JP4170436B2 - ワイヤソー用切削油 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤソー用切削油、ワイヤソー用切削油組成物及びワイヤソーで切削油組成物を用いてインゴットを切断して得られるウエハーの洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンインゴット等を遊離砥粒を用いてワイヤソーで切断するために使用する切削油としては、主に鉱物油を主成分とする非水溶性切削油が用いられ、切断後のスライス品であるウエハーの洗浄には有機溶剤や特殊な洗浄剤を用いざるを得なかった。
【0003】
この切断後のウエハーの洗浄を簡便にするために、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類を含有した水溶性加工油が開発されてきた(特開平3-181598号公報等)。しかし、これらを用いてインゴット切断後に得られたウエハーは水を用いて洗浄されるが、洗浄後の排水処理の問題があった。その処理は、例えば、凝集沈殿法、加圧浮上法、活性汚泥法、活性炭処理法等を用いて行うことができるが、何れの方法も多大な費用及び設備が必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、取扱いが簡便なワイヤソー用切削油及びワイヤソー用切削油組成物、並びに排水処理が簡便なウエハーの洗浄方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 水で20倍に希釈したときに0〜100℃の曇点を有する非イオン性界面活性剤を60重量%以上、水4重量%以下を含有してなるワイヤソー用切削油、
〔2〕 前記〔1〕記載のワイヤソー用切削油と砥粒とを含有してなるワイヤソー用切削油組成物、
〔3〕 前記〔2〕記載のワイヤソー用切削油組成物を用いてワイヤソーでインゴットを切断して得られるウエハーを水で洗浄し、生じた排水を該排水中に含有される非イオン性界面活性剤の曇点以上に加熱して油相と水相に分離し、該非イオン性界面活性剤を含有する油相を排水より分離するウエハーの洗浄方法、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
1.ワイヤソー用切削油
本発明のワイヤソー用切削油は、水で20倍に希釈したときに0〜100℃の曇点を有する非イオン性界面活性剤を含有することを1つの大きな特徴とする。
【0007】
前記非イオン性界面活性剤の曇点は、洗浄時の取り扱いの容易性の観点から、0℃以上であることが好ましく、より好ましくは20℃以上であり、特に好ましくは30℃以上であることが望ましく、また100℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以下であり、特に好ましくは70℃以下であることが望ましい。
【0008】
前記非イオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル型、アルキルアリルエーテル型、アルキルチオエーテル等のエーテル型;アルキルエステル型、ソルビタンアルキルエステル型等のエステル型;ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のアミンとの縮合型;ポリオキシアルキレンアルキルアマイド等のアミドとの縮合型;オキシエチレンとオキシプロピレンをランダム又はブロック縮合させたプルロニック又はテトロニック型;ポリエチレンイミン系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。前記非イオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0009】
本発明のワイヤソー用切削油においては、非イオン性界面活性剤として、特に、前記オキシエチレンとオキシプロピレンをランダム又はブロック縮合させたプルロニック又はテトロニック型の非イオン性界面活性剤である一般式(I)で表わされるポリエーテル化合物を用いることによって、切断後に得られたウエハーに付着した切削油の洗浄が容易になり、洗浄後に生じた排水の処理も容易に行なうことができるという優れた効果を発揮する。切削油の粘度変化が少ないため、切断性能に優れるという優れた性質を発現する。また、本発明のワイヤソー用切削油においては、非イオン性界面活性剤として、一般式(I)で表わされるポリエーテル化合物を用いることによって、ワイヤソーに用いられているウレタン等の部材に対する影響が少ないという優れた性質を発揮する。
【0010】
前記一般式(I)において、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表わす。また、前記R1 及びR2 はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、砥粒を含有する切削油組成物として使用する際に、該切削油組成物の粘度変化を低減する観点から、少なくとも一方は炭化水素基であることが望ましい。
【0011】
前記炭化水素基の炭素数は、ワイヤソーの切断性能を十分に発揮させる観点から、1以上であり、切断後に得られたスライス品の洗浄を容易にする観点から、24以下、好ましくは22以下、さらに好ましくは18以下であることが望ましい。前記炭化水素基は、脂肪族及び芳香族のいずれの基であってもよい。また、脂肪族においては、飽和及び不飽和のいずれの基であってもよく、直鎖及び分岐鎖のいずれの基であってもよい。
【0012】
前記一般式(I)において、EOは、オキシエチレン基を示し、AOは、炭素数3若しくは4のオキシアルキレン基を示す。前記オキシアルキレン基としては、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基が挙げられる。また、前記一般式(I)において、(EO)m (AO)n は、m個のオキシエチレン基、n個のオキシアルキレン基からなるランダム体又はブロック体を示す。
【0013】
前記m及びnはそれぞれ1〜50の整数である。切断後に得られたスライス品の洗浄を容易にする観点から、mは1以上であり、切削油の低温流動性の観点から、nは1以上であることが望ましく、切削油の流動性の観点から、m及びnはそれぞれ50以下であることが望ましい。
【0014】
mとnとの和は、切削油とウレタン等の部材との適合性の観点から、4以上であり、砥粒を含有した切削油組成物の粘度変化を低減させる観点から、及び切削油組成物の流動性の観点から100以下である。
【0015】
nが2以上の整数である場合、n個のオキシアルキレン基は同一でも異なっていてもよい。異なる場合は、ランダム体であってもブロック体であってもよい。
【0016】
前記一般式(I)で表わされるポリエーテル化合物は、例えば、KOH等を触媒として用い、1価アルコールやフェノールにアルキレンオキサイド化合物を付加することによって得ることができる。前記のようにして得られたポリエーテル化合物においては、該ポリエーテル化合物中のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の付加モル数は分布を有する。その場合、前記ポリエーテル化合物が切削油中60重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上含まれることが望ましい。
【0017】
本発明のワイヤソー用切削油は、ワイヤソーによる切断時の条件に応じて、水を含有することができる。本発明のワイヤソー用切削油においては、水を含有させた場合、ワイヤソーによる切断時に冷却効果を発揮することができる。
【0018】
本発明のワイヤソー用切削油中に水を含有する場合、水の含有量は、含有される水の蒸発による切削油の粘度変化を抑える観点から、4重量%以下であり、好ましくは3重量%以下であることが望ましい。
【0019】
さらに、本発明のワイヤソー用切削油においては、さらに、必要に応じて、炭化水素化合物、難水溶性のアルキルエステル類及び難水溶性のアルキルケトン類から選ばれた1種以上の化合物を含有することができる。本発明のワイヤソー用切削油は、これらの化合物を含有することによって、切削油の潤滑性を向上させる効果を発揮する。
【0020】
前記炭化水素化合物としては、例えば、ウエハーを洗浄する際に、液状である炭素数6〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和結合を有するパラフィン類、オレフィン類、或いは芳香族、脂肪族を含む炭化水素化合物が挙げられる。
【0021】
前記アルキルエステル類としては、例えば、ウエハー洗浄時の温度で液状である炭素数6〜40のモノエステル、ジエステル、トリエステル類が挙げられる。特に炭素数6〜18の高級脂肪酸と炭素数2〜8のジオール又はトリオールとのエステル;炭素数1〜18の高級アルコールと炭素数2〜8のジカルボン酸又はトリカルボン酸とのエステルが好ましい。
【0022】
前記アルキルケトン類としては、炭素数6〜40のジアルキルケトンが好ましい。
【0023】
前記炭化水素化合物、難水溶性のアルキルエステル類及び難水溶性のアルキルケトン類は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
本発明の切削油においては、さらに、任意に、増粘剤、分散剤、防錆剤、キレート剤、塩基性物質、他の界面活性剤等の添加剤を配合することができる。
【0025】
本発明の切削油においては、前記非イオン性界面活性剤など各種成分の媒体として、水溶性の有機化合物を任意に使用してもよい。
【0026】
本発明のワイヤソー用切削油は、洗浄後に生じた排水を該排水中に含有される非イオン性界面活性剤が有する曇点よりも高い温度に加熱することによって、油相と水相に分離し、非イオン性界面活性剤を含有する油相を排水から容易に分離することができるという優れた効果を発揮する。また、本発明のワイヤソー用切削油は、切削油の粘度変化が少ないため、切断性能に優れるという優れた効果を発揮する。
【0027】
2.ワイヤソー用切削油組成物
本発明のワイヤソー用切削油組成物は、本発明のワイヤソー用切削油と砥粒とを含有したものである。本発明のワイヤソー用切削油組成物は、本発明のワイヤソー用切削油と砥粒とを混合することにより、スラリー状の切削油組成物として得られる。
【0028】
本発明の切削油組成物における本発明の切削油の含有量は、切断速度、切断面の形状等の要求品質等に応じて種々選択することができるが、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上であり、また、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下であることが望ましい。
【0029】
前記砥粒としては、研磨用に一般に使用される砥粒を用いることができる。前記砥粒としては、例えば、金属、金属又は半金属の炭化物、金属又は半金属の窒化物、金属又は半金属の酸化物、金属又は半金属のホウ化物、ダイヤモンド等の研磨用に一般に使用される砥粒が挙げられる。前記金属又は半金属としては、周期律表の3A、4A、5A、3B、4B、5B、6B、7B又は8B族由来のものである。具体的には、アルミナ粒子、SiC粒子、ダイヤモンド粒子、MgO粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等が挙げられ、切断速度を向上させる観点からSiC粒子が好ましく、具体的にはフジミインコーポレーテッド社製GC#600及びGC#800が好ましい。
【0030】
また、本発明の切削油組成物における砥粒の含有量は、切断速度、切断面の形状等の要求品質等に応じて種々選択することができるが、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上であることが望ましく、また好ましくは70重量%以下、さらに60重量%以下であることが望ましい。
【0031】
本発明のワイヤソー用切削油組成物を用いた切断方法としては、特に限定されないが、例えば、インゴット等をワイヤソーで切断する際、本発明のワイヤソー用切削油組成物を180μm程度の細いワイヤーに絡ませて使用することにより、シリコン単結晶等のインゴットを効率よく切断することができる。
【0032】
本発明のワイヤソー切削油組成物を用いる場合、切断の対象となる被研削材の材質は、例えば、シリコン単結晶や多結晶,GaAs、その他化合物半導体やセラミックス等のインゴットが挙げられる。
【0033】
3.ウエハーの洗浄方法
本発明のウエハーの洗浄方法によれば、本発明のワイヤソー用切削油組成物を用いてワイヤソーでインゴットを切断して得られるウエハーを水で洗浄し、生じた排水を、排水中に含有される非イオン性界面活性剤の曇点以上に加熱して油相と水相に分離し、非イオン性界面活性剤を含有する油相を排水から分離することができる。
【0034】
ワイヤソーでインゴットを切断して得られるウエハーを水で洗浄する方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬法、超音波洗浄法、揺動法、スプレー法等を単独で又は組み合わせて行うことができる。
【0035】
ウエハーを水で洗浄した後に生じる排水には、本発明のワイヤソー用切削油組成物に含有される非イオン性界面活性剤、砥粒、インゴットを切断した際に生じた切削粉等が含有される。前記砥粒、切削粉等の粒子を除去する方法としては、濾過法、沈降分離法、遠心分離法、浮上分離法、蒸留法等を用いることができ、適用に際しては特に限定されるものではないが、濾過法、沈降分離法、遠心分離法が工業的装置の汎用性の面から好ましい。
【0036】
粒子を除去した後に得られた排水は、非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度、好ましくは曇点より5℃以上高い温度に加熱保持することにより、非イオン性界面活性剤を含有する油相と水相とに分離させることができる。分離を行なう際の排水の加熱温度は、切削油組成物中に含有される非イオン性界面活性剤によって異なるが、例えば、排水の加熱温度は20℃以上が好ましく、より好ましくは30℃以上であることが望ましく、80℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下であることが望ましい。
【0037】
分離された非イオン性界面活性剤を含有する油相を除去する方法としては、洗浄水排液の受槽又は分離のための専用槽にて、槽の上部または下部に集まった油相をすくい取る方法、連続的に抜き取る方法、分離膜等の補助設備を利用する方法等種々の方法を用いることができる。
【0038】
【実施例】
以下、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。
【0039】
切削油A:n−C4 9 (EO)5.3 (PO)4.0 H 〔ランダム体、付加モル数は平均値〕で表わされる化合物(1)の含有量:100重量%
切削油B: n−C4 9 (EO)9.2 (PO)6.9 H 〔ランダム体、付加モル数は平均値〕で表わされる化合物(2)の含有量:100重量%
切削油C:n−C1225(EO)2.5 (PO)2.5 (EO)2.5 H 〔ブロック体、付加モル数は平均値〕で表わされる化合物(3)の含有量:100重量%
切削油a:HO(EO)m H 〔平均分子量400〕で表わされる化合物(4)の含有量:100重量%
切削油b:HO(PO)2 Hで表わされる化合物(5)の含有量:100重量%
切削油c:n−C4 9 (EO)2 H、で表わされる化合物の含有量:100重量%
切削油d:鉱物油系切削油(商品名:パレス化学製LW−1)
【0040】
実施例1
ステンレス製のビーカーに前記切削油Aを2重量部、砥粒((株)フジミインコーポレーテッド社製:GC#800)3重量部を取り、ホモミキサー(特殊化工(株)製、T.K.オートホモミキサー:型式M型、攪拌羽:ディスパー羽根)で室温、3000rpmで攪拌することによって、切削油と砥粒が均一になったスラリー状のワイヤソー用切削油組成物を調製した。
【0041】
実施例2及び3
実施例1における切削油Aのかわりに、前記切削油B及びCを用い、それぞれ実施例1と同様にワイヤソー用切削油組成物を調製した。
【0042】
実施例4〜6
前記化合物(1)〜(3)を用い、それぞれ20倍希釈水溶液を調製した。
【0043】
比較例1〜4
実施例1における切削油Aのかわりに、前記切削油a及びbを用い、実施例1と同様にワイヤソー用切削油組成物を調製した。
【0044】
比較例5及び6
実施例4〜6における化合物(1)〜(3)のかわりに化合物(4)及び(5)を用い、それぞれ20倍希釈水溶液を調製した。
【0045】
試験例1.高速攪拌による粘度変化率
前記実施例1〜3、比較例1及び4で得られたワイヤソー用切削油組成物を用い、先のホモミキサーを用いて、3000rpmで攪拌を行ない、試験前後の粘度を測定することにより粘度の経時変化を調べた。粘度の測定は、試料:切削油組成物500g、試料温度:50℃、攪拌時間:10時間の条件下で、B型粘度計(東京計器(株)製)を用いて25℃で行なった。その結果を表1に示す。なお、表1中、粘度変化率は、〔試験後(10時間攪拌後)の粘度/試験前の粘度〕×100により算出したものであり、粘度変化率の値が100に近い程、粘度変化が小さいことを示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004170436
【0047】
表1に示すように、比較例1及び4の切削油組成物を用いた場合に比べて、実施例1〜3の切削油組成物を用いた場合には、粘度変化率の値がより100%に近く、高速攪拌による粘度変化が小さいことが示された。
【0048】
試験例2.シェア速度変化による粘度変化率
前記実施例1〜3、比較例1及び2で得られたワイヤソー用切削油組成物を用い、回転粘度計(HAAKE社製、型式POTOVISCO RV12)により、シェア速度を変えたときの粘度変化を調べた。粘度変化は、測定頭:M500、ローター:MV2、測定温度:25℃、最高シェア速度:500S-1(3分保持)、シェア速度変化率:0〜500S-1/3分の条件下で測定した。結果を表2に示す。なお、表2中、粘度変化率は、シェア速度500S-1の粘度及びシェア速度100S-1の粘度を測定したのち、〔シェア速度500S-1の粘度/シェア速度100S-1の粘度〕×100により算出したものであり、粘度変化率の値が100に近い程、粘度変化が小さいことを示す。
【0049】
【表2】
Figure 0004170436
【0050】
表2に示すように、比較例1及び2の切削油組成物を用いた場合に比べて、実施例1〜3の切削油組成物を用いた場合には、粘度変化率の値がより100%に近く、シェア速度変化による粘度変化が小さいことが示された。
【0051】
試験例3.重量変化率及び体積変化率
前記実施例1〜3、比較例3で得られたワイヤソー用切削油組成物を用い、200ccのビーカーに切削油100ccをとり、中空孔を有さないウレタン片(日本テストパネル大阪(株)製、W20mm×D50mm×H2mm)を浸漬し、60℃で1日放置した後、試験前後のウレタン片の重量変化、体積変化を測定し、ワイヤのガイドローラーに用いられるウレタン部材への切削油組成物の適合性を調べた。結果を表3に示す。表3中、+は試験前の重量、体積各々に対する増加を示す。なお、表3中、重量変化率及び体積変化率の値が小さいほど、切削油組成物のウレタン部材への影響が少なく、ウレタン部材への適合性が高いことを示す。
【0052】
【表3】
Figure 0004170436
【0053】
表3に示すように、比較例3の切削油組成物を用いた場合、重量変化率及び体積変化率が約50%であるのに対し、実施例1〜3の切削油組成物を用いた場合には、重量変化率及び体積変化率がほぼ20%以下であることから、実施例1〜3の切削油組成物を用いた場合、ウレタン部材への影響が少なく、ウレタン部材への適合性が高いことが示された。
【0054】
試験例4.洗浄性
実施例4〜6、比較例5及び6で調製した各20倍希釈水溶液の曇点の測定と各20倍希釈水溶液を60℃に30分保持し、油水分離の有無を指標に洗浄性を調べた。結果を表4に示す。なお曇点は20倍希釈水溶液10〜30mlを試験管にとり、1℃/分の昇温速度で温度を上げていったとき、液が濁り出す温度をいう。
【0055】
【表4】
Figure 0004170436
【0056】
表4の結果より、実施例4〜6のように化合物(1)〜(3)を含有する切削油を用いてインゴット切削後、得られたウエハーを洗浄した場合、生じた排水を曇点以上に加熱すると、排水中に溶解している切削油が油水分離を起こすため、排水処理を容易にできることを示唆する。一方、比較例5及び6のように化合物(4)及び(5)を含有する切削油を用いた場合、20%希釈水溶液は100℃まで加熱しても曇点が検出されず、油水分離を起こさないため、洗浄後に生じた排水を簡便に処理することができないことを示唆する。
【0057】
【発明の効果】
本発明のワイヤソー用切削油を用いてインゴット等の切断を行った場合、切断後に得られるウエハーの洗浄の際に生じた排水の処理を簡便に行うことができるという優れた効果を奏する。

Claims (2)

  1. 式(I):
    1 O(EO) m (AO) n 2 (I)
    (式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を示し、少なくとも1つは炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3若しくは4のオキシアルキレン基、(EO) m (AO) n はm個のEO、n個のAOからなるランダム体又はブロック体を示し、m及びnはそれぞれ1〜50の整数、mとnとの和は4〜100の整数、nが2以上のときn個のAOは同一でも異なっていてもよい)で表わされる、水で20倍に希釈したときに0〜100℃の曇点を有する非イオン性界面活性剤を60重量%以上、水4重量%以下を含有してなるワイヤソー用切削油と、砥粒とを含有してなるワイヤソー用切削油組成物を用いてワイヤソーでインゴットを切断する工程、得られるウエハーを水で洗浄し、生じた排水を該排水中に含有される前記非イオン性界面活性剤の曇点以上に加熱して油相と水相に分離し、該非イオン性界面活性剤を含有する油相を排水より分離する工程を含む、ウエハーの製造方法
  2. ワイヤソー用切削油が、炭化水素化合物、難水溶性のアルキルエステル類及び難水溶性のアルキルケトン類から選ばれた1種以上の化合物をさらに含有してなる請求項1記載の製造方法
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