JP4170604B2 - 不揮発性半導体メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性半導体メモリに関し、特に、多値NANDセル型EEPROM(Multi-level NAND cell type EEPROM)、例えば4値NANDセル型EEPROMに使用される。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体メモリの一つにNANDセル型EEPROMが知られている。このEEPROMは、複数のNANDセルユニットから構成されるメモリセルアレイを有する。各NANDセルユニットは、直列接続される複数のメモリセルとその両端に1つずつ接続される2つのセレクトトランジスタとから構成され、ビット線とソース線の間に接続される。
【0003】
各メモリセルは、フローティングゲート電極上にコントロールゲート電極が積み重ねられたいわゆるスタックゲート構造を有するnチャネルMOSトランジスタから構成される。各セレクトトランジスタは、メモリセルと同様に、下部電極上に上部電極が積み重ねられた構造を有するnチャネルMOSトランジスタから構成される。しかし、セレクトトランジスタのゲート電極として実際に機能するのは、例えば下部電極である。
【0004】
NANDセルユニット内の複数のトランジスタ(メモリセル、セレクトトランジスタ)のうち互いに隣接する2つのトランジスタに関しては、1つのソース領域又は1つのドレイン領域がこれら2つのトランジスタに共有される。
【0005】
以下、NANDセル型EEPROMの具体的な構造について説明する。図29は、NANDセル型EEPROMのメモリセルアレイの一部を示している。
【0006】
NANDセルユニットは、直列接続される複数(4、8、16など)個のメモリセルとその両端に1つずつ接続される2つのセレクトトランジスタとから構成され、ビット線BLiとソース線SLの間に接続される。ソース線SLは、所定の箇所で、アルミニウム、ポリシリコンなどの導電体から構成される基準電位線に接続される。
【0007】
ソース線SLは、ロウ方向に延び、ビット線BLi及び基準電位線は、カラム方向に延びる。ソース線SLと基準電位線のコンタクト部は、例えばソース線SLが64本のビット線BL0,…BL63と交差する毎に設けられる。基準電位線は、メモリセルアレイの周辺部に配置されるいわゆる周辺回路に接続される。
【0008】
ワード線(コントロールゲート線)WL1,…WLnは、ロウ方向に延び、セレクトゲート線SG1,SG2も、ロウ方向に延びる。1本のワード線(コントロールゲート線)WLiに繋がるメモリセルの集合は、1ページと呼ばれる。また、2本のセレクトゲート線SG1,SG2に挟まれたワード線WL1,…WLnに繋がるメモリセルの集合は、1NANDブロック又は単に1ブロックと呼ばれる。
【0009】
1ページは、例えば256バイト(256×8個)のメモリセルから構成される。1ページ内のメモリセルに対しては、ほぼ同時に書き込みが行われる。また、1ページが256バイトのメモリセルから構成され、1つのNANDセルユニットが8個のメモリセルから構成される場合、1ブロックは、2048バイト(2048×8個)のメモリセルから構成される。1ブロック内のメモリセルに対しては、ほぼ同時に消去が行われる。
【0010】
図30は、メモリセルアレイ内の1つのNANDセルユニットの平面図を示している。図31(a)は、図30中のLXXIV−LXXIV線に沿う断面図を示し、図31(b)は、図30中のLXXV−LXXV線に沿う断面図を示してまた、図32は、図30のNANDセルユニットの等価回路を示している。
【0011】
p型基板(p−sub)11−1内には、n型ウェル領域(Celln−well)11−2及びp型ウェル領域(Cell p−well)11−3から構成されるいわゆるダブルウェル領域が形成される。メモリセル及びセレクトトランジスタは、p型ウェル領域11−3内に形成される。
【0012】
メモリセル及びセレクトトランジスタは、p型ウェル領域11−3内の素子領域内に配置される。素子領域は、p型ウェル領域11−3上に形成される素子分離酸化膜(素子分離領域)12により取り囲まれる。
【0013】
本例では、1つのNANDセルユニットは、直列接続される8個のメモリセルM1〜M8と、その両端に1つずつ接続される2つのセレクトトランジスタS1,S2とから構成される。
【0014】
メモリセルは、p型ウェル領域(Cell p−well)11−3上に形成されるシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜)13と、シリコン酸化膜13上のフローティングゲート電極14(141,142,…148)と、フローティングゲート電極14(141,142,…148)上のシリコン酸化膜(インターポリ絶縁膜)15と、シリコン酸化膜16上のコントロールゲート電極16(161,162,…168)と、pウェル領域(Cell p−well)11−3内のソース・ドレイン領域19とから構成される。
【0015】
また、セレクトトランジスタは、p型ウェル領域11−3上に形成されるシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜)と、このシリコン酸化膜上のゲート電極14(149,1410),16(169,1610)と、pウェル領域11−3内のソース・ドレイン領域19とから構成される。
【0016】
セレクトトランジスタの構造がメモリセルの構造に近似している理由は、メモリセルとセレクトトランジスタを同一プロセスで同時に形成することにより、プロセスのステップ数の削減による製造コストの低減を図るためである。
【0017】
NANDセルユニット内の複数のトランジスタ(メモリセル、セレクトトランジスタ)のうち互いに隣接する2つのトランジスタに関しては、1つのソース領域(n+型拡散層)19又は1つのドレイン領域(n+型拡散層)19がこれら2つのトランジスタに共有される。
【0018】
メモリセル及びセレクトトランジスタは、CVD法により形成されるシリコン酸化膜(CVD酸化膜)17により覆われる。CVD酸化膜17上には、NANDセルユニットの一端(n+型拡散層19)に接続されるビット線18が配置される。
【0019】
図33は、NANDセル型EEPROMのウエル構造を示している。p型基板(p−sub)11−1内には、n型ウェル領域(Cell n−well)11−2及びp型ウェル領域(Cell p−well)11−3から構成されるいわゆるダブルウェル領域、n型ウェル領域(n−well)11−4及びp型ウェル領域(p−well)11−5が形成される。
【0020】
ダブルウェル領域は、メモリセルアレイ部に形成され、n型ウェル領域11−4及びp型ウェル領域11−5は、周辺回路部に形成される。
【0021】
メモリセルは、p型ウェル領域11−3内に形成される。n型ウェル領域11−2及びp型ウェル領域11−3は、同電位に設定される。
【0022】
電源電圧よりも高い電圧が印加される高電圧nチャネルMOSトランジスタは、P型基板(p−sub)11−1上に形成される。電源電圧が印加される低電圧pチャネルMOSトランジスタは、n型ウェル領域(n−well)11−4上に形成され、電源電圧が印加される低電圧nチャネルMOSトランジスタは、p型ウェル領域(p−well)11−5上に形成される。
【0023】
次に、NANDセル型EEPROMの基本動作について説明する。まず、以下の説明を分かり易くするため、前提条件について次のように規定する。メモリセルには、2値のデータ“0”,“1”が記憶されるものとし、メモリセルの閾値電圧が低い状態(例えば閾値電圧が負の状態)を“0”状態とし、メモリセルの閾値電圧が高い状態(例えば閾値電圧が正の状態)を“1”状態とする。
【0024】
通常、2値NANDセル型EEPROMでは、メモリセルの閾値電圧が低い状態を“1”状態、メモリセルの閾値電圧が高い状態を“0”状態とするが、後述するように、本発明は、主として、多値(例えば4値)NAND型EEPROMを対象とするため、この点を考慮して、上述のように、メモリセルの閾値電圧が低い状態を“0”状態、メモリセルの閾値電圧が高い状態を“1”状態とする。
【0025】
また、メモリセルに関しては、“0”状態を消去状態とし、“1”状態を書き込み状態とする。“書き込み”というときは、“0”書き込みと“1”書き込みを含むものとし、“0”書き込みとは、消去状態(“0”状態)を維持することをいい、“1”書き込みとは、“0”状態から“1”状態に変化させることをいうものとする。
【0026】
書き込み動作(Program operation)
書き込み動作では、ビット線の電位は、そのビット線に繋がる選択されたメモリセルに対する書き込みデータに応じた値、例えば書き込みデータが“1”の場合(“1”書き込みの場合)には、接地電位(0V)Vssに設定され、書き込みデータが“0”の場合(“0”書き込みの場合)には、電源電位Vccに設定される。
【0027】
選択されたブロック(即ち、選択されたメモリセルを含むNANDセルユニット)内のビット線側(ドレイン側)のセレクトゲート線SG1の電位は、電源電位Vccに設定され、ソース線側のセレクトゲート線SG2の電位は、接地電位(0V)Vssに設定される。
【0028】
非選択のブロック(即ち、選択されたメモリセルを含まないNANDセルユニット)内の2本のセレクトゲート線SG1,SG2の電位は、共に、接地電位(0V)Vssに設定される。
【0029】
そして、“1”書き込みの場合、選択されたブロック内の選択されたメモリセルのチャネルには、接地電位(0V)Vssが伝達される。一方、“0”書き込みの場合、選択されたブロック内の選択されたメモリセルのチャネルの電位は、Vcc−Vthsg(Vthsgは、セレクトトランジスタS1の閾値電圧である)になる。この後、選択されたブロック内のビット線側(ドレイン側)のセレクトトランジスタS1は、カットオフするため、選択されたブロック内の選択されたメモリセルのチャネルは、Vcc−Vthsgの電位を維持しつつ、フローティング状態になる。
【0030】
なお、選択されたメモリセルが最もビット線に近いメモリセルでなく、かつ、選択されたメモリセルよりもビット線側に位置するメモリセル(選択されたメモリセルよりもビット線側に複数のメモリセルが存在する場合は、そのうちの少なくとも1つのメモリセル)の閾値電圧が正の電圧Vthcellである場合には、選択されたメモリセルのチャネルは、Vcc−Vthcellの電位を維持しつつ、フローティング状態になる。
【0031】
この後、選択されたブロック内の選択されたワード線、即ち、選択されたメモリセルのコントロールゲート電極には、書き込み電位Vpp(例えば約20V)が印加され、選択されたブロック内の非選択のワード線、即ち、非選択のメモリセルのコントロールゲート電極には、中間電位Vpass(例えば約10V)が印加される。
【0032】
この時、“1”書き込みの対象となる選択されたメモリセルについては、チャネル電位が接地電位(0V)Vssであるため、フローティングゲート電極とチャネル(Cell p−well)の間に“1”書き込みに必要な高電圧がかかり、F−Nトンネル効果により、チャネルからフローティングゲート電極へ電子が移動する。その結果、選択されたメモリセルの閾値電圧は、上昇(例えば負から正へ移動)する。
【0033】
一方、“0”書き込みの対象となる選択されたメモリセルについては、チャネル電位がVcc−Vthsg又はVcc−Vthcellであり、かつ、チャネルがフローティング状態になっている。このため、ワード線にVpp又はVpassが印加されると、コントロールゲート電極とチャネルの間の容量カップリングにより、チャネルの電位が上昇する。その結果、フローティングゲート電極とチャネル(Cell p−well)の間に“1”書き込みに必要な高電圧が印加されず、選択されたメモリセルの閾値電圧は、現状を維持(消去状態を維持)する。
【0034】
消去動作(Erase operation)
データ消去は、ブロック単位で行われ、選択されたブロック内のメモリセルのデータは、ほぼ同時に消去される。具体的な消去動作は、以下の通りである。まず、選択されたブロック内の全てのワード線(コントロールゲート電極)を0Vに設定し、かつ、非選択のブロック内の全てのワード線(コントロールゲート電極)及び全てのブロック内の全てのセレクトゲート線を、初期電位Vaに設定した後、フローティング状態にする。
【0035】
この後、p型ウェル領域(Cell p−well)及びn型ウェル領域(Cell n−well)に、消去のための高電位VppE(例えば約20V)を印加する。
【0036】
この時、選択ブロック内のメモリセルに関しては、ワード線(コントロールゲート電極)の電位が0V、ウエル領域の電位がVppEであるため、コントロールゲート電極とウエル領域の間には、消去を行うために十分な高電圧が印加される。
【0037】
従って、選択ブロック内のメモリセルでは、F−Nトンネル効果により、フローティングゲート電極内の電子がウエル領域に移動し、メモリセルの閾値電圧が低下する(例えば閾値電圧が負となる)。
【0038】
一方、非選択ブロック内の全てのワード線の電位は、ワード線とウエル領域の容量カップリングにより、初期電位VaからVppE又はその近傍まで上昇する。同様に、全てのブロック内の全てのセレクトゲート線の電位も、セレクトゲート線とウエル領域の容量カップリングにより、初期電位VaからVppE又はその近傍まで上昇する。
【0039】
従って、非選択ブロック内のメモリセルでは、コントロールゲート電極とウエル領域の間に消去を行うために十分な高電圧が印加されない。即ち、フローティングゲート電極内の電子の移動がないため、メモリセルの閾値電圧は、変化しない(現状を維持する。)。
【0040】
読み出し動作(Read operation)
データ読み出しは、ビット線の電位をメモリセルのデータに応じて変化させ、この変化を検出することにより行う。まず、データ読み出しの対象となるメモリセルが接続されるビット線(全てのビット線又はビット線シールド読み出し手法などを採用する場合には一部のビット線)をプリチャージし、このビット線を、プリチャージ電位(例えば電源電位Vcc)に設定した後、フローティング状態にする。
【0041】
この後、選択されたワード線、即ち、選択されたメモリセルのコントロールゲート電極を0Vに設定し、非選択のワード線(非選択のメモリセルのコントロールゲート電極)及びセレクトゲート線を電源電位Vcc(例えば約3V)に設定し、ソース線を0Vに設定する。
【0042】
この時、選択されたメモリセルのデータが“1”の場合(メモリセルの閾値電圧Vthが、Vth>0の場合)、選択されたメモリセルは、オフ状態になるため、このメモリセルが接続されるビット線は、プリチャージ電位(例えば電源電位Vcc)を維持する。
【0043】
一方、選択されたメモリセルのデータが“0”の場合(メモリセルの閾値電圧Vthが、Vth<0の場合)、選択されたメモリセルは、オン状態になる。その結果、選択されたメモリセルが接続されるビット線の電荷は、ディスチャージされ、そのビット線の電位は、プリチャージ電位からΔVだけ下がる。
【0044】
このように、メモリセルのデータに応じて、ビット線の電位が変化するため、この変化をセンスアンプ回路によって検出すれば、メモリセルのデータを読み出すことができる。
【0045】
ところで、近年、ワンチップのメモリ容量を増加し、ビット当りのコストを低下することなどを目的として、1メモリセルに3値以上の情報を記憶するいわゆる多値NANDセル型EEPROMの開発、実用化が進んでいる。
【0046】
前述したようなNANDセル型EEPROMでは、メモリセルに2値(1ビット)のデータ(“0”,“1”)を記憶させることができるが、n(nは3以上の自然数)値NANDセル型EEPROMは、メモリセルにn値のデータを記憶させることができる点に特徴を有する。
【0047】
例えば4値NANDセル型EEPROMでは、メモリセルに4値(2ビット)のデータ(“00”,“01”,“10”,“11”)を記憶できる。多値NANDセル型EEPROMの公知例としては例えば特願平8-98627号(文献1)がある。
【0048】
通常、n値NANDセル型EEPROMでは、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して、複数個のラッチ回路が設けられる。即ち、選択されたメモリセルに対して、n値データを書き込んだり又は読み出したりする場合に、複数個のラッチ回路は、n値データを一時的に記憶する役割を果たす。
【0049】
例えば前記文献1にも記載されているように、4値NANDセル型EEPROMでは、書き込み時又は読み出し時に、4値(2ビット)データを一時的に記憶しておくために、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して、2個のラッチ回路が設けられる。このラッチ回路はSRAM(Static RAM)セルから構成される。
【0050】
しかし、SRAMセルから構成されるラッチ回路は、大きな面積を有する。さらに、1つのメモリセルに記憶されるデータ数を増やすと(nの値を増加すると)、これに伴い、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して設けられるラッチ回路の数も増える。
【0051】
例えば4(=22 )値NANDセル型EEPROMでは、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して2個のラッチ回路が設けられ、8(=23 )値NANDセル型EEPROMでは、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して3個のラッチ回路が設けられる。
【0052】
従って、メモリセルに記憶するデータを多値化(n値化)し、かつ、nの値を増加するに従い、メモリチップ内のラッチ回路の数が増加し、チップ面積が増加するという問題がある。
【0053】
上記事情に鑑みて、本願出願人は、特願平11-345299号に係る不揮発性半導体において、例えば4値メモリの各ビット線に対応して書き込みデータあるいは読み出しデータを一時記憶するために接続されるデータ回路を1個のラッチ回路とDRAM(dynamic RAM)セルで構成することを提案した。
【0054】
周知のように、DRAMセルの面積は、SRAMセルの面積よりも小さいため、n(nは、3以上の自然数)値NANDセル型EEPROMについて考えると、2個の記憶回路の一つをDRAMセルで構成する場合は、従来のように全ての記憶回路をSRAMセルのみから構成する場合よりも、データ回路の面積を小さくすることができる。
【0055】
しかし、上記したような提案の構成でも、データ回路内の素子数が増加し、チップ面積が増大するという問題の解決には必ずしも十分ではない。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにメモリセルに記憶する情報を多値化すると、前記公知例や出願中のメモリにおいては、各ビット線に対応して書き込みデータあるいは読み出しデータを一時記憶するために接続されるデータ回路内の素子数が増加し、チップ面積が増大するという問題がある。
【0057】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、メモリセルに記憶するデータを多値化する場合に、書き込み/読み出し時に多値データを一時的に記憶しておくためのデータ回路内の素子数を減少させ、チップ面積の増大を抑制し得る不揮発性半導体メモリを提供することを目的とする。
【0058】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の不揮発性半導体メモリは、少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、書き込み動作中に、前記メモリセルから読み出されたデータは前記ビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、前記メモリセルから読み出されたデータは、ベリファイリード中のビット線プリチャージ電位としてビット線に保持されることを特徴とする。
【0059】
本発明の第2の不揮発性半導体メモリは、少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、書き込み動作中に、前記メモリセルに書き込み電圧が印加されている間は、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、前記メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作中は、前記メモリセルから読み出されたデータは前記ビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、前記メモリセルから読み出されたデータは、ベリファイリード中のビット線プリチャージ電位としてビット線に保持されることを特徴とする。
【0060】
本発明の第3の不揮発性半導体メモリは、少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、書き込み動作中に、前記メモリセルから読み出されたデータは、前記メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作の所定の期間にのみ前記データ回路に保持され、前記メモリセルから読み出されたデータは、前記所定の期間以外の期間はビット線プリチャージ電位としてビット線に保持されることを特徴とする。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の不揮発性半導体メモリについて詳細に説明する。
【0066】
[前提]
まず、以下の説明を分かり易くするため、前提条件について次のように規定する。但し、この前提条件は、説明を分かり易くするために設定するものであり、本発明は、この前提条件以外の条件の場合にも成り立つものである。
【0067】
本発明は、メモリセルにn(nは、3以上の自然数)値のデータが記憶される不揮発性半導体メモリを対象とするが、以下の実施の形態では、その代表例として、4値NANDセル型EEPROMについて説明する。
【0068】
メモリセルには、4値のデータ“00”,“01”,“10”,“11”が記憶されるものとし、メモリセルの閾値電圧が最も低い状態(例えば閾値電圧が負の状態)をデータ“11”(又は“0”状態)とし、メモリセルの閾値電圧が2番目に低い状態(例えば閾値電圧が正の状態)をデータ“10”(又は“1”状態)とし、メモリセルの閾値電圧が3番目に低い状態(例えば閾値電圧が正の状態)をデータ“01”(又は“2”状態)とし、メモリセルの閾値電圧が最も高い状態(例えば閾値電圧が正の状態)をデータ“00”(又は“3”状態)とする。
【0069】
また、メモリセルには4値データが記憶されることにしたため、例えば書き込み/読み出し時には、奇数ページデータの書き込み/読み出し動作と偶数ページデータの書き込み/読み出し動作が必要になる。ここで、データ“**”のうち、左側の*を偶数ページデータとし、右側の*を奇数ページデータとする。
【0070】
また、メモリセルに関しては、データ“11”が記憶されている状態を消去状態とし、データ“10”,“01”,“00”が記憶されている状態をそれぞれ書き込み状態とする。
【0071】
[概略]
図1は、本発明に係る4値NANDセル型EEPROMの主要部を示すブロック図である。
【0072】
1は、メモリセルアレイである。メモリセルアレイ1は、直列接続された複数のメモリセルとその両端に1つずつ接続された2つのセレクトトランジスタとから構成されるNANDセルユニットを有する。メモリセルアレイ1の具体的な構造は、図29乃至図32に示した通りである。
【0073】
メモリセルアレイ1の構造や等価回路は、2値NANDセル型EEPROMとほぼ同じであるが、4値NANDセル型EEPROMでは、メモリセルには、4値データが記憶される。
【0074】
データ回路2は、書き込み時に前記メモリセルへの2ビット(4値)の書き込みデータを、読み出し時に前記メモリセルからの2ビット(4値)の読み出しデータを一時的に記憶しておく記憶回路を含んでいる。
【0075】
ワード線制御回路3は、ロウアドレスデコーダ及びワード線ドライバを含んでおり、メモリセルアレイ1の一方側のみにロウアドレスデコーダを配置し、メモリセルアレイ1の両側にそれぞれワード線ドライバを配置するレイアウトを採用している。
【0076】
上記ワード線制御回路3は、動作モード(書き込み、消去、読み出しなど)やロウアドレス信号に基づいて、メモリセルアレイ1内の各ワード線の電位を制御する。この場合、メモリセルアレイ1の一方側のロウアドレスデコーダと他方側のワード線ドライバを接続するための信号線がメモリセルアレイ1上に配置される。この信号線がメモリセルの動作に与える悪影響を最小限に抑えるために、後述するように工夫している。
【0077】
カラムデコーダ4は、カラムアドレス信号に基づいて、メモリセルアレイ1のカラムを選択する。書き込み時、選択されたカラムに属するデータ回路内の記憶回路には、入力データがデータ入出力バッファ7及びI/Oセンスアンプ6を経由して入力される。また、読み出し時、選択されたカラムに属するデータ回路内の記憶回路の出力データは、I/Oセンスアンプ6及びデータ入出力バッファ7を経由してメモリチップ11の外部へ出力される。
【0078】
ロウアドレス信号は、アドレスバッファ5を経由してワード線制御回路3に入力される。カラムアドレス信号は、アドレスバッファ5を経由して、カラムデコーダ4に入力される。
【0079】
ウエル電位制御回路8は、動作モード(書き込み、消去、読み出しなど)に基づいて、メモリセルが配置されるセルウェル領域(例えばnウェルとpウェルからなるダブルウェル領域)の電位を制御する。本実施例ではセルPウエルとセルNウエルは同電位にバイアスされる。
【0080】
電位発生回路(昇圧回路)9Aは、例えば書き込み時に、書き込み電位(例えば約20V)Vppや転送電位(例えば約10V)Vpassを発生する。これらの電位Vpp,Vpassは、切替回路9Bにより、例えば選択されたブロック内の複数本のワード線に振り分けられる。
【0081】
また、電位発生回路9Aは、例えば消去時に、消去電位(例えば約20V)VppEを発生し、この電位VppEをメモリセルが配置されるセルウェル領域(nウェルとpウェルの双方)に与える。
【0082】
一括検知回路10は、書き込み時に、メモリセルに正確に所定のデータが書き込まれたか否かを検証し、消去時に、メモリセルのデータがきちんと消去されたか否かを検証する。
【0083】
前記データ回路2は、後で詳述するが、ここで簡単に述べる。データ回路2は、選択されたメモリセルに接続される1本のビット線に対応して接続された1個のラッチ回路(例えばSRAMセル)と、このラッチ回路のデータを一時的に退避するための1個のキャパシタを含む。このような構成は、データ回路が各ビット線に対応して1個のラッチ回路り2個のキャパシタで構成される場合に比べてチップ面積を縮小することができる。
【0084】
書き込み動作中に、前記メモリセルから読み出されたデータはビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータはラッチ回路に保持される。即ち、書き込み動作中に、メモリセルに書き込み電圧が印加されている間は、外部から入力した書き込みデータはラッチ回路に保持され、メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作中は、メモリセルから読み出されたデータはビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータはラッチ回路に保持される。なお、メモリセルから読み出されたデータは、ベリファイリード中のビット線プリチャージ電位としてビット線に保持される。
【0085】
また、書き込み動作中に、メモリセルから読み出されたデータは、メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作の所定の期間にのみラッチ回路に保持される(所定の期間以外の期間はビット線プリチャージ電位としてビット線に保持される)。
【0086】
また、書き込み動作中のメモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作において、メモリセルから読み出されたデータは、メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作の所定の期間にラッチ回路に記憶され、この所定の期間には外部から入力された書き込みデータはキャパシタに保持される。
【0087】
以下、本実施例に係る4値NANDセル型EEPROMの構成および動作について詳細に説明する。
【0088】
[データ回路]
図2は、図1のデータ回路2の一例を示している。図3は、図2のメモリセルアレイ1の一部を示している。本例では、1カラム分のみのデータ回路を示す。実際は、例えばメモリセルアレイ1の複数のカラムの各々に対して1個のデータ回路が設けられる。つまり、図1のデータ回路2は、メモリセルアレイ1の複数のカラムに対応する複数のデータ回路により構成される。
【0089】
また、本例では、1カラム内に2本のビット線BLe,BLoが配置され、この2本のビット線BLe,BLoに1個のデータ回路が接続される。このように、1個のデータ回路に2本のビット線BLe,BLoを接続する理由は、(a)読み出し時において、互いに隣接するビット線間に容量結合によるノイズが生じることを防止する(シールドビット線読み出し手法の採用)、(b)データ回路の数を減らし、チップ面積の縮小を図る、などの目的を達成することにある。
【0090】
また、本例では、4値データ(2ビットデータ)を1個のメモリセルに記憶させることを前提とするため、1個のデータ回路内には、書き込み/読み出し時における4値データの一時記憶用の記憶回路として、例えばラッチ回路LATCHが設けられる。
【0091】
ラッチ回路LATCHは、クロックドインバータCINV1,CINV2から構成されるフリップフロップ回路(SRAMセル)から構成される。ラッチ回路LATCHは、制御信号SEN,SENB,LAT,LATBにより制御される。
【0092】
なお、信号“***B”は、信号“***”の反転信号を意味する。つまり、信号“***B”のレベルと信号“***”のレベルは、互いに逆相(一方が“H”のとき、他方は“L”)である。以下、全て同じ。
【0093】
なお、図2において、記号“HN**(*は、数字、記号など)”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.6Vの閾値電圧を有する高電圧エンハンスメントNチャネルMOSトランジスタである。このMOSトランジスタには、電源電圧Vccよりも高い電圧が印加される。このMOSトランジスタは、ゲートが0Vのとき、オフ状態になる。
【0094】
また、記号“DLN**”が付されているMOSトランジスタは、例えば約−1Vの閾値電圧を有する低電圧デプレションNチャネルMOSトランジスタであり、電源電圧Vcc以下の電圧が印加される。本例では、このトランジスタをMOSキャパシタとして使用している。
【0095】
また、記号“TN**”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.6Vの閾値電圧を有する低電圧エンハンスメントNチャネルMOSトランジスタであり、電源電圧Vcc以下の電圧が印加される。このトランジスタは、ゲートが0Vのとき、オフ状態になる。
【0096】
MOSトランジスタHN1e,HN1o,HN2e,HN2oは、例えば読み出し時に、2本のビット線BLe,BLoのうちの1本を、データが読み出されるビット線とし、残りの1本をシールドビット線とする機能を有する。
【0097】
即ち、BLCRLは、接地電位Vssに設定される。また、BIASoが“H”、BIASeが“L”のとき、ビット線BLeにデータが読み出され、ビット線BLoは、ビット線BLeにデータを読み出すときのノイズを防止するシールドビット線となる。
【0098】
一方、BIASeが“H”、BIASoが“L”のとき、ビット線BLoにデータが読み出され、ビット線BLeは、ビット線BLoにデータを読み出すときのノイズを防止するシールドビット線となる。
【0099】
MOSトランジスタTN7は、読み出し時に、2本のビット線BLe,BLoのうち、データが読み出される1本のビット線を、例えば予めプリチャージ電源電位Vpreに設定しておくためのビット線プリチャージ用MOSトランジスタである。MOSトランジスタTN7は、制御信号BLPREにより制御される。
【0100】
MOSトランジスタTN9は、ビット線BLe,BLoとデータ回路(主要部)の電気的な接続/切断を制御するクランプ用MOSトランジスタである。MOSトランジスタTN9は、例えば読み出し時に、ビット線BLe,BLoをプリチャージした後、ビット線BLe,BLoに読み出されたデータをセンスするまで、ビット線BLe,BLoをフローティング状態にしておく機能を有する。MOSトランジスタTN9は、制御信号BLCLMPにより制御される。
【0101】
MOSトランジスタTN1,TN2,TN4,TN6,TN8は、書き込み/読み出し時(又はベリファイ読み出し時)において、奇数/偶数ページデータの制御をしたり、また、書き込み/消去時において、ベリファイ読み出しの後、選択された全てのメモリセルに対してきちんと書き込み/消去が行われたか否かを調べるために設けられる(Program/Erase completion detection)。なお、出力信号COMiは、Program/Erase completion detection時に使用される。
【0102】
MOSトランジスタTP1は、センスノードDTNijをVddにプリセットするプリセット用トランジスタである。MOSトランジスタTP1は、制御信号nPRSTにより制御される。
【0103】
TN5は、ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijとセンスノードDTNijとの間に挿入されたスイッチ用のMOSトランジスタである。このMOSトランジスタTN5は、制御信号BCL2により制御される。
【0104】
MOSトランジスタTN11,TN12は、ラッチ回路LATCHの2つの出力ノードNaij,Nbijと入出力線IOj,nIOjの電気的な接続/切断を決定するカラムスイッチとして機能する。カラム選択信号CSLiが“H”のとき、MOSトランジスタTN11,TN12がオン状態となり、ラッチ回路の出力ノードNaij,Nbijが入出力線IOj,nIOjに電気的に接続される。
【0105】
上記カラム選択信号CSLiは、図1のカラムデコーダ4から出力される。カラムデコーダとしては、例えば図4に示すように、AND回路から構成される。即ち、例えばCAk1,CBK2,CCK3が共に“H”のとき、カラム選択信号CSLiが“H”となる。
【0106】
なお、図2において、Vdd(例えば約2.3V)は、外部電源電位Vccよりも低いチップ内電源電位である。チップ内電源電位Vddは、降圧回路により、外部電源電位Vccから生成される。但し、チップ内電源電位Vddに代えて、外部電源電位Vccをデータ回路に供給してもよい。
【0107】
[一括検知回路]
図5は、図1の一括検知回路10の主要部を示している。一括検知回路10は、ベリファイ読み出しの後、選択された全てのメモリセルに対してきちんと書き込み/消去が行われたか否かを調べる機能を有する(Program/Erase completion detection)。
【0108】
第1のデータ回路〜第8のデータ回路は、それぞれ外部から入力する8個の入出力ピン(I/O ピン)に対応して設けられており、それぞれ図2に示すような構成を有する。
【0109】
REG2−k(k=0,1,2,3)は、第k+1及び第k+5のデータ回路内のREG2(図2参照)に相当する。つまり、第1のデータ回路および第5のデータ回路中のREG2はREG2-0により制御される。第2のデータ回路および第6のデータ回路のREG2はREG2-1により制御される。第3のデータ回路および第7のデータ回路のREG2はREG2-2により制御される。第4のデータ回路および第8のデータ回路のREG2はREG2-3により制御される。
【0110】
第1乃至第4のデータ回路の出力ノードCOMiは、共通接続され、その接続ノードCOMi1は、PチャネルMOSトランジスタTP2のゲートに接続される。
【0111】
同様に、第5乃至第8のデータ回路の出力ノードCOMiも、共通接続され、その接続ノードCOMi2は、PチャネルMOSトランジスタTP3のゲートに接続される。
【0112】
PチャネルMOSトランジスタTP13,TP14は、Program/Erase completion detection時に、ノードCOMi1,COMi2を、チップ内電源電位Vddに設定した後、フローティング状態にする機能を有する。MOSトランジスタTN13,TN14は、制御信号COMHnにより制御される。
【0113】
NチャネルMOSトランジスタTN15は、Program/Erase completion detection時に、ノードNCOMを、接地電位Vssに設定した後、フローティング状態にする機能を有する。MOSトランジスタTN15は、制御信号NCOMLにより制御される。
【0114】
Program/Erase completion detection時、書き込み/消去が十分に行われていないメモリセルに対応するデータ回路では、COMi(図2参照)の電位レベルが“H”から“L”に低下する。従って、ノードNCOMが“L”から“H”になり、FLAGは、“L”になる。
【0115】
一方、全てのメモリセルに対して、書き込み/消去が十分に行われている場合には、全てのデータ回路の出力信号COMi(図2参照)の電位レベルが“H”を維持する。従って、ノードNCOMは、“L”のままであり、FLAGは、“H”となる。
【0116】
このように、ノードFLAGの電位レベルを検出することにより、選択された全てのメモリセルに対して、きちんと書き込み/消去が行われたか否かを調べることができる。なお、Program/Erase completion detection時の動作については、後に詳述する。
【0117】
本例では、8個のデータ回路を1つにまとめ、これら8個のデータ回路に対応する8カラムのメモリセルに対して、ノードFRAGの電圧レベルを検出することにより、書き込み/消去が十分に行われたか否かを調べている。
【0118】
このように、8個のデータ回路を一まとめにしたのは、これら8個のデータ回路に対応する8カラム単位で、リダンダンシイ回路によるメモリセルの置き換えを行っているためである。つまり、ヒューズ素子(破線で囲んだ部分)を切断すると、これら8個のデータ回路に接続されるメモリセルは、常に非選択状態になり、これに代わって、リダンダンシイ領域の予備のメモリセルが選択される。
【0119】
従って、リダンダンシイ回路によるメモリセルの置き換えをn(nは、自然数)個のデータ回路に対応するnカラム単位で行う場合には、n個のデータ回路を一まとめにする。
【0120】
なお、FRAGは、全てのカラムに対応する共通ノードとなっている。例えばカラム数が2048の場合、8個のデータ回路(カラム)をリダンダンシイ置き換えの単位とすると、チップ内には、図5に示すような回路が256個存在することになる。そして、これら256個の回路は、共通ノードFRAGに接続される。
【0121】
[ワード線制御回路]
図6は、図1のワード線制御回路3の具体例を示している。メモリセルアレイ1は、カラム方向に配置された複数個のメモリセルブロックから構成される。各々のメモリセルブロックは、ロウ方向に配置された複数のNANDセルユニットを有する。メモリセルアレイ及びNANDセルユニットの具体例については、図29乃至図32に示した通りである。
【0122】
本例では、1個のメモリセルブロックに対応して、1個のロウアドレスデコーダと1個のワード線ドライバが設けられる。
【0123】
例えば第1のメモリセルブロック内のワード線WL1,…WL16及びセレクトゲート線SG1,SG2は、第1のワード線ドライバRMAIN1に接続され、第1のワード線ドライバRMAIN1は、第1のメモリセルブロックの選択/非選択を決める第1のロウアドレスデコーダRADD1の出力信号(デコード結果)を受ける。
【0124】
このように、第i(i=1,2,…)のメモリセルブロック内のワード線WL1,…WL16及びセレクトゲート線SG1,SG2は、第iのワード線ドライバRMAINiに接続され、第iのワード線ドライバRMAINiは、第iのメモリセルブロックの選択/非選択を決める第iのロウアドレスデコーダRADDiの出力信号(デコード結果)を受ける。
【0125】
ここで、本例では、ワード線ドライバを、メモリセルアレイ1の両側(ロウ方向の2つの端部)に配置している。
【0126】
具体的には、奇数番目のメモリセルアレイブロックに対応するワード線ドライバRMAIN1,RMAIN3,…は、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のうちの一方(左側)に配置され、偶数番目のメモリセルアレイブロックに対応するワード線ドライバRMAIN2,RMAIN4,…は、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のうちの他方(右側)に配置される。
【0127】
このように、ワード線ドライバRMAINiを、メモリセルアレイ1の両端に配置することにより、ワード線ドライバRMAINiの設計を容易にする(又はレイアウトの自由度を大きくする)ことができる。つまり、本例の場合、1個のワード線ドライバは、カラム方向に関して、メモリセルブロック2個分のレイアウトスペースを確保できる。
【0128】
また、1つのメモリセルブロック内のワード線WL1,…WL16及びセレクトゲート線SG1,SG2は、このメモリセルブロックに対応するワード線ドライバにより、常に、メモリセルアレイ1の一方側(又は他方側)から駆動されるため、選択されたブロック内の所定の1個のNANDセルユニット内のメモリセル及びセレクトトランジスタに関して、駆動信号が供給されるのタイミングのずれは生じない。
【0129】
一方、ロウアドレスデコーダRADDi(i=1,2,…)は、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のうちの一方(片側)のみに配置される。この場合、ロウアドレス信号をロウアドレスデコーダRADDiに供給するための信号線(アドレスバス)をメモリセルアレイ1の片側のみに配置すればよいため、アドレスバスの面積を減らすことができ、結果として、チップ面積の縮小に貢献できる。
【0130】
つまり、仮に、ワード線ドライバRMAINiと同様に、ロウアドレスデコーダRADDiを、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のそれぞれに配置すると、アドレスバスについても、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のそれぞれに配置しなければなず、チップ面積の縮小に関しては、不利となる。
【0131】
ロウアドレスデコーダRADDiを、メモリセルアレイ1のロウ方向の2つの端部のうちの一方(片側)のみに配置した結果、本例では、信号線22がメモリセルアレイ1上に配置される。信号線22は、偶数番目のメモリセルアレイブロックに対応するロウアドレスデコーダRADD2,RADD4,…の出力信号(デコード結果)RDECADSを、ワード線ドライバRMAIN2,RMAIN4,…に供給するために使用される。
【0132】
この信号線22には、通常動作時において、信号RDECADSが伝わる。従って、通常動作時、この信号線22の電位がメモリセルの動作に悪影響を与えないようにする必要がある。そこで、この信号線22の電位がメモリセルの動作に悪影響を与えないような新規なロウアドレスデコーダRADDi及びワード線ドライバRMAINiが構成されている。これについては、後に詳述する。
【0133】
電位発生回路9Aは、昇圧回路(チャージポンプ回路)を有し、例えば書き込み時に使用する書き込み電位Vppや転送電位Vpassを生成する。電位発生回路9Aは、切替回路9Bに接続される。切替回路9Bは、書き込み電位Vpp、転送電位Vpass、チップ内電源電位Vdd、接地電位Vssなどの電位を、ワード線WL1,…WL16に対応する信号線CG1,…CG16に振り分ける機能を有する。
【0134】
信号線CG1,…CG16は、ワード線ドライバRMAINiに接続される。即ち、信号線CG1,…CG16は、ワード線ドライバRMAINi内の電位転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16(後述する)を経由して、ワード線WL1,…WL16に接続される。
【0135】
[デバイス構造(図6中の信号線22に関して]
図7は、図6における奇数番目のメモリセルブロックのカラム方向の断面を示している。奇数番目のメモリセルブロックでは、ロウアドレスデコーダRADD1,RADD3,…及びワード線ドライバRMAIN1,RMAIN3,…は、共に、メモリセルアレイ1の片側に配置されるため、ロウアドレスデコーダRADD1,RADD3,…とワード線ドライバRMAIN1,RMAIN3,…を接続する信号線は、メモリセルアレイ1上に配置されない。
【0136】
以下、具体的な構造について説明する。p型シリコン基板11−1内には、n型ウェル領域11−2及びp型ウェル領域11−3から構成されるダブルウェル領域が形成される。例えば直列接続された16個のメモリセルM1,…M16は、p型ウェル領域11−3上に形成される。各メモリセルは、Nチャネル型MOSトランジスタから構成され、かつ、フローティングゲート電極とコントロールゲート電極からなるスタックゲート構造を有する。
【0137】
直列接続されたメモリセルM1,…M16の2つの端部には、それぞれセレクトトランジスタS1,S2が接続される。セレクトトランジスタS1,S2は、Nチャネル型MOSトランジスタから構成される。例えばビット線側のセレクトトランジスタS1の拡散層(ドレイン)24は、第1配線層M0内の金属配線Bに接続され、ソース線側のセレクトトランジスタS2の拡散層(ソース)25は、第1配線層M0内のソース線SLに接続される。
【0138】
セレクトトランジスタS1のゲート電極(セレクトゲート線(ポリシリコン))は、そのセレクトゲート線の配線抵抗を低くするため、第1配線層M0内の金属配線SG1に接続される。セレクトゲート線(ポリシリコン)と金属配線SG1のコンタクト部は、例えばセレクトゲート線が528本のビット線と交差するごとに設けられる。
【0139】
同様に、セレクトトランジスタS2のゲート電極(セレクトゲート線(ポリシリコン))は、そのセレクトゲート線の配線抵抗を低くするため、第1配線層M0内の金属配線SG2に接続される。セレクトゲート線(ポリシリコン)と金属配線SG2のコンタクト部は、例えばセレクトゲート線が528本のビット線と交差するごとに設けられる。
【0140】
第1配線層M0上に設けられる第2配線層M1内には、ビット線BLが配置される。ビット線BLは、カラム方向に延び、かつ、第1配線層M0内の金属配線Bを経由して、セレクトトランジスタS1の拡散層(ドレイン)24に接続される。なお、第1及び第2配線層M0,M1内の各信号線は、例えばアルミニウム、銅、これらの合金などから構成される。
【0141】
メモリセルM1,…M16上であって、かつ金属配線SG1,SG2の間には、ロウシールド線(Row shield line)23が配置される。ロウシールド線23は、書き込み/読み出し時にいわゆるカップリングノイズを防止し、消去時に非選択ワード線の電位を十分に上昇させるためなどを目的として配置される。ロウシールド線23は、通常、ダブルウェル領域(セルウェル)11−2,11−3の電位と同じ電位に設定される。
【0142】
書き込み/読み出し時には、通常、セルウェル電位は、接地電位Vssに設定されるため、この時、ロウシールド線23も、接地電位Vssに固定される。この場合、ビット線BLとワード線WLの間の容量結合がほぼなくなるため、ビット線を伝わるデータに対するカップリングノイズの発生を防止できる。
【0143】
また、書き込み/読み出し時において、非選択ブロック内のセレクトゲート線(金属配線)SG1,SG2は、接地電位Vssに設定される。このため、セレクトゲート線(金属配線)SG1,SG2も、書き込み/読み出し時におけるシールド線としての機能を有する。
【0144】
このように、書き込み/読み出し時に、ロウシールド線23及び非選択ブロック内のセレクトゲート線(金属配線)SG1,SG2を、それぞれ接地電位Vssに設定することにより、ビット線BLとワード線WLの間の容量結合を少なくし、ビット線を伝わるデータにカップリングノイズが加わるのを防止する。
【0145】
一方、消去時には、ロウシールド線23は、消去電位Vera(例えば約20V)に設定される。その理由は、消去時に、非選択ブロック内のワード線WLの電位を十分に上昇させることにある。
【0146】
即ち、消去時、非選択ブロックのワード線(コントロールゲート線)WLは、フローティング状態にあり、ダブルウェル領域(セルウェル)11−2,11−3に消去電位(例えば約20V)を与えたときに、容量カップリングにより、非選択ブロックのワード線WLの電位を上昇させるようにしている。
【0147】
従って、消去時に、ロウシールド線23を消去電位Veraに設定しておけば、セルウェル11−2,11−3の電位を、例えば接地電位Vssから消去電位Veraに上昇させたときに、ワード線WLの電位がロウシールド線23の電位に影響されなくなり、非選択ブロック内のワード線WLの電位を消去電位Veraと同じ程度まで十分に上昇させることができる。
【0148】
また、非選択ブロック内のワード線WLの電位が消去電位Veraと同じ程度まで十分に上昇するため、非選択メモリセルにおいて、フローティングゲート電極とセルウェルの間のトンネル酸化膜に大きな電界がかかることがなく、誤消去も防止できる。
【0149】
この時、仮に、ロウシールド線23の電位が接地電位Vss又は電源電位Vccであると、ワード線WLの電位は、ロウシールド線23の電位(Vss又はVcc)に影響を受け、消去電位Veraと同じ程度まで上昇しなくなる。従って、非選択メモリセルにおいて、トンネル酸化膜に大きな電界がかかり、誤消去が発生する場合がある。
【0150】
図8は、図6における偶数番目のメモリセルブロックのカラム方向の断面を示している。偶数番目のメモリセルブロックでは、ロウアドレスデコーダRADD2,RADD4,…は、メモリセルアレイ1のロウ方向の一端に配置され、ワード線ドライバRMAIN2,RMAIN4,…は、メモリセルアレイ1のロウ方向の他端に配置される。従って、ロウアドレスデコーダRADD2,RADD4,…とワード線ドライバRMAIN2,RMAIN4,…を接続する信号線22が、メモリセルアレイ1上に配置される。
【0151】
以下、具体的な構造について説明する。p型シリコン基板11−1内には、n型ウェル領域11−2及びp型ウェル領域11−3から構成されるダブルウェル領域が形成される。例えば直列接続された16個のメモリセルM1,…M16は、p型ウェル領域11−3上に形成される。各メモリセルは、Nチャネル型MOSトランジスタから構成され、かつ、フローティングゲート電極とコントロールゲート電極からなるスタックゲート構造を有する。
【0152】
直列接続されたメモリセルM1,…M16の2つの端部には、それぞれセレクトトランジスタS1,S2が接続される。セレクトトランジスタS1,S2は、Nチャネル型MOSトランジスタから構成される。例えばビット線側のセレクトトランジスタS1の拡散層(ドレイン)24は、第1配線層M0内の金属配線Bに接続され、ソース線側のセレクトトランジスタS2の拡散層(ソース)25は、第1配線層M0内のソース線SLに接続される。
【0153】
セレクトトランジスタS1のゲート電極(セレクトゲート線(ポリシリコン))は、そのセレクトゲート線の配線抵抗を低くするため、第1配線層M0内の金属配線SG1に接続される。セレクトゲート線(ポリシリコン)と金属配線SG1のコンタクト部は、例えばセレクトゲート線が528本のビット線と交差するごとに設けられる。
【0154】
同様に、セレクトトランジスタS2のゲート電極(セレクトゲート線(ポリシリコン))は、そのセレクトゲート線の配線抵抗を低くするため、第1配線層M0内の金属配線SG2に接続される。セレクトゲート線(ポリシリコン)と金属配線SG2のコンタクト部は、例えばセレクトゲート線が528本のビット線と交差するごとに設けられる。
【0155】
第1配線層M0上に設けられる第2配線層M1内には、ビット線BLが配置される。ビット線BLは、カラム方向に延び、かつ、第1配線層M0内の金属配線Bを経由して、セレクトトランジスタS1の拡散層(ドレイン)24に接続される。なお、第1及び第2配線層M0,M1内の各信号線は、例えばアルミニウム、銅、これらの合金などから構成される。
【0156】
メモリセルM1,…M16上であって、かつ、金属配線SG1,SG2の間には、信号RDECADSの経路となる信号線22が配置される。偶数番目のメモリセルブロックのデバイスの特徴は、奇数番目のメモリセルブロックのデバイスのロウシールド線23(図7参照)に代わり、信号線22が設けられている点にある。
【0157】
信号線22は、図6において説明したように、ロウアドレスデコーダの出力信号RDECADSをワード線ドライバに伝える役割を果たす。従って、信号線22の電位は、ロウシールド線と同じにすることができない。
【0158】
図6中のワード線制御回路3は、上述の信号線22の役割を損なうことなく、信号線22の電位を、動作モードに応じて最適な値に設定し、書き込み/読み出し時にいわゆるカップリングノイズを防止し、消去時に非選択ワード線の電位を十分に上昇させることができるように構成されている。
【0159】
以下、ワード線制御回路3の回路例を説明し、その後、この回路を用いた場合に、各動作モードにおいて信号線22の電位レベルがどのようになるかについて説明する。
【0160】
[ワード線制御回路3の回路例]
まず、図面に付される記号について以下のように定義する。記号“HN**(*は、数字、記号など)”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.6Vの閾値電圧を有する高電圧エンハンスメントNチャネルMOSトランジスタであり、電源電圧Vccよりも高い電圧が印加される。このトランジスタは、ゲートが0Vのとき、オフ状態になる。
【0161】
記号“IHN**(*は、数字、記号など)”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.1Vの閾値電圧を有する高電圧エンハンスメントNチャネルMOSトランジスタであり、電源電圧Vccよりも高い電圧が印加される。記号“DHN**”が付されているMOSトランジスタは、例えば約−1Vの閾値電圧を有する高電圧デプレションNチャネルMOSトランジスタであり、ゲートとドレインを電源電位Vccにすると、ドレインの電位Vccがソースに転送される。また、このトランジスタは、ソースとドレインがVccのとき、ゲートを0Vにすると、オフ状態となる。
【0162】
また、記号“TN**”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.6Vの閾値電圧を有する低電圧エンハンスメントNチャネルMOSトランジスタであり、電源電圧Vcc以下の電圧が印加される。記号“TP**”が付されているMOSトランジスタは、例えば約0.6Vの閾値電圧を有する低電圧エンハンスメントPチャネルMOSトランジスタである。
【0163】
図9は、奇数番目のメモリセルブロックに対応して設けられるロウアドレスデコーダの主要部を示している。このロウアドレスデコーダRADD1は、正確には、ブロックデコーダとして機能する。即ち、例えば第1のメモリセルブロックが選択されるとき、ロウアドレス信号AROWi,…AROWjの全てが“H”となり、出力信号RDECADが“H”となる。ロウアドレスデコーダRADD1の動作については、後に詳述する。
【0164】
図10は、奇数番目のメモリセルブロックに対応して設けられるワード線ドライバの主要部を示している。ワード線ドライバRMAIN1の主な構成要素は、高電圧スイッチ回路26と転送用MOSトランジスタHN5,HN6,HNt1,…HNt16である。
【0165】
高電圧スイッチ回路26は、MOSキャパシタDHN4及びMOSトランジスタIHN1からなる第1の昇圧ユニットと、MOSキャパシタDHN5及びMOSトランジスタIHN2からなる第2の昇圧ユニットを備える。
【0166】
MOSトランジスタHN3のゲートは、MOSトランジスタIHN1,IHN2の接続ノードBに接続される。この場合、MOSトランジスタHN3のゲートとソースの電位レベルが逆相を維持しつつ、クロック信号Owcに同期して、次第に各ノードA,B,TransferG1の電位が上昇するため、昇圧効率が向上する。
【0167】
高電圧スイッチ回路26は、ロウアドレスデコーダRADD1の出力信号RDECADが“H”のとき、動作状態となる。即ち、出力信号RDECADが“H”のとき、NAND回路NAND1の出力信号は、クロック信号Owcと逆相のクロック信号となる。NAND回路NAND1の出力信号は、MOSキャパシタDHN4,DHN5の一端に印加される。
【0168】
その結果、転送用MOSトランジスタHN5,HN6,HNt1,…HNt16のゲートに昇圧電位が印加され、転送用MOSトランジスタHN5,HN6,HNt1,…HNt16は、オン状態となる。
【0169】
ロウアドレスデコーダRADD1の出力信号RDECADが“H”のとき、MOSトランジスタHN7,HN8は、オフ状態となる。この時、信号線SGD,SGSは、例えばチップ内電源電位Vddとなり、このVddは、転送用MOSトランジスタHN5,HN6を経由して、セレクトゲート線SG1,SG2に供給される。
【0170】
また、信号線CG1,CG2,…CG16は、切替回路9B(図1参照)により、それぞれ動作モードに応じて所定の電位に設定される。そして、信号線CG1,CG2,…CG16の電位は、転送用MOSトランジスタHNt1,…HNt16を経由して、ワード線WL1,WL2,…WL16に供給される。
【0171】
図11は、偶数番目のメモリセルブロックに対応して設けられるロウアドレスデコーダの主要部を示している。ロウアドレスデコーダRADD2は、図9に示したロウアドレスデコーダRADD1と同じ回路(破線X1で囲んだ部分)と、インバータI4、クロックドインバータCINV3,CINV4及びデプレッション型高電圧NチャネルMOSトランジスタDHN6,DHN7を含む。なお、図11において、図9と同じ部分には、同じ符号が付してある。
【0172】
クロックドインバータCINV4は、消去(ERASE)時に、選択されたメモリセルブロックに対応するロウアドレスデコーダの出力信号RDECADS(図8の信号線22の電位)を接地電位Vssにし、非選択のメモリセルブロックに対応するロウアドレスデコーダの出力信号RDECADSをチップ内電源電位Vddにする機能を有する。
【0173】
MOSトランジスタDHN6は、後述する図12のトランジスタDHN9と共に、信号線22(図8参照)をフローティング状態にする機能を有する。
【0174】
消去時、選択されたメモリセルブロックでは、信号RDECADS1は、“H(Vdd)”となり、非選択のメモリセルブロックでは、信号RDECADS1は、“L(Vss)”となる。
【0175】
仮に、従来と同様に、この信号RDECADS1を、メモリセルアレイ上の信号線22(図8参照)に与えると、非選択のメモリセルブロックでは、メモリセルアレイ上の信号線22(図8参照)が“L(Vss)”となる。
【0176】
この場合、セルウェルとワード線の容量カップリングにより、セルウェルに消去電位Veraを与えたときに、非選択のメモリセルブロック内のワード線の電位を上昇させようとすると、接地電位Vssである信号線22(図8)の影響により、ワード線の電位が十分に上昇しなくなる。
【0177】
クロックドインバータCINV4を設けているため、消去時、選択されたメモリセルブロックでは、出力信号RDECADSは、“L(Vss)”となり、非選択のメモリセルブロックでは、信号RDECADSは、“H(Vdd)”となる。
【0178】
即ち、非選択のメモリセルブロックでは、メモリセルアレイ上の信号線22(図8参照)は、“H(Vdd)”となり、かつ、MOSトランジスタDHN6とMOSトランジスタDHN9(図12)のカットオフによりフローティング状態となる。
【0179】
従って、セルウェルとワード線の容量カップリングにより、非選択のメモリセルブロック内のワード線の電位を上昇させる場合、チップ内電源電位Vddである信号線22(図8)の影響は少なくなり、ワード線の電位が十分に上昇する。
【0180】
図12は、偶数番目のメモリセルブロックに対応して設けられるワード線ドライバの主要部を示している。ワード線ドライバRMAIN2は、図10に示したワード線ドライバRMAIN1と同じ回路(破線X2で囲んだ部分、つまり、高電圧スイッチ回路26と転送用MOSトランジスタHN5,HN6,HNt1,…HNt16と、クロックドインバータCINV5,CINV6,CINV7、デプレッション型高電圧NチャネルMOSトランジスタDHN8,DHN9及びエンハンスメント型PチャネルMOSトランジスタTP6,TP7を含む。なお、図12において、図10と同じ部分には、同じ符号が付してある。
【0181】
クロックドインバータCINV7は、消去(ERASE)時に、選択されたメモリセルブロックに対応するロウアドレスデコーダの出力信号RDECADS(図8の信号線22の電位)を接地電位Vssからチップ内電源電位Vddに戻し、非選択のメモリセルブロックに対応するロウアドレスデコーダの出力信号RDECADSをチップ内電源電位Vddから接地電位Vssに戻した後に、破線X2内の回路に、信号RDECADS2として与える機能を有する。
【0182】
MOSトランジスタDHN9は、図11のトランジスタDHN6と共に、信号線22(図8参照)をフローティング状態にする機能を有する。
【0183】
このように、図11のロウアドレスデコーダRADD2内のインバータI4、クロックドインバータCINV3,CINV4及びデプレッション型高電圧NチャネルMOSトランジスタDHN6,DHN7と、図12のワード線ドライバRMAIN2内のクロックドインバータCINV5,CINV6,CINV7、デプレッション型高電圧NチャネルMOSトランジスタDHN8,DHN9及びエンハンスメント型PチャネルMOSトランジスタTP6,TP7は、同一の目的を達成するために、ペアで使用される。
【0184】
なお、図9乃至図12では、これらの回路に電源電位としてVdd(外部電源電位Vccよりも低いチップ内電源電位)を供給したが、これに代えて、例えば外部電源電位Vccを供給してもよい。
【0185】
[信号線22の電位レベルに関して]
次に、各動作モードにおいて、信号線22(図8参照)の電位レベルがどのようになるかについて説明する。なお、ここでは、信号線22の電位レベルについてのみ説明し、信号線22の電位レベルを含めたワード線制御回路の動作については、後に詳述する。
【0186】
本例では、信号線22(図8)は、偶数番目のメモリセルブロックに対応するロウアドレスデコーダ(図11)とワード線ドライバ(図12)を接続する。従って、図11及び図12を参照しつつ、信号線22(図8)を伝わるワード線ドライバ選択信号RDECADSの電位レベルについて説明する。
【0187】
ロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSの電位レベルは、動作モードによって異なる。
【0188】
消去動作以外の動作(書き込み・読み出し・ベリファイ読み出し)では、ROWERASE1B、ROWPROG1、ROWERASE2B、ROWERASE3n,ROWGATEを、それぞれ電源電位Vdd(外部電源電位Vccよりも低いチップ内電源電位、但し、外部電源電位Vccでもよい)に設定し、ROWERASE1、ROWPROG1B、ROWERASE2を、それぞれ接地電位Vssに設定する。
【0189】
この時、クロックドインバータCINV3,CINV5,CINV6が動作状態になり、クロックドインバータCINV4,CINV7が非動作状態になる。また、MOSトランジスタTP6は、オフ状態になる。
【0190】
選択されたメモリセルブロックでは、破線X1で囲んだ部分の出力信号RDECADS1は、“H”、即ち、チップ内電源電位Vddになり、ロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSも、“H”、即ち、チップ内電源電位Vddになる。
【0191】
一方、非選択のメモリセルブロックでは、破線X1で囲んだ部分の出力信号RDECADS1は、“L”、即ち、接地電位Vssになり、ロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSも、“L”、即ち、接地電位Vssになる。
【0192】
従って、消去動作以外の動作では、非選択のメモリセルブロック内のメモリセルアレイ上に配置される信号線22(図8参照)は、接地電位Vss、非選択のメモリセルブロック内のセレクトゲート線SG1,SG2も、接地電位Vssとなり、これらの信号線22,SG1,SG2は、ビット線とワード線の間のシールド線として機能する(図7のロウシールド線23と同じ機能)。結果として、ビット線を伝わるデータに生じるカップリングノイズを低減できる。
【0193】
消去動作では、ROWERASE1B、ROWPROG1、ROWERASE2B、ROWERASE3n,ROWGATEを、それぞれ接地電位Vssに設定し、ROWERASE1、ROWPROG1B、ROWERASE2を、それぞれチップ内電源電位Vdd(電源電位Vccでもよい)に設定する。
【0194】
この時、クロックドインバータCINV4,CINV7が動作状態になり、クロックドインバータCINV3,CINV5,CINV6が非動作状態になる。また、MOSトランジスタTP6は、オン状態になる。
【0195】
選択されたメモリセルブロックでは、破線X1で囲んだ部分の出力信号RDECADS1は、“H”、即ち、チップ内電源電位Vddになり、ロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSは、“L”、即ち、接地電位Vssになる。
【0196】
一方、非選択のメモリセルブロックでは、破線X1で囲んだ部分の出力信号RDECADS1は、“L”、即ち、接地電位Vssになり、ロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSは、“H”、即ち、チップ内電源電位Vddになる。
【0197】
また、ROWGATEが接地電位Vssであるため、非選択のメモリセルブロック内の信号線22(図8参照)は、その電位(RDECADSの電位)が1〜1.5V程度になると、MOSトランジスタDHN6,DHN9がカットオフすることにより、フローティング状態になる。
【0198】
このように、消去動作では、非選択のメモリセルブロック内のメモリセルアレイ上に配置される信号線22(図8参照)は、1〜1.5Vで、かつ、フローティング状態となる。つまり、セルウェルに消去電位Veraを与えたときに、信号線22(図8)の電位も、ワード線と同様に、容量カップリングにより上昇するため、信号線22(図8)がワード線の電位の上昇を抑えることがない。
【0199】
従って、セルウェルに消去電位Veraを与えたときに、セルウェルとワード線の間の容量カップリングにより、非選択のメモリセルブロック内のワード線の電位が上昇し易くなるという効果を得ることができる。
【0200】
また、これに伴い、非選択のメモリセルブロック内のメモリセルのトンネル酸化膜に大きな電界がかかることがないため、非選択のメモリセルブロックにおける誤消去を防止できる。
【0201】
ところで、図11の破線X内のヒューズ素子(図9のヒューズ素子も同じ)は、そのヒューズ素子(ロウアドレスデコーダ)に対応するメモリセルブロックをユーザ用の通常のメモリ領域とする場合には、切断されない。
【0202】
しかし、そのヒューズ素子(ロウアドレスデコーダ)に対応するメモリセルブロックを、例えばデバイス・コードを記憶するROM・BLOCK領域とする場合には、そのヒューズ素子を切断し、ユーザが、ROM・BLOCK領域に対して、自由に、書き込み/消去を行えないようにしている。
【0203】
このROM・BLOCK領域は、以下の意義がある。近年、NAND型フラッシュメモリは、様々な電子機器のメモリに使用されている。しかし、電話通信により音楽情報を記憶するためのメモリなど、NAND型フラッシュメモリは、著作権に関わるデータのメモリとして使用される場合がある。
【0204】
そこで、NAND型フラッシュメモリには、不正コピーを防止するために、チップの番号、即ち、デバイス・コードが記憶される。
【0205】
このデバイス・コードは、個々のNAND型フラッシュメモリに固有のものであるが、仮に、ユーザがこのデバイス・コードを自由に書き換えられるようでは、デバイス・コードの本来の目的を達成することができない。
【0206】
このため、デバイス・コードは、製品の出荷前に、NAND型フラッシュメモリのROM・BLOCK領域に書き込まれ、ROM・BLOCK領域に対しては、ユーザが書き込み/消去を行えないようにしている。つまり、ROM・BLOCK領域となるメモリセルブロックでは、ヒューズ素子が切断される。
【0207】
これにより、例えば情報提供側のNAND型フラッシュメモリから情報受け取り側のNAND型フラッシュメモリに音楽情報をコピーしようとする場合、情報提供側のNAND型フラッシュメモリからデバイス・コードを読み出し、これが、情報受け取り側のNAND型フラッシュメモリのデバイス・コードと異なる場合には、コピーができないようにしている。
【0208】
ヒューズ素子は、ROM・BLOCK領域となるメモリセルブロックにデバイス・コードを書き込んだ直後に切断する。
【0209】
仮に、ヒューズ素子を切断しない状態で、出荷前試験を行うと、この試験で、デバイス・コードが消去されてしまうためである。
【0210】
即ち、出荷前試験では、試験時間の短縮のために、全ブロックを同時に選択して、書き込み/消去を行う。つまり、全てのロウアドレス信号AROWi,…AROWjが“H”になるため、ヒューズ素子が切断されていないと、CMD ROMBAが“L”であっても、RDECADS1が“H”(図9では、RDECADが“H”)となり、ROM・BLOCK領域となるメモリセルブロックが選択されてしまう。
【0211】
一方、出荷前試験において、全てのロウアドレス信号AROWi,…AROWjが“H”になっても、ヒューズ素子が切断されていれば、CMD ROMBAが“L”であるため、RDECADS1が“L”(図9では、RDECADが“L”)となり、ROM・BLOCK領域となるメモリセルブロックは選択されない。
【0212】
ヒューズ素子を切断しても、ROM・BLOCK領域に記憶されたデバイス・コードを読み出す必要がある。
【0213】
ROM・BLOCK領域に対するデータ読み出しは、CMD ROMBAを “H”にすることにより達成できる。つまり、CMD ROMBAが“H”、ROM・BLOCK領域内のAROWi,…AROWjが“H”になると、ROM・BLOCK領域となるメモリセルブロックが選択される。
【0214】
また、ヒューズ素子を切断した後においても、特殊なコマンドを入力することで、CMD ROMBA及びROM・BLOCK領域内のAROWi,…AROWjを“H”にすることにより、ROM・BLOCK領域内のデータを書き換えることも可能である。この場合には、CMD ROMBAを“H”にするコマンドは、一般のユーザには非公開にし、不正に、ROM・BLOCK領域内のデータが書き換えられないようにする。
【0215】
なお、本例では、ROM・BLOCK領域のヒューズを切断する場合を説明したが、図9のヒューズや図11の破線X内のヒューズは、メモリセルブロックが不良ブロックである場合にも、切断される。この場合、この不良ブロックは、リダンダンシイ回路により、予備のブロックに置き換えられる。
【0216】
[基本動作の説明]
以下では、読み出し、書き込み、消去、テスト(バーイン)などの各動作モードにおける本発明の4値NANDセル型EEPROM(図1)の主要部の動作、具体的には、データ回路(図2)、一括検知回路(図5)及びワード線制御回路(図6、図9乃至図12)の動作について詳細に説明する。
【0217】
動作の説明を行う前に、まず、メモリセルの閾値電圧とデータ書き込み方法の一例について簡単に説明する。図13は、4値NANDセル型EEPROMのメモリセルに記憶される2ビットの4値データ(“11”、“10”、“01”、“00”とメモリセルの閾値電圧(Vth)の分布を示している。
【0218】
消去状態“11”のメモリセルは、負の閾値電圧Vthを有する。また、書き込み状態“10”、“01”、“00”のメモリセルは、正の閾値電圧Vthを有する。また、書き込み状態のうち、“10”状態が最も閾値電圧が低く、“00”状態が最も閾値電圧が高く、“01”状態は、“10”状態と“00”状態の間の閾値電圧を有するものとする。
【0219】
特開平10−3792号公報に記載されているものと同様に、1つのメモリセルの2ビットデータは、異なるロウアドレス(偶数ページと奇数ページ)に相当する。したがって、4値データ(2ビットデータ)は偶数ページデータと奇数ページデータからなり、偶数ページデータと奇数ページデータは別々の書き込み動作、つまり、2回の書き込み動作により、メモリセルに書き込まれる。
【0220】
まず、偶数ページデータの書き込みが行われる。全てのメモリセルは、消去状態、即ち、“11”状態にあるものとする。この後、図14に示すように、偶数ページデータの書き込みを行うと、メモリセルの閾値電圧Vthの分布は、偶数ページデータの値(“1”,“0”)に応じて、2つに分けられる。
【0221】
即ち、偶数ページデータが“1”の場合には、メモリセルのトンネル酸化膜に高電界がかからないようにし、メモリセルの閾値電圧Vthの上昇を防止する。その結果、メモリセルは、消去状態(“11”状態)を維持する(偶数ページデータ“1”の書き込み)。
【0222】
一方、偶数ページデータが“0”の場合には、メモリセルのトンネル酸化膜に高電界を印加し、フローティングゲート電極に電子を注入して、メモリセルの閾値電圧Vthを所定量だけ上昇させる。その結果、メモリセルは、書き込み状態(“01”状態)に変化する(偶数ページデータ“0”の書き込み)。
【0223】
この後、奇数ページデータの書き込みが行われる。奇数ページデータの書き込みは、チップの外部から入力される書き込みデータ(即ち、奇数ページデータ)と、メモリセルに既に書き込まれている偶数ページデータとに基づいて行われる。
【0224】
即ち、図15に示すように、奇数ページデータが“1”の場合には、メモリセルのトンネル酸化膜に高電界がかからないようにし、メモリセルの閾値電圧Vthの上昇を防止する。その結果、“11”状態(消去状態)のメモリセルは、“11”状態をそのまま維持し、“01”状態のメモリセルは、“01”状態をそのまま維持する(奇数ページデータ“1”の書き込み)。
【0225】
一方、奇数ページデータが“0”の場合には、メモリセルのトンネル酸化膜に高電界を印加し、フローティングゲート電極に電子を注入して、メモリセルの閾値電圧Vthを所定量だけ上昇させる。その結果、“11”状態(消去状態)のメモリセルは、“01”状態に変化し、“01”状態のメモリセルは、“00”状態に変化する(奇数ページデータ“0”の書き込み)。
【0226】
つまり、本例では、偶数ページデータが“1”、奇数ページデータが“1”のとき、データ“11”がメモリセルに書き込まれ、偶数ページデータが“0”、奇数ページデータが“1”のとき、データ“01”がメモリセルに書き込まれる。また、偶数ページデータが“1”、奇数ページデータが“0”のとき、データ“01”がメモリセルに書き込まれ、偶数ページデータが“0”、奇数ページデータが“0”のとき、データ“00”がメモリセルに書き込まれる。
【0227】
このように、2回の書き込み動作により、メモリセルの閾値電圧Vthの分布は、4つ(“11”,“10”,“01”,“00”)に分けられる。
【0228】
以下、動作タイミング図を用いて、具体的な動作説明を行う。
【0229】
1. 読み出し動作(Read operation)
読み出し動作は、偶数ページデータの読み出し動作と奇数ページデータの読み出し動作とからなる。
【0230】
1.−1. 偶数ページデータの読み出し動作
図13から明らかなように、“11”状態と“10”状態が、偶数ページデータが“1”であり、“01”状態と“00”状態が、偶数ページデータが“0”である。つまり、偶数ページデータが“1”であるか又は“0”であるかは、1回の読み出し動作“READ01”により判断できる。従って、偶数ページデータの読み出し動作は、“READ01”のみからなる。
【0231】
1.−1.−1. “READ01”
図16は、“READ01”動作を示している。“READ01”動作は、読み出し電位(選択されたワード線の電位)をVcgr01(例えば約0.7V)に設定し、メモリセルのデータが“01”,“00”のいずれかであるか、又はそれ以外のデータ“11”,“10”であるかを認識する動作である。
【0232】
まず、ロウアドレスデコーダ(図9、図11)において、RDECPBが“L”に設定される。この時、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)は、共に、“L(Vss)”であり、全てのメモリセルブロックは、非選択状態となっている。
【0233】
この後、RDECPBが“L”から“H”に変化する。この時、MOSトランジスタTP4がオフ状態、MOSトランジスタTN21がオン状態になる(図9、図11)。
【0234】
また、選択されたメモリセルブロックでは、全てのロウアドレス信号AROWi,…AROWjが“H”になり、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)が、共に、“H”になる。非選択のメモリセルブロックでは、ロウアドレス信号AROWi,…AROWjの少なくとも1つが“L”であるため、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)は、“L”を維持する。
【0235】
選択されたメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、入力信号RDECAD,RDECADS1が“H”となるため、オシレーション信号(クロック信号)Owcにより、高電圧スイッチ回路(NMOSチャージポンプ回路)26が動作する。
【0236】
従って、選択されたメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、高電圧スイッチ回路26の出力ノードに、電位VRDECが転送される。
【0237】
例えば第1メモリセルブロック内のワード線ドライバRMAIN1(図10)が選択された場合には、出力ノードTransferG1に、電位VRDEC(例えば約6V)が転送され、第2メモリセルブロック内のワード線ドライバRMAIN2(図12)が選択された場合には、出力ノードTransferG2に、電位VRDEC(例えば約6V)が転送される。
【0238】
その結果、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16のゲートは、VRDECとなり、信号線CG1,CG2,…CG16の電位は、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16を経由して、ワード線(コントロールゲート線)WL1,WL2,…WL16に転送される。
【0239】
また、信号線SGD,SGSの電位も、転送用トランジスタHN5,HN6を経由して、セレクトゲート線SG1,SG2に転送される。
【0240】
ここで、信号線CG1,CG2,…CG16のうち、選択された1本の信号線の電位は、切替回路(図1)により、Vcgr01(例えば約0.7V)に設定され、残りの非選択の信号線の電位は、切替回路(図1)により、Vread(例えば約3.5V)に設定される。また、信号線SGD,SGSの電位も、Vread(例えば約3.5V)に設定される。
【0241】
一方、非選択のメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、高電圧スイッチ回路26の出力ノードTransferG1,TransferG2に、電位RDECAD,RDECADS2が転送される。
【0242】
つまり、非選択のメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10,図12)では、出力ノードTransferG1,TransferG2が、共に、接地電位Vssになる。
【0243】
その結果、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16は、オフ状態となり、ワード線(コントロールゲート線)WL1,WL2,…WL16は、フローティング状態になる。また、セレクトゲート線SG1,SG2は、信号線SGS,SGDにより接地される。
【0244】
図16の動作タイミングについて詳細に説明する。
なお、ビット線BLeに接続されるメモリセルが選択され、ビット線BLoは、シールドビット線とする。ロウ側(ワード線制御回路側)では、まず、時刻RCLK1に、BSTONが“H”になる。この時、選択されたメモリセルブロックでは、ワード線ドライバ内の高電圧スイッチ回路の出力ノード(TransferG1又はTransferG2)に、Vdd(RDECAD又はRDECADS2)が転送される。
【0245】
また、時刻RCLK2に、BSTONが“L”になり、時刻RCLK3に、VRDECがVsgHHになるため、選択されたメモリセルブロックでは、ワード線ドライバ内の高電圧スイッチ回路の出力ノード(TransferG1又はTransferG2)の電位が、VsgHHに上昇する。
【0246】
選択されたワード線CG selectの電位は、Vcgr01(例えば約0.7V)に設定され、非選択のワード線CG unselectの電位及びセレクトゲート線SG1の電位SGDは、Vread(例えば約3.5V)に設定される。
【0247】
一方、カラム側(データ回路側)では、時刻RCLK2に、BLPREがVdd(例えば約2.3V)になる。また、時刻RCLK3に、BIASeが接地電位Vss、BIASoがVsghhになり、時刻RCLK4に、BLSeがVsghhになると、ビット線BLeは、プリチャージされ、ビット線BLoは、接地電位Vssとなる。
【0248】
ビット線BLeをプリチャージしている最中のBLCLMPの電位は、Vclmp(例えば約2V)であるため、ビット線BLeは、約0.8Vまで上昇した後、フローティング状態となる。そして、時刻RCLK7に、ビット線BLeのプリチャージが終了する。
【0249】
そして、時刻RCLK7に、セレクトゲート線SG2の電位SGSが、Vreadに設定されると、選択されたメモリセルのデータに応じて、ビット線BLeの電位が低下し又は維持される。
【0250】
即ち、選択されたメモリセルのデータが、“11”、“10”の場合には、Vcgr01により、この選択されたメモリセルは、オン状態になるため、ビット線BLeの電荷が放電され、ビット線BLeの電位は、0.3V以下に低下する(選択ブロック内の非選択のメモリセルは、Vreadにより、オン状態である)。
【0251】
一方、選択されたメモリセルのデータが、“01”、“00”の場合には、Vcgr01によっては、この選択されたメモリセルは、オン状態にならないため、ビット線BLeの電荷が放電されることはなく、ビット線BLeは、プリチャージ電位(約0.8V)を維持する。
【0252】
時刻SCLK6には、SEN及びLATが共に“L”、SENB及びLATBが共に“H”になり、ラッチ回路LATCH、即ち、クロックドインバータCINV1,CINV2が非動作状態となる(図2)。
【0253】
時刻SCLK7に、BLCがVsg(約4.5V)、nPRSTが“L”になると、センスノード(DTNij)がVddとなる。また、時刻SCLK8に、nPRSTが“H”になると、センスノードは、フローティング状態になる。また、時刻SCLK9に、BLCLMPが、Vsense(例えば約1.6V)になり、ビット線BLeの電位がセンスノードに伝わる。
【0254】
この時、メモリセルのデータが“11”、“10”の場合には、ビット線BLeの電位は、0.3V以下となっているため、センスノード(DTNij)の電位は、Vddから0.3V以下の電位に低下する。また、メモリセルのデータが“01”、“00”の場合には、ビット線BLeの電位は、プリチャージ電位(約0.8V)を維持しているため、クランプ用のMOSトランジスタTN9(図2参照)がカットオフし、センスノード(DTNij)は、Vddを維持する。
【0255】
この後、時刻SCLK13に、SENが“H”、SENBが“L”になり、クロックドインバータCINV1が動作状態となる(図2)。
【0256】
その結果、メモリセルのデータが“11”、“10”の場合には、クロックドインバータCINV1の出力ノードNbijがVddとなる。メモリセルのデータが“01”、“00”の場合には、クロックドインバータCINV1の出力ノードNbijがVssとなる。
【0257】
そして、時刻SCLK14には、LATが“H”、LATBが“L”になり、クロックドインバータCINV2が動作状態となる(図2)。即ち、読み出しデータ(センスノードのデータ)がラッチ回路LATCHにラッチされる。
【0258】
この時、メモリセルのデータが“11”、“10”の場合(偶数ページデータが“1”のメモリセル)は、出力ノードNaijがVss、出力ノードNbijがVddとなり、メモリセルのデータが“01”、“00”の場合(偶数ページデータが“0”のメモリセル)は、出力ノードNaijがVdd、出力ノードNbijがVssとなる。
【0259】
ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijに保持されるデータは、表1中の“READ01後”の通りである。
【0260】
【表1】
【0261】
読み出したデータは、この後、CSLiを“H”にすることにより、ラッチ回路LATCHのデータ(偶数ページデータ)を、I/O線(IOj,nIOj)に出力し、かつ、メモリチップの外部に出力する。
【0262】
1.−2. 奇数ページデータの読み出し動作
図13から明らかなように、“11”状態と“01”状態が、奇数ページデータが“1”であり、“10”状態と“00”状態が、奇数ページデータが“0”である。従って、奇数ページデータが“1”であるか又は“0”であるかは、偶数ページデータの読み出し動作“READ01”に引き続き、2回の読み出し動作“READ10”,“READ00”により判断できる。
【0263】
1.−1.−2. “READ10”
図17は、“READ10”動作を示している。“READ10”動作は、読み出し電位(選択されたワード線の電位)をVcgr10(例えば0.15V)に設定し、メモリセルのデータが“11”であるか、又はそれ以外のデータ“10”,“01”,“00”であるかを認識する動作である。
【0264】
“READ10”動作は、読み出し電位(選択されたワード線の電位)のレベルを除いて、“READ01”動作とほぼ同じになっている。
【0265】
まず、時刻RCLK1から時刻RCLK6まで、選択されたワード線の電位のレベルを除いて、“READ01”動作と同じ動作を行う。即ち、選択されたワード線の電位をVcgr10、選択ブロック内の非選択のワード線の電位をVreadにし、ビット線BLeをプリチャージした後、フローティング状態にし、ビット線BLoを接地電位Vssにする。
【0266】
この後、時刻RCLK7に、セレクトゲート線SG2の電位SGSをVreadに設定すると、選択されたメモリセルのデータに応じて、ビット線BLeの電位が低下し又は維持される。
【0267】
即ち、“READ01”を行った後、“READ10”の時刻RCLK8の時点においては、選択されたメモリセルのデータが、“11”または“10”の場合には、Vcgr10により、この選択されたメモリセルは、オン状態になるため、ビット線BLeの電荷が放電され、ビット線BLeの電位は、0.3V以下に低下する(選択ブロック内の非選択のメモリセルは、Vreadにより、オン状態である)。
【0268】
これに対して、選択されたメモリセルのデータが、“01”、“00”の場合には、Vcgr10によっては、この選択されたメモリセルは、オン状態にならないため、ビット線BLeの電荷が放電されることはなく、ビット線BLeは、プリチャージ電位(約0.8V)を維持する。
【0269】
時刻SCLK9におけるセンスノードのデータは、表1中の“READ10:BL放電後”の通りである。
【0270】
その後、時刻SCLK11に、REG2がVsgになり、“01”、“00”の場合には、CAP2ijが“H”なので、センスノードはCOMiからVssに放電され、“L”になる。このとき、図5のCOMHnはVdd、COMVssはVddに設定される。
【0271】
この後、“READ01”動作と同様に、ビット線BLeの電位がセンスされ、かつ、ラッチ回路LATCHにラッチされる。ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijに保持されるデータは、表1中の“READ10:センスノード放電後”の通りである。
【0272】
しかし、この段階では、奇数ページデータが“1”であるか又は“0”であるかは不明である。そこで、前記“READ10”に引き続き、“READ00”が行われる。
【0273】
1.−2.−1. “READ00”
図18は、“READ00”動作を示している。“READ00”動作は、読み出し電位(選択されたワード線の電位)をVcgr00(例えば約1.45V)に設定し、メモリセルのデータが“11”、“10”,“01”のいずれかであるか、“00”であるかを認識する動作である。
【0274】
“READ00”動作は、読み出し電位(選択されたワード線の電位)のレベルを除いて、“READ01”動作とほぼ同じになっている。
【0275】
まず、選択されたワード線の電位をVcgr00、選択ブロック内の非選択のワード線の電位をVreadにし、ビット線BLeをプリチャージした後、フローティング状態にし、ビット線BLoを接地電位Vssにする(BLeは、選択ビット線、BLoは、シールドビット線である)。
【0276】
この後、時刻RCLK7に、セレクトゲート線SG2の電位SGSをVreadに設定すると、選択されたメモリセルのデータに応じて、ビット線BLeの電位が低下し又は維持される。
【0277】
即ち、“READ10”を行った後、“READ10”の時刻RCLK8の時点においては、選択されたメモリセルのデータが、“11”、“10”,“01”の場合には、Vcgr00により、この選択されたメモリセルは、オン状態になるため、ビット線BLeの電荷が放電され、ビット線BLeの電位は、0.3V以下に低下する(選択ブロック内の非選択のメモリセルは、Vreadにより、オン状態である。)。
【0278】
これに対して、選択されたメモリセルのデータが、“00”の場合には、Vcgr00によっては、この選択されたメモリセルは、オン状態にならないため、ビット線BLeの電荷が放電されることはなく、ビット線BLeは、プリチャージ電位(約0.8V)を維持する。
【0279】
時刻SCLK10におけるセンスノードのデータは、表1中の“READ00:BL放電後”の通りである。
【0280】
その後、時刻SCLK11に、REG2がVsgになり、“10”の場合には、CAP2ijが“H”なので、センスノードはCOMiからVddに充電され、“H”になる。このとき、図5のCOMHnはVss、COMVssもVssになる。
【0281】
この後、“READ01”動作と同様に、ビット線BLeの電位がセンスされ、かつ、ラッチ回路LATCHにラッチされる。ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijに保持されるデータは、表1中の“READ00:センスノード放電後”の通りである。
【0282】
つまり、奇数ページデータが“1”のメモリセルでは、ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijの電位は、Vssとなり、奇数ページデータが“0”のメモリセルでは、ラッチ回路LATCHの出力ノードNaijの電位は、Vddとなる。
【0283】
この後、CSLiを“H”にすることにより、ラッチ回路LATCHのデータ(奇数ページデータ)を、I/O線(IOj,nIOj)に出力し、かつ、メモリチップの外部に出力する。
【0284】
2. 書き込み動作(Program operation)
書き込み動作は、図14及び図15においてその概要を説明したように、2回の書き込み動作、即ち、偶数ページデータの書き込み動作と奇数ページデータの書き込み動作とからなる。
【0285】
2.−1. 偶数ページデータの書き込み動作
まず、偶数ページデータの書き込み動作の概要(動作の流れ)について説明し、その後、具体的な回路動作(動作タイミング)について説明する。
【0286】
図19は、偶数ページデータの書き込み動作の概要を示している。まず、例えば“80(16進数)”コマンドがチップ内に入力される。この後、アドレス信号がチップ内に入力され、引き続いて、偶数ページの書き込みデータがチップ内に入力される。この書き込みデータは、チップ外部からチップ内部のI/O線IOj,nIOjを経由して、データ回路内のラッチ回路LATCH(図2)に入力される(ステップST1〜ST2)。
【0287】
次に、例えば“10(16進数)”コマンドがチップ内に入力される。すると、書き込みパルスがメモリセルのワード線に印加される(ステップST3〜ST4)。
【0288】
ここで、本例では、書き込み時間の短縮(書き込みの高速化)のため、n回目の書き込みパルスの印加(ステップST4)と同時に、n−1回目の書き込みパルスの印加により“01”書き込みが十分に行われたか否かの検出を行うシーケンス(並列処理)を採用している(ステップST5)。
【0289】
但し、以下に示すように、書き込み時間の短縮(書き込みの高速化)を達成する他の手段として、本例では、書き込み電位(書き込みパルスの大きさ)を次第に上昇させていくと共に、書き込み動作の当初においては“01”ベリファイリードを行わないようなシーケンスを採用する。
【0290】
従って、本例では、“01”ベリファイリードを行っていない場合は、書き込みが十分に行われたか否かの検出(ステップST5)も行わない。
【0291】
書き込みパルスをワード線に印加する数が所定回数(例えば9回)以下の場合には、“01”ベリファイリードを省略し、書き込みパルスを続けて印加する(ステップST6)。書き込み動作の当初においてベリファイリードを省略することにより、書き込みの高速化を図ることができるためである。
【0292】
なお、“01”ベリファイリード(VERIFY01)とは、“01”書き込みを行うメモリセルに対して、きちんとデータ“01”が書き込まれたか否かを検証するベリファイにおいて、その検証を行うために、ベリファイ読み出し電位Vcgv01(図13)で、メモリセルのデータを読み出すことをいう。
【0293】
本例では、書き込み電位(書き込みパルスのレベル)を初期値に設定して書き込みパルスの印加を開始し、この後、書き込みパルスを印加する毎に、ワード線に印加する書き込み電位を、所定値(例えば約0.2V)ずつ、次第に上昇させていく。
【0294】
例えば書き込み電位を約0.2Vずつ上昇させることにより、理想的には、“10”書き込み状態のメモリセルの閾値電圧分布の幅を、0.2V程度にすることができる。実際の動作では、ベリファイリードで生じるいわゆるアレイ・ノイズによって、“01”書き込み状態のメモリセルの閾値電圧分布の幅は、0.4V程度になる。
【0295】
なお、図13では、書き込み状態(“10”、“01”、“00”)のメモリセルの閾値電圧分布の幅は、0.4V程度であることを前提としている。
【0296】
書き込み動作の開始から例えば9回の書き込みパルスが印加されるまでの期間においては、書き込み電位は、十分に低く設定されており、“01”書き込みを行うメモリセルに対する過剰の書き込み(閾値電圧がVcgr01を超えるような書き込み)が行われることがない。
【0297】
このように、当初は、低い書き込み電位を有するパルスをワード線に印加し、パルスが印加される毎に、次第に、書き込み電位を上昇させていくようにしたのは、フローティングゲート電極に少しずつ電子を注入し、最終的に、所定量の電子をフローティングゲート電極に蓄積するためである。
【0298】
この場合、例えば1回の書き込みパルスで所定量の電子を一度にフローティングゲート電極に注入する場合に比べ、1回の書き込みパルスによりメモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界が低くなるため、トンネル酸化膜の信頼性が向上する。
【0299】
また、書き込み電位(書き込みパルスのレベル)は、低い値から高い値に次第に上昇させる。つまり、書き込み電位を次第に上昇させる場合は、当初の書き込み電位を高い値に設定してこの書き込み電位を次第に下降させる場合に比べて、経験的に、メモリセルの閾値電圧分布の幅を狭くできるからである。
【0300】
ワード線に対する書き込みパルスの印加回数が例えば10回以上の場合には、“01”書き込みを行うメモリセルに対して、データ“01”がきちんと書き込まれたか否かを検証するために、書き込みパルスをワード線に印加した後に、“01”ベリファイリードが行われる(ステップST6〜ST7)。
【0301】
また、“01”ベリファイリードによりメモリセルから読み出されたデータは、“01”書き込みが十分に行われたか否かを示すデータであり、このデータは、データ回路内のラッチ回路LATCHに記憶される。
【0302】
この後、次の書き込みパルスをワード線に印加する動作(ステップST4)に並列して、ラッチ回路LATCHのデータに基づき、直前の書き込みパルスにより“01”書き込みが十分に行われたか否かを検証する動作(Program completion detection)が実行される(ステップST5)。
【0303】
具体的には、偶数ページデータの書き込み動作では、図14に示すように、“11”書き込みと“01”書き込みが存在する。“11”書き込みとは、消去状態(“11”)を維持することを意味し、“01”書き込みは、書き込みパルスにより、閾値電圧を上昇させ、“11”状態を“01”状態にすることを意味する。
【0304】
全ての選択されたメモリセル(カラム)に対して所定のデータ“11”、“01”が十分に書き込まれた場合(実際には、“01”書き込みの対象となるメモリセルに十分にデータ“01”が書き込まれた場合)には、偶数ページデータの書き込み動作が終了する。
【0305】
少なくとも1つの選択されたメモリセル(カラム)に対して所定のデータ“11”、“01”が十分に書き込まれていない場合(実際には、“01”書き込みの対象となるメモリセルの全てに十分にデータ“01”が書き込まれていない場合)には、引き続き、“01”ベリファイリード及び書き込みパルスの印加が行われる。
【0306】
なお、一般的には、書き込み十分のメモリセルに対しては、以後、トンネル酸化膜に高電界を印加しないようにし、書き込み不十分のメモリセルに対してのみ、続けて、トンネル酸化膜に高電界を印加(再書き込み)するようにし、書き込み特性の良好なメモリセルに対して過剰な書き込みを防止する。
【0307】
ところで、本例では、書き込みの十分/不十分を検出する動作(Program completion detection)を、書き込みパルスをワード線に印加する動作と並列して行っているが、例えばProgram completion detectionを、“01”ベリファイリードの直後に行い、その後、Program completion detectionの結果が不十分の場合に、再度、書き込みパルスの印加を行うようにしてもよい。
【0308】
偶数ページデータの書き込み動作の概要については、以上の通りである。
【0309】
上述したように、偶数ページデータの書き込み動作は、書き込みパルス印加、“01”ベリファイリード(VERIFY01)及びProgram completion detection(書き込みが十分に行われたか否かの検出)からなる。
【0310】
以下では、これら3つの動作について順次詳細に説明する。
2.−1.−1. 書き込みパルス印加
図20は、書き込みパルス印加に関する動作タイミングを示している。データ回路(カラム)側では、まず、“01”書き込みを行う場合(偶数ページデータ“0”をメモリセルに書き込む場合)には、書き込みデータをチップ外部からラッチ回路LATCH(図2)に入力し、ラッチ回路LATCHのノードNaijに“L”をラッチする。
【0311】
また、“11”書き込みを行う場合(偶数ページデータ“1”をメモリセルに書き込む場合)には、書き込みデータをチップ外部からラッチ回路LATCH(図2)に入力し、ラッチ回路LATCHのノードNaijに“H”をラッチする。
【0312】
一方、ワード線制御回路(ロウ)側では、まず、ロウアドレスデコーダ(図9、図11)において、RDECPBが“L”に設定される。この時、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)は、共に、“L(Vss)”であり、全てのメモリセルブロックは、非選択状態となっている。
【0313】
この後、RDECPBが“L”から“H”に変化する。この時、MOSトランジスタTP4がオフ状態、MOSトランジスタTN21がオン状態になる(図9、図11)。
【0314】
また、選択されたメモリセルブロックでは、全てのロウアドレス信号AROWi,…AROWjが“H”になり、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)が、共に、“H”になる。非選択のメモリセルブロックでは、ロウアドレス信号AROWi,…AROWjの少なくとも1つが“L”であるため、RDECAD(図9)及びRDECADS1(図11)は、“L”を維持する。
【0315】
選択されたメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、入力信号RDECAD,RDECADS1が“H”となるため、オシレーション信号(クロック信号)Owcにより、高電圧スイッチ回路(NMOSチャージポンプ回路)26が動作する。
【0316】
従って、選択されたメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、高電圧スイッチ回路26の出力ノードに、電位VRDECに基づいて生成された昇圧電位VpgmH(書き込み電位Vpgmよりも2V程度高い電位)が転送される。
【0317】
例えば第1メモリセルブロック内のワード線ドライバRMAIN1(図10)が選択された場合には、出力ノードTransferG1に、電位VpgmH(例えば約18〜22V)が転送され、第2メモリセルブロック内のワード線ドライバRMAIN2(図12)が選択された場合には、出力ノードTransferG2に、電位VpgmHが転送される。
【0318】
その結果、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16のゲートは、十分に高い電位となり、信号線CG1,CG2,…CG16の電位は、いわゆる閾値落ちなしに、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16を経由して、ワード線(コントロールゲート線)WL1,WL2,…WL16に転送される。
【0319】
また、信号線SGD,SGSの電位も、転送用トランジスタHN5,HN6を経由して、セレクトゲート線SG1,SG2に転送される。
【0320】
ここで、信号線CG1,CG2,…CG16のうち、選択された1本の信号線の電位は、切替回路(図1)により、Vpgm(例えば約16〜20V)に設定され、残りの非選択の信号線の電位は、切替回路(図1)により、Vpass(例えば約10V)に設定される。
【0321】
また、信号線SGDの電位は、Vddに設定され、SGSの電位は、Vssに設定される。
【0322】
一方、非選択のメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10、図12)では、高電圧スイッチ回路26の出力ノードTransferG1,TransferG2に、電位RDECAD,RDECADS2が転送される。
【0323】
つまり、非選択のメモリセルブロック内のワード線ドライバ(図10,図12)では、出力ノードTransferG1,TransferG2は、共に、接地電位Vssになる。
【0324】
その結果、転送用トランジスタHNt1,HNt2,…HNt16は、オフ状態となり、ワード線(コントロールゲート線)WL1,WL2,…WL16は、フローティング状態になる。セレクトゲート線SG1,SG2は、信号線SGS,SGDにより接地される。
【0325】
図20の動作タイミングについて詳細に説明する。なお、本例では、ビット線BLeに接続されるメモリセルが選択されるものとして説明する。
【0326】
ロウ側(ワード線制御回路側)では、まず、時刻PLCK1に、BSTONが“H”になる。この時、選択されたメモリセルブロックでは、ワード線ドライバ内の高電圧スイッチ回路の出力ノード(TransferG1又はTransferG2)に、Vdd(RDECAD又はRDECADS2)が転送される。
【0327】
また、時刻PCLK3に、BSTONが“L”になり、時刻PCLK4に、VRDECがVpgmHになるため、選択されたメモリセルブロックでは、ワード線ドライバ内の高電圧スイッチ回路の出力ノード(TransferG1又はTransferG2)の電位が、VpgmHに上昇する。
【0328】
一方、カラム側(データ回路側)では、時刻PCLK1に、BLC及びBLCLMPが、それぞれVsg(例えば約6V)となり、時刻PCLK4に、BLSeが、VsgHHとなる。その結果、ラッチ回路LATCHとビット線BLeが電気的に接続され、ラッチ回路LATCHのデータがビット線BLeに転送される。
【0329】
例えば“01”書き込みを行うメモリセルが接続されるビット線(選択ビット線)BLeには、ラッチ回路LATCHからVssが転送される(ラッチ回路のノードNaijは、Vss)。また、“11”書き込みを行う(消去状態を維持する)メモリセルが接続されるビット線(選択ビット線)BLeには、ラッチ回路LATCHからVddが転送される(ラッチ回路のノードNaijは、Vdd)。
【0330】
なお、非選択ビット線BLoの電位は、Vddに設定される。即ち、BLSoは、常にVssに設定され、時刻PLCK4に、BIASoがVsgHHとなり、BLCRLがVddとなるため、BLCRLからビット線BLoにVddが転送される。
【0331】
そして、ビット線BLe,BLoの充電が終了した後、時刻PCLK5に、非選択のワード線CG unselectが、Vpass(例えば約10V)に設定される。また、時刻PCLK6には、選択されたワード線CG selectが、Vpgmm(例えば16〜20V程度)に設定される。
【0332】
“10”書き込みを行うメモリセルが接続される選択ビット線BLeは、Vssであるため、そのメモリセルのチャネル電位も、Vssである。従って、“10”書き込みを行うメモリセルでは、チャネルとコントロールゲート電極(選択されたワード線)との間に高電界がかかり、チャネルからフローティングゲート電極に電子が注入される。
【0333】
“11”書き込みを行うメモリセルが接続される非選択ビット線BLeは、Vddであり、セレクトゲート線SG1も、Vddである。つまり、“11”書き込みを行うメモリセルとビット線との間に接続されるセレクトトランジスタは、カットオフする。
【0334】
従って、非選択のワード線の電位がVpassになり、選択されたワード線の電位がVpgmになると、“11”書き込みを行うメモリセルのチャネルとワード線の間の容量カップリングにより、“11”書き込みを行うメモリセルのチャネル電位は、8V程度まで上昇する。
【0335】
その結果、“11”書き込みを行うメモリセルでは、チャネルとコントロールゲート電極(選択されたワード線)との間に高電界が印加されず、チャネルからフローティングゲート電極に電子が注入されない(“01”書き込みが禁止される。即ち、消去状態を維持する)。
【0336】
ところで、ビット線BLoの電位は、Vddである。従って、セレクトゲート線SG1がVddになると、ビット線BLoに接続されるセレクトトランジスタは、カットオフする。つまり、ビット線BLoに接続される非選択のメモリセルでは、チャネル電位が上昇し、“01”書き込みが禁止される。
【0337】
なお、時刻PCLK6から時刻CCLK10/PRCV1までの期間で、書き込みパルスは、選択されたワード線に印加される。
【0338】
そして、時刻PRCV1に、選択されたワード線の電荷を放電し、選択されたワード線の電位をVpgmからVssにする。また、時刻PRCV2に、非選択のワード線の電荷を放電し、非選択のワード線を、転送電位VpassからVssにする。さらに、時刻PRCV3に、ビット線BLe,BLoの電荷を放電する。
【0339】
2.−1.−2. “VERIFY01”
図21は、“01”ベリファイリードの動作タイミングを示している。“01”ベリファイリード(VERIFY01)では、ビット線をプリチャージした後、選択されたワード線をVcgv01(例えば約1.75V)にし、ビット線の電位変化を検出し、メモリセルのデータを読み出す。
【0340】
ここで、ラッチ回路LATCH(図2)には、既に、書き込みデータがラッチされているため、ベリファイリードでは、読み出しデータが書き込みデータと衝突しないようにしなければならない。
【0341】
そこで、ビット線に対するプリチャージや、放電(セルデータの読み出し)を行っている間に、ラッチ回路LATCHに記憶された書き込みデータを、ノードCAP2ijに転送し、かつ、一時記憶する。
【0342】
具体的には、以下のようになる。
まず、時刻RCLK1に、CAPCRG及びVREGを、それぞれVddに設定し、時刻RCLK4に、BOOTをVssに設定する。時刻RCLK5に、VREGがVssになると、ノードCAP2ijは、Vssにリセットされる。なお、この間、DTG2は、Vssになっている。
【0343】
時刻RCLK9/SCLK1に、CAPCRGがVssになり、ノードCAP2ijは、フローティング状態になる。この後、時刻SCLK2に、DTG2がVsg(例えば約4.5V)になり、ラッチ回路LATCHにラッチされた書き込みデータは、MOSトランジスタTN2を経由して、ノードCAP2ijに転送され、かつ、一時記憶される。
【0344】
即ち、偶数ページの書き込みデータが“0”の場合(“01”書き込みを行う場合)には、ラッチ回路LATCHのノードNaijが“L”であるため、ノードCAP2ijは、Vssになる。
【0345】
また、偶数ページの書き込みデータが“1”の場合(“11”書き込みを行う場合)には、ラッチ回路LATCHのノードNaijが“H”であるため、ノードCAP2ijは、Vddになる。
【0346】
この後、時刻SCLK3に、DTG2がVddになり、時刻SCLK4に、BOOTがVddになる。
【0347】
この時、偶数ページの書き込みデータが“0”の場合(“01”書き込みを行う場合)には、ノードCAP2ijは、Vssのままとなる。また、偶数ページの書き込みデータが“1”の場合(“11”書き込みを行う場合)には、ノードCAP2ijの電位は、キャパシタDLN(C2)によりブートされるため、Vdd(例えば約2.3V)から3.5V程度に上昇する。
【0348】
この後、時刻SCLK5に、DTG2がVssになり、ノードCAP2ijは、ラッチ回路LATCHから電気的に切り離される。
【0349】
一方、メモリセルのデータは、通常の読み出し動作(READ01)と同様にして、ビット線BLeに読み出される。
【0350】
即ち、ビット線BLeのプリチャージなどを行った後、時刻RCLK7に、SGSがVreadとなり、メモリセルのデータに応じて、ビット線BLeの電位が変化する。
【0351】
例えば“11”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“1”の選択メモリセル)では、Vcgv01により、その選択メモリセルがオン状態になるため、ビット線BLeの電荷が放電され、ビット線BLeは、0.3V以下の電位となる。
【0352】
また、“01”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“0”の選択メモリセル)において、“01”書き込み不十分の場合には、Vcgv01により、その選択メモリセルがオン状態になるため、ビット線BLeの電荷が放電され、ビット線BLeは、0.3V以下の電位となる。
【0353】
また、“01”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“0”の選択メモリセル)において、“01”書き込み十分の場合には、Vcgv01により、その選択メモリセルはオフ状態になるため、ビット線BLeの電荷は放電されず、ビット線BLeは、0.8Vを維持する。
【0354】
この後、時刻SCLK6に、SEN及びLATが共に“L”、SENB及びLATBが共に“H”になり、データ回路内のラッチ回路LATCH、即ち、クロックドインバータCINV1,CINV2が非動作状態となる。
【0355】
なお、この時、書き込みデータは、既に、ノードCAP2ijに転送され、かつ、時刻SCLK5の時点で、ノードCAP2ijは、ラッチ回路LATCHから電気的に切断されている。
【0356】
時刻SCLK7に、BLCがVsg(例えば約4.5V)、nPRSTが“L”になることで、センスノード(DTNij)が充電され、センスノードは、Vddになる(Naijも、Vddとなる。)。また、時刻SCLK8に、nPRSTがVddになると、センスノード(DTNij)は、フローティング状態となる。
【0357】
時刻SCLK9に、BLCLMPがVsense(例えば約1.6V)になると、ビット線BLeに読み出されたメモリセルのデータは、センスノード(DTNij)に転送される。
【0358】
即ち、“11”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“1”の選択メモリセル)と、“01”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“0”の選択メモリセル)のうち書き込みが不十分であるメモリセルに関しては、ビット線BLeは、0.3V以下の電位となっているため、センスノード(DTNij)も、0.3V以下の電位に低下する。
【0359】
“01”書き込みを行う選択メモリセル(偶数ページの書き込みデータが“0”の選択メモリセル)のうち書き込みが十分に行われたメモリセルに関しては、ビット線BLeの電位は、0.8Vを維持しているため、クランプ用のMOSトランジスタTN9がカットオフし、センスノード(DTNij)は、Vddを維持する。
【0360】
時刻SCLK10において、センスノード(DTNij)の電位は、表2中の“Verify01:BL放電後”に示す通りとなる。
【0361】
【表2】
【0362】
この後、通常の読み出し動作(READ01)と異なり、“01”ベリファイリードでは、時刻SCLK11に、REG2がVsgとなり、MOSトランジスタTN6がオン状態となる。
【0363】
“11”書き込みを行う場合(偶数ページの書き込みデータが“1”の場合)には、ノードCAP2ijには、“H”がラッチされているため、MOSトランジスタTN1は、オン状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)が短絡し、その結果、センスノード(DTNij)は、Vddとなる。
【0364】
“01”書き込みを行う場合(偶数ページの書き込みデータが“0”の場合)には、ノードCAP2ijには、“L”がラッチされているため、MOSトランジスタTN1は、オフ状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)は電気的に切り離されているため、センスノード(DTNij)の電位の変化はない。
【0365】
従って、時刻SCLK12におけるセンスノード(DTNij)の電位は、表2中の“Verify01:センスノード充電後”に示す通りとなる。
【0366】
この後、時刻SCLK13に、SENがVdd、SENBがVssとなり、クロックドインバータCINV1が動作状態となり、センスノード(DTNij)の電位をセンスする。
【0367】
表2中に示すように、“11”書き込みの場合及び“01”書き込み十分の場合には、センスノード(DTNij)は、それぞれ“H”であるため、クロックドインバータCINV1の出力ノードNbijは、Vssになる。また、“01”書き込み不十分の場合には、センスノード(DTNij)は、“L”であるため、クロックドインバータCINV1の出力ノードNbijは、Vddになる。
【0368】
この後、時刻SCLK14に、LATがVdd、LATBがVssになり、読み出しデータがラッチ回路LATCHにラッチされる。
【0369】
つまり、“11”書き込みの場合及び“01”書き込み十分の場合には、ノードNaijは、Vddとなり、ノードNbijは、Vssとなる。“01”書き込み不十分の場合には、ノードNaijは、Vssとなり、ノードNbijは、Vddとなる。
【0370】
“01”ベリファイリードを終了した時点におけるラッチ回路LATCHのデータは、表2中の“再書込みデータ”に示す通りとなる。
【0371】
なお、このラッチ回路LATCHのデータが、新規の書き込みデータ(偶数ページデータ)として、以後、使用される。つまり、“VERIFY01”において、ノードCAP2ijにラッチされたデータは、後述するProgram completion
detectionにおいて消えてしまう。
【0372】
このようにすることで、書き込みデータ(偶数ページデータ)が“0”(即ち、“L”)のときに、書き込み(“01”書き込み)を実行すると共に、書き込み十分になると、書き込みデータを“0”(“L”)から“1”(“H”)に変化させ、それ以降は、書き込み(“01”書き込み)が行われないようにしている。
【0373】
ところで、上述の“01”ベリファイリードにおいて、時刻SCLK4に、BOOTを、VssからVddにして、“11”書き込みの場合のノードCAP2ijの電位を4V程度までブートしている理由は、時刻SCLK11に、REG2をVsgにしたときに、センスノード(DTNij)を、NチャネルMOSトランジスタTN1の閾値電圧分の閾値落ちなしに、Vddに設定するためである。
【0374】
仮に、“11”書き込みの場合のノードCAP2ijの電位がVdd(例えば約2.3V)であるとすると、時刻SCLK11に、センスノード(DTNij)は、1.5V程度までしか上昇しない。
【0375】
論理動作上は、センスノードの1.5Vを“H”と認識できると考えられるが、この場合、センス時(SCLK13)に、クロックドインバータCINV1において貫通電流が流れる欠点がある。データ回路は、チップ内に、4000個或いは8000個或いは16000個あるので、全てのデータ回路のクロックドインバータCINV1に貫通電流が流れるとすると、チップ合計では、100mA程度の大電流になってしまう。
【0376】
その結果、チップ内電源電位Vddが降下したり、消費電流が大幅に増加するなどという問題が生じる。
【0377】
本例のように、“11”書き込みの場合のノードCAP2ijの電位を4V程度までブートしておけば、MOSトランジスタTN1における閾値落ちなしに、センスノード(DTNij)を充電でき、上述のような電源電位Vddの降下や消費電流の増大を防ぐことができる。
【0378】
以上の“01”ベリファイリード時の動作をまとめると、次のようになる。
【0379】
即ち、ラッチ回路LATCHにラッチされた書き込みデータがDRAMセルに転送された後、読み出しデータがセンスノード(DTNij)に転送される。
【0380】
この時、DRAMセルにラッチされたデータが“H”、即ち、“11”書き込み又は“01”書き込み十分を示していると、読み出しデータにかかわらず、センスノード(DTNij)は、“H”となる。
【0381】
つまり、DRAMセルにラッチされたデータが“L”、即ち、“01”書き込み不十分を示しているときのみ、メモリセルの状態に応じたデータがセンスノード(DTNij)に転送される。
【0382】
例えばメモリセルの状態が“01”状態に達していない場合(“01”不十分の場合)には、センスノード(DTNij)は、“L”となり、メモリセルの状態が“01”状態に達っした場合(“01”十分の場合)には、センスノード(DTNij)は、“H”となる。
【0383】
そして、センスノード(DTNij)のデータは、ラッチ回路LATCHにラッチされる。
【0384】
なお、以後は、ラッチ回路LATCHにラッチされたデータに基づいて、次の書き込みパルスの印加及び次の“01”ベリファイリードが行われる。
【0385】
2.−1.−3. “ Program completion detection ”
“VERIFY01”の後、“01”書き込みを行うメモリセルの全てに対して、きちんと“01”書き込みが行われたか否かを検出する“ Program completion detection "動作が行われる。この検出は、“VERIFY01”によってラッチ回路LATCHにラッチされたデータ(表5参照)に基づいて行われる。そして、“01”書き込みが十分でない場合には、再書き込み(書き込みパルスの印加)が実行され、“01”書き込みが十分な場合は、書き込み(書き込みパルスの印加)を終了する。
【0386】
図22は、“ Program completion detection ”の動作タイミングを示している。この“ Program completion detection ”では、図5の一括検知回路が使用される。
【0387】
なお、“VERIFY01”を終了した後に、次の“書き込みパルスの印加”が直ちに行われ、“ Program completion detection ”は、この“書き込みパルスの印加”に並列して実行される。
【0388】
従って、時刻PCLK7/CCLK1は、図22中における時刻PCLK7/CCLK1と同じである。
【0389】
また、偶数ページデータの書き込み動作における“ Program completion detection ”では、時刻CCLK5が時刻CCLK9となる。つまり、時刻CCLK5までの動作が実行され、時刻CCLK5から時刻CCLK9までの動作は省略される。
【0390】
なお、時刻CCLK5から時刻CCLK9までの動作は、後述する奇数ページデータの書き込み動作における“ Program completion detection ”において実行される。
【0391】
まず、時刻CCLK1に、CAPCRGがVsg、VREGがVddになり、ノードCAP2ijが充電され、ノードCAP2ijの電位は、Vddになる(DTG2はVss)。
【0392】
この時、“VERIFY01”において、ノードCAP2ijにラッチされたデータ(偶数ページデータ)は、消滅してしまう。しかし、“VERIFY01”において、既に、新たな書き込みデータがラッチ回路LATCHにラッチされているため、書き込みデータが完全に消えることはない。
【0393】
つまり、書き込みデータ(偶数ページデータ)が“0”(即ち、“L”)のときに、書き込み(“01”書き込み)が実行されるが、書き込み十分になると、書き込みデータは、“0”から“1”に変化し、それ以降は、書き込み(“01”書き込み)が行われないようにしている。
【0394】
この後、時刻CCLK2(DCLK1)に、COMHn(図5)がVssからVdd、NCOML(図5)がVddからVssになると、COMi1及びCOMi2は、それぞれVdd、かつ、フローティング状態になり、NCOMは、Vss、かつ、フローティング状態になる。
【0395】
時刻DCLK2に、例えばREG2−0がVddになる。この時、図5において、第1及び第5のデータ回路が選択され、第1のデータ回路内のREG2と第5のデータ回路内のREG2がそれぞれVddになる。
【0396】
第1及び第5のデータ回路の双方において、ラッチ回路LATCHのノードNaijのデータがVddの場合(表5参照)、即ち、“11”書き込み(書き込み非選択)又は“01”書き込み十分の場合には、センスノードDTNijは、Vddを維持しているため、MOSトランジスタTN6(図2)はオフ状態となり、COMi1及びCOMi2は、Vddを保つ。従って、NCOMは、Vssを維持する。
【0397】
一方、第1及び第5のデータ回路の少なくとも一方において、ラッチ回路LATCHのノードNaijのデータがVssの場合(表5参照)、即ち、“01”書き込み不十分の場合には、センスノードDTNijは、Vssを維持しているため、MOSトランジスタTN6(図2)はオン状態となり、COMi1又はCOMi2は、VddからVssに変化する。従って、NCOMは、VssからVddに変化する。
【0398】
同様にして、順次、REG2−1,REG2−2,REG2−3がVddになる。つまり、REG2−1がVddのとき、第2及び第6のデータ回路が選択され、REG2−2がVddのとき、第3及び第7のデータ回路が選択され、REG2−3がVddのとき、第4及び第8のデータ回路が選択され、それぞれのデータ回路において、ラッチ回路LATCHの状態、即ち、“01”書き込みの十分/不十分が検出される。
【0399】
その結果、第1乃至第8のデータ回路の全てから“11”書き込み(書き込み非選択)又は“01”書き込み十分を示すデータが出力されると、時刻CCLK3の時点において、NCOMは、Vssになる。また、第1乃至第8のデータ回路の少なくとも1個から“10”書き込み不十分を示すデータが出力されると、時刻CCLK3の時点において、NCOMは、Vddになる。
【0400】
また、FLAGノード(図5)には、全てのカラムが並列に接続されている。従って、予めFLAGノードを、Vddかつフローティング状態に設定しておき、この後、時刻CCLK3に、COLPREをVddに設定し、MOSトランジスタTN17(図5)をオン状態にする。
【0401】
この時、全てのカラムに対応する全てのデータ回路から“11”書き込み(書き込み非選択)又は“01”書き込み十分を示すデータが出力されている場合、NCOMは、Vssであるため、MOSトランジスタTN16(図5)は、オフ状態となる。従って、FLAGノードは、Vddを維持する。
【0402】
また、全てのカラムに対応する全てのデータ回路の少なくとも1個から“01”書き込み不十分を示すデータが出力されている場合、NCOMは、Vddになるため、MOSトランジスタTN16(図5)は、オン状態となる。従って、FLAGノードは、VddからVssに変化する。
【0403】
このように、全てのカラムにおいて、“01”書き込み不十分なメモリセルが存在しない場合のみに、FLAGノードは、Vddを保ち、少なくとも1つのカラムにおいて、“01”書き込み不十分なメモリセルが存在する場合には、FLAGノードは、Vssになる。
【0404】
従って、このFLAGノードのレベルを検出し、FLAGノードがVddの場合、即ち、“01”書き込み不十分のカラム(メモリセル)が存在しない場合には、偶数ページデータの書き込みルーチンを終了する。また、FLAGノードがVssの場合、即ち、“01”書き込み不十分のカラム(メモリセル)が少なくとも1個存在する場合には、再び、“01”ベリファイリードを行い、この後、書き込みパルスの印加に並列してProgram completion detectionを行う。
【0405】
なお、不良セルが存在するために、リダンダンシイ回路によりスペアセルに置き換えられた不良カラム(置き換えの単位は8カラムとする)では、図5の一括検知回路10のヒューズ素子が切断される。従って、この不良カラムのために、FLAGノードがVssになることはない。
【0406】
2.−2. 奇数ページデータの書き込み動作
まず、奇数ページデータの書き込み動作の概要(動作の流れ)について説明し、その後、具体的な回路動作(動作タイミング)について説明する。
【0407】
図23は、奇数ページデータの書き込み動作の概要を示している。奇数ページデータの書き込みを行う前において、既に、上述したような偶数ページデータの書き込みが完了しているため、メモリセルの状態は、“11”状態又は“01”状態にある。
【0408】
まず、例えば“80(16進数)”コマンドがチップ内に入力される。この後、アドレス信号がチップ内に入力され、引き続いて、奇数ページの書き込みデータがチップ内に入力される。この書き込みデータは、チップ外部からチップ内部のI/O線IOj,nIOjを経由して、データ回路内のラッチ回路LATCH(図2)に入力される(ステップST1〜ST2)。
【0409】
次に、例えば“10(16進数)”コマンドがチップ内に入力される。すると、まず、メモリセルに記憶された偶数ページデータが読み出される(Internal Data Load)。この後、チップ外部から入力した奇数ページデータ(書き込みデータ)と前記したようにメモリセルから読み出した偶数ページデータに基づいて、書き込みパルスの印加が実行される(ステップST3〜ST5)。
【0410】
ここで、本例では、書き込み時間の短縮(書き込みの高速化)のため、n回目の書き込みパルスの印加(ステップST5)と同時に、n−1回目の書き込みパルスの印加により、“10”書き込み及び“00”書き込みが十分に行われたか否かの検出を行うシーケンス(並列処理)を採用している(ステップST5〜ST7)。
【0411】
但し、以下に示すように、書き込み時間の短縮(書き込みの高速化)を達成する他の手段として、本例では、書き込み電位(書き込みパルスの大きさ)を次第に上昇させていくと共に、書き込み動作の当初においては、“10”ベリファイリード及び“00”ベリファイリードをそれぞれ行わないようなシーケンスを採用する。
【0412】
従って、本例では“10”ベリファイリードを行っていない場合には、“10”書き込みが十分に行われたか否かの検出も行われない。また、“00”ベリファイリードを行っていない場合には、“00”書き込みが十分に行われたか否かの検出も行われない。
【0413】
なお、“10”ベリファイリード(VERIFY10)とは、“10”書き込みを行うメモリセルに対して、きちんとデータ“10”が書き込まれたか否かを検証するベリファイにおいて、その検証を行うために、ベリファイ読み出し電位Vcgv10(図13)で、メモリセルのデータを読み出すことをいう。
【0414】
また、“00”ベリファイリード(VERIFY00)とは、“00”書き込みを行うメモリセルに対して、きちんとデータ“00”が書き込まれたか否かを検証するベリファイにおいて、その検証を行うために、ベリファイ読み出し電位Vcgv00(図13)で、メモリセルのデータを読み出すことをいう。
【0415】
書き込みパルスをワード線に印加する数が第1の所定回数(例えば9回)以下の場合には、“10”ベリファイリードを省略し、書き込みパルスを続けて印加する(ステップST10)。書き込みパルスをワード線に印加する数が第2の所定回数(例えば13回)以下の場合には、“00”ベリファイリードを省略する(ステップST8A,8B)。
【0416】
“00”ベリファイリードを省略する回数が“10”ベリファイリードを省略する回数よりも多いのは、“00”状態の方が閾値電圧が高く、書き込み難いからである。ベリファイリードを省略することにより書き込み全体を高速化することができる。
【0417】
本例では、書き込み電位(書き込みパルスのレベル)を初期値に設定して書き込みパルスの印加を開始し、この後、書き込みパルスを印加する毎に、ワード線に印加する書き込み電位を、所定値(例えば約0.2V)ずつ、次第に上昇させていく。
【0418】
例えば書き込み電位を約0.2Vずつ上昇させることにより、理想的には、“00”書き込み状態のメモリセル及び“10”書き込み状態のメモリセルの閾値電圧分布の幅を、0.2V程度にすることができる。実際の動作では、ベリファイリードで生じるいわゆるアレイ・ノイズによって、“10”書き込み状態のメモリセル及び“00”書き込み状態のメモリセルの閾値電圧分布の幅は、0.4V程度になる。
【0419】
書き込み動作の開始から例えば9回の書き込みパルスが印加されるまでの期間(ベリファイリードを省略している間)においては、書き込みパルスの電圧は十分低く、“10”書き込みを完全に行うには十分に低い値に設定されている。また、書き込み動作の開始から例えば13回の書き込みパルスが印加されるまでの期間においては、書き込み電位は、“00”書き込みを完全に行うには十分に低い値に設定されている。
【0420】
従って、“10”書き込みを行うメモリセルや“00”書き込みを行うメモリセルに対して、過剰な書き込み(閾値電圧がVcgr00を超えるような書き込みが行われることがない。
【0421】
このように、書き込みの当初においてベリファイリードを省略するのは、上述したような書き込み電位を徐々に上げていく手法では、書き込み当初においてメモリセルに所定のデータが十分に書き込まれている可能性はほとんどないため、ベリファイリードを行うよりも、これを省略して、書き込み速度の高速化を図る方が有利だからである。
【0422】
また、書き込みの当初は、低い書き込み電位を有するパルスをワード線に印加し、パルスが印加される毎に、次第に、書き込み電位を上昇させていくようにしたのは、フローティングゲート電極に少しずつ電子を注入し、最終的に、所定量の電子をフローティングゲート電極に蓄積するためである。
【0423】
この場合、例えば1回の書き込みパルスで所定量の電子を一度にフローティングゲート電極に注入する場合に比べ、1回の書き込みパルスによりメモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界が低くなるため、トンネル酸化膜の信頼性が向上する。
【0424】
また、書き込み電位(書き込みパルスのレベル)は、低い値から高い値に次第に上昇させる。つまり、書き込み電位を次第に上昇させる場合は、当初の書き込み電位を高い値に設定してこの書き込み電位を次第に下降させる場合に比べて、経験的に、メモリセルの閾値電圧分布の幅を狭くできるからである。
【0425】
ワード線に対する書き込みパルスの印加回数が例えば10回以上の場合には、“10”書き込みを行うメモリセルに対して、データ“10”がきちんと書き込まれたか否かを検証するために、書き込みパルスをワード線に印加した後に、“10”ベリファイリードが行われる(ステップST10〜ST11)。
【0426】
また、ワード線に対する書き込みパルスの印加回数が例えば14回以上の場合には、“00”書き込みを行うメモリセルに対して、データ“00”がきちんと書き込まれたか否かを検証するために、書き込みパルスをワード線に印加した後に、“00”ベリファイリードが行われる(ステップST8A〜ST9A,ST8B〜ST9B)。
【0427】
“10”ベリファイリードによりメモリセルから読み出されたデータは、“10”書き込みが十分に行われたか否かを示すデータであり、このデータは、“10”書き込みの対象となるカラムに存在するデータ回路内のラッチ回路LATCHに記憶される。
【0428】
“00”ベリファイリードによりメモリセルから読み出されたデータは、“00”書き込みが十分に行われたか否かを示すデータであり、このデータは、“00”書き込みの対象となるカラムに存在するデータ回路内のラッチ回路LATCHに記憶される。
【0429】
書き込み十分のメモリセルには、以後書き込みは行われない。書き込み不十分のメモリセルに対しては追加書き込みが行われる。ベリファイリードの結果、書き込み不十分なメモリセルがあるかを検知する動作が行われる。この動作はベリファイリード後に行ってもよいが、動作時間短縮のために、プログラムパルス印加中に行っている。全てのカラムで書き込みが十分に行われていると、書き込みが終了する。
【0430】
この後、次の書き込みパルスをワード線に印加する動作(ステップST5)に並列して、ラッチ回路LATCHのデータに基づき、直前の書き込みパルスにより“10”書き込み又は“00”書き込みが十分に行われたか否かを検証する動作(Program completion detection)が実行される(ステップST6〜ST7)。
【0431】
具体的には、奇数ページデータの書き込み動作では、図15に示すように、“11”、“10”、“01”、“00”の4種類の書き込みが存在する。“11”書き込みと“01”書き込みは、偶数ページデータを書き込んだ後のメモリセルの状態を維持するものである。また、“10”書き込みとは、書き込みパルスにより、閾値電圧を上昇させ、“11”状態を“10”状態にすることを意味し、“00”書き込みとは、書き込みパルスにより、閾値電圧を上昇させ、“01”状態を“00”状態にすることを意味する。
【0432】
全ての選択されたメモリセル(カラム)に対して所定のデータ“11”、“10”、“01”、“00”が十分に書き込まれた場合(実際には、“00”、“10”書き込みの対象となるメモリセルに十分にデータ“00”、“10”が書き込まれた場合)には、奇数ページデータの書き込み動作が終了する(ステップST6)。
【0433】
少なくとも1つの選択されたメモリセル(カラム)に対して所定のデータ“11”、“10”、“01”、“00”が十分に書き込まれていない場合(実際には、“00”、“10”書き込みの対象となるメモリセルに十分にデータ“00”、“10”が書き込まれていない場合)には、引き続き、“00”ベリファイリード、“10”ベリファイリード及び書き込みパルスの印加が行われる(ステップST5〜ST11)。
【0434】
ここで、本例では、“10”書き込みの対象となる全てのメモリセルに対して、十分に“10”書き込みが行われた後には、“00”ベリファイリードを行わないようにし、この後には、“10”ベリファイリード及びProgram completion detectionのみを行うようにしている(ステップST7,ST8B,ST9Bのルート)。
【0435】
このようなシーケンスにした理由は、通常、“10”書き込みは、“00”書き込みよりも先に終了するため(“10”状態の閾値電圧は、“00”状態の閾値電圧よりも低い。)、“10”書き込みが終了した後の“00”ベリファイリードを省略し、書き込み時間の短縮(書き込みの高速化)を図ることにある。
【0436】
ところで、本例では、書き込みの十分/不十分を検出する動作(Program completion detection)を、書き込みパルスをワード線に印加する動作と並列して行っているが、例えばProgram completion detectionを、“00”ベリファイリード又は“10”ベリファイリードの直後に行い、その後、Program completion detectionの結果が不十分の場合に、再度、書き込みパルスの印加を行うようにしてもよい。
【0437】
また、書き込み十分のメモリセルに対しては、以後、書き込みパルスの印加が行われないようにし、書き込み不十分のメモリセルに対してのみ、続けて、書き込みパルスの印加(再書き込み)を行い、書き込み特性の良好なメモリセルに対して過剰な書き込みが行われないようにしてもよい。
【0438】
奇数ページデータの書き込み動作の概要は、以上の通りである。
【0439】
上述したように、奇数ページデータの書き込み動作は、書き込みパルスの印加、メモリセルに記憶された偶数ページデータの読み出し(Internal data load )、“10”ベリファイリード(VERIFY10)、“00”ベリファイリード(VERIFY00)、Program completion detection及び"00"Program completion detectionからなる。
【0440】
以下では、これらの動作について順次詳細に説明する。
【0441】
2.−2.−1. 書き込みパルス印加
書き込みパルス印加は、偶数ページデータにおける書き込みパルスの印加と全く同じ動作タイミングで、図20に示したように行われる。
【0442】
“10”書き込み及び“00”書き込みでは、表3中に示すように、ラッチ回路LATCHのノードNaijが“L”であるため、ビット線は、Vssになる。従って、選択されたメモリセルのトンネル酸化膜に高電界が印加され、FNトンネル効果により電子がフローティングゲート電極に注入され、書き込みが行われる。
【0443】
【表3】
【0444】
“11”書き込み及び“01”書き込み(書き込み非選択)では、表3中に示したように、ラッチ回路LATCHのノードNaijが“H”であるため、ビット線は、Vddになる。従って、選択されたメモリセルのトンネル酸化膜に高電界が印加されることはなく、メモリセルの状態は変化しない(“11”状態又は“01”状態を保持する。)。
【0445】
2.−2.−2. 偶数ページデータの読み出し “READ01”
表3中に示すように、ベリファイリードの最初に“READ01”を行う。この動作は、図13を参照して前述した“READ01”の動作と同様である。“READ01”の結果、メモリセルの偶数ページのデータがラッチ回路LATCHに記憶される。つまり、メモリセルが“11”または“10”の場合には、ノードN1(Naij)が“L”、メモリセルが“01”または“00”の場合にはノードN1(Naij)が“H”になる。
【0446】
この際、ラッチ回路LATCHに記憶された奇数ページの書き込みデータを、ノードCAP2ijに転送し、かつ、一時記憶する。これにより、読み出しデータが奇数ページデータに衝突しないようにする。続いてベリファイ動作“VERIFY10A”が行われる。
【0447】
2.−2.−3. “VERIFY10A”
図24は、ベリファイ動作“VERIFY10A”の動作タイミングを示す。“VERIFY10A”では、ラッチ回路が“10”以外の書き込みデータを保持する場合には、書き込みデータをそのまま保持する。“10”書き込みする場合に、書き込みが十分に行われていると、ラッチ回路の内容が書き込み非選択になる。
【0448】
“00”書き込み十分の場合は、“VERIFY10A”後に行われる“VERIFY00”時にラッチ回路のデータが書き込み非選択状態に設定されるので、“VERIFY10A”では書き込み状態(つまり、ノードNaijはVss)を保つ。
【0449】
この動作で特徴的なことは、ラッチ回路に保持した偶数ページのデータに基づいてビット線プリチャージ電位を変えることである。つまり、図21中の時刻RCLK2に制御パルスBLC2がVddになることで、ラッチ回路に記憶したデータに基づいてビット線がプリチャージされる。
【0450】
表3中の“VERIFY10A:BLプリチャージ”で示したように、“11”,“10”書き込みではビット線は0.8Vにプリチャージされ、“01”,“00”書き込みではビット線は0Vにプリチャージされる。換言すれば、ラッチ回路に記憶したデータに応じた電位がビット線に保持される。
【0451】
その後、選択ワード線をVcgv10(0.15V程度)にし、ビット線の放電を行う。ここで特徴的なことは、ラッチ回路からノードCAP2ijへのデータ転送が行われず、CAP2ijには“READ01”中に転送された奇数ページの書き込みデータが保持される。
【0452】
ビット線放電後、“11”書き込み、“10”書き込み、“01”書き込み、“00”書き込み不十分の場合には、ビット線は“L”である。“10”書き込み十分の場合はビット線は0.8Vを保つ。
【0453】
この後、時刻SCLK6に、SEN及びLATが共に“L”、SENB及びLATBが共に“H”になり、ラッチ回路LATCH中のクロックドインバータCINV1,CINV2が非動作状態となる。
【0454】
そして、時刻SCLK7に、BLCがVsg(例えば約4.5V)、nPRSTが“L”になることで、センスノード(DTNij)が充電され、センスノードは、Vddになる。同時に、Naijも、Vddとなる。
【0455】
そして、時刻SCLK8に、nPRSTがVddになると、センスノード(DTNij)は、フローティング状態になる。
【0456】
時刻SCLK9に、BLCLMPがVsense(例えば約1.6V)になると、ビット線に読み出されたメモリセルのデータは、センスノード(DTNij)に転送される。
【0457】
即ち、“11”書き込み,“10”書き込み、“01”書き込み、“00”書き込みを行うメモリセルのうち書き込み不十分のメモリセルに関しては、ビット線は、0.3V以下の電位となっているため、センスノード(DTNij)の電位も、0.3V以下の電位に低下する。
【0458】
一方、“10”書き込みを行うメモリセルのうち書き込み十分のメモリセルに関しては、ビット線は、プリチャージ電位0.8Vを維持しているため、クランプ用のMOSトランジスタTN9がカットオフし、センスノード(DTNij)は、Vddを維持する。
【0459】
時刻SCLK10において、センスノード(DTNij)の電位は、表3中の“VERIFY10A:BL放電後”に示す通りとなる。
【0460】
この後、時刻SCLK11に、REG2がVsgとなり、MOSトランジスタTN6(図2)がオン状態となる。
【0461】
ここで、“11”、“01”書き込みを行う場合(奇数ページデータが“1”の場合)には、ノードCAP2ijには、“H”が記憶されているため、MOSトランジスタTN1(図2)は、オン状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)が短絡し、その結果、センスノード(DTNij)は、Vddとなる。
【0462】
また、“10”、“00”書き込みを行う場合(奇数ページデータが“0”の場合)には、ノードCAP2ijには、“L”が記憶されているため、MOSトランジスタTN1(図2)は、オフ状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)は電気的に切り離されているため、センスノードへの充電は行われなず、センスノード(DTNij)の電位の変化はない。
【0463】
従って、時刻SCLK12におけるセンスノード(DTNij)の電位は、表3中の“VERIFY10A:センスノード再充電後”に示す通りとなる。
【0464】
この後、時刻SCLK13に、SENがVdd、SENBがVssとなり、クロックドインバータCINV1が動作状態となるため、センスノード(DTNij)の電位がセンスされる。
【0465】
その結果、ラッチ回路のノードN1(Naij)は、表3中の“VERIFY10A:センスノード再充電後”に示すようになる。次に、ベリファイ動作“VERIFY00”が行われる。
【0466】
2.−2.−4. “VERIFY00”
図25は、“VERIFY00”の動作タイミングを示す。“VERIFY00”では、ラッチ回路が“00”以外の書き込みデータを保持する場合には、書き込みデータをそのまま保持する。“00”書き込みする場合に、書き込みが十分に行われていると、ラッチ回路の内容が書き込み非選択になる。
【0467】
“VERIFY00”に先立って行われる“VERIFY10A”で“10”書き込みが不十分と判定された場合には、ラッチ回路は“VERIFY00”後も書き込み選択データを保つ。
【0468】
“VERIFY00”に先立って行われる“VERIFY10A”で“10”書き込みが十分と判定された場合には、ラッチ回路は“VERIFY00”後も書き込み非選択データを保つ。
【0469】
“VERIFY00”では、ビット線をプリチャージした後、選択されたワード線を図10中に示すVcgv00(例えば約1.45V程度)にし、ビット線の放電を行う。この間、ラッチ回路LATCHに保持する奇数ページの書き込みデータがノードCAP2ijに転送される。
【0470】
ビット線放電後、“11”書き込み、“10”書き込み、“01”書き込み、“00”書き込み不十分の場合には、ビット線は“L”である。“00”書き込み十分の場合はビット線は0.8Vを保つ。
【0471】
この後、時刻SCLK6に、SEN及びLATが共に“L”、SENB及びLATBが共に“H”になり、ラッチ回路LATCH中のクロックドインバータCINV1,CINV2が非動作状態となる。
【0472】
そして、時刻SCLK7に、BLCがVsg(例えば約4.5V)、nPRSTが“L”になることで、センスノード(DTNij)が充電され、センスノードは、Vddになる。同時に、Naijも、Vddとなる。
【0473】
そして、時刻SCLK8に、nPRSTがVddになると、センスノード(DTNij)は、フローティング状態になる。
【0474】
時刻SCLK9に、BLCLMPがVsense(例えば約1.6V)になると、ビット線に読み出されたメモリセルのデータは、センスノード(DTNij)に転送される。
【0475】
即ち、“11”書き込み,“01”書き込み、“10”書き込み、“00”書き込みを行うメモリセルのうち書き込み不十分のメモリセルに関しては、ビット線は、0.3V以下の電位となっているため、センスノード(DTNij)の電位も、0.3V以下の電位に低下する。
【0476】
一方、“00”書き込みを行うメモリセルのうち書き込み十分のメモリセルに関しては、ビット線は、プリチャージ電位0.8Vを維持しているため、クランプ用のMOSトランジスタTN9がカットオフし、センスノード(DTNij)は、Vddを維持する。
【0477】
時刻SCLK10において、センスノード(DTNij)の電位は、表3中の“VERIFY00:BL放電後”に示す通りとなる。
【0478】
この後、時刻SCLK11に、REG2がVsgとなり、MOSトランジスタTN6(図2)がオン状態となる。
【0479】
ここで、“11”書き込み,“10”書き込み、“01”書き込みが不十分の場合には、ノードCAP2ijには、“H”が記憶されているため、MOSトランジスタTN1(図2)は、オン状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)が短絡し、その結果、センスノード(DTNij)は、Vddとなる。
【0480】
これに対して、“00”書き込みが不十分の場合には、ノードCAP2ijには、“L”が記憶されているため、MOSトランジスタTN1(図2)は、オフ状態である。つまり、COMi(Vddに設定されている)とセンスノード(DTNij)とは電気的に切り離されているため、センスノード(DTNij)への充電は行われず、センスノード(DTNij)の電位の変化はない。
【0481】
従って、時刻SCLK12におけるセンスノード(DTNij)の電位は、表3の“VERIFY00:センスノード再充電後”に示す通りとなる。
【0482】
この後、時刻SCLK13に、SENがVdd、SENBがVssとなり、クロックドインバータCINV1が動作状態となるため、センスノード(DTNij)の電位がセンスされる。
【0483】
その結果、ラッチ回路に再書き込みデータが記憶される。このデータは表3中“再書き込みデータ”に示す通りなる。
【0484】
2.−2.−5. “ Program completion detection ”
“VERIFY10”及び“VERIFY00”の後に、“10”又は“00”書き込みを行う全てのメモリセルに対して、きちんと“10”又は“00”書き込みが行われたか否かを検出する“ Program completion detection ”動作が行われる。この動作は遇数ページの場合と同様である。
【0485】
3. 消去動作(Erase operation)
消去動作時において、セルウェルには、消去電位Vera(例えば約20V)が印加される。
【0486】
そして、選択されたメモリセルブロック内の全てのワード線は、接地電位Vssに設定される。その結果、選択されたメモリセルブロック内のメモリセルのトンネル酸化膜に高電界がかかり、フローティングゲート電極中の電子がチャネル(セルウェル)に放出され、メモリセルの閾値電圧が低下する。
【0487】
非選択のメモリセルブロック内の全てのワード線は、フローティング状態に設定される。その結果、消去電位Veraがセルウェルに印加されると、セルウェルとワード線(コントロールゲート電極)の容量カップリングにより、ワード線の電位はVera又はその近傍まで上昇する。従って、非選択のメモリセルブロック内のメモリセルのトンネル酸化膜には高電界がかからないため、フローティングゲート電極中の電子の移動はなく、メモリセルの閾値電圧の変動もない。
【0488】
ところで、図7に示した第1のメモリセルブロックでは、メモリセルアレイ上にロウシールド線(Row shield line)が存在する。消去動作時、このロウシールド線の電位も、セルウェルの電位と同様に、VssからVeraに上昇する。ロウシールド線がVeraになることにより、非選択のメモリセルブロック内のワード線は、セルウェルとワード線の間の容量カップリングにより、Vera又はその近傍の電位まで十分に上昇するため、誤消去が生じない。
【0489】
また、図8に示した第2のメモリセルブロックでは、メモリセルアレイ上に、ロウシールド線に代わり、ワード線ドライバ選択信号線が配置される。消去動作時、ワード線ドライバ選択信号線は、フローティング状態になる。また、ビット線の電位も、Veraになる。従って、非選択のメモリセルブロック内のワード線は、セルウェルとワード線の間の容量カップリングにより、Vera又はその近傍の電位まで十分に上昇するため、誤消去が生じない。
【0490】
なお、ロウシールド線又はブロック選択線が、例えばVss又はVddの場合には、これらの線の下のメモリセルでは、ワード線と、ロウシールド線又はブロック選択線との間に大きな容量を生じる。その結果、ワード線は、昇圧し難くなり、誤消去を生じる。
【0491】
セルウェルに消去電位(消去パルス)Veraが印加された後に、消去が十分に行われたか否かを検証する消去ベリファイが行われる。消去ベリファイは、消去パルスを印加した後にメモリセルのデータを読み出す消去ベリファイリード(Erase verify read)と、消去ベリファイリードにより読み出されたデータに基づいて、消去不十分のカラムが存在するか否かを検出する“ Erase completion detection ”からなる。
【0492】
本例(例えば図2参照)のメモリ回路では、2本のビット線BLe,BLoが1個のデータ回路を共有しているため、例えば偶数本目のビット線BLeに接続されるメモリセルに対する消去ベリファイリードを行った後、これら偶数本目のビット線BLeに接続される全てのメモリセルのデータが消去されたか否かを検出する“ Erase completion detection ”が行われる。
【0493】
この後、例えば奇数本目のビット線BLoに接続されるメモリセルに対する消去ベリファイリードを行った後、これら奇数本目のビット線BLoに接続される全てのメモリセルのデータが消去されたか否かを検出する“ Erase completion detection ”が行われる。
【0494】
そして、選択された全てのメモリセルについて、消去十分であることが確認されると、消去動作が終了する。消去不十分のメモリセルがある場合には、再び、消去動作(消去パルスの印加)が行われる。
【0495】
以下、消去動作について、動作タイミング図を用いて詳細に説明する。
【0496】
3.−1. 消去パルス印加
図26は、消去パルスの印加に関する動作タイミングを示している。
【0497】
<奇数番目のメモリセルブロック>
奇数番目のメモリセルブロックでは、上述したように、このブロック内のワード線及びセレクトゲート線の電位を制御するワード線制御回路(ロウアドレスデコーダとワード線ドライバ)がメモリセルアレイの一方側にまとまって配置される。第1のメモリセルブロックを例として、以下、説明する。
【0498】
第1のメモリセルブロックが選択される場合、図9のロウアドレスデコーダRADD1の出力信号RDECADがVddになり、図10のワード線ドライバRMAIN1内のノードTransferG1がVddに設定される。信号線CG1,CG2,…CG16の電位は、切替回路(図1)により、接地電位Vssに設定される。また、信号線SGD,SGSの電位は、Vddに設定される。
【0499】
この時、ワード線WL1,WL2,…WL16の電位は、接地電位Vssに設定され、セレクトゲート線SG1,SG2は、Vdd−Vth(Vthは、MOSトランジスタHNt1の閾値電圧である)の電位で、かつ、フローティング状態となる。
【0500】
第1のメモリセルブロックが非選択の場合、図9のロウアドレスデコーダRADD1の出力信号RDECADがVssになり、図10のワード線ドライバRMAIN1内のノードTransferG1がVssに設定される。その結果、ワード線WL1,WL2,…WL16は、接地電位Vssで、かつ、フローティング状態となる。
【0501】
また、MOSトランジスタHN7,HN8がオン状態となり、SGDSがVddであるため、セレクトゲート線SG1,SG2は、Vdd−Vth(Vthは、MOSトランジスタHN7,HN8の閾値電圧である)の電位で、かつ、フローティング状態となる。
【0502】
<偶数番目のメモリセルブロック>
偶数番目のメモリセルブロックでは、上述したように、このブロック内のワード線及びセレクトゲート線の電位を制御するワード線制御回路のうち、ロウアドレスデコーダがメモリセルアレイの一方側に配置され、ワード線ドライバがメモリセルアレイの他方側に配置される。第2のメモリセルブロックを例として、以下、説明する。
【0503】
まず、時刻ECLK2に、ROWPROG1がVss、ROWPROG1BがVddになり、図12のワード線ドライバRMAIN2内のクロックドインバータCINV5,CINV6が非動作状態となる。この後、時刻ECLK3に、ROWERASE1がVdd、ROWERASE1BがVssになり、図11のロウアドレスデコーダRADD2内のクロックドインバータCINV3が非動作状態となり、クロックドインバータCINV4が動作状態となる。
【0504】
そして、第2のメモリセルブロックが選択される場合、RDECADS1がVddとなるため、図11のロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSは、Vssとなる。また、第2のメモリセルブロックが非選択の場合、RDECADS1がVssとなるため、図11のロウアドレスデコーダRADD2の出力信号RDECADSは、Vddとなる。
【0505】
この後、時刻ECLK4に、ROWERASE2がVddとなり、ROWERASE2BがVssとなると、クロックドインバータCINV7が動作状態となる。
【0506】
その結果、第2のメモリセルブロックが選択される場合、RDECADS2がVddとなるため、図12のワード線ドライバ内のノードTransferG2がVddとなる。一方、第2のメモリセルブロックが非選択の場合、RDECADS2がVssとなるため、図12のワード線ドライバ内のノードTransferG2がVssとなる。
【0507】
この後、時刻ECLK5に、ROWERASE3nがVssになると、第2のメモリセルブロックが非選択の場合(RDECADS2がVssの場合)に、そのデータがラッチされる。
【0508】
また、時刻ECLK6に、ROWGATEがVssになると、第2のメモリセルブロックが非選択の場合(RDECADSがVddの場合)、MOSトランジスタDHN6,DHN9(図11及び図12)がカットオフし、ワード線ドライバ選択信号線22(図8)がフローティング状態になる。
【0509】
このように、奇数番目のメモリセルブロックが選択される場合でも、偶数番目のメモリセルブロックが選択される場合でも、時刻ECLK6の時点で、選択されたブロック内のワード線は、Vssに設定され、非選択のブロック内のワード線及びセレクトゲート線は、フローティング状態となる。
【0510】
また、偶数番目のメモリセルブロックにおいては、そのブロックが非選択の場合には、ワード線ドライバ選択信号線22(図8)は、Vddで、かつ、フローティング状態となる。
【0511】
この後、時刻ECLK7に、セルウェルCPWELLをVera(例えば約20V)に設定する。この時、選択されたブロック内では、ワード線(接地電位Vss)とセルウェルの間に高電界がかかり、メモリセルのフローティングゲート電極中の電子がセルウェルに放出され、データ消去が実行される。
【0512】
また、非選択のブロック内では、時刻ECLK7に、セルウェルCPWELLをVera(例えば約20V)に設定すると、ワード線とセルウェルの間の容量カップリングにより、ワード線の電位がVera又はその近傍まで上昇する。この時、ワード線ドライバ選択信号線22(図8)の電位も、ワード線ドライバ選択信号線とセルウェルの間の容量カップリングにより、上昇する。
【0513】
従って、非選択のブロック内では、ワード線とセルウェルの間に高電界がかからないため、メモリセルのフローティングゲート電極中の電子がセルウェルに放出されることもなく、データ消去が行われない。
【0514】
なお、時刻ECLK8において、BIASe及びBIASoをVddに設定しているのは、MOSトランジスタHN1e,HN1o(図2)のドレインのサーフェイス・リーク電流を減少させるためである。
【0515】
そして、時刻ERCV1以降に、消去後のリカバリ動作が行われる。
【0516】
セルウェルCPWELLの電位が、Veraから10V程度に低下すると、BLCRLをVssに接地し、ビット線BLe,BLoの電荷を放電する。Veraが10V程度の場合には、ビット線BLe,BLoは、ビット線BLe,BLoとセルウェルCPWELLの間の容量カップリングにより、12V程度にまで低下している。
【0517】
従って、BIASe及びBIASoがゲートに入力するMOSトランジスタHN1e,HN1o(図2)がスナップバックすることはない。
【0518】
なお、セルウェルCPWELLが20V程度のときに、BLCRLをVssに接地し、ビット線BLe,BLoの電荷を放電すると、BIASe及びBIASoがゲートに入力するMOSトランジスタHN1e,HN1o(図2)がスナップバックし、そのMOSトランジスタが破壊されてしまうという問題がある。
【0519】
3.−2. “Erase Verify Read”
図27は、消去ベリファイリード(Erase verify read)の動作タイミングを示している。本例では、偶数本目のビット線BLeに接続されるメモリセルに対して消去ベリファイリードを行い、奇数本目のビット線BLoについては、シールドビット線とすることを前提とする。消去ベリファイリードでは、シールドビット線BL0は、Vddに設定される。
【0520】
まず、時刻RCLK1に、CAPCRGをVddに設定し、時刻RCLK2に、BLCLMPをVclmp(例えば約2V)に設定する。そして、時刻RCLK5に、REG1がVddになることにより、選択されたビット線BLeは、Vss(0V)に設定される(VREGは、Vss、CAP1ijは、Vddである。)。
【0521】
時刻RCLK7に、選択されたワード線(コントロールゲート電極)CG select は、Vcgev(例えば0V)に設定され、セレクトゲート線SGDは、Vread(例えば約3.5V)に設定される(SGSは、Vread)。
【0522】
消去ベリファイリードは、通常、ビット線BLeに接続され、かつ、選択されたブロック内の全てのワード線に接続されたメモリセルに対して、ほぼ同時に行われるため、選択されたブロック内のワード線WL1,WL2,…WL16は、全て、Vcgevに設定される。
【0523】
その結果、選択された1ブロック内の1ビット線BLeに接続される全てのメモリセル(1NANDセルユニット内のメモリセル)が消去十分のとき、その1ビット線BLeは、“H”となる。また、選択された1ブロック内の1ビット線BLeに接続されるメモリセルのうち、少なくとも1個のメモリセルが消去不十分のときは、その1ビット線BLeは、“L”となる。
【0524】
なお、消去ベリファイリードにおいて、非選択のビット線BLoは、ビット線間に生じるカップリングノイズの低減のため、Vddに設定されている。
【0525】
各ビット線BLeの電位が確定した後、通常のリードと同様に、ビット線BLeの電位がセンスされる。
【0526】
そして、選択された1ブロック内の1ビット線BLeに接続される全てのメモリセルが消去十分のとき、その1ビット線BLeが接続されるデータ回路内のセンスノードDTNij(ラッチ回路LATCHの出力ノードNaij)は、“H”となる。
【0527】
また、選択された1ブロック内の1ビット線BLeに接続されるメモリセルのうち、少なくとも1個のメモリセルが消去不十分のときは、その1ビット線BLeが接続されるデータ回路内のセンスノードDTNij(ラッチ回路LATCHの出力ノードNaij)は、“L”となる。
【0528】
3.−3. “ Erase completion detection ”
図28は、Erase completion detectionに関する動作タイミングを示している。消去ベリファイリードの後、全てのカラムにおいて消去が完了したか否かを検出する“ Erase completion detection ”が行われる。
【0529】
図5において、全てのデータ回路内のラッチ回路LATCHの出力ノードNaijが“H”のとき、FLAGは、“H”を維持する。図5において、少なくとも1個のデータ回路内のラッチ回路LATCHの出力ノードNaijが“L”のとき、FLAGは、“L”となる。
【0530】
FLAGノードは、全てのカラムに接続されているため、選択された1ブロック内のメモリセルのうち、少なくとも1個のメモリセルが消去不十分であると、FLAGノードは、“L”となり、再度、消去パルスの印加が行われる。選択された1ブロック内の全てのメモリセルが消去十分であると、FLAGノードは、“H”となり、消去動作が終了する。
【0531】
なお、“ Erase completion detection ”は、前述した“偶数ページデータの書き込み動作”における“ Program completion detection ”とほぼ同様なので、その動作説明の詳細については、省略する。
【0532】
なお、本実施の形態では、多値NANDセル型EEPROMを例として説明したが、本発明は、他のタイプの多値メモリに適用が可能である。例えばメモリセルアレイとしては、NOR型、AND型(A.Nozoe : ISSCC, Digest of Technichal Papers,1995) 、DINOR型(S.Kobayashi : ISSCC, Digest of Technichal Papers,1995) 、、Virtual Ground Array型(Lee, et al. : Symposium on VLSI Circuits, Digest of Technichal Papers,1994)などであってもよい。
【0533】
また、本発明は、フラッシュメモリ(Flash memory)に限られず、例えばマスクROM、EPROMなどの不揮発性半導体メモリにも適用できる。
【0534】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の不揮発性半導体メモリによれば、メモリセルに記憶するデータを多値化する場合に、書き込み/読み出し時に多値データを一時的に記憶しておくためのデータ回路内の素子数を減少させ、チップ面積の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる多値NANDセル型EEPROMの概要を示す図。
【図2】図1のメモリ内のデータ回路を示す図。
【図3】図1のメモリ内のメモリセルアレイを示す図。
【図4】図1のメモリ内のカラムデコーダの一部を示す図。
【図5】図1のメモリ内の一括検知回路を示す図。
【図6】図1のメモリ内のワード線制御回路を示す図。
【図7】図6の第1のメモリセルブロック内のデバイス構造を示す図。
【図8】図6の第2のメモリセルブロック内のデバイス構造を示す図。
【図9】図6のロウアドレスデコーダRADD1を示す図。
【図10】図6のワード線ドライバRMAIN1を示す図。
【図11】図6のロウアドレスデコーダRADD2を示す図。
【図12】図6のワード線ドライバRMAIN2を示す図。
【図13】4値データとメモリセルの閾値電圧との関係を示す図。
【図14】偶数ページデータの書き込み後のメモリセルの閾値電圧分布を示す図。
【図15】奇数ページデータの書き込み後のメモリセルの閾値電圧分布を示す図。
【図16】偶数ページデータの読み出しに関する動作タイミングを示す波形図。
【図17】奇数ページデータの読み出しに関する動作タイミングを示す波形図。
【図18】奇数ページデータの読み出しに関する動作タイミングを示す波形図。
【図19】偶数ページデータの書き込み動作の一連の流れを示す図。
【図20】書き込み動作中のプログラムパルス印加に関する動作タイミングを示す波形図。
【図21】書き込み動作中の“01”ベリファイリードに関する動作タイミングを示す波形図。
【図22】書き込み動作中の“ Program Completion Detection ”に関する動作タイミングを示す波形図。
【図23】奇数ページデータの書き込み動作の一連の流れを示す図。
【図24】書き込み動作中の“10A”ベリファイリードに関する動作タイミングを示す波形図。
【図25】書き込み動作中の“00”ベリファイリードに関する動作タイミングを示す波形図。
【図26】消去動作中の消去パルス印加に関する動作タイミングを示す波形図。
【図27】消去動作中の消去ベリファイリードに関する動作タイミングを示す波形図。
【図28】消去動作中の“ Erase Completion Detection ”に関する動作タイミングを示す波形図。
【図29】NANDセル型EEPROMのメモリセルアレイを示す回路図。
【図30】NANDセルユニットのデバイス構造を示す平面図。
【図31】図30中のLXXIV−LXXIV線に沿う断面図およびLXXV−LXXV線に沿う断面図。
【図32】図30のNANDセルユニットの等価回路を示す図。
【図33】NANDセル型EEPROMのウェル構造を示す図。
【符号の説明】
2…データ回路、
TNi…低電圧エンハンスメント型NチャネルMOSトランジスタ、
HNi…高電圧エンハンスメント型NチャネルMOSトランジスタ、
DLNi…低電圧デプレッション型NチャネルMOSトランジスタ、
DLN(C2)…MOSキャパシタ(DRAMセル)、
TPi…低電圧エンハンスメント型PチャネルMOSトランジスタ、
CINVi…クロックドインバータ、
LATCH…ラッチ回路、
BLe,BLo…ビット線、
IOj,nIOj…入出力線、
Claims (5)
- 少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、
前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、
前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、
書き込み動作中に、前記メモリセルから読み出されたデータは前記ビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、
前記メモリセルから読み出されたデータは、ベリファイリード中のビット線プリチャージ電位としてビット線に保持される
ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。 - 少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、
前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、
前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、
書き込み動作中に、前記メモリセルに書き込み電圧が印加されている間は、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、
前記メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作中は、前記メモリセルから読み出されたデータは前記ビット線に保持され、外部から入力した書き込みデータは前記データ回路に保持され、
前記メモリセルから読み出されたデータは、ベリファイリード中のビット線プリチャージ電位としてビット線に保持される
ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。 - 少なくとも1つのn値(nは3以上)を記憶するメモリセルを含むメモリセル部と、
前記メモリセル部の一端に接続されるビット線と、
前記ビット線に接続され、2ビット以上の前記メモリセル部への書き込みデータあるいは読み出しデータを記憶するデータ回路とを具備し、
書き込み動作中に、前記メモリセルから読み出されたデータは、前記メモリセルが十分に書き込まれたかを調べるベリファイリード動作の所定の期間にのみ前記データ回路に保持され、
前記メモリセルから読み出されたデータは、前記所定の期間以外の期間はビット線プリチャージ電位としてビット線に保持される
ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。 - 前記データ回路は、1個のラッチ回路を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の不揮発性半導体メモリ。
- 前記メモリセル部は、複数のメモリセルを直列接続して形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の不揮発性半導体メモリ。
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