JP4168622B2 - ジアリールアミン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸触媒を用いて、液相にてアリールアミン類からジアリールアミン類を製造する方法に関するものである。ジアリールアミン類は、ゴム薬品、医薬、染料の原料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジアリールアミン類を製造する方法の1つとして、β−ゼオライトを固体酸触媒として用い、アリールアミン類を加圧液相条件下に反応させる方法が提案されている。例えば、特開平11−217358号公報には、SiO2/Al2O3モル比が5以上、20未満のβ−ゼオライトを固体酸触媒として用いる方法が、また、特開平11−222466号公報には、β−ゼオライトとシリカからなる固体酸触媒を用いる方法が、アリールアミン類の転化率が向上された方法として提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、さらにアリールアミン類の転化率が向上された方法で、ジアリールアミン類を生産性良く製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を行った結果、特定の物性を有するβ−ゼオライトを触媒として用い、この触媒の存在下にアリールアミン類を液相にて反応させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、アリールアミン類を、強酸量が500μmol/g以下であるβ−ゼオライトの存在下に、液相にて反応させることにより、ジアリールアミン類を製造する方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、原料のアリールアミン類としては、下記一般式(1)
【化2】
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、または炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基もしくはヒドロキシル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
で示される化合物が好適に用いられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、R1〜R5は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基またはハロゲノ基であるのが好ましい。
【0006】
上記一般式(1)で示される化合物の具体例としては、アニリン、トルイジン、エチルアニリン、クミジン、キシリジン、ブチルアニリン、アニシジン、フルオロアニリン、ブロモアニリン、ヨードアニリン、フルオロジメチルアニリン等が挙げられる。中でも、アニリン、トルイジン、クミジン、キシリジンが好ましい。
【0007】
原料としてアリールアミン類を1種用いれば、二つのアリール基が同一である所謂対称ジアリールアミン類を製造することができ、原料としてアリールアミン類を少なくとも2種用いれば、所謂対称ジアリールアミン類と、二つのアリール基が相異なる所謂非対称ジアリールアミン類とを、ある比率で製造することができる。
【0008】
例えば、原料として上記一般式(1)で示される化合物を用いれば、ジアリールアミン類として、下記一般式(2)
【化3】
(式中、R1〜R5は前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物を製造することができるが、ここで、原料として上記一般式(1)で示される化合物を1種用いれば、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士がそれぞれ同一である化合物を製造することができ、原料として上記一般式(1)で示される化合物を少なくとも2種用いれば、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士がそれぞれ同一である化合物と、上記一般式(2)において異なる核上のR1同士、R2同士、R3同士、R4同士およびR5同士の少なくとも1つが相異なる化合物とを、ある比率で製造することができる。
【0009】
上記アリールアミン類を、β−ゼオライトの存在下に反応させることにより、ジアリールアミン類を生成させることができるが、本発明においては、このβ−ゼオライトとして、強酸量が500μmol/g以下のものを用いる必要がある。β−ゼオライトの強酸量は、アンモニアの昇温脱離法[所謂アンモニアTPD(temperature programmed desorption)法]により測定することができる。
【0010】
このような強酸量が500μmol/g以下のβ−ゼオライトは、公知の方法で調製されたβ−ゼオライトや市販品のβ−ゼオライト(例えば、日揮ユニバーサル(株)製、ズードケミー触媒(株)製、ゼオリストインターナショナル製、エヌ・イー・ケムキャット(株)製)の中から、強酸量測定により選択することができる。
【0011】
上記β−ゼオライトの強酸量が500μmol/gを越えると、アリールアミン類の転化率が十分でなく、またこの転化率の経時的な低下が速くなることがある。この強酸量は、好ましくは450μmol/g以下であり、さらに好ましくは400μmol/g以下である。
【0012】
上記β−ゼオライトとしては、転化率と選択率のバランスの観点から、ケイ素/アルミニウムのモル比が2.5〜50であるのが好ましく、さらに好ましくは10〜25である。また上記β−ゼオライトとしては、カチオンとしてプロトンを含むもの、すなわちH型β−ゼオライトや、カチオンとしてアンモニウムイオンを含むもの、すなわちNH4型β−ゼオライトが好ましい。なお、これらβ−ゼオライトは、必要に応じてカチオンとして、NaイオンやKイオンを含んでいてもよい。
【0013】
上記β−ゼオライトの形状としては、例えば、粉末状であってもよいし、粒状であってもよいし、タブレット状であってもよいが、取り扱い性の観点からは、粒状やタブレット状であるのが好ましい。これらのような形状に成形するためには、必要に応じて、アルミナやシリカ等をバインダーとして用いてもよい。
【0014】
上記β−ゼオライトの存在下にアリールアミン類からジアリールアミン類を得る反応は、液相条件下に行われる。この際、反応条件についてはアリールアミン類の種類等により適宜設定されるが、転化率と選択率のバランスの観点から、反応圧力は好ましくは1〜10MPa、さらに好ましくは1〜5MPaであり、反応温度は好ましくは300〜400℃、さらに好ましくは330〜360℃である。
【0015】
上記反応においては、必要に応じて水等の他の成分を添加してもよく、例えば水を添加する場合、その使用量はアリールアミン類100重量部に対して、通常0.02〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0016】
上記反応は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいが、操作性や生産性の観点からは、連続式で行うのが好ましい。なお、上記反応においては、アリールアミン類1モルに対し、理論モル量0.5モルのアンモニアが生成するので、通常、この生成したアンモニアを排出しながら上記反応を行う。
【0017】
上記反応後の後処理操作としては、適宜選択することができるが、通常、蒸留が好適に採用される。反応混合物の蒸留により、通常、未反応のアリールアミン類、次いで目的物のジアリールアミン類を留出させて回収することができ、高沸点の副生成物は蒸留残渣として分離することができる。回収されたアリールアミン類は必要に応じて精製した後、原料として再使用することができる。例えば、反応に水を添加した場合、反応混合物の蒸留において、通常、アリールアミン類が留出する際に水も留出するので、回収されたアリールアミン類は、その含水率を適宜調整した後、再使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、β−ゼオライトの強酸量の測定は、昇温脱離装置ATD700(大倉理研製)を用いて、β−ゼオライト0.1gに対して、以下の手順で行った。
(1)真空下[5×10-4torr(0.067Pa)]、20℃/分の速度で350℃まで昇温。
(2)真空下[5×10-4torr(0.067Pa)]、350℃にて、1時間保持。
(3)アンモニアガス雰囲気下、100torr(13.3kPa)、100℃にて、30分間保持。
(4)水を室温にて飽和させたHeガス200ml/分の気流下、常圧、100℃にて、1時間保持。
(5)真空下[5×10-4torr(0.067Pa)]、100℃にて、1時間保持。
(6)Heガス20ml/分の気流下、80.5torr(10.7kPa)にて、10℃/分の速度で100℃から800℃まで昇温。この間にβ−ゼオライトから脱着するアンモニアを、四重極マススペクトル装置でm/e=16のイオンを検出することにより定量。このアンモニアの量(μmol)を測定に用いたβ−ゼオライトの重量(0.1g)で除し、これをβ−ゼオライトの強酸量とした。
【0019】
実施例1
外部加熱炉が装着されたステンレス製反応管(直径28.0mm、長さ400mm)を縦型に設置し、その下部に液供給口を、その上部に圧力計および圧力調節弁を取り付けたものを、反応器として用いた。この反応器に、強酸量391μmol/gのβ−ゼオライト[直径1.6mm、高さ1〜10mmの円柱状、Si/Al=12.5(モル比)、H型]を123ml充填し、4MPa、345℃にて、液供給口からアニリンを56.6g/h(LHSV=0.48h-1)の速度で供給しながら、圧力調節弁から反応液およびガスを抜き出すことにより、連続式反応を行った。495時間経過後の反応液を、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、反応液中のジフェニルアミン濃度は18.8重量%であり、アニリンの転化率は19.6%、ジフェニルアミンの選択率は96.1%であった。
【0020】
比較例1
実施例1と同様の反応器に、強酸量588μmol/gのβ−ゼオライト[直径1.6mm、高さ1〜10mmの円柱状、Si/Al=12.5(モル比)、H型]を123ml充填し、4MPa、345℃にて、液供給口からアニリンを56.4g/h(LHSV=0.48h-1)の速度で供給しながら、圧力調節弁から反応液およびガスを抜き出すことにより、連続式反応を行った。500時間経過後の反応液を、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、反応液中のジフェニルアミン濃度は17.3重量%であり、アニリンの転化率は18.0%、ジフェニルアミンの選択率は96.0%であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、アリールアミン類を液相条件下に好転化率で反応させることができ、ジアリールアミン類を生産性良く製造することができる。
Claims (3)
- アリールアミン類を、強酸量が500μmol/g以下であるβ−ゼオライトの存在下に、液相にて反応させることを特徴とするジアリールアミン類の製造方法。
- 反応圧力が1〜10MPaであり、反応温度が300〜400℃である請求項1または2に記載の製造方法。
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