JP4171160B2 - 速硬化1液樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温硬化性および貯蔵安定性に優れ、塗料、接着剤等として好適に用いられる速硬化1液樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1液型エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂と潜在性硬化剤であるケチミン化合物とを配合した樹脂組成物が、特開平5−132541号公報、特開平5−230182号公報等により知られている。しかし、ケチミン化合物は、水存在下で加水分解(平衡)反応によって生成するアミンが硬化反応に寄与するため、硬化反応が非常に遅く、特に低温、例えば5℃以下では、硬化しないという問題がある。
一方、エポキシ樹脂のオキシラン環をチイラン環に変えたチイラン含有樹脂は、チイラン環が開環して発生するチオール基が化学的な反応性の高い置換基であることから、低温硬化性および接着性に優れ、かつ、低臭気であるという特徴を有している。しかし、チオール基の化学的な反応性が高いため、チイラン含有樹脂は貯蔵安定性に問題がある場合がある。また、チイラン含有樹脂は、高粘度であるという問題や、容易に結晶化しやすいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温硬化性および貯蔵安定性に優れ、塗料、接着剤等として好適に用いられる速硬化1液樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の含有割合の特定のチイラン含有樹脂に所定のケチミン化合物を配合することにより、常温での速硬化性と、優れた低温硬化性(例えば、5℃以下、0℃での硬化性)を示し、かつ、貯蔵安定性にも優れる1液樹脂組成物が得られることを見出し、また、この樹脂組成物では、チイラン含有樹脂の欠点であった結晶化を阻止することができ、低粘度化も可能であることを知見し、本発明を完成するに到った。
【0005】
即ち、本発明は、オキシラン環とチイラン環の含有割合が、オキシラン環/チイラン環=95/5〜10/90である樹脂成分と、ケチミン化合物とを含有し、
前記ケチミン化合物が、第一級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物と、α位に置換基を持つケトンとから合成されるケチミン化合物であり、
前記樹脂成分として、下記式(3)で表されるチイラン含有樹脂および/または下記式(4)で表される構造を分子内に有するチイラン含有樹脂を含有する速硬化1液樹脂組成物を提供する。
【化5】
Figure 0004171160
(式中、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。また、各式において、Yのうち少なくとも1つはチイラン環であり、チイラン環以外のYはオキシラン環である。)
【0007】
また、前記ケチミン化合物が、下記式(1)および/または(2)で表されるケチミン化合物であるのが特に好ましい態様の1つである。
【0008】
【化5】
Figure 0004171160
【0011】
(式中、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。また、各式において、Yのうち少なくとも1つはチイラン環であり、チイラン環以外のYはオキシラン環である。)
【0012】
前記チイラン含有樹脂が、下記式(5)、(6)および(7)で表されるチイラン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
【0013】
【化7】
Figure 0004171160
【0014】
(式中、Yは上記と同様の意味を表す。)
【0015】
更に、下記式(8)および(9)で表される亜リン酸エステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、前記樹脂成分100質量部に対し、0.1〜30質量部含有するのが好ましい。
【0016】
【化8】
Figure 0004171160
【0017】
(式中、R1 〜R5 は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基を表す。)
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の速硬化1液樹脂組成物(以下「本発明の組成物」ともいう。)は、オキシラン環とチイラン環を特定割合で含有する樹脂成分と、潜在性硬化剤としてケチミン化合物とを含む組成物である。
【0019】
本発明の組成物の樹脂成分は、オキシラン環とチイラン環の含有割合が、オキシラン環/チイラン環=95/5〜10/90の範囲内であり、上記式(3)で表されるチイラン含有樹脂および/または上記式(4)で表される構造を分子内に有するチイラン含有樹脂を有していればよく、エポキシ化合物が有するオキシラン環の全部あるいは一部をチイラン環に置換してなる化合物(A)と分子内にオキシラン環のみを有するエポキシ化合物(B)とを含有してもよいし、あるいは、化合物(A)がチイラン環とオキシラン環をともに有する場合は化合物(A)のみを含有してもよい。化合物(A)としては、エポキシ化合物分子内のオキシラン環の全部がチイラン環に置換され、チイラン環のみを有する化合物(A−1)、あるいは分子内のオキシラン環の一部のみがチイラン環に置換され、チイラン環とオキシラン環とを併有する化合物(A−2)のいずれであってもよい。
即ち、本発明の組成物の樹脂成分として、例えば、下記のいずれの成分の組み合わせからなるものであってもよい。
(i)化合物(A−2)のみを含む組成物
(ii)化合物(A−1)と、化合物(B)とを含む組成物
(iii)化合物(A−2)と、化合物(B)とを含む組成物
(iv)化合物(A−1)と、化合物(A−2)とを含む組成物化合物
(v)化合物(A−1)と、化合物(A−2)と、化合物(B)とを含む組成物
特に、前記の(iii)の組み合わせからなる組成物は、高接着力を発現するので好ましい。
【0020】
化合物(A)は、エポキシ化合物より合成することができる
【0024】
化合物(A)を得るために用いられるエポキシ化合物は、例えば、上記式(3)で表される化合物であって、式中のYがすべて下記式(10)で表されるオキシラン環である化合物や、上記式(4)で表される構造であって、式中のYがすべて上記式(10)で表されるオキシラン環である基を分子内に有する化合物が挙げられる。なお、上記式(3)において、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。また、上記式(4)で表される構造を分子内に有する化合物は、特に限定されず、上記式(4)で表される構造に結合するものとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基またはフェニル基が挙げられる。また、上記式(4)で表される構造を分子内に有する化合物は、2つの上記式(4)で表される構造が直接結合したり、メチレン基等を介して結合するなど、上記式(4)で表される構造を分子内に2個以上有する化合物であってもよい。
Figure 0004171160
【0030】
また、化合物(A)としては、上記式(3)で表される化合物であって、式中のYの少なくとも1つが、下記式(11)で表されるチイラン環であり、チイラン環以外のYは上記式(10)で表されるオキシラン環である化合物や、上記式(4)で表される構造であって、式中のYの少なくとも1つが、下記式(11)で表されるチイラン環であり、チイラン環以外のYは上記式(10)で表されるオキシラン環である基を分子内に有する化合物も挙げられる。なお、上記式(3)において、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。また、上記式(4)で表される構造を分子内に有する化合物は、特に限定されず、上記式(4)で表される構造に結合するものとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基またはフェニル基が挙げられる。また、上記式(4)で表される構造を分子内に有する化合物は、上記式(4)で表される構造が二つ直接結合するなど、上記式(4)で表される構造を分子内に2個以上有する化合物であってもよい。
後述するように、本発明の組成物は、亜リン酸エステル化合物を含有すると、含有しない場合に比べて、低温硬化性および接着性は同等に保ちながら、貯蔵安定性が向上するが、本発明の組成物が、樹脂成分としてこれらの化合物を含有すると、亜リン酸エステル化合物を含有しない場合でも、含有する場合と同等の貯蔵安定性を維持しつつ、硬化時間を短くすることができるという利点がある。なお、本発明の組成物が、樹脂成分としてこれらの化合物を含有する場合にも、更に、亜リン酸エステル化合物を含有してもよい。
Figure 0004171160
【0031】
この化合物(A)の具体例として、下記式で表されるものが挙げられる。下記のそれぞれの式において、2以上のYの少なくとも1つは上記式(11)で表されるチイラン環であり、チイラン環以外のYは上記式(10)で表されるオキシラン環であり、Zの少なくとも1つはSであり、他のZはOであり、また、nは0または1以上の整数である。
【0033】
【化15】
Figure 0004171160
【0034】
【化16】
Figure 0004171160
【0037】
なお、上記で列挙した式のうち、式(5)および(6)は、上記式(3)で表される特定のチイラン含有樹脂の具体例であり、式(7)、(12)、(13)および(14)は、上記式(4)で表される構造を分子内に有する特定のチイラン含有樹脂の具体例である。中でも、上記式(5)、(6)、(7)で表されるチイラン樹脂が好ましい。
【0038】
化合物(A)の製造は、前記エポキシ化合物と、エピスルフィド化剤とを、極性溶媒中で、強攪拌下に反応させる方法にしたがって行うことができる。
用いられるエピスルフィド化剤としては、例えば、チオシアン酸カリウム(KSCN)、チオ尿素等が挙げられる。
【0039】
極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、水、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。特に、エピスルフィド化剤としてKSCNを用いる場合、チイラン化率が50%、即ち、オキシラン環/チイラン環の含有割合が50/50の化合物(A−2)を得るためには、水/エタノールの2/1混合溶媒を用いるのが好ましい。また、チイラン化率が100%、即ち、オキシラン環/チイラン環の含有割合が0/100の化合物(A−1)を得るためには、溶媒としてアセトンを用いるのが好ましい。
【0040】
反応は、通常、10〜35℃の温度範囲、例えば、室温下、10〜40時間程度、例えば、20時間程度の反応時間で行うことができる。また、反応の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素等の不活性雰囲気でもよい。
【0041】
本発明の組成物に含むことのできる分子内にオキシラン環を有し、チイラン環を有さない化合物(B)としては、前述の化合物(A)を得るために用いられるエポキシ化合物として例示されるエポキシ化合物のすべてが利用可能である。具体的には、化合物(A)の具体例として挙げられている前記すべての式において、すべての置換基Yが上記式(10)で表されるオキシラン環である化合物や、すべてのZがOであり、nが0または1以上の整数である化合物が例示される。
これらの中でも、分子内にオキシラン環を2個持つ2官能エポキシ化合物は、得られる本発明の組成物の接着性が良好となり、更に分子内にオキシラン環を2個持つ芳香族系の2官能エポキシ化合物は、得られる本発明の組成物の接着性が優れる
【0042】
本発明の組成物において、オキシラン環/チイラン環の含有割合は、貯蔵安定性、硬化性の観点から、95/5〜0/100の範囲、好ましくは95/5〜10/90の範囲であり、貯蔵安定性に優れるという理由から、より好ましくは90/10〜60/40の範囲である。
【0043】
本発明の組成物の樹脂成分は、25℃における粘度が100000mPa・s以下の液状物であるのが好ましい。このような樹脂成分を含有する本発明の樹脂組成物は、室温においても速硬化性に優れる。
また、25℃における粘度が100000mPa・s以下の樹脂成分は、チイラン変性前のエポキシ化合物として、当量450g/eq以下のもの、または、平均当量が450g/eq以下となるような組み合わせの混合物が好ましい
【0044】
チミン化合物は、ケトンとポリアミンとから合成することができる化合物である。ケチミン化合物は、エポキシ樹脂に混合したときの硬化速度が極めて遅いが、塗膜などにすると空気中の水分を吸収して、加水分解反応(平衡反応)によりアミンを再生し、常温硬化する。このため、ケチミン化合物は、これまでエポキシ樹脂の潜在性硬化剤等として用いられきた。しかし、ケチミン化合物を潜在性硬化剤として含有するエポキシ樹脂は硬化が非常に遅いという欠点がある。
チイラン環を含有する本発明の樹脂成分(以下「チイラン含有樹脂」ともいう。)にケチミン化合物を配合すると、速硬化性と、これに加えて優れた低温硬化性(例えば、5℃以下、0℃での硬化性)を示す。これは、チイラン環の反応性が高く、チイラン含有樹脂がアミンと即座に反応する性質を持つためと考えられる。チイラン含有樹脂にケチミン化合物を配合すると、チイラン含有樹脂はケチミン化合物から再生されるアミンを急速に消費し、ケチミン化合物の加水分解をも促進するため、特異的な速硬化性、低温硬化性を発現すると考えられる。また、ケチミン化合物は低粘度液体であるため、粘度が高く結晶化しやすいチイラン含有樹脂に配合すると、チイラン含有樹脂の結晶化を阻止することができ、低粘度化することができる。
【0045】
ケチミン化合物の合成の原料となるポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、デュポン・ジャパン社製のMPMD、メタキシリレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、3−ブトキシイソプロピルアミン等の主鎖にエーテル結合を有するモノアミンや、サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式ポリアミン;三井化学社製のNBDAに代表されるノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400等が具体例として挙げられる。
ケトンとしては、メチルエチルケトン(MEK)、イソブチルメチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)等が挙げられる。
【0049】
本発明に用いられるケチミン化合物は、第一級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物と、α位に置換基を持つケトンとから合成されるケチミン化合物である。このようなケチミン化合物では、ケチミン基の二重結合の近くに嵩高い置換基を有し、この置換基によりイミンとチイラン環あるいはオキシラン環との反応が抑えられ、ケチミン化合物の加水分解性が低下する。その結果、無水下での貯蔵安定性が向上する。
【0050】
第一級炭素原子に結合した第一級アミノ基を持つアミノ基含有化合物とは、α位がメチレン基であるアミノ基を分子内に少なくとも1個有する化合物であり、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、デュポン・ジャパン社製のMPMD、メタキシリレンジアミン等の脂肪族ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、3−ブトキシイソプロピルアミン等の主鎖にエーテル結合を有するモノアミンや、サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式ポリアミン、三井化学社製のNBDAに代表されるノルボルナン骨格のジアミン、ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン等が挙げられる。
これらの中でも特に、メタキシリレンジアミン(MXDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン(NBDA)は、これらを用いて合成したケチミン化合物を含有する本発明の組成物が貯蔵安定性に優れるうえ、硬化性に特に優れることから、好ましい。
【0051】
α位に置換基をもつケトンとは、カルボニル基から数えてα位に置換基を有するケトンのことで、メチルt−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン等の他、プロピオフェノン、ベンゾフェノン等が具体例として挙げられる。これらの中でも特にメチルイソプロピルケトン、メチルt−ブチルケトンが、これらを用いて合成したケチミン化合物とエポキシ樹脂との配合物の、貯蔵安定性と硬化性のバランスが優れていることから好ましい。
【0052】
第一級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物と、α位に置換基を持つケトンとから合成されるケチミン化合物としては、上記アミノ基含有化合物のそれぞれと、上記ケトンのそれぞれとを組み合わせて得られるケチミン化合物が好適に例示されるが、このうち、上記アミノ基含有化合物とメチルイソプロピルケトン、メチルt−ブチルケトンから合成されるケチミン化合物が硬化速度と貯蔵安定性のバランスが特に優れる。また、上記ケトンと1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、メタキシリレンジアミンから合成されるケチミン化合物も、硬化速度と貯蔵安定性のバランスに特に優れるが、その中でも特に硬化性に優れる。
【0053】
具体的には、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルt−ブチルケトンから得られるもの、三井化学社製のNBDAとメチルイソプロピルケトンから得られるもの(上記式(1))、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルイソプロピルケトンから得られるもの、NBDAとメチルt−ブチルケトンから得られるもの、三菱ガス化学社製のMXDAとメチルイソプロピルケトンから得られるもの、三菱ガス化学社製のMXDAとメチルt−ブチルケトンから得られるもの(上記式(2))等が例示される。
これらの中でも、特に三井化学社製のNBDAとメチルイソプロピルケトンから得られるもの、NBDAとメチルt−ブチルケトンから得られるもの、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルイソプロピルケトンから得られるもの、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルt−ブチルケトンから得られるものは、硬化性に優れる。
【0054】
上述のケチミン化合物は、上述のケトンとアミノ基含有化合物を無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させることで得られる。
【0055】
なお、本発明においては、上記ケトンとアミンとから合成される上記ケチミン化合物の代わりに、アルデヒドとアミンとから合成されるアルジミンも、上記ケチミン化合物と同様に用いることができる。
【0056】
本発明の組成物中でのケチミン化合物の添加量は、当量比で、(ケチミン化合物のイミノ基)/(本発明の樹脂成分中のオキシラン環およびチイラン環)が0.1〜2.0であるのが好ましく、0.3〜1.5であるのがより好ましい。この範囲であれば、貯蔵安定性、硬化性がともに良好だからである。
【0057】
本発明の組成物は、上述のチイラン含有樹脂、ケチミン化合物を必須成分とするが、更に、亜リン酸エステル化合物を含有してもよい。チイラン含有樹脂とともに、亜リン酸エステル化合物を含む本発明の組成物は、チイラン含有樹脂を含み、亜リン酸エステル化合物を含まない組成物に比べて、低温硬化性および接着性は同等に保ちながら、貯蔵安定性が向上する。特に、リン原子周辺の立体障害の低い構造の亜リン酸エステル化合物が貯蔵安定性向上に有効である。
チイラン含有樹脂は、チイラン環が水分により開環して発生するチオール基が化学的に反応性の高い置換基であるため、チオール基とチイラン環との自己重合が起こりやすいが、チイラン含有樹脂に亜リン酸エステル化合物を配合すると、亜リン酸エステル化合物に含まれるリン原子と、チイラン環が開環して生成するチオール基に含まれる硫黄原子との相互作用により、チオール基が安定化され、チオール基とチイラン環との自己重合が抑制されて、チイラン含有樹脂の貯蔵安定性が向上すると考えられる。
また、亜リン酸エステル化合物は、液状化合物で粘度が低い。一方、チイラン含有樹脂は、チイラン環の代わりにオキシラン環を有するエポキシ樹脂に比して、粘度が高く、また結晶化もしやすい。したがって、チイラン含有樹脂に、亜リン酸エステル化合物を添加すると、チイラン含有樹脂が容易に結晶化することを低減でき、チイラン含有樹脂を含有する組成物の粘度を低くでき、作業性が良好となり、好ましい。
【0058】
本発明に用いられる亜リン酸エステル化合物は、ホスホン酸のエステルである各種の化合物が使用できるが、好ましくは、下記式(8)および(9)で表される亜リン酸エステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の亜リン酸エステル化合物を用いる。
【0059】
【化20】
Figure 0004171160
【0060】
式中、R1 〜R5 は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基を表す。
【0061】
具体的には、式(8)で表される化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト等;
式(9)で表される化合物としては、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等;が挙げられ、これらのトリエステル体、または、これらトリエステル体を部分的に加水分解したジ−、あるいはモノエステル体も用いることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの亜リン酸エステル化合物は、リン原子周辺の立体障害が小さい。
【0062】
貯蔵安定性の観点から、上述の式(8)および(9)で表される亜リン酸エステル化合物の中で、エステル部分(−P−O−R)の少なくとも1つが、ベンゼン環等の芳香環を含む構造であるものが、特に好ましい。芳香環が置換基を有する場合は、置換基は炭素数1〜6のアルキル基であるのが好ましく、置換位置はメタ位もしくはパラ位であるのが好ましい。また、式(9)で表される化合物では、エステル部分(−P−O−R)にアルキル基を含む構造であるものも好ましい。
式(8)で表される化合物の中でも、ジアリールモノアルキルホスファイトが、また、式(9)で表される化合物の中でも、ジアリールペンタエリスリトールジホスファイト、あるいは、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイトの化学構造をとるものが、それぞれ貯蔵安定性の効果が大きく好ましい。
具体的には、ジアリールモノアルキルホスファイトとしては、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト等が、ジアリールペンタエリスリトールジホスファイトとしては、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイトとしては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0063】
また、相溶性の観点からは、上述の式(8)および(9)で表される亜リン酸エステル化合物の中で、エステル部分(−P−O−R)の少なくとも1つが、ベンゼン環等の芳香環を含む構造であるものが、好ましい。芳香環が置換基を有する場合は、置換基は炭素数1〜6のアルキル基であるのが好ましく、置換位置はメタ位もしくはパラ位であるのが好ましい。
このような亜リン酸エステル化合物として、例えば、式(8)で表される化合物としては、ジアリールモノアルキルホスファイト、モノアリールジアルキルホスファイト等が、また、式(9)で表される化合物としては、アリールモノアルキルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
具体的には、ジアリールモノアルキルホスファイトとしては、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト等が、モノアリールジアルキルホスファイトとしては、フェニルジデシルホスファイト等が、アリールモノアルキルペンタエリスリトールジホスファイトとしては、ビスフェニルトリデシルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0064】
亜リン酸エステル化合物としては、市販品を利用することもでき、例えば、城北化学社製のJPM−308、JPM−311、JPM−313、JPP−13、JPP−31等が挙げられる。
【0065】
亜リン酸エステル化合物の添加量は、上述の樹脂成分100質量部に対し、0.1〜30質量部であるのが好ましく、0.5〜30質量部であるのがより好ましく、3〜10質量部であるのが更に好ましい。0.1質量部未満では、貯蔵安定性の効果がなく、30質量部を超えると、硬化性および接着性が低下する。
【0066】
本発明の組成物は、上述の樹脂成分とケチミン化合物とを混合して、一液型樹脂組成物とするが、上述の樹脂成分とケチミン化合物とを、それぞれ別体としておき、使用時に両者を所定の割合で混合して調合を行う二液型樹脂組成物として用いることもできる。
【0067】
また、本発明の組成物は、前記ケチミン化合物以外に、硬化促進剤を併用してもよい。硬化促進剤としては、例えば、フェノール類、第三級アミン類等が挙げられる。第三級アミンとしては、ベンジルメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−1、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等が挙げられる。
【0068】
本発明の組成物には、前記樹脂成分、ケチミン化合物、あるいは亜リン酸エステル化合物、硬化促進剤以外に、必要に応じて、各種の添加剤を配合することができる。例えば、充填剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤等を配合することができる。
【0069】
充填剤としては、各種形状のものを使用することができ、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラックなどの有機または無機充填剤が挙げられ、またこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を組み合わせても用いられる。
【0070】
可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。これらの可塑剤は、1種単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
【0071】
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
【0072】
顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料などが挙げられる。
【0073】
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、炭酸カルシウム、テフロン等を、また帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩、あるいはポリグリコールやエチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることができる。
【0074】
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペンーフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
【0075】
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
【0076】
本発明の速硬化1液樹脂組成物は、上記構成を採ることにより、チイラン含有樹脂の特性である高い接着力、速硬化性、特に低温下での速硬化性、および低臭性を維持しつつ、従来のチイラン含有樹脂に比べ、貯蔵安定性が優れる。また、チイラン含有樹脂は粘度が高く作業性が良好ではないが、低粘度液体であるケチミン化合物を添加することにより、チイラン含有樹脂を含む本発明の組成物全体の低粘度化が可能である。
特に、ケチミン化合物として、第二級または第三級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物とケトンとから合成されるものや、第一級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物と、α位に置換基を持つケトンとから合成されるものを含有する本発明の組成物では、特に貯蔵安定性に優れる。
また、樹脂成分として、下記式(3)で表される特定のチイラン含有樹脂および/または下記式(4)で表される構造を分子内に有する特定のチイラン含有樹脂を含有する本発明の組成物では、亜リン酸エステル化合物を含有しない場合でも、含有する場合と同等の貯蔵安定性を維持しつつ、硬化時間を短くすることができるという利点がある。
更に、亜リン酸エステル化合物として、上記式(8)および(9)で表される特定構造の化合物を少なくとも1種含む本発明の組成物では、チイラン含有樹脂の自己重合を抑えることができ貯蔵安定性が更に優れたものとなる。
したがって、このような本発明の組成物は、土木建築用の接着剤、塗料、防錆塗料等として好適に用いることができる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例〜7、参考例8、実施例9〜10および比較例〜9)
下記第1表に記載の化合物を、第1表に記載の組成(質量部)にて配合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、貯蔵安定性、硬化性および低温(0℃)硬化性を評価した。結果を第1表に示す。
表中、チイラン含有率[%]とは、樹脂組成物中に含まれるオキシラン環およびチイラン環に対する、チイラン環の含有割合をいう。なお、本発明の組成物が満たすオキシラン環とチイラン環の含有割合(=95/5〜0/100)をチイラン含有率[%]で表せば、5〜100%の範囲である。
【0078】
<粘度変化(貯蔵安定性の評価)>
実施例および比較例で得られた樹脂組成物の調製直後の粘度を測定し、ついで樹脂組成物を密閉容器に封入し、70℃で1日貯蔵した後、粘度を測定し、貯蔵後の粘度を調製直後の粘度で除して、粘度変化を算出した。単位は[倍]である。粘度の測定は、E型粘度計3度コーンを使用して、20℃にて測定した。
<タックフリータイム(硬化性の評価)>
20℃、相対湿度56%の恒温室において、樹脂組成物の表面にポリエチレンシートで触れ、シートに樹脂組成物が付着しなくなるまでの時間を測定した。単位は[時間(h)]である。
<0℃硬化試験(低温硬化性の評価)>
樹脂組成物を調製した後、0℃の低温オーブンに放置し、72時間以内にタックフリーが発現した場合は○、発現しない場合を×とした。
【0083】
【表2】
Figure 0004171160
【0084】
EP−4100E:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、旭電化工業社製
ED−523:
ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂(下記式)、エポキシ当量150、旭電化工業社製
【0085】
【化22】
Figure 0004171160
【0086】
ED−523−T:
ED−523を変性し、チイラン含有率100%(オキシラン環/チイラン環=0/100)として使用
ED−505:
トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(下記式)、エポキシ当量150、旭電化工業社製
【0087】
【化23】
Figure 0004171160
【0088】
ED−505−T:
ED−505を変性し、チイラン含有率100%(オキシラン環/チイラン環=0/100)として使用
GOT:
オルト−トルイジン型エポキシ樹脂(下記式)、エポキシ当量135、日本化薬社製
【0089】
【化24】
Figure 0004171160
【0090】
GOT−T:
GOTを変性し、チイラン含有率55%(オキシラン環/チイラン環=45/55)として使用
ケチミンC:
上記式(1)で表されるケチミン化合物
【0091】
【発明の効果】
本発明の組成物は、潜在性硬化剤としてケチミン化合物を配合した従来のエポキシ樹脂組成物が硬化性に劣るのと異なり、ケチミン化合物とともにチイラン含有樹脂を含有し、速硬化性、特に低温下での速硬化性に優れる。また、従来のチイラン含有樹脂に比べ、貯蔵安定性が格段に優れる。また、ケチミン化合物を含有することにより、チイラン含有樹脂を含む本発明の組成物全体の低粘度化が可能である。チイラン含有樹脂は容易に結晶化するが、ケチミン化合物を含有する本発明の組成物では結晶化が阻止される。
また、本発明の組成物が、樹脂成分として、上記式(3)で表される特定のチイラン含有樹脂および/または上記式(4)で表される構造を分子内に有する特定のチイラン含有樹脂を含有する場合には、貯蔵安定性に優れ、かつ、硬化時間を短くすることができる。
更に、亜リン酸エステル化合物を含むことにより、本発明の組成物は、更に貯蔵安定性に優れる。

Claims (4)

  1. オキシラン環とチイラン環の含有割合が、オキシラン環/チイラン環=95/5〜10/90である樹脂成分と、ケチミン化合物とを含有し、
    前記ケチミン化合物が、第一級炭素に結合した第一級アミノ基含有化合物と、α位に置換基を持つケトンとから合成されるケチミン化合物であり、
    前記樹脂成分として、下記式(3)で表されるチイラン含有樹脂および/または下記式(4)で表される構造を分子内に有するチイラン含有樹脂を含有する速硬化1液樹脂組成物。
    Figure 0004171160
    (式中、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を表す。また、各式において、Yのうち少なくとも1つはチイラン環であり、チイラン環以外のYはオキシラン環である。)
  2. 前記ケチミン化合物が、下記式(1)および/または(2)で表されるケチミン化合物である請求項1に記載の速硬化1液樹脂組成物。
    Figure 0004171160
  3. 前記チイラン含有樹脂が、下記式(5)、(6)および(7)で表されるチイラン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の速硬化1液樹脂組成物。
    Figure 0004171160
    (式中、Yは請求項5における意味と同じ意味を表す。)
  4. 更に、下記式(8)および(9)で表される亜リン酸エステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を、前記樹脂成分100質量部に対し、0.1〜30質量部含有する請求項1〜のいずれかに記載の速硬化1液樹脂組成物。
    Figure 0004171160
    (式中、R1〜R5は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基を表す。)
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