JP2000178343A - 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤 - Google Patents

一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤

Info

Publication number
JP2000178343A
JP2000178343A JP36082198A JP36082198A JP2000178343A JP 2000178343 A JP2000178343 A JP 2000178343A JP 36082198 A JP36082198 A JP 36082198A JP 36082198 A JP36082198 A JP 36082198A JP 2000178343 A JP2000178343 A JP 2000178343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ketimine
ketone
epoxy resin
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP36082198A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP36082198A priority Critical patent/JP2000178343A/ja
Publication of JP2000178343A publication Critical patent/JP2000178343A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵安定性と硬化性が共に良好な一液型エポキ
シ樹脂組成物、および、貯蔵安定性が良好で硬化作用が
良好な、一液型湿気硬化性樹脂組成物の硬化剤として有
用な新規潜在性硬化剤の提供。 【解決手段】α位に置換基を持つケトンと、第二級炭素
原子に結合した1級アミノ基を持つポリアミンとを反応
させて得られるケチミンと、エポキシ樹脂とを含有する
一液型エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性と硬化
性が共に良好な一液型エポキシ樹脂組成物、および、貯
蔵安定性が良好で硬化作用が良好な、一液型湿気硬化性
樹脂組成物の硬化剤として有用な新規潜在性硬化剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ケチミン系化合物を中心とす
る潜在性硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物等の一液化
の検討が種々なされてきた。しかしながら、ケチミン系
化合物のイミン部の窒素原子の求核性が高いためエポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂等と混合後密封しておくと、
経時に粘度が上昇あるいはゲル化する等、貯蔵安定性に
問題があった。そこで、貯蔵安定性の改善を目的とする
発明が開示され、例えば、貯蔵安定性のよい潜在性硬化
剤として、立体障害の大きいアミンと立体障害の小さい
ケトンとから合成されたケチミン系化合物が提案されて
いる。しかし、このケチミン系化合物は、反応性そのも
のを落として貯蔵安定性を上げたもので、実用的な一液
型湿気硬化性組成物を提供するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貯蔵
安定性と硬化性が共に良好な一液型エポキシ樹脂組成
物、および、貯蔵安定性が良好で硬化作用が良好な、一
液型湿気硬化性樹脂組成物の硬化剤として有用な新規潜
在性硬化剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、α
位に置換基を持つケトンと、第二級炭素原子に結合した
1級アミノ基を持つポリアミンとを反応させて得られる
ケチミンと、エポキシ樹脂とを含有する一液型エポキシ
樹脂組成物を提供する。
【0005】また、本発明は、α位に置換基を持つケト
ンと、第二級炭素原子に結合した1級アミノ基を持つポ
リアミンとを反応させて得られるケチミンを含有する潜
在性硬化剤を提供する。
【0006】前記一液型エポキシ樹脂組成物に含有され
るケチミンと、前記潜在性硬化剤に含有されるケチミン
とを合成するのに用いられる前記ケトンは、下記式
(1)で表されるのが好ましい。
【化3】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一液型エポキシ樹脂組成
物(以下、本発明の組成物と記す)は、上記特定の化学
構造式で表されるケチミンと、エポキシ樹脂とを含有す
る一液型エポキシ樹脂組成物である。本発明の組成物に
用いられるケチミンは、立体障害の大きなケトンと、立
体障害の大きなポリアミンとから合成される化合物であ
る。本発明のケチミンの合成に用いられるケトンは、α
位に置換基を有する立体障害の大きなケトンである。α
位に置換基をもつケトンとは、カルボニル基から数えて
α位に置換基を有するケトンのことで、メチルt−ブチ
ルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソプロピル
ケトン等の他、プロピオフェノン、ベンゾフェノン等が
具体例として挙げられる。これらのケトンの中でも特に
上記式(1)で表される化合物が好ましく、具体的には
メチルイソプロピルケトン、メチルt−ブチルケトンが
挙げられ、これらを用いて合成したケチミンとエポキシ
樹脂との配合物の、貯蔵安定性が特に優れ、硬化性も良
好であることから好ましい。
【0008】本発明のケチミンの合成に用いられるポリ
アミンは、第二級炭素原子に結合した1級アミノ基を有
する、立体障害の大きなポリアミンである。第二級炭素
原子に結合した1級アミノ基を持つポリアミンとは、ア
ミノ基から数えてα位に置換基を有するポリアミンのこ
とで、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチ
レンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−
アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピ
レングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミ
カル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD
400等が具体例として挙げられるが、これらの中で
も、サンテクノケミカル社製のジェファーミンシリーズ
は汎用のアミンとして好適に用いられる。
【0009】本発明に用いるケチミンとしては、上記ポ
リアミンのそれぞれと、メチルt−ブチルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン等のそれぞれのケトンとを組み合
わせて得られるケチミンが好適に例示される。上記ポリ
アミンとメチルイソプロピルケトン、メチルt−ブチル
ケトンから合成されるケチミンは、貯蔵安定性に特に優
れるうえ、硬化性も良好である。また、上記ケトンとジ
ェファーミンシリーズから合成されるケチミンは、硬化
性に特に優れる。
【0010】具体的には、ジェファーミンD230とメ
チルイソプロピルケトンから得られるもの、ジェファー
ミンD230とメチルt−ブチルケトンから得られるも
の、ジェファーミンD400とメチルイソプロピルケト
ンから得られるもの、ジェファーミンD400とメチル
t−ブチルケトンから得られるもの、2,5−ジメチル
−2,5−ヘキサメチレンジアミンとメチルイソプロピ
ルケトンから得られるもの、2,5−ジメチル−2,5
−ヘキサメチレンジアミンとメチルt−ブチルケトンか
ら得られるもの等が例示される。
【0011】上述のケチミンは、上記ケトンとポリアミ
ンを無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン
等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水を共沸
により除きながら反応させることで得られる。
【0012】上記式(1)で示されるケトンと、第二級
炭素原子に結合する1級アミノ基を有するポリアミンと
を反応させて得られるケチミンは、ケチミン基の2重結
合の近くに嵩高い基を有するので、ケチミン窒素が置換
基の立体障害により保護されており、その塩基性が大幅
に弱まっている。そのため、かかるケチミンを含む本発
明の組成物は、貯蔵安定性に特に優れる。また、本発明
のケチミンは、反応機構は不明であるが、従来、潜在性
硬化剤として利用されてきた立体障害の小さいケトンと
第二級炭素原子に結合するアミノ基を有する立体障害の
大きなアミンとから合成されるケチミン化合物と比較し
て、反応性に優れている。すなわち、本発明のケチミン
は、従来の潜在性硬化剤として用いられてきたケチミン
化合物より硬化性に優れる。従って、本発明のケチミン
は硬化性を下げることなく貯蔵安定性に優れるので、一
液型湿気硬化性樹脂組成物の潜在性硬化剤として有用で
ある。
【0013】本発明のケチミンは、α位に置換基を有す
る立体障害の大きなケトンと、α位に置換基を有さない
立体障害のないアミンまたはポリアミンとから合成され
るケチミンと併用してもよい。このようなケチミンと、
本発明のケチミンとを併用すると、硬化性が向上する。
また、他の公知の潜在性硬化剤と併用してもよい。
【0014】なお、本発明においては、上記ケチミンの
合成に用いるケトンのカルボニル基をホルミル基に置換
したアルデヒドと、アミンとから合成されるアルジミン
も、上記ケチミンと同様に用いることができる。
【0015】本発明の組成物は、上記ケチミンとエポキ
シ樹脂とを含有する一液型エポキシ樹脂組成物である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェ
ノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びその
誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル
型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂等のポリエーテル構造を有する、分子
内にエポキシ基を少なくとも2個有するポリエポキシ化
合物;ウレタン変性エポキシ化合物等のグリシジルエス
テル型エポキシ化合物等のポリエステル構造を有するポ
リエポキシ化合物;主鎖が−(R−SX )−を繰り返し
単位として含み分子末端にエポキシ基を有する化合物
で、前記Rが酸素原子を主鎖に含む、あるいは含まない
炭素数2〜8のアルキレン基、xが1〜3であるポリス
ルフィド構造を有するポリエポキシ化合物等が挙げられ
る。必要により、フェノールグリシジルエーテル等の単
官能のエポキシ化合物を併用してもよい。これらのうち
ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
は、汎用のエポキシ樹脂として好適に用いられる。
【0016】本発明の組成物のケチミンの含有量は、当
量比で、(上記ケチミンのイミノ基)/(上記エポキシ
樹脂中のエポキシ基)=0.1〜2.0が好ましく、
0.3〜1.5がより好ましい。この範囲であれば、貯
蔵安定性と硬化性が良好だからである。
【0017】上記エポキシ樹脂を含み、潜在性硬化剤と
して、上記ケチミンを含む本発明の組成物は、貯蔵安定
性が良好であると共に、従来、潜在性硬化剤として利用
されてきた立体障害の大きなアミンと立体障害の小さな
ケトンとから合成されるケチミンを含有する一液型エポ
キシ樹脂組成物に比べて、硬化性が高く、貯蔵安定性が
顕著に高い。本発明の組成物を加熱すると、さらに硬化
性を向上させることができる。従って、本発明の組成物
は、接着剤、シーリング材、塗料等として好適に用いる
ことができるし、他の硬化剤と併用して硬化性と貯蔵安
定性を調整することができる。
【0018】本発明の組成物は、必要に応じて硬化促進
剤を併用しても良い。硬化促進剤としては、亜リン酸エ
ステル類が効果的である。亜リン酸エステル類は、本発
明の組成物の貯蔵中、該組成物に増粘その他の悪影響を
およぼさないからである。硬化促進剤として用いる亜リ
ン酸エステル類としては、トリフェニルホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホ
スファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エ
チルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモ
ノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモ
ノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)
ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール
ジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)
ペンタエリスリトールテトラホスファイト、トリラウリ
ルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリル
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリ
スリトールホスファイトポリマー等のトリエステル体が
挙げられる。また、これらのトリエステル体を部分的に
加水分解したジー、あるいはモノエステル体も例として
挙げられる。このうち、テトラフェニルテトラ(トリデ
シル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス
(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホ
スファイトポリマー等は、特に促進効果が高く、好適に
用いられる。
【0019】これらの亜リン酸エステル体のうち、トリ
エステル体を用いる場合、その添加量は、エポキシ樹脂
のエポキシ基に対して0.005mol%以上であり、
好ましくは0.005〜1.0mol%である。0.0
05mol%より少ないと促進剤としての効果が無く、
一方ジエステル体の添加量が50mol%より多いと貯
蔵安定性を悪くする。また本発明の組成物は、促進剤と
して、亜リン酸エステル以外の促進剤を含んでいてもよ
い。
【0020】本発明の組成物は、必要に応じてシランカ
ップリング剤を併用してもよい。シランカップリング剤
を含有することにより、貯蔵安定性と硬化速度のバラン
スに優れると共に、湿潤面への接着性にも優れる樹脂組
成物とすることができる。シランカップリング剤として
は、特に限定されず、従来公知のシランカップリング剤
を使用することができ、例えば、クロロプロピルトリメ
トキシシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
等が挙げられる。これらのうち、トリメトキシビニルシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
は、特に、湿潤面への接着性を向上させる効果に優れ、
更に汎用であることから、好適に用いられる。
【0021】これらのシランカップリング剤の含有量
は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜20重
量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
該範囲であると、湿潤面への接着性に関し、破断時に剪
断応力が高く、母材の破壊率もほぼ100%となるので
好ましい。
【0022】本発明の組成物は、下記式(2)で表され
るシリルエステル基を有する化合物を含有してもよい。
このようなシリルエステル基を有する化合物を特定量配
合することにより、貯蔵安定性を損なうことなく、硬化
時間を短縮することができる。
【0023】
【化4】
【0024】式中、Rは、水素原子、もしくは炭素数1
〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、具体
的には、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、
オクチル基、ラウリル基、パルミチル基、ステアリル
基、アリル基、エイコシル基等の直鎖の炭化水素基;イ
ソプロピル基、イソブチル基等の分岐した炭化水素基;
ヘキサメチル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、ベ
ンジル基等の芳香族基等を挙げることができる。Rとし
ては、貯蔵安定性および硬化反応の促進効果に優れると
いう理由から、炭素数1〜17の炭化水素基が特に好ま
しい。Rが水素原子では、貯蔵安定性にやや難が生じ、
逆に炭素数18以上では、硬化反応の促進効果がやや低
下するからである。
【0025】上述のシリルエステル基を有する化合物
は、シリルエステル基が上式(2)で表される化合物で
あれば、特に限定されず、シリルエステル基が主鎖中、
主鎖末端、側鎖のいずれに含まれていても、また、1個
あるいは2個以上含まれていてもよい。式(2)で表さ
れるシリルエステル基が化合物中に2個以上含まれる場
合は、1種類のみが含まれていてもよく、それぞれ異な
ってもよい。このようなシリルエステル基を有する化合
物の主鎖は、主にSi−O結合からなる。主鎖は1種単
独でも2種以上であってもよい。式(2)で表されるシ
リルエステル基が主鎖中に含まれる場合は、シリルエス
テル基のSiが主鎖中のSiとなる。このようなシリル
エステル基を有する化合物としては、具体的に、下記式
で表される化合物を示すことができる。
【0026】
【化5】
【0027】上式中、シリルエステル基の繰り返し単位
数nは1以上の整数である。上述のシリルエステル基を
有する化合物の製造方法としては、例えば、ポリ(メチ
ルハイドロジェン)シロキサン等のSi−H基を有する
ポリハイドロジェンシロキサンと;蟻酸、ステアリン酸
等の直鎖飽和脂肪酸、カプロレイン酸等の不飽和脂肪
酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、ナフトエ酸等の脂
環式カルボン酸等のカルボン酸類とを、あるいは上述の
ポリハイドロジェンシロキサンとアルケンとの共重合体
と、上述のカルボン酸類とを、Pt、Ru等の第VIII族
の遷移金属単体あるいはこれらの金属の塩化物等を触媒
として脱水縮合することにより合成できる。
【0028】本発明の組成物において、このようなシリ
ルエステル基を有する化合物の含有量は、エポキシ樹脂
100重量部に対し、0.05〜10重量部が好まし
い。該範囲であると、貯蔵安定性を損なうことなく、硬
化時間が短縮されるからである。特に、0.1〜8重量
部であると好ましい。
【0029】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、炭酸カルシウムを含有してもよい。特に表
面処理炭酸カルシウムを含有することにより、粘度の調
整が可能であり、また、良好な初期チクソ性と貯蔵安定
性を得ることができる。このような炭酸カルシウムとし
ては、脂肪酸、樹脂酸、あるいは脂肪酸エステルにより
表面処理された従来公知の表面処理炭酸カルシウムを用
いることができる。具体的には、脂肪酸で表面処理され
た炭酸カルシウムとして、カルファイン200(丸尾カ
ルシウム社製)、ホワイトン305(重質炭酸カルシウ
ム、白石カルシウム社製)、脂肪酸エステルで表面処理
された炭酸カルシウムとして、シーレッツ200(丸尾
カルシウム社製)等が好適に用いられる。
【0030】炭酸カルシウムの添加量は、エポキシ樹脂
100重量部に対して30〜200重量部が好ましく、
50〜150重量部がより好ましい。30重量部未満で
は、適切な初期チクソ性および作業性が得られなくな
り、また、200重量部超では、粘度が高くなり作業性
が悪くなる。
【0031】本発明の組成物は、上述した化合物の他
に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加
剤、例えば、充填剤、可塑剤、チクソトロピー付与剤、
顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難
燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤等を配合してもよい。
【0032】本発明に用いることができる充填剤として
は、各種形状の有機または無機のものがあり、ヒューム
ドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融
シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンク
レー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるい
はこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が
挙げられる。
【0033】本発明に用いることができる可塑剤として
は、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレ
ート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソ
デシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタ
エリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチル
リシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステ
ル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が用
いられる。これらの可塑剤は、単独でも、2種以上を混
合して使用してもよい。
【0034】本発明に用いることが出来るチクソトロピ
ー授与剤としては、エアロジル(日本エアロジル(株)
製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)を、また帯電
防止剤としては、、一般的に、第4級アンモニウム塩、
あるいはポリグリコールやエチレンオキサイド誘導体な
どの親水性化合物を挙げることができる。
【0035】本発明に用いることが出来る顔料には、無
機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、二酸化
チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カ
ドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸
塩等を挙げることができる。本発明に用いることが出来
る有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料
等が挙げられる。
【0036】本発明に用いることが出来る老化防止剤と
しては、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられ
る。本発明に用いることが出来る酸化防止剤としては、
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキ
シアニソール(BHA)、等を挙げることががきる。本
発明に用いることが出来る難燃剤としては、クロロアル
キルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭
素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネン
ペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテ
ル等が挙げられる。本発明に用いることが出来る接着付
与剤としては、テレペン樹脂、フェノール樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙
げられる。
【0037】本発明の組成物の製造方法は、特に限定さ
れないが、好ましくは上述のそれぞれの成分を減圧下、
あるいは窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の攪拌装置を
用いて十分混練し、均一に分散させて組成物とするのが
よい。
【0038】本発明のケチミンは、上述のように、エポ
キシ樹脂を含む一液型湿気硬化性樹脂組成物の潜在性硬
化剤として好適に用いることができるが、エポキシ樹脂
以外のアミンにより硬化する化合物を主剤として含む一
液型樹脂組成物の潜在性硬化剤としても好適に用いるこ
とができる。アミンにより硬化する化合物としては、分
子内にアクリル基もしくはメタクリル基を少なくとも2
個有する化合物、酸無水物基含有化合物、第二級炭素原
子または第三級炭素原子に結合したイソシアネート基を
有する化合物等が挙げられる。
【0039】上記分子内にアクリル基もしくはメタクリ
ル基を少なくとも2個有する化合物とは、主鎖がO、
S、Nを有する基も含む有機基であり、側鎖に2個以上
のアクリル基もしくはメタクリル基を有する化合物であ
る。具体的には、主鎖は、O、S、芳香環、アルキル
基、アリールアルキル基、あるいは、アミド、尿素基
(カルバミド基)、ウレタン結合等のNを有する基を含
んでもよい有機基である。主鎖は、単一の官能基からな
るモノマーあるいは分子量の高いポリマーであってもよ
い。また、2種以上の官能基からなる共重合体であって
もよい。側鎖には、少なくとも2個のアクリル基もしく
はメタクリル基を有する。アクリル基とメタクリル基
は、それぞれ単独でもよいし、両方を含んでもよい。上
記化合物は、アクリル基もしくはメタクリル基を2個以
上有する単一化合物であってもよいし、あるいはアクリ
ル基もしくはメタクリル基を2個以上有する各種オリゴ
マーの混合物であってもよい。側鎖に有するアクリル基
もしくはメタクリル基は、同一原子に2以上の官能基が
結合していてもよい。
【0040】上記酸無水物基含有化合物とは、酸無水物
基を有する有機化合物からなり、モノマー、オリゴマ
ー、ポリマーのいずれであっても良い化合物である。上
記酸無水物基含有化合物は、分子内に、炭素、水素、お
よび、酸素、あるいはさらに、窒素、硫黄、リン等の有
機化合物構成原子を含んでもよい。上記酸無水物基含有
化合物に含まれる酸無水物基は、分子骨格末端に有して
いても、側鎖に有していてもよい。また、酸無水物基含
有化合物は、酸無水物基以外の官能基を有していても良
い。
【0041】上記第二級炭素原子または第三級炭素原子
に結合したイソシアネート基を有する化合物とは、α位
に置換基を少なくとも1個有する立体障害の大きなイソ
シアネート基を有する化合物で、下記式(3)で表され
る化合物である。
【化6】 式中、R4 、R5 は、O、S、芳香環、アルキル基、ア
リールアルキル基、あるいは、アミド、尿素基(カルバ
ミド基)、ウレタン結合等のNを有する基を含んでもよ
い有機基である。R6 は、水素原子、または、O、S、
芳香環、アルキル基、アリールアルキル基、あるいは、
アミド、尿素基(カルバミド基)、ウレタン結合等のN
を有する基を含んでもよい有機基である。mは1以上の
整数である。R4 およびR6 の好適な組み合わせとして
は、いずれもメチル基である場合が挙げられる。分子内
のイソシアネート基が1個であるイソシアネート基含有
化合物は、単独で用いられることはほとんど無く、mが
2以上の整数であるイソシアネート基含有化合物と混合
して用いられる。mが2以上の整数であるイソシアネー
ト基含有化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。m=2のイソシアネート基含有化合物とm=
3のイソシアネート基含有化合物とを混合して用いても
好ましい。また、上記式(3)で表されるイソシアネー
ト基含有化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール、その他のポリオール、およびこ
れらの混合ポリオール等のポリオールと、上述の立体障
害の大きいイソシアネート化合物とから得られるイソシ
アネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーであ
ってもよい。
【0042】上述のアミンにより硬化する化合物は、1
種単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0043】上述の化合物と上記ケチミンの含有量は、
当量比で、(上記ケチミンのイミノ基)/(上記アミン
により硬化する化合物中の主官能基)=0.1〜2.0
が、貯蔵性、硬化性の観点から好ましく、0.3〜1.
5がより好ましい。なお、上記アミンにより硬化する化
合物中の主官能基とは、分子内にアクリル基もしくはメ
タクリル基を少なくとも2個有する化合物ではアクリル
基もしくはメタクリル基を指し、酸無水物基含有化合物
では酸無水物基を指し、第二級炭素原子または第三級炭
素原子に結合したイソシアネート基を有する化合物では
イソシアネート基をさす。
【0044】上記アミンにより硬化する化合物と、上記
本発明のケチミンとを含有する一液型樹脂組成物には、
既に述べた一液型エポキシ樹脂組成物についてと同様
の、亜リン酸エステル類等の硬化促進剤、シランカップ
リング剤、シリルエステル基を有する化合物、炭酸カル
シウム(好ましくは表面処理炭酸カルシウム)、さら
に、その他の添加剤、例えば、充填剤、可塑剤、チクソ
トロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤等
を配合してもよい。
【0045】上述のアミンにより硬化する化合物を主剤
として含み、上記本発明のケチミンを潜在性硬化剤とし
て含む一液型樹脂組成物の製造方法は、特に限定されな
いが、好ましくは上述のそれぞれの成分を減圧下、ある
いは窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の攪拌装置を用い
て十分混練し、均一に分散させて組成物とするのがよ
い。
【0046】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 (実施例1、比較例1)下記表1に記載の化合物を表1
に記載の配合比で混合し、実施例1および比較例1に記
載した組成物を得て、それらの反応性(硬化性)につい
ての評価を行った。評価結果を下記表1に記載する。な
お、ここでは反応性を評価しやすいように単官能のエポ
キシ化合物を用いてケチミン化合物との反応性を評価し
ているが、本発明のケチミンとビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(YD−128、東都化成社製)とを含む組成
物の貯蔵安定性は、70℃一日後でも安定でありゲル化
せず、湿気で硬化させた場合、表面は24時間以内で硬
化した。
【0047】 化合物の単位は重量部である。
【0048】<反応率>組成物調整後、該組成物のNM
Rスペクトルを測定し、組成物に含まれるエポキシ基に
由来するシグナルの面積を測定した。次に、該組成物を
70℃にて1日、密閉容器内に貯蔵し、再びNMRスペ
クトルを測定し、エポキシ基のシグナルの面積を測定
し、この面積が、組成物調整直後のエポキシ基のシグナ
ルの面積に対し、どれくらい減少したかを百分率で算出
した。70℃1 日後の反応率は、比較例1では2%であ
るのに比して、実施例1では0%で、本発明の組成物が
貯蔵安定性に優れることが解る。その後、組成物を密閉
容器から出し、20℃湿度55%の条件で、8時間後、
24時間後、36時間後に、それぞれ、エポキシ基のシ
グナルの面積を測定し、該組成物を初期の状態で測定し
たエポキシ基のシグナルの面積に対する減少率を百分率
で算出した。このエポキシ基のシグナルの面積の減少率
が大きいほど、該組成物の反応性が高く、すなわち、硬
化性が高いことを示す。結果を表1に記載する。本発明
の組成物の硬化性は、比較例で得られた組成物に比して
顕著に高いことがわかる。
【0049】<表中の各成分> エポキシ化合物:下記式で表される化合物を用いた。
【化7】 ケチミンA:下記式で表される化合物を用いた。
【化8】 ケチミンB:下記式で表される化合物を用いた。
【化9】
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の一液型エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性および硬化
性が良好である。従って、接着剤、シーリング剤、塗料
等として好適に用いることができる。また、本発明のケ
チミンは、貯蔵安定性、硬化促進効果に優れ、エポキシ
樹脂や、その他のアミンにより硬化する化合物を主剤と
する一液型樹脂組成物の潜在性硬化剤として好適に用い
られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α位に置換基を持つケトンと、第二級炭素
    原子に結合した1級アミノ基を持つポリアミンとを反応
    させて得られるケチミンと、エポキシ樹脂とを含有する
    一液型エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ケトンが下記式(1)で表される請求
    項1に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。 【化1】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
    るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
  3. 【請求項3】α位に置換基を持つケトンと、第二級炭素
    原子に結合した1級アミノ基を持つポリアミンとを反応
    させて得られるケチミンを含有する潜在性硬化剤。
  4. 【請求項4】前記ケトンが下記式(1)で表される請求
    項3に記載の潜在性硬化剤。 【化2】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
    るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
JP36082198A 1998-12-18 1998-12-18 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤 Withdrawn JP2000178343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36082198A JP2000178343A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36082198A JP2000178343A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000178343A true JP2000178343A (ja) 2000-06-27

Family

ID=18471071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36082198A Withdrawn JP2000178343A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000178343A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100517050B1 (ko) * 2002-07-26 2005-09-27 삼화페인트공업주식회사 상온 건조형 일액형 에폭시도료 조성물
EP1679329A1 (en) 2005-01-06 2006-07-12 Kaneka Corporation Curable composition

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100517050B1 (ko) * 2002-07-26 2005-09-27 삼화페인트공업주식회사 상온 건조형 일액형 에폭시도료 조성물
EP1679329A1 (en) 2005-01-06 2006-07-12 Kaneka Corporation Curable composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3230819B2 (ja) 一液型常温湿気硬化性樹脂組成物
US6271333B1 (en) One-part moisture curable composition
JP3657621B2 (ja) 一液型湿気硬化性組成物
JP2000178343A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物および新規潜在性硬化剤
JP3907855B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物および一液型防食塗料組成物
JP3973266B2 (ja) 湿気硬化型1液エポキシ樹脂接着剤組成物
JP3954202B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP2003147167A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4171160B2 (ja) 速硬化1液樹脂組成物
JP4036971B2 (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP2000178455A (ja) 一液型組成物
JP3911094B2 (ja) 一液型常温湿気硬化性アクリル樹脂組成物およびその用途
KR20000011749A (ko) 일체포장에폭시수지조성물
JP4043608B2 (ja) 一液エポキシ樹脂接着剤組成物
JP2001261661A (ja) 新規潜在性硬化剤及びそれを含有する硬化性樹脂組成物
JP2004067835A (ja) 一液型湿気硬化性樹脂組成物
JP2000309627A (ja) 二液形エポキシ樹脂組成物
JP2002037841A (ja) 一液型湿気硬化性樹脂組成物
JPH10204152A (ja) 一液型エポキシ樹脂組成物
JP5140924B2 (ja) 湿気硬化性樹脂組成物
JP2001152007A (ja) 湿気硬化型樹脂組成物
JP2001192374A (ja) 新規潜在性硬化剤及びそれを含有する硬化性樹脂組成物
JPH0931152A (ja) 新規潜在性硬化剤およびそのポリウレタン樹脂組成物
JP2000230051A (ja) 一液型硬化性樹脂組成物
JP2002003573A (ja) エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060307