JP4171236B2 - エレベータの火災時救出運転装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災の発生したビル内に取り残された人を救出するためのエレベータの火災時救出運転装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビル内で火災が発生すると、エレベータのかごは避難階へ戻って戸を開いた後、戸を閉じて待機するようになっている。
例えば、特開平5−116857号公報には、避難階へかごが到着したにも拘らず、気絶した人又は怪我をした人がかごから降りられずに残っている場合、所定時間後に戸を閉じて待機状態にしたのでは、乗客をかご内に閉じ込めてしまうことになり、このようなことがないようにするため、かごに乗客検出装置を取り付け、この装置が作動すると避難勧告の放送をすると共に戸を一旦開くようにしたものが開示されている。
【0003】
また、特開平10−182029号公報には、避難階を複数設けて予め順位付けをしておき、避難階で火災が発生すると火災検出手段で検出し、その検出結果と上記順位付けとを照合して火災が発生していない避難階へかごを着床させ、乗客を安全に避難させる。その後はエレベータの運転を不可能にして、乗客の閉込め等の不測の事故を未然に防ぐようにしたものが開示されている。
上記従来の技術は、かごが避難階に到着した後は、乗場の利用者による呼びの登録は勿論のこと、かご内の乗客による行先階呼びの登録も、また、それ迄に既に登録されている過去分を含めて全て無効にして、利用者によるエレベータの運転を不能にし、乗客の閉込め等の事故を未然に防ぐようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ビルは、一般に各階層ごとに防火区画されていて上下の階へ延焼しないようにすることは勿論のこと、所定の床面積ごとにも防火区画されていて火災は最小の範囲に限られるようになっている。
また、エレベータの乗場戸も防火戸であるから閉じていれば昇降路内は火災から保護される。
しかし、延焼しないからといっても火災現場は毒性の高い煙が発生して危険であり、ビル内に取り残された人は速やかに避難しなければならない。従来は、上記のとおり、エレベータは避難階へ帰着すると休止状態になり、以後運転不能になるため、避難は専ら階段に頼らざるを得なかった。
このため、全員が避難するのに時間がかかり、長時間危険な状態に置かれる可能性がある、という問題があった。
特に、車椅子利用者や高齢者等は、階段による避難は不可能に近いため、救助隊が到着するのを待たなければならず、更にその救助は容易ではない、という問題もあった。
【0005】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、火災時にビル内に取り残された人を速やかに救出することができるエレベータの火災時救出運転装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るエレベータの火災時救出運転装置は、かご呼び登録手段と、乗場呼び登録手段と、かご呼び応答手段と、乗場呼び応答手段とを備えたエレベータにおいて、各階に火災感知器を設け、この火災感知器が火災を感知したときにかご呼びの登録を阻止するかご呼び登録阻止手段と、火災感知器が火災を感知したときに少なくとも火災階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段と、かご内の荷重を検出する秤装置と、火災感知器が火災を感知したときに平常時と火災時とでかご荷重基準値を切り換えて、秤装置の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力する比較手段と、火災感知器が火災を感知し、かつ、比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼びに応答させずに避難階まで直行させる乗場呼び応答阻止手段とを備えたものである。
【0007】
請求項2に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、避難階又はビルの管理室に火災時帰着スイッチを設け、火災感知器が火災を感知しているときに火災時帰着スイッチが操作されると、かごを避難階まで直行させるようにしたものである。
【0008】
請求項3に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、秤装置に代えて、かご内を撮影した画像から乗客が占有する面積を演算するかご内占有面積演算手段を備え、比較手段を、かご内占有面積演算手段の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力するものとし、乗場呼び応答阻止手段を、火災感知器が火災を感知し、かつ、かご内占有面積演算手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼びに応答させずに避難階まで直行させるようにしたものである。
【0009】
請求項4に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が火災を感知した階の乗場呼びを含め、火災階よりも下位の非火災階の乗場呼びの登録を阻止するようにしたものである。
【0010】
請求項5に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、火災感知器が火災を感知した階よりも上位の非火災階で登録された乗場呼びを、火災階よりも下位の非火災階で登録された乗場呼びに優先してかごを応答させる上位階乗場呼び優先手段を備えたものである。
【0011】
請求項6に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、車椅子利用者又は高齢者による専用乗場呼びを発生する専用乗場呼び発生手段と、専用乗場呼びを健常者による乗場呼びに優先させて応答させる専用乗場呼び優先手段とを備え、乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が火災を感知したときに作動して火災階の乗場呼び及び専用乗場呼びの双方の登録を阻止するものとし、乗場呼び応答阻止手段は、火災感知器が火災を感知し、かつ、比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼び及び専用乗場呼びの双方に応答させずに避難階まで直行させるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態1を示す。
図1は実施の形態1の構成を示すブロック図で、1はエレベータのかご、2はこのかご1を吊持する主索、3は主索2を介してかご1を昇降駆動する巻上機、4は巻上モータ、5はつり合おもりである。
101は避難階である1階、10kは中間階(但し、k=2〜(n−1)とする。以下符合中に含まれる「k」については同様とする。)、10nは最上階で、各階を総称する場合は「階10」とする。101aは1階101の乗場戸、10kaは中間階10kの乗場戸、10naは最上階10nの乗場戸で、乗場戸を総称する場合は「乗場戸10a」とする。111は1階101へかご1を呼び寄せる乗場呼びを発生する乗場釦、11kは中間階10kの乗場呼びを発生する乗場釦、11nは最上階10nの乗場呼びを発生する最上階10nの乗場釦で、乗場釦を総称する場合は「乗場釦11」とする。121は1階101の火災を感知する火災感知器、12kは中間階10kの火災を感知する火災感知器、12nは最上階10nの火災を感知する火災感知器で、火災感知器を総称する場合は「火災感知器12」とする。
【0013】
211は1階へかご1を呼び寄せる乗場呼びを登録する乗場呼び登録手段、21kは中間階の乗場呼びを登録する乗場呼び登録手段、21nは最上階の乗場呼びを登録する乗場呼び登録手段で、乗場呼び登録手段を総称する場合は「乗場呼び登録手段21」とする。221は火災感知器121が火災を感知したときに作動して1階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段、22kは火災感知器12kが火災を感知したときに作動して中間階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段、22nは火災感知器12nが火災を感知したときに作動して最上階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段で、乗場呼び登録阻止手段を総称する場合は「乗場呼び登録阻止手段22」とする。
【0014】
31はかご1に設けられたかご操作盤、311はかご操作盤31に取り付けられて避難階101を行先階とするかご呼びを発生するかご釦、31kは同じく中間階10kを行先階とするかご呼びを発生するかご釦、31nは同じく最上階10nを行先階とするかご呼びを発生するかご釦で、かご釦を総称する場合は「かご釦31」とする。
【0015】
411はかご釦311によるかご呼びを登録するかご呼び登録手段、41kはかご釦31kによるかご呼びを登録するかご呼び登録手段、41nはかご釦31nによるかご呼びを登録するかご呼び登録手段で、かご呼び登録手段を総称する場合は「かご呼び登録手段41」とする。
【0016】
51は乗場呼び登録手段21に登録された乗場呼びにかご1を応答させる乗場呼び応答手段、52はかご呼び登録手段41に登録されたかご呼びにかご1を応答させるかご呼び応答手段である。53はかご内の荷重を検出する秤装置、54は秤装置53の出力が所定値Wsを越えたときに有意信号を出力する比較手段である。
ここで、上記所定値Wsは、積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下、例えば、30%程度の低い値に設定される。
55は各階10の火災感知器12の出力が入力されて、いずれかの階10で火災が発生すると有意信号を出力するOR回路である。
56はOR回路55の有意信号によって作動してかご呼びの登録を阻止するかご呼び登録阻止手段である。57はOR回路55と比較手段54が共に有意信号を出力したときに乗場呼び応答手段51の作動を阻止して避難階101までかご1を直行させる乗場呼び応答阻止手段である。58は乗場呼び応答手段51又はかご呼び応答手段52の応答指令に基いて各乗場呼び及びかご呼びの階10にかご1を昇降させる昇降制御装置で、応答すると打消し回路58aから打消し信号が出力されて、応答した呼びの登録を打ち消す。
【0017】
図2は実施の形態1の電気回路を示すブロック図で、図1と同符合は同一部分を示す。131は避難階101に設けられて、救出運転中である旨を表示する表示器、13kは同じく中間階10kに設けられた表示器、13nは最上階に設けられた表示器、13cはかご1内に設けられた表示器で、総称する場合は「表示器13」とする。
141は避難階101に設けられて、救出運転中である旨を報知する報知器、14kは同じく中間階10kに設けられた報知器、14nは最上階に設けられた報知器、14cはかご1内に設けられた報知器で、総称する場合は「報知器14」とする。
15は避難階101又は管理室(図示しない。)に設けられて、かご1を避難階101へ強制帰着させる火災帰着スイッチである。
【0018】
61はCPU、62はCPU61とメモリ等を接続するバス、63はエレベータの制御プログラムが格納されたROM、64は一時的なデータが格納されるRAM、65はCRT、66はキーボード、67は外部機器との信号の授受を行う入出力装置である。
【0019】
次に、火災時救出運転装置の動作を図3に従って説明する。
手順S11で、火災感知器12が作動した場合は、手順S12に移り、各階10及びかご1に設置された表示器13及び報知器14により火災発生を知らせる。手順S13で、火災感知器12が作動した階10の乗場呼びの登録を阻止する。手順S14で、各階10を行先階とするかご呼びの登録を阻止する。手順S15で、表示器13及び報知器14により火災時の救出運転中であることを知らせる。
【0020】
手順S16で、乗場呼びが登録されているか否かを調べ、登録されていない場合は、手順S17に移り、避難階101へ直行運転するように昇降制御装置58に指令する。この指令に基いて昇降制御装置は巻上モータを制御してかご1を避難階101まで移動させる。手順S18で、かご1が避難階101に到着して乗客を下し、待機状態になると、手順S19に移り、火災感知器12が復帰したか否かを調べる。この復帰は、現実に火災感知器12が復帰した場合は勿論、火災感知器12は復帰していないが、管理室に設置のスイッチ(図示しない。)等が操作されて強制的に火災感知器12の感知信号がリセットされた場合も含まれる。火災感知器12が復帰していない場合は、手順S16へ戻り、火災時救出運転を継続する。
【0021】
手順S16で、乗場呼びが登録されている場合は、手順S20に移る。ここで、かご1内の荷重が所定値Ws以下の場合は、手順S21に移り、登録されている乗場呼びに応答するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は巻上モータ4を制御してかご1を昇降させる。手順22で、かご1が応答指令の出された乗場呼びに応答すると、手順S23で上記乗場呼びの登録を打ち消して手順S16へ戻る。
【0022】
手順S16で、登録された全ての乗場呼びに応答し終えると手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。
手順S16で、まだ乗場呼びが登録されている場合は、手順S20→手順S21により、次の乗場呼びに応える。但し、手順S20で、乗客が乗り込んだために、かご1内の荷重が所定値Wsを越えた場合は、手順S24に移り、乗場呼びへの応答が阻止されて手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。
なお、手順S11で、火災感知器12が作動していない場合は、手順S25へ移り、平常運転が継続される。
【0023】
図4は、火災時の不測の事態に対応するため、かご1を緊急に避難階101へ呼び戻す場合の処理を示す。火災帰着スイッチ15がONになると、割込みが発生して、他に優先して図4の処理がなされる。
即ち、手順S31で、避難階101に設置された火災帰着スイッチ15をONにする。手順S32で、各階10に設けられた火災感知器12のいずれかが作動しておれば、手順S33に移り、かご呼び及び乗場呼びへの応答が阻止され、手順S34でかご1は避難階101へ帰着するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は、かご1を避難階101へ帰着させる。
【0024】
上記実施の形態1によれば、火災感知器12が作動すると、火災階の乗場呼びの登録を阻止すると共に、かご呼びの登録を阻止し、火災階を除く階の乗場呼びと避難階101のかご呼びに応答するようにしたので、非火災階と避難階101との間の運転が可能となり、火災時にビル内に取り残された人を、エレベータで速やかに救出することができる。
【0025】
また、火災時は一停止で多人数の避難者が乗込むことが想定される。このため、非火災階に一旦停止すると、その階でかご1は満員状態になり、エレベータの運転は、非火災階と避難階101との往復運転が主体となる。しかし、常に、満員状態になるとは限らない。
従って、所定値Wsを、例えば積載荷重の80%という高い値に設定した場合、その荷重に達するまで1人〜2人の少人数の余地しかないにも拘らず各階に停止して乗合わせをして輸送する、という平常時における乗合方式の運転形態となる。エレベータは停止するごとに、減速、停止そして戸の開閉という動作が付随し、しかも、これらの動作は乗降する人数に無関係である。従って、一停止当りの乗降人数が少ないと、エレベータの輸送効率は低下する。火災時には、非火災階と避難階101との往復運転が主体であり、かつ、停止数を減らして輸送効率を向上させることが必要であり、乗合方式の運転形態は適さない。
【0026】
上記実施の形態1では、上記火災時の特徴から、秤装置53によってかご1内の荷重を検出し、その検出値が所定値Wsを越えたときは、かご1を乗場呼びに応答させずに避難階101まで直行させるようにし、しかも、上記所定値Wsを積載荷重の50%以下の低い値に設定したので、各階にかご1が停止して乗客を乗り合わせる、という乗合方式の運転にはなり難く、かご1が非火災階に停止すると、その階と避難階101との直行による往復運転となり、火災時に適した運転形態にすることができる。
【0027】
更に、表示器13及び報知器14によって、火災の発生及びエレベータの運転状態を避難者に知らせるようにしたので、適切な避難誘導を行うことができる。更にまた、避難階101に火災帰着スイッチ15を設けて、かご1を避難階101へ呼び寄せることができるようにしたので、かご1を呼び寄せて火災時の不測の事態に機敏に対応することができる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1では、秤装置53によってかご1の積載情況を検出したが、この実施の形態2では、秤装置53に代えて、かご1内をカメラで撮影し、その画像から乗客が占有する面積を演算して積載情況を検出するようにしたものである。図5は、この発明の実施の形態2における要部構成を示すブロック図で、図1及び図2と同符合は同一部分を示す。
図において、1aはかご床、1bはかご1の側壁、1cはかご天井、1dはかご戸、71は乗客を示す。72はかご天井1cに設けられたディジタル式のカメラで、かご1の上部の側壁1b、かご戸1dから乗客71を含めてかご床1aを撮影する。
【0029】
73は所定のサンプリング周期でカメラ72の画像を取り込むサンプリング回路、74はサンプリング回路73からの画像信号を二値化する二値化回路で、各画素ごとに二値化基準値αと比較し、画素値が二値化基準値α以下であれば画素値を「0」に設定し、二値化基準値αよりも大きければ画素値を「1」に設定する。75は背景画像メモリ76と入力画像メモリ77とを択一的に切り替える切替回路で、背景画像メモリ76は切替回路75によって要時に切り替えられて二値化回路74に接続されて画像を背景画像76pとして記憶し、入力画像メモリ77は切替回路75によって常時二値化回路74に接続されて上記サンプリング周期で画像を更新して入力画像77pとして記憶する。
【0030】
ここでは、背景画像76pは無人のかご1内を撮影した二値化入力画像77pが採用され、サンプリング周期ごとの入力画像77pとこの背景画像76pとの比較によって乗客の有無等を検出するものである。
78は入力画像77pの画素値から対応する背景画像76pの画素値を減算する減算回路、79は減算回路78の減算結果の絶対値を画素値とする絶対値画像79pを記憶する絶対値画像メモリである。従って、絶対値画像79pの画素値は、入力画像77pの画素値と対応する背景画像76pの画素値とが異なる場合は全て「1」に設定され、同値の場合は「0」に設定される。
【0031】
80は絶対値画像79pのうちかご床1aの部分について画素値が「1」である画素を計数して、かご内占有面積Psを出力するかご内占有面積演算手段である。従って、上記かご内占有面積Psは、乗客71が乗り込んだことによって占有される面積となる。81は所定値Asが記録された所定値メモリ、82はかご内占有面積Psが所定値Asを越えたときに有意信号を出力する比較手段である。従って、火災感知器12が作動してOR回路55から有意信号が出力され、かつ、かご内占有面積演算手段80が所定値Asを越えるかご内占有面積Psを演算して比較手段82から有意信号が出力されると、乗場呼び応答阻止手段57が作動して途中の乗場呼びに応答することなく、かご1を避難階101まで直行させることになる。
ここで、所定値Asは、秤装置53における所定値Wsと同様に、かご1に積載荷重に相当する乗客が乗った場合のかご内占有面積Psの50%以下、例えば、30%程度の低い値に設定される。
【0032】
上記実施の形態2によっても、かご1内の乗客によるかご内占有面積Psが所定値Asを越えたときは、かご1を途中の乗場呼びに応答させずに避難階101まで直行させることができ、しかも、上記所定値Asを積載荷重に相当する乗客が乗ったときのかご内占有面積Psの50%以下の低い値に設定したので、各階にかご1が停止して乗客を乗り合わせる、という乗合方式の運転にはなり難く、かご1が非火災階に停止すると、その階と避難階101との直行による往復運転となり、火災時に適した運転形態にすることができる。
特に、かご1内に煙が侵入して視界が低下すると、現実には乗客は少ないにも拘らず、かご内が乗客で満たされた状態と等価となり、かご内占有面積Psが大きく演算される。このため、かご1内が煙で充満する前に避難階101へ直行させることができ、かご1内での災害を未然に防止できる。
【0033】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3を示す。この実施の形態3は、火災階を含め、火災階よりも下位の非火災階の乗場呼びの登録も阻止するようにして、火災階よりも上の非火災階の乗場呼びにかご1を集中的に応答させて避難客を速やかに救出するようにしたものである。
図6は、1階101を避難階として5階105からなるビルに設置されたエレベータの救出運転装置の要部を示したものである。図中、図1と同符合は同一部分を示す。232は2階102から5階105の内の何れかで火災感知器122〜125が作動すると乗場呼び登録阻止手段222を作動させて2階の乗場呼びの登録を阻止するOR回路である。同様に、233は火災感知器123〜125の何れかが作動すると乗場呼び登録阻止手段223を作動させて3階の乗場呼びの登録を阻止するOR回路である。234は火災感知器124〜125の何れかが作動すると乗場呼び登録阻止手段224を作動させて3階の乗場呼びの登録を阻止するOR回路である。
【0034】
上記実施の形態3によれば、乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が作動した階の乗場呼びを含め、上記火災階よりも下位の非火災階の上記乗場呼びの登録を阻止するようにしたので、火災階よりも上位の非火災階の乗場呼びに限定してかご1を集中的に応答させることができる。これにより火災階よりも下位の非火災階よりも危険な状態に置かれた上位の非火災階の避難客を速やかに救出することができる。
なお、上記火災階よりも下位の階の避難客は、上位の階の避難客に比べて危険の度合は低いので、階段を利用して非難することになる。
【0035】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4を示す。この実施の形態4では、火災階よりも上位の階で登録された乗場呼びを、下位の階で登録された乗場呼びよりも優先してかごを応答させるようにしたものである。
図7は、この発明の実施の形態4におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図である。図中、図3と同符合の手順は、同一内容の処理を示し、説明を省略する。火災感知器12が火災を感知すると、手順S11から手順S15までの処理により、火災階の乗場呼びの登録が阻止され、かご呼びの登録が阻止され、表示器13及び報知器14によって火災時の救出運転である旨を知らせ、手順S41に至る。
【0036】
手順S41で、火災階よりも上位の階に乗場呼びが登録されているか調べる。登録されている場合は手順S42以下の処理に移り、下位の階の乗場呼びよりも優先してかご1を上位の階の乗場呼びに応答させる。
即ち、手順S42で、かご1内の荷重が所定値Ws以下の場合は、手順S43に移り、登録されている上位の階の乗場呼びに応答するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は巻上モータ4を制御してかご1を昇降させる。手順44で、かご1が応答指令の出された乗場呼びに応答すると、手順S45で上記乗場呼びの登録を打ち消す。手順S46で、まだ上位の階に乗場呼びが登録されている場合は手順S42へ移り、更に手順S43で上位の階の次の乗場呼びに応える。
【0037】
但し、乗客が乗り込んだために、かご1内の荷重が所定値Wsを越えた場合は、手順S42から手順S24に移り、乗場呼びへの応答が阻止されて手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。
また、手順S46で、上位の階に乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S17へ移り、一旦避難階101へ直行する。以下、同様に手順S18及び手順S19の処理がなされる。
【0038】
手順S19で、火災感知器12が、まだ火災を感知している場合は、手順S41へ戻る。ここで、火災階よりも上位の階に乗場呼びが登録されている場合は、その乗場呼びに優先して応答する。上位の階に乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S41から手順S47へ移る。
【0039】
手順S47で、火災階よりも下位の階に乗場呼びが登録されているか調べる。登録されている場合は手順S48に移る。ここで、かご1内の荷重が所定値Ws以下の場合は、手順S49に移り、登録されている下位の階の乗場呼びに応答するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は巻上モータ4を制御してかご1を昇降させる。手順50で、かご1が応答指令の出された乗場呼びに応答すると、手順S51で上記乗場呼びの登録を打ち消して手順S47へ移り、更に手順S48から手順S49へ移り、下位の階で登録されている次の乗場呼びに応える。
【0040】
但し、乗客が乗り込んだために、かご1内の荷重が所定値Wsを越えた場合は、手順S48から手順S24に移り、乗場呼びへの応答が阻止されて手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。
手順S47で、下位の階に乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S17へ移る。以下、同様に手順S17から手順S19の処理がなされる。
なお、手順S41は、火災感知器12が火災を感知した階よりも上位の非火災階で登録された乗場呼びを、火災階よりも下位の非火災階で登録された乗場呼びに優先してかご1を応答させる上位階乗場呼び優先手段として機能するものである。
【0041】
上記実施の形態4によれば、火災階よりも上位の非火災階の乗場呼びを、火災階よりも下位の非火災階の乗場呼びに優先してかご1を応答させるようにしたので、火災階よりも上位にある危険な状態に置かれた非火災階にかご1を集中させて避難客を速やかに救出することができると共に、上位の階の救出が終了した後に、下位の階の救出をするようにしたので、階段の利用と併せてエレベータも利用することができ、速やかな避難が可能となる。
【0042】
実施の形態5.
図8及び図9は、この発明の実施の形態5を示す。この実施の形態5では、車椅子利用者、高齢者又は視覚障害者等(以下、身体障害者等ともいう。)を健常者よりも優先して救出するようにしたものである。
図8において、図2と同符合は、同一部分を示し、161は身体障害者等によって操作されて1階101へかご1を呼び寄せる専用乗場呼びを発生する専用乗場呼び発生手段で、具体的には、身体障害者等のみが所持するカード(図示しない。)を読み取るカードリーダや車椅子に装着された押釦(図示しない。)の操作によって発せられた無線信号を受信する受信機等からなるものである。16kは同様に中間階10kの専用乗場呼び発生手段、16nは同様に最上階10nの専用乗場呼び発生手段である。専用乗場呼び発生手段を総称する場合は「専用乗場呼び発生手段16」とする。17はかご1内に設置されて専用かご呼びを発生する専用かご呼び発生手段で、例えば、カードリーダと行先釦の組み合わせからなるもので、両者を併せて操作することによって専用かご呼びを発生させるものである。
【0043】
図9は、この発明の実施の形態5におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図である。図中、図3及び図7と同符合の手順は、同一内容の処理を示し、説明を省略する。
火災感知器12が火災を感知すると、手順S11、手順S12、手順S13a、手順S14a及び手順S15で、火災階の乗場呼び及び専用乗場呼びの登録が阻止され、また、かご呼び及び専用かご呼びの登録が阻止され、表示器13及び報知器14によって火災時の救出運転である旨を知らせて手順S51に至る。
【0044】
手順S51で、専用乗場呼びが登録されているか調べる。登録されている場合は手順S52以下の処理に移り、通常の乗場呼びの処理である手順S57以下の処理よりも優先してかご1を専用乗場呼びに応答させる。
手順S52で、かご1内の荷重が所定値Ws以下の場合は、手順S53に移り、登録されている専用乗場呼びに応答するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は巻上モータ4を制御してかご1を昇降させる。手順54で、かご1が応答指令の出された専用乗場呼びに応答すると、手順S55で上記専用乗場呼びの登録を打ち消す。手順S56で、まだ専用乗場呼びが登録されている場合は手順S52へ移り、更に手順S53へ移り次の専用乗場呼びに応える。
【0045】
但し、乗客が乗り込んだために、かご1内の荷重が所定値Wsを越えた場合は、手順S62に移り、乗場呼び及び専用乗場呼びへの応答が阻止されて手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。
また、手順S56で、専用乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S17へ移る。以下、同様に手順S17から手順S19の処理がなされる。
【0046】
手順S19で、火災感知器12が、まだ火災を感知している場合は、手順S51へ戻る。ここで、専用乗場呼びが登録されている場合は、通常の乗場呼びに優先してその専用乗場呼びに応答する。専用乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S51から手順S57へ移る。
【0047】
手順S57で、通常の乗場呼びが登録されているか調べる。登録されている場合は手順S58に移る。ここで、かご1内の荷重が所定値Ws以下の場合は、手順S59に移り、登録されている乗場呼びに応答するように指令が出される。この指令に基いて昇降制御装置58は巻上モータ4を制御してかご1を昇降させる。手順60で、かご1が応答指令の出された乗場呼びに応答すると、手順S61で上記乗場呼びの登録を打ち消して手順S57へ移り、更に手順S58から手順S59へ移り、下位の階で登録されている次の乗場呼びに応える。
【0048】
但し、手順S58で、乗客が乗り込んだために、かご1内の荷重が所定値Wsを越えた場合は、手順S62に移り、乗場呼び及び専用乗場呼びへの応答が阻止されて手順S17へ移る。以下、手順S17から手順S19の処理がなされる。手順S57で、乗場呼びの登録がなくなった場合は、手順S17へ移る。以下、同様に手順S17から手順S19の処理がなされる。
なお、手順S51は専用乗場呼び発生手段16の操作によって発生した専用乗場呼びを、乗場釦11によって登録された通常の乗場呼びに優先してかご1を応答させる専用乗場呼び優先手段として機能するものである。
【0049】
上記実施の形態5によれば、身体障害者等の使用に供される専用乗場呼び発生手段を各階に設け、この専用乗場呼び発生手段による専用乗場呼びが登録されると、健常者用の乗場釦11による通常の乗場呼びに優先して、専用乗場呼びにかご1を応答させるようにしたので、健常者に比べて不利な立場に置かれがちな身体障害者等を速やかに救出することができる。
【0050】
実施の形態6.
上記実施の形態1から5では、非火災階の乗場呼びに応答し終えると、直接手順S17に移り、強制的にかご1を避難階101へ帰着させるようにしたが、この実施の形態6では、避難階101へのかご呼びの登録により、かご1を避難階101へ帰着させるようにしたものである。図10及び図11は、この発明の実施の形態6を示す。
図10は、実施の形態6の構成を示すブロック図で、かご呼びの登録を全て阻止するとした図1のかご呼び登録阻止手段56に替えて、かご呼びのうち避難階101を行先階とするかご呼びを除いてかご呼びの登録を阻止するかご呼び登録阻止手段56aを採用したものである。他は図1と同様である。従って、火災運転時でも、避難階101へのかご呼びは有効に登録され、かご釦311を操作することによって、かご1を避難階101へ帰着させることができる。
【0051】
図11は動作を示し、図3における流れ図において、手順S16と手順S17の間に手順S16aを加入したものである。他は図3と同様である。従って、乗場呼びの登録が無くなった場合は、手順S16から手順S16aへ移り、かご釦311が操作されてかご呼び登録手段411に避難階101へのかご呼びが登録されるのを待って手順S17へ移り、避難階101へ直行運転される。
上記実施の形態6によれば、避難階101へかご1を帰着させるタイミングは、避難客の自主判断に委ねられることになり、避難現場の実状により適したエレベータの使用が可能となる。
【0052】
【発明の効果】
この発明は上記のとおり構成されているので、以下の効果を奏する。
請求項1に係るエレベータの火災時救出運転装置は、各階に火災感知器を設け、この火災感知器が火災を感知したときにかご呼びの登録を阻止するかご呼び登録阻止手段と、火災感知器が火災を感知したときに少なくとも火災階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段と、かご内の荷重を検出する秤装置と、火災感知器が火災を感知したときに平常時と火災時とでかご荷重基準値を切り換えて、秤装置の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力する比較手段と、火災感知器が火災を感知し、かつ、比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼びに応答させずに避難階まで直行させる乗場呼び応答阻止手段とを備えたものである。
このため、非火災階と避難階との間のエレベータの運転が可能となり、火災時にビル内に残留する避難客を速やかに救出することができる、という効果を奏する。
また、火災時にかご内の荷重が積載し得る最大荷重である積載荷重の50以下を越えたときは、避難階まで直行させるようにしたので、各階にかごが停止して乗客が乗り合わせる、という乗合方式の運転にはなり難く、非火災階と避難階との直行による往復運転となり、火災時に適した効率の良い運転が可能となる、という効果も併せて奏する。
【0053】
請求項2に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、避難階又はビルの管理室に火災時帰着スイッチを設け、火災感知器が火災を感知しているときに火災時帰着スイッチが操作されると、かごを避難階まで直行させるようにしたものである。
このため、火災時の不測の事態に機敏に対応することができる、という効果を奏する。
【0054】
請求項3に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、秤装置でかご内の荷重を検出するのに代えて、かご内を撮影した画像から乗客が占有する面積を演算するかご内占有面積演算手段を備え、比較手段を、かご内占有面積演算手段の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力するものとし、乗場呼び応答阻止手段を、火災感知器が火災を感知し、かつ、かご内占有面積演算手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼びに応答させずに避難階まで直行させるようにしたものである。
このため、非火災階と避難階との直行による往復運転が可能となり、火災時に適した効率の良い運転形態にすることができる、という効果を奏する。
特に、かご内に煙が侵入して視界が低下すると、現実には乗客は少ないにも拘らず、かご内が乗客で満たされた状態と等価となり、かご内占有面積が大きく演算される。このため、かごは煙で充満する前に避難階へ直行させることができ、かご内での煙による災害を未然に防止できる、という効果も併せて奏する。
【0055】
請求項4に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、火災感知器が火災を感知した階の乗場呼びを含め、火災階よりも下位の非火災階の乗場呼びの登録を阻止するようにしたものである。
このため、火災階よりも上位の非火災階の乗場呼びに限定してかごを集中的に応答させることができ、火災階よりも下位の非火災階よりも危険な状態に置かれた上位の非火災階の避難客を速やかに救出することができる、という効果を奏する。
【0056】
請求項5に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、火災感知器が火災を感知した階よりも上位の非火災階で登録された乗場呼びを、火災階よりも下位の非火災階で登録された乗場呼びに優先してかごを応答させるようにしたものである。
このため、火災階よりも上位の非火災階にかごを集中させて避難客を速やかに救出することができると共に、上位の階の救出が終了した後に、下位の階の非難客を救出することができ、階段の利用と併せて残留者は火災ビルから速やかに避難することができる、という効果を奏する。
【0057】
請求項6に係るエレベータの火災時救出運転装置は、請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、車椅子利用者又は高齢者による専用乗場呼びを発生する専用乗場呼び発生手段と、専用乗場呼びを健常者による乗場呼びに優先させて応答させる専用乗場呼び優先手段とを備え、乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が火災を感知したときに作動して火災階の乗場呼び及び専用乗場呼びの双方の登録を阻止するものとし、乗場呼び応答阻止手段は、火災感知器が火災を感知し、かつ、比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを乗場呼び及び専用乗場呼びの双方に応答させずに避難階まで直行させるようにしたものである。
このため、健常者に比べて不利に立場に置かれがちな車椅子利用者又は高齢者を速やかに救出することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるエレベータの火災時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるエレベータの火災時救出運転装置の電気回路を示すブロック図。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるエレベータの火災時救出運転装置でかごを緊急に避難階へ呼び戻す場合の動作を示す流れ図。
【図5】 この発明の実施の形態2におけるエレベータの火災時救出運転装置の要部構成を示すブロック図。
【図6】 この発明の実施の形態3におけるエレベータの火災時救出運転装置の要部構成を示すブロック図。
【図7】 この発明の実施の形態4におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図。
【図8】 この発明の実施の形態5におけるエレベータの火災時救出運転装置の電気回路を示すブロック図。
【図9】 この発明の実施の形態5におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図。
【図10】 この発明の実施の形態6におけるエレベータの火災時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図11】 この発明の実施の形態6におけるエレベータの火災時救出運転装置の動作を示す流れ図。
【符号の説明】
1 かご、 2 主索、 3 巻上機、 4 巻上モータ、 5 つり合重り、 17 専用かご呼び発生手段、 31 かご操作盤、 51乗場呼び応答手段、 52 かご呼び応答手段、 53 秤装置、 54 比較手段、 55 OR回路、 56 かご呼び登録阻止手段、 57 乗場呼び応答阻止手段、 58 昇降制御装置、 71 乗客、 72 カメラ、 73 サンプリング回路、 74 二値化回路、 75 切替回路、 76 背景画像メモリ、 77 入力画像メモリ、 78 減算回路、 79 絶対値画像メモリ、 80 かご内占有面積演算手段、81 所定値メモリ、 82 比較手段、 101 1階、 111乗場釦、 121 火災感知器、 131 表示器、 141 報知器、 15 火災帰着スイッチ、 161 専用乗場呼び発生手段、 211 乗場呼び登録手段、 221 乗場呼び登録阻止手段、 311 かご釦、 411 かご呼び登録手段。
Claims (6)
- かごの行先階を指定するかご呼びを登録するかご呼び登録手段と、各階へ上記かごを呼び寄せる乗場呼びを登録する乗場呼び登録手段と、上記かご呼びに上記かごを応答させるかご呼び応答手段と、上記乗場呼びに上記かごを応答させる乗場呼び応答手段とを備えたエレベータの火災時救出運転装置において、各階に設けられた火災感知器と、この火災感知器が火災を感知したときに作動して上記かご呼びの登録を阻止するかご呼び登録阻止手段と、上記火災感知器が火災を感知したときに作動して上記乗場呼びのうち少なくとも火災階の乗場呼びの登録を阻止する乗場呼び登録阻止手段と、上記かご内の荷重を検出する秤装置と、上記火災感知器が火災を感知したときに平常時と火災時とでかご荷重基準値を切り換えて、上記秤装置の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力する比較手段と、上記火災感知器が火災を感知し、かつ、上記比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動して上記かごを上記乗場呼びに応答させずに避難階まで直行させる乗場呼び応答阻止手段とを備えたエレベータの火災時救出運転装置。
- 避難階又はビルの管理室に設けられ、火災感知器が火災を感知しているときに操作されるとかごを避難階まで直行させる火災時帰着スイッチを備えた請求項1に記載のエレベータの火災時救出運転装置。
- 請求項1のエレベータの火災時救出運転装置において、秤装置に代えて、かご内を撮影した画像から乗客が占有する面積を演算するかご内占有面積演算手段を備え、比較手段を、上記かご内占有面積演算手段の出力が積載し得る最大荷重である積載荷重の50%以下を超えたときに火災時の有意信号を出力するものとし、乗場呼び応答阻止手段を、火災感知器が火災を感知し、かつ、上記かご内占有面積演算手段が火災時の有意信号を出力したときに作動して上記かごを上記乗場呼びに応答させずに上記避難階まで直行させるものとしたエレベータの火災時救出運転装置。
- 乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が火災を感知した階の乗場呼びを含め、上記火災階よりも下位の非火災階の上記乗場呼びの登録を阻止するものとした請求項1に記載のエレベータの火災時救出運転装置。
- 火災感知器が火災を感知した階よりも上位の非火災階で登録された乗場呼びを、上記火災階よりも下位の非火災階で登録された上記乗場呼びに優先してかごを応答させる上位階乗場呼び優先手段を備えた請求項1に記載のエレベータの火災時救出運転装置。
- 車椅子利用者又は高齢者による専用乗場呼びを発生する専用乗場呼び発生手段と、上記専用乗場呼びを健常者による乗場呼びに優先させて応答させる専用乗場呼び優先手段とを備え、乗場呼び登録阻止手段は、火災感知器が火災を感知したときに作動して火災階の乗場呼び及び上記専用乗場呼びの双方の登録を阻止するものとし、乗場呼び応答阻止手段は、上記火災感知器が火災を感知し、かつ、上記比較手段が火災時の有意信号を出力したときに作動してかごを上記乗場呼び及び上記専用乗場呼びの双方に応答させずに上記避難階まで直行させるものとした請求項1に記載のエレベータの火災時救出運転装置。
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