという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、火災の被害が拡大しにくい防火装置及び換気構造を提供することを目的とするものである。
本発明の防火装置は、屋内と屋外との間で空気を流通させるための換気経路5に配設される防火装置であって、火災時の熱で上方に向って拡張する熱変形部材55と、熱変形部材55の上方への拡張に伴って上動することにより換気経路5の上面に当接するシャッター部材6とを備えて成ることを特徴とするものである。
本発明にあっては、熱変形部材55をシャッター部材6よりも屋外側に設けるのが好ましい。
また、本発明にあっては、シャッター部材6を換気経路5に吹き込む所定以上の強風により上動可能に形成するのが好ましい。
本発明の換気構造は、上記いずれかに記載の防火装置を屋根1の棟部分で開口する換気経路5に設けて成ることを特徴とするものである。
また、本発明の換気構造は、上記いずれかに記載の防火装置を屋根1の軒天井60で開口する換気経路5に設けて成ることを特徴とするものである。
本発明では、火災時の熱により上方に向って拡張した熱変形部材55によりシャッター部材6を上動させて換気経路5の上面に当接させるので、熱変形部材55の一部が熱により拡張しなくても、熱変形部材55の拡張した部分でシャッター部材6全体を上動させて換気経路の上面に当接させることができ、換気経路5をシャッター部材6全体で確実に閉塞して遮断することができて火災の被害が拡大しにくくなるものである。
また、熱変形部材55をシャッター部材6よりも屋外側に設けることによって、熱変形部材55をシャッター部材6よりも屋内側に設ける場合に比べて、屋外で発生した火災に対して熱変形部材55が拡張の動作を起しやすくなり、換気経路5を通じて火の粉や熱気が屋内に侵入しにくくなって火災の被害がさらに拡大しにくくなるものである。
また、シャッター部材6を換気経路5に吹き込む所定以上の強風により上動可能に形成することにより、シャッター部材6が換気経路5からの雨水の浸入を防止するためのダンパーとして動作させることができ、防火のためのシャッター部材6を火災時以外に有効利用することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1には本発明の換気構造の一例を示している。この換気構造は、屋根1の棟部分で開口する換気経路5に本発明の防火装置を設けて形成されるものである。また、本発明の防火装置はシャッター部材6と熱変形部材55とを備えて形成されている。このシャッター部材6は不燃材料で形成されており、例えば、アルミニウムの押出成形品、カラー鋼板やステンレス鋼板の板金加工品、セラミックや窯業系材料の押出成形品を用いることができる。また、シャッター部材6は取付部8と風受け片7と押圧片56とを有して形成されるものである。取付部8は下面が開口する断面略U字状に形成されており、風受け片7及び押圧片56は平板状に形成されている。また、風受け片7は取付部8の上部から側方に向けて略垂直に突出するようにして取付部8に一体的に形成されている。また、押圧片56は取付部8の下端から風受け片7と反対側に突出するようにして取付部8に一体的に形成されている。そして、このシャッター部材6は火災時以外では換気経路5に吹き込む所定以上の強風(15m/s以上の強風)により上動可能に形成したものであって、換気経路5からの雨水の浸入を防止するためのダンパーとして動作させるものである。尚、シャッター部材6は後述のシャッター保持片9あるいは排気口3の長手方向(棟部分の長手方向と平行な方向)の寸法と略同じ長さに形成することができるが、シャッター部材6は排気口3に対応する位置に設ければよいので、複数の排気口3が不連続に形成されている場合は、排気口3と同等の長さの複数個のシャッター部材6を用いることができる。また、シャッター部材6はヒンジ機構や軸支構造を具備しておらず、一定の断面形状を有するものである。
熱変形部材55は火災時の熱で上方に向って拡張(寸法が伸張したり体積が膨張したり)するものである。このような熱変形部材55としては、加熱により発泡して拡張し、且つ拡張した後は燃焼しない不燃性を有する熱発泡材料で形成したものを例示することができ、具体的には熱発泡材料としては温度約180℃に加熱されることにより拡張し、且つ不燃性を有するグラファイト系熱発泡材を用いることができる。
そして、本発明の換気構造は、屋根1の棟部分に換気棟部材4やシャッター部材6などを設けて形成することができる。図2に示すように、換気棟部材4は、塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折曲げ加工などして長尺に形成されるものであって、山形状(断面く字状)に連続する一対の傾斜部15と、各傾斜部15の側端部(互いに連続していない方の端部)の全長に亘って下方に向けて突設された起立部16と、各起立部16の下端の全長に亘って連設された差込み部17とを備えて形成されている。換気棟部材4には両方の傾斜部15の下面に跨るようにして断熱材18が設けられている。この断熱材18としてはポリエチレンフォームなどの樹脂発泡体を用いることができる。また、起立部16は各傾斜部15に対して略垂直で突設されており、起立部16を厚み方向で貫通するようにして排気口3が形成されている。排気口3は起立部16の略全長に亘って連続する一の開口であってもよいし、不連続の複数の排気口3を起立部16の長手方向に並べて形成しても良い。差込み部17は折り返し屈曲されて断面略U字状に形成されている。
上記換気棟部材4及びシャッター部材6は固定部材10により屋根1の棟部分に取り付けて固定することができる。固定部材10は換気棟部材4と同様の金属板(板金)を折曲げ加工などして長尺に形成されるものであって、平板状の下固定片21と、下固定片21の一方の端部(棟側端部)に固定片21に対して略垂直上方に突設された立設片22と、立設片22の上端に立設片22に対して略垂直で軒側に突設された上固定片23と、下固定片21の他方の端部(軒側端部)に折り返し屈曲により形成された挟持片24と、挟持片24の棟側端部に挟持片24に対して略垂直に突設されたシャッター保持片9とを備えて形成されている。シャッター保持片9は排気口3からの雨水の流入を防止するための邪魔板としても作用するものである。また、立設片22には通気孔25が形成されている。通気孔25は立設片22の略全長に亘って連続する一の開口であってもよいし、不連続の複数の通気孔25を立設片22の長手方向に並べて形成しても良い。また、上固定片23にはパーテーション部11が設けられている。パーテーション部11は上固定片23に対して略垂直下方に突設されるものであり、上記通気孔25とシャッター保持片9との間で通気孔25に対向するように形成されている。パーテーション部11は固定部材10の長手方向(棟部分の長手方向と平行な方向)の寸法と略同じ長さに形成することができるが、パーテーション部11は通気孔25に対応する位置に設ければよいので、複数の通気孔25が不連続に形成されている場合は、通気孔25と同等の長さの複数個のパーテーション部11を形成するようにしてもよい。また、パーテーション部11の下端と下固定片21との間には通気可能な間隙26が形成されている。さらに、固定部材10の長手方向の両端には側壁27が設けられている。側壁27は固定部材10の長手方向の両端を閉塞するためのものであり、固定部材10を換気棟部材4と結合した際に側壁27の先端(軒側端部)は起立部16に達するものである。また、側壁27のシャッター保持片9の直ぐ棟側には水抜き孔54が形成されており、シャッター部材6よりも棟側の換気経路5にまで水が進入しても水抜き孔54から排水することができるものである。また、下固定片21の下面には弾性体28が設けられている。
また、本発明では補強金具(図示せず)を用いることができる。補強金具は平板状の金具固定片と金具固定片の一方の端部(軒側端部)に上方に向かって略直角に屈曲形成した補強片と、補強片の上端から軒側に向かって略直角に突設される上当接片と、上当接片の軒側端部から下方に向かって略直角に突設される前当接片とから構成されている。
そして、本発明の換気棟を形成するにあたっては、次のようにして行なう。まず、図2に示すように、固定部材10のシャッター保持片9にシャッター部材6の取付部8を差し込むことによって、固定部材10にシャッター部材6を取り付ける。このようにシャッター部材6を固定部材10に取り付けた後、固定部材10に補強金具を取り付ける。補強金具の取り付けは、金具固定片をシャッター部材6の取付部8と固定部材10の立設片22との間において下固定片21の上面に配置し、下固定片21と金具固定片とをリベット等の固定具46で固定するようにする。
次に、シャッター部材6と補強金具を取り付けた状態の固定部材10の挟持片24と下固定片21とを換気棟部材4の差込み部17の内側空間に差し込む。ここで、挟持片24と下固定片21は補強金具の前当接片が起立部16の棟側面に当接するまで差し込まれるものであり、これにより、シャッター部材6の風受け片7の先端(軒側端部)は起立部16と間隔を介して配置される。また、固定部材10の上固定片23と補強金具の上当接片とを傾斜部15の下面に当接し、上固定片23と傾斜部15とをリベット等の固定具46で固定する。さらに、シャッター保持片9に取り付けたシャッター部材6の押圧片56と固定部材10の下固定片21との間に熱変形部材55を配置する。ここで、熱変形部材55は、押圧片56の下面に固着して下固定片21と固着しない場合と、押圧片56に固着しないで下固定片21の上面と固着する場合と、押圧片56の下面及び下固定片21の上面とのいずれにも固着しない場合の三つの配置の方法がある。また、熱変形部材55をシャッター部材6の長手方向(図面の紙面と直交する方向)に連続して設けても良いし、複数個の熱変形部材55をシャッター部材6の長手方向に並べて設けるようにしても良い。
このようにして両方の傾斜部15の両端部(両方の軒側端部)に固定部材10、シャッター部材6、熱変形部材55、補強金具を取り付けた後の換気棟部材4を屋根1の棟部分に配置する。屋根1は、棟木50と、棟木50の上に棟側端部が載置された複数本の母屋51と、母屋51の上に設けられる野地板52と、野地板52の上に葺かれた屋根材53とを備えて構成されており、母屋51、野地板52、屋根材53は棟木50から軒側に向かって下り傾斜するように配置されている。また、棟木50を挟んで両側に位置する母屋51、51の間と野地板52、52の間と屋根材53、53の間には間隙が設けられており、この間隙が屋根1の棟部分の略全長に亘って開口する屋根開口部2として形成されている。そして、固定部材10、シャッター部材6、熱変形部材55、補強金具を取り付けた換気棟部材4はその頂部(一対の傾斜部15の境界部分)が屋根開口部2の真上に位置するようにして配置される。従って、換気棟部材4は屋根開口部2の上方を覆うようにして棟木50の両側の屋根材53、53に跨るように配置され、換気棟部材4に設けた固定部材10を屋根材53に固定することによって、換気棟部材4を屋根1の棟部分の全長に亘って取り付けることができる。この時、弾性体28は下固定片21と屋根材53との間に圧縮された状態で介在される。そして、換気棟部材4の下側の空間、すなわち、傾斜部15と屋根材53の間の空間が換気経路5として形成される。この換気経路5の途中にはパーテーション部11や立設片22が設けられているが、通気孔25及び間隙26が形成されているために、屋根開口部2と排気口3は換気経路5を通じて通気可能に形成されており、これにより、屋内と屋外との間で空気を流通させて換気することができるものである。
次に、本発明の防火装置及び換気構造の動作について説明するが、図1(a)(b)の向って右側部分におけるシャッター部材6の動作及び図3を中心に説明する。シャッター部材6は火災発生時に防火ダンパーとして作用するものである。すなわち、屋内で火災が発生した場合は、熱気が屋根開口部2を通じて換気経路5に流入するが、この熱気で熱変形部材55が加熱されて、図3(a)の状態から図3(b)の状態のように、押圧片56の下側(押圧片56と下固定片21との間)で上方に向かって膨張あるいは伸張するように熱変形を起すものであり、この熱変形に伴ってシャッター部材6が押し上げられて、上方にスライド移動したシャッター部材6の上面が換気経路5の上面を構成する傾斜部15の下面に当接することによって、換気経路5が閉塞されて遮断されるものである。従って、換気経路5が煙突のように作用するのを防止することができ、鎮火しやすくなるものである。また、屋外で火災が発生した場合は、熱気が排気口3を通じて換気経路5に流入するが、この熱気で熱変形部材55が加熱されて、押圧片56と下固定片21との間で上方に向かって膨張あるいは伸張するように熱変形を起すものであり、この熱変形に伴ってシャッター部材6が押し上げられて、上方にスライド移動したシャッター部材6の上面が換気経路5の上面を構成する傾斜部15の下面に当接することによって、換気経路5が閉塞されて遮断されるものである。従って、火の粉や熱気が換気経路5を通じて屋内に侵入させないようにすることができ、延焼を防止することができるものである。
また、上記の換気構造では、暴風雨などの所定以上の強風の時にシャッター部材6で換気経路5を閉塞することができる。すなわち、図3(a)に示すように、強風時以外では、シャッター部材6は自重により最も下側に位置してシャッター保持片9で支持されており、風受け片7は屋根面(屋根材53の上面)に対して略平行に、すなわち、屋根1の傾斜と略平行な状態に保持されて配置されているが、強風時には排気口3から換気経路5に吹き込む強風(図4(a)(b)に矢印で示す)の風圧により、風受け片7が下側から押圧されることになり、この押圧によりシャッター部材6の全体がシャッター保持片9に沿って上方にスライド移動する。このとき、熱変形部材55が押圧片56と固着されている場合は、図4(a)に示すように、シャッター部材6と共に熱変形部材55も上動するが、熱変形部材55が押圧片56と固着されていない場合は、図4(b)に示すように、シャッター部材6のみが上動する。
そして、上方にスライド移動したシャッター部材6の風受け片7の上面が傾斜部15の下面に当接することによって、換気経路5が閉塞されるものである。従って、強風と共に排気口3から換気経路5に雨水が進入してもシャッター部材6よりも屋根開口部2側に達するのを防止して屋内への進入を防止することができ、シャッター部材6の逆流防止弁のような作用により排気口3の近傍で雨水の進入を止めて排気口3から排出することができるものである。
一方、強風がおさまって所定未満(15m/s未満)になると、シャッター部材6の全体が自重によりシャッター保持片9に沿って下方にスライド移動するものであり、これにより、図3(a)の状態、すなわち、シャッター部材6がシャッター保持片9で支持されて、風受け片7が屋根面(屋根材53の上面)に対して略平行で屋根1の傾斜と略平行な状態に保持された状態に戻って、換気経路5が開放されて連通状態となり、換気することができるものである。
さらに、シャッター部材6の風受け片7の高さ寸法(挟持片24から風受け片7の下面までの寸法)H1が排気口3の高さ寸法(挟持片24から排気口3の上縁部までの寸法)H2よりも大きくなるように(H1≧H2)形成されており、これにより、排気口3から吹き込む強風が風受け片7の下面に当たりやすくなって、シャッター部材6を確実に上方へスライド移動させることができるものである。さらに、シャッター部材6が樹脂材料で形成されている場合であっても、シャッター部材6は換気棟部材4で覆われているために、紫外線が直接当たらないようにすることができ、シャッター部材6の紫外線による劣化を少なくすることができるものである。また、換気経路5の途中に設けたパーテーション部11により換気経路5が蛇行して長くなるものであり、ある程度の防水性能は確保することができるものである。
図5に本発明の他の実施の形態を示す。この防火装置及び換気構造は、熱変形部材55として、ハンダなどの低融点合金と、これよりも融点の高いスプリングとを組み合わせて熱変形部材55を形成した以外は、上記実施の形態と同様に形成されている。すなわち、スプリングを圧縮した状態で低融点合金で固めて熱変形部材55を形成することができ、このものでは加熱により低融点合金が溶融すると、低融点合金によりスプリングの圧縮状態を維持できなくなってスプリングが復元力により伸張するものである。そして、図5に示す実施の形態は、上記図3に示す実施の形態における発泡材料の熱変形部材55の代わりに、このスプリングと低融点合金とからなる熱変形部材55を用いるようにしたものであり、同様の動作及び作用効果を奏するものである。尚、図5ではスプリングとしてコイルバネを用いているが、これに限らず、板バネであってもよく、また、低融点合金の代わりに低融点樹脂を用いても良い。また、この実施の形態の場合、熱変形部材55をシャッター部材6の長手方向(図面の紙面と直交する方向)に複数個設けるのが好ましい。
図6に本発明の他の実施の形態を示す。この防火装置は風受け片7を備えていないシャッター部材6を用いた以外は上記実施の形態と同様である。また、この換気構造では換気経路5内において熱変形部材55をシャッター部材6よりも屋外側に設けるようにしている。その他の構造は上記実施の形態とほぼ同様である。尚、62は捨て水切り部材であって、固定部材10と同様の金属板を屈曲成形して形成されるものであり、差し込み片66と水切り片67とで構成されている。
そして、本発明の換気棟を形成するにあたっては、次のようにして行なう。まず、固定部材10のシャッター保持片9にシャッター部材6の取付部8を差し込むことによって、固定部材10にシャッター部材6を取り付けると共に固定部材10とシャッター部材6の押圧片56との間に上記と同様にして熱変形部材55を配置する。この後、上記と同様にして固定部材10に補強金具を取り付ける。次に、シャッター部材6と熱変形部材55と補強金具を取り付けた状態の固定部材10を上記と同様にして換気棟部材4に取り付ける。このようにして両方の傾斜部15の両端部(両方の軒側端部)に固定部材10、シャッター部材6、熱変形部材55、補強金具を取り付けた後の換気棟部材4を上記と同様にして屋根1の棟部分に配置する。すわなち、上記換気棟部材4はその頂部(一対の傾斜部15の境界部分)が屋根開口部2の真上に位置するようにして配置され、屋根開口部2の上方を覆うようにして棟木50の両側の屋根材53、53に跨るように配置される。また、換気棟部材4に設けた固定部材10を屋根材53及び野地板52にビス70で固定することによって、換気棟部材4を屋根1の棟部分の全長に亘って取り付けることができる。
このようにして換気棟部材4の下側の空間、すなわち、傾斜部15と屋根材53の間の空間が換気経路5として形成される。この換気経路5の途中にはパーテーション部11や立設片22が設けられ、通気孔25及び間隙26が形成されているために、屋根開口部2と排気口3は換気経路5を通じて通気可能に形成される。尚、捨て水切り62は、その差し込み片66を野地板52と屋根材53の間に差し込むことによって取り付けられるものであり、屋根材53の棟側端部よりも棟側において水切り片67が立設された状態で配置される。また、野地板52と屋根材53の間には防水シート71が配置されている。
そして、この実施の形態では、熱変形部材55をシャッター部材6よりも屋内側に設けた図1の実施の形態に比べて、屋外で発生した火災に対して熱変形部材55が拡張の動作を起しやすくなる。すなわち、図7(a)に示す状態において、熱変形部材55はシャッター部材6よりも屋外側で排気口3側の近傍に配置されているので、排気口3から侵入する火の粉や熱気が熱変形部材55に達しやすくて図7(b)に示すような状態へと作動させやすくなる。よって、換気経路5を通じて火の粉や熱気が屋内に侵入しにくくなって火災の被害がさらに拡大しにくくなるものである。
図8に本発明の他の実施の形態を示す。この防火装置では図6、7と同様に風受け片7を備えていないシャッター部材6を用いている。また、この換気構造では換気経路5の屋内側の開口は上記と同様に屋根開口部2で形成されるが、換気経路5の屋外側の開口は軒天井60に設けた複数のスリット孔61で形成されている。また、軒天井60には換気経路5内に突出するシャッター保持片9が上方に向けて突出されていると共に、壁62の上端からは当接片63が略水平に突出しており、シャッター保持片9の上端と間隔を介して対向配置されている。そして、シャッター保持片9に取付部8を挿入することによりシャッター部材6が換気経路5内に上下移動自在に配置されている。
この実施の形態では、火災発生時以外はシャッター部材6が自重により下動した状態で維持されてシャッター部材6の上端と当接片63の下面との間の隙間が形成されている。従って、図8(a)に示すように、換気経路5を通じて屋内と屋外との間で空気を流通させて換気できるものである。一方、火災発生時では図8(b)に示すように、熱変形部材55が押圧片56の下側(押圧片56と軒天井60との間)で上方に向かって膨張あるいは伸張するように熱変形を起すものであり、この熱変形に伴ってシャッター部材6が押し上げられて、上方にスライド移動したシャッター部材6の上面が換気経路5の上面を構成する当接片63の下面に当接することによって、換気経路5が閉塞されて遮断されるものである。尚、この換気構造においても熱変形部材55がシャッター部材6よりも屋外側(スリット孔61側)にあっても良い。
1 屋根
5 換気経路
6 シャッター部材
55 熱変形部材
60 軒天井
5 換気経路
6 シャッター部材
55 熱変形部材
60 軒天井
Claims (5)
- 屋内と屋外との間で空気を流通させるための換気経路に配設される防火装置であって、火災時の熱で上方に向って拡張する熱変形部材と、熱変形部材の上方への拡張に伴って上動することにより換気経路の上面に当接するシャッター部材とを備えて成ることを特徴とする防火装置。
- 熱変形部材をシャッター部材よりも屋外側に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の防火装置。
- シャッター部材を換気経路に吹き込む所定以上の強風により上動自在に形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の防火装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の防火装置を屋根の棟部分で開口する換気経路に設けて成ることを特徴とする換気構造。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の防火装置を屋根の軒天井で開口する換気経路に設けて成ることを特徴とする換気構造。
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- 2005-08-31 JP JP2005252159A patent/JP2007063869A/ja active Pending
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